JPH09308481A - 色調改善剤 - Google Patents

色調改善剤

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JPH09308481A
JPH09308481A JP8128565A JP12856596A JPH09308481A JP H09308481 A JPH09308481 A JP H09308481A JP 8128565 A JP8128565 A JP 8128565A JP 12856596 A JP12856596 A JP 12856596A JP H09308481 A JPH09308481 A JP H09308481A
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章 坪倉
Hisashi Yoneda
久 米田
Yoko Uchiyama
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Yoshinori Mizuta
美能 水田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動物用の新規な色調改善剤の提供。 【解決手段】 微生物E−396株FERM BP−4
283)、その変異株、微生物A−581−1株(FE
RM BP−4671)およびその変異株から選ばれる
微生物の培養液、該微生物菌体そのもの、該微生物菌体
の分解物、該微生物菌体の破砕物、およびそれらから抽
出または単離されるカロテノイド化合物から選ばれる色
調改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類あるいは家
禽類の表皮、肉または生産卵等の色調を改善するための
色調改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カロテノイド化合物は微生物の菌体、藻
類あるいは植物および動物の組織および器官など天然に
広く存在する色素である。カロテノイド化合物は食品、
飲料の着色剤としての食品分野、サケ、マス、マダイ、
エビなどの魚介類の肉あるいは表皮、ニワトリなどの家
禽類の肉、表皮、卵黄の色調改善などを目的とした飼料
分野での用途が拡大している。またカロテノイド化合物
は抗酸化作用を持つことが知られており抗酸化剤として
の用途も期待される。近年ある種のカロテノイド化合物
に発ガン阻止効果が見いだされており今後は医薬品とし
ての用途も期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カロテノイド化合物の
飼料分野での大きな用途に動物の表皮、肉またはそれら
の生産卵の色調改善剤としての利用がある。例えばサ
ケ、マス、マダイなどの魚介類用の色揚げ剤としてアス
タキサンチン、カンタキサンチンなどが使用されてい
る。またニワトリなどの家禽類の表皮、肉および卵黄の
色調を改善する方法としてカンタキサンチン、アスタキ
サンチン、ゼアキサンチン、カプサンチンなどを飼料に
添加することが知られている。
【0004】カンタキサンチンは化学合成品があるのみ
で天然品は工業的には生産されていない。化学合成品は
安全性の面および近年の天然物指向の状況から問題があ
る。アスタキサンチンは化学合成品および天然物由来の
ものが存在するが、化学合成品は安全性の面および近年
の天然物指向の状況から問題がある。アスタキサンチン
天然品はオキアミやザリガニからの抽出によって得られ
るが含有量が少ないこと、安定供給が困難なこと、コス
ト高の点から問題がある。またアスタキサンチンを生産
する赤色酵母ファフィア・ロドチーマ(Phaffia
rhodozyma)は強固な細胞壁を持つためにそ
のままの菌体で供給しても吸収効率は極めて低く菌体を
機械的に粉砕、あるいは化学薬品、酵素などで分解する
必要がありコストの面で問題がある。
【0005】しかも菌体を分解した状態ではカロテノイ
ド化合物の安定性が低下する問題も生じる。またアスタ
キサンチンを生産する緑藻類(Haematococc
us)も細胞壁が固いために、そのままでは着色効果が
低いのがファフィア酵母と同様に問題である。ゼアキサ
ンチンはマリーゴールド等から抽出しているが、色調が
黄色であり用途が限定されるのが欠点である。カプサン
チンはパプリカに含まれるカロテノイドで卵黄の着色に
用いられているが、熱、光などに極めて不安定であるこ
と、パプリカの生育状態が天候に大きく左右されるため
