JPH0117918B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数のパネルからなるハツチカバーを
積重ねて格納する装置の改良に関する。

従来から、例えば特公昭40−4655号公報、特公
昭54−26076号公報あるいは実開昭54−73691号公
報などに、積重ね式のハツチカバー格納装置が
種々提案されている。

このうち、最も本発明の関連にあるものにつ
き、第１図、第２図、第３図および第４図によつ
て説明する。

まず、第１図、第２図において、ハツチカバー
を構成する複数のパネル１Ａ，１Ｂ，１Ｃ…は、
それぞれ走行用の車輪２，２…を有していて、ハ
ツチの開口縁（コーミング）３に沿つて延設した
レール上を自由に走行可能となつている。

レールの端部には格納部４があり、この図で
は、４本の昇降支柱５のフツク６により、その位
置でパネル１Ａ，１Ｂ…が持ち上げられて積重ね
られる。

つまり、第１のパネル１Ａを移動後、フツク６
に係止して上方へ差し上げ、その下面に第２のパ
ネル１Ｂを移動させてくる。第１のパネル１Ａを
この第２のパネル１Ｂの上に降ろし、フツク６を
いつたん最下位まで下げて、下側のパネル１Ｂに
フツク６をかけて再びすくなくともパネル１枚分
の厚さだけ差し上げる。

そして、この下面に第３のパネル１Ｃを移動
し、再度同じような動作を繰り返すことにより、
順々にパネル１Ａ，１Ｂ…を積み上げるのであ
る。

したがつて、これによればハツチカバーの格納
を１個所に集中してコンパクトに行えるという利
点がある。

ところで、この格納装置においては、フツク６
はその昇降時に他のパネルとの干渉を避けるた
め、第３図、第４図のように、昇降支柱５から張
り出したブラケツト７に対して、回転ピン８によ
り基端を回動自由に片持支持されている。

９はパネル１Ａ…に取付けたストツパであり、
その支し上げ時にフツク６をその下面に係止させ
るが、フツク６の降下時は、第４図の矢印で示す
ように、回転ピン８を中心にして回動し、フツク
６がストツパ９に当らないようにしてから、フツ
ク６を下げるのである。

なお、フツク６の昇降は油圧シリンダ（図示せ
ず）などを昇降支柱５の内部に組み込んで、これ
により駆動する。

しかしながらこのようなフツク６の構造では、
フツク６を支持する回転ピン８に偏荷重が加わ
り、ピンの偏減りが生じたり、フツク６そのもの
が片持梁となり十分な支持強度を取りにくく、し
かも旋回半径が大きくなりその配置にスペース的
な制約を受けやすいという問題があつた。

本発明はこのような問題を解決するために提案
されたもので、フツクにかかる荷重バランスがよ
く、しかもフツク旋回方向が縦方向でスペース的
に有利なハツチカバー格納装置を得ることを目的
とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第５図は、この考案を適用した昇降支柱５の水
平断面図であり、フツク６′を取り付ける昇降筒
１０、この昇降筒１０を摺動自在に支持して昇降
筒軌道を決めるガイドポスト１１および昇降駆動
力を伝達する油圧シリンダ１２が示されている。

第６図は上記昇降筒１０の側面の断面図であ
る。

第５図および第６図において、矩形の昇降筒１
０は、断面コの字形に構成された、船体に直立す
るガイドポスト１１に収められ、このガイドポス
ト１１に固定されたガイドレール１３が昇降筒１
０に設けられたガイドローラ１４を両脇から支持
して、昇降筒１０を摺動自在に直立させる。

同時に、昇降筒１０の内部には、昇降筒１０を
上下駆動力を与える油圧シリンダ１２が収納され
る。この油圧シリンダ１２は、船体１６に設けら
れたブラケツト１６ａに、支点１５を中心に回転
自在に取り付けられ、他方ピストンロツド１７に
昇降筒１０がピン結合され、油圧シリンダ１２の
伸縮に伴つて昇降筒１０を昇降させる。

なお、１８は昇降筒１０が上下に移動するとき
にガイドポスト１１との間に発生する摩擦力を軽
減するためのスペーサである。

そして、昇降筒１０には、フツク６′が固定さ
れる。フツク６′はそれぞれ昇降筒１０の内面に
対向して、ガイドポスト１１の開口側から所定の
高さに突設されたブラケツト２０に回転自在に設
けられた水平のピン２１に支持される。従つて、
フツク６′は上下方向に回転の自由度を有する。

