JP3241497B2 - 開閉式屋根構造 - Google Patents

開閉式屋根構造

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JP3241497B2
JP3241497B2 JP18165793A JP18165793A JP3241497B2 JP 3241497 B2 JP3241497 B2 JP 3241497B2 JP 18165793 A JP18165793 A JP 18165793A JP 18165793 A JP18165793 A JP 18165793A JP 3241497 B2 JP3241497 B2 JP 3241497B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋根を移動させること
により、この屋根によって覆われた空間部の上方を開閉
するようにした開閉式屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の開閉式屋根構造は、一対
の固定されたガイドレール上に台車を走行自在に取り付
けるとともに、この台車上に屋根を固定しておき、前記
台車を電動モーターによって自走させるか、あるいは、
牽引ロープによって牽引することにより、前記屋根をガ
イドレールに沿って移動させて、その内部空間の開閉を
行うようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の開閉式屋根構造においては、屋根が取り付けられ
ている台車を走行させるか牽引することによって屋根の
開閉を行っているが、走行用あるいは牽引用の駆動装置
が、屋根の全重量を荷重として取り扱う必要があること
から、構造が複雑になるばかりでなくコストの高騰を招
き、かつ、メンテナンスが煩雑になるといった不具合が
残されている。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、構成が簡素で、かつ、コストが抑制
された開閉式屋根構造を提供することを目的とする。
【0005】前述した目的を達成するために、本発明の
請求項1記載の開閉式屋根構造は、屋根を水平方向に移
動させることにより、この屋根に覆われた空間部の上方
を開閉するようにした開閉式屋根構造において、前記屋
根が移動可能に載置される一対の平行なガイドレール
と、これらのガイドレールの一端部を鉛直方向に沿って
回動自在に支持する支持部材と前記ガイドレールの他端
部に回動自在に連結され、前記他端部を鉛直方向に上下
動させる昇降機構とを備え、前記昇降機構によって、前
記ガイドレールが前記他端部から前記一端部に向かって
下り傾斜となる第一傾斜状態と、前記ガイドレールが前
記他端部から前記一端部に向かって上り傾斜となる第二
傾斜状態とに変態可能にされ、前記傾斜は、前記屋根が
自重により前記ガイドレール上を傾斜方向下方に移動す
る程度の傾斜とされてなることを特徴とする。
【0006】また、本発明の請求項2記載の開閉式屋根
構造は、請求項1記載の開閉式屋根構造において、前記
屋根は複数の屋根構成体からなり、2つの屋根構成体に
それぞれ対応する2組の前記一対の平行なガイドレール
を備え、一の組のガイドレールと他の組のガイドレール
とが互いの前記他端部を付き合わせて載置され、一の組
のガイドレールの前記他端部と、他の組のガイドレール
の前記他端部とが回動自在に連結され、かかる連結部の
各々に前記昇降機構が設けられていることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明の請求項1記載の開閉式屋根構造によれ
ば、昇降機構によって、前記ガイドレールの他端部は鉛
直方向に上下動され、前記ガイドレールは第一傾斜状態
あるいは第二傾斜状態を形成する。そして、前記傾斜
は、前記屋根が自重により前記ガイドレール上を傾斜方
向下方に移動する程度の傾斜とされているので、このガ
イドレール上に移動可能に載置されている屋根が、その
自重によって傾斜方向下方に移動する。従って、前記第
一傾斜状態あるいは第二傾斜状態によって屋根が開方向
あるいは閉方向に移動させられる。
【0008】また、屋根の移動中にガイドレールの傾斜
を、例えば、第一傾斜状態から第二傾斜状態に変態する
ことにより、屋根の移動速度が減速され、その減速量に
応じてガイドレールの傾斜量を調整することにより、屋
根の移動速度が零となった時点でガイドレールを水平と