に工業的安定供給が困難であるなどの欠点を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、微生物E−396株(FERM BP−42
83)、その変異株、微生物A−581−1株(FER
M BP−4671)およびその変異株から選ばれる微
生物の培養液、該微生物菌体そのもの、該微生物菌体の
分解物、該微生物菌体の破砕物、およびそれらから抽出
または単離されるカロテノイド化合物から選ばれる色調
改善剤に関する。
【0007】本発明に使用する微生物としてはまずE−
396株を挙げることができる。この株は、本発明者ら
が新しく単離したものであり、工業技術院生命工学工業
技術研究所に平成5年4月27日にFERM BP−4
283として寄託された。この菌株は次の菌学的性質を
有する。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】
【表4】
【0012】
【表5】
【0013】
【表6】
【0014】以上の結果からE−396株は好気性のグ
ラム陰性の桿菌で周毛を有していることからアグロバク
テリウム(Agrobacterium)属細菌と思わ
れたが色素産生能とスライム形成能、およびDNA−D
NA相同性の結果から否定された。また集落の色調から
Sphingomonas属細菌や光合成細菌の可能性
も考えられたが、スフィンゴ脂質およびバクテリオクロ
ロフィルが検出されずいずれの属の菌株でもないことが
分かった。集落の色調、周毛、GC含量、キノン系から
E−396株と菌縁と推定される各菌種の保存菌株とD
NA−DNA相同性を調べたが高い相同値を示した属は
得られなかった。さらにE−396株の16Sリボソー
ムRNAの塩基配列から近隣結合法により分子系統樹を
作成した。
【0015】その結果E−396株は近縁のいずれの属
とも系統的に独立していることが分かった。よってE−
396株は既知の属ではない全く新規な属に属する細菌
であることが確認された。本発明において使用する他の
微生物としてはA−581−1株を挙げることができ
る。この菌株は、本発明者らが新しく単離したものであ
り、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成6年5月
20日にFERM BP−4671として寄託された。
この菌株は次の菌学的性質を有する。
【0016】
【表7】
【0017】
【表8】
【0018】
【表9】
【0019】以上の結果からA−581−1株はE−3
96株と共通の性質を有することおよびE−396株と
のDNA−DNA相同性が高いことからE−396株と
同一の新規な属に属する細菌であると判断された。これ
らの菌株の培養方法はカロテノイド化合物を生成する条
件であればいずれの方法でもよいが、例えば次の通りで
ある。すなわち、生産菌が生育に必要な炭素源、窒素
源、無機塩、および必要であれば特殊な要求物質(例え
ば、ビタミン、アミノ酸、核酸塩基等)を含む。
【0020】炭素源としてはグルコース、シュークロー
ス、フルクトース、トレハロース、マンノース、マンニ
トール、マルトース等の糖類、酢酸、フマル酸、クエン
酸、プロピオン酸、リンゴ酸、マロン酸等の有機酸、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、
ヘキサノール、イソブタノール等のアルコール類等が挙
げられる。添加割合は炭素源の種類により異なるが、通
常培地1L当たり1〜100g、好ましくは2〜50g
である。窒素源としては、例えば硝酸カリウム、硝酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、アンモニア、尿素等の1種または2
種以上が用いられる。添加割合は窒素源の種類により異
なるが、通常培地1Lに対し0.1g〜10g、好まし
くは1〜3gである。
【0021】無機塩としてはリン酸二水素カリウム、リ
ン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、硫酸鉄、塩化鉄、硫酸
マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸
銅、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム
等の1種または2種以上が用いられる。添加割合は無機
塩の種類により異なるが、通常培地1Lに対し0.00
1〜10gである。特殊な要求物質としてはビタミン
類、核酸類、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、麦芽エ
キス、コーンスチープリカー、乾燥酵母、大豆粕、大豆
