JP2003007465A - 有機発光アレイ又はディスプレイ - Google Patents

有機発光アレイ又はディスプレイ

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JP2003007465A
JP2003007465A JP2002130538A JP2002130538A JP2003007465A JP 2003007465 A JP2003007465 A JP 2003007465A JP 2002130538 A JP2002130538 A JP 2002130538A JP 2002130538 A JP2002130538 A JP 2002130538A JP 2003007465 A JP2003007465 A JP 2003007465A
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layer
inorganic
transport layer
alloy
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JP2002130538A
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English (en)
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Samuel Clagtt Strite
ストライト、サミエル、クラゲット
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高効率,低電圧駆動,高輝度及び高信頼性を
有する改良された有機エレクトロルミネセント・デバイ
ス,アレイ,及びそれに基づくディスプレイを提供する
こと 【解決手段】 少なくとも1つの発光層(EL)を持っ
た有機活性領域(53)を有するOLEDを設ける。更
に、そのOLEDは少なくとも1つの有機電荷トランス
ポート層(52)(ホール・トランスポート層又は電子
トランスポート層)、アノード(51)、及びカソード
(52)を含む。この有機電荷トランスポート層は無機
成分の導入によって合金化される。上記合金化された電
荷トランスポート層が、例えば、ホール・トランスポー
ト層(HTL)である場合、ホールがその無機構成要素
によってそのトランスポート層を通して伝導され、電圧
降下又は加熱が減少される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、有機エレクトロルミネセント・
デバイス、アレイ、ディスプレイ、及びそれらを製造す
るための方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】有機エレクトロルミネセンスは、個別の(d
iscrete)発光デバイス、アレイ、及びディスプレイにお
けるそれの応用が可能であるために広範囲にわたって研
究されてきた。これまでに調べられた有機材料は、潜在
的には、数多くの応用において通常の無機材料に取って
代わることができ、全く新しい応用も可能にする。有機
合成における極めて高い自由度は、近い将来における更
に素晴らしい材料さえ約束している。
【0003】低効率の有機エレクトロルミネセンスは、
何年も前に、例えば、Journal Chem. Phys.誌の Vol.3
8, 1963, pp.2024 における Pope 氏他の論文におい
て、及びPhysical Review Letters 誌の Vol.14, No.7,
1965, pp.229-231 における "Recombination Radiatio
n in Anthracene Crystals"と題した Helfrich 氏他の
論文において報告されているように金属/有機物/金属
の構造で観察された。最近の開発は、高効率の有機エレ
クトロルミネセンスに関する2つの論文によって大いに
拍車をかけられた。これらは、Applied Physics Letter
s 誌の Vol.51, No.12, 1987, pp.913-915 における "O
rganic electroluminescent diodes"と題した C.W. Tan
g 氏他の論文、及び Nature 誌のVol.347, 1990, pp.53
9 におけるBurroughs 氏他の論文である。それぞれ、基
板として透明のITO(インジウム-錫-酸化物)及び金
属/ガラスを利用した。Tang氏他は、真空蒸着された単
量体化合物を使用して2層有機発光デバイスを作り、一
方、Burroughs 氏他は、スピン・コートされたポリ(p
−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリマを使用し
た。
【0004】Tang 氏他及び Burroughs 氏他によって開
示された先進技術は、主として、適切な有機多層及びコ
ンタクト金属の選択を通したエレクトロルミネセント・
デバイスの設計における改良によって得られた。Tang氏
他は、有機材料が一般には電子及びホールの両方を完全
に等しく伝導するものではないために、2層構造が非常
に有利であることを示した。所与の有機材料は、通常、
高効率での発光のみに最もよく適するか、又は単極の電
荷トランスポートに最もよく適するか、又は金属コンタ
クトから特定の有機材料への効率的電荷注入に最もよく
適する。この傾向は、日本の刊行物である応用物理(Ap
plied Physics)誌の Vol.27, No.2, 1988, pp.L269-L2
71 における "Electroluminescence in Organic Films
with Three-Layer Structure" と題した C. Adachi 氏
他の論文、及び同誌の Vol.27, No.4, pp.L713-L715 に
おける "Organic Electroluminescence Devices with a
Three-Layer Structure" と題した C.Adachi 氏他の論
文に表れている。これらの論文において、Adachi 氏他
は、各有機材料が単一の機能しか果たさないように電子
伝導、ホール伝導及び発光を分離した3層構造を紹介し
た。
【0005】有機エレクトロルミネセント発光デバイス
(OLED)は無機発光ダイオード(LED)とほとん
ど同様に機能する。最も簡単な可能性ある構造が第1図
に概略的に示される。それは、それぞれ電荷(e-)及
びホール(h+)を注入する2つの電極11及び12の
間に挟まれた有機発光層10より成る。そのような構造
は、例えば、上記 Burroughs 氏他の論文に開示されて
いる。電子及びホールは有機層10において遭遇し、再
結合して光を発生する。有機層10を形成する有機材料
の電子バンド及びホール・バンドを整合させるように電
極材料が選択される時、性能上の改良が得られる。その
ような改良された構造が第2図に示される。適正な電極
材料13及び14を選択することによって、図示のよう
に、キャリアの注入に対するエネルギ障壁は減少する。
なお、そのような簡単な構造は、電子が有機層10を横
切ってアノード14に達したり或いはその逆に移動した
りするのを止めるものは何もないので、十分な働きをし
ない。第3図は、電子がほとんど注入されず、ホールを
カソード15において再結合するほかないような大きな
電子障壁16を持ったデバイスを示す。
【0006】第4図に示される第2の問題は、ほとんど
の既知の有機材料、特に、導電性のものにおいて電子及
びホールの移動度が大きく異なるということである。第
4図は、アノード18から注入されたホールが有機層1
9を素早く横切るが、注入された電子はずっとゆっくり
移動し、その結果、カソード17の付近で再結合を生じ
るという例を示す。有機層19における電子移動度がホ
ールの移動度よりも大きい場合、アノード18の付近で
