JP5660543B2 - 新規細菌株、培養物及びカロテノイド色素の製造方法 - Google Patents

新規細菌株、培養物及びカロテノイド色素の製造方法 Download PDF

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Description

発明は、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属に属する細菌の新規変異株、該変異株を利用して得られた培養物及びカロテノイド色素含有組成物、並びに該変異株を利用するカロテノイド色素の製造方法に関する
アスタキサンチンやβ−カロテン等をはじめとする各種カロテノイド色素は、多くの生理活性を有しており、サプリメント食品の原料として有用である。一方、近年の天然資源の減少により、これら天然資源の養殖が期待されており、魚介類の人口種苗生産においては、対象種に対して高い餌料効果や付加価値を付与する飼料が求められている。このような中、タイやサケ等の養殖魚の色調をより天然のものに近付けるために、アスタキサンチンを配合した飼料(色揚げ飼料)が使用されることがある。また、タイやニジマス等の体色の鮮やかさが求められる魚種に対しては、アスタキサンチン等の色素を配合した飼料が使用されることがある。
色揚げ飼料の添加物としてのアスタキサンチンは、カロリーピンク(合成アスタキサンチン)としてロッシュ社から販売されている。しかし、トレーサビリティーの問題や利用者の天然物志向から、天然由来のアスタキサンチンが注目されている。
アスタキサンチンは、マダイ、サケ等の魚類;カニ、エビ、オキアミ等の甲殻類に広く分布している。そこで、天然由来のアスタキサンチンを得る方法として、甲殻類からアスタキサンチンを抽出する方法が提案されている。しかし、抽出効率が低いため抽出量が少なく、コストが高くなるという問題点があった。また、天然資源の減少から、資源確保の点でも商業的に問題点があった。
一方、アスタキサンチンを産生する微生物として、緑藻であるHaematococcus pluvialisが最も良く知られており、その他にも、赤色酵母であるXanthophyllomyces dendrohous (旧Phaffia rhodozyma)が知られている。Haematococcus pluvialisのアスタキサンチン産生量は、43mg/g dry weight程度であることが報告されている(非特許文献1参照)。また、Xanthophyllomyces dendrohous(旧Phaffia rhodozyma)のアスタキサンチン産生量は、0.4mg/g dry weight程度であることが報告されている(非特許文献2参照)。
そこで、飼料に天然由来のアスタキサンチンを配合する方法として、Heamatococcus pluvialisやXanthophyllomyces dendrohousをそのまま配合する方法が提案されているが、着色が十分でないなどの問題点があった。これは、Haematococcus pluvialisやXanthophyllomyces dendrohousの細胞壁が厚いために、対象魚種での消化・吸収率が低いことが原因であった。そこで、吸収率の高い新たな微生物が求められている。
原核細胞である細菌は、広い基質利用能力を有し、簡単な培養で高い生育速度を示し、酵母のような厚い細胞壁を有しないことから、有用物質の生産において最も期待される微生物の一つである。これまでに、細菌によるアスタキサンチンの産生では、Escherichia coliの遺伝子組換え体で、1.4mg/g dry weightが達成されている(非特許文献3参照)。また、Bacillus firmusでは、0.05mg/g dry weightの産生量が達成されている(非特許文献4参照)。さらに、海洋細菌であるParacoccus sp. MBIC1143では、0.14mg/g dry weightの産生量が報告されている(非特許文献5参照)。しかし、これら遺伝子組換え体によるアスタキサンチンの産生には、発現量等で問題点があった。
そこで、アスタキサンチンを産生する細菌が探索され、これまでに、フラボバクテリウム属、アルカリゲネス属、シュードモナス属、アルテロモナス属、ピポモナス属、カリオファノン属、エリスロバクター属、パラコッカス属等に属する細菌が報告されている。
