JP2005522193A - キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomycesdendrorhous)の選択された株の発酵によるアスタキサンチンの製造法 - Google Patents

キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomycesdendrorhous)の選択された株の発酵によるアスタキサンチンの製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(i)キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomyces dendrorhous)のアスタキサンチン過剰産生株を得る方法と、(ii)改良された発酵条件下で前記株を使用する方法に関する。使用される株の選択法は以下に基づく:(i)ステロイド合成のインヒビター、呼吸のインヒビター、およびフリーラジカルの生成を誘導する化合物とに対する耐性、(ii)固形培地上のコロニーの色の強度とカロチノイドの産生、(iii)暗所でのアスタキサンチンの産生、(iv)高温条件下でのアスタキサンチンの産生、および(v)グルコース以外の炭素源を用いるアスタキサンチンの産生。本発明の方法は、親株より多量のアスタキサンチンを産生し、他のカロチノイドの蓄積が少ないキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の変異体の効率的な選択を可能にする。キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の液体培地培養物は、ヒトおよび動物の栄養に直接使用することができるバイオマスを得ることを可能にする。

Description

本発明は、(i)キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomyces dendrorhous)のアスタキサンチン過剰産生株を選択する方法と、(ii)改良された発酵条件下で前記株を使用する方法を記載する。
技術の現状
カロチノイドは、ある種の細菌、真菌および光合成生物により合成されるイソプレノイド性の色素である。健康に対する有益な作用とその魅力的な色により、カロチノイドは着色剤および食品添加物として商業的重要性が大きい。カロチノイドは、8〜10のイソプレン単位(C5)から形成される40または50個の炭素原子を有するポリエン化合物である。これらは400〜500nmに吸収極大を有し、これがカロチノイドに黄色と赤の間の特徴的な色を与える。非置換炭化水素鎖を有するカロチノイド(リコペン、β−カロチン)はカロチン類と呼ばれる。酸素化誘導体は、キサントフィル類と呼ばれる。後者には、アルコール類(ルテインとゼアキサンチン)、エポキシド類(ビオラキサンチン)、エステル類(スフェロイデン)、ケトン類(エキネン、カンタキサンチン、アスタキサンチン)、および酸(トルラロジン)がある。カロチノイド構造中の発色団の存在は、光保護剤および抗酸化剤として重要な生物学的機能を有する。カロチノイドは、酸素一重項とフリーラジカルの作用に弱い組織を防御する。こうして、アスタキサンチンの生合成中間体3−ヒドロキシ−3’,4’−ジデヒドロ−β,ψ−カロチン−4−オン(HDCO)は、フリーラジカル捕捉剤として、ならびに非常にきれいな赤色を与えることで重要な役割を果たす。カロチノイドは多くの生物学的機能を果たし、特にこれは、抗癌剤、免疫系の増強剤、中枢神経系の変性疾患(視覚に関連するアルツハイマー病)を予防する物質、抗炎症剤、抗ストレス剤、光保護剤などとして作用する。アスタキサンチンは、自然界に広く分布するケトカロチノイド(キサントフィル)であり、その分子は11個の共役2重結合を有する。これは、細菌(アグロバクテリウム・アウランチアクム(Agrobacterium aurantiacum)、ロードコッカス・マリス(Rhodococcus maris)など)、真菌(キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous))、藻類(ヘマトコッカス・プルヴィアリス(Haematococcus pluvialis))、および高等植物により産生される。一般に、植物のすべての緑の部分は、葉緑素によりマスクされたアスタキサンチンを含有し、これは他のカロチノイドとともに、これらに典型的な秋のような色を与える。これはまた、花アドニス・アエスティヴァリス(Adonis aestivalis)、トリ(フラミンゴとショウジョウトキ(scarlet ibis))、ウオ(サケ(salmonids))および海洋無脊椎動物(エビ、カニ、ロブスターなど)にも存在し、これらの生物の保護と生存に重要な機能を果たす。
微生物生合成によるカロチノイドの産生は、化学的および生物学的プロセスの競合の古典的例である。生物工学的プロセスは、特に、より複雑な構造のカロチノイド、および天然にのみ存在するコンフォメーション異性体を簡単に得ることを可能にするという利点を示す。化学合成と競合するアスタキサンチン産生のための工業的生物工学的プロセスは、藻類ヘマトコッカス・プルヴィアリス(H. pluvialis)と酵母キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の使用に基づく。ヘマトコッカス・プルヴィアリス(H. pluvialis)を用いるアスタキサンチンの工業的生産は、その培養のための広い海の必要性、汚染の存在、およびいくつかの環境因子をコントロールすることに困難さがある。従って、1976年に初めてキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)が記載され(ファフ(Phaff H.F.)ら、1972Proc. IV IFS:Ferment. Technol. Today 759-774)、アスタキサンチンと他のカロチノイドを産生するその能力が証明された(ジョンソン(Jhonson)ら、1978,Environ. Microbiol. 35:1155-1159)時、ならびにサケ、トリの卵などの着色におけるその有用性が証明された時、酵母が急速にその工業的関心を引きつけた。
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のアスタキサンチンの豊富なバイオマスは、サケの肉を着色するための添加物として使用することができる。サケの食物は、アスタキサンチンを含有する微生物や甲殻類を含むため、その典型的な色は自然の環境から得ている。捕獲されて成長している魚は、その食物中にアスタキサンチンが無いため、肉と皮膚が元々オフホワイト色である。アスタキサンチンならびに色と風味を付与することは、魚の生殖と一般的成長において重要な役割を果たす。甲殻類の殻からの抽出は経済的に有利なため、現在いくつかのアスタキサンチンは化学合成により得られる。しかし化学添加剤や合成製品に対して消費者がますます敏感になっているため、アスタキサンチンの天然の供給源としてのキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)やヘマトコッカス・プルヴィアリス(H. pluvialis)の使用が増加している。
アスタキサンチンの生合成経路(スキーム1を参照)は、多くの生物、例えばキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)、エルウィニア・ウレドボラ(Erwinia uredovora)およびアグロバクテリウム・アウランチアクム(Agrobacterium aurantiacum)で説明されている(デュクレイ・サンピエトロ(Ducrey Sanpietro L.M.)、1998. Yeast 14:1007-1016;ミサワ(Misawa N.)ら、1995. J. Bacteriol. 177:6575-6584;フレーザー(Fraser P.D.)ら、1997, J. Biol. Chem. 272:6128-6135)。この生合成には少なくとも5つの酵素が必要である:(i)フィトエンシンターゼ、これはゲラニルゲラニルピロリン酸の2つの分子を結合させてフィトエンを生成する、(ii)フィトエン脱水素酵素、これはフィトエン分子に4つの2重結合を導入してリコペンを合成する、(iii)リコペンシクラーゼ、これは、リコペンを基質として使用して、β−カロチン分子の両端に位置する環を形成する、(iv)β−カロチンケトラーゼ、これは、β−カロチン分子の2つの末端に位置するそれぞれの環のケト基の導入を触媒する、および(v)β−カロチン水酸化酵素、これはβ−カロチン分子の各末端に位置する環のそれぞれの水酸化を行う。これらの最後の2つの酵素は、アスタキサンチンの一連の前駆体(エキネノン、カンタキサンチン、フェニコキサンチン、β−クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、アドニキサンチン)の生合成に参加する(スキーム1)。酵素β−カロチンケトラーゼとベクターカルシウム水酸化酵素(ならびにこれらをコードする遺伝子)は、多くの生物、例えばエルウィニア・ウレドボラ(E. uredovora)、アグロバクテリウム・アウランチアクム(A. aurantiacum)、アラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana)などで性状解析されており、すべての場合で2つの別々のタンパク質の存在が記載されている。しかしキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)では、β−カロチンからアスタキサンチンへの変換を触媒するアスタキサンチンシンターゼと呼ぶ単一の酵素の存在が記載されている(タツオ(Tatsuo H.)ら、2000. EP1035206)。
