JP3184336B2 - ゼアキサンチンの生産方法 - Google Patents

ゼアキサンチンの生産方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゼアキサンチンの製造方
法を提供し、これはゼアキサンチンを生産できる微生物
の製造方法とともにそれによって生産された微生物を含
む。さらに本発明は開示された方法によって生産された
ゼアキサンチンを含有する配合物ならびに色素を増強す
るための、ならびに活性酸素種および光毒性分子によっ
て引き起こされる損傷を減少させるためのそのような配
合物の使用を提供する。
【0002】
【従来の技術】ゼアキサンチン、すなわち3’3−ジヒ
ドロキシーベータ−カロチンは、食料および化粧品の着
色に有用な天然カロチノイドアルコールである。例え
ば、ゼアキサンチンは家禽及び魚の、肉、皮及び卵に所
望の黄色から赤みをおびた黄色を与える。食物着色料と
して、その多くがそれらの変異原性および発癌性の可能
性から政府管轄機関から使用を禁止された、化学合成さ
れた着色料よりもゼアキサンチンは、より望まれるもの
である。天然のカロチノイドは、高濃度でも毒性効果が
明らかに無いので、動物には有害であると証明された黄
色及び赤アゾ染料に代わることができる。
【0003】ゼアキサンチンのようなカロチノイドの中
にはそれらの結合ジエン化学構造から酸化防止剤として
効果的なものもある。即ち、ゼアキサンチンは酸素−フ
リーラジカルによって引き起こされる皮膚への損傷を減
少させるためにも使用でき、ある種の癌を防止し、特に
光にさらされた時に酸化される化合物を安定化するため
にも使用できる。
【0004】ゼアキサンチンは本当の色を提供する可能
性および能力から、ならびに肉及び卵に均一に沈積する
できる能力から、家禽および魚の着色増強に関し他のカ
ロチノイドよりも好ましい。ゼアキサンチンは少なくと
もルテインより1.5倍強く現れる。家禽に高投与した
とき、現在使用されているカロチノイドまたはカンタキ
サンチン、アルファルファおよびトウガラシのようなカ
ロチノイドまたはカロチノイド−含有化合物は、異常な
赤または紫色を家禽肉におよび卵黄に着色線を生じる。
ルテインの飼料への高投与は緑をおびた色合いを家禽肉
および卵白に与える事が示された。ベーターカロチン
は、家禽の肉にはうまく沈積せず、カンタキサンチンは
明らかに目の虹彩に沈積する。対照的にゼアキサンチン
は高ゼアキサンチン含有モロコシ飼料の研究に基づき、
高投与でも黄−赤色を付与し、家禽肉によく沈積する。
加えて、少なくともエビ、キンギョおよびコイのような
魚および甲殻類の中には明らかにゼアキサンチンを赤い
着色染料であるアスタキサンチンに転換できるものがあ
り、このような魚及び甲殻類をゼアキサンチンで飼育す
ることは所望の赤色着色を増強させることを示唆する。
【0005】ゼアキサンチンは他のカロチノイドととも
にモロコシ、マリゴールドおよびアルファルファのよう
な特定の植物中で生産される。しかし農夫はこれらの植
物を家禽に与えたが、このような飼料供給は、費用およ
びそのような植物中で生産されるゼアキサンチンの量が
一定でないために実際的ではない。
【0006】ゼアキサンチンを天然源から精製する以前
の試みは低収量であることが問題であった。さらには、
ゼアキサンチンを現存する技術で化学合成することに関
する費用はひどく高いことが証明された。加えて合成的
に製造された化合物の健康上の危険性に関する関心によ
り、微生物生合成のように食品添加物を天然に作ること
が好ましい。
【0007】米国食物管理職員協会の公式的報告は、米
国食品医薬品局(FDA)が食品添加物としての使用お
よび食品添加物製造においての使用に”一般的に安全で
あると思われる”(GRAS)微生物の一覧表を提供す
る。食品添加物についての政府の許可に関する関心はG
RASの微生物を使用するゼアキサンチンの生産を望ま
しいものとする。しかし、現在の発明者達はGRAS微
生物が商業工程において使用するに十分な量をゼアキサ
ンチンを生産できることを知らない。
【0008】FDA認可のGRAS株中、Spongiococcu
mは家禽に給餌して黄色の着色を増強させるために現在
GRASとして命名された唯一の藻である(21 C.F.
R.§73.275)。カロチノイドを合成するためのSpongio
coccumおよび他の藻類微生物を使用するいくつかの研究
が試みられたが、商業的なゼアキサンチンの量を生産で
きる微生物の単離に成功したものはなかった。事実研究
者達は藻類が低い全キサントロフィル量を生産したこと
のみを報告し、その中のゼアキサンチンはひとつの成分
にすぎない。(キサントロフィルはゼアキサンチンに加
えてアスタキサンチン、カンタキサンチン、クリプトキ
サンチン、ルテイン、ロドキサンチン、トルレン、およ
びバイオキサンチンのような酸素含有カロチノイドであ
る。)例えば、Kathreinによる米国特許第3,108,402号
(1963年10月29日発効)は発酵培地リットル当たり300ミ
リグラム(mg)までの全キサントロフィルを生産するSpon
gioco ccum微生物の使用を開示する。
【0009】同様にKathreinによる米国特許第2,949,70
0号(1960年8月23日発効)はGRASでないChlorellaおよびC
horococcum藻類を使用して発酵培地リットル当たり約18
0mgまでのキサントロフィルを生産したことを開示す
る。
【0010】研究者達は数種の非GRAS細菌、真菌および
海綿動物によるゼアキサンチンの生産を記載したが、そ
れらいずれの方法も商業化されなかった。Farrowらによ
る米国特許第2,974,044号(1961年3月7日発効);Dasekら
による米国特許第3,841,967号(1974年10月15日発効);Sc
hocherらによる米国特許第3,891,504号(1975年6月24日
発効);Shepherdらによる米国特許第3,951,743号(1976年
4月20日発効);Misawaらによる欧州特許公開第0393690号
(1990年10月24日公開);およびGierhartによるPCT国際公
開第91/03571(1991年3月21日)を参照せよ。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は藻類微生物を
突然変異させ、突然変異した微生物の中からゼアキサン
チンを生産できる微生物を選択し、選択した微生物に効
果的な培地中でゼアキサンチンを生産させ、培養して選
択した微生物により生産されたゼアキサンチンを回収す
る事を含むゼアキサンチンの生産方法を対象とする。本
発明はまたゼアキサンチンを生産できる微生物、開示さ
れた方法で生産されたゼアキサンチンを含有する配合
物、およびそのような配合物の色素増強ならび活性酸素
及び光毒性分子によって引き起こされる損傷を減少させ
るための使用を提供する。
【0012】本発明の態様により、ゼアキサンチンの生
産方法は有効培地中で少なくとも乾燥細胞グラム重量あ
たり約0.35mgのゼアキサンチンを生産できる藻類微生物
を培養し、そして微生物により生産されたゼアキサンチ
ンを回収することを含む。好ましい微生物はSpongiococ
cum属のなかの微生物である。ひとつの態様において
は、乾燥細胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチ
ンを生産できる藻類微生物を連続発酵で培養する。好ま
しい連続発酵は温度約30℃から38℃、pH約5.5から約
6.5、少なくとも約10%の溶存酸素濃度、及び少なくとも
約0.04気圧以下の二酸化炭素分圧である有効培地中で行
われる。
【0013】本発明のひとつの態様では、ゼアキサンチ
ンを有効培地からのゼアキサンチン生産可能微生物を分
離して回収し、ゼアキサンチン含有生物量(Biomass)を
形成する。回収には少なくともクロロフィルの混入部分
を除去するために少なくとも一回のゼアキサンチン含有
生物量の洗浄を含むことができ、これによって所望でな
い緑色を減少させる。
【0014】もう一つの態様では、ゼアキサンチンは有
機溶媒を使用してゼアキサンチン生産微生物から抽出さ
れる。この方法で回収されたゼアキサンチンの純度は少
なくとも約90%、そして最高約100%であることが示され
た。
【0015】本発明の一つの態様では、ゼアキサンチン
は乾燥細胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチン
を生産できる微生物によって生産され、ゼアキサンチン
は全カロチノイド産物の少なくとも約5%から成る。好ま
しくは微生物は乾燥細胞重量あたり約1.75mgのゼアキサ