また、本発明者らは、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属に属する細菌であるJPCCMB0017株(NITE P−48)が、カロテノイド色素産生能を有することを、これまでに報告している(特許文献1参照)。なお、その後の解析により、JPCCMB0017株(NITE P−48)は、スフィンゴモナス属ではなく、アルターエリスロバクター属に属することが明らかになっている。
特開2006−191919号公報
リー及びソー(Lee,Y.−K.and Soh,C.−W.)、「ジャーナル・オブ・ファイコロジー(J.Phycol.)」、米国、1991年、第27巻、第3号、p.575−577 フローレス−コテラら(Flores−Cotera,L.B.et al.)、アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Appl.Microbiol.Biotechnol.)、米国、2001年、第55巻、第2号、p.341−347 ワンら(Wang,C.−W.et al.)、バイオテクノロジー・アンド・バイオエンジニアリング(Biotechnol.Bioeng.)、米国、1999年、第62巻、第3号、p.235−241 ヨコヤマら(Yokoyama et al.)、バイオサイエンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー(Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry)、米国、1994年、第58巻、第10号、p.1842−1844 ペインら(Pane,L.et al.)、ジャーナル・オブ・バイオロジー・リサーチ(J.Biol.Res.)、米国、1996年、第22巻、p.303−308
しかし、アスタキサンチンをはじめとする各種カロテノイド色素の産生能を有する細菌は、まだ十分に探索されているとは言えず、より産生効率が高いカロテノイド色素の製造方法の開発が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、カロテノイド色素の産生能を有する新規な細菌、及び該細菌を利用するカロテノイド色素の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討の結果、以下の発明を完成させるに至った。
(1)アルターエリスロバクター属JPCC MB0017−6株(受託番号:NITE BP−808)。
(2)(1)に記載の細菌株を培養して得られた培養物。
(3)(2)に記載の培養物から分離されたカロテノイド色素含有組成物。
(4)(1)に記載の細菌株を培養する工程を有するカロテノイド色素の製造方法。
本発明によれば、カロテノイド色素の産生能を有する新規な細菌、及び該細菌を利用するカロテノイド色素の製造方法が提供される。また、本発明の細菌は、カロテノイド色素の産生能が高いので、高品質のカロテノイド色素を簡便且つ大量に製造できる。その結果、安価なカロテノイド色素を提供できる。
JPCC MB0017−6株及びJPCCMB0017株のコロニーの撮像デ ータである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のアルターエリスロバクター属JPCC MB0017−6株(受託番号:NITE BP−808)は、アルターエリスロバクター属JPCCMB0017株の変異株である。以下、本明細書において、「アルターエリスロバクター属JPCCMB0017株」のことを「野生株」と略記することがある。また、「アルターエリスロバクター属JPCC MB0017−6株(受託番号:NITE BP−808)」のことを「変異株」と略記することがある。
また、本発明において、「カロテノイド色素」とは、炭素数40のポリエン構造を基本骨格とする色素のことを指し、カロテン、リコペン等の炭化水素や、キサントフィル等のアルコール類を含み、β−カロテン、アスタキサンチン、β−カロテンがアスタキサンチンに変換される過程で生じる種々の有用なカロテノイド色素が例示できる。
カロテノイド色素として、より具体的には、カロテン、リコペン、アスタキサンチン、アドニキサンチン、ゼアキサンチン、アドニルビン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン、ハイドロエキネノン、ルテイン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、β−クリプトキサンチン等が例示できる。
<変異株の獲得>
本発明の変異株は、野生株に対して、ケミカルミューテーションを行うことで獲得した。より具体的には、以下の通りである。