することにより、屋根が停止状態に保持される。従っ
て、屋根の開閉は昇降機構が前記ガイドレールの他端部
を上下動させることによって行われ、屋根が取り付けら
れている台車を走行させたり、牽引させたりする駆動装
置を必要としない。このため、構成が簡素で、かつ、コ
ストが抑制された開閉式屋根構造を提供できる。
【0009】また、請求項2記載の開閉式屋根構造によ
れば、前記昇降機構は前記一の組のガイドレールの他端
部と、前記他の組のガイドレールの他端部の連結部の各
々に設けられている。そして、前記ガイドレールが第一
傾斜状態になると、前記屋根構成体は前記一端部に向か
って移動し、前記ガイドレールが第二傾斜状態になる
と、前記屋根構成体は前記他端部に向かって移動する。
このように、前記屋根が前記昇降機構によって前記連結
部を中心として開閉する。そして、各連結部に昇降機構
を設ければよいので、構成が簡素で、コストが抑制され
た開閉式屋根構造を提供することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の一実施例に係わる開閉
式屋根構造をスタジアム(以下、施設と称す)に適用し
た例を示す。
【0011】この開閉式屋根構造は、複数(本実施例で
は6つ)の屋根構成体1a〜1fからなる屋根1を備え
ており、これらの屋根構成体1a〜1fは、断面が半円
弧状で、かつ、ほぼ同一の長さに形成され、それぞれの
両端部が施設2を挟んで平行に設けられた一対の支持体
3上に載置されることによって支持されているととも
に、3つを1組として2組に分割されて、前記支持体3
の長さ方向の両側に各組毎に振り分け配置されている。
【0012】また、各組毎の屋根1は、大中小の相似形
に形成されて、同心円状に重ね合わされるようなってお
り、その最も内側に配設される屋根1a・1dが、前記
支持体3の各端部に固定され、また、中間に位置される
屋根1b・1eと最外部に位置される屋根1c・1fと
が、前記支持体3の長さ方向に移動可能となされて、前
記施設2の上方を開閉し得るようになされている。
【0013】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記移動可能となされた屋根構成体1b・1e・1
c・1fは、図2および図3に示すように、半円弧状の
屋根架構4と、この屋根架構4の両端部に取り付けられ
て、屋根架構4の基部を構成する基体5とによって構成
されている。この基体5は、図3に示すように、断面が
矩形状に形成されて、下面と両側面が平滑面となされて
いる。
【0014】前記両支持体3の上部には、図1に示すよ
うに、移動可能となされた屋根構成体1b・1e・1c
・1fの各端部が載置される平行なガイドレール6が、
各屋根構成体1b・1e・1c・1fに対応して設けら
れている。これらのガイドレール6の内、中間に位置さ
せられる屋根構成体1b・1eに対応して設けられた各
ガイドレール6は、一方の組の屋根構成体1bに対応し
たガイドレール6と他方の組の屋根構成体に対応したガ
イドレール6とが、図4に示すように、略直線上となる
ように配置され、それぞれの内側の端部(他端部)が付
き合わされるようにして位置されている。なお、これら
の各ガイドレール6は同一構成となされているため、最
外部に位置されているガイドレール6についてのみ説明
する。
【0015】前記支持体3の、各ガイドレール6の一端
部(外側の端部)に対向する位置には、図2、図4、お
よび、図5に示すように、ブラケット7がアンカーボル
ト8によってそれぞれ固定されており、これらのブラケ
ット7に、前記ガイドレール6の下面に突設された連結
プレート9が、ガイドレール6の幅方向において重畳さ
せられるとともに、これらを貫通して設けられたピン1
0により、両者が相対回動可能に連結されている。これ
によって、前記各ガイドレール6が、その外側の端部に
おいて、前記支持体3に対して鉛直面に沿う方向に回動
自在に支持された構成となっている。
【0016】また、前記ブラケット7および連結プレー
ト9は、図5に示すように、ガイドレール6の幅方向に
所定間隔をおいて複数設けられており、これらが、一つ
の前記ピン10によって連結されている。
【0017】また、各ガイドレール6の他端側の端面
(内側の端面)には、図4および図6に示すように、そ
れぞれ、ガイドレール6の長さ方向に沿う一対の連結プ
レート11・12が、ガイドレール6の幅方向に間隔を
おいて一体に突設されており、これらの各連結プレート