Figure 2005522193

スキーム1.キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)中のアスタキサンチンの単純化した生合成経路
アスタキサンチンの生産のためのキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)に対する商業的関心の高まりにより、この微生物への分子タイピング法の応用が促進された(アドリオ(Adrio J.L.)ら、1995. Curr. Genet. 27:447-450)。この方法で、改善プログラムで選択された株の間の差を確立することができる。さらにこれらの方法は、発酵中の株の遺伝的安定性を測定し、他の微生物による汚染の存在を測定することができるため、得られるバイオマスの品質の調節のために使用することができる。
それについて適当なプローブが存在しかつ生化学的方法によっては区別することができない微生物の分析のために、DNAプローブの使用が指摘されている。その感度と速度のために、DNA増幅が直接検出のために使用される方法である。ほとんどの場合に増幅されたDNA断片は、アガロースゲルを臭化エチジウムで染色するだけで検出される。DNA電気泳動に基づく分子タイピング法には以下がある:RFLP(制限断片長多型)、リボタイピング(rRNAプローブを用いるハイブリダイゼーション)、PFGE(パルスフィールドゲル電気泳動)、OFAGE(直交フィールドゲル電気泳動)、FIGE(フィールド反転ゲル電気泳動)、CHEF(クランプト均一電界)など。一方、DNA増幅に基づくいくつかの分子タイピング法がある:PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、PCR−RFLP、REP(反復エクストラジニックパリンドロミック(Repetitive extragenic Palindromic))、ERIC(エンテロバクター反復インタージェニックコンセンサス(Enterobacterial Repetitive Intergenic Consensus))、RAPD(ランダム増幅多型DNA(Randomly Amplified Polymorphic DNA))など。種々の生物のDNA中の変化の検出にはRFLP電気泳動法がよく使用されている。しかしPCR法の発見は、RAPDのような方法が、電気泳動法に対する迅速で効率的な代替法であることを意味した。さらにRAPDは、ラジオアイソトープを使用せず、分析のためにより少量のDNAしか必要としないという利点を有する。この方法は、プライマーとして短いオリゴヌクレオチドの使用に基づく。該オリゴヌクレオチドは、鋳型として使用されるゲノムDNAの異なる領域に結合し、特定のDNA配列を増幅することを可能にする。RAPD法で使用されるプライマーは任意の配列を有し、通常G+C含量が50%を超え、繰り返し反転内部配列が欠如している。増幅されたDNA断片の理論数は、プライマーの長さと鋳型として使用されるゲノムのサイズとに依存する。増幅は以下の確率に基づく:(i)ゲノム中でプライマーが相補的DNA配列を見つける確率、(ii)該配列が反対の鎖上に位置する確率、(iii)それが反転センス中に現れる確率、および(iv)PCRにより増幅することができる距離にある確率。多型の出現は、鋳型DNAへのプライマーの正しい結合を妨害するプライマーの結合配列の変化(例えば点突然変異)によるかも知れない。さらにこれらの多型は、増幅断片のサイズを変化させ、DNAの増幅を妨害し(あまりにも遠いプライマー結合部位ができるため)、プライマー結合部位の欠失を引き起こすなどの、DNA配列の変化(例えば、挿入と反転)により引き起こされるかも知れない。
本発明で使用される株を選択する方法は以下に基づく:(i)ステロイド合成のインヒビター、呼吸のインヒビター、およびフリーラジカルの生成を誘導する化合物に対する耐性、(ii)固形培地上のコロニーの色の強度とカロチノイドの産生、(iii)暗所でのアスタキサンチンの産生、(iv)高温条件下でのアスタキサンチンの産生、および(v)グルコース以外の炭素源を用いるアスタキサンチンの産生。これらの方法は、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の変異体の効率的な選択を可能にする。さらに本発明に記載の株の選択法と発酵法は、アスタキサンチンの高収率と他のカロチノイドの低レベルの蓄積を可能にする。液体培地中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の培養は、カロチノイド、タンパク質、炭水化物、ビタミン、脂肪酸および他の栄養物質の含量のために、栄養のある健康促進性のバイオマスを得ることを可能にする。該バイオマスは、ヒトや動物の食物で直接使用することができる。
発明の詳細な説明
本発明は、酵母キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)を使用して高収率のアスタキサンチンを得るためのいくつかの方法を記載する。本発明は、(i)キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のアスタキサンチン過剰産生変異体を得る方法および選択する方法の設計、および(ii)改良された発酵条件の開発とを含む。高濃度のアスタキサンチンを有するキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の株を得るために、研究を行った。これは、突然変異とスクリーニングの古典的方法を応用し、原料と発酵条件の両方を最適化することに基づいた。アスタキサンチンの濃度は、(i)ppm(1gの乾燥バイオマス当たりの純粋なアスタキサンチンμg)、または(ii)乾燥バイオマスに対する純粋なアスタキサンチンのパーセントとして表される。キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の野生型株は100〜200ppmのアスタキサンチンを産生するが、本発明は、少なくとも5000ppmの産生法を記載する。アスタキサンチンの生物工学的生産のために、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)は工業的重要性が高い。実際該方法は、現在工業的に使用されている合成法と競合する。
アスタキサンチン過剰産生株を得ることを目的として、まず突然変異誘発物質であるエチルメタンスルホン酸(EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)および紫外線照射(UVA)を用いる、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の突然変異誘発法を開発した。突然変異すべき細胞の懸濁物は、液体培地R4−062−7中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の培養物から得られた。EMSを用いる突然変異法では、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中の6%EMS溶液で108 細胞/mlを20℃、100rpm で40〜80分インキュベートした。NTGを用いる突然変異法では、0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中の250μg/mlのEMS溶液で108 細胞/mlを20℃、100rpm で60〜120分インキュベートした。UVAを用いる突然変異法では、254nmのランプを使用して食塩水溶液中で107 細胞/mlの懸濁液を20℃、40rpm で5〜10分インキュベートした。使用した3つの突然変異法では、突然変異した細胞は、その回復を促進するために17〜20℃で100rpm でYEPD液体培地中で10時間インキュベートした。次に、YEPDA固形培地を含有するシャーレに接種し、17℃で4時間インキュベートして、単離したコロニーを得た。
