JP2002171917A - 養鶏用飼料及びそれを用いて養鶏生産物の色調を調整する方法 - Google Patents

養鶏用飼料及びそれを用いて養鶏生産物の色調を調整する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏卵や鶏肉、鶏皮などの養鶏生産物の色調
を、飼料原料の品種や収穫時期に左右されないで、需要
者の嗜好に合わせて自在に調整できかつその色調を安定
して維持できる養鶏用飼料及びそれを用いて養鶏生産物
の色調を地域や年毎の需要者の嗜好に合わせ、その購買
意欲をそそる色調のものに調整する方法を提供する。 【解決手段】 キサントフィルを実質的に含有していな
い飼料原料だけで構成した飼料に、赤色系キサントフィ
ル着色料(パプリカ及びその関連物質、赤色酵母及びそ
の関連物質など)と黄色系キサントフィル着色料(マリ
ーゴールド及びその関連物質、スピルリナ及びその関連
物質など)とをそれぞれ1種以上添加してある養鶏用飼
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養鶏用飼料及びそ
れを用いて養鶏生産物の色調を調整する方法に関する。
本発明に係る養鶏用飼料及びそれを用いて養鶏生産物の
色調を調整する方法は、採卵用鶏、ブロイラーなどの肉
用鶏、採卵用育成鶏、種鶏用育成鶏、及びこれらの大雛
や中雛などの鶏一般に対して好適に使用できる。
【0002】鶏の卵黄、脛、皮膚、肉の色調は、給与さ
れる飼料中に含まれるキサントフィル量に影響される。
また、これら養鶏生産物の色調の度合いは、その時々の
需要者の嗜好傾向によって変化する。例えば、卵黄の色
は、かっては黄色が好まれたが、最近ではこれに赤色が
混じているものが好まれるようになっている。また、育
成鶏については、脛の色の黄色が濃いものが健康の証し
とみなされている。さらに、ブロイラーの肉の色は薄け
れば薄いほど、また、その脂肪や皮膚の色は白いほど好
まれていたが、最近は、肉の色は、やや赤みのあるもの
が好まれるようになっている。すなわち、最近では、鶏
卵、鶏肉、鶏皮などの養鶏生産物は、黄色をやや抑えて
赤色を少し強化してある落ちついた色調のものが、需要
者に好まれる傾向にある。しかしながら、これら養鶏生
産物の色調に対する需要者の嗜好は地域や周年によって
も異なるので、いつでもどこでも一定の状態にすればよ
いというものではなく、地域や年毎の需要者の嗜好に合
わせて、また鶏の品種に合わせて適宜に調整する必要が
ある。
【0003】平成12年9月12日付の日本経済新聞
は、千葉県が、ニワトリに与える飼料の中に「イタリア
ンライグラス」を混ぜ合わせることによって、通常卵の
約15倍量のβカロチン(卵黄100g中に約200μ
g)を含有する鶏卵を開発した旨を報じている。このよ
うに、鶏卵などの色調や品質の改善の要望は根強いもの
がある。
【0004】
【従来の技術】養鶏生産物の色調の源となるキサントフ
ィルは、飼料中の一般原料であるトウモロコシ、アルフ
ァルファミール、コーングルテンミールなどから供給さ
れる。また、これら一般飼料原料の配合だけでは発色が
不足するときは、卵黄着色剤と呼ばれるキサントフィル
を多く含有する物質を少量添加している。また、最近で
は、これら卵黄着色剤を養鶏用飼料に添加した場合の鶏
卵や鶏肉の色調改善効果に関する研究や報文も散見され
るようになった。
【0005】しかし、上記の一般飼料原料に卵黄着色剤
を添加しただけでは、需要者の好みの色調、例えば、卵
黄については鮮やかな赤色、ブロイラーでは脂肪及び皮
膚の色は白いままで肉の色を赤くするとか、育成鶏では
赤みを少し帯びた、より鮮やかな黄色の脛のものなどを
常時安定的に作り出せる養鶏用飼料を供給することは困
難である。最近の養鶏用飼料には、需要者の好みに応え
るべく、上記の卵黄着色料を添加したものも販売されて
いるが、需要者や生産者の満足を得られる色調の養鶏生
産物が常時安定して得ることができる養鶏用飼料は、ま
だ開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記の問
題点の解決を指向して鋭意研究の結果、従来から養鶏用
飼料に用いられている一般原料は収穫時の季節や天候や
品種によってキサントフィル含量が変動することに着目
し、養鶏用飼料の一般原料からキサントフィルを実質的
に含有する原料を除去した上で、飼料原料中に、パブリ
カ及びその関連物質、マリーゴールド及びその関連物
質、赤色酵母及びその関連物質、スピルリナ及びその関
連物質などのキサントフィル着色料を1種又は2種以上
を加配したところ、鶏卵、ブロイラーの肉、脂肪、皮
膚、育成鶏の脛などに望ましい色調が得られ、しかもそ
の色調を安定に維持できることを見いだした。本発明者
は、上記の知見に基づいてさらに研究を続け、本発明を
完成するに至った。
【0007】本発明は、鶏卵や鶏肉、鶏皮などの養鶏生
産物の色調を、飼料原料の品種や収穫時期に左右されな
いで、需要者の嗜好に合わせて自在に調整できかつその
色調を安定して維持できる養鶏用飼料及びそれを用いて
養鶏生産物の色調を地域や年毎の需要者の嗜好に合わ
せ、その購買意欲をそそる色調のものに調整する方法を
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明のうち、請求項1に記載する発明は、キサン
トフィルを実質的に含有していない飼料原料だけで構成
