JP2010135841A - 無機非縮退半導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子等に用いることのできる無機非縮退半導体を提供する。
【解決手段】InおよびZn、In、ZnおよびAl、In、ZnおよびSi、In、ZnおよびTi、In、ZnおよびSb、In、ZnおよびYb、In、ZnおよびTa、In、ZnおよびMg、In、ZnおよびBa、In、ZnおよびSrの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせの元素を含む酸化物または酸化窒化物からなる非晶質材料または微結晶材料であって、バンドギャップエネルギーが2.7eV〜6.0eVの範囲内の値であり、キャリア濃度が1019cm−3〜1012cm−3の範囲内の値であることを特徴とする無機非縮退半導体。
【選択図】図1

Description

この発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも称する。)に関する。さらに詳しくは、民生用および工業用の表示機器(ディスプレイ)あるいはプリンターヘッドの光源等に用いて好適な有機EL素子に関する。
従来の有機EL素子の一例が、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4にそれぞれ開示されている。これらの文献に開示の有機EL素子は、正孔注入層または電子注入層としての無機半導体層と有機発光層とを積層した構造を有している。そして、有機層よりも劣化の少ない無機半導体層を用いることにより、素子の寿命を向上させている。
また、特許文献1においては無機半導体層の材料として、例えば、非晶質のSi1−Xで表されるIII−V族やII−V族の非結晶質材料やCuI、CuS、GaAsおよびZnTeなどの結晶質材料が用いられている。
また、特許文献3および特許文献4においては、無機半導体層の材料として、CuOをはじめとする結晶質の酸化物半導体材料を用いる例が開示されている。
特開平01−312873号公報 特開平02−207488号公報 特開平05−41285号公報 特開平06−119973号公報
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2に開示の有機EL素子において、CuIなどの結晶質の材料を用いた場合には、通常多結晶の無機半導体層が形成される。多結晶の無機半導体層の表面は、平坦性が悪く、50nm程度以上の凹凸がある。このため、多結晶の無機半導体層上に有機発光層の薄膜を形成した場合、無機半導体層の表面の凸部が、薄膜を突き抜けてしまう場合がある。その場合、無機半導体層と有機発光層上の電極とが短絡して、リーク電流が発生する。また、短絡しなくとも凸部に電界集中が発生するため、リーク電流が発生しやすい。このため、従来の有機EL素子には、発光効率が低下するという問題点があった。
なお、無機半導体層を形成する際には、有機発光層の耐熱温度よりも高い温度(200℃以上)となる。このため、有機発光層は、無機半導体層を形成した後に形成される。
また、特許文献1および特許文献2に開示の有機EL素子において用いられているSi1−Xの非晶質材料のエネルギーギャップは、2.6eVよりも小さい。これに対して、アルミニウム錯体やスチルベン誘導体といった発光体を含む有機発光層のエネルギーギャップは、2.6eVよりも大きい。その結果、有機発光層で生成された励起状態は、無機半導体層へエネルギー移動して失活しやすい。このため、有機EL素子の発光効率が低下するという問題があった。
また、非晶質材料として、シリコン系の材料(α−Si、α−SiC)を用いた場合、ダングリングボンドによる局所準位が、エネルギーバンドギャップ中に1017cm−3以上存在する。このため、たとえバンドギャップエネルギーが大きくても、この局在準位のため励起状態が失活する。このため、有機EL素子の発光効率が低下するという問題があった。
また、上述の特許文献3および特許文献4において用いられるCuOなどの酸化物半導体は結晶質である。CuOなどの酸化物半導体は、高温で焼成されるため、通常多結晶となる。この場合も、特許文献1および特許文献2の場合と同様に、表面の凹凸のためにリーク電流が発生して、発光効率が低下するという問題点があった。
本発明は、上記の問題にかんがみてなされたものであり、発光効率の良い有機EL素子の作製に用いることのできる無機非縮退半導体の提供を目的とする。
この目的の達成を図るため、本発明の無機非縮退半導体は、InおよびZn、In、ZnおよびAl、In、ZnおよびSi、In、ZnおよびTi、In、ZnおよびSb、In、ZnおよびYb、In、ZnおよびTa、In、ZnおよびMg、In、ZnおよびBa、In、ZnおよびSrの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせの元素を含む、酸化物または酸化窒化物からなる非晶質材料または微結晶材料であって、バンドギャップエネルギーが2.7eV〜6.0eVの範囲内の値であり、キャリア濃度が1019cm−3〜1012cm−3の範囲内の値であることを特徴とする。
このように、この発明の無機非縮退半導体は、非晶質材料または微結晶材料を含む。その結果、無機非縮退半導体層の表面が平坦となる。その結果、表面の凹凸に起因するリーク電流の発生の防止を図ることができる。このため、無機非縮退半導体層を用いた有機EL素子では、発光効率の向上を図ることができる。
また、無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーを、有機発光層のバンドギャップエネルギーよりも大きくした。その結果、有機発光層で生成された励起状態が、無機非縮退半導体層へエネルギー移動して失活することの低減を図ることができる。このため、発光効率の向上を図ることができる。
また、この発明の無機非縮退半導体は、バンドギャップエネルギー2.7eV以上6eV以下の範囲内の値である。
前述したように、アルミニウム錯体やスチルベン誘導体を含む有機発光層のエネルギーギャップは、2.6eVよりも大きい。このため、無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーを2.7eV以上とすれば、励起状態の失活の低減を図ることができる。