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のアスタキサンチン過剰産生株を選択するために使用される方策は以下の通りである:(i)ステロイド合成のインヒビター、呼吸のインヒビター、およびフリーラジカルの生成を誘導する化合物に対する耐性、(ii)固形培地上のコロニーの色の強度とカロチノイドの産生、(iii)暗所でのアスタキサンチンの産生、(iv)高温条件下でのアスタキサンチンの産生、および(v)グルコース以外の炭素源を用いるアスタキサンチンの産生。アスタキサンチン過剰産生変異体を選択するために、突然変異した細胞を、以下を加えたYEPDA培地で増殖させた:(i)ジュロキノンや過酸化水素のような細胞の酸化還元電位を変化させる化合物、または(ii)ステロイド合成のインヒビター、特にβ−イオノン、イミダゾール、ジエチルアミン、2−メチルイミダゾール、ナイスタチンおよびジフェニルアミン。
変異体を、固形培地上のその収率の関数として連続的に選択した。該選択は、第1相として、親株より濃い赤い着色を有するコロニーを単離し、次に固形培地上で増殖させたバイオマスのカロチノイド含量を評価する方法により行った。親株VKPM Y−2476より大きな吸収を有する変異体を選択することにより、アスタキサンチン過剰産生株AST−A1とAST−A2を選択することができた(スキーム2)。暗所でアスタキサンチン産生株であった変異体を、暗所で固形培地上でインキュベートした時のそのカロチノイド含量の関数として選択した。こうしてAST−A3、AST−A4、AST−A5、AST−A6、およびAST−A7株を選択した(スキーム2)。高温条件下でアスタキサンチンの産生株であった変異体を、通常の温度(17〜20℃)より高い温度で増殖しアスタキサンチンを産生する能力の関数として選択した。こうして24℃で成長する能力とアスタキサンチンの収率についてAST−A8、AST−A9、およびAST−A10株を選択した(スキーム2)。グルコース以外の炭素源でアスタキサンチンを産生することができるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の株は、唯一の炭素源としてショ糖の存在下で増殖しアスタキサンチンを産生する能力の関数として選択した。こうしてAST−A11を選択し(スキーム2)、これはショ糖を唯一の炭素源として使用した時、親株より多量のアスタキサンチンを産生する能力を示した。
選択した株を、差別特性を確立することを目的としていくつかの遺伝的分析に付した。こうして、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株で染色体外要素の存在を証明した。さらに(i)該染色体外要素(プラスミド)が線状コンフォメーションの2本鎖DNAからなること、および(ii)アスタキサンチン過剰産生株が、低産生の株が示したものと異なる染色体外要素のパターンを有すること、を確認した。アスタキサンチン過剰産生株と低産生株との間の差を、さらにRAPD法を使用して確認した。
選択された株を、液体培地中でアスタキサンチンの収率を測定するために、フラスコ中で発酵させた。このために、接種物フラスコを増殖させ、次にフラスコ発酵を行った。発酵の完了後(約7日間)、ボルテックス攪拌を使用してキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)を溶解し、産生されたカロチノイドを有機溶媒(例えばアセトン)で抽出し、アスタキサンチンの濃度と純度をHPLCにより測定した。得られた収率は150〜200mg/lで変動した。培地への:(i)フリーラジカルを放出する物質(例えばジュロキノン)、(ii)カロチン生成のインデューサーである化合物(例えばレチナル酸またはトリスポリック酸)、または(iii)炭化水素鎖の前駆体(例えばグルタミン酸)の添加は、アスタキサンチンの収率を改善し、収率は、レチナルで少なくとも225mg/l、トリスポリック酸で200mg/l、そしてグルタミン酸で180mg/lに達した。さらに、(i)アスタキサンチンの比収率を上昇させる培地を開発し、および(ii)白色光および紫外線の両方がアスタキサンチンの収率上昇させ、最適の結果は、6時間の紫外線明/暗のサイクルで得られることを確認した。
フラスコで選択された株を、アスタキサンチンの収率を測定する目的で、パイロットプラント発酵槽で培養した。発酵条件は、まず高レベルのバイオマスと最大収率を得ることを可能にする複合体培地上で微生物を増殖させた。初期増殖段階の後に、最小増殖と最大収率とを特徴とする産生相が続いた。さらに、アスタキサンチンの収率を以下の方法により上昇させた:(I)培地への、フリーラジカルの細胞内生成を誘導する酸化力のある物質の添加(例えば、25〜50μM濃度のジュロキノン)。真に有効であるためには、添加は発酵の最初の24時間以内に行わなければならない。これらの化合物は増殖を低下(15〜25%)させ、アスタキサンチンの収率を上昇(10〜20%)させる。従ってバイオマスの比生産性の全体の上昇は30〜60%の範囲で変動し、フラスコでの6〜7日間の発酵で少なくとも215mg/lのアスタキサンチン収率に達した。(II)あまり激しくなくかつ生産性バイオマスの維持に充分な増殖を維持することを可能にする、発酵の進行した相での容易に同化可能な炭素源(例えばグルコース)の添加の減少と利用の遅い炭素源(例えばエタノール、グリセロールなど)による置換。(III)高強度の光(例えば250ルクスを超える)で生産相の培養物を照射。(IV)増殖より産生を促進する条件への、pHと温度の値の変化。約17℃の温度と3近辺のpH値では、増殖が遅延し収率が上昇する。これらの変数の組合せ効果は、アスタキサンチンの収率を上昇させ、かつバイオマスレベルの上昇を得ることを可能にした。これは、工業的観点から最も重要な生産目的の1つである発酵槽の単位容量当たりのより高い収率を意味する。
発酵プロセスは、炭素源、窒素源、ミネラルエンおよびビタミン(例えば、チアミン、ビオチン、パントテン酸カルシウムなど)を含む培地中で行った。炭水化物が豊富な栄養物質を炭素源として使用することができ、例えばデキストリン、デンプン、グルコース、ショ糖、果糖、またはこれらの糖のいくつかが豊富な植物粉がある。以下は窒素源として使用することができる:(i)有機化合物、例えば酵母エキス、綿実粉(ファルマメディア(Pharmamedia))、コーンスティープ、ダイズ粉、ペプトン、カゼインなど、または(ii)無機化合物、例えば硫酸アンモニウム、リン酸ジアンモニウムなど。培地に加えることができるミネラル塩には、1価陽イオン(ナトリウム、カリウム、アンモニウムなど)または2価陽イオン(カルシウム、マグネシウムなど)のリン酸塩、硫酸塩または塩酸物がある。さらに、いくつかの微量元素(例えば、Cu、I、Fe、Mn、Mo、Znなど)を培地に加えることができる。栄養物質の比率は、微生物の増殖要求と収率に基づいて決定した。発酵は、17℃〜22℃の温度で液内好気的培養を行ったが、ただしアスタキサンチンを産生できる変異体を使用する時は24℃で行った。培養物のpHは、最初の数時間は自由に変動させ、次にアルカリを加えて3.0〜5.0の範囲で制御した。pH制御の開始は増殖の進行に依存し、一般的に発酵の最初の24時間内に始まる。このプロセスは、炭素源および窒素源の利用可能性、1v/v/m(容量/容量/分)より速い通気、および初期増殖相の完了後に50%を超える溶存酸素レベルを確保する攪拌速度に基づく速い初期増殖が特徴である。高い比収率を有するバイオマスの最大濃度を達成するように、炭素源(一般にグルコース)を添加して、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の増殖を維持した。この目的の達成は、従来開発された技術と比較して、設置された発酵槽容量当たりより高い生産性を与える。
上記方策を用いると、70g/lを超えるバイオマスと少なくとも400mg/lの収率(これは、バイオマス単位当たりのアスタキサンチン収率が5000ppm を超えることを意味する)の発酵培地を得ることが可能であった。得られたバイオマスはキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の新しい株由来であり、これは、分子タイピング法を使用して同じ種の他の株から区別することができる。アスタキサンチン過剰産生株の選択以外に、工業的により有利にするために発酵技術は最適化されている。キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のバイオマスの収率は高アスタキサンチン含量を有することが記載されているが、これらの場合に培地中の酵母の増殖が非常に限定されている(5〜30g/l)。これは、多量のカロチノイドを得るために処理しなければならない培地の容量が非常に多いことを意味する。我々の結果は、高収率のカロチノイドのみでなく、発酵培地中で50〜100g/lの酵母濃度をも与える。これらの結果は、工業的生産性と生産コストの低下のために重要な利点である。
Figure 2005522193

スキーム2.突然変異法と選択法を利用したキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)VKPM Y−989から得られるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の系統発生
