JP3242531B2 - カロチノイド色素の製造方法 - Google Patents
カロチノイド色素の製造方法Info
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Description
生物学的製造方法に関する。本発明のカロチノイド色素
は天然赤色色素として飼料添加物、食品添加物等として
有用である。特にアスタキサンチンは養殖魚であるサ
ケ、マス、マダイ等の体色改善剤のごとき飼料添加物と
して、また安全な天然食品添加物として産業上価値が高
い。また、アドニキサンチンは、工業的製造方法が確立
されることにより、アスタキサンチンと同様に飼料添加
物、食品添加物としての使用が期待される。
添加物、医薬等として使用されており、エキネノンは食
品添加物、飼料添加物等としての用途が期待され、カン
タキサンチンは食品添加物、飼料添加物、化粧品等とし
て使用されており、そしてゼアキサンチンは食品添加
物、飼料添加物等として使用されている。
スなどの魚類およびエビ、カニ、ザリガニ、オキアミな
どの甲殻類などに存在していることが知られている(水
産動物のカロチノイド、日本水産学会編、1978)。
また微生物が生産する例としては赤色酵母ファフィア・
ロドチーマ(Phaffia rhodozyma)
(Phytochemistry, 15, 1009, 1976) 、ブレビバクテリ
ウム(Brevibacterium)属に属する微生
物(Journal of General and Applied Microbiology,
15, 127, 1969)および緑藻類のヘマトコッカス・プルビ
アリス(Haematococcus pluvial
is)(Phytochemistry,20, 2561, 1981)が知られて
いる。また化学合成法ではβ−カロテンの変換により合
成する方法(Pure Appl. Chem., 57, 741, 1985)および
C15ホスホニウム塩から合成する方法(Helv. Chim. Ac
ta, 64, 2436, 1981) が知られている。
おいては、天然物のオキアミやザリガニからの抽出によ
る製造では含有量が極めて少なくしかも抽出が困難なこ
とからコストが高い。さらに資源の確保が困難であるこ
とも問題である。また赤色酵母ファフィア・ロドチーマ
(Phaffia rhodozyma)は増殖速度が
小さい、生産量が少ない、強固な細胞壁を持つためアス
タキサンチンを抽出することが困難であるなどの短所を
有するため工業化には問題が多い。
aematococcus pluvialis)も増
殖速度が極めて遅い、雑菌汚染を起こし易い、抽出が困
難などの欠点を有するため工業化には問題が多い。アド
ニキサンチンは金魚やコイなどの魚類に存在しているこ
とが知られている(水産動物のカロチノイド、日本水産
学会編、1978)が、化学合成による製造は困難と思
われる。アドニキサンチンの工業的製造方法は知られて
いない。
ノンからの合成(Pure & Appl.Chem., 63(1), 45, 199
1) 、ニンジン、サツマイモ、カボチャ等緑黄色野菜か
らの抽出(天然着色料ハンドブック、光琳(197
9)、天然着色料ハンドブック編集委員会編)が知られ
ているが、製造コストが高い。微生物によるβ−カロテ
ンの生産については、ドナリエラ(Dunaliell
a)属藻類による生産(Journal of Applied Bacteriol
ogy, 70, 181, 1991)及びブラケスラ(Blakesl
ea)属のカビによる生産(Journal of Applied Bacte
riology, 70, 181, 1991)が知られている。しかしなが
ら、細菌によるβ−カロテンの生産は知られていない。
マダイ等の魚類の内蔵、ウニ類、イセエビ等の甲穀類の
内蔵等、天然物から抽出されている(水産動物のカロチ
ノイド、日本水産学会編、1978)。しかしながら、微生
物によるエキネノンの生産は知られていない。カンタキ
サンチンは、ある種のきのこ(Botanical Gazette, 11
2, 228-232, 1950)、魚類および甲穀類などに存在して
いることが知られている(水産動物のカロチノイド、日
本水産学会編、1978)。
クテリウム属に属する微生物(Applied and Environmen
tal Microbiology, 55(10), 2505, 1989) 、ロドコッカ
ス属に属する微生物(特開平2−138996)が知ら
れている。また化学合成法ではβ−カロテンの酸化によ
り合成する方法(J.Amer.Chem.Soc., 78, 1427, 1956)
および新規な3−オキソ−C15ホスホニウム塩から合成
する方法(Pure Appl.Chem., 51, 875, 1979)が知られ
ている。
ソイソホロンの不斉還元により得た光学活性なヒドロキ
シケトンを原料として用いる化学合成法(Pure & Appl.