た、好ましくは、無機非縮退半導体層を、正孔伝導性とするのが良い。すなわち、無機非縮退半導体層は、正孔注入層として機能しても良い。
た、好ましくは、無機非縮退半導体層を、電子伝導性とするのが良い。すなわち、無機非縮退半導体層は、電子注入層として機能しても良い。
また、この発明において、無機非縮退半導体層中のキャリア濃度を、1019cm−3〜1012cm−3の範囲内の値とすると良い。
このように、無機非縮退半導体層中のキャリア濃度を低くすれば、無機半導体が有機発光層中で生成した励起状態と相互作用をする可能性が低くなる。その結果、発光効率の低下を回避することができる。
また、この発明において、無機非縮退半導体層中の局在準位の密度を、1017cm−3未満とすると良い。
このように、局在準位の密度を1017cm−3未満とすれば、この局在準位による励起状態の失活の低減を図ることができる。
また、この発明において、無機非縮退半導体層は、Inを主成分として含む酸化物を材料とすると良い。
以上、詳細に説明した様に、この発明による無機非縮退半導体からなる層は非晶質材料または微結晶材料でもって形成したので、表面の凹凸に起因するリーク電流の発生の防止を図ることができる。
本発明の無機非縮退半導体を用いた有機EL素子の第1の実施の形態の説明に供する断面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、参照する図面は、この発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状および配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。したがって、この発明は図示例にのみ限定されるものではない。また、図面中、断面を表すハッチングを一部省略する。
まず、図1を参照して、この実施の形態の有機EL素子100の構造について説明する。この有機EL素子100は、第1電極層としての下部電極10、無機非縮退半導体層12、有機発光層14および第2電極層としての対向電極16を順次に積層した構造を有する。
そして、この無機非縮退半導体層12は、非晶質材料または微結晶材料を含む。このように、無機非縮退半導体層12を非晶質材料または微結晶材料でもって形成すれば、その表面は平坦となる。その結果、表面の凹凸に起因するリーク電流の発生を防止することができる。このため、発光効率が向上する。
なお、無機半導体の状態(例えば、非晶質状態や微結晶状態)は、例えば、X線解析法により検出することができる。
その上、この無機非縮退半導体層12は、有機発光層のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有する。具体的には、無機非縮退半導体層12のバンドギャップエネルギーを2.7eV〜6eVの範囲内の値とすると良い。
このように、無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーを大きくすれば、有機発光層14で生成された励起状態が、無機非縮退半導体層12へエネルギー移動して失活することを防ぐことができる。このため、発光効率が向上する。
なお、バンドギャップエネルギーは、例えば、透過光の吸収端波長を測定することにより求めることができる。
また、無機非縮退半導体層12に正孔伝導性を持たせて、無機非縮退半導体層12を正孔注入層することができる。その場合、下部電極10を陽極とし、対向電極16を陰極とする。
また、無機非縮退半導体層12に電子伝導性を持たせて、無機非縮退半導体層12を電子注入層とすることもできる。その場合、下部電極10を陰極とし、対向電極16を陽極とする。
また、この発明の実施にあたり、無機非縮退半導体層12は、例えば、Yb(イッテルビウム)、Al(アルミニウム)、In(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Si(ケイ素)、Ta(タンタル)、Sb(アンチモン)およびZn(亜鉛)の元素うちのいずれか1つ以上の元素含む酸化物または酸化窒化物を主成分とすると良い。
具体的には、酸化物または酸化窒化物としては、例えば、InおよびZnの組み合わせ、In、ZnおよびYbの組み合わせ、ならびに、In、ZnおよびTaの組み合わせの元素のうち、いずれかの組み合わせの元素を含む、酸化物または酸化窒化物とすると良い。
また、この実施の形態では、無機非縮退半導体層12中のキャリア濃度を、1019cm−3〜1012cm−3の範囲内の値とする。
このように、キャリア濃度を低くすれば、発光効率の低下を回避することができる。
これに対して、キャリア濃度が高い無機半導体、例えばキャリア濃度が1019よりも高い縮退半導体を用いた場合、キャリアと、有機発光層で生成した励起状態とが相互作用して、発光効率を低下させてしまう。
なお、キャリア濃度は、例えば、ホール効果を用いて測定することができる。
また、この実施の形態では、無機非縮退半導体層12中の局在準位の密度を、1017cm−3未満とする。このように、局在準位の密度を1017cm−3未満の値とすれば、この局在準位による励起状態の失活の低減を図ることができる。
なお、局在準位の密度は、無機非縮退半導体の電流−電圧−静電容量の関係を調べることにより測定することができる。
また、有機発光層は、正孔伝導性を有することが望ましい。
[実施例1]
次に、この発明の実施例1について説明する。実施例1の有機EL素子では、下部電極を透明電極とした。
実施例1の有機EL素子を製造するにあたっては、まず、厚さ1mm、25mm×75mmのガラス基板上に、100nmの厚さのITO膜を製膜する。このガラス基板とITO膜とを併せて基板とする。続いて、この基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄する。更に、基板をN(窒素ガス)雰囲気中で乾燥させた後、UV(紫外線)およびオゾンを併用して30分間洗浄した。実施例1では、この下部電極を陽極とする。