した飼料に、赤色系キサントフィル着色料と黄色系キサ
ントフィル着色料とをそれぞれ1種以上添加してある養
鶏用飼料である。
【0009】また、請求項2に記載する発明は、請求項
1に記載の家禽用飼料において、飼料原料として、黄色
トウモロコシ、黄色コーングルテンミール、黄色コーン
グルテンフィード、アルファルファミール、ニセアカシ
アリーフミール、マリーゴールド又はマリーゴールド花
弁ミール、藻類以外の原料で構成してある養鶏用飼料で
ある。
【0010】また、請求項3に記載する発明は、請求項
1又は2に記載の養鶏用飼料において、キサントフィル
を実質的に含有していない飼料原料として、マイロ、小
麦、ライ麦、キャッサバミール、大豆、アマニ、魚粉、
肉骨粉のうちの1種以上を使用してある養鶏用飼料であ
る。
【0011】さらに、請求項4に記載する発明は、請求
項1から3のいずれかに記載の養鶏用飼料において、赤
色系キサントフィル着色料として、パプリカ及びその関
連物質、赤色酵母及びその関連物質のうちの1種以上を
用いてあり、黄色系キサントフィル着色料として、マリ
ーゴールド及びその関連物質、スピルリナ及びその関連
物質のうちの1種以上を用いてある養鶏用飼料である。
【0012】さらに、請求項5に記載する発明は、請求
項1から4のいずれかに記載の養鶏用飼料を鶏に給与し
て鶏卵の色調を調整する方法である。
【0013】さらに、請求項6に記載する発明は、請求
項1から4のいずれかに記載の養鶏用飼料を鶏に給与し
て鶏肉の色調を調整する方法である。
【0014】以下、本発明の家禽用飼料について、さら
に詳細に説明する。本発明の家禽用飼料は、基本的に
は、キサントフィルを実質的に含有していない飼料原料
だけで構成する。尚、キサントフィルとは、カロチノー
ルとも言い、水酸基を有するカロチノイド、すなわち、
カロチノイドアルコール類のことである。(化学大辞典
参照)
【0015】キサントフィルを多量に含有している飼料
原料としては、マリーゴールド又はマリーゴールド花弁
ミール(キサントフィル含量約7000mg/kg:
尚、以下の( )内の数値はキサントフィル含量を表
す。)、クロレラ(約4000mg/kg)、藻類(2
000mg/kg)、パプリカ(約800mg/k
g)、人工乾燥クローバーミール(約490mg/k
g)、昆布粉末(約400mg/kg)、ギンネムリー
フミール(約350mg/kg)、黄色コーングルテン
ミール(約330mg/kg)、アルファルファミール
(約300mg/kg)、ニセアカシアリーフミール
(約280mg/kg)、乾燥トウガラシ(約185m
g/kg)、レークウイードミール(約120mg/k
g)、乾燥ニンジン(約65mg/kg)、乾燥サツマ
イモ(約55mg/kg)、黄色コーングルテンフィー
ド(約37mg/kg)、黄色トウモロコシ(約18m
g/kg)などが知られている。尚、黄色トウモロコシ
は、アメリカ産のものよりもアルゼンチン産のものの方
がキサントフィル含量が多い傾向を示す。したがって、
本発明の家禽用飼料には、これらのキサントフィルを多
量に含有している飼料原料を使用してはならず、具体的
には、マイロ、小麦、ライ麦、麦芽、大豆及び大豆粕、
キャッサバミール、アマニ粕、魚粉、肉骨粉、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウムなどを飼料原料として使用す
る。
【0016】キサントフィルは、大豆や大豆粕には全く
含まれていないが、アマニ粕圧縮物やパン屑、トウモロ
コシジスチラーズグレインやトウモロコシジスチラーズ
ソリュブルなどにはそれぞれ2mg/kg程度、ホミニ
ーフィードには4mg/kg程度のキサントフィルが含
まれていることが知られている。また、トウモロコシジ
スチラーズグレインソリュブルには10mg/kg程度
のキサントフィルが含まれている。したがって、本発明
でいう「キサントフィルを実質的に含有していない飼料
原料」とは、上記の飼料原料までも排除するという意味
ではない。すなわち、本発明の家禽用飼料における「キ
サントフィルを実質的に含有していない飼料原料だけで
構成する」とは、キサントフィル着色料を添加する前の
段階において、飼料原料全体としてキサントフィル含量
が2mg/kg、多くても6mg/kg未満になるので
あれば、キサントフィルを少量含有する原料(例えば、
上記の飼料原料)を使用しても差し支えないという意味
である。
【0017】本発明の養鶏用飼料は、上記のとおり、キ
サントフィルを実質的に含有していない飼料原料だけで
構成した上で、あらためて、その飼料原料に対して、キ
サントフィル着色料を添加する。キサントフィル着色料
とは、キサントフィル類色素(ルテイン、カプサンチ
ン、アスタキサンチン、ビキニン、ソルビキニン、ゼア
キサンチン、クリプトキサンチン、フコキサンチンな
ど)を主成分として含有する着色性を有する物質のこと
であり、先に説明の卵黄着色剤もこれに含まれる。キサ
ントフィル着色料の具体例としては、パプリカ(主成分
はトランスカプサンチン)及びその関連物質、赤色酵母
(主成分はアスタキサンチン)及びその関連物質、スピ
ルリナ(主成分はゼアキサンチン)及びその関連物質、
マリーゴールド(日本名はキンセン花で、主成分はルテ
イン)及びその関連物質などを挙げることができる。
【0018】キサントフィル着色料は、赤色系キサント