11・12には、ガイドレール6の長さ方向に沿った長
孔13・14が形成されている。
【0018】そして、これらの連結プレート11・12
は、相互にガイドレール6の幅方向において重畳され、
前記長孔13・14に挿通されるピン15によって相対
回動可能に連結されている。これによって各組のガイド
レール6どうしが、その他端部において相対回動可能に
連結されている。
【0019】一方、このようにして連結されたガイドレ
ール6の他端部の下方には、前記支持体3によって支持
され、前記ガイドレール6の他端部を上下に移動させる
昇降機構16が設けられている。
【0020】この昇降機構16は、本実施例において
は、油圧シリンダーが用いられ、そのボディ17が前記
支持体3上に、軸線が鉛直方向に沿うようにして固定さ
れ、このボディ17から突出させられたロッド18の先
端部に、前記ガイドレール6の他端部間を連結するピン
15に、2箇所で連結されるブラケット19が一体に取
り付けられている。
【0021】そして、この昇降機構16は、前記各ガイ
ドレール6の他端部を一端部に対して上方位置と下方位
置とに移動させ得るように、その設置位置とストローク
とが設定され、これによって、連結されたガイドレール
6が、側面視で概ね山型(第一傾斜状態)とV型(第二
傾斜状態)、および直線との3つの形態を採るように移
動させられるようになっている。
【0022】また、前記各ガイドレール6は、上方が開
放された箱型に形成されており、長さ方向の両端面に
は、図2および図4に示すように、緩衝器20がそれぞ
れ取り付けられ、底部近傍には、図2、図3、および、
図7に示すように、前記屋根構成体1の基体5が載置さ
れる複数の支持ローラー21が、その回転軸線がガイド
レール6の幅方向に一致させられた状態で、ガイドレー
ル6の長さ方向に所定間隔をおいて設けられ、また、一
方の側壁の内面には、図3および図7に示すように、前
記基体5の側面に当接させられる複数のガイドローラー
22が、回転軸線がほぼ鉛直方向に向けられた状態で、
前記ガイドレール6の長さ方向に所定の間隔をおいて設
けられ、さらに、他方の側壁の内面には、図3および図
7に示すように、前記基体5に接触させられて、この基
体5の移動を拘束する係止機構23が設けられている。
【0023】前記各緩衝器20は、例えば図6に示すよ
うに、そのボディ20aが前記ガイドレール6の各端面
に、ガイドレール6の長さ方向に沿って装着され、ま
た、ボディ20aに摺動可能に取り付けられているプラ
ンジャ20bが、前記ガイドレール6の内部へ突出させ
られ、このプランジャ20aの先端に、前記屋根構成体
1b・1c・1e・1fの基体5の端部が当接させられ
る弾性パット24が一体に取り付けられている。
【0024】前記係止機構23は、図2、図3、およ
び、図7に示すように、ガイドレール6の内壁面に、そ
の長さ方向に所定間隔をおいて複数取り付けられた揺動
自在なリンクプレート25と、これらのリンクプレート
25の揺動端部に回動自在に連結されて、前記ガイドレ
ール6の底部と平行に保持された係止板26と、前記ガ
イドレール6の一端部と前記係止板26の一端部との間
に介装され、この係止板26を、リンクプレート25の
揺動半径に沿って上下動させることにより、係止板26
を前記基体5の側部に当接させるアクチュエーター27
とによって構成されている。
【0025】そして、前記アクチュエーター27は、図
5および図7に示すように、ガイドレール6の端面に形
成された貫通孔28に挿通されているとともに、この貫
通孔28の両側に突設された一対のブラケット29によ
って、鉛直面内での回動が自在なように支持されてお
り、その可動ロッド27aの先端部が、前記係止板26
の端部にピン30を介して回動自在に連結されている。
【0026】また、前記各ガイドレール6の回動中心側
の端部には、図2、および、図4に示すように、非接触
型の距離センサー31が取り付けられており、前記ガイ
ドレール6の端部と前記屋根構成体1b・1c・1e・
1fの端部との距離を測定して、これらの屋根構成体1
b・1c・1e・1fの位置を検出するようになってい
る。
【0027】さらに、各ガイドレール6の回動中心側の
端部には、これらの回動角度を測定するロータリーエン
コーダー32が連結されている。そして、このロータリ
ーエンコーダー32によって測定される角度は、前記ガ
イドレール6の傾斜角度を算出するために用いられる。
【0028】一方、図3および図7に示すように、前記