(野生株の獲得)
野生株は、本出願人により、平成16年12月3日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号 292−0818))に寄託されている(受託番号:NITE P−48)。
また、本発明者らは、寄託にあたり野生株を天然より獲得しており、以下にその獲得手順を示す。
海洋環境やマングローブ林より採取した海砂、泥、水などからアスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質を産生する微生物の獲得を試みた。酵母エキス5.0g/l、ペプトン1.0g/l、グルコース5.0g/lを人工海水(千寿製薬社製)に添加して作製した寒天プレートに、100μlのサンプルを塗布した。
25℃の条件下で7〜10日間静置培養を行い、オレンジ、赤色のコロニーを形成する海洋微生物を獲得した。これらの微生物を単菌化するため、5mlの上記成分を含む液体培地中に植菌し、150rpmで震とう培養して微生物を生育させ、これを寒天プレートに塗布してコロニーを形成させる操作を繰り返した。
約50株の海洋細菌からなる菌体粉末0.3mgから、クロロホルム:メタノール=1:1の溶液で色素及び脂質を抽出し、アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質のスクリーニングを行った。野性株は、スフィンゴ糖脂質の産生能も有している。
アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質の有無については、TLC(薄層クロマトグラフィー)を用いて評価した。その結果、唯一アスタキサンチンとスフィンゴ糖脂質を産生する菌株を同定し、これを寄託した(JPCCMB0017株)。
野生株は、絶対好気性グラム陰性の桿菌である。16S rDNAの系統解析より、この野生株は、α−プロテオバクテリア(α−Proteobacteria)に属し、アルターエリスロバクター属とクラスターを形成し、アルターエリスロバクター属の特徴であるスフィンゴ脂質も含むことから、アルターエリスロバクター属の細菌であることが確認されている。
(ケミカルミューテーション)
野生株に対して、下記手順でDNAアルキル化剤を使用したケミカルミューテーションを行った。
まず、野生株をマリンブロス(Marine Broth、以下、MBと略記することがある)2216培地(Becton Dickinson社製)で24時間培養し、遠心分離により回収した。
次いで、1×10cellsのJPCCMB0017株を、1.0〜5.0%のエチルメタンスルホネート(EMS)を含む、pH7.0の15mMリン酸緩衝液1ml中で、30℃にて30〜60分間インキュベートし、突然変異誘導を行った。
次いで、得られた菌体をリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略記する)で二回洗浄した後、前記MB2216培地で、30℃にて2時間、復活培養した。
次いで、PBSで洗浄した後、得られた菌体をMB寒天培地に塗布し、30℃にて3〜7日間インキュベートした。
以上により、変異株を獲得した。
また、1.0〜5.0%のエチルメタンスルホネート(EMS)を含む、pH7.0の15mMリン酸緩衝液に代わり、5.0〜10%のN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を含む、pH7.0の15mMリン酸緩衝液を使用したこと以外は、上記と同様の手順でも、変異株を獲得した。
<変異株の性質>
獲得した変異株の性質は、コロニーの色以外は、すべて野生株と同じであった。より具体的には、以下の通りである。
(1)形態学的性質
細胞の形状:桿菌
細胞の大きさ:(0.6−0.7)×(2.0−3.0μm)(伸長型有り)
胞子の有無:−
運動性(鞭毛の着生状態):−
多形性:−
(2)培養的性質
(2−1)培地:マリンアガー(マリンブロス2216(Becton Dickinson社製)+1.5%寒天)
温度:25℃
色素産生:+
色調:赤色
光沢:+
(2−2)培地:マリンブロス2216
温度:25℃
表面発育:−
培地の混濁:+
(2−3)ゼラチン穿刺培養
温度:25℃
生育:−
ゼラチン液化:−
(2−4)リトマス・ミルク
温度:25℃
凝固:−
液化:−
野生株のコロニーはオレンジ色であるのに対し、変異株のコロニーは、上記のように赤色であり、色調の点で変異株は野生株と明確に区別できる。図1に変異株及び野生株のコロニーの撮像データをそれぞれ示す。図1中、右側が変異株のコロニーであり、左側が野生株のコロニーである。