Chem., 63(1), 45, 1991) 、トウモロコシの種子から抽
出する方法(生体色素、1974、朝倉書店)、及びフ
ラボバクテリウム属細菌を用いる方法(Carotenoids,In
Microbial Technology, 2nd edn, Vol.I, 529-544, Ne
w York :AcademicPress)が知られている。
ンチン、アドニキサンチン、β−カロテン、エキネノ
ン、カンタキサンチン及びゼアキサンチンからなる群か
ら選択されたカロチノイド色素を簡便な方法で工業的に
製造することができる新規な方法を提供しようとするも
のである。
題を解決すべく種々検討した結果公知の属に属さない新
規細菌株が種々のカロチノイド色素を生産することを見
出し、本発明を完成した。従って、本発明は、アスタキ
サンチン、アドニキサンチン、β−カロテン、エキネノ
ン、カンタキサンチン及びゼアキサンチンから成る群か
ら選択されたカロチノイド色素の製造方法において、該
カロチノイドの少なくともいずれか1種を生産する能力
を有する細菌を培養し、そしてその培養物から前記カロ
チノイド色素の1種又はそれらの混合物を採取すること
を特徴とする方法を提供する。
ノイド色素は、次の式により表わされる。
を生産することができる細菌であればいずれも使用する
ことができるが、その一例として、前記カロチノイド色
素のいずれかを生産することができ、且つ下記に記載し
た性質を具備する属に属する細菌群を挙げることができ
る。これらの性質を具備する細菌群は、バージーズ・マ
ニュアル・オブ・システマティク・バクテリオロジー
(Bergey's Manual of Systematic Bacteriology) に記
載されている既知のいずれの属にも該当せず全く新規な
属に属する細菌群である。
ことができる。この菌株は、本発明者らが新しく単離し
たものであり、工業技術院生命工学工業技術研究所に平
成5年4月27日にFERM BP−4283として寄
託された。この菌株は、次の菌学的性質を有する。
配列 配列番号:1に示す。
ラム陰性の桿菌で周毛を有していることからアグロバク
テリウム(Agrobacterium)属細菌と思わ
れたが色素産生能とスライム形成能、およびDNA−D
NA相同性の結果から否定された。また集落の色調から
スフィンゴモナス(Sphingomonas)属細菌
や光合成細菌の可能性も考えられたが、スフィンゴ脂質
およびバクテリオクロロフィルが検出されずいずれの属
の菌株でもないことが分かった。
らE−396株と近縁と推定される各菌種の保存菌株と
DNA−DNA相同性を調べたが高い相同値を示した属
は得られなかった。さらにE−396株の16Sリボソ
ームRNAの塩基配列から近隣結合法により分子系統樹
(図6)を作成した。その結果E−396株は近縁のい
ずれの属とも系統的に独立していることが分かった。よ
ってE−396株は既知の属ではない全く新規な属に属
する細菌であることが確認された。
81−1株を挙げることができる。この菌株は、本発明
者らが新しく単離したものであり、工業技術院生命工学
工業技術研究所に平成6年5月20日にFERM BP
−4671として寄託された。この菌株は、次の菌学的
性質を有する。
96株と同様に下記の性質を具備することおよびE−3
96株とのDNA−DNA相同性が高いことからE−3
96株と同一の新規な属に属する細菌であると判断され
た。
の培地は、例えば次の通りである。すなわち、生産菌が
生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩、および必要であ
れば特殊な要求物質(例えば、ビタミン、アミノ酸、核
酸塩基等)を含む。炭素源としてはグルコース、シュー
クロース、ラクトース、フルクトース、トレハロース、
マンノース、マンニトール、マルトース等の糖類、酢
酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、マ
ロン酸、ピルビン酸等の有機酸、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソ
ブタノール、グリセロール等のアルコール類、大豆油、
ヌカ油、オリーブ油、トウモロコシ油、ゴマ油、アマニ
油等の油脂類等が挙げられる。添加割合は炭素源の種類
により異なるが、通常培地1L当たり1〜100g、好
ましくは2〜50gである。
酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、アンモニア、尿素等の1種ま
たは2種以上が用いられる。添加割合は窒素源の種類に
より異なるが、通常培地1Lに対し0.1g〜30g、
好ましくは1〜10gである。無機塩としてはリン酸二
水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸
鉄、塩化鉄、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、
塩化鉛、硫酸銅、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、炭