ンチンを生産でき、即ち全カロチノイドの少なくとも約
25%がゼアキサンチンである。もうひとつの態様によれ
ば微生物は乾燥細胞重量あたり約2.8mgのゼアキサンチ
ンを生産でき、即ち全カロチノイドの少なくとも約40%
がゼアキサンチンである。
【0016】本発明のもうひとつの態様に従って、ゼア
キサンチンを生産できる藻類微生物は、親の藻類微生物
を突然変異させ、そして突然変異した微生物から乾燥細
胞グラム重量あたり少なくとも約0.35mgのゼアキサンチ
ンを生産できる微生物を選択して生産される。好ましい
親微生物はSpongiococcum属のなかの微生物である。最
も好ましい親微生物はSpongiococcum excentrium ATCC
番号40335 およびその突然変異株の性質と同定されるこ
とを有するものである。
【0017】一つの態様では、藻類微生物はN-メチル-N
-ニトロ-N-ニトロソグアニジン、紫外線照射、X-線、ガ
ンマ線、エチルメタンスルホネート、亜硝酸またはこれ
らの混合物のような変異原にさらされることにより突然
変異させられる。突然変異後、ゼアキサンチンを生産で
きる微生物は、突然変異した微生物をイソプレノイド経
路阻害剤、カロチノイド生合成阻害剤、フリーラジカル
生成物およびこれらの混合物に晒すことにより選択され
る。ひとつの態様では、突然変異した微生物はナイスタ
チン、アンチマイシンA,シトリニン、メビノリン、サポ
ニン、アンフォテリシン B,加リン酸化フラネシル化合
物、アザスクワレン、アリルアミン誘導体、チオカルバ
メイト、ピリミジン、イミダゾール、トリアゾール、モ
ルホォリンまたはそれらの混合物のようなイソプレノイ
ド阻害剤にさらされる。もう一つの態様によれば突然変
異微生物は、ノルフラゾン、メトフラゾン、フェニルフ
ラノン、ジフェニルアミン、ニコチン酸、オキシフルオ
ロフェン、フルオロフェン、β-イオノン、またはこれ
らの混合物のようなカロチノイド生合成阻害剤に晒され
る。さらにもう一つの態様によれば突然変異微生物は、
デュロキノン、他のキノン、パーオキサイド、UV光、X-
線、ガンマ線、オゾン又はこれらの混合物に晒される。
ゼアキサンチンを生産できる微生物は色に基づいても単
離できる、ここで色とはゼアキサンチン生産を指示する
色である。
【0018】本発明は藻の、好ましくはSpongiococcu
m、乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも約0.35mgのゼ
アキサンチンを生産できる微生物の生産を導き、好まし
くはここでゼアキサンチンは微生物の全カロチノイド生
産の少なくとも約5%から成る。本発明のひとつの態様で
は、藻の、好ましくはSpongiococcum、乾燥細胞グラム
重量あたり少なくとも約1.75mgのゼアキサンチンを生産
できる微生物が生産される。好ましくはこれらの微生物
はそれらのカロチノイドの少なくとも約25%をゼアキサ
ンチンとして生産する、が生産される。もうひとつの態
様では、藻の、好ましくはSpongiococcum、乾燥細胞グ
ラム重量あたり少なくとも約2.8mgのゼアキサンチンを
生産できる微生物が生産される。好ましくはこれらの微
生物はそれらの全カロチノイドの少なくとも約40%をゼ
アキサンチンとして生産する。
【0019】特に好ましものは、Spongiococcum excent
rium ATCC 番号74108、およびその突然変異株の性質と
同定されることを有するSpongiococcum株であり、ここ
で突然変異株は乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも約
0.35mgのゼアキサンチンを生産できる;Spongiococcum e
xcentrium ATCC 番号74109、およびその突然変異株の性
質と同定されることを有するSpongiococcum株であり、
ここで突然変異株は乾燥細胞グラム重量あたり少なくと
も約0.35mgのゼアキサンチンを生産できる;およびSpong
iococcum excentrium ATCC 番号74107、およびその突然
変異株の性質と同定されることを有するSpongiococcum
株であり、ここで突然変異株は乾燥細胞グラム重量あた
り少なくとも約0.35mgのゼアキサンチンを生産できる。
本発明の好適な態様は、(a)Spongiococcum属の微生物を
突然変異させ、(b)突然変異した微生物から乾燥細胞グ
ラム重量あたり少なくとも約0.35mgのゼアキサンチンを
生産できる微生物を選択し、(c)選択した微生物を有効
培地中で培養し所望量のゼアキサンチンを生産させ、そ
して(d)選択した微生物からゼアキサンチンを回収す
る、ことを含むゼアキサンチンの生産方法である。より
好適な態様では、乾燥細胞重量あたり少なくとも約1.75
mgのゼアキサンチンを生産できる選択微生物の生産およ
び使用を含む。さらに好適な態様では乾燥細胞重量あた
り少なくとも約2.8mgのゼアキサンチンを生産できる選
択微生物を含む。
【0020】本発明もうひとつの態様によれば、乾燥細
胞グラム重量あたり少なくとも約0.35mgのゼアキサンチ
ンを生産できる藻類微生物、好ましくはSpongiococcum
属が、微生物を培養してゼアキサンチンを生産させこれ
によって生産されたゼアキサンチンを回収する方法のゼ
アキサンチン生産のために使用される。好適な態様によ
れば乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも0.35mgのゼア
キサンチンを生産する能力により選択された突然変異藻
類微生物は、ゼアキサンチンを生産するために使用され
る。好ましくは微生物はSpongiococcum属である。
【0021】本発明のもうひとつの態様は、藻類微生
物、好ましくは乾燥細胞重量あたり少なくとも約0.35mg
のゼアキサンチンを生産できるSpongiococcum属、から
なるゼアキサンチン-含有配合物であり、ここでゼアキ
サンチンは該微生物の全カロチノイド生産量の少なくと
も約5%から成る。好ましい態様では、ゼアキサンチン-
含有生物量および動物飼料から成るゼアキサンチン-含
有配合物は動物飼料材料に色素増強のために添加され
る。好ましい動物飼料材料は、家禽、魚および甲殻類動
物である。
【0022】本発明の他の態様には藻類微生物、好まし
くはSpongiococcum属の、によって生産されたゼアキサ
ンチンは着色強化または活性酸素種および光活性分子に
よる損傷を減少するための使用がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明はゼアキサンチン
を生産する新規藻類微生物、そのような微生物の生産方
法、およびそのような微生物を使用して商業的に適応で
きる量のゼアキサンチンの生産方法を提供する。さらに
本発明は開示された方法によって生産されたゼアキサン
チンを含有する配合物、ならびに着色強化および活性酸
素種および光活性分子による損傷を減少するためのその
ような配合物の使用を提供する。
【0024】ゼアキサンチンを生産できる微生物の生産 本発明はゼアキサンチンを生産できる藻類微生物を提供
する。ここで使用される"ゼアキサンチンを生産できる
微生物"は、また"ゼアキサンチン-生産微生物"について
は、乾燥細胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチ
ンを生産できる微生物である。好ましくはゼアキサンチ
ン-生産微生物はその全カロチノイドの少なくとも約5%
をゼアキサンチンとして生産することもできる。ここで
使用されるように、"全カロチノイド"という用語は、微
生物により生産されるすべてのカロチノイドであり、限
定的にではなくルテインなどの他のキサントフィルも含
む。
【0025】本発明もうひとつの態様に従えば、ゼアキ
サンチン-含有微生物は、親の藻類微生物を突然変異さ
せ、ゼアキサンチンを生産できる微生物を選択して生産
される。ここで使用される"親微生物"とは、親微生物よ
りもよりゼアキサンチンを生産する微生物を得る目的で
突然変異されるべき任意の微生物をいう。親微生物に
は、限定的にではなく自然に存在する、変異体、既に突
然変異したまたは既に選択された微生物を含む。本発明
の親のかつゼアキサンチン-生産微生物は組み替え又は
非組み替え微生物であることもできる。
【0026】本発明の一つの態様において、親の藻類微
生物はゼアキサンチン−生産微生物が生育できる選択培
地中にさらされる。この方法において、天然に存在する
ゼアキサンチンを生産できる親株を単離できる。本発明