再結合が生じるであろう。金属コンタクト付近での再結
合はそのコンタクトによって強力にクエンチ(quen
ch)され、それはそのような欠陥のあるデバイスの効
率を制限する。
【0007】第5図にしめされるように、Tang氏他は、
電子トランスポート層(ETL)20及びホール・トラ
ンスポート層(HTL)21を導入して電子及びホール
のトランスポート機能を2つの材料の間で分離し、主と
して上記の問題を克服した。Journal of Applied Physi
cs 誌の Vol.65, No.9, 1989, pp.3610-3616 における
"Electroluminescence of doped organic thin films"
と題した C.W. Tang氏他による論文には、2層設計に
おいて高いキャリア移動度が得られたことが記述されて
おり、それは、低い動作電圧で等しい光出力を可能にす
るデバイス直列抵抗の減少に通じるものである。コンタ
クト金属22、23は、それぞれ、ETL20及びHT
L21バンドに整合するように個々に選択可能であり、
一方、再結合は、電極22、23のいずれからも遠く離
れた有機層20及び21の間のインターフェース24に
おいて生じた。第5図に示す構造は、HTL及びETL
材料を上手に選択することによって電子がHTLに入る
こと及びその逆を阻止する。この特徴は、第1図に示さ
れたような金属コンタクトにおける非放射性再結合を排
除し、更に、同じ体積における高密度の電子及びホール
を助長し、放射性再結合の増強に通じるものである。有
機発光層が他の有機化合物、この場合は、クマリン54
0染料又はDCM化合物でもってドープされ、OLED
効率を改良し、或いはそれの発光スペクトルを変更する
ということも Tang 氏他によるこの論文において最初に
開示された。又、Tang氏他は、有機ドーパント及びホス
ト材料の適正な選択によって、再結合がそのドーパント
によって制御されることも示した。
【0008】今や、望ましい構造は3つの有機層、例え
ば、日本の刊行物である応用物理(Applied Physics)
誌の Vol.27, No.2, 1988, pp.L269-L271 における "El
ectroluminescence in Organic Films with Three-Laye
r Structure" と題した C. Adachi 氏他の論文、及び 5
th International Workshop on Electroluminescence,H
elsinki 1990, ACTA Polytechnica Scandinavica, Appl
ied Physics Series No.170, pp.215-218 における "El
ectroluminescent Mechanism of Organic ThinFilm Dev
ices" と題した C. Adachi 氏他の論文に記述されてい
るようなものを有する。そのような構造は、第6図に示
されるようにETL31とHTL32との間に挟まれた
明瞭な発光層30を有する。その3層構造は、Physical
ReviewLetters 誌の Vol.66, No.20, 20 May 1991, p
p.2649-2652 における "Evidencefor Excitation Confi
nement in Crystalline Organic Multiple Quantum Wel
ls" と題した記事において、量子井戸コンセプトが有機
エレクトロルミネセント材料にとって無機半導体と全く
同様に有効であることを示した F.F.So 氏他の研究によ
ってある程度動機づけられている。その3層構造は、電
子及びホールが最も効率的に再結合し得る活性層にそれ
ら電子及びホールの両方を閉じ込めることから効果を上
げる。更なる利点はそれらの層の特殊化の増進である。
2層構造では、一方の材料が必然的に中間物となってト
ランスポート及び放出の両方を遂行しなければならず、
一方、3層構造は、トランスポート層及び活性層がそれ
ぞれそれらの伝導特性及び発光特性を排他的に選択され
ることを可能にする。
【0009】有機LEDは数多くの応用において通常の
無機LEDより優れている大きな可能性を有する。OL
ED及びそれに基づくデバイスの1つの重要な利点は価
格である。それは、それらが、無機LEDの場合のよう
に結晶基板上の限定された領域に高い温度で析出される
のではなく、大きなガラス基板上に又は透明、半透明、
又は不透明の基板上の広い範囲に低い温度で付着可能で
あるためである。それらの基板は撓み得るものでもよ
く、可撓性のOLED及び新しいタイプのディスプレイ
を可能にする。現在まで、OLED及びそれの基づくデ
バイスの性能は、以下のようないくつかの理由で無機L
EDに対して大きく劣っている。即ち、
【0010】1.高い動作電圧: 有機デバイスは電荷
を活性領域(発光層)に注入し及びトランスポートする
ために大きな電圧を必要とする。それはそのようなデバ
イスの電力効率を低下させる。高電圧は、金属/有機イ
ンターフェースにおけるエネルギ障壁を越えてキャリア
を注入するために高い電界を必要とすること、及び大き
なオーム電圧降下及び電力消費に通じる有機トランスポ
ート層(ETL及びHTL)におけるキャリアの移動度
が低いことに起因している。
【0011】2.低い輝度: 現在のOLEDは、無機
LEDのように1電子当たり多くの光子をどうにか生じ
させることができる。即ち、それらの量子効率は良好で
ある。OLEDは、比較的小さい電荷が抵抗性トランス
ポート層(HTL又はETL)を通して伝導可能である
という単純な理由のために、輝度において無機LEDに
劣る。このよく知られた効果は空間電荷制限電流と呼ば
れる。簡単に云えば、有機材料におけるキャリアの低い
移動度のために、発光層に到達する電子及びホールの流
速を制限するトラフィック・ジャムが発生する。高伝導
率のトランスポート層が得られるまで、より良い発光材
料でも、大きく改良された輝度を提供することはできな
い。
【0012】3.信頼性: 有機LEDは空気中で及び
動作中に劣化する。以下のような幾つかの問題点が関与
していることが知られている。 (A).効率的な低電界電子注入は、Mg、Ca、F、
Li等のような低い仕事関数のカソード金属を必要とす
る。それらはすべて酸素及び水の中では高い反応性を示
す。周囲のガス及びオーム発熱時の有機材料から出るガ
スはコンタクトを劣化させる。 (B).通常のAgMg及びITOコンタクトは、依然
として、既知のETL及びHTL材料におけるキャリア
注入に対する大きな障壁を持っている。従って、大きな
注入電流を生じさせるためには、高い電界が必要であ
る。その抵抗性インターフェースにおける高い電界及び
オーム発熱からのストレスはデバイス劣化の一因とな
る。 (C).通常のキャリア・トランスポート層の高抵抗は
動作中のデバイスを発熱させる。 (D).ほとんどのOLED材料の熱的安定性はそれら
を発熱に対してあまりセンシティブにはしない。発熱時
に、多くのアモルファス有機材料が結晶化して粒子にな
る。その微結晶はアモルファス固体よりも小さい体積を
持ち、アモルファス固体のように一様にはパックしな
い。その結果生じるギャップ及びその微結晶の奇妙な形
状は、1つの微結晶から次の微結晶への伝導を困難なも
のにし、正のフィードバック・ループにおける抵抗及び
発熱を増加させ、一方、ガス汚染が浸透するための及び
近隣の材料が拡散するための更なるチャネルを開くこと
になる。
【0013】3層有機構造(例えば、第6図参照)でさ
え、トランスポート層が2つのタスク、即ち、電荷注入
及びキャリア・トランスポートを行うことを必要とす
る。しかし、それらは1つのタスクに対して最適化され
るだけのこともある。当然の改良として、2つの注入層
が加えられた5層構造がある。これらの新しい層は、そ