フィル着色料と黄色系キサントフィル着色料とに大別さ
れる。すなわち、赤色系キサントフィル着色料には、パ
プリカ及びその関連物質(飼料としての具体例:パプリ
カ粉末、パプリカミールをヘキサンで抽出したパプリカ
抽出処理物など)や赤色酵母とその関連物質(飼料とし
ての具体例:エビ殻、カニ殻、赤色酵母及びその酵素処
理物など)があり、黄色系キサントフィル着色料として
は、スピルリナ及びその関連物質(飼料としての具体
例:藍藻類など)、マリーゴールド及びその関連物質
(飼料としての具体例:マリーゴールド、マリーゴール
ド花弁ミール、マリーゴールドの花弁をヘキサンで抽出
したマリーゴールド抽出処理物など)が知られている。
【0019】本発明において、キサントフィル着色料
は、赤色系キサントフィル着色料と黄色系キサントフィ
ル着色料とをそれぞれ1種以上適宜組み合わせて添加す
る。具体的な組み合わせとしては、例えば、パプリカ抽
出処理物とマリーゴールド抽出処理物の併用とか、赤色
酵母とマリーゴールド抽出処理物の併用などが好まし
い。また、パプリカ抽出処理物と赤色酵母酵素処理物と
マリーゴールド抽出処理物というように、3者併用にし
ても差し支えない。添加量としては、家禽生産物の色調
を調整する目的に応じて、飼料原料の全体に対して、そ
れぞれ0.1〜0.01%程度添加すればよい。
【0020】すなわち、飼料1kg中に添加するキサン
トフィル量として、好ましい組み合わせ量は、以下のと
おりである。 赤色系キサントフィル着色料 黄色系キサントフィル着色料 採卵鶏用飼料 0.5〜15mg 2.0〜16mg 育成鶏用飼料 2.5〜30 10.0〜80 ブロイラー用飼料 2.5〜30 10.0〜80
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び試験例
をもってさらに詳細に説明する。尚、本発明の全説明に
おいて、「%」や「部」の表示は、特に断らないかぎ
り、どちらも重量割合(重量%、重量部)を示す。
【0022】
【実施例1】 《採卵鶏用飼料の原料配合例》 (単位:部) 対照区 実施例区 <キサントフィル着色料 無添加区 パプリカ区 MRGD区> 黄色トウモロコシ 53.3 0 0 マイロ 7 58.5 58.5 脱脂米ぬか 2.5 2 2 黄色コーングルテンフィード 0 0 0 アルファルファミール 1 0 0 なたね油かす 3 3 3 大豆油かす 15.0 20.2 20.2 黄色コーングルテンミール 4 0 0 魚粉 3 3 3 肉骨粉 0 0 0 炭酸カルシウム 7.75 7.73 7.799 リン酸カルシウム 1.1 1.1 1.1 飼料用油脂 2.3 3.8 3.8 微量添加物 0.55 0.55 0.55 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0 0.1 0 マリーゴールド抽出処理物 0 0.02 0.035 赤色酵母 0 0 0.016 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0023】
【比較例1】 《採卵鶏用飼料の原料配合比較例》 (単位:部) キサント含有飼料 キサント無含有飼料 <キサントフィル着色料 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区> 黄色トウモロコシ 53.3 0 0 マイロ 7 58.5 58.5 脱脂米ぬか 2.0 2.0 2.0 黄色コーングルテンフィード 0 0 0 アルファルファミール 1 0 0 なたね油かす 3.0 3.0 3.0 大豆油かす 15.0 20.2 20.2 黄色コーングルテンミール 4 0 0 魚粉 3 3 3 肉骨粉 0 0 0 炭酸カルシウム 7.69 7.75 7.83 リン酸カルシウム 1.1 1.1 1.1 飼料用油脂 2.3 3.8 3.8 微量添加物 0.55 0.55 0.55 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0.05 0.1 0 マリーゴールド抽出処理物 0.01 0 0.02 赤色酵母 0 0 0 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0024】
【実施例2】 《採卵育成鶏用飼料の原料配合例》 (単位:部) 対照区 実施例区 <キサントフィル着色料 無添加区 パプリカ区 MRGD区> 黄色トウモロコシ 48.3 0 0 マイロ 15 65.0 65.0 脱脂米ぬか 6 11.5 11.5 黄色コーングルテンフィード 8 0 0 アルファルファミール 0 0 0 なたね油かす 2.0 2.0 2.0 大豆油かす 15.3 15.8 15.8 黄色コーングルテンミール 0 0 0 魚粉 1 1 1 肉骨粉 0 0 0 炭酸カルシウム 2.70 2.57 2.60 リン酸カルシウム 0.50 0.50 0.50 飼料用油脂 0.7 1.0 1.0 微量添加物 0.50 0.50 0.50 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0 0.1 0 マリーゴールド抽出処理物 0 0.03 0.033 赤色酵母 0 0 0.067 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0025】