次に、この基板を日本真空社製の蒸着・スパッタ装置のチャンバに設置した。そして、ITO膜上に無機非縮退半導体層をスパッタリング(ICNS)にて製膜した。このスパッタリングにあたっては、InZO、ZnOおよびAlの焼結体をターゲットとした。ただし、In、ZnおよびAlに対するInの原子数比を一例として0.6とした。また、In、ZnおよびAlに対するAlの原子数比を一例として0.1とした。
また、スパッタリングにあたっては、チャンバ中に、アルゴンガスと酸素ガスを、(アルゴンガス)/(酸素ガス)の体積比が2.0となるように導入した。そして、スパッタリングにあたっての条件は、チャンバの真空度を3×10−4Pa、出力を50W、RF周波数を13.56MHz、カソード印加電圧を400Vとした。
実施例1では、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Al−Oからなる酸化物層を200nmの厚さに蒸着した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
続いて、無機非縮退半導体層上に、有機発光層として、電子輸送性の有機化合物である8−ヒドロキシキノリンAl錯体(Alq錯体)を抵抗加熱により60nmの厚さに蒸着した。
さらに、有機発光層上に、対向電極として、Al:Li合金を抵抗加熱により200nmの厚さに蒸着した。実施例1では、この対向電極を陰極とする。
以上の工程を経て、実施例1の有機EL素子を形成した。
実施例1における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、2.9eVであった。バンドギャップエネルギーの測定にあたっては、無機非縮退半導体層を構成する酸化物の透過スペクトルを測定し、その吸収端の波長に相当するエネルギーを求めた。
また、無機非縮退半導体層の比抵抗を測定したところ、1×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層をX線回折で測定したところ、無機非縮退半導体層の状態は非晶質であった。
そして、下部電極と対向電極との間に6Vの電圧を印加して、素子を定電圧駆動した。このときの初期輝度は、100cd/mであり、発光効率は1.2lm/Wであった。
また、7.5Vの電圧を印加した駆動したときの初期輝度は、170cd/mであった。そして、半減寿命は、750時間であった。なお、半減寿命とは、輝度が、初期輝度の半値になるまでに要する時間をいう。
[実施例2]
次に、この発明の実施例2について説明する。実施例2の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例2においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Si−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびSiに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、ZnおよびSiに対するSiの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例2における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、2.9eVであった。また、比抵抗は、1×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.2lm/Wであった。また、半減寿命は、800時間であった。
[実施例3]
次に、この発明の実施例3について説明する。実施例3の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例3においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Mg−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびMgに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、ZnおよびMgに対するMgの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例3における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.0eVであった。また、比抵抗は、2×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、微結晶(マイクロクリスタル)であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.5lm/Wであった。また、半減寿命は、1200時間であった。
[実施例4]
次に、この発明の実施例4について説明する。実施例4の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例4においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Yb−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびYbに対するInの原子数比を0.57〜0.6範囲内の値とした。また、In、ZnおよびYbに対するYbの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例4における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.1eVであった。また、比抵抗は、3×10−1Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.0lm/Wであった。また、半減寿命は、650時間であった。
参考例1
次に、この発明の参考例1について説明する。実施例2の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例2においては、無機非縮退半導体層として、In−Ga−Si−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、GaおよびSiに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、GaおよびSiに対するSiの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