れらがコンタクト金属とトランスポート層との間でエネ
ルギ・オフセットを分離する場合に有用であろう。電子
及びホールにとっては、2つの小さい障壁を克服する方
が、それら2つの障壁の和となる高さを持った単一の障
壁を克服するよりもずっと容易である。2つの小さい障
壁が設けられたOLEDデバイスの一部分が第7図に示
される。このデバイスは、電子注入層40及び電子トラ
ンスポート層(ETL)42が後に続くカソード金属4
1を含む。これらの3つの層40−42の仕事関数は、
電子に対する2つの小さいエネルギ・ステップがカソー
ド及びETLの間だけに存在する大きいエネルギ・ステ
ップに取って代わるように選択される。同じことがホー
ルにも適用する。これは、注入層がそれの仕事関数のた
めに選択されること及びトランスポート層がそれの移動
度のために選択されることを可能にする。
【0014】OLEDは、主として、それらの発光層に
よってではなくそれらのコンタクト及びトランスポート
層によって制限される。従って、電荷をOLEDに容易
に注入することができる安定した材料でもって低い仕事
関数の金属を置換することが非常に望ましいことであ
る。有機材料は非常に効率的な発光材料ではあるけれど
も、それらは不十分な移動度及び低いキャリア濃度を持
った非常に不十分な電気的導体である。この一例は、現
在、OLEDのための最も一般的な電子トランスポート
材料であるAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン
・アルミニウム))である。Applied Physics Letters
誌の Vol.66, No.26, 1995, pp.3618-3620 における "E
lectron andhole mobility in tris(8-hydroxyquinolin
e aluminum)" と題した Kepler 氏他の論文では、Al
q3における電子及びホールの移動度が測定され、それ
ぞれ、1.4×10-6 及び2×10-8 cm2/Vsが得
られた。それに比べて、太陽電池及び薄膜トランジスタ
において一般的に使用されるようなガラス上に付着され
たアモルファス・シリコン(Si)は6桁も高い、即
ち、〜1cm2/Vsの移動度を有する。無機金属も低
い移動度を有するが、これは電荷伝導に関与する大きな
キャリア濃度によって補償される。例えば、金属は、一
般に10-6 オームcm以下の抵抗率を有する。ドープ
された半導体は、10-3 乃至10-4 のような低い抵抗
率である。一方、有機導体(絶縁体とも呼ばれる)は、
一般に106オームcm以上の抵抗率を有する。従っ
て、各材料に、それが最善を尽くしていることを行わせ
ることは意味のあることである。
【0015】高分子材料及び単量体材料は種々の特性を
有し、それらの特性は、各材料から作られたOLEDの
性能において反映する。これは、両方を使用するデバイ
スを魅力的なものにする。例えば、 Applied Physics L
etters 誌の Vol.66, No.6,1995, pp.653-655 における
"Poly(p-phenylene vinylene)/tris(8-hydroxy)quinol
ine aluminum heterostructure light emitting diode"
と題した C.C. Wu氏他による論文では、デバイスを形
成するために高分子層及び単量体層の両方が使用されて
いる。大きい分子量を有するポリマは、一般的なHTL
材料のように結晶化することはない。この方法の欠点
は、2つの異なる製造技術が必要とされることである。
遅延、移動等はインターフェースにおける汚染を導く。
AppliedPhysics Letters 誌の Vol.61, No.7, 1992, p
p.761-763 における "Organic electroluminescent dev
ices based on molecularly doped polymers" と題した
J. Kido 氏他による論文では、ポリマが単量体でもっ
てドープされる。これらの方法は、上記のOLEDに伴
う問題点を解決するものではない。
【0016】Applied Physics Letters 誌の Vol.66, N
o.6, 1995, pp.673-675 における "Organic electrolum
inescent devices fabricated using a diamine doped
MgF2thin film as a hole-transporting layer" と題し
た S. Tokito 氏他による論文には、有機化合物でもっ
てドープされた無機層を有するデバイスが示されてい
る。この動機づけは、ジアミンの再結晶化を回避するこ
とであった。無機材料MgF2 は、導入された有機成分
がすべてのホール伝導率に関与するような絶縁体であ
る。
【0017】別々の有機層を無機層でもって一体化する
ことによって実現された無機/有機ハイブリッド・デバ
イスが別のグループによって報告されている。その例
は、Applied Physics Letters 誌の Vol.65, No.6, 199
4, pp.676-678 における "Organic-Inorganic heterost
ructure electroluminescent device using a layeredp
erovskite semiconductor (C6H5C2H4NH3)2PbI4" と題し
た M. Era 氏他による論文である。その Era 氏他のデ
バイスは、有機オキシジアゾールのETLと共に、HT
L及び発光層として無機ペロブスカイトを使用した。Fu
jita 氏他は、ETL及び発光層として、有機ジアミン
のHTLと共にn型エピタキシャルZnSe/GaAs
を使用した。Era 氏他のデバイスは、ペロブスカイト活
性層の光学的な質が不十分であるので、効率が不十分で
あった。それは、ETLの伝導率が不十分であり、しか
も不安定なカソード金属が必要であるという点で従来の
OLEDの欠点の多くを受ける。Fujita 氏他の方法
は、通常の無機LEDに関してOLEDの望ましい特性
を何も持っていない。エピタキシャルZnSe/GaA
s方法は困難且つ高価であり、GaAs基板によって小
さい領域に限定される。アノード及びGaAs基板の両
方とも、ZnSeによって発光された青色光を強く吸収
し、光出力を減少してしまう。更に、ジアミンのHTL
のホール伝導は、多くのp型無機半導体よりもずっと不
十分である。
【0018】以上から明らかなように、OLEDは、最
も良く機能するためには2つの問題、即ち、効率的な再
結合及びアノード/カソードから発光有機材料への効率
的な電荷移動という問題を解決しなければならない。E
TL及びHTLは、効率的な再結合のためにクエンチを
生ずるようなコンタクトから活性領域を離す必要があ
る。既知の電子伝導有機物はすべて低い仕事関数を持っ
ているので、低い仕事関数のカソード金属は効率的な電
荷移動のための選択方法である。
【0019】しかし、これらの各解決方法は性能を抑制
し、デバイスの信頼性を低下させる。より良い再結合効
率のために金属コンタクトから活性層を取り除く代償は
HTL/ETLにまたがるオーム電圧降下であり、発熱
及び電力消費に通じる。低い仕事関数の金属は不安定で
あり、信頼性に欠ける。上記の例及び現在の技術的水準
からわかるように、受容し得る特性を持ったOLED及
びそれに基づくディスプレイを実現するために解決され
なければならない2つの主要な問題がある。
【0020】
【発明の開示】本発明の目的は、新しい且つ改良された
有機エレクトロルミネセント・デバイス、アレイ、及び
それに基づくディスプレイを提供することにある。本発
明の更なる目的は、改良された効率、低い動作電圧、高
い輝度、及び高められた信頼性を有する新しい且つ改良
された有機エレクトロルミネセント・デバイス、アレ