の好適な態様では、好適な態様において、親微生物は突
然変異の割合を上昇させるために少なくとも一回化学的
または物理的変異原にさらされ、これによってゼアキサ
ンチン−生産微生物を獲得する頻度が増す。ここで使用
される”突然変異した微生物”とは突然変異が自然に、
または変異原にさらした結果起こったかのいずれかで突
然変異した親微生物である。
【0027】本発明によれば、好適な親微生物は藻類で
ある。特に好適なものはSpongiococ cum属の藻類であ
る。最も好ましい親微生物はSpongiococcum excentrium
ATCC No.40335であり、Liaoらにより1990年2月5日に出
願された継続中の米国特許出願第07/474,248の主題であ
る。
【0028】Spongiococcum藻類は他の型の藻類よりも
有利であり、例えばChlorella(Farrowらによる米国特許
第3,280,502、1966年10月25日発効)またはある種のFlav
obact erium multivorum株による(PCT国際公開 WO 91/03
571,Gierhart, 1991年3月21日公開)ような他のキサント
フィル-生産藻類によって達成されるよりも少なくとも4
倍高い細胞密度に生育する能力がある。高い細胞密度は
単位容量当たりより多くの生産物を導き、これによって
生産コストを下げる。また、動物はSpongiococ cum細胞
壁を消化でき細胞内産物を得ることができるのでSpongi
ococcumの細胞内生産物は動物に対して生物的に利用で
きる。即ち、全Spongiococcumを動物に直接給餌でき
る。これとは対照的に、多くのキサントフィルを生産す
る藻類は、Ch lorellaのような、これらの細胞壁は多く
の非反芻動物により消化されないセルロースを基本とす
る物質から構成されるので動物に直接給餌できない。全
細胞を家禽のような動物に給餌する能力はさらに下流の
回収工程段階の必要性を事前に除去し、これによって生
産コストおよびゼアキサンチンの損失を減らす。さら
に、等量のゼアキサンチンを得るために本発明によるゼ
アサキサンチンの生産能力はより少ない全細胞重量で使
用できる。
【0029】本発明のひとつの態様において藻類微生物
は、好ましくはそのようなSpongioc occum属は化学的ま
たは物理的変異原にさらされてゼアキサンチンを生産す
る微生物を得る。好ましい変異は、限定的にではなくN-
メチル-N-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(NTG)、紫外線
照射、X-線、ガンマ線、エチルメタンスルホネイトおよ
び亜硝酸である。変異原は単独又は組み合わせて使用で
きる。本発明において使用に最も好ましい変異原はNTG
である。本発明のひとつの態様において、Spong iococcu
m excentricum ATCC No. 40335 微生物はNTGを含有する
緩衝液にさらされる。さらした後、微生物を洗浄し、酵
母エキス/ペプトン/グルコース(YEP)培地のような成長
培地に再懸濁し、約35℃で一晩インキュベートして突然
変異Spon giococcum微生物を得る。突然変異微生物を次
に固相成長培地上で約5日から約7日の間、約35℃で成長
させ、単一コロニーを得る。ここで使用される固体成長
培地はゼラチン、アガロース又は寒天のような固相化剤
がその中に加えられた成長培地をいう。本発明の好まし
い固相成長培は酵母エキス/ペプトン/グルコース培地中
に寒天が加えられたもの(YEP-寒天)である。好ましく
は、微生物はミリリットルのクエン酸緩衝液あたり約25
マイクログラム(μg)NTGに約30分間約35℃の温度でさら
される。
【0030】本発明の他の観点は、所望の変異した藻類
微生物の選択である。ゼアキサンチンを生産する変異し
た微生物を同定するための好ましい選択法は、色による
選択、および限定的にではなくイソプレノイド経路阻
害、カロチノイド生合成阻害およびフリーラジカル生成
物を含む代謝阻害に対する抵抗性(すなわち、代謝阻害
の存在下で成長できる能力)による選択を含む。代謝阻
害剤は単独または組み合わせのいずれでも使用できる。
選択した微生物は(すなわち、本発明の選択法によって
選択された微生物)は有効培地で成育され、微生物が生
産できるゼアキサンチン量を測定される。選択した株に
よるゼアキサンチン生産は種々の方法で測定でき、限定
的にではなく、機能的およびクロマトグラフィー的アッ
セイを含む。本発明において、微生物のゼアキサンチン
生産を測定する好ましい方法は、逆相高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)による。
【0031】本発明のひとつの態様によれば、突然変異
した微生物をYEP-寒天などの固相成長培地上で成育し、
色に基づき選択する。突然変異微生物の色の出現による
それらの選択は、ゼアキサンチンを生産する微生物を同
定するための方法として有効である。ゼアキサンチンを
生産できる微生物は色が通常オリーブグリーン、黄色、
赤味がかった黄色、オレンジ、または赤に現れる。ここ
で使用されるこれらの色はゼアキサンチン生産指示色と
して参照される。しばしばゼアキサンチン-生産藻類微
生物はまた、クロロフィル生産による緑色の背景を現
す。本発明において、色に基づき選択された微生物を色
-選択微生物と呼ぶ。色-選択微生物についての好ましい
色は、黄色、赤味がかった黄色、オレンジ、および赤で
ある。好適な態様では、突然変異微生物をYEP-寒天など
の固相成長培地上で約5日から約7日間、約35℃で成育
し、着色の出現により指示されるようにゼアキサンチン
生成物を選択する。
【0032】本発明の他の態様によれば、突然変異した
微生物はゼアキサンチン生産物として、代謝阻害剤存在
下におけるそれらの生育能力によって選択される。代謝
阻害剤は好ましくはイソプレノイド経路阻害剤、カロチ
ノイド生合成阻害剤およびフリーラジカル生成物から成
る群から選択される。阻害剤は単独または組み合わせて
使用できる。ゼアキサンチンを生産できる微生物は色選
択および代謝阻害剤の存在下での成長能力の組み合わせ
によっても選択できる。
【0033】ひとつの態様では、突然変異した微生物は
ゼアキサンチン生成物としてイソプレノイド経路阻害剤
を含有する培地中で成長する能力により選択される。イ
ソプレノイド経路阻害剤はステロール合成経路を含むイ
ソプレノイド合成経路中のひとつ又はそれ以上の段階を
阻害する化合物である。このような阻害剤には、限定的
にではなくナイスタチン、アンチマイシンA,シトリニ
ン、メビノリン、サポニン、アンホォテリシンB,加リ
ン酸化ファネシル(farnesyl)化合物、アザスクワレ
ン、アリルアミン誘導体、チオカルバメイト、ピリミジ
ン、イミダゾール、トリアゾール、モルホオリンおよび
それらの混合物である。本発明の使用に好ましいイソプ
レノイド阻害剤はナイスタチンであり、これは明らかに
膜−結合エルゴステロールに結合することによって細胞
膜を破壊する。一つの態様では、突然変異微生物は、Y
EP−寒天などのような少なくとも成長培地mlあたり
約1μgのナイスタチンを、好ましくはmlあたり約1
μgから約20μgの間のナイスタチンを含有するよう
な、固体成長培地上でゼアキサンチン生産に関して選択
される。好適な態様によれば、突然変異微生物を約5μ
g/mlから約7μg/mlの間のナイスタチン含有培
地上で約10日間、約35℃で成長させる。
【0034】本発明のもうひとつの態様では、突然変異
微生物はカロチノイド生合成経路を阻害する化合物を含
有する培地中で成長するそれらの能力によってゼアキサ
ンチン生成物として選択される。カロチノイド生合成経
路の阻害剤は、カロチノイドが合成されるカロチノイド
生合成経路のひとつまたはそれ以上の段階を阻害する化
合物である。カロチノイド生合成阻害剤は限定的にでは
なく、ノルフラゾン、メトフラゾン、フェニルフラノ
ン、ジフェニルアミン、ニコチン酸、オキシフルオロフ
ェン、フルオロフェン、β−イオノン、およびこれらの
混合物である。本発明での使用に関して好ましいカロチ
ノイド生合成阻害剤は、ノルフラゾンであり、これはカ
ロチノイドを生産するために要求される非飽和反応をブ
ロックする。ひとつの態様において、突然変異微生物
は、ミリリットル当たり約10ナノグラムから約100
ナノグラムの間のノルフラゾン含有培地(YEP−寒天
のような)上で約10日間、約35℃でゼアキサンチン
の生産について選択される。ノルフラゾンの培地中の好
のましい濃度は約60ng/mlから約100ng/m
lの間である。
【0035】本発明のもうひとつの態様によれば、突然