【比較例2】 《採卵育成鶏用飼料の原料配合比較例》 (単位:部) キサント含有飼料 キサント無含有飼料 <キサントフィル着色料 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区> 黄色トウモロコシ 48.3 0 0 マイロ 15 65.0 65.0 脱脂米ぬか 6.0 11.5 11.5 黄色コーングルテンフィード 8.0 0 0 アルファルファミール 0 0 0 なたね油かす 2.0 2.0 2.0 大豆油かす 15.3 15.8 15.8 黄色コーングルテンミール 0 0 0 魚粉 1 1 1 肉骨粉 0 0 0 炭酸カルシウム 2.63 2.60 2.67 リン酸カルシウム 0.50 0.50 0.50 飼料用油脂 0.70 1.0 1.0 微量添加物 0.50 0.50 0.50 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0.05 0.1 0 マリーゴールド抽出処理物 0.02 0 0.03 赤色酵母 0 0 0 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0026】
【実施例3】 《ブロイラー用飼料の原料配合例》 (単位:部) 対照区 実施例区 <キサントフィル着色料 無添加区 パプリカ区 MRGD区> 黄色トウモロコシ 43.7 0 0 マイロ 20 63.5 63.5 脱脂米ぬか 0 0 0 黄色コーングルテンフィード 0 0 0 アルファルファミール 0 0 0 なたね油かす 2.0 2.0 2.0 大豆油かす 21.0 20.5 20.5 黄色コーングルテンミール 0 0 0 魚粉 3.0 3.0 3.0 肉骨粉 4 4 4 炭酸カルシウム 0.70 0.66 0.735 リン酸カルシウム 0.10 0.10 0.10 飼料用油脂 5.0 5.5 5.5 微量添加物 0.50 0.50 0.50 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0 0.2 0 マリーゴールド抽出処理物 0 0.04 0.04 赤色酵母 0 0 0.125 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0027】
【比較例3】 《ブロイラー用飼料の原料配合比較例》 (単位:部) キサント含有飼料 キサント無含有飼料 <キサントフィル着色料 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区> 黄色トウモロコシ 43.7 0 0 マイロ 20.0 63.7 63.7 脱脂米ぬか 0 0 0 黄色コーングルテンフィード 0 0 0 アルファルファミール 0 0 0 なたね油かす 2.0 2.0 2.0 大豆油かす 21.0 20.5 20.5 黄色コーングルテンミール 0 0 0 魚粉 3.0 3.0 3.0 肉骨粉 4 4 4 炭酸カルシウム 0.58 0.50 0.66 リン酸カルシウム 0.10 0.10 0.10 飼料用油脂 5.0 5.5 5.5 微量添加物 0.50 0.50 0.50 <キサントフィル着色料> パプリカ抽出処理物 0.1 0.2 0 マリーゴールド抽出処理物 0.02 0 0.04 赤色酵母 0 0 0 ───────────────────────────────── 合計 100 100 100
【0028】上記の実施例1から実施例3のパプリカ区
とMRGD区(マリーゴールド区)の配合は、それぞ
れ、本発明の養鶏用飼料の原料配合例を示す。また、実
施例1から実施例3において、「パプリカ区」とは、キ
サントフィルを実質的に含有する飼料原料(上記各実施
例では、黄色トウモロコシ、黄色コーングルテンフィー
ド、黄色コーングルテンミール、アルファルファミー
ル)を使用せず、主原料として、マイロを50〜65%
程度使用し、これに脱脂米ぬか、なたね油かす、大豆油
かす、魚粉又は肉骨粉、各種カルシウム類を加えて構成
した飼料に、キサントフィル着色料として、赤色系のパ
プリカ抽出処理物と黄色系のマリーゴールド(MRG
D)抽出処理物とを併用添加した飼料区である。また,
「MRGD区」とは、上記「パプリカ区」と同様の主要
原料で構成した飼料に、キサントフィル着色料として、
赤色系の赤色酵母と黄色系のマリーゴールド(MRG
D)抽出処理物とを併用添加した飼料区である。また
「無添加区」とは、キサントフィルを実質的に含有する
飼料原料として黄色トウモロコシを全体の40〜60%
程度使用し、キサントフィル着色料を全く添加していな
い飼料区である。
【0029】また、上記の比較例1から比較例3におい
て、それぞれ、「パプリカ単一区」とは、キサントフィ
ルを実質的に含有する飼料原料(上記の各実施例では
「キサント含有飼料」とも略記:黄色トウモロコシ、黄
色コーングルテンフィード、黄色コーングルテンミール
など)を使用せず、主原料として、マイロを50〜65
%程度使用し、これに脱脂米ぬか、大豆油粕、魚粉又は
肉骨粉、各種カルシウム類を加えて構成した飼料に、キ
サントフィル着色料として、赤色系のパプリカ抽出処理
物だけを添加した飼料区である。また、「MRGD単一
区」とは、上記の「パプリカ単一区」と同様の主要原料
で構成した飼料に、キサントフィル着色料として、黄色
系のマリーゴールド(MRGD)抽出処理物だけを添加