イ、及びそれに基づくディスプレイを提供することにあ
る。
【0021】本発明の更なる目的は、新しい且つ改良さ
れた有機エレクトロルミネセント・デバイス、アレイ、
及びディスプレイを製造するための方法を提供すること
にある。
【0022】上記の目的は、少なくとも1つの発光層
(EL)を持った有機活性領域を有するOLEDを提供
することによって達成された。更に、そのOLEDは少
なくとも1つの有機電荷トランスポート層(ホール・ト
ランスポート層又は電子トランスポート層のどちら
か)、アノード、及びカソードを含む。この有機電荷ト
ランスポート層は無機成分の導入によって合金化され
る。上記合金化された電荷トランスポート層が、例え
ば、ホール・トランスポート層(HTL)である場合、
ホールがその無機構成要素によりそのトランスポート層
を通して伝導され、電圧降下及び発熱を減少する。
【0023】有機トランスポート層に導入された無機物
の高い伝導率を利用する本発明の方法は、Applied Phys
ics Letters 誌の Vol.66, No.6, 1995, pp.673-675 に
おける "Organic electroluminescent devices fabrica
ted using a diamine dopedMgF2 thin film as a hole-
transporting layer" と題した S. Tokito 氏他による
論文に記載された方法とは全く逆である。又、キャリア
注入のためにエネルギ障壁を小さくするか或いは排除す
ることによってコンタクトを改良するための必要な方式
は、Tokito 氏他によって認識されてはいなかった。
【0024】少なくとも1つのトランスポート層は有機
/無機合金層とすべきであるという事実に加えて、電荷
を無機合金から有機活性領域に移動するのに適したもう
1つの層を持つことは有利であろう。本発明によれば、
これは、一方のサイドにおける活性領域と他方のサイド
における有機/無機合金トランスポート層との間に有機
バッファ層を設けることによって得られる。従って、発
光層における電子及びホールの放射再結合は、近くの有
機/無機合金層に影響を与えることなく生じる。さもな
くば、有機/無機合金層は、場合によっては再結合をク
エンチしてしまうであろう。この場合、バッファ層は、
キャリアが活性領域に拡散するか或いは低い電圧によっ
て駆動されるほど十分に薄くなければならない。一方、
バッファ層は合金による再結合のクエンチングを回避す
るのに十分に厚くなければならない。有機バッファ層の
厚さは、特定の合金が如何に多くのルミネセンスを劣化
させるか次第で或いは他の多くのパラメータ次第で、1
nm乃至100nmの範囲になければならない。
【0025】本発明のもう1つの態様では、両方のトラ
ンスポート層が合金化され、更に、これらの合金化され
たトランスポート層の1つが有機バッファ層によって活
性領域から分離されてもよい。
【0026】又、発光層の両サイドに有機バッファ層及
び有機/無機合金層が設けられる対称的なデバイス構造
を持つことも有利である。
【0027】更に、有機又は無機の拡散障壁がバッファ
層と合金層の間に挿入され、その合金層、バッファ層、
及び活性層の間の拡散を抑制するようにしてもよい。
【0028】有機/無機合金層の合金濃度は、その濃度
が有機活性領域からの距離によって減少又は増加するよ
うに徐々に変化するようにしてもよい。
【0029】そのような有機/無機合金を得るために、
無機成分の伝導率が有機マトリクスの全体的な性質を乱
すことなく優位になるように無機成分が有機マトリクス
内に分散される。トランスポート層を形成する有機マト
リクスは、1つの無機成分を導入することによって、或
いは種々の無機成分を導入することによって合金化する
ことができる。ホール・トランスポート層を合金化する
ために使用される無機材料以外の無機材料を使用して電
子トランスポート層を合金化してもよい。
【0030】その無機材料は、有機材料に関してその移
動度が高いために又はそのキャリア濃度が高いために選
択される。いずれの選択の結果も、所与の駆動電圧にお
ける高い電流及び低い抵抗、或いは低い電圧における等
しい電流を生じるであろう。
【0031】トランスポート層として有機/無機合金を
導入することは次のような3つの利点に通じる。
【0032】1.ここでは、無機コンタクト材料と有機
/無機合金トランスポート層の無機成分との間に電荷注
入が生じ得る。従って、電荷を注入することの問題は十
分に理解されており(例えば、金属/半導体)、後で詳
述するように通常の方法を使用して化学的に安定した材
料でもって容易に最適化される。
【0033】2.電極から発光領域(活性領域)へのキ
ャリアの移動は、有機マトリクスにおける無機成分の高
い移動度又は高いキャリア濃度のために改良される。
【0034】3.電荷移動は、最早、電極/トランスポ
ート層インターフェースでは生じず、むしろデバイス内
で生じる。これは次の2つの理由で非常に望ましい。 (1)有機マトリクス内に分散した無機成分より成る合
金の微細構造は、無機領域がはっきりした平均的フィー
チャーサイズを持つであろうと云うことを示している。
所与の動作電圧において、伝導性無機化合物におけるは
っきりしたフィーチャーは、無機/有機インターフェー
スにおける局所的な電界の増加と直接に相関し、更に効
率的な電荷移動を生じる。 (2)その合金の分散された性質は、無機化合物と有機
化合物との間に極めて高い全接触領域も生じる。所与の
電界又は電圧において、全電流は注入に関与したコンタ
クト領域に直接比例する。有機/無機接合が2つの平坦
な層の表面の間の極めて滑らかなインターフェースであ
るという通常の方法に比べると、その利点は大きい。
【0035】OLED構造が更に頑丈なものに且つ耐汚
染力のあるものにするために、有機/無機合金の使用
は、そのOLED構造をより厚く設計することを可能に
する。通常のOLEDの設計者は、直列抵抗とデバイス
の信頼性との間のトレードオフを行うように強いられ
る。特に、オーム発熱及び電力消費を最小にするため
に、設計者はトランスポート層をできるだけ薄くしたい
であろう。トランスポート層を薄くすることは、コンタ
クト金属によるエレクトロルミネセンスのクエンチン
グ、デバイス動作電圧における高い電界、及び粒子汚染
によって生じた回路短絡にデバイスを曝すことになろ
う。後者の影響は、100nm金属の金属汚染粒子とい
う例を使用するとわかる。それが有機層によって完全に
はカバーされず、アノード電極とカソード電極との間を
直接に導通させて壊滅的な短絡回路を生じさせ、75n
mの厚さのOLEDを完全に崩壊してしまうであろう。
一方、250nmの厚さのデバイスは、最上部の金属が
その下の金属への直接パスを持たないように、主として
有機層でもって金属粒子を完全に没入させてしまうであ
ろう。トランスポート層の伝導率を徹底的に改良するこ
とによって、有機/無機合金化はより厚いOLEDの設
計を可能にする。
【0036】金属又は半導体の選択次第で、合金化した
トランスポート層/コンタクト・インターフェースにつ
いて以下のような4つの異なる実用上の可能性が存在す
る。いずれのケースにおいても、安定し且つ信頼性のあ
る、しかも無視し得る程度のオーム損でもって容易に電
荷を注入する無機材料がインターフェースの両側で選択
可能である。
【0037】(1).金属無機合金成分/金属コンタク
ト: いずれの極性のキャリア注入に対する障壁も、仕
事関数に無関係には生じ得ない。例えば、任意の2つの
金属の仕事関数のように広範囲に、しかも、わずかに異
なる仕事関数を持ったAl及びAuは、それらの伝導バ
ンドの各々が部分的にしか占有されないので、いずれの
方向においても電子トランスポートに対する障壁を示さ
ない。
【0038】(2)及び(3).半導体無機合金成分/
金属コンタクト、又は金属無機合金成分/半導体コンタ