(3)生理学的性質
グラム染色性:−
硫酸塩の還元:+
脱窒反応:−
MRテスト:−
VPテスト:+
インドール産生:−
硫化水素の生成:−
デンプンの加水分解:−
クエン酸の利用(Koser):−
クエン酸の利用(Christensen):−
無機窒素源の利用(硝酸塩):−
無機窒素源の利用(アンモニウム塩):−
ウレアーゼ:−
カタラーゼ:+
オキシダーゼ:+
生育(pH5):−
生育(pH8):+
生育(pH9):+
生育(20℃):+(弱)
生育(25℃):+
生育(30℃):+
生育(37℃):+(弱)
生育(塩濃度0%):−
生育(塩濃度1%):+(弱)
生育(塩濃度2%):+
生育(塩濃度3%):+
生育(塩濃度7%):+(弱)
生育(塩濃度10%):−
嫌気的生育性:−
O/Fテスト(酸化/発酵):−/−
糖類からの酸産生/ガス産生
L−アラビノース:−/−
D−グルコース:−/−
D−フラクトース:−/−
マルトース:−/−
ラクトース:−/−
D−ソルビトール:−/−
イノシトール:−/−
D−キシロース:−/−
D−マンノース:−/−
D−ガラクトース:−/−
サークロース:−/−
トレハロース:−/−
D-マンニトール:−/−
グリセリン:−/−
(4)その他の生理学的性質
β−ガラクトシダーゼ活性:+
アルギニンジヒドラーゼ活性:−
リジンデカルボキシラーゼ活性:−
トリプトファンデアミナーゼ活性:−
ゼラチナーゼ活性:−
エスクリン分解活性:+(弱)
馬尿酸の分解活性:−
マロン酸利用性:−
オルニチン脱炭酸反応:−
フェニルアラニン脱アミノ反応:−
コアグラーゼ活性:−
溶血性:−
フォスファターゼ活性:+
リパーゼ活性:+
レシチナーゼ活性:−
チトクロームオキシダーゼ活性:+
(5)資化性試験
ブドウ糖:陰性
L−アラビノース:陰性
D−マンノース:陰性
D−マンニトール:陰性
N−アセチル−D−グルコサミン:陰性
マルトース:陰性
グルコン酸カリウム:陰性
n−カプリン酸:陰性
アジピン酸:陰性
d1−リンゴ酸:陰性
クエン酸ナトリウム:陰性
酢酸フェニル:陰性
(6)化学分類学的性質
DNA塩基組成(GC含量):59.1モル%
菌体脂質分析
主要キノン:ユビキノンQ−10
脂肪酸:
10:0 3OH 0.26%
12:0 2OH 0.13%
12:0 3OH 0.30%
14:0 0.17%
13:0 2OH 0.24%
15:0 1.32%
14:0 2OH 3.05%
16:0 5.82%
15:0 2OH 2.58%
17:0 ISO 0.08%
17:1 w8c 2.83%
17:1 w6c 2.95%
17:0 1.39%
16:1 2OH 0.09%
16:0 2OH 1.40%
18:1 w7c 71.90%
18:1 w5c 0.39%
18:0 0.20%
17:0 ISO 3OH 1.61%
18:1 2OH 0.24%
19:0 10 methyl 0.42%
類似脂肪酸をもつ菌種:Sphingomonas paucimobilis
類似度(S.I.):0.267
バクテリオクロロフィル産生(嫌気下):生育せず
バクテリオクロロフィル産生(好気下):陰性
スフィンゴ脂質の存在:+
生育における塩(NaCl)要求性:+
<変異株の16S rDNAの塩基配列>
変異株の16S rDNAの塩基配列を公知の方法で同定した結果、配列番号1に示す通りであり、野生株と同じであった。
<変異株、培養物、カロテノイド色素含有組成物>
本発明の変異株は、後述するように、同じ条件下でのカロテノイド色素の産生能が野生株よりも際立って高い、新規な細菌である。このように、カロテノイド色素の産生能が高い細菌は、アルターエリスロバクター属に属する細菌ではこれまでに知られていない。
また、本発明の変異株は、多様なカロテノイド色素の産生能を有し、しかも培養温度を調節することで、所望のカロテノイド色素を作り分けることができるという、従来のアルターエリスロバクター属に属する細菌には見られない優れた性質を有する。
本発明の変異株は、平成21年9月04日付けで受託番号NITE BP−808として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号 292−0818))に受託されている。