した飼料区である。また「併用区」とは、キサントフィ
ルを実質的に含有する飼料原料として黄色トウモロコシ
(アメリカ産又はアルゼンチン産のもの)を全体の40
〜60%程度使用し、その上で、キサントフィル着色料
として、赤色系のパプリカ抽出物と黄色系のマリーゴー
ルド抽出処理物とを併用添加した飼料区である。
【0030】
【試験例1】実施例1の原料配合で製した飼料(パプリ
カ区、MRGD区、無添加区とも)を採卵鶏10羽に給
与して、3週間経過後に採卵した卵黄の色調をロシュカ
ラーファンに基づいて測定し、表1の結果を得た。
【0031】
【表1】 《実施例1の飼料を給与した採卵鶏の「卵黄」のロシュカラーファンによる色調 測定値》 採卵鶏 対照区 実施例区 の番号 無添加区 パプリカ区 MRGD区 1 9.0 11.0 11.5 2 9.5 11.0 11.0 3 10.0 11.5 10.5 4 8.5 11.5 11.5 5 10.0 10.5 12.0 6 8.5 11.5 12.0 7 9.0 12.0 11.0 8 9.0 11.5 10.5 9 9.5 11.0 11.5 10 9.0 11.5 11.5 ───────────────────────────────── <10羽の平均値> 9.2 11.3 11.3
【0032】表1から、実施例1のパプリカ区(キサン
トフィルを実質的に含有していない飼料原料だけで構成
した飼料にパプリカ抽出処理物とマリーゴールド抽出処
理物を添加してある飼料区)とMRGD区(キサントフ
ィルを実質的に含有していない飼料原料だけで構成した
飼料に赤色酵母とマリーゴールド抽出処理物を添加して
ある飼料区)の飼料を給与した産卵鶏は、無添加区(キ
サントフィルを多量に含有する通常の飼料原料で構成
し、キサントフィル着色料は無添加の飼料区)に比べ
て、10羽全ての卵黄のロシュカラーファンナンバーが
高くなったことが理解できる。
【0033】
【試験例2】比較例1の原料配合で製した飼料(パプリ
カ単一区、MRGD単一区、併用区とも)を採卵鶏10
羽に給与して、3週間経過後に採卵した卵黄の色調をロ
シュカラーファンに基づいて測定し、表2の結果を得
た。尚、本試験例では、併用区の主原料である黄色トウ
モロコシについて、アメリカ産のものを使用した場合と
アルゼンチン産のものを使用した場合に別けて、それぞ
れ試験した。
【0034】
【表2】 《比較例1の飼料を給与した採卵鶏の「卵黄」のロシュカラーファンによる色調 測定値》 採卵鶏 併用区の黄色トウモロコシ種別 の番号 アメリカ産 アルゼンチン産 パプリカ単一区 MRGD単一区 1 10.5 10.0 11.0 9.5 2 9.5 10.5 11.0 10.0 3 10.0 10.5 11.5 9.0 4 10.0 11.0 10.5 10.0 5 10.0 10.5 12.0 9.0 6 10.5 10.5 10.5 9.0 7 10.0 11.0 11.0 9.5 8 10.5 11.5 11.5 10.0 9 11.0 10.0 11.0 9.0 10 9.5 10.0 12.0 9.5 ────────────────────────────────── <10羽の平均値> 10.2 10.6 11.3 9.5
【0035】表2から、比較例1のパプリカ単一区(キ
サントフィルを実質的に含有していない飼料原料だけで
構成した飼料にパプリカ抽出処理物のみを添加してある
飼料区)の飼料を給与した採卵鶏の卵黄の色調は、試験
例1のパプリカ区の飼料を給与した採卵鶏の卵黄(表
1)と有為差がなく、また、MRGD単一区(キサント
フィルを実質的に含有していない飼料原料だけで構成し
た飼料にマリーゴールド(MRGD)抽出物のみを添加
してある飼料区)の飼料を給与した採卵鶏や、併用区
(キサントフィルを多量に含有する通常の飼料原料で構
成し、赤色酵母とマリーゴールド抽出処理物を併用添加
してある飼料区)の飼料を給与した採卵鶏の卵黄は、試
験例1のパプリカ区や赤色酵母区の卵黄に比べて、明ら
かにロシュカラーファンナンバーが低いことが理解でき
る。
【0036】
【試験例3】試験例1で採卵した卵黄(実施例1の飼料
を給与した採卵鶏の卵黄)の色調を色差計(ミノルタ社
製色彩色差計R200b)で測定し、表3の結果を得
た。尚、表3〜表5におけるL値、a値、b値は、それ
ぞれ以下の事項を示す。 L: 明るさ L値が低いと落ちついた色に見える。 a: 赤色が濃くなると上がる。a値が高いことが望ま
しい。 b: 黄色が濃くなると上がる。
【0037】
【表3】 《実施例1の飼料を給与した採卵鶏の「卵黄」の色差計による色調測定値》 対照区 実施例区 無添加区 パプリカ区 MRGD区 L a b L a b L a b 62.3 -1.6 37.5 56.3 3.9 45.1 58.2 2.8 49.6 58.8 -0.8 40.0 58.3 3.3 44.1 56.1 3.2 40.4 57.1 -0.4 35.6 55.2 1.7 40.7 58.0 3.1 40.1 60.8 -0.9 46.8 57.4 2.2 39.7 57.2 2.4 44.1 58.8 -1.2 38.9 58.3 2.4 44.2 58.3 2.9 40.2 60.8 -2.2 42.8 57.9 2.8 42.4 57.0 2.1 45.5 61.4 -0.3 42.8 56.3 3.4 41.0 56.0 3.4 42.8 62.7 -2.1 42.3 54.9 0.4 42.0 57.7 4.0 39.7 57.5 -0.5 43.0 57.5 4.1 44.9 55.3 0.7 42.0 56.9 -0.2 39.9 57.4 3.4 41.7 58.0 2.3 39.3 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 59.7 -1.0 41.0 57.0 2.8 42.6 57.2 2.7 42.4