クト: 金属/半導体接合、即ち、ショットキー・ダイ
オードは広く研究されており、よく理解されている。そ
れらは両方向における電荷の流れに対して障壁を与え、
これら2つのケースをほぼ等しいものにする。所与の接
合電圧で流れる電流の量は、ショットキー障壁の高さ
(インターフェースの物理的性質によって決まる)及び
その障壁の幅(半導体におけるキャリア濃度によって決
まる)の両方の関数である。
【0039】事実、通常のOLEDにおけるトランスポ
ート層/コンタクト接合はショットキー・ダイオードで
あり、その場合、障壁の高さは2つの材料の仕事関数に
よって決定され、その幅は有機トランスポート層のキャ
リア濃度によって決定される。電気的にはドープされ得
ない有機材料は、適度な電圧におけるトンネル現象を防
ぐ幅広い障壁を生じる非常に低い固有のキャリア濃度を
有する。従って、通常のOLEDにおける電荷注入は、
主として、金属と有機材料との間の仕事関数の差によっ
て表される。
【0040】大きい全体的な障壁の高さが存在する場合
でも、大きいトンネル電流を許容する薄い障壁を生じさ
せるために、無機半導体はしばしば極めて大量にドープ
されることがある。室温におけるドープされてない無機
半導体でさえ、有機化合物よりも高い固有のキャリア濃
度を有し、それは比較的薄い障壁幅を導く。従って、O
LEDの電荷注入が無機半導体と金属との間に生じる場
合、通常のOLEDに比べて大きな利点が、無機半導体
材料によって提供された高いキャリア濃度から生じる。
【0041】(4).半導体無機合金成分/半導体コン
タクト: ホモ接合又はヘテロ接合の半導体接合もよく
知られており、ショットキー・ダイオードの場合と全く
同じである。障壁高はインターフェースの物理的性質に
よって決定され、一方、その幅はキャリア濃度によって
与えられる。ホモ接合は、一方のサイドにおけるフェル
ミ・エネルギにおける差のみに等しい小さい障壁高を有
する。各サイドを同様にドープすることによって障壁を
一緒に取り除くことが可能である。半導体相互間のヘテ
ロ接合は、一方の方向における電荷の流れに対する障壁
がないように作られる。一般に、一方のサイドにおける
半導体の注意深い選択及びそれらのドーピングの制御を
通して、このタイプのインターフェースは、電荷注入に
おいて、非常に効率的であろう。
【0042】
【発明を実施するための最良の形態】個別の発光器、発
光アレイ、及びディスプレイに応用するための通常の有
機発光デバイスの問題点を克服するために、第8図、第
9図、第11図、及び第13図に示されるような改良さ
れた構造が提供され、第15図、第16図、及び第17
図に示されるような新しいアレイ及びディスプレイへの
応用を可能にする。
【0043】次に、第8図、第9図、及び第10図に関
連して、本発明の基本的原理を詳述する。その思想は、
キャリア・トランスポート層として働く有機/無機合金
層を、通常の有機トランスポート層の代わりに使用する
ことである。必要な場合、そのような有機/無機合金層
は、再結合が生じる有機活性領域から有機バッファ層に
よって分離可能であり、或いは、その合金の無機成分濃
度は、活性領域付近で低い濃度となるよう次第に変化さ
せることができる。
【0044】本発明の第1実施例である第8図に示され
た2層発光デバイスは、無機成分(例えば、Ge)の導
入によって合金化されたジアミン(TAD)有機層52
を含む。それは、ITOアノード電極51に隣接したホ
ール・トランスポート層(HTL)として働く。その有
機/無機合金ホール・トランスポート層52の上には、
Al上部コンタクト54(カソード)を有するAlq3
有機発光層53が形成される。これは、1つの合金化さ
れたトランスポート層の導入によって、改良されたパフ
ォーマンスを既に示した最も簡単なデバイスである。
【0045】有機/無機合金層52は、1つのまたは複
数の無機成分を含む有機層である。その無機成分は、活
性領域又はバッファ層(それが存在する場合)への電荷
移動及び伝導が最適化されるように選択される。それ
は、大きな障壁損又はオーム損なしにコンタクトからト
ランスポート層の無機成分への注入を可能にする。
【0046】第9図には、第2実施例である3層発光デ
バイスが示される。この図には、アノード61に隣接し
たホール・トランスポート層(HTL)として働く通常
の有機層62及びカソード65に隣接した電子トランス
ポート層(ETL)として働く有機/無機合金層64が
示される。
【0047】有機/無機合金層64は、第1実施例に関
して説明したように無機成分を含む有機層である。その
トランスポート層64の無機成分の仕事関数が第10図
において細い破線によって表される。
【0048】電極とトランスポート層との間のエネルギ
障壁の影響を少なくするために又はそのエネルギ障壁を
完全に除去するために適当な無機成分を選択する場合に
得られる融通性に加えて、その無機成分は、最小の電圧
降下又はデバイス発熱でもって有機/無機合金層を通し
たキャリアの伝導を大いに助ける。それぞれのトランス
ポート層62及び64を通した電荷の伝導は実線の波形
状の矢印によって概略的に表される。
【0049】金属の無機合金成分は、一般の有機トラン
スポート材料の移動度にほぼ等しい低い移動度を補って
余りある極めて大きいキャリア密度によって特徴づけら
れる。一方、半導体は、金属に関して適度のキャリア密
度を有する(しかし、通常の有機トランスポート層材料
よりも数桁高い)が、移動度はずっと高い。両方のケー
スとも、無機成分の伝導率は通常の有機トランスポート
材料よりもかなり高い(103−1015倍)。従って、
無機合金の低い濃度でも、依然として、非常に改良され
たトランスポート層の伝導率を導く。
【0050】電荷及びホールが有機/無機合金層から有
機活性領域に効果的に移動されることが更に必要であ
る。この点に関して、詳しく上述したように、その合金
の性質は、無機成分の分散した性質によって電荷移動を
促進するという更なる有益な効果を有する。
【0051】本願において開示されるデバイスの活性領
域は、単一の有機発光層又は複数の有機エレクトロルミ
ネセント層のスタックより成る。又、それは、キャリア
を閉じ込める1つ又は複数の有機量子井戸構造、又はド
ーパント(有機又は無機)が活性再結合サイトであるド
ープされた有機材料も含むものでよい。有機エレクトロ
ルミネセント活性領域は、その活性領域における電子又
はホールを電気的に閉じ込めて隣接の有機層の発光を改
良するために使用される複数の有機層のスタックを含む
ことも可能である。
【0052】以下では、第9図及び第10図におけるデ
バイスの更に特定の詳細が示される。しかし、厚さ、有
機又は無機材料の選択及び組合せのような特定事項及び
構造的詳細は本発明の主旨から逸脱することなく修正可
能である。表1に示されるように、HTL62は一般的
なジアミン(TAD)を含む。ETL64は有機ホスト
材料としてAlq3及び無機材料としてアルミニウム
(Al)を含む。ETL64及び安定したAlカソード
65の間には電子に対するエネルギ障壁は存在しない。
活性層(EL)63はETL64と同じ有機材料、即
ち、Alq3である。
【0053】
【表1】
【0054】この有機発光デバイスを更に改良するため
に、有機バッファ層が活性領域と合金化トランスポート
層との間に形成可能である。第11図には、そのような
有機バッファ層70がETL71と活性領域69との間
に位置した構造が示される。有機バッファ層70は、活
性領域69におけるキャリアの再結合時に合金化ETL
71の影響を緩和する。実験では、無機材料が、例え
ば、非常に薄いトランスポート層を持った通常のデバイ
スにおける活性領域にぴったりと接触している場合に再
結合がクエンチされることが示された。本発明による有
機バッファ層70はトランスポート中のかなりのオーム
損を回避するに十分なほど、或いは、トランスポート層
と活性領域との間の拡散トランスポートを可能にするほ