酸ナトリウム等の1種または2種以上が用いられる。添
加割合は無機塩の種類により異なるが、通常培地1Lに
対し0.001〜10gである。
類、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、麦芽エキス、コ
ーンスチープリカー、乾燥酵母、大豆粕、等の1種また
は2種以上が用いられる。添加割合は物質の種類により
異なるが、通常、培地1Lに対し0.2g〜200g、
好ましくは3〜100gである。培地のpHは2〜12、
好ましくは6〜9に調整する。培養条件は15〜80
℃、好ましくは20〜35℃の温度であり、通常1日〜
20日間、好ましくは2〜8日間振とう培養あるいは通
気攪拌培養を行う。
合物を得る。すなわち培養物より直接または遠心分離、
濾過等により菌体を分離したのち菌体から溶剤で抽出す
る。また、培養上清にも色素が若干溶解しているので、
それらも回収することができる。ここで用いる溶剤は本
発明の化合物が溶解する化合物であればいずれの溶剤を
使用することができる。
メタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、二硫化炭
素、ジエチルエーテル等の有機溶剤が用いられ、好まし
くはクロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコールが用いられ
る。精製には吸着、溶出、溶解などの通常の方法を用い
ることができる。
タキサンチン、アドニキサンチン、β−カロテン、エキ
ネノン、カンタキサンチン及びゼアキサンチンは同時に
生産され、培養物中に共存している。従って、本発明の
1つの態様によれば、前記の精製法により、前記カロチ
ノイド色素を単独で得ることができる。他方、前記カロ
チノイド色素を相互に分離することなく、それらを含む
混合物として得ることができる。この様に、前記の個々
のカロチノイド色素を単独に製造する方法に加えて、前
記カロチノイド色素2種類以上を含む混合物としてカロ
チノイドを製造する場合も、本願発明のカロチノイド色
素の製造方法に含まれる。
互分離は、カロチノイド色素成分の相互分離に常用され
ている方法、例えば吸着分離カラムクロマトグラフィー
法、分別抽出法、向流分配抽出法、分別結晶法等を用い
て行うことができる。また、個々のカロチノイド色素を
製造するためには、培地組成、培養条件等を調整するこ
とにより、所望のカロチノイド色素を優先的に生産させ
ることができる。
ことにより、カロチノイド色素の生成量比を変えること
ができる。例えばフラスコ振とう培養においては液量や
振とう速度を変えることにより、また通気・攪拌培養に
より通気や攪拌条件を変えることによりカロチノイド色
素の生成比を変えることができる。一例としてフラスコ
振とう培養において、フラスコ当りの液量を増加するこ
とによりアスタキサンチンの生成量は増加する傾向にあ
り、アドニキサンチンの生産量は減少する。
のものを優先的に製造するためには、生産菌株を変異、
例えば人為的変異処理により、一方の成分を他方の成分
より優先的に生産するように改良することができる。こ
の様な変異処理としては、例えばX線照射、紫外線照射
のごとき物理的方法、化学的変異剤、例えばN−メチル
−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)、
エチルメタンスルホネート(EMS)等による変異処理
のごとき化学的方法、遺伝子組換え法等の生物学的方法
を用いることができる。これらの方法、又は他の方法に
より改良された生産株を用いるカロチノイド色素の製造
方法も、本発明に属する。
たアスタキサンチンは(3S,3′S)−アスタキサン
チンでありその純度はほぼ100%である。天然物であ
るザリガニ、ヘマトコッカス(Haematococc
us)、サケ、マス、マダイに存在するアスタキサンチ
ンは(3S,3′S)体の含有率が高いことが知られて
いる。一方ファフィア・ロドチマ(Phaffia r
hodozyma)は(3R,3′R)体の含有率が高
く天然に多く存在するアスタキサンチンとは反対の絶対
配置を持つことが知られている。
は100%の(3S,3′S)−アスタキサンチンであ
り天然において多数を締めるアスタキサンチンと同じ絶
対配置を有することは産業上価値が高い。また化学合成
法による(3S,3′S)−アスタキサンチンの製造法
(Helv. Chim. Acta, 61, 2609, 1978) が知られている
が光学活性な(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサノンを原料とするため
コストが高く工業化には問題がある。
チンはall−trans体のアスタキサンチンの含有
率が高いことが特徴でall−trans:cisの比
は92:8〜96:4である。all−trans体の
アスタキサンチンは天然型であり本微生物は天然型のア
スタキサンチンを生産する点ですぐれている。cis体
のアスタキサンチンが必要であれば公知の方法によりa
ll−trans体から合成できる。しかしcis体か
らall−trans体のアスタキサンチンを合成する
ことは困難である。