【0038】表3から、パプリカ区(キサントフィルを
実質的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に
パプリカ抽出処理物とマリーゴールド抽出処理物を添加
してある飼料区)とMRGD区(キサントフィルを実質
的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に赤色
酵母とマリーゴールド抽出処理物を添加してある飼料
区)の飼料を給与した採卵鶏は、無添加区(キサントフ
ィルを多量に含有する通常の飼料原料で構成しキサント
フィル着色料は無添加の飼料区)に比べて、10羽全て
の卵黄が、a値は少し上昇しているがL値とb値がやや
低くなっていて、落ちついた色調の卵黄となっているこ
とが理解できる。
【0039】
【試験例4】試験例2で採卵した卵黄(比較例1の飼料
を給与した採卵鶏の卵黄)の色調を色差計で測定し、表
4の結果を得た。尚、併用区においては、アメリカ産の
黄色トウモロコシを主原料として使用した。
【0040】
【表4】 《比較例1の飼料を給与した採卵鶏の「卵黄」の色差計による色調測定値》 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区 L a b L a b L a b 57.8 -1.7 42.8 62.0 2.0 42.2 59.2 -2.7 39.5 54.2 1.0 38.0 55.4 1.8 40.5 58.0 -1.2 42.0 55.4 -0.3 41.9 59.2 3.8 44.2 56.0 0.0 37.6 58.8 -1.8 43.7 57.2 4.0 40.6 60.5 1.6 48.8 52.8 0.3 37.6 58.9 3.4 44.2 57.9 -1.2 40.9 57.1 -1.0 42.2 57.6 4.4 41.1 60.4 0.9 44.8 57.3 -0.2 41.8 58.8 1.8 40.3 60.0 0.0 44.8 59.9 -0.1 44.6 58.6 1.7 42.0 58.6 0.2 44.3 60.0 -1.0 43.6 55.9 3.4 36.3 56.3 1.0 45.0 52.4 0.7 41.3 58.6 2.0 45.2 55.8 0.8 41.9 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 56.6 -0.4 41.7 58.2 2.8 41.7 58.3 -0.1 43.0
【0041】
【試験例5】実施例3の原料配合で製した飼料(パプリ
カ区、MRGD区、無添加区とも)をブロイラーに給与
し、5週間経過後に採肉した胸肉の色調を色差計で測定
し、表5の結果を得た。
【0042】
【表5】 《実施例3の飼料を給与したブロイラーの「胸肉」の色差計による色調測定値》 対照区 実施例区 無添加区 パプリカ区 MRGD区 L a b L a b L a b 50.5 2.8 2.6 45.1 2.9 1.1 44.2 3.3 1.3 49.8 3.6 3.3 52.1 4.2 2.5 47.1 4.0 2.3 50.9 2.7 2.7 52.8 3.9 1.4 46.1 4.5 2.0 47.4 3.7 3.7 45.4 4.5 1.6 48.2 4.1 1.4 49.6 5.0 3.6 47.7 4.4 2.1 48.0 3.5 3.0 50.2 2.7 3.8 49.1 3.6 2.9 48.7 4.3 2.0 52.8 1.3 4.0 49.4 4.4 1.8 46.5 4.6 1.5 53.8 2.0 3.1 47.7 4.6 2.6 53.5 4.2 1.8 46.3 3.6 4.0 48.3 4.3 2.7 53.2 4.3 2.4 58.2 2.6 6.2 45.3 3.4 1.1 46.3 3.2 1.2 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 51.0 3.0 3.7 48.3 4.0 2.0 48.2 4.0 1.9
【0043】表5から、パプリカ区(キサントフィルを
実質的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に
パプリカ抽出処理物とマリーゴールド抽出処理物を添加
してある飼料区)とMRGD区(キサントフィルを実質
的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に赤色
酵母とマリーゴールド抽出処理物を添加してある飼料
区)の飼料を給与したブロイラーは、無添加区(キサン
トフィルを多量に含有する通常の飼料原料で構成し、キ
サントフィル着色料は無添加の飼料区)に比べ、10羽
全ての胸肉が、a値は少し上昇しているがL値とb値が
やや低くなっていて、落ちついた色調の胸肉となってい
ることが理解できる。
【0044】