油、オリーブ油、トウモロコシ油、アマニ油、等の1種
または2種以上が用いられる。添加割合は物質の種類に
より異なるが、通常、培地1Lに対し1g〜200g、
好ましくは10〜100gである。
【0022】培地のpHは2〜12、好ましくは6〜10
に調整する。培養条件は15〜80℃、好ましくは20
〜35℃の温度であり、通常1日〜20日間、好ましく
は2〜8日間振とう培養あるいは通気攪拌培養を行う。
以上の方法で生産した培養菌体中には通常アスタキサン
チン、アドニキサンチン、β−カロテン、エキネノン、
カンタキサンチン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサ
ンチン、3−ヒドロキシエキネノン、アステロイデノ
ン、アドニルビン等のカロテノイド化合物が混合物とし
て蓄積する。これら菌体中に含まれるカロテノイド化合
物の生成比率を対象動物などの用途に合わせて調整する
こともできる。
【0023】例えば、培養における好気条件を変えるこ
とにより、カロテノイド化合物の生成比率を変えること
ができる。一例として培養液中の溶存酸素濃度を高める
ことによりアドニキサンチンの生成比率を高めることが
できる。他の方法として、カロテノイド色素の特定のも
のを優先的に生成させるために生成菌株を変異、例えば
人為的変異処理により一方の成分を他方の成分より優先
的に生成するように改良することができる。このような
変異処理としては、例えばX線照射、紫外線照射等の物
理的方法、化学変異剤、例えばNTG(N−methy
l−N′−nitoro−N−nitrosoguan
idineとEMS(ethylmethane su
lfonate)等による変異処理のような化学的方法
を用いることができる。
【0024】本発明では対象動物に、微生物E−396
株(FERM BP−4283)、その変異株、微生物
A−581−1株(FERM BP−4671)および
その変異株から選ばれる微生物の培養液、該微生物菌株
そのもの、該微生物菌体の分解物、該微生物菌体の破砕
物、およびそれらから抽出または単離されるカロテノイ
ド化合物から選ばれる色調改善剤の1種以上を与える
が、そのまま単独で与えてもよいし、飼料と混合して与
えても良い。
【0025】培養液の水分が障害となる場合にはスプレ
ードライヤー等により乾燥して用いることもできる。ま
た培養液から菌体のみを分離する場合には通常の濾過
法、遠心分離法などにより行うことができる。分離で得
られた水分を含む菌体はそのまま与えてもよいし、スプ
レードライヤー等により乾燥して用いることもできる。
また菌体の細胞を酵素的処理、酸加水分解等の化学的処
理により分解または超音波処理、加圧破砕処理等の物理
的処理により破砕して用いることもできる。
【0026】またカロテノイド化合物は菌体の内部に生
成するから菌体からカロテノイド化合物を溶剤で抽出す
ることもできる。ここで用いる溶剤はカロテノイド化合
物が溶解する化合物であればいずれの溶剤を使用するこ
とができる。例えばアセトン、クロロホルム、ジクロロ
メタン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、ベンゼン、二硫化炭素、ジエチルエーテル等の有機
溶剤が用いられ、好ましくはクロロホルム、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール、メ
タノール、イソプロピルアルコールが用いられる。また
それぞれのカロテノイド化合物を単離精製することもで
きる。生成には吸着、溶出、溶解などの通常の方法を用
いることができる。
【0027】本発明の色調改善剤はそのまま飼料として
用いてもよいが、これらに含まれるカロテノイドの分解
を防止する目的でBHT(ブチルハイドロキシトルエ
ン)、エトキシキン、ビタミンEなどの酸化防止剤を添
加することも好ましく採用される。さらには、これらの
表面をゼラチンなどで被覆しても良い。着色の対象とな
る動物は色調がその価値を高めるものであればいずれで
も良く例えば魚介類であれば、マダイ、ギンザケ、ニジ
マス、シマアジ、マス、ハマチ、金魚、ニシキゴイ、ク
ルマエビ、イセエビなどが挙げられ、表皮、肉、卵の色
調が改善される。また家禽類ではニワトリ、ウズラなど
が挙げられ表皮、肉、卵黄の色調が改善される。
【0028】また本発明の色調改善剤を飼料と混合する
場合は飼料と粉末状で混合、ペレット状あるいはフレー
ク状にして用いることができる。また本菌株の菌体を分
解あるいは粉砕しないで与える場合の長所は、吸収効率
が極めて良いことである。すなわち本発明の菌体は細菌