ンチンの13C核磁気共鳴スペクトルを図1に、そして質
量スペクトルを図2に示す。また、アドニキサンチンの
13C核磁気共鳴スペクトルを図3に、そして質量スペク
トルを図4に示す。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
3g/L、ペプトン10g/L、塩化ナトリウム5g/
Lの組成からなる培地10mLを直径18mmの試験管に入
れ121℃、15分間蒸気殺菌した。これにE−396
株(FERM BP−4283)を1白金耳植菌し30
℃で6日間、300rpm の往復振とう培養を行った。こ
の培養液100本分(1L)を遠心分離し得た菌体をア
セトン500mLで抽出した後、ヘキサン500mLおよび
0.85%食塩水500mLを加え攪拌し、上層を分取し
た後、溶剤を35℃、減圧下で留去した。
に吸着させ、ベンゼン:酢酸エチル:メタノール(1
5:4:1)の溶剤でアスタキサンチン画分を溶出させ
溶剤を減圧下で留去した。抽出物を少量のピリジンに溶
解し水を滴下してアスタキサンチンを結晶化させ、アス
タキサンチンの結晶1.2mgを得た。このようにして得
られたアスタキサンチンは赤外吸収スペクトル、質量分
析、13C核磁気共鳴スペクトル、吸収スペクトルにおい
て公知のものと一致した。実施例2. 表15の組成からなる培地10mLを直径18
mmの試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。
283)を1白金耳植菌し30℃で2日間、300rpm
の往復振とう培養を行った。この培養液10mLを上と同
組成の培地が100mL入った500mL容量の坂口フラス
コに植菌し30℃、2日間、100rpm の往復振とう培
養を行った。次にこの培養液100mLを上と同組成の培
地が3.0L入った5.0L容量の発酵槽に植菌し30
℃、500rpm 、1.0vvm の好気培養を52時間行っ
た。
酵母エキス10g/L、シュークロース20g/L、N
H4 NO3 2.5g/L)の培地が35L入った50
L容量の発酵槽に植菌し30℃、250rpm 、1.0vv
m の好気培養を18時間行った。得られた培養液33L
を遠心分離し湿菌体790gを得、これをメタノール
1.3Lで洗浄し0.8Lのクロロホルムで3回抽出し
た。色素抽出物からのアスタキサンチンの精製は実施例
1と同様の方法により行い、アスタキサンチンの結晶1
0mgを得た。
は赤外吸収スペクトル、質量分析、 13C核磁気共鳴スペ
クトル、吸収スペクトルにおいて公知のものと一致し
た。さらに得られたアスタキサンチンの絶対配置を公知
の方法(J. High Resolut. Chromatogr. Chromatogr Co
mmun.,2, 195, 1979)により決定し(3S,3′S)−
アスタキサンチンが100%でありall−trans
体とcis体との比は95:5であることが確認され
た。比較のために他の製法により製造したアスタキサン
チンの分析結果を次の表16に示す。
だしシュークロース30g/L)10mLを直径18mmの
試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。これに
E−396株(FERM BP−4283を)を1白金
耳植菌し25℃で5日間、300rpm の往復振とう培養
を行った。この培養液の遠心分離によって得た菌体10
mL分をアセトン10mLで抽出した後、ヘキサン10mLお
よび0.85%食塩水10mLを加え攪拌し、上層を分取
した後溶剤を35℃、減圧下で留去した。
速液体クロマトグラフィーにより分析したところ表17
のようになった。分析条件は、カラムにWakosil
5SIL−120(和光純薬工業株式会社製)4.6
mmI.D.×250mmを二連結して用い、移動相はヘキサ
ン:ジクロロメタン:メタノール(10:8:1)を用
いた。カロチノイドの検出は470nmにおける吸収で行
い、定量は試料と標準物質のアスタキサンチンとの高速
液体クロマトグラフィーにおけるピーク面積比から算出
した。さらに得られたアスタキサンチンの絶対配置を実
施例2に示した方法で決定し(3S,3′S)−アスタ
キサンチンが100%でありall−trans体とc
is体との比は95:5であることが確認された。
だしシュークロース30g/L)10mLを直径18mmの
試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。これに
E−396株(FERM BP−4283)を1白金耳
植菌し25℃で2日間300rpm の往復振とう培養を行
った。この培養液を上と同組成の培地が25〜200mL
入った500mL容量の三角フラスコに1容量%になるよ
うに植菌し25℃、5日間120rpm の回転振とう培養
を行った。培養液からのカロチノイドの抽出および分析
は実施例3の方法により行ったところアスタキサンチ
ン、アドニキサンチンおよび総カロチノイド量は表18
のようになった。
をシリカゲルのカラムに吸着させ、ベンゼン:酢酸エチ
ル:メタノール(15:4:1)の溶剤でアドニキサン
チン画分を溶出させ溶剤を減圧下で留去した。抽出物を
エタノールに50℃で溶解し4℃で1日間放置すること