バイオマスは遠心分離またはろ過により培地から分離され、乾燥され、次にマス(trout)で一連のバイオアベイラビリティ試験を行うために使用された。このために、該乾燥バイオマスをマスの餌に加え、この混合物を2ヶ月間いくつかのマスに与えた。最後に10匹の該マスの組織中のアスタキサンチンとカロチノイドの存在を測定した。得られた結果(アスタキサンチン3.5μg/gとカロチノイド6.8μg/g)は、サケ色の色素をマスに与えるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)バイオマスの能力を証明した。
ブダペスト条約に従う微生物の寄託
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の株は、ブダペスト条約の規定に従って、ロシア国立工業微生物保存機関(Russian National Collection of Industrial Microorganisms)(VKPM)、(GNII、Genetika, Dorozhny Proezd 1, Moscow 113545(ロシア))に以下の番号と日付で寄託されている:VKPM Y−989を13/03/1989に、VKPM Y−2240を20/12/1996に、VKPM Y−2259を31/01/1997に、VKPM Y−2262を10/06/1997に、VKPM Y−2278を06/08/1997に、VKPM Y−2279を31/10/1997に、VKPM Y−2410を30/10/1998に、VKPM Y−2447を22/09/1999に、そしてVKPM Y−2476を06/03/2000に。
以下の例は、本発明を詳細にかつ限定することなく説明する。
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の突然変異の方策
まず、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の株について突然変異誘発法を開発し、以下を分析した:(i)異なる種類の突然変異誘発剤、(ii)突然変異誘発物質の濃度、(iii)細胞の濃度、(iv)インキュベーションpH、および(v)処理時間。この方法で突然変異誘発物質として以下を選択した:エチルメタンスルホン酸(EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)および紫外線照射(UVA)。
突然変異される細胞の懸濁液は、25mlのR4−062−7培地を有する500mlフラスコに液体培養物を接種し、これを17〜20℃で250rpm で24時間インキュベートして得られた。R4−062−7培地は以下の組成を有する:6.2g/lの酵母エキス、5.5g/lの綿実粉、70g/lのグルコース、2g/lのKH2PO4、0.4g/lのK2HP4、1.5g/lのMgSO4・7H2O、2g/lの(NH42SO4、0.2g/lのNaCl、0.2g/lのCaCl2、50μg/lのビオチン、500μg/lのチアミン、および2mg/lのパントテン酸カルシウム、最終pH5.8〜6.0。懸濁液中の細胞の濃度は、約106 細胞/mlであった。これらの細胞を食塩水溶液で2回洗浄し、3000rpm 、10℃で3分遠心分離し、次にその濃度を2×108 細胞/mlに調整した。
EMSを用いる突然変異法では、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中の6%EMS溶液で108 細胞/mlを20℃、100rpm で40〜80分インキュベートし、死滅率90〜99%を達成した。NTGを用いる突然変異法では、0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中の250μg/mlのNTGを含有する溶液中で108 細胞/mlを20℃、100rpm で60〜120分インキュベートし、死滅率90〜99%を達成した。突然変異した細胞を食塩水溶液で3回洗浄し、3000rpm 、10℃で3分遠心分離し、次に液体培地中で培養してその回復を促進した。このために、これらを10mlのYEPD培地に再懸濁し、250mlフラスコ中で17〜20℃、100rpm で10時間インキュベートした。YEPD培地の組成は以下の通りである:20g/lのバクトペプトン、10g/lの酵母エキス、および20g/lのグルコース、最終pH6.0。
UVAを用いる突然変異法では、食塩水溶液中で107 細胞/mlの懸濁液に254nmのランプで20℃、40rpm で5〜10分インキュベートし、死滅率90〜99%を達成した。突然変異した細胞を暗所で30分休止させ、次にその回復のために液体培地中で培養した。このために、これらを10mlのYEPDに再懸濁し、暗所で250mlフラスコ中で17〜20℃、100rpm で10時間インキュベートした。
YEPDA固形培地を含有するシャーレに接種するために、突然変異した細胞を使用し、17℃で4日間インキュベートして単離したコロニーを得た。YEPDA培地の組成は以下の通りである:20g/lのバクトペプトン、10g/lの酵母エキス、20g/lのグルコース、および20g/lの寒天、最終pH6.0。接種したシャーレを17℃で4日間インキュベートして単離したコロニーを得た。
固形培地上のカロチノイドの収率の関数としてキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のアスタキサンチン過剰産生株を選択する方策
実施例1に記載の変異細胞から得られたコロニーを、YEPDA培地または以下を加えたYEPDA培地に直接接種した:(i)細胞の酸化還元電位を変化させる化合物、または(ii)ステロイド合成のインヒビター。(i)型の化合物では、特にジュロキノン(100μM)と過酸化水素(5mg/l)を使用し、(ii)型の化合物では、特に以下を使用した:β−イオノン(50μl/l)、イミダゾール(5mM)、ジエチルアミン(10μM)、2−メチルイミダゾール(5mM)、ナイスタチン(1mg/l)およびジフェニルアミン(100μM)。
上記培養物に由来するコロニーを、YEPDA培地に約3cm2 の線条の形で接種し、17〜20℃で4日間、光の存在下でインキュベートした。株を選択するプログラムにおいて、親株より強い赤色の着色を示す多くの線条を単離することができた。次に親株の濃い赤色の着色は、色に基づく直接選択を妨害し、従って固形培地上で増殖したバイオマスからカロチノイドを測定するための方法を開発した。この方法では、各線条から、0.8cm2 に対応するバイオマスを取り出し、これを1mlのジメチルスルホキシドに再懸濁した。2分間のボルテックス攪拌と12000rpm 、室温で5分間の遠心分離を使用してカロチノイドを抽出した。474nmで上清の吸光度を測定して、カロチノイドの収率を評価した。VKPM Y−2476親株より大きい吸光度値を有する株の選択は、アスタキサンチン過剰産生変異体AST−A1とAST−A2を選択することを可能にした。
暗所でのアスタキサンチン過剰産生株であるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株を選択するための方策
本方法では、光の非存在下で増殖しアスタキサンチンを産生する能力について変異体を評価した。このために、一連のYEPDAシャーレに変異細胞の懸濁液を接種し、光の非存在下で22℃で4日間インキュベートした。次に、より強い着色と増殖を示した全部で103個のコロニーを選択した。これらのコロニーを再度YEPDA上に約3cm2 の線条の形で接種し、光の非存在下で22℃で4日間インキュベートした。各線条の0.8cm2 に対応するバイオマスを使用して、10mlのR4−062−7培地を含有する50mlのフラスコに接種し、これを光の非存在下で20℃、250rpm で72時間インキュベートした。これらの培養物から、カロチノイド収率の高い5つの変異体(AST−A3、AST−A4、AST−A5、AST−A6およびAST−A7)を選択し、これらを暗所と光の存在下の両方で発酵で試験すると、アスタキサンチン収率は、暗所では親株VKPM Y−2476の2倍であり、光の存在下では同等であった。
高温条件下でアスタキサンチン過剰産生株であるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株を選択するための方策
本方法では、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の通常の温度(17〜20℃)より高い温度で増殖しアスタキサンチンを産生する能力について変異体を評価した。このプログラムは2相で行った:まず22℃、次に24℃。このために、VKPM Y−2476株由来のNTGで変異した細胞の懸濁液をYEPDAのシャーレに接種し、これを光の非存在下で22℃で6日間インキュベートした。これらの条件下でVKPM Y−2476親株は増殖できなかった。この方法で、22℃で増殖する能力に基づいて100個のコロニーを単離した。これらのコロニーを再度YEPDA上に約3cm2 の線条の形で接種し、光の存在下で22℃で4日間インキュベートした。次に固形培地上のカロチノイドの収率を評価し、全部で10個の株を選択し、これらを液体培地中で20℃と22℃の両方で発酵させた。最後の4つの株を前選択した。
