JP3239575B2 - 内燃機関の温度予測装置及び温度制御装置 - Google Patents

内燃機関の温度予測装置及び温度制御装置

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JP3239575B2
JP3239575B2 JP33087193A JP33087193A JP3239575B2 JP 3239575 B2 JP3239575 B2 JP 3239575B2 JP 33087193 A JP33087193 A JP 33087193A JP 33087193 A JP33087193 A JP 33087193A JP 3239575 B2 JP3239575 B2 JP 3239575B2
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combustion engine
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利雄 近藤
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    • Y02T10/47

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の触媒や排
気管等、内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇
所を対象として、それら対象箇所の実際の温度を応答性
よく、且つ、精度よく検出する内燃機関の温度予測装
置、及びこの温度予測装置を用いた温度制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、車両に搭載さ
れた内燃機関にあっては、該内燃機関による排気ガス中
の有害ガス成分を無害な成分に清浄化するために、広く
三元触媒(三元触媒コンバータ)が用いられている。
【0003】ところで、この三元触媒は本来、上記清浄
化を行うために高温域で作動させる必要があるが、過度
の高温は、逆に浄化率を低下させるばかりでなく、触媒
自体の耐久性にも大きな影響を与えることとなり、望ま
しくない。
【0004】そこで従来は、例えば特開昭60−101
241号公報に記載の装置の如く、上記排気ガスの温度
を適宜の温度センサによって測定しつつ、その温度が目
標とするある所定の温度範囲内に維持されるよう、内燃
機関に供給する燃料量や、同内燃機関の点火時期を操作
することが行われている。因みに、上記燃料供給量が増
量されれば、空燃比はリッチとなり、排気ガスの温度は
低下する。また、上記点火時期については、その進角値
が大とされることで、同様に排気ガスの温度は低下す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、温度セン
サを用いて排気ガスの温度を測定し、その測定値に基づ
き、内燃機関に供給する燃料量や、同内燃機関の点火時
期を操作するようにすれば、上記排気ガスの温度も、理
論上は確かに、ある所定の温度範囲内に維持されて、こ
れが過度に高温となるようなことは避けられるかのよう
に見える。
【0006】しかし、上記温度センサは通常、応答性に
難があり、特に量産車に取り付けられる比較的安価な温
度センサとなると、その応答の遅れも著しい。このた
め、該温度センサを通じて測定される温度と上記排気ガ
スの実際の温度との間に大きな差が生じ、ひいては上述
した触媒の温度についても、これを精度よく制御するこ
とができないのが実情であった。
【0007】なお、ここでは便宜上、排気ガス温度の測
定について言及したが、他に、内燃機関の運転状態に応
じて温度が変化する箇所を対象としてそれら対象箇所の
温度を温度センサで測定するにあたっては、こうした実
情も概ね同様である。
【0008】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、上記温度センサ自身の応答性の如何によ
らず、対象箇所の実際の温度をいち早く捕らえることの
できる内燃機関の温度予測装置を提供することを目的と
する。
【0009】またこの発明は、この捕らえた温度情報の
もとで同対象箇所の温度を精度よく制御することのでき
る内燃機関の温度制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、図29にクレーム対応図を示すよ
うに、内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所
を対象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサ
M2と、前記対象箇所の流体流速を検出する流速検出手
段と、この検出された流速に基づいて前記応答遅れを見
込んだ温度センサのモデルのモデル定数をリアルタイム
算出する第1のセンサモデル定数算出手段M17と、こ
のモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデルを
用いて前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測手