ど薄くなればならない。又、それは、活性領域をトラン
スポート層から分離するというそれの目的を達成するの
に十分なほど厚くなければならない。有機バッファ層の
実際の厚さは、トランスポート層の無機成分及び有機ホ
スト材料、活性領域69の有機材料及び構造、並びに、
最後だが大事なこととして、最も重要な要素と云うべき
バッファ材料自体のような種々のパラメータに依存す
る。非常に薄い有機バッファ層70は、活性領域の成長
を変更することによって又は活性領域に対する拡散障壁
又は電気的閉じ込めを設けることによって、予想された
影響を徹底的に改良することができる。上記のパラメー
タ次第で、1nm乃至100nmの範囲の厚さが妥当で
ある。活性領域69の片側のみに有機バッファ層70の
ようなものを設ける代わりに、同様のもの又は別のタイ
プのものを他方の側に同様に設けることも可能である。
【0055】ACTA Polytechnica Scandinavica 誌にお
ける Adachi 氏他により開示された3層デバイス構造に
基づく、しかし、本発明による第2のデバイスが第11
図及び第12図に示される。この実施例は、上述のよう
に、合金化されたETL71及びHTL68の両層、並
びにETL71と発光層69との間に有機バッファ層7
0を組み込む。活性領域69は、放射性再結合の効率を
改良するために電子及びホールの両方を閉じ込める。本
発明の要旨の中に、HTL68及び発光層69の間にお
ける第2バッファ層を加えてもよい。更に、発光層69
は、ドープされた有機材料又は当分野で知られた他の任
意の活性層であってもよい。更に、バッファ層70は,
ETL71に対して選択された有機材料に対立するもの
として、種々の有機材料のうちの任意のものでよい。本
実施例では、有機/無機HTL合金68(TAD/G
e)がガラス基板66の上のITOアノード67上に付
着される。有機発光領域69はトリフェニルアミン誘導
体(NSD)を含む。有機バッファ層70及びAl/P
BD ETL合金71の有機成分としてオキサジアゾー
ル誘導体(PBD)が使用される。Alカソード72は
ETL合金71のAlへの無障壁注入をもたらす。
【0056】
【表2】
【0057】第13図及び第14図には、本発明の第4
実施例が示される。このデバイスは、発光層77を除け
ばその構造全体を通して一様に有機マトリクス材料であ
ることによって特徴づけられる。その利点は、有機マト
リクス材料がその安定度、大きいバンドギャップ、エレ
クトロルミネセント・ドーパント不純物との相容性、及
び添加物に対する小さい拡散係数に関して選択可能であ
り、一方、個々のデバイス機能が各領域における添加物
の選択によって最適化可能であるということである。優
れたマトリクス材料は3、4、7、8ナフタレンテトラ
カルボキシリック・ジアンヒドリド(NTCDA)であ
る。これは、それが結晶化されて、So氏他による前述の
論文に見られるように有機ルミネセンスと相容性がある
ことが知られている非常に安定した拡散抵抗性の広いバ
ンドギャップ有機マトリクスを形成するように作られる
ためである。好適な発光層77は、電子及びホールの両
方を閉じ込める量子井戸をNTCDAにおいて形成する
3、4、9、10ペリレンテトラカルボキシリック・ジ
アンヒドリド(PTCDA)を含む。本発明の要旨で
は、PTCDAは、ルミネセンス効率を改良し、又は発
光波長を変更するためにドープすることができる。同様
に、ドープされたNTCDAが発光層として使用され
て、ドーパントがその発光層におけるキャリア閉じ込め
の欠如を克服するに十分に効果的である場合、単一の有
機マトリクスを完全に実現することができるであろう。
この例では、有機/無機HTL合金75(NTCDA/
Au)がガラス基板73の上のITOアノード74上に
付着される。NTCDAバッファ層76、78は、クマ
リン540がドープされたPTCDA発光領域77を一
方のサイドにおけるHTL75及び他方のサイドにおけ
るNTCDA/Al合金ETL79から分離する。Al
カソード80はETL合金79のAlへの無障壁注入を
もたらす。
【0058】
【表3】
【0059】第9図、第11図、及び第13図の構造で
は、光は活性領域から、又は、更に厳密に云えば、それ
の発光層(EL)からHTL、透明なITOアノード、
及びガラス基板を通してその基板平面の下の半空間に放
出される。このため、光路内にあるすべての層及びコン
タクトが、そのデバイスによって発光された波長範囲で
は強く吸収しないことが重要である。これは、上記の3
つの例において示された濃度及び厚さのような適度の無
機濃度及び厚さにその合金を制限することによって達成
される。半導体は金属よりも低い効率で電荷を伝導する
ので、同様のパフォーマンスを達成するためには、一般
に、より高い合金含量を必要とする。半導体は光の吸収
が金属よりもずっと弱いので、高い合金含量が可能であ
る。
【0060】両方のコンタクトを通して、又は不透明も
しくは反射性の下部コンタクトもしくは基板の場合には
上部コンタクトだけを通して光を放出することが望まし
い。本発明は、ドープされた又はドープされてない半導
体を、すぐ下の有機/無機合金トランスポート層と関連
した上部コンタクトとして許容することによってこの機
能を可能にする。上述のように、半導体は金属よりもず
っと弱く光を吸収し、従って、厚い半導体の上部コンタ
クトは効率を損なうことのないように設計可能である。
厚い半導体の上部コンタクトを使用できるという利点
は、側面抵抗を最小にするために、ITOのような透明
の金属によってその構造全体を覆うことが可能であると
いうことである。現在の酸素化学及び一般に使用される
プラズマ付着プロセスの破壊的性質のために、ITOを
OLED上に直接に析出することは不可能である。
【0061】以下では、本発明に基づく及び本発明によ
って可能にされる幾つかのディスプレイの実施例を開示
する。
【0062】OLEDの付着前に、例えば、アクティブ
・マトリクス、ドライバ、メモリ等のようなアクティブ
・Siデバイスを含むように基板を製造することができ
るので、OLEDをそのSi基板上に集積化することが
できれば、それは有益なことであろう。そのような構造
は、Siにおいて実現される高解像度及び高性能を伴っ
た非常に安価な小領域の有機ディスプレイとなり得る。
OLED、OLEDアレイ、又はOLEDディスプレイ
は、Siデバイスを搭載したそのようなSi基板上で直
接に成長されてもよく、或いは別々に製造し、その後で
Si基板上に移植されてもよい。問題は、従来のSi金
属化がそれの安定性のために選択され、従って、従来の
OLEDへの電荷の良好なインジェクタとはならないこ
とである。従来のOLEDカソード金属は、Siプロセ
スにおいて、又は空気中では安定ではない。もう1つの
問題は、Siが透明でないため、透明な上部コンタクト
が必要であるということである。本発明はこれらの問題
に対する解決法を提供する。開示された有機/無機合金
電子トランスポート層は、SiプロセスがOLEDに適
合するように、電子を注入するのに安定したカソード金
属を許容する。有機/無機合金HTLは、機械的なプラ
ズマ損傷及び有害な酸素の化学的性質のためにOLED
上にスパッタリングされ得ない、アノードを上にした幾
何学形状でのITOよりも良好なアノード選択を可能に
する。合金化されたHTLは、ITO又は他の透明な導
体が付着される厚い半導伝性コンタクトを提供する。本
発明は、不活性な半透明の薄いAu層が、障壁の有害な
影響なしにHTLに注入されることを可能にする。
【0063】Si基板上に形成された有機アレイ又はデ
ィスプレイ構造が第15図に示されるが、以下でそれを
説明する。このディスプレイは、メモリ・セル、ドライ
バ、キャパシタ、トランジスタ等のような能動的デバイ
ス又は受動的デバイス(これらのデバイスは図示されて
いない)を含む集積回路を持ったSi基板90を含む。
そのSi集積回路の上には、安定したカソード金属91