基体5の側面には、前記係止板26の下方に位置させら
れてこの係止板26に対向させられる係合板33が一体
に突設されており、この係合板33に前記係止板26が
アクチュエーター27によって押し付けられることによ
り、前記基体5がガイドレール6に固定されるようにな
っている。
【0029】また、前記距離センサー31およびロータ
リーエンコーダー32は、図示せぬ制御装置へ接続され
ており、この制御装置へ検出データーを出力するように
なっており、また、この制御装置は、前記各検出データ
ーに基づき、前記昇降機構16およびアクチュエーター
27等の作動機器へ駆動信号を出力するようになってい
る。
【0030】ついで、このように構成された本実施例の
作用について説明する。なお、説明の煩雑化を避けるた
め、図8に示すように、中間に配置される屋根構成体1
b・1eを省略して、最外部の屋根構成体1c・1fの
動きについて説明する。
【0031】まず、図8の(a)に、屋根1が全閉位置
に保持されて、施設2が覆われている状態を示す。この
状態において、各ガイドレール6は水平状態に保持さ
れ、また、アクチュエーター27によって係止板26が
ガイドレール6の下方側へ移動させられて、基体5の係
合板33へ当接させられることにより、屋根構成体1c
・1fが閉位置に保持されている。
【0032】これより、制御装置から昇降機構16へ、
ガイドレール6の内側の端部を上方へ移動させるような
駆動信号が出力されることにより、施設2の上方の開放
操作が開始される。
【0033】すなわち、前述した制御装置からの駆動信
号により、昇降機構16へ作動油が供給されて、そのロ
ッド18が上方へ移動させられることにより、この昇降
機構16に連結されている各ガイドレール6の内側の端
部が、図8の(b)に示すように、同時に上方へ向けて
移動させられる。これと同時に、アクチュエーター27
へ駆動信号が出力されて、係止板26が上方へ移動させ
られることにより、基体5に設けられている係合板33
との当接状態が解除される。
【0034】これによって、各ガイドレール6がその内
側の端部(他端部)を上方にして傾斜した第一傾斜状態
となされ、係止機構23による基体5の係止が解除され
ていることから、屋根構成体1c・1fとが、ガイドレ
ール上を各々の自重によって、第一傾斜状態の傾斜方向
下方へ移動させられる。この結果、両屋根構成体1c・
1fが相互に離間するように移動させられることとな
り、図8の(b)に示すように、施設2の上方が徐々に
開放される。
【0035】ここで、前記各ガイドレール6の傾斜角
度、屋根構成体1c・1fの移動位置ならびに移動速度
が、それぞれ、ローターリーエンコーダー32ならびに
距離センサー31からの検出信号に基づき制御装置にお
いて算出され、この算出結果に基づいて、前記昇降機構
16の作動量が制御されて、前記各ガイドレール6が所
定の傾斜に保持される。
【0036】そして、中間の開度とする場合には、前記
屋根構成体1c・1fが中間位置に至る前に、また、最
大の開放面積を得る場合には、屋根構成体1c・1f
が、ガイドレール6の外側の端部に至る前に、その停止
のための操作が開始される。
【0037】すなわち、前記屋根構成体1c・1fの位
置ならびに移動速度は、距離センサー31によって常時
検出されていることから、この情報に基づき、前記屋根
構成体1c・1fが所定の停止位置から所定距離離間し
た位置に至ると、その移動速度を勘案した駆動信号が制
御装置から昇降装置16へ出力されることにより、ガイ
ドレール6の内側の端部が下降させられて、これらのガ
イドレール6が徐々にあるいは即座に平行状態に戻され
る。
【0038】これによって、屋根構成体1c・1fは慣
性により移動を継続するが、その移動速度がガイドレー
ル6との摩擦抵抗により減速され、所定距離移動しのち
に図8の(c)に示すように停止させられる。このよう
な停止操作は、屋根構成体1c・1fの停止位置に拘わ
りなく同様に行われる。
【0039】一方、本実施例のように、屋根構成体1c
・1fをガイドレール6に装着した支持ローラー21に
よって支持するようにした場合、屋根構成体1c・1f
に作用する摩擦抵抗がかなり小さくなることから、摩擦
抵抗のみによって停止位置を制御することが難しくな
る。そこで、この場合には、昇降機構16により、前記
各ガイドレール6の内側の端部(他端部)を水平状態よ
りも下方に位置させて、つまり、前記第一傾斜状態から
第二傾斜状態に変態させて、ガイドレールを逆の傾斜と