変異微生物はゼアキサンチン生産物としてフリーラジカ
ル(すなわち、フリーラジカル生成物)を含有する培地
中で成長する能力により選択される。カロチノイドはそ
の抗酸化特性によりフリーラジカルによって引き起こさ
れる傷害から細胞も保護すると考えられる。しかし、現
在の発明者はフリーラジカル生成化合物を使用してゼア
キサンチンのような大量のカロチノイドを生産できる微
生物を選択することについて気づいていない。フリーラ
ジカル生成物には限定的にではなく、キノン、過酸化
物、UV−光、X−線、ガンマ線、オゾン及びそれらの
混合物がある。キノンおよび過酸化物のような好ましい
フリーラジカル生成物は容易に微生物によって吸着さ
れ、変異原ではない。本発明の使用に関して最も好適な
フリーラジカル生成物はデュロキノンである。ひとつの
態様では、突然変異した微生物を約20マイクロモル
(μM)から約100μMの間のデュロキノン含有固相
培地(YEP−寒天のような)上で約10日間、35℃
で成長させることにより、ゼアキサンチン生産に関して
選択される。デュロキノンの好ましい濃度は約55μM
である。
【0036】本発明のひとつの態様において、親微生物
を適当な変異原、好ましくはNTGにさらし、突然変異
微生物を得る。ゼアキサンチンを生産できる微生物は色
ならびにイソプレノイド経路阻害剤、カロチノイド生合
成阻害剤および/またはフリーラジカル生成物の存在下
で成長する能力に基づき選択される。少なくとも乾燥細
胞グラム重量あたり0.35mgゼアキサンチンを生産できる
選択された微生物は単離され、有効培地中で培養され
る。上記突然変異-選択方法は一回以上行われ、ゼアキ
サンチンのより高い水準を生産する微生物を得る。好ま
しく選択された株は少なくとも乾燥細胞グラム重量あた
り約0.70mgのゼアキサンチンを、より好ましくは少なく
とも乾燥細胞グラム重量あたり約1.75mg、そして最も好
ましくは少なくとも乾燥細胞グラム重量あたり約2.8mg
生産できるべきである。加えて、選択された微生物は全
カロチノイドの少なくとも約5%をゼアキサンチンとし
て、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少な
くとも約25%、そして最も好ましくは少なくとも約40%を
ゼアキサンチンとして生産できるべきである。
【0037】本発明の好ましい微生物はSpongiococcum
属およびそれらの突然変異体から成り、ここで"それら
の突然変異体"とは乾燥細胞グラム重量あたり少なくと
も約0.35mgのゼアキサンチンを生産できる。
【0038】本発明のひとつの好適な藻類微生物はSpon
giococcum excentricum ATCC No. 74108であり、これは
乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも約3.5mgのゼアキ
サンチンを生産できると同定された性質を有する。さら
に同定される性質として、ATCC No.74108によって生産
された全カロチノイドの約40%から50%がゼアキサンチン
から成ることが示された。Spongiococcum excentricum
HZ1236/274は、ATCC番号74108で1991年9月27日、20852-
1776、メリーシンド州、ロックビレ、パークロウンドラ
イブ12301のアメリカンタイプカルチャーコレクション
(ATCC)に寄託された。
【0039】本発明のもうひとつの好適な藻類微生物は
Spongiococcum excentricum ATCC No. 74109であり、こ
れは乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも約3mgのゼア
キサンチンを生産できると認められた性質を有する。さ
らに同定される性質として、ATCC No.74109によって生
産された全カロチノイドの約40%がゼアキサンチンから
成ることが示された。Spongiococcum excentricum HZ12
36/437は、ATCC 番号74109で1991年9月27日にATCC寄託
番号74109で寄託された。
【0040】さらにもうひとつの好ましい本発明の藻類
微生物はSpongiococcum excentricu m ATCC No. 74107で
あり、これは乾燥細胞グラム重量あたり少なくとも約3m
gのゼアキサンチンを生産できると認められた性質を有
する。さらに同定される性質として、ATCC No.74109に
よって生産された全カロチノイドの約40%がゼアキサン
チンから成ることが示された。Spongiococcum excentri
cum HZ1236/538は、ATCC番号74109で1991年9月27日にAT
CC寄託番号74107で寄託された。
【0041】ATCC番号74108、ATCC番号74109、およびAT
CC番号74107は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認
に関するブタペスト条約の下寄託された。このように寄
託された物の公に対する入手性に関する制限は特許認可
の際に最終的に除去されるであろう。各々の寄託は、AT
CCにより受理された寄託微生物の試料をあたえることに
ついて、最も最近の請求後少なくとも5年間は保存さ
れ、いかなる場合でも寄託の日から少なくとも30年間は
保存されるであろう。
【0042】当業者には本発明がゼアキサンチンを生産
するために遺伝子的に操作された生物によってえること
ができたゼアキサンチン-生産微生物も含むことが明ら
かであろう。例えば、微生物をSpongiococcum属のよう
な藻類ゼアキサンチン-生産微生物から得たゼアキサン
チン生合成経路の酵素をコードする遺伝子で形質転換さ
せることも本発明の範囲である。そのような遺伝子は天
然DNA配列または変異によって獲得した配列、ならびに
ここや他に記載された選択技術であり得る。反対に、Sp
ongiococcumのような藻類微生物は藻類または他の適当
な生物から単離されたゼアキサンチン生合成経路遺伝子
で形質転換できる。
【0043】ゼアキサンチン生産 本発明は有効培地中でゼアキサンチンを生産できる藻類
微生物を培養し、そしてそれらからゼアキサンチンを回
収するゼアキサンチンを生産するための方法を提供す
る。
【0044】本発明において、ゼアキサンチンを生産で
きる藻類微生物は有効培地中で培養され、ここでは任意
のゼアキサンチン生産を促進できる培地と定義する。好
ましくは有効培地は藻の成長も促進する。本発明の藻類
ゼアキサンチン−生産微生物は従来の発酵様式で培養す
ることができ、これには限定的にではなくバッチ、供給
−バッチおよび連続がある。ひとつの態様において藻類
微生物、好ましくはSp ongiococcum属であり、は新鮮な
発酵培地が加えられ、使われた発酵ブロス(broth)は中
断なしに除去されるかまたは定期的に除去される連続発
酵法で培養される。発酵の間、温度、酸素含量、二酸化
炭素含量、pHおよび炭素源を含む添加速度の変数は、
好結果の発酵が達成できる間、時間の長さを過度に制限
する事なくゼアキサンチンの生産を最大にするような制
御に維持される。適切な発酵条件および手順はBaileyら
により1990年5月15日に出願された係続中の米国特許出
願第07/524,140に記載された条件と同様である。Bailey
らはSpongiococcum excent ricum ATCC No. 40335を含む
カロチノイド-生産微生物に関する高生産性、連続発酵
方法を記載する。
【0045】本発明は、発酵ブロスが希釈される(すな
わち新鮮な発酵培地の添加による有効培地)間、ゼアキ
サンチンを生産できる藻類微生物の培養を含む。新鮮な
発酵培地は一般的に、微生物の成長速度を制限する炭素
源量が供給された水性液である。特に、新鮮発酵培地は
水、すなわちグルコース、および他の物質のような栄養
素が加えられた水である得る。
【0046】発酵ブロスは新鮮な発酵培地を加えること
によりブロスの全容量を増加することにより希釈でき、
または好ましくは新鮮な発酵培地を加えかつ使用した発
酵ブロスを除去することによって実質的な発酵ブロスの
容量を一定に保ちながら希釈できる。後者の場合は、希
釈速度(D)は、発酵ブロスの容量によって割り算された
新鮮発酵培地の発酵容器への容積測定流速度、および使
用した発酵ブロスの容器からの容積測定流速度と等し
い。Dの単位は時間の逆数であり、他に指示しない限り
現在の意図ではhr-1となろう。希釈は時間当たりに容器
を通過する容器液体容積の数に等しく、平均存在時間の
逆数である。
【0047】新鮮発酵培地の添加および使用した発酵ブ