変異株を培養して得られた培養物中には、産生したカロテノイド色素を有する前記変異株が含有される。該培養物は、そのまま目的の用途に使用しても良いし、適宜任意の精製操作を行ってから使用しても良い。例えば、培養後の変異株から、カロテノイド色素を含有する組成物を分離して、該組成物を目的の用途に使用しても良いし、さらに該組成物を精製して、純度を向上させたカロテノイド色素を使用しても良い。
<カロテノイド色素の製造方法>
本発明のカロテノイド色素の製造方法は、上記本発明の変異株を培養する工程を有するものである。そして、培養温度を適宜調節することで、変異株が産生するカロテノイド色素の組成を調節することができる。
変異株の培養は、野生株と同様の方法で行なうことができる。具体的には、以下の通りである。
培地は、生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩類及び微量成分等の必須成分を含むものであれば特に限定されない。
前記炭素源としては、グルコース、シュークロース等の糖類;エタノール、グリセロール等のアルコール類が例示できる。
炭素源の添加割合は、炭素源の種類にもよるが、概ね0.5〜3.0質量%程度であることが好ましい。
前記窒素源としては、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、尿素等が例示できる。
窒素源の添加割合は、窒素源の種類にもよるが、0.01%〜0.1質量%程度であることが好ましい。
前記無機塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ素化カリウム、塩化ストロンチウム、ホウ酸、ケイ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、塩化鉄、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化マグネシウム、硫酸銅等が例示できる。
無機塩類の添加割合は、無機塩類の種類にもよるが、0.001%〜0.01質量%程度であることが好ましい。
前記微量成分としては、ビタミンや微量金属等が例示できる。
培地は、前記必須成分以外の任意成分を含んでいても良い。任意成分としては、酵母エキス、ペプトン、トリプトン等が例示できる。
任意成分の添加割合は、任意成分の種類にもよるが、0.01%〜0.5質量%程度であることが好ましい。
培地のpHは、6.0〜8.0であることが好ましい。
変異株の培養温度は、変異株の生育を妨げない範囲内において、任意に選択できるが、20〜45℃であることが好ましい。
変異株のカロテノイド色素の産生効率は、カロテノイド色素の種類ごとに、培養温度によって変化する。すなわち、変異株の培養温度を所望のカロテノイド色素の産生に適した温度に適宜調節することで、所望のカロテノイド色素の産生量を向上させることができ、カロテノイド色素を作り分けることができる。
アスタキサンチンの産生量を向上させる場合には、培養温度は20〜30℃であることが好ましく、23〜27℃であることがより好ましい。
エキネノンの産生量を向上させる場合には、培養温度は25〜40℃であることが好ましく、27〜33℃であることがより好ましい。
アドニキサンチンの産生量を向上させる場合には、培養温度は25〜40℃であることが好ましく、33〜37℃であることがより好ましい。
ゼアキサンチンの産生量を向上させる場合には、培養温度は30〜45℃であることが好ましく、33〜37℃であることがより好ましい。
カンタキサンチンの産生量を向上させる場合には、培養温度は25〜45℃であることが好ましく、33〜37℃であることがより好ましい。
β−クリプトキサンチンの産生量を向上させる場合には、培養温度は35〜45℃であることが好ましく、38〜42℃であることがより好ましい。
β−カロテンの産生量を向上させる場合には、培養温度は35〜45℃であることが好ましく、38〜42℃であることがより好ましい。
そして、上記のように変異株の培養温度を調節することで、所望のカロテノイド色素の産生量を以下のように向上させることができる。
例えば、アスタキサンチンの場合、変異株の乾燥菌体中のアスタキサンチン含有量を0.04質量%以上、全カロテノイド色素中のアスタキサンチン含有量を30質量%以上とすることができる。
エキネノンの場合、変異株の乾燥菌体中のエキネノン含有量を0.03質量%以上、全カロテノイド色素中のエキネノン含有量を11質量%以上とすることができる。
アドニキサンチンの場合、変異株の乾燥菌体中のアドニキサンチン含有量を0.04質量%以上、全カロテノイド色素中のアドニキサンチン含有量を6.5質量%以上とすることができる。