により結晶化させ、アドニキサンチンの結晶190mgを
得た。このようにして得られたアドニキサンチンは赤外
吸収スペクトル、質量分析、13C核磁気共鳴スペクト
ル、吸収スペクトルにおいて公知のものと一致した。
だしシュークロース30g/L)10mLを直径18mmの
試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。これに
E−396株(FERM BP−4283)を1白金耳
植菌し28℃で5日間振とう培養した。この培養液から
実施例3の方法によりカロチノイドを抽出し、高速液体
クロマトグラフィーにより分析したところ、ピークの溶
出時間、及び各ピークの溶離剤と同じ溶剤中での極大吸
収波長は、表19に示す通りであった。なお、この場合
の溶出のプロフィールを図5に示す。
ては標準物質を用い、それらの前記と同一条件での溶出
時間及び極大吸収波長を測定したところ、これらの測定
値はピークNo. 1及びピークNo. 3の測定値とよく一致
し、ピークNo. 1はβ−カロテンを示し、そしてピーク
No. 3はカンタキサンチンを示すものと同定された。ま
た、エキネノン及びゼアキサンチンについては、前記の
結果と文献〔Davies B.H.1976, Carotenoids, 38-165,
In T.W.Goodwin(ed.), Chemistry and Biochemistry of
Plant Pigments, Vol.2, Academic Press, Inc.(Londo
n), Ltd., London. 〕記載の極大吸収とを比較したとこ
ろ、ピークNo. 2はエキネノンを示し、そしてピークN
o. 4はゼアキサンチンを示すものと同定された。
ブイヨン培地(栄研化学株式会社製、ただしNa2 CO
3 でpHを10に調整)10mLを直径18mmの試験管に入
れ121℃、15分間蒸気殺菌した。これにA−581
−1株(FERM BP−4671)を1白金耳植菌し
33℃で4日間振とう培養した。この培養液から実施例
3の方法によりカロチノイドを抽出し、高速液体クロマ
トグラフィーにより定量分析したところ表20のように
なった。
に示した方法で決定し(3S,3′S)−アスタキサン
チンが100%でありall−trans体とcis体
の比は95:5であることが確認された(表21)。
8mmの試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。
を1白金耳植菌し28℃で4日間振とう培養した。この
培養液から実施例3の方法によりカロチノイドを抽出
し、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析したと
ころ表23のようになった。
サンチンの13C核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
サンチンの質量スペクトルを示す図である。
サンチンの13C核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
サンチンの質量スペクトルを示す図である。
クロマトグラフィーにおける溶出の様子を示す図であ
る。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 アスタキサンチン、アドニキサンチン、
β−カロテン、エキネノン、カンタキサンチン及ゼアキ
サンチンから成る群から選択されたカロチノイド色素の
製造方法において、該カロチノイド色素の少なくともい
ずれか1種を生産する能力を有し、16SリボソームR
NAをコードするDNAの塩基配列が配列番号:1に記
載の配列である細菌を培養し、そしてその培養物から前
記カロチノイド色素の1種又はそれらの混合物を採取す
ることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 アスタキサンチン、アドニキサンチン、
β−カロテン、エキネノン、カンタキサンチン及ゼアキ
サンチンから成る群から選択されたカロチノイド色素の
製造方法において、該カロチノイド色素の少なくともい
ずれか1種を生産する能力を有し、且つ下記の性質を有
する細菌を培養し、そしてその培養物から前記カロチノ
イド色素の1種又はそれらの混合物を採取することを特
徴とする方法。 【表1】 - 【請求項3】 前記細菌がE−396株(FERM B
P−4283)またはA−581−1株(FERM B
P−4671)であることを特徴とする請求項1又は2
に記載の方法。 - 【請求項4】 前記細菌がE−396株(FERM B
P−4283)の変異株またはA−581−1株(FE
RM BP−4671)の変異株であることを特徴とす
る請求項1又は2に記載の方法。
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JP15224094A JP3242531B2 (ja) | 1993-07-22 | 1994-07-04 | カロチノイド色素の製造方法 |
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