あらかじめ選択した4つの株からの組合せ細胞懸濁液を、実施例1に記載のようにNTGで変異させ、変異細胞をYEPDAに接種し、次にシャーレを23.5℃で光の非存在下で6日間インキュベートした。こうして200個のコロニーを選択し、これらを再度YEPDA上に約3cm2 の線条の形で接種し、光の存在下で24℃で4日間インキュベートした。次に固形培地上のカロチノイドの収率を評価し、全部で6つの株を選択した。いったんこれらの6つの株のアスタキサンチン収率を液体培地で24℃で分析し、これらの3つを選択し、AST−A8,AST−A9、およびAST−A10と名付けた。
グルコース以外の炭素源でアスタキサンチンを産生することができるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株を選択するための方策
グルコース(20g/l)またはショ糖(20g/l)を加えておいたYEPDA培地に、実施例1に記載した変異細胞から得られたコロニーを直接接種した。すでに記載した培養物由来のコロニーを再度YEPDA−グルコースまたはYEPDA−ショ糖培地上に約3cm2 の線条の形で接種し、光の存在下で17〜20℃で4日間インキュベートした。実施例2に記載のように各線条の0.8cm2 に対応するバイオマスでカロチノイドを評価し、VKPM Y−2476親株より大きい吸光度値を示した線条を選択した。こうしてAST−A11を選択し、これは、グルコースまたはショ糖を炭素源として使用してVKPM Y−2476より高いアスタキサンチン収率を有した。
異なるアスタキサンチン収率を示す一連のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の遺伝的分析
6.1.キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の染色体外要素の性状解析
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のいくつかの野生型株をアスタキサンチン過剰産生株と比較するために、その核酸を0.8%アガロースゲルで分析した。分析した4つの野生型株は以下の通りである:CECT1690(ATCC24202またはCBS5905とも呼ぶ)、CECT11028(ATCC24203またはCBS5908とも呼ぶ)、CBS6938とATCC24229。分析した過剰産生株は以下の通りである:VKPM Y−989、VKPM Y−2240、VKPM Y−2259、VKPM Y−2279、VKPM Y−2410およびVKPM Y−2476。いったん前記株の全DNAを精製した後、これをRNaseで処理し、電気泳動で分析した。結果を図1に示す。図から明らかなように、過剰産生株は、野生型株とは異なる染色体外核酸のパターンを有する。キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ATCC24229株は、過剰産生株に最も近いパターンを有する。
染色体外遺伝子要素の存在は、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の種々の株で記載されている:これらは主に2本鎖RNA(dsRNA)であり、ある株ではウイルス様粒子(VLP)に封入されていることがわかった(カスチロ(Castillo A.)とシフエンテス(Cifuentes V.)、1994、Curr.Genet. 26:364-368;プフェイファー(Pfeiffer, H.)ら、(1996)Curr.Genet. 30:294-297)。過剰産生株の染色体外要素がdsRNAの分子であるかどうかを決定するために、これらをRNaseA(350ng/ml)で2つの異なる食塩水濃度(SSC 0.01×とSSC 2×)で処理した。さらに、SSC 0.01×中のRNaseで処理せずに、対照試料を調製した。この試料を37℃で30分インキュベートし、次に0.8%のアガロースゲルの電気泳動で分析した。図2から明らかなように、RNaseAでインキュベーション後は染色体外要素は分解されず、従って該核酸はdsRNAの分子ではないと結論された。
該染色体外要素の本質を決定するために、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410からの全DNA試料を種々の核酸修飾酵素で処理した:RNaseA、RNaseH、ヌクレアーゼS1、DNaseI、および制限エンドヌクレアーゼBamHI。結果を図3に示す。RNaseAによる消化は、前記した結果を確認した。しかし(i)レーン9(DNaseIによる処理)中の染色体外要素と全DNAの完全な消失と、(ii)制限エンドヌクレアーゼBamHIによる消化(レーン10)に対するこれらの感受性は、これらがDNA分子であることを示した。
次にキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CB6938株とキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410株の染色体外要素のコンフォメーションの測定を行った。このために、全DNAの試料を1%アガロースゲルの2次元電気泳動で分析した。図4から明らかなように、両方の株の染色体外要素のパターンは、ゲルの2次元で同じであり、すなわちDNA断片はそのサイズに従って泳動する。これは、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)で検出されるDNA分子が線状コンフォメーションを有することを示す。これらの結果から、分析した株の染色体外要素は、2本鎖DNAから形成される線状プラスミドであると結論される。
6.2.RAPD法を使用する一連のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の遺伝子多型の測定
目的は、PCRでDNAをランダムに増幅することにより、異なるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の遺伝子多様性の存在を測定することであった。この方法はRAPD(ランダムに増幅された多型DNA)と呼ばれる。多型は、(i)プライマー結合配列の変化(例えば点突然変異)、(ii)サイズを変化させるDNA配列の変化(例えば挿入と逆位)、(iii)増幅されたDNA断片のサイズを変化させる挿入、(iv)プライマの結合部位の消失などの存在により検出される。この試験は、セクション6.1に記載の4つの野生型株と6つの過剰産生株を含んだ。キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ですでに使用された(マイヤー(Meyer P.S.)ら、1994 Biotechnol. Tech. 8:1-6)すでに記載されていた(ウィリアムズ(Williams J.G.)ら、1990.Nucleic Acids Res. 18:6531-6535)プライマー 5'-CATGTGTGGCGGGCA-3'を、分析に使用した。全DNAを96℃で5分間加熱して変性させ、GeneAmp PCRシステム2400(パーキン・エルマー(Perkin Elmer))で最終容量50μlでPCR反応を行った。以下の条件下で35サイクルの増幅を行った:30℃で1分間の環形成、72℃で2分間の重合、そして92℃で1分間の変性。最後のサイクルで、重合時間を72℃で10分間に延長し、次に4℃まで冷却した。この方法で増幅したDNA断片を1%アガロース電気泳動に付し、得られた結果を図5に示す。明らかなように、アスタキサンチン過剰産生株は同等のパターンを与え、一方キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ATCC24229株(これは、セクション6.1で行った分析で過剰産生株に最も類似していた)は、過剰産生株とは異なる増幅パターンを示した。この実験から、アスタキサンチン過剰産生株は、分析したすべての野生型株とは遺伝子的に異なると結論できる。
キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のフラスコ発酵によるアスタキサンチンの産生法
まず、R3−02−5培地のスラントに接種し、17〜20℃で5日間インキュベートした。R3−02−5培地の組成は以下の通りである:バクトペプトン 6.5g/l、酵母エキス 2g/l、KH2PO4 1.3g/l、NaCl 0.1g/l、CaCl2 0.1g/l、グルコース 50g/l、寒天 20g/l、H3BO3 500μg/l、CuSO4 40μg/l、KI 100μg/l、FeCl3 200μg/l、MgSO4・H2O 400μg/l、Na2MoO4・2H2O 200μg/l、ZnSO4・7H2O 400μg/l、pH6.0。微生物がいったん増殖したら、各スラントを3mlの食塩水溶液に再懸濁し、この懸濁液を使用して、R4−062−7培地25mlを含有する500mlのフラスコにフラスコ当たり1.5mlの細胞懸濁液の比率で接種した。これらの接種物を、17〜20℃、250rpm で48時間インキュベートした。