ゼアキサンチンの場合、変異株の乾燥菌体中のゼアキサンチン含有量を0.1質量%以上、全カロテノイド色素中のゼアキサンチン含有量を19.5質量%以上とすることができる。
カンタキサンチンの場合、変異株の乾燥菌体中のカンタキサンチン含有量を0.005質量%以上、全カロテノイド色素中のカンタキサンチン含有量を1.5質量%以上とすることができる。
β−クリプトキサンチンの場合、変異株の乾燥菌体中のβ−クリプトキサンチン含有量を0.05質量%以上、全カロテノイド色素中のβ−クリプトキサンチン含有量を6質量%以上とすることができる。
β−カロテンの場合、変異株の乾燥菌体中のβ−カロテン含有量を0.5質量%以上、全カロテノイド色素中のβ−カロテン含有量を65質量%以上とすることができる。
このように、変異株の培養物から分離されたカロテノイド色素含有組成物は、野生株をはじめとするアルターエリスロバクター属に属する細菌で、カロテノイド色素産生能を有する細菌の培養物から得られた組成物よりも、各種カロテノイド色素の含有量が際立って高い。また、例えば、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、β−カロテン等の特定のカロテノイド色素の含有量を大幅に向上させることができる。したがって、本発明の前記カロテノイド色素含有組成物は、有用性が極めて高い。
変異株の全カロテノイド色素の産生量(含有量)は、概ね培養温度が高いほど向上する。
例えば、培養温度を好ましくは20℃以上、より好ましくは23℃以上とすることで、変異株の乾燥菌体中の全カロテノイド色素の含有量を0.12質量%以上とすることができる。
また、培養温度を好ましくは25℃以上、より好ましくは27℃以上とすることで、変異株の乾燥菌体中の全カロテノイド色素の含有量を0.25質量%以上とすることができる。
また、培養温度を好ましくは30℃以上、より好ましくは33℃以上とすることで、変異株の乾燥菌体中の全カロテノイド色素の含有量を0.55質量%以上とすることができる。
また、培養温度を好ましくは35℃以上、より好ましくは38℃以上とすることで、変異株の乾燥菌体中の全カロテノイド色素の含有量を0.78質量%以上とすることができる。
培養時間は、培養温度にもよるが、通常は1〜3日間であることが好ましい。
また培養方法は、静置培養、振とう培養、撹拌培養等、培地の種類に応じて適宜選択すれば良い。そして、通気培養することが好ましい。
培養後は、培養物から、又は培養物の遠心分離で回収された沈降物から、カロテノイド色素を分離することができる。
例えば、前記培養物又は沈降物を、必要に応じて洗浄後、凍結乾燥等に供して乾燥菌体を得る。そして、得られた乾燥菌体に有機溶媒を加え、該有機溶媒中にカロテノイド色素を抽出し、必要に応じて該抽出操作を複数回繰り返す。次いで、減圧濃縮等の手法で溶媒を除去することで、カロテノイド色素が得られる。
抽出に使用する有機溶媒は、カロテノイド色素を溶解できるものであれば特に限定されず、極性溶媒及び非極性溶媒のいずれもが使用できる。好ましいものとして具体的には、ヘキサン等の炭化水素類;アセトン等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類等が例示できる。
有機溶媒は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて任意に選択すれば良い。
また、これらの有機溶媒は、カロテノイド色素の精製にも使用できる。
カロテノイド色素は、例えば、その分析データを公知化合物の分析データと比較することで同定できる。分析法としては、構造に関するデータが取得できるものであればいずれでも良く、例えば、HPLC、吸光度分析、NMR、LC/MSなど通常汎用される分析法で良い。また、例えば、HPLCにより分析時に検量線を作成しておけば、得られた組成物中の各成分の含有量も定量できる。
変異株を培養して得られた培養物、又は変異株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を、動物プランクトンの培養物へ添加して捕食させた後、動物プランクトンを回収することにより、カロテノイド色素を製造することもできる。この製造方法によれば、カロテノイド色素が濃縮された飼料も提供できる。
前記動物プランクトンとしては、例えば、ワムシ、アルテミア、ミジンコ等が例示できる。これら動物プランクトンに、変異株を捕食させることで生物学的濃縮が行われ、その結果得られる動物プランクトンの培養物では、従来の細菌の培養によって産生されたものよりも、カロテノイド色素が格段に濃縮され、その利用価値が極めて高い。