することで、屋根構成体1c・1fの自重を移動方向と
逆方向に作用させることによって減速させる。そして、
その速度を前記距離センサー31からの位置上方に基づ
き演算し、その結果に基づき前記距離センサー31から
の位置上方に基づき前記逆方向の傾斜角を制御して減速
量を調整することにより、確実な減速作用が得られ、屋
根構成体1c・1fの停止位置の制御が容易に行われ
る。
【0040】また、本実施例においては、屋根構成体1
c・1fの支持を、ガイドレール6に設けられた支持ロ
ーラー21によって行うようにしたから、屋根構成体1
c・1fがガイドレールの傾斜によって移動するの際の
抵抗が軽減されて、円滑な開閉操作が行われる。さら
に、本実施例においては、基体5とガイドレール6との
間に係止機構23を設けてあるから、この係止機構23
によって発生する摩擦を併用して停止操作を行うことに
より、より一層、停止位置の制御制度が高められる。さ
らに、停止操作が完了したのちにおいては、前記係止機
構23によって基体5とガイドレール6とが係合状態に
保持されることにより、屋根構成体1c・1fの不用意
な移動や浮き上がりが防止される。
【0041】このように、本実施例に係わる移動式屋根
構造によれば、屋根1の開閉が、屋根構成体1c・1f
を移動可能に支持するガイドレール6の傾動操作といっ
た単純な操作で行われ、かつ、その駆動装置が、前記ガ
イドレール6の一端部を上下動させる昇降機構16のみ
で済むこと、また、屋根1の重量がガイドレール6の両
端部に分散支持され、昇降機構16に作用する荷重が約
半分に減少させられるから、構造が簡素化されて製作費
やランニングコストの低減が図られるとともにメンテナ
ンス作業も簡素化される。
【0042】
【0043】なお、前記実施例において示した各構成部
材の諸形状や寸法等は一例であって、適用する施設の種
類や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0044】例えば、前記実施例においては、ガイドレ
ール6に支持ローラー21を設けて、この支持ローラー
21によって屋根構成体1c・1fを支持するようにし
た例について示したが、屋根構成体1c・1fの基体5
の底部にローラーを配置し、ガイドレールの底面を平滑
面とすることも可能である。
【0045】また、前記実施例において示した昇降機構
16としての油圧シリンダーに代えて、機械式のジャッ
キを用いることも可能であり、ガイドレール6を直列に
連結した例について示したが、一つのガイドレールによ
っても実施可能である。
【0046】さらに、前記実施例において示したガイド
ローラー22や係止機構23は省略してもよいものであ
る。
【0047】一方、前記実施例が適用される施設2とし
てスタジアムを例示したが、これに限られるものではな
く、住宅等の小規模建築物の一部への適用も可能であ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の開閉式屋根構造は、屋根を水平方向に移動させる
ことにより、この屋根によって覆われた空間部の上方を
開閉するようにした開閉式屋根構造において、前記屋根
が移動可能に載置される一対の平行なガイドレールと、
これらのガイドレールの一端部を鉛直方向に沿って回動
自在に支持する支持部材と、前記ガイドレールの他端部
に回動自在に連結され、前記他端部を鉛直方向に上下動
させる昇降機構とを備え、前記昇降機構によって、前記
ガイドレールが前記他端部から前記一端部に向かって下
り傾斜となる第一傾斜状態と、前記ガイドレールが前記
他端部から前記一端部に向かって上り傾斜となる第二傾
斜状態とに変態可能にされ、前記傾斜は、前記屋根が自
重により前記ガイドレール上を傾斜方向下方に移動する
程度の傾斜とされてなることを特徴とするもので、次の
ような優れた効果を奏する。
【0049】ガイドレールを傾動操作し、第一傾斜状態
と第二傾斜状態とを変態可能としたことにより、このガ
イドレール上に載置されている屋根を自重によって移動
させて屋根の開閉を行うようにしたから、ガイドレール
の他端部を上下動させる単純な操作によって屋根の開閉
操作を行うことができる。また、その昇降機構も、ガイ
ドレールの他端部を上下動させる単純な動作で済み、か
つ、屋根の重量がガイドレールの両端部に分散支持さ
れ、昇降機構に作用する荷重が約半分に減少させられる
ことから、その構成を簡素化することができ、制作費や