接種物を使用して、R4−20培地25mlを含有する500mlのフラスコ(3つのくぼみ)にフラスコ当たり2.5mlの比率で接種した。R4−20培地の組成は以下の通りである:酵母エキス6.2g/l、綿実粉5.5g/l、KH2PO4 2g/l、K2HPO4 0.4g/l、MgSO4・7H2O 1.5g/l、(NH42SO4 2g/l、NaCl 0.2g/l、CaCl2 0.2g/l、CaCO3 1.6g/l、グルコース 200g/l、ビオチン 50μg/l、チアミン 500μg/l、パントテン酸カルシウム 2mg/l、pH5.8〜6.0。これらのフラスコを17〜20℃で光の存在下で5〜7日間インキュベートした。これらの条件下でVKPM Y−2476株からのアスタキサンチン収率は、約150mg/lおよび4000ppm であり、バイオマス37g/lであった。
培地の修飾によるアスタキサンチン産生の改良
アスタキサンチンの産生を改良するために、培地への種々の化合物の添加を試験した:(i)フリーラジカルを放出する物質、例えばジュロキノン(25〜50μM)、(ii)他のカロチノイド産生微生物中のカロチン生成のインデューサーである化合物、例えばレチナル(35μM)およびトリスポリック酸(50〜100μg/ml)、(iii)綿実粉の代わりに、炭化水素鎖の前駆体である分子、例えばグルタミン酸(5.5mg/ml)。実施例7に記載のように発酵を行い、結果を図6に示す。最適条件下で得られたアスタキサンチンの収率は225mg/lおよび5000ppm であり、バイオマス45g/lであった。明らかなように、これらのすべての化合物は、元々の培地R4−20と比較して収率を上昇させた。
アスタキサンチンの比収率を上昇させる培地の開発
アスタキサンチンの比収率(アスタキサンチンmg/バイオマスg)を改良するために、ウェスター−ボッツ(Weuster-Botz D.)(インスチチュート・フィア・ビオテクノロギー(Institut fur Biotechnologie)、フルシュングスツェントルム・ユリッヒGmbH(Forschungszentrum Julich GmbH)、ユリッヒ(Julich)、ドイツ)により開発された、遺伝子アルゴリズムに基づくギャロップ(GALOP)ソフトウェアを使用して培地を開発した。設計は、培地成分のいくつか(KH2PO4、K2HPO4、MgSO4・7H2O、NaCl、CaCl2、およびCaCO3)の濃度を一定に維持し、他の成分(グルコース、グリセロール、ペプトン、コーンスティーソリッド(CSS)、硫酸アンモニウムおよび大豆油)の種々の濃度を分析することに基づいた。ギャロップ(GALOP)ソフトウェアを使用して7つの培地を設計したが、これらは種々の濃度の同じ成分からなる。表Iは、第4世代で分析した培地の組成を示す。
Figure 2005522193
塩溶液25×は1リットル当たり以下を含有した:50gのKH2PO4、10gのK2HPO4、37.5gのMgSO4・7H2O、5gのNaCl、5gのCaCl2 および40gのCaCO3。図7は、その組成の4世代連続の最適化を実施した後の、これらの培地で得られた比収率の結果を示す。明らかなように我々は、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410株のアスタキサンチンの比収率を、絶対収率(mg/l)を低下させることなく2096(μg/g)(培地P)から4490ppm(培地5)に上昇させる培地の開発に成功した。
培養物に光照射することによるアスタキサンチンの産生の改良
アスタキサンチン産生の改良法を開発するために、Y−2476株を、使用する光の波長を変化させながらフラスコ中で発酵させた。このために、実施例7に記載のように一連の発酵を行った。光の存在下または非存在下で、フラスコを17〜20℃で6日間インキュベートした。さらに異なる種類の光を試験した:白色、青、緑、黄色および紫外線。得られた結果を図8Aに示す。明らかなように、白色光と紫外線は、暗所で行った発酵と比較して産生の最大の上昇を与えた。
さらに、Y−2476株からのアスタキサンチン産生を、絶えず光照射するかまたは明/暗サイクル6、12または24時間で、フラスコ発酵で比較した。これらのサイクルを白色光と紫外線で行った。得られた結果を図8Bに示す。明らかなように、紫外線/暗の6時間のサイクルが、最大の産生上昇を与えた。
10リットル発酵槽中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の発酵によるアスタキサンチンの産生法
接種物のフラスコ(200mlのR4−062−7培地を有する2リットル、実施例1)に、フラスコ当たり1つのスラントからの細胞を接種し、20℃で光照射しながら250rpm で48時間回転攪拌してインキュベートした。この方法で、7%のバイオマス(ペレット細胞容量として表示、PCV)とpH約3を有する培地が得られた。次に、栄養増殖用の中間発酵槽に、0.4%(v/v)の接種物を有するR4−10−3P培地を接種した。R4−10−3P培地は1リットルにつき以下の組成を有する:酵母エキス 6.2g、綿実粉 5.5g、グルコース 100g、KH2PO4 2g、K2HPO4 0.4g、MgSO4・7H2O 1.5g、PO4H(NH42 5g、NaCl 0.2g、CaCl2・2H2O 0.4g、およびチアミン 0.5mg、最終pH5.8〜6.0。栄養段階のものを、20℃で48時間、充分に攪拌して少なくとも50%溶存酸素(DO2)を維持して、1.5vvm(容量/容量/分)で12.5%濃度のアンモニアでpHを4.5に制御してインキュベートした。栄養相で得られた増殖は、30〜35%のバイオマス(PCVとして表示)に達した。産生相はR4−10培地を有するホウケイ酸ガラスタンクの発酵槽で行い、これは接種後の容量(9リットル)に対して以下の組成を有する:酵母エキス 6.2g/l、綿実粉 5.5g/l、KH2PO4 2g/l、K2HPO4 0.4g/l、MgSO4・7H2O 1.5g/l、(NH42HPO4 5g/l、NaCl 0.2g/l、CaCl2・2H2O 0.2g/l、微量元素の溶液 2ml/lおよびポリプロピレングリコール2025 0.9g/l、NaOHでpHを5.4に調整)。微量元素の溶液の組成は以下の通りである:ホウ酸 1mg、モリブデン酸ナトリウム2水和物 0.4mg、硫酸亜鉛7水和物 0.8mg、塩化第2鉄6水和物 0.4mg、硫酸銅5水和物 0.8mg、ヨウ化カリウム 0.2mg、硫酸マグネシウム4水和物 0.8mg。培地を6リットルの容量に調整し、滅菌後、1.05リットルのグルコースシロップ(接種後のグルコース濃度を100g/lにするため)と1ml/lのビタミン溶液(ビオチン 0.1g/l、チアミン 1g/l、およびパントテン酸カルシウム 4g/l)を加えた。発酵槽に2リットルの栄養培養物を加え、以下の栄養培養物条件に調整した:(I)通気:1.5vvm。(II)攪拌:18時間までは700rpm 、次に1200rpm に上げてDO2 >50%に維持する。(III)圧力:0kg/cm2。(IV)温度:72時間までは20℃、次に17℃。(V)pH:72時間までは12.5%のアンモニアで下限を4.5に制御、次に下限を3.0まで下げる。(VI)DO2 :攪拌して下限を50%で制御。(VIII)光照射:タンクの上に配置した全部で80ワットの6つの蛍光管。
以下の添加物を作成した:(I)以下の添加スケールに従ってグルコースの50%溶液(1リットル1時間当たりの純粋なグルコースのグラムとして表す):0〜25時間は0、26〜51時間は2.5、52〜116時間は2.3、および117〜212時間は1.6。添加物中の50%グルコースの総消費は6.47リットルであった。(II)無水エタノール:72時間から開始して24時間毎に0.5%。総消費量は270mlであった。(III)消泡剤:ポリプロピレングリコール(PPG)、総消費量は200mlであった。(IV)pHの制御のために12.5%で総消費量は464ml。
さらに、必要な部分的な採取を行って、作業容量を10リットルに維持する。部分採取の総量は2.6リットルであり、タンクの最終容量は8.5リットルであった。発酵は212時間目に終了し、バイオマス32%(PCVとして表す)であり、これは84g/l(乾燥重量として表す)に等しかった。HPLCで測定したアスタキサンチン濃度は425mg/lであり、従って乾燥バイオマスのアスタキサンチン濃度は5000ppmを超えた。蓄積したカロチノイドの総濃度は623mg/l(7416ppm)であった。発酵の進行を図9に示す。
800リットル発酵槽中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の発酵によるアスタキサンチン産生法