が、そのSiデバイスをOLED92に接続するように
パターン化される。アノードを上にした結合構造(geom
etry)では有機/無機合金ETLでもって始まるOLE
Dが、そのパターン化されたカソード91及びSi基板
90上に付着される。OLED92は、有機/無機合金
HTL及びほとんど透明の半導体アノード93も組み込
んでいる。最後に、厚いITOキャップ94が施され
る。簡単にするためにOLEDの詳細は図示されないこ
とに留意して欲しい。
【0064】第16図には、OLEDがカソードを上に
した構造を有する別のアレイ又はディスプレイが示され
る。この図では、Si基板95の上のOLED97が概
略的に示される。パターン化されたITO100はSi
プロセスに完全に適合可能であるので、アノード96は
必ずしも本発明では必要としない。カソードを上にした
構造を持ったOLEDによる問題は、透明の信頼性ある
カソード98が必要とされることである。通常、良好な
電子インジェクタは安定したものではなく、空気中で、
或いは透明な金属の付着中及び付着後の反応において劣
化するであろう。有機/無機合金ETL(参照番号97
によって表されたOLEDを形成する層のスタックの1
つである)は、カソード98が、OLED97とその後
の層との間の安定した透明又は半透明の障壁としての特
性によって、或いは処理又は動作環境によって純粋に選
択されることを可能にする。
【0065】例えば、その上にパターン化されたITO
アノード96、100を有するAl金属化されたSiチ
ップ95は、OLEDアレイ又はディスプレイ97に対
する基板として働くことが可能である。そのようなOL
EDの1例は、(下部から上部に云うと)、安定したア
ノード層、例えば、ITO100、任意選択的な有機/
無機合金HTL、有機物がドープされた、またはドープ
されていない活性領域、有機/無機合金ETL、薄い安
定した金属の半透明層間カソード98、及び透明な金属
又は半導体のキャップ金属化物99より成る。
【0066】第17図に示されたもう1つの可能なディ
スプレイの実施例を以下で説明する。このディスプレイ
は透明の基板102を含み、その基板の上には、アクテ
ィブ・マトリクス液晶ディスプレイのために開発された
テクノロジと同じテクノロジを使用してアモルファスS
i又はポリSi構造が形成される。通常、Siは、薄膜
トランジスタ101(TFT)及び他のデバイスを設け
るように構成され、アクティブ・マトリクスを生じさせ
る。そこで、その形成されたSiデバイス101、10
2は特別層104によって覆われるか又は平坦化され
る。更に、OLEDが白色光を発光する場合、更に、カ
ラー・フィルタ102が設けられる。Siデバイスは、
例えば、構造化されたITOコンタクト金属化物103
を含み、その上にOLED105が付着される。この方
法の利点は、安価な高性能アクティブ・マトリクス・デ
ィスプレイを大きなエリアで実現するために、確立され
たアクティブ・マトリクス液晶ディスプレイ(AMLC
D)テクノロジをOLEDと組み合わせて梃子入れする
ことができることである。更に、巧妙な設計では、光が
ガラス基板を通して放出されることを可能にし、従っ
て、透明な上部コンタクトを必要としない。
【0067】上記の構造のいずれも、有機/無機合金か
ら再結合領域への無機成分の拡散を更に減らすように、
バッファ層とは別の特別な拡散障壁層がHTL又はET
Lと活性領域との間に設けられるということで更に改良
可能である。即ち、HTL及び有機バッファ層の間又は
有機バッファ層及び活性領域の間のインターフェースを
横切る分子の交差拡散を更に減少させたい場合、これら
の間に同様の拡散障壁を挿入することも可能である。電
子が注入されたサイドにおいて同じことを行うことも可
能である。特に、拡散障壁は、純粋な無機層、純粋な有
機層、又は有機/無機合金層であってもよい。物質の拡
散がインターフェースを横切って活性領域におよぶのを
抑止するように選択される。それはエレクトロルミネセ
ント光の発光とも適合可能でなければならない。
【0068】以下では、使用可能な種々の有機材料の幾
つかの例を示す。Alq3としても知られたAlqは、
例えば、Znq2、Beq2、Mgq2、ZnMq2、
BeMg2、及びAlPrg3のような他の8−ヒドロ
キシキノリン金属錯体によって置換可能である。これら
の材料はETL又は発光層として使用可能である。ET
Lとして使用可能な他の材料は、シアノ置換ポリマ、ジ
デシル・セクシチオフェン(DPS6T)、ビス−トリ
イソプロピルシリル・セクシチオフェン(2D6T)、
アゾメチン−亜鉛錯体、ピラジン(例えば、BNV
P)、スチリルアントラセント誘導体(例えば、BSA
−1、BSA−2)、1、2、4−トリアゾール誘導体
(TAZ)である。
【0069】次の材料は発光層として特によく適してい
る。即ち、アントラセン、フィリジン誘導体(例えば、
ATP)、アゾメチン−亜鉛錯体、ピラジン(例えば、
BNVP)、スチリルアントラセント誘導体(例えば、
BSA−1、BSA−2)、コロネン(ドーパントとし
ても適する)、クマリン(ドーパントとしても適す
る)、DCM化合物(DCM1、DCM2:両方ともド
ーパントとして適する)、ジスチリル・アリーレン誘導
体(DSA)、アルキル置換ジスチリルベンゼン誘導体
(DSB)、ベンゾイミダゾール誘導体(例えば、NB
I)ナフトスチリルアミン誘導体(例えば、NSD)、
オキサジアゾール誘導体(例えば、OXD、OXD−
1、OXD−7)、N,N,N',N'−テトラキス(m−
メチルフェニル)ー1、3−ジアミノベンゼン(PD
A)、ペリレン、フェニル置換シクロペンタジエン誘導
体、12−フタロペリノン誘導体(PP)、スクアリリ
ウム染料(Sq)、1,1,4,4−テトラフェニル−
1,3−ブタジエン(TPBD)、ポリ(2−メトキシ
−5−(2'−エチル−ヘキサオキシ)−1,4−フェニ
レン−ビニレン)(MEH−PPV)、セクシチオフェ
ン(6T)、ポリ(2,4−ビス(コレスタノキシル)
−1,4−フェニレン−ビニレン)(BCHA−PP
V)、ポリチオフェン類、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)(PPV)。
【0070】下記の材料はHTLとして適している。即
ち、Cu(II)フタロシアニン(CuPc)、ジスチリ
ル・アリーレン誘導体(DSA)、ナフタレン、ナフト
スチリルアミン誘導体(例えば、NSD)、キナクリド
ン(QA;ドーパントとしても適する)、ポリ(3−メ
チルチオフェン)ファミリ(P3MT)、ペリレン、ポ
リチオフェン(PT)、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボキシリック・ジアンヒドリド(PTCDA)
(絶縁体としても適する)、テトラフェニルジアミノジ
フェニル(TPD−1、TPD−2、又はTAD)、ポ
リ(2−メトキシ−5−(2'−エチル−ヘキサオキ
シ)−1,4−フェニレン−ビニレン)(MEH−PP
V)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)。
【0071】このOLEDの実施例に対するマトリクス
として適する別の材料は、ナフタレン1,4,5,8−テ
トラカルボキシリック−1,8,4,5−ジアンヒドリド
である。
【0072】良好な光発光体として知られている他の多
くの材料があり、更に多くのものが発見されるであろ
う。これらの材料も、本発明に従って発光構造を作るた
めに同様に使用可能である。そのような材料の例は本願
の背景技術の項において引用された刊行物に示されてい
る。これらの刊行物の内容は参考文献として本願に組み
込まれる。
【0073】単量体デバイスは真空蒸着によって慣例ど
おりに行われる。これは、それが層厚の正確な制御、優
れた一様性、及び2つ以上の材料の同時蒸着による再生
可能な合金化を可能にするので、合金化に非常に適用し