に属し、細胞壁は薄く、強固ではないことから動物体内
で分解されやすく吸収効率が極めて高い。これに対し、
赤色酵母ファフィア・ロドチーマでは強固な細胞壁を有
するために動物体内でカロテノイド化合物が吸収される
ためには細胞壁が分解される必要があるため吸収効率は
悪い。
【0029】本発明に使用する菌株が生産するアスタキ
サンチンは(3S,3′S)−アスタキサンチンであり
その純度はほぼ100%である。天然物であるザリガ
ニ、ヘマトコッカス、サケ、マス、マダイに存在するア
スタキサンチンは(3S,3′S)体の含有率が高いこ
とが知られている。一方ファフィア・ロドチーマは(3
R,3′R)体の含有率が多く天然に存在するアスタキ
サンチンとは反対の絶対配置を持つことが知られてい
る。本発明の菌株が生産するアスタキサンチンは100
%の(3S,3′S)−アスタキサンチンであり天然に
おいて多数を占めるアスタキサンチンと同一の絶対配置
を有することは産業上価値が高い。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。実施例1. 表10の組成からなる培地10mLを直径18
mmの試験管に入れ121℃、15分間蒸気殺菌した。こ
れにE−396株(FERM BP−4283)を1白
金耳植菌し30℃で2日間300rpm の往復振とう培養
を行った。この培養液10mLを上と同組成の培地が10
0mL入った500mL容量の坂口フラスコ6本に植菌し3
0℃、2日間100rpm の往復振とう培養を行った。
【0031】次にこの培養液600mLを上と同組成の培
地が20L入った30L容量の発酵槽に植菌し30℃,
300rpm ,1.0vvm の好気培養を76時間行った。
培養液18Lからシャープレス型遠心分離機により菌体
(湿重量550g)を得た。この菌体に水道水を10L
添加し十分懸濁した後、再度シャープレス型遠心分離機
により菌体(湿重量540g)を得た。次いで菌体54
0gに水道水を1000L添加し十分懸濁後、スプレー
ドライヤーを用いて菌体を乾燥し菌体乾燥物185gを
得た。運転条件は入口空気温度200℃、出口空気温度
100℃、懸濁液供給速度46mL/min で行った。乾燥
菌体物中のカロテノイド含有量を高速液体クロマトグラ
フィーにより分析したところ表11の組成であった。
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】次に、40週齢の白色レグホン(10羽)
を一つのケージに入れ日本配合飼料(株)製のレイヤー
試験用標準飼料に上記の方法で得られた菌体乾燥物を
0.5mass%添加した飼料を3週間与えた。卵黄の色調
を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加しない対
象区に比べ明らかに赤色の着色が認められ色調が改善さ
れた。
【0035】実施例2.10週齢の白色レグホン(10
羽)を一つのケージに入れ日本配合飼料(株)製のレイ
ヤー試験用標準飼料に実施例1で得られた菌体乾燥物を
1.5mass%添加した飼料を3週間与えた。表皮、肉の
色調を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加しな
い対象区に比べ明らかに赤色の着色が認められ色調が改
善された。
【0036】実施例3.マダイの稚魚(60〜70g)
20匹に対し実施例1で得られた菌体乾燥物を4.0ma
ss%添加した飼料を調整し、90日間連続添加した。体
表の色調を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加
しない対象区に比べ赤色の着色が認められ色調が改善さ
れた。
【0037】実施例4.E−396株(FERM BP
−4283)をNTG(N−methyl−N′−ni
toro−N−nitrosoguanidine)で
変異処理し、色調が異なるコロニーを選択した。これら
の株の培養液中のカロテノイド化合物を分析し、アスタ
キサンチンを生産せずカンタキサンチンを生産する株
(カンタキサンチン生産変異株)を選択した。第1表の
組成からなる培地10mLを直径18mmの試験管に入れ1
21℃、15分間蒸気殺菌した。これにカンタキサンチ
ン生産変異株を1白金耳植菌し30℃で2日間300rp
m の往復振とう培養を行った。この培養液10mLを上と
同組成の培地が100mL入った500mL容量の坂口フラ
スコ6本に植菌し30℃、2日間100rpm の往復振と
う培養を行った。
【0038】次にこの培養液600mLを上と同組成の培
地が20L入った30L容量の発酵槽に植菌し30℃,