動物プランクトンによりカロテノイド色素が濃縮された飼料は、養殖魚への使用に好適である。稚魚の中には、カロテノイド色素を含有する甲殻類プランクトンを摂餌しているものがあり、この摂餌により魚の色が影響されることが知られている。そこで、これらの稚魚類を養殖する際に、上記方法で製造された飼料を色揚げ用飼料として給餌すると、濃縮されたカロテノイド色素を給餌でき、従来よりも効率的に魚を色揚げできる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<変異株を使用したカロテノイド色素の製造(1)>
MB2216(37.4g)、グルコース3g及び純水1Lを混合して培地を調製し、1Lメディアボトル中で前記培地を121℃にて20分間滅菌処理した。
次いで、前記培地を常温まで冷却した後、これをクリーンベンチ内で1L三角フラスコに200ml分注し、予め10mlのL型試験管中で培養した変異株10mlを、分注した前記培地に植菌した。植菌後の培地のpHは7.6〜7.8であった。
次いで、恒温振とう培養機バイオシェーカー(商品名、タイテック社製)を使用して、培養温度30℃、撹拌速度120rpmの条件で二日間、変異株を振とう培養した。
次いで、培養物を遠心分離して変異株を回収し、凍結乾燥させた後、乳鉢で破砕して、粉末状の乾燥菌体を得た。
そして、得られた乾燥菌体から、ジクロロメタン/メタノール(3/1、体積比)の混合溶媒を使用して、カロテノイド色素を抽出し、分離した。
分離したカロテノイド色素をメタノールに溶解させ、得られた溶液からフィルタを使用して夾雑物を除去し、HPLC分析用サンプルとした。また、分離したカロテノイド色素をアセトンに溶解させ、得られた溶液からフィルタを使用して夾雑物を除去し、吸光スペクトル分析用サンプルとした。そして、下記条件でHPLC分析及び吸光スペクトル分析を行った。HPLC分析時のカロテノイド色素のプロファイルにおけるピーク強度(面積値)の比から、各カロテノイド色素の含有量の比を算出し、吸光スペクトル分析時のデータから、全カロテノイド色素の含有量(カロテノイド色素の総含有量)を算出して、これらの値から、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
(HPLC分析条件)
HPLC分析器:LC−VPシリーズ(島津製作所社製)
カラム:逆相カラムSymmetry C18(5μm、4.6×250mm)(Waters社製)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/メタノール/2−プロパノール(45/3/2、体積比)の混合溶媒
移動相の流速:0.5mL/分
(吸光スペクトル分析)
分光光度計:UV−2400(島津製作所社製)
セル:1cm幅
その結果、乾燥菌体1g中の全カロテノイド色素の含有量は1.246mg(0.125質量%)であり、乾燥菌体1g中のアスタキサンチンの含有量は0.16mg(0.016質量%)であった。そして、全カロテノイド色素中のアスタキサンチンの含有量は12.8質量%であった。
[比較例1]
<野生株を使用したカロテノイド色素の製造(1)>
変異株に代わり野生株を使用したこと以外は、実施例1と同様に粉末状の乾燥菌体を得て、カロテノイド色素を分離した。
その結果、得られた乾燥菌体1g中の全カロテノイド色素の含有量は0.162mg(0.016質量%)であり、乾燥菌体1g中のアスタキサンチンの含有量は0.01mg(0.001質量%)であった。そして、全カロテノイド色素中のアスタキサンチンの含有量は6.2質量%であった。
実施例1及び比較例1の結果から明らかなように、変異株の全カロテノイド色素の含有量(全カロテノイド色素の産生量)は野生株の約8倍であり、変異株のアスタキサンチンの含有量は野生株の約16倍であった。
[実施例2]
<変異株を使用したカロテノイド色素の製造(2)>
大豆タンパク質由来ペプチド:ハイニュートR(商品名、不二製油社製)10g、イースト1g、クエン酸鉄III0.1g、硫酸アンモニウム0.0016g、リン酸水素二ナトリウム0.008g、グルコース3g、人工海水37g及び純水1Lを混合して培地4Lを調製し、微生物培養装置BML−10PI(商品名、エイブル社製)の容量10Lの容器中で、前記培地を121℃にて20分間滅菌処理した。
次いで、前記容器を微生物培養装置の反応部にセットし、前記培地を常温まで冷却した後、クリーンベンチ内で予め1L三角フラスコ中で培養した変異株200mlを、前記培地に植菌した。植菌後の培地のpHは7.6〜7.8であった。