このフツク６′は、ほぼ直角二等辺三角形の側
面形状をもち、直交する上面６′ａと側面６′ｂお
よび、この二面６′ａ６′ｂと斜交する斜面２４で
構成されている。

ところで、上記ピン２１の一端にはリンク２２
が固着していて、このリンク２２の回動先端に、
昇降筒１０の側面に基端を固定した油圧シリンダ
２３の伸縮端が連結される。

そして、シリンダ２３の縮小時には、第６図の
ようにフツク６′の上面６′ａが水平に突き出し、
かつ側面６′ｂが昇降筒１０に設けられた当て板
２５に当接する。この状態から、油圧シリンダ２
３が伸び出すと、フツク６′はリンク２２および
ピン２１を介して時計回りに回転し、第７図のよ
うに斜面２４が直立する。

以上の構成において、従来と同様、例えばパネ
ル１Ａがレール２６上を車輪２を介して収納部４
に移動してくると、第６図に示すように最下端ま
で降ろした昇降筒１０のフツク６′を、その上面
６′ａが水平になるように突き出し、パネル１Ａ
の支持部２７の下面を係止する。

油圧シリンダ１２を伸ばすと昇降筒１０が上動
し、パネル１Ａを上方に差し上げる。

この時、フツク６′にかかるパネル１Ａの荷重
は、ピン２１と、当て板２５の２点で支持される
ことになるので、ピン２１に過大な支持力が作用
せずに安定した荷重バランスになる。

この差し上げられたパネル１Ａの下面に第２の
パネル１Ｂが移動してくると、油圧シリンダ１２
を縮めて昇降筒１０を下降させ、パネル１Ａをパ
ネル１Ｂの上に降ろす。さらに、昇降筒１０を微
小量下降して油圧シリンダ２３を伸張させ、第７
図に示すようにフツク６′の斜面を直立させてパ
ネル１Ｂの支持部に当たらないようにして、昇降
筒１０をさらに最下端まで下降させる。

そうした後に、油圧シリンダ２３が縮小してフ
ツク６′を突出させ、前述と同様、こんどは２枚
のパネル１Ａ，１Ｂを差し上げるのである。

以下、同様の操作を繰り返して第３、第４…の
パネル１Ｃ，１Ｄを次々と安定した荷重バランス
で差し上げ格納していくのは従来と同様である。

以上のように、この発明によれば、フツクの旋
回方向を縦方向にして、水平なピンと当て板の２
点でフツクにかかる荷重を支持するため荷重バラ
ンスがよく、また各パネル支持部に対するフツク
の係脱は昇降筒の上下動とフツクの回動のみで行
えるので、操作の面でもスペースの面でも有利な
格納装置を得ることができる。

また、昇降筒はガイドポストに案内されてスム
ーズに摺動することができ、しかも安定してパネ
ルを支持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図および第４図は従来装
置を表わし、第１図はハツチカバー格納装置の正
面図、第２図は側面図、第３図は吊金具の拡大正
面図、第４図は同平面図である。第５図はこの考
案を適用する昇降支柱の横断面図、第６図はこの
考案と昇降筒の縦断面図、第７図はその作動状態
を示す断面図である。 １Ａ，１Ｂ……パネル、５……昇降支柱、６′
……フツク、１０……昇降筒、１１……ガイドポ
スト、１２……油圧シリンダ、２０……ブラケツ
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハツチに沿つて移動自由な複数のパネルと、
   このパネルを上方へ差し上げる昇降支柱とからな
   り、複数のパネルを順次積層して格納するように
   したハツチカバー格納装置において、昇降支柱を
   ガイドポストに案内されシリンダを介して上下動
   する昇降筒で形成するとともに、この昇降筒にパ
   ネルの支持部を係合するフツクを、それぞれ当該
   パネル支持部と昇降筒側に当接する互いに略直角
   な上面と側面及びこれらを結ぶ斜面とからなる三
   角形状に形成し、前記略直角の頂点部を昇降筒側
   に設けたブラケツトに対しピン結合して垂直に回
   動自由に支持し、このフツクには、その側面が昇
   降筒側に当接した水平位置から少なくともフツク
   の斜面が昇降筒の移動方向に対し略平行となる直
   立位置まで駆動する油圧シリンダを連結し、かつ
   前記水平位置にてフツク上面とパネル支持部との
   係合を可能とするとともに直立位置にてフツク斜
   面とパネル支持部側面との間に間隙を生じるよう
   に設定したことを特徴とするハツチカバー格納装
   置。