ロスの除去は一定または定期的のいずれかであり得る
が、一定が好ましい。新鮮発酵培地の添加および使用し
た発酵ブロスの除去は同時かまたはそうではなくても良
いが、同時が好ましい。
【0048】典型的な培養の成長に関し、相対的に一定
な発酵ブロスの容量維持の場合には、希釈は典型的には
約0.03hr-1から約0.13hr-1の間で効果的である。
【0049】ここで使用される、"成長速度"とは"u"の
記号によって示されるが発酵ブロス中で時間あたりの細
胞量あたりに形成された細胞量である。他に示さない限
り、成長速度の単位はhr-1である。本発明の連続発酵法
において定常状態では、希釈速度は成長速度に等しい(D
=u)。希釈速度(D)は特別な微生物の最大成長速度(uma x)
により記述される。連続培地中の希釈速度はumaxよりも
低い任意の水準に設定できる。至適生産性に関し、Dは
好ましくはumaxの約25%から約95%であり、より好ましく
ははumaxの約90%である。系はumaxに近づくほど不安定
になるであろう。もしDがuよりも大きければワッシアウ
ト(Washout)が起こる。
【0050】新鮮な培地の導入で、 発酵ブロス中の栄
養素の水準は成長および/またはゼアキサンチンの生産
が支持されるに十分な濃度が維持されるなければならな
いと認識されるべきである。そのような栄養素は新鮮な
発酵培地に加えられるか、または独立であることもでき
る。特にこのような栄養素には炭素;窒素;リン酸塩;
硫酸塩;及びマグネシウム、鉄、および他の痕跡金属が
ある。
【0051】同化できる炭素は、限定的にではなく、澱
粉、デキストリン、サッカロース、マルトース、ラクト
ース、グルコース、マンノース、ソルボース、アラビノ
ース、キシロース、リブロース、セロビオースおよび糖
密を含む糖およびその重合体;脂肪酸;およびグリセリ
ンなどのポリアルコールを含む。本発明の好ましい炭素
源はモノサッカライド、ジサッカライドおよびトリサッ
カライドがある。最も好ましい炭素源はグルコースであ
る。
【0052】同化できる窒素源は、限定的にではなく、
アンモニウム塩などの無機窒素化合物およびタンパク質
加水分解物、微生物生物体加水分解物、大豆粉、魚粉、
肉粉、肉エキス、ペプトン、トリプトン、モロコシ浸出
液、酵母エキスおよびアミノ酸のような動物、植物およ
び/または微生物物質を含む。好ましい窒素源は酵母エ
キス、ペプトン、および硫酸アンモニウムである。
【0053】有効培地はビタミン、成長促進因子又は色
素形成促進因子のような他の化合物を含むことができ
る。このような化合物は有効培地中の炭素、窒素または
無機質源中に存在するかまたは培地に特別添加できる。
【0054】本発明の態様には発酵中の炭素源を成長律
速段階に制限して発酵を行うことを含む。この方法で
は、発酵時間を無限に延長でき、生産物収量を増加でき
る。本発明のこの観点は炭素源の添加速度を律速段階に
まで制限することを含む。好ましくは、成長に必要なす
べての他の栄養素は炭素源と比較して過剰に存在する。
理論に結びつけることを意図しないが、炭素源の利用度
を制限することによって、微生物は成長に有効な炭素を
優先的に使用するよう強制されるので、トキシンの生産
が実質的に減少する。
【0055】炭素源の添加速度は監視でき、ならびに炭
素源を約25%のumaxおよび約95%のumaxの間の範囲、好
ましくは95%umaxにおける所望の制限成長速度に達する
ような速度で供給することができる。
【0056】本発明の好適な態様では、発酵ブロス、す
なわち有効培地は新鮮な発酵培地で希釈され、ならびに
炭素源供給速度は律速段階に制限される。好ましくはこ
の方法は3つの相を含む:(1)植菌相;(2)供給-バッチ成長
相;および(3)炭素制限、連続培養成長相。植菌相は、活
性な成長する微生物の植菌材料を発酵容器に提供するこ
とを含む。供給-バッチ成長相は、発酵容器中、連続的
培地添加で微生物を増殖させ、その間炭素源濃度をリッ
トルあたり5グラム以下に維持することを含む。典型的
には、供給-バッチ期間で炭素源は約1g/lと5g/lの間で
ある。供給-バッチ相から定常連続相の期間中、炭素源
を含有する新鮮な発酵培地の連続的供給の速度を次第に
増加する。連続的発酵相を所望の定常状態細胞濃度に達
した時開始する。
【0057】好ましくは、炭素源はグルコースのような
炭水化物である。グルコース-制限に転換する前、連続
培養成長相、グルコースは最小濃度に減らされる。この
濃度は実際的に出来る限り低く、典型的には約1g/lであ
る。発酵は次にグルコース-制限、連続培養制限相へと
転換される。連続供給流はグルコースを含み、ならびに
そうでなければ成長に関して栄養的にバランスのとれた
(即ち、窒素源、カリウム塩、りん酸塩、鉄、硫酸塩、
クエン酸、マグネシウムおよび他の痕跡金属のような栄
養を含む)物を含む物が発酵培地に、はじめに低い希釈
速度で導入される。次に微生物の成長速度が、殆どバッ
チ成長相期間中に達成される最大成長速度と同様に大き
くなるまで希釈速度を次第に増加させ、 そして所望の
定常-状態希釈速度が達成される。好ましくはDは約90%u
maxである。新鮮な発酵培地は、使用された発酵ブロス
についての除去速度に等しい速度で加えられる。
【0058】温度、pH、酸素、および二酸化炭素の制御
は、高成長速度、およびより詳細には高収量のゼアキサ
ンチンを得るための、ゼアキサンチン生産微生物の培養
において他の重要なパラメーターである。好ましい方法
において、培養、すなわち発酵は約30℃から約38℃、pH
約pH5.5から約pH6.5,溶存酸素量が少なくても約10%およ
び約0.04気圧以下の二酸化炭素分圧で行われる。最も好
ましいの条件下では、培養は約36℃、pH約pH6.0,溶存酸
素量は10%以上、そして約0.04気圧以下の二酸化炭素分
圧で行われる。
【0059】藻類微生物によって所望する量のゼアキサ
ンチンが生産された後、ゼアキサンチン-生産微生物を
ゼアキサンチン-含有生物量として回収することにより
回収する。ここで使用されるゼアキサンチン-含有生物
量とは、そのような微生物によるゼアキサンチンの細胞
内生産の後、発酵培地から回収したゼアキサンチン-含
有微生物を言う。
【0060】本発明のひとつの態様において、藻類ゼア
キサンチン-含有生物量は回収され、そして動物飼料材
料の色素増強のために添加物として使用される。ここで
使用される、色素増強は、ゼアキサンチンが適用された
動物飼料材料の肉、皮膚、その他の体の部分および/ま
たは卵黄に黄色または赤味を帯びた黄色を付与し、また
は同様な着色をゼアキサンチンが添加された例えば食物
製品(動物飼料以外の食糧材料)のような組成物、または
化粧品に付与することによる方法を言う。もし動物飼料
がゼアキサンチンをアスタキサンチンに転換できれば、
動物は赤色着色を表わせる。動物食料材料とは食料とし
て飼育された動物である。このような動物は限定的にで
はなく、家禽、魚および甲殻類が含まれる。
【0061】本発明に従った好適なゼアキサンチン-含
有生物量の源は、Spongiococcumゼアキサンチン-生産微
生物中のゼアキサンチンの生物利用能力によるSpongioc
occumである。ゼアキサンチン-含有Spongiococcum生物
量は食物添加物として直接使用でき、動物飼料材料の色
素を増強する。
【0062】食品添加物として使用するゼアキサンチン
-含有Spongiococcum生物量は、ゼアキサンチン-含有微
生物を発酵培地から単純に分離することによって回収さ
れる。好ましい分離技術は、限定的にでなく遠心及び濾
過である。好適な態様において、ゼアキサンチン-含有S
pongiococcum生物量をゼアキサンチン-含有微生物を遠
心で分離することにより回収し、生物量を少なくとも一
回水性溶液で洗浄して少なくともクロロフィル混入物部
分を除去することにより所望でない緑色を減少し、そし
て生物量をスプレー乾燥して生物量パウダーを得る。好
ましくは、生物量を乾燥して約3%から5%の湿潤含量を有
するパウダーを得る。
【0063】非消化性細胞壁を有する藻類ゼアキサンチ
ン-生産微生物からのゼアキサンチン-含有生物量の回収
には、生物量のスプレー乾燥の前に細胞溶解が必要とさ
れる。このような溶解は当業者に知られた物理的、化学
的または酵素的方法により達成される。
【0064】本発明のひとつの態様において、ゼアキサ
ンチン-含有生物量パウダーの全カルチノイド含量は、
典型的には生物量グラムあたり少なくとも約5mg、そし
て好ましくは7mgである。本発明において、全カルチノ
イド含量の少なくとも約5%がゼアキサンチンであり、好
ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも
約25%、最も好ましくは少なくとも40%である。
【0065】択一的に、ゼアキサンチンはゼアキサンチ
ンを生産できる藻類微生物から遊離して標準的技術を使
用して精製できる。ゼアキサンチンを微生物源から精製
する標準的方法は、ゼアキサンチン-生産微生物からの
ゼアキサンチンの抽出および他の混入物からのゼアキサ
ンチンの抽出の両方に有機溶媒の使用を含む。 本発明
の好適な態様では、標準的な精製技術はゼアキサンチン
-生産微生物からゼアキサンチンを回収するためにも使
用でき、純度約90%以上、好ましくは少なくとも約97%、
そして最も好ましくは100%に近い、実質的に純粋なゼア
キサンチンを得る。
【0066】実質的に純粋なゼアキサンチンはゼアキサ
ンチン-含有配合物中に配合でき、食物及び化粧品の色
素増強、ならびに活性酸素種および光毒性分子によって
引き起こされる損傷を減少することができる。ここで使
用される、活性酸素種は他の分子を酸化し、しばしば細
胞または組織の損傷を導いたり、結果するものである。
活性酸素種は光増感剤、1重項酸素、および酸素フリー
ラジカルがある。ここで使用される光毒性分子は、光感
受性化合物を分解または不活性化する光などの薬剤をい
い、ならびにこれは植物および動物中で組織損傷を引き
起こすことができる(細胞および器官損傷を含む)。ゼア
キサンチンの有効量は、活性酸素種および光毒性分子に
よって引き起こされる損傷を効果的に減少できる量であ
る。例えば、ゼアキサンチンは哺乳動物内で利用されて
ある形態の癌を予防または処置することができ、細胞内
外の両方で、活性酸素種により引き起こされる組織およ
び器官の損傷を減少することができる。
【0067】ゼアキサンチン−含有配合物は内部的(限
定的にではなく、経口、鼻内、静脈内、皮内、および腹
腔内投与様式)または外部的(限定的にではなく局所的
投与)のいずれかで投与される。例えばゼアキサンチン
−含有配合物は、サンスクリーンおよび他のオイルおよ
びローションに加えることができ、活性酸素種によって
引き起こされる皮膚の損傷を減ずる。
【0068】ゼアキサンチン−含有配合物は光または酸
素の存在下で光感受性および/または酸素感受性化合物
を安定化させ、ならびにそのような化合物に起こる損傷
を減らすために有効量で加えられる。
【0069】色素増強 本発明は、色素増強ゼアキサンチン−含有配合物および
該配合物を色素増強のために動物に適用する方法を提供
する。色素増強のためのゼアキサンチンの有効量は所望
の黄色から赤味を帯びた黄色を色を肉、皮膚、体の他の
部分および/または動物の卵黄に与える量である。もし
動物がゼアキサンチンをアスタキサンチンに転換するこ
とができれば、動物は赤の着色を示すであろう。本発明
に従い、藻類微生物はゼアキサンチンを生産するように
培養され、ゼアキサンチン−含有生物量パウダーは、上
記のように回収される。回収されたゼアキサンチン含有
パウダーは動物飼料に調合するためにゼアキサンチン−
含有配合物中に配合できる。好適なゼアキサンチン−含
有配合物は、動物飼料と混合されたゼアキサンチン−含
有生物量パウダーから成る。
【0070】本発明のひとつの態様において、ゼアキサ
ンチンを生産できるSpongiococcum微生物は培養され、
ゼアキサンチン-含有生物量パウダーは、ゼアキサンチ
ン-含有生物量パウダーを発酵培地から分離してゼアキ
サンチン-含有生物量を得、生成生物量を洗浄し、そし
て生物量を乾燥することによりことによって回収され
る。回収されたゼアキサンチン-含有生物量パウダー
は、限定的にではなく、家禽、魚および甲殻類を含む動
物に適用され、そのような動物の肉、皮膚、他の体の部
分および/または卵黄の色素を増強する。
【0071】好適な態様において、Spongiococcum ゼア
キサンチン-含有生物量パウダーは家禽飼料に混合され
る。家禽飼料へ添加されるパウダーの量は、パウダーの
全キサントフィル含量に基づく。好適なゼアキサンチン
-含有配合物は、飼料のトンあたり約10から約40グラム
の間のキサントフィルから成る。 最も好適な配合物は
飼料のトンあたり約4グラムのキサントフィルから成
る。
【0072】以下の実施例の結果は、説明の目的で提供
され本発明の範囲を制限することを意図しない。特に以
下の実施例中で説明される濃度、時間、温度および反応
条件のようなパラメーターは本発明の態様であり、限定
を意図するものでないことに留意されたい。そのような
パラメーターの適当な範囲は当業者の技術範囲である。
【0073】
【実施例1】ゼアキサンチン生産 S.excentricum HZ1236の単離 Spongiococcum excentricum ATCC No.40335 を、振盪フ
ラスコ発酵において、酵母エキス/ペプトン(YEP)培地
(3.0g/l 酵母エキス、5.0g/l ペプトン、および20g/l
グルコース)中 620 nm での吸光度(O.D.)が約1.0から2.
0の間になるまで、35℃で成長させた。10mlカルチャー
からの細胞を遠心により回収して滅菌クエン酸緩衝液
(0.1Mクエン酸ナトリウム、pH5.5)で2度洗浄した。細胞
を10mlのクエン酸緩衝液に再懸濁した。250μlの1μg/
μl NTGを懸濁細胞に加え、NTGの最終濃度を25μg/mlと
した。(これらの条件では典型的に65%から80%の細胞を
殺す。)細胞を35℃で30分間、暗中で緩やかに揺らすこ
とにより突然変異させた。突然変異の後、細胞懸濁液を
遠心し、細胞ペレットをクエン酸緩衝液で2度洗浄し
た。変異した細胞を、10mlのYEPに再懸濁し、35℃で一
昼夜インキュベートした。一晩の成長の後、およそ50コ
ロニーが100mmプレート上で成長する濃度に細胞カルチ
ャーをクエン酸緩衝液で希釈した。希釈したカルチャー
のアリコートは固相YEP培地(20g/l 寒天を含有するYEP
培地)を含有するプレート上に広げて撒かれ、5から7日
間35℃で成長させた。成長の後、コロニーを色に基づき
視覚的に数え、5μg/mlのナイスタチンを含有する新鮮
な固相YEPプレートに移し、さらに10日成長させてゼア
キサンチン生産物を選択した。オリーブ グリーンの藻
類微生物、S pongiococcum excentricum HZ 1236と言う
が、が5μg/mlのナイスタチン含有固相YEP培地で生育す
ることがわかり、単離した。振盪フラスコ中、YEP培地
中で生育させた時、S.excentricum HZ 1236は典型的に
全カロチノイド生産物の約10-15%をゼアキサンチンとし
て生産することが分かった。この株は典型的にゼアキサ
ンチン対ルテイン(Z:L)約0.15の割合でゼアキサンチン
およびルテインを生産することが分かった。これとは対
照的に、親株のS.excentricum ATCC No. 40335は典型的
に全カロチノイドの2-4%をゼアキサンチンとして、0.03
対0.06のZ:L比で生産する。
【0074】
【実施例2】ゼアキサンチン生産 S.excentricum HZ1236/274の単
S . excentricum HZ1236 を 実施例1に記載した条件を
使用してNTGに再びさらした。固相YEPプレート上で成長
するコロニーを7μg/mlのナイスタチンを含有する新鮮
な固相YEPプレート上に移し、より高いゼアキサンチン
量を生産する微生物を選択するためにさらに10日間生育
させることを除き、突然変異したコロニーを実施例1に
記載したように成長させた。 Spongiococcum excentric
um HZ1236/274はイエロー-グリーンのコロニーである
が、7μg/mlのナイスタチンを含有する固相YEPプレート
で成長することがわかり、単離した。実施例4の条件で
2リットルの培養器中で成長させた時、S. excentricum
HZ1236/274は典型的に乾燥細胞グラム重量あたり約3.5
mgのゼアキサンチンを生産することが分かった。典型的
に株の全カロチノイドの約50%がゼアキサンチンである
ことが分かった。 S.excentricum HZ1236/274は典型的
にはゼアキサンチンおよびルテインを約1.1のZ:L比
で生産することも分かった。
【0075】
【実施例3】ゼアキサンチン生産 S.excentricum HZ1236/538の単
S . excentricum HZ1236 を 実施例1に記載した条件を
使用してNTGに再びさらした。固相YEPプレート上で成長
するコロニーを55μMのデュロキノンを含有する新鮮な
固相YEPプレート上に移し、より高いゼアキサンチン量
を生産する微生物を選択するためにさらに10日間生育さ