接種物培地(R4−062−7、実施例1)を、フラスコ当たり200〜400mlの比率で2000mlの三角フラスコに調製した。いったん滅菌後キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)を接種し、次に20℃、250rpm で48時間インキュベートした。接種物を無菌条件下で、R4−10−2培地を有する栄養増殖のための中間タンクに0.4%(v/v)の比率で移し、この培地はリットル当たり以下を含有した:酵母エキス 6.2g、ファーマメディア(Pharmamedia) 5.5g、グルコースシロップ(70%(v/v)) 143g(別々に滅菌)、コーンスティーソリッド 24g,リン酸1カリウム 2g、リン酸2カリウム 0.4g、硫酸マグネシウム7水和物 1.5g、リン酸2アンモニウム 5g、塩化ナトリウム 0.2g、塩化カルシウム2水和物 0.4g、消泡剤 0.1g、塩酸チアミン 1mg、ホウ酸 1mg、モリブデン酸ナトリウム2水和物 0.4mg、硫酸亜鉛7水和物 0.8mg、塩化第2鉄6水和物 0.4mg、硫酸銅5水和物 0.8mg、ヨウ化カリウム 0.2mg、硫酸マグネシウム4水和物 0.8mg。初期pHは5.6であった。栄養相を17℃で54時間、1.5v/v/mの通気速度で頭部圧力1気圧で、pHが3.5より小さくなるまでインキュベートした。次にバイオマスが30〜35%(PCVとして表した)になるまで、R4−10−2培地中で第2の増殖相を行った。R4−10−2培地を含有する生産発酵槽(800リットル容量)に、20%(v/v)の栄養培養物を接種した。
発酵は以下の温度プログラムで行った:16時間まで19℃、16〜60時間は18℃、そして最後まで17℃。攪拌は150〜275rpm で変化させ、通気速度は1.5v/v/mであった。頭部圧力は0.5atm で維持した。pHの制御は25%水酸化アンモニウムで行い、24時間までは4.5より上、24〜60時間は3.5より上、そして60時間から最後までは3.0より上であった。溶存酸素は50%より高く維持し、必要な時は攪拌速度を上昇させた。発酵の間、以下のプログラムに従ってグルコースを添加を行った(kg/m3/時間で表す):0〜24時間は0、24〜48時間は4.41、48〜70時間は3.77、70〜94時間は2.08、および94〜184時間は2.60。
さらに、必要な時は以下を行った:(i)消泡剤の添加、(ii)発酵槽中の容量を総容量の約75%に維持するために部分的採取。培養物に、54ワット蛍光管を6つ含有(全部で324W)する、培養物中に沈めた1メートルの長さのホウケイ酸管を使用して光を照射した。発酵を184時間続け、最後に400mg/lのアスタキサンチン収率とバイオマス90g/l(乾燥重量として表す)を得て、これは、乾燥バイオマスが4400rpm を超えることを意味する。
50μMのジュロキノンを添加すると、アスタキサンチン収率が約15〜20%上昇した。
マス中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のアスタキサンチンが豊富なバイオマスの回収法とバイオアベイラビリティ分析
前記実施例に記載のように純粋な培養物で発酵した酵母キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)を発酵槽から冷蔵タンクに移し、遠心分離またはろ過して回収するまでここに保持した。遠心分離またはろ過ユニットを使用して培地の予備濃縮を連続的に行い、濃縮培養物を得た。バイオマスの処理中にアスタキサンチンを保護するために、ある場合には、濃縮バイオマスに抗酸化剤エトキシキンを加えた。次に、通常の方法を使用して濃縮バイオマスの乾燥を行い、処理中の細胞の大半が破砕されることがないようにした。最後に、光、酸素および水分から保護できるように、乾燥バイオマスを保存した。
混合物中にアスタキサンチン濃度が75ppm になるように、乾燥バイオマスを養魚で使用される餌調製物と混合した。次に混合物を円筒形またはペレットの形で押しだし、これを用いていくつかのマスに2ヶ月間餌を与えた。次に、ランダムに選択した10匹のマスを屠殺し、その筋肉組織中のアスタキサンチンとカロチノイド含量を測定した。さらに、あらかじめ前記のペレットを与えなかった10匹の対照マスで、アスタキサンチンとカロチノイドの含量を分析した。得られた平均値を以下の表に示す:
Figure 2005522193
バイオアベイラビリティ試験の結果は、キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の乾燥バイオマス中に存在するアスタキサンチンおよび他のカロチノイドがマスの組織に移行し、マスに魅力的なサケ色を与えたことを示す。
異なる収率のアスタキサンチンを示すいくつかのキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の全DNAを示すアガロースゲルの写真。レーン1:DNAの分子量マーカーであり、そのバンドは以下のサイズ(塩基対で表す)を有する:23130、9416、6557、4361、2322、2027、1353、1078、872、603および300。レーン2:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT1690(ATCC24202またはCBS5905とも呼ぶ)。レーン3:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT11028(ATCC24203またはCBS5908とも呼ぶ)。レーン4:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CBS6938。レーン5:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ATCC24229、レーン6:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−989。レーン7:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2240。レーン8:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2259。レーン9:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2279。レーン10:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410。レーン11:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476。全DNA(23kbより大きいサイズ)を、図の上に示し、染色体外要素をその下に示す(サイズ2.3〜9kb)。 3つの異なる条件のいくつかのキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の全DNAを示すアガロースゲルの写真:(A)対照(SSC 0.01×、RNaseAによる処理無し)。(B)SSC 0.01×中350ng/ml濃度のRNaseAで処理した。(C)SSC 2×中350ng/ml濃度のRNaseAで処理した。レーン1〜3:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT1690(ATCC24202またはCBS5905とも呼ぶ)。レーン4〜6:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT11028(ATCC24203またはCBS5908とも呼ぶ)。レーン7〜9:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CBS6938。レーン10〜12:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ATCC24229、レーン13〜15:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−989。レーン16〜18:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2240。レーン19〜21:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410。レーン22〜24:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476。レーン25:DNAの分子量マーカー、そのバンドはバンドは以下のサイズ(塩基対で表す)を有する:23130、9416、6557、4361、2322、および2027。 種々の核酸修飾酵素で処理したキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の全DNAを示すアガロースゲルの写真。レーン1:DNAの分子量マーカーであり、そのバンドは以下のサイズ(塩基対で表す)を有する:23130、9416、6557、4361、2322、2027、1353、および1078。レーン2:対照DNA、未処理。レーン3:2×SSC中のRNaseAで処理。レーン4:1×SSC中のRNaseAで処理。レーン5:0.02×SSC中のRNaseAで処理。レーン6:0.01×SSC中のRNaseAで処理。レーン7:RNaseHで処理。