得るものである。それはデバイス形成のための極めてク
リーンな環境を提供し、高純度の原材料が維持可能であ
る。蒸着は、ベル・ジャー形のチャンバにおいて、独立
して制御される抵抗性及び電子ビームによる原材料の加
熱によって、実施可能である。それはまた、複数の分子
ふき出しセル及び電子ビーム蒸着器を組み込んだ分子ビ
ーム付着システムにおいても実施可能である。
【0074】本発明によれば、有機ホール又は電子トラ
ンスポート層に導入された無機成分は金属、又は単体半
導体、又は複合半導体であってもよい。単体半導体又は
複合半導体はそれらの電気的特性を変更又は強化するた
めに意図的にドープしてもよい。次の材料が特に適して
いる。即ち、それは、Al、Au、Pt、Ag、Be、
Ni、In、Ga、As、Sb、Sn、Se、Cd、T
e、Hg、又はそれらの合金である。又、Ge、Si、
InAs、InN、InP、GaAs、GaN、Ga
P、AlAs、ZnTe、MgTe、ZnSe、C、C
dTe、HgTe、又はそれらの合金も適している。
【0075】オリゴマ有機物及び高分子有機物も、それ
らの単量体成分の蒸着の後、基板における加熱又はプラ
ズマ励起による重合によって付着可能である。従って、
相互蒸着によってこれらを合金化することも可能であ
り、それらは単量体化合物とも十分に適合し得るもので
ある。
【0076】一般に、ポリマ含有のデバイスは、溶媒中
にポリマを溶解すること、及びスピン・コーティング又
はブレードによりそれを基板上に拡げることによって作
られる。この場合、無機成分も溶媒中に懸濁または溶解
されなければならない。基板のコーティングの後、溶媒
は加熱によって蒸発される。この方法は、各層に対する
溶媒加熱サイクルを採用する必要があり、しかも前に付
着された層のいずれも再溶解しない新たな溶媒を採用す
る必要があるため、本願において開示したような多層構
造の開発には有望ではない。使用することに更に興味あ
るものは、上部に単量体層が蒸着されるポリマ/無機ト
ランスポート層を、合金も組み込んで作る可能性であ
る。ポリマが真空への導入前に不活性雰囲気において処
理される場合、デバイス製造のための十分な清潔さが維
持される。
【0077】第8図乃至第13図に示された構造は、広
い領域の発光ダイオードであると云うべきであろう。例
えば、メサ構造のような他の任意の種類の発光ダイオー
ド構造にも十分に適するであろう。本発明は、1つの発
光ダイオード構造における所定の層の改良に注目したも
のであり、又、ダイオード内に追加の層を設けるもので
あるが、任意の種類の有機発光ダイオードにおいても使
用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光層及び2つの電極を有する既知のOLED
を示す概略図である。
【図2】発光層及び2つの金属電極を有し、キャリア注
入のためのエネルギ障壁が減少するように選択された仕
事関数を有する、別の既知のOLEDを示す概略図であ
る。
【図3】発光層及び2つの金属電極を有し、ホール注入
のためのエネルギ障壁が低くなるようにアノードの仕事
関数が選択され、一方、カソードの仕事関数が発光層と
不十分に整合して前記発光層におけるわずかな電子注入
及びわずかな放射性再結合を生じる、更に別の既知のO
LEDを示す概略図である。
【図4】クエンチされるくらいカソードに近接したとこ
ろで再結合が生じるほど、ホール移動度に比べて低い電
子移動度を持った発光層を有する、更に別の既知のOL
EDを示す概略図である。
【図5】電子トランスポート層及びホール・トランスポ
ート層を有する、別の既知のOLEDを示す概略図であ
る。
【図6】3つの層、即ち、有機発光層を包含する電子ト
ランスポート層とホール・トランスポート層とを有す
る、更に別の既知のOLEDを示す概略図である。
【図7】電子注入層及び電子トランスポート層が存在
し、小さい直列した(cascaded)エネルギ障壁がコンタク
ト層及びトランスポート層の間に生じるようにその電子
注入層が選択された、別の既知のOLEDの一部分を示
す概略図である。
【図8】ホール・トランスポート層として働く有機/無
機合金層及び発光層として働く通常の有機層を含む、本
発明による2層発光デバイスの断面図である。
【図9】電子トランスポート層として働く有機/無機合
金層、ホール・トランスポート層として働く通常の有機
層、及び発光層として働く通常の有機層を含む、本発明
による3層発光デバイスの断面図である。
【図10】第9図に示されたデバイスのバンド図であ
る。
【図11】電子トランスポート層として働く有機/無機
合金層、有機バッファ層、通常の有機発光層、及びホー
ル・トランスポート層として働く有機/無機合金層を含
む、本発明による4層発光デバイスの断面図である。
【図12】第11図に示されたデバイスのバンド図であ
る。
【図13】伝導を促進するために電子及びホール・トラ
ンスポート層において無機化合物をドープされた単一の
有機マトリクスを主として含み、所望の波長で発光を行
うために有機又は無機化合物をドープ可能である第2有
機材料より成る発光層を、ドープされてないバッファ層
が囲んで成る、本発明による5層発光デバイスの断面図
である。
【図14】第13図に示されたデバイスのバンド図であ
る。
【図15】アノードを上にした構成でSi基板上に実施
された本発明の発光デバイスの実施例を示す断面図であ
る。
【図16】カソードを上にした構成でSi基板上に実施
された本発明の発光デバイスの実施例を示す断面図であ
る。
【図17】カソードを上にした構成で、Siデバイスが
パターン化された透明の基板上に実施された本発明の発
光デバイスの実施例を示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ストライト、サミエル、クラゲット スイス国キルッヒベルグ、ホーンハルデン シュトラーセ 1 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB06 AB11 CA03 DB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デバイス又は回路又は電気的接続を含む結
    晶性シリコン基板と、 前記シリコン基板上に形成されたカソードと、 前記シリコン基板及びカソード上に置かれた、有機/無
    機合金電子トランスポート層と、 前記有機/無機合金電子トランスポート層上の有機エレ
    クトロルミネセント活性領域と、 前記活性領域上の有機/無機合金ホール・トランスポー
    ト層と、 前記有機/無機合金ホール・トランスポート層上の、透
    明又は半透明の上部アノードとを含み、光がシリコン基
    板平面上の半空間に放出されることを特徴とする、有機
    発光アレイ又はディスプレイ。
  2. 【請求項2】デバイス又は回路又は電気的接続を含む結
    晶性シリコン基板と、 前記シリコン基板上に形成されたアノードと、 前記シリコン基板及びアノード上に置かれた、有機/無
    機合金ホール・トランスポート層と、 前記有機/無機合金ホール・トランスポート層上の有機
    エレクトロルミネセント活性領域と、 前記活性領域上の有機/無機合金電子トランスポート層
    と、 前記有機/無機合金電子トランスポート層上の、透明又
    は半透明の上部カソードとを含み、光がシリコン基板平
    面上の半空間に放出されることを特徴とする、有機発光
    アレイ又はディスプレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102129200B1 (ko) * 2019-03-08 2020-07-02 서울대학교산학협력단 적층 구조의 페로브스카이트 발광층을 포함하는 발광 소자 및 이의 제조 방법

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