段M3と、を具えて内燃機関の温度予測装置を構成す
る。
【0011】またこの発明では、同図29にクレーム対
応図を示すように、内燃機関の運転状態を制御するアク
チュエータM1と、同内燃機関の運転状態に応じて温度
が変化する箇所を対象として、同対象箇所の温度を検出
する温度センサM2と、前記対象箇所の流体流速を検出
する流速検出手段と、この検出された流速に基づいて前
記応答遅れを見込んだ温度センサのモデルのモデル定数
をリアルタイム算出する第1のセンサモデル定数算出手
段M17と、このモデル定数算出された温度センサモデ
ルの逆モデルを用いて前記対象箇所の実際の温度を予測
する温度予測手段M3と、この予測された実際の温度と
目標温度との差に基づいて前記アクチュエータM1の操
作量に対する補正量を算出する補正量算出手段M4と、
該算出された補正量に基づいて前記アクチュエータM1
の操作量について予め求められた量を補正する操作量補
正手段M5と、を具えて内燃機関の温度制御装置を構成
する。
【0012】
【作用】温度予測手段M3は上述のように、温度センサ
M2により検出される温度に基づき、同センサ自身の応
答遅れを見込んだ前記対象箇所の実際の温度を予測する
ものであり、これによって、温度センサM2自身の応答
性が如何なるものであるにしろ、同温度センサM2が到
達しようとする温度値、すなわち前記対象箇所の実際の
温度が即座に予測、推定されるようになる。
【0013】このように、上記温度予測装置によれば、
温度センサM2自身の応答性の如何によらず、対象箇所
の実際の温度を即座に捕らえることができるようにな
る。一方、こうした温度予測装置に加え、温度制御装置
を構成する上記補正量算出手段M4は、こうして予測、
推定された温度を用いて前記目標温度との差を求め、該
求めた差に基づいて上記アクチュエータM1の操作量に
対する補正量を算出するものである。このため、この算
出される補正量は自ずと、前記対象箇所の実際の温度に
即してそれが前記目標温度に到達するための精度の高い
情報となる。そしてひいては、上記操作量補正手段M5
を通じて補正される前記アクチュエータM1の操作量
も、予め求められた基本となる操作量に対し、前記対象
箇所の温度を目標温度に制御するために、これを的確に
補正し得る量としてアクチュエータM1に与えられるよ
うになる。
【0014】なお、上記対象箇所が前述した触媒や排気
管である場合には、アクチュエータM1、或いはその操
作量として、 ・燃料噴射弁、或いは該燃料噴射弁を通じて操作される
燃料量 ・点火装置、或いは該点火装置を通じて操作される点火
時期 ・EGR(エキゾースト・ガス・リサキュレイション・
システム)、或いは該EGRを通じて操作される排気ガ
ス循環率 等々、がある。
【0015】また、こうした温度制御装置において、更
に(a)前記温度センサM2により検出される温度、及
び前記補正量算出手段M4によって算出された補正量を
もとに制御対象モデルのモデル定数をリアルタイムにて
算出するモデル定数算出手段M6を具え、(b)前記補
正量算出手段M4が更に、このリアルタイムにて算出さ
れるモデル定数を用いて前記アクチュエータM1の操作
量に対する補正量を算出するものとすれば、その補正さ
れるアクチュエータM1の操作量も、前記対象箇所の温
度を目標温度に制御するためのより的確な値に設定され
るようになる。
【0016】なお、補正量算出手段M4が、前記予測さ
れた実際の温度と前記目標温度との差を比例積分処理し
て前記補正量を算出するものとすれば、その比例積分処
理に際しての比例項の定数として、上記リアルタイムに
て算出されるモデル定数を用いることができる。
【0017】また、内燃機関の運転中に燃料カットが行
われた場合には、排気温度等が、予測できるある一定の
温度に収束されるようになることに鑑み、更にこうした
温度制御装置において、(c)内燃機関の運転中に燃料
カットが行われたとき、前記対象箇所のそのときに推定
される温度を基準にして前記応答遅れを見込んだ温度セ
ンサのモデルのモデル定数を算出するセンサモデル定数
算出手段M17を具え、(d)前記温度予測手段M3
は、この算出される最新のモデル定数を有するセンサモ
デルの逆モデルを用いて前記対象箇所の実際の温度を予
測するものとすれば、温度予測手段M3が用いる温度セ
ンサM2についてのモデル定数に、機関状態の経時的変
化等に起因するずれが生じる場合であっても、その予測
される温度についての信頼性は良好に維持されるように
なる。勿論このことは、上記温度予測装置についても同
様のことがいえる。
【0018】また更に、これら温度予測装置及び温度制
御装置において、(e)前記対象箇所の流体流速を検出
する流速検出手段と、この検出された流速に基づいて前
記応答遅れを見込んだ温度センサのモデルのモデル定数
をリアルタイム算出するセンサモデル定数算出手段とを
具え、(f)前記温度予測手段M3は、このリアルタイ
ムでモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデル
を用いて前記対象箇所の実際の温度を予測するものとす
れば、内燃機関が如何なる運転状態にあっても、より信
頼性の高い温度予測が可能となり、且つ、より精度の高
い温度制御が可能となる。