せることを除き、突然変異したコロニーを実施例1に記
載したように成長させた。Spongiococcum excentricum
HZ1236/538はオレンジー-グリーンのコロニーである
が、55μMのデュロキノンを含有する固相YEPプレートで
成長することがわかり、単離した。実施例4の条件で2
リットルの培養器中で成長させた時、S. excentricum H
Z1236/538は典型的に乾燥細胞重量あたり約3mgのゼアキ
サンチンを生産することが分かった。典型的に株の全カ
ロチノイドの約40%がゼアキサンチンであることが分か
った。 S. excentricumHZ1236/538は典型的にはゼアキ
サンチンおよびルテインを約0.60のZ:L比で生産する
ことも分かった。
【0076】
【実施例4】植菌および培地調製 植菌はSpongiococcum excentricum HZ1236/274の株を使
用して調製された。初めに、960mlの脱イオン水中に6.0
g/lのデフコ酵母エキスおよび10.0g/lのバクト-ペプト
ンを含む酵母エキス/ペプトン(2X YEP)植菌培地を
調製した。混合物を121℃で25分間のオートクレーブで
殺菌した。オートクレーブにつづき、40mlの50%グルコ
ース溶液を加えた。 S. excentricum の単一コロニーを
200mlの上記植菌培地を含有する1リットルの振盪フラス
コ中に植菌した。フラスコは400rpmおよび35℃±1℃の
ギロトリー(gyrotory)振盪器中でインキュベートされ
た。フラスコは7から10の吸光度(620nmでの吸収)に達す
るまでインキュベートされた。
【0077】3.88g/lのKH2PO4,1.50g/lのアンベレック
ス(Amberex)酵母エキス、2.75g/lの(NH4)SO4および0.20
g/lのクエン酸を9lの脱イオン水に含有する発酵培地が
調製された。この溶液を60分間121℃でオートクレーブ
した。引き続き、オートクレーブした溶液は5g/lのグル
コース、5.0ml/lの痕跡金属8溶液(trace metal 8 solu
tion)、4.5ml/lのMgSO4・7H2O,および0.1g/lのFeSO4・7H2
O 中に入れられた。
【0078】痕跡金属8溶液は6.0リットルの脱イオン
溶液中に200mlの濃塩酸(97%)、114グラムのCaCl・2H2O、
12.3グラムの硫酸マンガン、0.314グラムの硫酸銅・5H
2O、1.6グラムの塩化コバルト・6H2O、9.12グラムのホウ
酸、17.65グラムの硫酸亜鉛・7H2O、0.48グラムのモリブ
テン酸ナトリウム・2H2O、0.8グラムの硫酸バナジル・2H2
O、0.4グラムの硝酸ニッケル・6H2O、0.4グラムのセレナ
イトナトリウムおよび2.5グラムのクエン酸ナトリウム
を含む。最後に固体が加えられて完全に溶解され、脱イ
オン水で最終容量10リットルにした。
【0079】発酵培地のpHは、約pH4.8であった。水酸
化アンモニウム溶液(14%)を使用して植菌前のpHをpH6.0
に合わせた。植菌前の条件は次のとおりである:温度36
℃±1℃;pH=6.0±0.2;撹拌=400rpm;通気=1 vvm;および
溶存酸素=100%飽和。
【0080】植菌は無菌状態で発酵容器に移された。容
器中の植菌の最終濃度は、容量で5%であった。初期吸光
度は約5.0であった。
【0081】栄養供給-バッチ相については、新鮮な発
酵培地供給は500g/lのグルコースを含み、これは40分間
121℃でオートクレーブされ、さらに引き続き28.57ml/l
のMgSO4・7H2Oおよび5.72ml/lのH3PO4が加えられた。
【0082】連続相新鮮発酵培地供給流は、滅菌グルコ
ースおよびグルコースのグラムあたり0.048グラムのKH2
PO4、グルコースのグラムあたり0.0025グラムのFeSO4・7
H2O、グルコースのグラムあたり 0.003グラムの無水ク
エン酸、グルコースのグラムあたり0.11mlの1モルMgSO4
・7H2O、およびグルコースのグラムあたり0.125mlの痕跡
金属8溶液を含む。
【0083】
【実施例5】Spongiococcum excentricum HZ1236/274を使用するゼア
キサンチン生産 以下の実施例はパイロットプラント発酵においてゼアキ
サンチンを生産するための上記工程パラメーターの使用
を説明する。
【0084】A.植菌の調製: 14リットルの発酵器に、31gのKH2PO4,30gのアンベレッ
クス695酵母エキス、22gの(NH4)2SO4、および1.0mlのMA
ZU204消泡剤を含有する7リットルの水を入れた。容器
の全内容物を121℃で90分間蒸気滅菌した。残りの栄養
素500mlを滅菌的に濾過し発酵器に入れた。この栄養素
溶液は、160gのグルコース、40mlの痕跡金属8溶液、9g
のMgSO4・7H2O、0.8gのFeSO4・7H2Oおよび1.6gのクエン酸
を含んだ。この発酵器を次にYEP(9g/l 酵母エキス、15g
/l ペプトンおよび10g/l グルコース)中の500mlのSpong
iococcum excentricum HZ1236/274 48時間 生育カルチ
ャーで植菌した。通気は操作を通して400-600 rpmの撹
拌により、1.0-1.2 vvmに保たれた。pHは無水アンモニ
アの添加により、6.0に制御された。
【0085】残存グルコースが約5g/lに減った時、以下
の成分から成る栄養素の供給が開始された。
【0086】 グルコース 320g/l KH2PO4 62g/l (NH4)SO4 44g/l 痕跡金属8 80ml/l MgSO4・7H2O 17.8g/l FeSO4・7H2O 1.6g/l クエン酸 3.2g/l この供給溶液は、発酵器の残存グルコースがが2-5g/lの
範囲にあるように維持された。約24時間の供給の後、生
物量は15-20g/lに蓄積し、パイロット発酵器に植菌する
ために使用した。
【0087】B.培地調製および滅菌 450リットル培養器を、シグマ コーン浸出液(600g--3.0
g/l)およびMAZU 204消泡剤(10ml--0.05ml/l)を含有する
水190リットルで満たした。この溶液を60分間121℃で滅
菌し、次に36℃に冷却した。以下の成分を次に5リット
ル(最終容量)の水に加え、全内容物をミリデスク滅菌フ
ィルターを通して無菌的に発酵器に加えた。
【0088】 培地成分 全添加量 最終濃度 水酸化カリウム (87.5%) 348g 1.83g/l リン酸 (85%) 625g 3.29g/l (NH4)2SO4 523g 2.75g/l MgSO4・7H2O 211g 1.11g/l 痕跡金属8溶液 950ml 5.0ml/l 培養器の容量を滅菌水で200リットルに合わせ、pHを無
水アンモニアでpH6.0に合わせた。
【0089】C.栄養供給−バッチ発酵相 この点で、14リットルの植菌容器の全内容物が450
リットルの発酵器に無菌的に移された。発酵器中の残存
グルコースレベルが5g/l(約12-15時間)に減少した時、
培養器への栄養源添加を開始した。この発酵の"栄養供
給-バッチ"部分中、残存グルコースを3.5g/lに維持する
ように2種の滅菌栄養供給流が無菌的に培養器に1:1の割
合で加えられた。2種の栄養供給流を以下に掲げる。
【0090】 供給溶液#1 供給溶液#2 グルコース (600g/l) リン酸(61g/l) FeSO4・7H2O (0.6g/l) 水酸化カリウム(34g/l) クエン酸 (1.2g/l) 痕跡金属8溶液 (96ml/l) NH4NO3 (42g/l) 栄養供給のこの期間中、pHを無水アンモニアの添加によ
りpH 6.0±0.2に制御し、溶存酸素を40%飽和以上に維持
した。栄養供給の約15時間後、生物量は25-30g/lに蓄積
し、カロチノイド生産の連続相が開始された。
【0091】D.連続発酵相 連続発酵相は、グルコース添加速度が成長制限となるよ
うにし、ならびに一度所望の希釈が達成されたら固定さ
れた希釈を維持することにより特徴付けられるものであ
る。この実施例では、目的希釈速度は0.045hr-1であっ
た。
【0092】発酵の栄養供給バッチ部分におけるよう
に、栄養源供給は2種の滅菌供給流から成り、これら供
給流の組成は以下に示される。この場合、しかしなが
ら、グルコース供給対塩類供給の比は、1:3.9に維持さ
れた。
【0093】 供給溶液#1 供給溶液#2 セレロース(Cerelose:600g/l) リン酸(6.1g/l) FeSO4・7H2O (0.6g/l) KOH(34g/l) クエン酸 (12g/l) MgSO4・7H2O (47g/l) 痕跡金属8溶液 (9.6ml/l) NH4NO3 (4.2g/l) 本実施例において、混合栄養源供給は、0.045hr-1の希