レーン8:ヌクレアーゼS1で処理。レーン9:DNaseIで処理。レーン10:制限エンドヌクレアーゼBamHIで消化。 左:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CBS6938(レーン1)株とキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410(レーン2)株のアガロースゲル。中央:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CBS6938に対応するレーン1の電気泳動の二次元。右:とキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410に対応するレーン2の電気泳動の二次元。 RAPD(ランダムに増幅された多型DNA)法を使用して増幅したいくつかのキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株の全DNAを示すアガロースゲルの写真。レーン1と12:DNAの分子量マーカーであり、そのバンドは以下のサイズ(塩基対で表す)を有する:1353、1078、872、603および300。レーン2:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT1690(ATCC24202またはCBS5905とも呼ぶ)。レーン3:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CECT11028(ATCC24203またはCBS5908とも呼ぶ)。レーン4:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)CBS6938。レーン5:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)ATCC24229。レーン6:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−989。レーン7:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2240。レーン8:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2259。レーン9:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2279。レーン10:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410。レーン11:キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476。 キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476株のフラスコ発酵によるアスタキサンチン(縦軸)の産生であり、発酵培地に以下の化合物を加えた:ジュロキノン−D−、レチナル−R−、トリスポリック酸−AT−、またはグルタミン酸−GT−。収率は、標準的条件−P−(100%)に対するパーセントとして表す。 遺伝子アルゴリズムに基づくギャロップ(GALOP)プログラムを使用する、記載の7つの異なる培地中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2410からのアスタキサンチンの比収率。P、1、2、3、4、5および6と記載した培地を横軸に示す。縦軸は、ppm (μg/g)で示した比収率値を示す。 キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476株のフラスコ発酵によるアスタキサンチンの産生。(A)培養物に異なる種類の光を照射:暗−O−、白色−B−、青−A−、緑−V−、黄色−AM−、および紫外線−UV−。(B)培養物に異なるサイクルの白色光または紫外線を照射:連続白色−BP−;連続UVA−UVAP−;白色24時間−B24h−;UVA24h−;白色12時間−B12h−;UVA12h;UVA6h。収率は、標準的条件(100%)に対するパーセントとして表す。 10リットルの発酵槽中のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)Y−2476株の発酵中のアスタキサンチンの収率の進行。縦軸(左):PCV(%)■、DO2(%)−およびグルコース(g/l)◆。縦軸(右):アスタキサンチンHPLC(mg/l)●、カロチノイド(mg/l)▲、横軸:時間、時間。

Claims (26)

  1. 6〜7日間の発酵で少なくとも4000ppm のアスタキサンチンをフラスコ中で産生することができる、スキーム2に記載のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)株またはその変異体または形質転換した誘導体の培養を含んでなる、発酵によるアスタキサンチンの産生方法。
  2. 工業的発酵において、7〜9日間の発酵で少なくとも5000ppm のアスタキサンチン収率が達成される、請求項1の発酵法。
  3. 発酵プロセス中にジュロキノンが加えられる、請求項1と2の発酵法。
  4. ジュロキノンが25〜50μMの濃度で加えられる、請求項3の発酵法。
  5. レチナルが発酵プロセス中に加えられる、請求項1と2の発酵法。
  6. レチナルが35μMの濃度で加えられる、請求項5の発酵法。
  7. トリスポリック酸が発酵プロセス中に加えられる、請求項1と2の発酵法。
  8. トリスポリック酸が50〜100μg/mlの濃度で加えられる、請求項7の発酵法。
  9. グルタミン酸が発酵プロセス中に加えられる、請求項1と2の発酵法。
  10. グルタミン酸が5.5mg/mlの濃度で加えられる、請求項9の発酵法。
  11. 表Iに記載の培地が発酵プロセスに使用される、請求項1と2の発酵法。
  12. 6〜7日間の発酵でフラスコ中で4490ppm のアスタキサンチンが産生される、請求項11の発酵法。
  13. 発酵プロセス中に発酵培地が照射される、請求項11の発酵法。
  14. 使用される照射源は白色光である、請求項13の発酵法。
  15. 使用される照射源は紫外線である、請求項13の発酵法。
  16. 照射は発酵の最初から最後まで、好ましくは40〜200時間行われる、請求項13〜15の発酵法。
  17. 6時間の照射/暗サイクルが使用される、請求項16の発酵法。
  18. 請求項1〜17のいずれかの発酵法であって:
    (a)キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の接種物が接種される、
    (b)キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の接種物は20℃で48時間培養される、
    (c)キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の初代培養相に、約0.4%(v/v)の接種相が接種される、
    (d)キサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)の初期相は17〜20℃で48〜54時間培養される、
    (e)各発酵槽は、20%(v/v)の初期相のキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)が接種される、
    (f)発酵は、18〜20℃で60〜72時間、および17℃でさらに5〜7日間インキュベートされる、
    ことを含んでなる上記方法。
  19. 7〜9日目に少なくとも425mg/l のアスタキサンチンが産生される、請求項18の発酵法。
  20. 発酵培地1リットル当たり少なくとも50g乾燥重量濃度のバイオマスが産生される、請求項18と19の発酵法。
  21. 発酵培地1リットル当たり少なくとも80g乾燥重量濃度のバイオマスが産生される、請求項20の発酵法。
  22. 7〜9日間の発酵で細胞の乾燥重量1g当たり少なくとも5000μgのアスタキサンチンが産生される、請求項18〜21の発酵法。
  23. ヒトおよび動物の食物として使用される、請求項1〜22の発酵プロセスにより得られる、栄養価と着色価のあるキサントフィロミセス・デンドロロウス(X. dendrorhous)のバイオマス。
  24. 以下を含有する、請求項23のバイオマス:
    a)少なくとも5000μg/g濃度のアスタキサンチン;
    b)少なくとも7400μg/g濃度の総カロチノイド;
    c)少なくとも15%濃度のタンパク質、および
    d)少なくとも15%濃度の炭水化物。
  25. 請求項23および24のバイオマスからなるまたはこれを含有する動物の食物のための化合物。
  26. 請求項23および24のバイオマスからなるまたはこれを含有するヒトの食物のための化合物。
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