参考例1における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.0eVであった。また、比抵抗は、3×10−2Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、微結晶であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は0.9lm/Wであった。また、半減寿命は、700時間であった。
参考例2
次に、この発明の参考例2について説明する。参考例2の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、参考例2においては、無機非縮退半導体層として、In−Ga−Al−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、GaおよびAlに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、GaおよびAlに対するAlの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
参考例2における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、2.9eVであった。また、比抵抗は、1×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、微結晶であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.3lm/Wであった。また、半減寿命は、720時間であった。
実施例5
次に、この発明の実施例2について説明する。実施例2の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例2においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Ta−Oからなる酸化物の層をスパッタリング形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびTaに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、ZnおよびTaに対するTaの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例5における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、22.8eVであった。また、比抵抗は、7×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.2lm/Wであった。また、半減寿命は、450時間であった。
実施例6
次に、この発明の実施例6について説明する。実施例6の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例6においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Si−O−Nからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
実施例6における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.1eVであった。また、比抵抗は、7×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.4lm/Wであった。また、半減寿命は、2000時間であった。
実施例7
次に、この発明の実施例7について説明する。実施例7の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例7においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Al−O−Nからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
実施例7における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.1eVであった。また、比抵抗は、8×10Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は1.6lm/Wであった。また、半減寿命は、1500時間であった。
実施例8
次に、この発明の実施例8について説明する。実施例8の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例8においては、対向電極を、Al:Liの代わりに、Alで形成した。Alは、仕事関数が4.0eV以上あるので、耐久性が高い。
また、実施例8においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Ba−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびBaに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、ZnおよびBaに対するBaの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。また、スパッタリングの出力を20Wとした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例8における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、3.0eVであった。また、比抵抗は、4×10−2Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は2.1lm/Wであった。また、半減寿命は、3200時間であった。