釈速度を与えるように開始された。希釈速度はつぎにこ
の水準で約80時間の連続操作について維持された。この
連続発酵相中、生物量のカロチノイドは平均0.53%であ
った。全カロチノイドの約40%がゼアキサンチンであっ
た。すなわち、この発酵において、S. ex centricum HZ1
236/274は、平均して乾燥細胞グラム重量あたり約2.1mg
のゼアキサンチンを生産した。記載された操作に関し、
累積的な容積測定の生産性は時間・リットル当たり3.9mg
のキサントフィルであった。
【0094】
【実施例6】家禽給餌試験 家禽給餌試験で、S. excentricum HZ1236/274 ゼアキ
サンチン−含有生物量パウダー(BioZea)、S. excentri
cum ATCC No.40335 キサントフィル含有生物量パウダ
ー(BioXan)およびマリーゴールド-基本キサントフィル
エキス(Chromophyll-Oro)の色素強化能力を比較した。
【0095】S. excentricum HZ1236/274およびS. exce
ntricum ATCC No.40335を実施例4および5に記載され
たように培養した。BioZeaは遠心により発酵培地からゼ
アキサンチン-生産微生物を分離し、そして生物量をス
プレー乾燥して3-5%の湿潤含量のゼアキサンチン-含有
生物量パウダーBioZeaを得ることで調製された。BioZea
は乾燥細胞グラム重量あたり7mgのキサントフィルを含
有し、その約50%がゼアキサンチンであった。BioXan
は、同様な方法で、しかしスプレー乾燥前に洗浄される
ことなく調製された。BioXanは乾燥細胞グラム重量あた
り7mgのキサントフィルを含有し、その約2-4%がゼアキ
サンチンであった。 Chromophyll-Oroをラボラトリオス
バイオキメックス、S.A.(Laboratorios Bioquimex)か
ら得た。この試験に使用したBioZea,BioXanおよびChrom
ophyll-Oroの量は全キサントフィル含量に基づき標準化
された。総数640の12日齢オスのGallus domesticsus
の市販ブロイラー鶏を10の処置群に分け、トン(t)あた
り以下のキサントフィル量の家禽飼料のひとつを18日間
給餌した:(1)なし;(2)10g/t BioZea;(3)20g/t BioZea;
(4)40g/t BioZea;(5)10g/t BioXan;(6)20g/t BioXan;
(7)40g/t BioXan;(8)10g/tChromophyll-Oro;(9) 20g/t
Chromophyll-Oro;および(10)40g/t Chromophyll-Oro。
家禽給餌組成を表Iに表す。
【0096】
【表I】 飼料および水は ad libitumに供給された。鳥は実験の
初めと終わりの両方で重さを測られた。実験の終わりに
鳥の脇腹の色素に関してミノルタクロマメーター(Minol
ta Chroma Meter)およびロッシュカラーファンテスト
(Roche Color Fan tests)の両方を使用して、試料の明
るさ、鮮明さおよび色合いを測定する標準アッセイを評
価した。この実験からの結果は表IIに示す。
【0097】
【表II】 処置群の羽毛および排泄物状態において差異は認められ
なかった。示すようにBioZeaで飼育された鶏は、Chromo
phyll-Oro またはBioXanのいずれかで飼育された鶏より
も、有意により所望する色素を表し、BioZeaが家禽に好
ましい色素強化物であることを示す。
【0098】本発明の種々の実施例を詳細に説明した
が、これらの態様の変更および適応が当業者に行われる
ことは明らかである。 しかし、このような変更および
適応が以下の請求の範囲に説明されるように、本発明の
範囲に含まれることが表現的に理解される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A23L 1/275 A23L 1/275 (C12P 23/00 C12R 1:89) (72)発明者 エリザベス・エイ・キャンベル アメリカ合衆国コロラド州80620,エヴ ァンズ,クレアーモント・アヴェニュー 3409 (72)発明者 リチャード・ディー・メドウィッド アメリカ合衆国コロラド州80526,フォ ート・コリンズ,ゼント・ドライヴ 2934 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 23/00 C12N 1/12 BIOSIS(DIALOG) CA(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼアキサンチンの製造方法であって: (a)有効な培地中で、Spongiococcum excentricum AT
    CC 番号 74108、ATCC番号 74109、ATCC 番号 74107 お
    よびそれらの突然変異株の性質と同定されることを有す
    Spongiococcum株からなる群から選択される藻類微生
    物であって、少なくとも乾燥細胞グラム重量あたり約
    0.35mgのゼアキサンチンを生産できる藻類微生物
    を培養し;そして (b)該微生物により生産されたゼアキサンチンを回収
    する、 工程から成る方法。
  2. 【請求項2】 上記微生物がSpongiococcum属である請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 Spongiococcum excentricum ATCC 番号
    74108、ATCC 番号 74109、ATCC 番号 74107 およびそれ
    らの突然変異株の性質と同定されることを有するSpongi
    ococcum株からなる群から選択される藻類微生物であっ
    て、少なくとも乾燥細胞グラム重量あたり約0.35m
    gのゼアキサンチンを生産できるSpongiococcum属の藻
    類微生物。
  4. 【請求項4】 少なくとも全カロチノイドの約5%をゼ
    アキサンチンとして生産できる請求項3に記載の藻類微
    生物。
  5. 【請求項5】 少なくとも乾燥細胞グラム重量あたり約
    1.75mgのゼアキサンチンを生産できる請求項3に
    記載の藻類微生物。
  6. 【請求項6】 少なくとも乾燥細胞グラム重量あたり約
    2.8mgのゼアキサンチンを生産できる請求項3に記
    載の藻類微生物。
  7. 【請求項7】 Spongiococcum excentricum HZ1236/274
    (ATCC 番号 74108)およびその突然変異株の性質と同定
    されることを有し、ここで該変異体は少なくとも乾燥細
    胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチンを
    生産できるSpongiococcum株。
  8. 【請求項8】 Spongiococcum excentricum HZ1236/437
    (ATCC 番号 74109)およびその突然変異株の性質と同定
    されることを有し、ここで該変異体は少なくとも乾燥細
    胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチンを
    生産できるSp ongiococcum株。
  9. 【請求項9】 Spongiococcum excentricum HZ1236/538
    (ATCC 番号 74107)およびその突然変異株の性質と同定
    されることを有し、ここで該変異体は少なくとも乾燥細
    胞グラム重量あたり約0.35mgのゼアキサンチンを
    生産できるSpongiococcum株。
  10. 【請求項10】 動物飼料の色素を強化するために請求
    項3に説明した藻類微生物を使用する方法であって、こ
    こで該方法が: (a)有効な培地中で、該微生物を培養しゼアキサンチ
    ンを生産させ; (b)該培養から該微生物を分離してゼアキサンチン−
    含有生物量を形成させ;そして (c)色素を強化するために該ゼアキサンチン−含有生
    物量を動物飼料に適用する、 ことから成る方法。
  11. 【請求項11】 上記動物飼料が家禽、魚及び甲殻類動
    物から成る群から選択される請求項10に記載の方法。
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