300rpm ,1.0vvm の好気培養を76時間行った。
培養液18Lからシャープレス型遠心分離機により菌体
(湿重量500g)を得た。この菌体に水道水を10L
添加し十分懸濁した後、再度シャープレス型遠心分離機
により菌体(湿重量480g)を得た。次いで菌体48
0gに水道水を1000L添加し十分懸濁後、スプレー
ドライヤーを用いて菌体を乾燥し菌体乾燥物170gを
得た。運転条件は入口空気温度200℃、出口空気温度
100℃、懸濁液供給速度46mL/min で行った。乾燥
菌体物中のカロテノイド含有を高速液体クロマトグラフ
ィーにより分析したところ表12の組成であった。
【0039】
【表12】
【0040】次に、40週齢の白色レグホン(10羽)
を一つのケージに入れ日本配合飼料(株)製のレイヤー
試験用標準飼料に上記の方法で得られた菌体乾燥物を
0.3mass%添加した飼料を3週間与えた。卵黄の色調
を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加しない対
象区に比べ明らかに橙色の着色が認められ色調が改善さ
れた。
【0041】実施例5.10週齢の白色レグホン(10
羽)を一つのケージに入れ日本配合飼料(株)製のレイ
ヤー試験用標準飼料に実施例1で得られた菌体乾燥物を
0.9mass%添加した飼料を3週間与えた。表皮、肉の
色調を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加しな
い対象区に比べ明らかに橙色の着色が認められ色調が改
善された。
【0042】実施例6.表13の組成からなる培地10
mLを直径18mmの試験管に入れ121℃、15分間蒸気
殺菌した。これにA−581−1株(FERM BP−
4671)を1白金耳植菌し30℃で2日間300rpm
の往復振とう培養を行った。この培養液10mLを表1と
同組成の培地が100mL入った500mL容量の坂口フラ
スコ6本に植菌し30℃、2日間100rpm の往復振と
う培養を行った。次にこの培養液600mLを表1と同組
成の培地が20L入った30L容量の発酵槽に植菌し3
0℃,300rpm ,1.0vvm の好気培養を80時間行
った。培養液18Lからシャープレス型遠心分離機によ
り菌体(湿重量400g)を得た。
【0043】この菌体に水道水を10L添加し十分懸濁
した後、再度シャープレス型遠心分離機により菌体(湿
重量380g)を得た。次いで菌体380gに水道水を
1000L添加し十分懸濁後、スプレードライヤーを用
いて菌体を乾燥し菌体乾燥物120gを得た。運転条件
は入口空気温度200℃、出口空気温度100℃、懸濁
液供給速度46mL/min で行った。乾燥菌体物中のカロ
テノイド含有を高速液体クロマトグラフィーにより分析
したところ表14の組成であった。次に、40週齢の白
色レグホン(10羽)を一つのケージに入れ日本配合飼
料(株)製のレイヤー試験用標準飼料に上記の方法で得
られた菌体乾燥物を1.2mass%添加した飼料を3週間
与えた。卵黄の色調を目視により観察したところ菌体乾
燥物を添加しない対象区に比べ明らかに赤色の着色が認
められ色調が改善された。
【0044】
【表13】
【0045】
【表14】
【0046】実施例7.10週齢の白色レグホン(10
羽)を一つのケージに入れ日本配合飼料(株)製のレイ
ヤー試験用標準飼料に実施例6で得られた菌体乾燥物を
3.5mass%添加した飼料を3週間与えた。表皮、肉の
色調を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加しな
い対象区に比べ明らかに赤色の着色が認められ色調が改
善された。
【0047】実施例8.マダイの稚魚(60〜70g)
20匹に対し実施例6で得られた菌体乾燥物を9.0ma
ss%添加した飼料を調整し、90日間連続添加した。体
表の色調を目視により観察したところ菌体乾燥物を添加
しない対象区に比べ赤色の着色が認められ色調が改善さ