ランニングコストを低減することができるばかりでなく
メンテナンス作業をも簡素化することができる。
【0050】また、請求項2記載の開閉式屋根構造によ
れば、請求項1記載の開閉式屋根構造において、前記屋
根は複数の屋根構成体からなり、2つの屋根構成体にそ
れぞれ対応する2組の前記一対の平行なガイドレールを
備え、一の組のガイドレールと他の組のガイドレールと
が互いの前記他端部を付き合わせて載置され、一の組の
ガイドレールの前記他端部と、他の組のガイドレールの
前記他端部とが回動自在に連結され、かかる連結部の各
々に前記昇降機構が配備されていることを特徴とする
成とした。このため、前記ガイドレールを前記第一傾斜
状態とすることで、前記屋根構成体は、前記連結部を中
心として前記一端部に向かう方向に自重によって移動す
る。そして、同様に前記ガイドレールを前記第二傾斜状
態とすることで、前記屋根構成体は前記連結部を中心と
して前記他端部に向かう方向に自重によって移動する。
このとき、前記昇降機構は前記各連結部に設ければよい
ので、開閉式屋根の駆動装置を簡素化することができ、
制作費やランニングコストを低減することができるばか
りでなくメンテナンス作業をも簡素化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例のガイドレールの外側の端部
を示す一部を切り欠いた拡大正面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すもので、図2における
IIIーIII線に沿う矢視断面図である。
【図4】本発明の一実施例のガイドレールを示す一部を
省略した拡大正面図である。
【図5】本発明の一実施例を示すもので、図2における
B矢視図である。
【図6】本発明の一実施例を示すもので、図4における
A矢視図である。
【図7】本発明の一実施例を示すもので、図2における
C矢視図である。
【図8】本発明の一実施例を示すもので、作動を説明す
るための概略図である。
【符号の説明】
1 屋根 1a〜1f 屋根構成体 2 施設 3 支持体 6 ガイドレール 16 昇降機構 21 支持ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立道 郁生 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (72)発明者 藤原 智 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−51995(JP,A) 特開 昭64−27304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 7/00 - 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根を水平方向に移動させることによ
    り、この屋根によって覆われた空間部の上方を開閉する
    ようにした開閉式屋根において、 前記屋根が移動可能に載置される一対の平行なガイドレ
    ールと、前記ガイドレールの一端部を鉛直方向に沿って
    回動自在に支持する支持部材と、前記ガイドレールの他端部に回動自在に連結され、前記
    他端部を鉛直方向に上下動させる昇降機構とを備え、 前記昇降機構によって、前記ガイドレールが前記他端部
    から前記一端部に向かって下り傾斜となる第一傾斜状態
    と、 前記ガイドレールが前記他端部から前記一端部に向かっ
    て上り傾斜となる第二傾斜状態とに変態可能にされ、 前記傾斜は、前記屋根が自重により前記ガイドレール上
    を傾斜方向下方に移動する程度の傾斜とされてなる こと
    を特徴とする開閉式屋根構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の開閉式屋根において、前記屋根は複数の屋根構成体からなり、 2つの屋根構成体にそれぞれ対応する2組の前記一対の
    平行なガイドレールを備え、 一の組のガイドレールと他の組のガイドレールとが互い
    の前記他端部部を付き合わせて載置され、 一の組のガイドレールの前記他端部と、他の組のガイド
    レールの前記他端部とが回動自在に連結され、かかる連
    結部の各々に前記昇降機構が設けられている ことを特徴
    とする開閉式屋根構造。
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