【試験例6】比較例3の原料配合で製した飼料(パプリ
カ単一区、MRGD単一区、併用区とも)をブロイラー
に給与し、5週間経過後に採肉した胸肉の色調を色差計
で測定し、表6の結果を得た。尚、併用区においては、
アメリカ産黄色トウモロコシを主原料として使用した。
【0045】
【表6】 《比較例3の飼料を給与したブロイラーの「胸肉」の色差計による色調測定値》 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区 L a b L a b L a b 49.2 3.1 2.9 48.5 3.5 0.8 45.9 1.1 4.9 50.1 3.8 6.3 45.5 4.4 1.0 45.7 1.6 3.5 52.6 3.0 3.5 45.0 3.5 2.1 48.8 2.6 3.3 53.7 4.2 4.1 50.0 4.1 2.3 52.7 2.1 3.8 46.4 2.8 2.8 52.4 4.6 1.7 48.3 3.0 4.3 58.0 3.7 4.1 49.4 4.2 1.9 53.1 2.8 5.3 47.4 2.2 3.8 50.8 3.5 2.6 49.7 3.0 3.9 50.7 2.3 5.7 47.4 3.0 2.3 53.4 2.8 4.7 49.7 2.8 3.5 49.2 4.1 2.0 48.3 2.7 5.1 50.3 4.7 3.4 50.6 3.8 1.7 44.8 2.3 3.2 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 50.8 3.3 4.0 48.9 3.9 1.8 49.1 2.4 4.2
【0046】表6から、キサントフィルを実質的に含有
していない飼料原料だけで構成した飼料に赤色系キサン
トフィル着色料の一種であるパプリカ抽出処理物のみを
添加したパプリカ単一区では、a値が上昇して、ブロイ
ラー胸肉の赤みは強化されるが、b値が減少しており、
赤みが強く出すぎて、好ましい色調の美しい生産物が得
られないことが理解される。また、キサントフィルを実
質的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に黄
色系キサントフィル着色料の一種であるマリーゴールド
抽出処理物のみを添加したMRGD単一区では、b値が
上昇して、黄色みは強化されるが、赤色が不足し、その
結果、胸肉は鮮度が低く見え、好ましい色調の胸肉とは
ならないことが理解される。
【0047】
【試験例7】実施例2の原料配合で製した飼料(パプリ
カ区、MRGD区、無添加区とも)を大雛に給与して、
6週間経過後にその脛肉の色調を色差計で測定し、表7
の結果を得た。
【0048】
【表7】 《実施例2の飼料を給与した大雛の「脛色」の色差計による色調測定値》 対照区 実施例区 無添加区 パプリカ区 MRGD区 L a b L a b L a b 73.7 -0.8 40.2 71.0 1.4 41.2 71.5 1.3 41.1 71.9 1.8 35.3 72.6 2.3 38.0 70.3 2.5 37.5 74.2 -1.9 42.5 73.6 1.6 37.5 71.3 1.7 37.1 74.3 -1.0 39.6 72.3 1.4 36.1 71.1 1.8 37.0 74.0 0.3 38.2 71.6 1.6 42.1 69.8 2.7 42.2 75.4 -1.4 39.9 71.0 1.0 37.1 70.9 1.0 38.1 71.9 1.4 43.1 71.1 0.7 33.1 69.3 1.5 33.0 73.7 0.2 39.0 74.4 -1.6 37.6 73.3 0.0 38.0 73.3 -0.5 40.1 68.0 3.1 39.4 70.5 2.3 31.6 73.4 0.7 43.5 72.4 2.1 41.7 70.3 1.2 41.5 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 73.5 -0.1 40.1 71.8 1.4 38.4 70.8 1.6 37.7
【0049】表7から、パプリカ区(キサントフィルを
実質的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に
パプリカ抽出処理物とマリーゴールド抽出処理物を添加
してある飼料区)とMRGD区(キサントフィルを実質
的に含有していない飼料原料だけで構成した飼料に赤色
酵母とマリーゴールド抽出処理物を併用添加してある飼
料区)の飼料を給与した大雛は、対照区(キサントフィ
ルを多量に含有する通常の飼料原料で構成しキサントフ
ィル着色料は無添加の飼料区)に比べ、10羽全ての脛
の色が、a値は少し上昇しているがL値とb値がやや低
くなっていて、落ちついた色調の脛になっていることが
理解できる。
【0050】
【試験例8】比較例2の原料配合で製した飼料(パプリ
カ単一区、MRGD単一区、併用区とも)を大雛(育成
鶏)に給与して、6週間経過後にその脛肉の色調を色差
計で測定し、表8の結果を得た。
【0051】