れた。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1452 配列の種類:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 AGTTTGATCC TGGCTCAGAA CGAACGCTGG CGGCAGGCTT AACACATGCA AGTCGAGCGA 60 GACCTTCGGG TCTAGCGGCG GACGGGTGAG TAACGCGTGG GAACGTGCCC TTCTCTACGG 120 AATAGCCCCG GGAAACTGGG AGTAATACCG TATACGCCCT TTGGGGGAAA GATTTATCGG 180 AGAAGGATCG GCCCGCGTTG GATTAGGTAG TTGGTGGGGT AATGGCCCAC CAAGCCGACG 240 ATCCATAGCT GGTTTGAGAG GATGATCAGC CACACTGGGA CTGAGACACG GCCCAGACTC 300 CTACGGGAGG CAGCAGTGGG GAATCTTAGA CAATGGGGGC AACCCTGATC TAGCCATGCC 360 GCGTGAGTGA TGAAGGCCTT AGGGTTGTAA AGCTCTTTCA GCTGGGAAGA TAATGACGGT 420 ACCAGCAGAA GAAGCCCCGG CTAACTCCGT GCCAGCAGCC GCGGTAATAC GGAGGGGGCT 480 AGCGTTGTTC GGAATTACTG GGCGTAAAGC GCACGTAGGC GGACTGGAAA GTCAGAGGTG 540 AAATCCCAGG GCTCAACCTT GGAACTGCCT TTGAAACTAT CAGTCTGGAG TTCGAGAGAG 600 GTGAGTGGAA TTCCGAGTGT AGAGGTGAAA TTCGTAGATA TTCGGAGGAA CACCAGTGGC 660 GAAGGCGGCT CACTGGCTCG ATACTGACGC TGAGGTGCGA AAGCGTGGGG AGCAAACAGG 720 ATTAGATACC CTGGTAGTCC ACGCCGTAAA CGATGAATGC CAGACGTCGG CAAGCATGCT 780 TGTCGGTGTC ACACCTAACG GATTAAGCAT TCCGCCTGGG GAGTACGGTC GCAAGATTAA 840 AACTCAAAGG AATTGACGGG GGCCCGCACA AGCGGTGGAG CATGTGGTTT AATTCGAAGC 900 AACGCGCAGA ACCTTACCAA CCCTTGACAT GGCAGGACCG CTGGAGAGAT TCAGCTTTCT 960 CGTAAGAGAC CTGCACACAG GTGCTGCATG GCTGTCGTCA GCTCGTGTCG TGAGATGTTC 1020 GGTTAAGTCC GGCAACGAGC GCAACCCACG TCCCTAGTTG CCAGCAATTC AGTTGGGAAC 1080 TCTATGGAAA CTGCCGATGA TAAGTCGGAG GAAGGTGTGG ATGACGTCAA GTCCTCATGG 1140 GCCTTACGGG TTGGGCTACA CACGTGCTAC AATGGTGGTG ACAGTGGGTT AATCCCCAAA 1200 AGCCATCTCA GTTCGGATTG TCCTCTGCAA CTCGAGGGCA TGAAGTTGGA ATCGCTAGTA 1260
【0049】 ATCGCGGAAC AGCATGCCGC GGTGAATACG TTCCCGGGCC TTGTACACAC CGCCCGTCAC 1320 ACCATGGGAG TTGGTTCTAC CCGACGACGN TGCGCTAACC TTCGGGGGGC AGGCGGCCAC 1380 GGTAGGATCA GCGACTGGGG TGAAGTCGTA ACAAGGTAGC CGTAGGGGAA CCTGCGGCTG 1440 GATCACCTCC TT 1452
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 61/00 C09B 61/00 A // C12N 15/09 7823−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 9282−4B C12N 15/00 A (C12N 1/20 C12R 1:01) (72)発明者 水田 美能 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物E−396株(FERM BP−
    4283)、その変異株、微生物A−581−1株(F
    ERM BP−4671)およびその変異株から選ばれ
    る微生物の培養液、該微生物菌体そのもの、該微生物菌
    体の分解物、該微生物菌体の破砕物、およびそれらから
    抽出または単離されるカロテノイド化合物から選ばれる
    色調改善剤。
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