JPH022752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、各種基礎工事用機械、例えばアー
スオーガやパイル、杭等を作業機で地中に挿入す
る機械において、リーダに沿つて昇降動する作業
機の誘導装置に関するものである。

リーダに沿つて昇降動する作業機の誘導は、リ
ーダに一対のガイドを平行に取付け、作業機には
ガイドを両側から抱持する誘導部材を設けて構成
されている。

従来の誘導部材には、ガイドに対して半円形の
摺動部材が外嵌する摺動方式と、ガイドに沿つて
溝付ローラが転動するローラ方式の二種類が採用
されているが、その何れも作業機に対して定位置
に固定化した構造になつていた。

ところで、前者の摺動方式は、ガイドに対して
摺動部材を密着させないと作業機の昇降動にガタ
ツキが生じ、精度のよい作業を行なうことができ
ないことになるが、摺動のためには実際上摺動面
にクリアランスが必要になり、ガタツキの発生を
防止することは困難である。

これに対し、後者のローラ方式は、ローラの転
動により作業機の昇降を誘導するため、クリアラ
ンスを設ける必要がなく、ガタツキの発生を防止
できるという利点がある。

ところで、リーダ及びガイドは大きな荷重が作
用すると前後方向への撓みが発生する。

しかし、従来のように摺動部材及び溝付ローラ
を作業機に対して固定的に取付けた構造では、ガ
イドの前後方向の撓みに対して追従動することが
できず、ガイドに撓みが発生すると作業機の昇降
に大きな抵抗が生じ、円滑な昇降動が得られない
という事態が発生する。

この考案は上記のような点にかんがみてなされ
たものであり、リーダのガイドに撓みが生じても
作業機の円滑な昇降動を得ることができる誘導装
置を提供するのが目的である。

この考案の構成は、リーダのガイドに取付ける
作業機にガイドを両側から抱持する溝付ローラを
取付け、この溝付ローラを上下方向に揺動自在と
なるように作業機に取付け、ガイドの前後方向の
撓みを溝付ローラの揺動によつて吸収するように
したものである。

以下、この考案を添付図面の実施例に基づいて
説明する。

図示のように、基礎工事用機械のリーダ１には
その前面に一対のガイド２，２が平行状態で固定
されている。

上記リーダ１のガイド２に取付ける作業機３
は、図示のような杭打用の推力機のほか、オーガ
モータやハンマー等、作業目的に応じたものを選
択して使用すればよい。

作業機３におけるフレーム４の両側で上下の位
置に溝付ローラ５が取付けられ、このローラ５群
によつてガイド２，２を第２図のように両側から
抱持し、ガイド２，２に沿う作業機３の上下動を
誘導している。

図示の場合、作業機３の昇降動は作業機自から
が行なう例を示しており、リーダ１の前面で両ガ
イド２，２間の前方位置にチエン６を配置し、こ
のチエン６の上下端をリーダ１に固定すると共
に、作業機３にはチエン６に噛合するスプロケツ
ト７と、このスプロケツト７を正逆駆動する油圧
モータと、スプロケツト７の上下においてチエン
６をスプロケツト７とで挾み込み、スプロケツト
７の複数の歯にチエン６を噛合させるガイドスプ
ロケツト又はローラ９とを取付け、チエン６をラ
ツクの代りにして昇降動するようになつている。

なお、作業機３の昇降は上記のような構造に限
定されるものではなく、例えばリーダに取付けた
エンドレスチエンとの連結や作業機のウインチに
よる吊下げ等の構造が採用できる。

前記作業機３における溝付ローラ５の取付構造
は、フレーム４に設けたブラケツト１０にアーム
１１を水平の軸１２を中心に上下に揺動自在とな
るように枢止し、各アーム１１の上下位置に溝付
ローラ５を取付け、上下両側の四箇所から溝付ロ
ーラ５でガイド２，２を抱持し、溝付ローラ５の
転動により作業機３をガイド２，２に沿つて誘導
するものである。

上記作業機３に対して溝付ローラ５は水平の軸
１２を中心に上下揺動自在となつているため、作
業機３の昇降動時に、溝付ローラ５はガイド２，
２の形状に追従しながら転動することができ、従
つて、ガイド２，２に前後方向の撓みが生じてい
るような場合でも、溝付ローラ５の揺動により、
円滑な昇降動が得られることになる。

以上のように、この考案によると、リーダのガ
イドに沿つて作業機を昇降動させるようにした基
礎工事用機械において、ガイドを両側から抱持す
るよう作業機に取付けた溝付ローラを、前後方向
に揺動自在としたので、作業機の昇降動時におい
て、荷重等でガイドに前後方向の撓みが生じてい
るような場合でも、溝付ローラはガイドの形状に
沿いながら移動することになり、作業機の円滑な
昇降動が得られることになる。

また、ガイドに沿う作業機の誘導に溝付ローラ
を使用したので、ガイドとの間にクリアランスの
発生がなく、精度の良い作業を行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る誘導装置の一部切欠正
面図、第２図は同上の横断平面図である。 １はリーダ、２はガイド、３は作業機、４はフ
レーム、５は溝付ローラ、１０はブラケツト、１
１はアーム、１２は軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リーダに設けたガイドに作業機をこのガイドに
   沿つて昇降動するよう取付けた基礎工事用機械に
   おいて、作業機のガイドに沿う昇降の誘導を、ガ
   イドを両側から抱持し、ガイドに沿つて転動する
   溝付ローラで行ない、この溝付ローラを作業機に
   上下揺動自在となるよう枢止した基礎工事用機械
   の作業機誘導装置。