次いで、培養温度25℃、撹拌速度200rpm、通気量1vvm(一分間あたりの通気量(体積)が前記培養液(4.2L)に対して1倍)の条件で二日間、変異株を振とう培養した。
次いで、培養物を遠心分離して変異株を回収し、凍結乾燥させた後、乳鉢で破砕して、粉末状の乾燥菌体を得た。
そして、実施例1と同様の方法で、得られた乾燥菌体からカロテノイド色素を抽出して分離し、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
得られた乾燥菌体1g中のカロテノイド色素の組成を表1に示す。
表1から明らかなように、全カロテノイド色素中、アスタキサンチンが最も含有量が高かった。
[実施例3]
<変異株を使用したカロテノイド色素の製造(3)>
変異株の培養温度を25℃でなはく30℃としたこと以外は、実施例2と同様にカロテノイド色素を分離し、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
得られた乾燥菌体1g中のカロテノイド色素の組成を表2に示す。
表2から明らかなように、全カロテノイド色素中、β−カロテンが最も含有量が高かった。
[実施例4]
<変異株を使用したカロテノイド色素の製造(4)>
変異株の培養温度を25℃でなはく35℃としたこと以外は、実施例2と同様にカロテノイド色素を分離し、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
得られた乾燥菌体1g中のカロテノイド色素の組成を表3に示す。
表3から明らかなように、全カロテノイド色素中、β−カロテンが最も含有量が高かった。
[実施例5]
<変異株を使用したカロテノイド色素の製造(5)>
変異株の培養温度を25℃でなはく40℃としたこと以外は、実施例2と同様にカロテノイド色素を分離し、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
得られた乾燥菌体1g中のカロテノイド色素の組成を表4に示す。
表4から明らかなように、全カロテノイド色素中、β−カロテンが最も含有量が高かった。
[比較例2]
<野生株を使用したカロテノイド色素の製造(2)>
変異株に代わり野生株を使用したこと、培養温度を25℃でなはく30℃としたこと以外は、実施例2と同様にカロテノイド色素を分離し、各カロテノイド色素の含有量を算出した。
得られた乾燥菌体1g中のカロテノイド色素の組成を表5に示す。
表5から明らかなように、野生株を培養した比較例2では、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン及びβ−カロテンの産生が認められなかった。そして、全カロテノイド色素の含有量も極めて低かった。
一方、変異株を比較例2と同じ培養温度で培養した実施例3では、表2及び5から明らかなように、全カロテノイド色素の含有量は、比較例2の約39倍であった。
そして、カロテノイド色素の含有量は、すべての種類において実施例3の方が比較例2よりも顕著に高かった。比較例2で産生が認められたカロテノイド色素で比較すると、アドニキサンチンは約18倍、β−クリプトキサンチンは約31倍であった。
また、表1〜4から明らかなように、変異株の培養温度を調節することによって、各カロテノイド色素の含有量を向上させることができた。
具体的には、アスタキサンチンは培養温度25℃で、エキネノンは培養温度30℃で、アドニキサンチン、ゼアキサンチン及びカンタキサンチンは培養温度35℃で、β−クリプトキサンチン及びβ−カロテンは培養温度40℃で、それぞれ最も含有量が高くなった。
このように、培養温度を適宜調節することで、所望のカロテノイド色素を効率良く得られた。
さらに、実施例1〜5から明らかなように、変異株を使用してカロテノイド色素を産生させた場合、変異株を大量培養しても、カロテノイド色素の産生能は低下せず、カロテノイド色素の製造効率が極めて高いことが確認できた。
本発明は、健康食品の原料や飼料の添加物の製造に利用可能であるため、産業上極めて有用である。
NITE BP−808

Claims (3)

  1. スフィンゴモナス(Sphingomonas)属JPCC MB0017−6株(受託番号:NITE BP−808)。
  2. 請求項1に記載の細菌株を培養して得られた培養物。
  3. 請求項1に記載の細菌株を培養する工程を有するカロテノイド色素の製造方法。
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