実施例9
次に、この発明の実施例9について説明する。実施例9の有機EL素子の構造は、実施例8の素子の構造と同様である。ただし、実施例9においては、無機非縮退半導体層として、In−Zn−Sr−Oからなる酸化物の層をスパッタリングにより形成した。なお、この酸化物は、正孔伝導性を有し、透明である。
スパッタリングにあたっては、In、ZnおよびSrに対するInの原子数比を0.57〜0.6の範囲内の値とした。また、In、ZnおよびSrに対するSrの原子数比を0.1〜0.23の範囲内の値とした。その他のスパッタリングの条件は、実施例1と同一条件とした。
実施例9における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、下記の表1に示すように、2.8eVであった。また、比抵抗は、3×10−2Ω・cmであった。また、無機非縮退半導体層の状態は、非晶質であった。
そして、7.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は2.4lm/Wであった。また、半減寿命は、4000時間であった。
Figure 2010135841
実施例10
次に、この発明の実施例10について説明する。実施例10の有機EL素子の構造は、実施例1の素子の構造と同様である。ただし、実施例10においては、有機発光層として、下記の(1)式に示すPAVBiを用いた。このPAVBiは、正孔伝導性を有する。
Figure 2010135841
そして、印加電圧5Vで定電圧駆動したときの初期輝度は210cd/mであり、発光効率は2.3lm/Wであった。また、半減寿命は、1300時間であった。また、発光光の色は、青緑色であった。
なお、従来は、PAVBiの有機発光層と、オキサジアゾール誘導体の電子注入層とを組み合わせて用いた例が知られている。この組み合わせでは、発光効率は高くなるが、寿命が50時間と極めて短い。
(参考例)
次に、この発明の参考例について説明する。参考例の有機EL素子の構造は、実施例10の素子の構造と同様である。ただし、参考例においては、無機非縮退半導体層としてのIn−Zn−Si−Oを除去している。
そして、5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの初期輝度は180cd/mであり、発光効率は2.0lm/Wであった。また、半減寿命は、800時間であった。
(比較例1)
次に、比較例1について説明する。比較例1の有機EL素子の構造は、実施例1の構造と同様である。ただし、比較例1では、無機非縮退半導体層の代わりに、有機正孔注入材である下記の(2)式に示すTPDを用いた。
Figure 2010135841
そして、6.5Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの初期輝度は130cd/mであったが、半減寿命はわずか120時間であった。
(比較例2)
次に、比較例2について説明する。比較例2の有機EL素子の構造は、実施例1の構造と同様である。ただし、比較例1では、無機非縮退半導体層として、正孔伝導性のマイクロクリスタルSi(P−μC−Si)層を、プラズマCVD法により、厚さ30nmで製膜した。
製膜にあたっては、プラズマCVD装置を用いて、RF出力を800W、基板温度を300℃、圧力を20mTorrとし、導入ガスとしてSiH/H/B(6000ppm)を導入した。
比較例2における無機非縮退半導体層のバンドギャップエネルギーは、2.3eVであった。また、比抵抗は、1×10Ω・cmであった。
そして、6Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの初期輝度は120cd/mであり、輝度は10cd/mであり、発光効率はわずか0.2lm/Wであった。また、半減寿命はわずか10時間であった。
比較例1および比較例2と、実施例1とを比較すると、無機半導体は、正孔伝導に対する安定性が、有機化合物に比べてはるかに高いことが分かる。さらに、バンドギャップエネルギーの大きな無機非縮退半導体層は、電子障壁性を有し、かつ、正孔伝導に対する安定性が高いことが分かる。
(比較例3)
次に、比較例3について説明する。比較例3の有機EL素子の構造は、実施例1の構造と同様である。ただし、比較例3では、無機非縮退半導体層として、InZnOを用いている。InZnOのキャリア濃度は、1020cm−3である。また、比抵抗は、5×10−4Ω・cmと小さい。
そして、6Vの電圧を印加して定電圧駆動したときの発光効率は,わずか0.25lm/Wであった。発光効率が低い理由は、無機非縮退半導体層のキャリア濃度が高いためであると考えられる。
10 第1電極層、下部電極
12 無機非縮退半導体層
14 有機発光層
16 第2電極層、対向電極
100 有機EL素子

Claims (3)

  1. InおよびZn、In、ZnおよびAl、In、ZnおよびSi、In、ZnおよびTi、In、ZnおよびSb、In、ZnおよびYb、In、ZnおよびTa、In、ZnおよびMg、In、ZnおよびBa、In、ZnおよびSrの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせの元素を含む酸化物または酸化窒化物、からなる非晶質材料または微結晶材料であって、
    バンドギャップエネルギーが2.7eV〜6.0eVの範囲内の値であり、キャリア濃度が1019cm−3〜1012cm−3の範囲内の値であることを特徴とする無機非縮退半導体
  2. Inを主成分として含む酸化物であることを特徴とする請求項に記載の無機非縮退半導体
  3. 前記元素の組み合わせが、InおよびZn、In、ZnおよびAl、In、ZnおよびTi、In、ZnおよびSb、In、ZnおよびYb、In、ZnおよびTa、In、ZnおよびMg、In、ZnおよびBa、In、ZnおよびSrの組み合わせのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機非縮退半導体。
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