【表8】 《比較例2の飼料を給与した大雛の「脛色」の色差計による色調測定値》 併用区 パプリカ単一区 MRGD単一区 L a b L a b L a b 73.9 0.9 39.7 71.2 0.3 39.0 73.1 0.5 44.4 75.1 -0.3 38.3 73.8 0.6 35.5 73.8 1.4 41.3 71.8 0.3 40.1 71.6 1.5 42.1 73.1 -2.8 40.8 73.6 1.3 43.4 71.3 1.3 32.8 72.7 -1.0 39.4 73.3 -1.1 39.1 68.3 0.2 37.4 69.5 -0.6 44.4 73.2 -0.5 40.7 72.6 -1.4 40.0 72.5 -0.2 39.4 73.5 -1.6 43.5 74.4 0.8 37.7 75.1 0.1 35.4 71.0 1.9 42.6 71.8 1.3 42.3 75.9 -0.1 39.9 74.1 -0.8 35.6 73.7 2.2 36.0 74.1 0.8 41.7 73.1 1.2 40.4 72.8 1.5 33.2 71.0 0.2 44.0 ──────────────────────────────────── <10羽の平均値> 73.3 0.1 40.3 72.2 1.3 37.6 73.1 -0.2 41.1
【0052】表8から、キサントフィルを実質的に含有
していない飼料原料だけで構成した飼料に赤色系キサン
トフィル着色料の一種であるパプリカ抽出処理物のみを
添加したパプリカ単一区では、a値が上昇して、大雛の
脛肉の赤みは強化されるが、b値が減少しており、赤色
が強く出すぎて、好ましい色調の生産物が得られないこ
とが理解される。また、キサントフィルを実質的に含有
していない飼料原料だけで構成した飼料に黄色系キサン
トフィル着色料の一種であるマリーゴールド抽出処理物
のみを添加したMRGD単一区では、b値が上昇して、
黄色みは強化されるが、赤色が不足し、その結果、脛色
は健康的でなく、好ましい色調の脛肉とはならないこと
が理解される。
【0053】
【発明の効果】以上、詳細に説明のとおり、本発明の養
鶏用飼料を給与して得られる養鶏生産物(鶏卵、鶏肉、
鶏皮、育成鶏の脛など)は、いずれも黄色がやや抑えら
れ赤色が少し強化されて落ちついた色調を示し、特に赤
色と黄色のバランスがよくなって、需要者の購買意欲を
そそるものとなっている。トウモロコシやアルファルフ
ァミールなどのキサントフィルを多量に含有する飼料原
料は、季節や産地などによってキサントフィル含量が変
動するので(例えば、黄色トウモロコシは、アルゼンチ
ン産のものの方がアメリカ産のものよりも赤みが強く、
できるだけ均一な色調にするためには、1〜5月はアメ
リカ産のものを、6〜12月はアルゼンチン産のものを
使用するなどの工夫が必要であるため)、これらを家禽
に給与して得られる養鶏生産物は、常時その色調を一定
に保ちにくい。しかしながら、本発明の養鶏用飼料は、
キサントフィルを実質的に含有していない飼料原料だけ
を使用しており、しかも、あらためて赤色系のキサント
フィル着色料と黄色系のキサントフィル着色料をそれぞ
れ1種以上添加してあるので、これを鶏に給与しても、
飼料原料の品種や産地や季節の如何にかかわらず、養鶏
生産物の色調が変わることがない。すなわち、本発明の
養鶏用飼料を鶏に給与することによる養鶏生産物の色調
を調整する方法によれば、得られる養鶏生産物は、需要
者が好む色調を常に安定して保つことができる。したが
って、本発明の養鶏用飼料及びそれを用いて養鶏生産物
の色調を調整する方法によれば、全国的に共通の色調の
養鶏生産物を安定して供給できることは勿論、地域や周
年による需要者の好みに合わせた色調の養鶏生産物を容
易にかつ安定して提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23K 1/18 A23K 1/18 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キサントフィルを実質的に含有していない
    飼料原料だけで構成した飼料に、赤色系キサントフィル
    着色料と黄色系キサントフィル着色料とをそれぞれ1種
    以上添加してある養鶏用飼料。
  2. 【請求項2】飼料原料として、黄色トウモロコシ、黄色
    コーングルテンミール、黄色コーングルテンフィード、
    アルファルファミール、ニセアカシアリーフミール、マ
    リーゴールド又はマリーゴールド花弁ミール、藻類以外
    の原料で構成してある請求項1に記載の養鶏用飼料。
  3. 【請求項3】キサントフィルを実質的に含有していない
    飼料原料として、マイロ、小麦、ライ麦、キャッサバミ
    ール、大豆、アマニ、魚粉、肉骨粉のうちの1種以上を
    使用してある請求項1又は2に記載の養鶏用飼料。
  4. 【請求項4】赤色系キサントフィル着色料として、パプ
    リカ及びその関連物質、赤色酵母及びその関連物質のう
    ちの1種以上を用いてあり、黄色系キサントフィル着色
    料として、マリーゴールド及びその関連物質、スピルリ
    ナ及びその関連物質のうちの1種以上を用いてある請求
    項1から3のいずれかに記載の養鶏用飼料。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかに記載の養鶏用
    飼料を鶏に給与して鶏卵の色調を調整する方法。
  6. 【請求項6】請求項1から4のいずれかに記載の養鶏用
    飼料を鶏に給与して鶏肉の色調を調整する方法。
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