【0019】なお、上記(c)及び(d)の手段と上記
(e)及び(f)の手段とは、それら双方を併用するこ
とも勿論可能である。
【0020】
【実施例】図1に、この発明にかかる内燃機関の温度制
御装置の第1の実施例を示す。この実施例の装置は、車
両に搭載される内燃機関(エンジン)の排気ガス中に含
まれる有害ガス成分を無害な成分に清浄化する前述した
触媒を対象として、同触媒の温度を温度センサにより検
出するとともに、この検出された温度に基づきエンジン
に供給する燃料量を操作、補正することで、該対象とす
る触媒の温度を目標温度に制御する装置である。エンジ
ンに供給する燃料量を増量することで排気ガスの温度を
下げ、ひいては触媒自身の温度を下げることができるこ
とはよく知られている。
【0021】まず、図1を参照して、この実施例におい
て制御対象とするエンジン及びその触媒の概略構成を説
明する。同図1に示されるように、このエンジンは、エ
アクリーナ(図示せず)の下流側にスロットル弁3が備
えられている。このスロットル弁3には、同スロットル
弁3の開度を検出するスロットルセンサ4が設けられて
いる。
【0022】また、スロットル弁3の下流にはサージタ
ンク5が設けられている。このサージタンク5には、エ
ンジン負圧を検出する圧力センサ1が設けられている。
なおこの実施例では、この圧力センサ1によって、エン
ジンが吸入する空気量を間接的に検出するようにしてい
る。また、この吸入空気の温度は同サージタンク5に配
設された吸気温センサ2によって検出される。
【0023】更に、このサージタンク5には、インテー
クマニホールド6が連結されており、このインテークマ
ニホールド6の他方端は更に、エンジン本体8の燃焼室
8Aに接続されている。インテークマニホールド6に
は、同インテークマニホールド6内に燃料を噴射供給す
るための燃料噴射弁7が配設され、エンジン本体8に
は、点火プラグ9、及びエンジン冷却水温を検出するた
めの冷却水温センサ10がそれぞれ配設されている。
【0024】他方、エンジンの燃焼室8Aは、エキゾー
ストマニホールド11を介して、三元触媒を充填した触
媒コンバータ(触媒)12に接続されている。この触媒
コンバータ(触媒)12が、エンジンの排気ガス中に含
まれる有害ガス成分を無害な成分に清浄化する装置であ
ることは上述した通りである。ここで、エキゾーストマ
ニホールド11には、排気温度センサ13が取り付けら
れており、該排気温度センサ13によって、エキゾース
トマニホールド11を通って排気されるガスの温度が検
出される。また、触媒コンバータ(触媒)12にも触媒
温度センサ14が取り付けられており、該触媒温度セン
サ14を通じて触媒コンバータ(触媒)12自身の温度
が検出される。
【0025】また、エンジン本体8に配設されている上
記点火プラグ9は、ディストリビュータ15に電気的に
接続されている。ディストリビュータ15はまた、イグ
ナイタ16に接続され、これら点火プラグ9、ディスト
リビュータ15及びイグナイタ16によって、図1に例
示したエンジンの点火装置が構成されている。また、デ
ィストリビュータ15には、ピックアップと、ディスト
リビュータシャフトに固定されたシグナルロータとで構
成された、気筒判別センサ17、及びエンジン回転数セ
ンサ18が配設されている。気筒判別センサ17は、当
該エンジンが例えば4気筒エンジンであれば、クランク
角180度毎に、気筒判別信号を制御回路20に対して
出力し、当該エンジンが例えば6気筒エンジンであれ
ば、クランク角120度毎に、気筒判別信号を制御回路
20に対して出力するセンサである。また、エンジン回
転数センサ18は、例えばクランク角30度毎に、当該
エンジンの回転数に比例したクランク角信号を制御回路
20に対して出力するセンサである。
【0026】制御回路20は、周知のCPU、RAM、
ROM、バックアップRAM、入出力ポート等を具える
マイクロコンピュータによって構成されており、特に上
述のように、触媒12を対象として、同触媒12の温度
を触媒温度センサ14により検出するとともに、この検
出された温度に基づきエンジンに供給する燃料量を操
作、補正することで、該対象とする触媒12の温度を目
標温度に制御するこの実施例の装置においては、図2に
示されるように、触媒温度予測部21、補正量算出部2
2、及び掛算器23を機能的に具える回路として構成さ
れる。
【0027】以下、制御回路20を構成するこれら各部
の機能、並びに動作について順に説明する。触媒温度予
測部21は、上記触媒温度センサ14によって検出され
る触媒温度Texsに基づいて、同センサ14自身の一
次遅れを見込んだ触媒12の実際の温度Texを予測す
る部分である。以下に、その予測手法を示す。
【0028】制御回数を示す変数をi、触媒温度センサ
14についてのモデル定数をaとして、同触媒温度セン
サ14の応答遅れを表すと次式のようになる。
【0029】
【数5】
【0030】これは、実際の触媒温度Texから(1−
a)/(Z−a)の一次遅れをもってセンサ温度Tex
sが検出されることを表すものであり、これを図式化す
ると図3(a)のようになる。ただしここでは、センサ
温度Texsから実際の触媒温度を推定するものである
ことから、同図3(b)に示すような逆モデルを考え
る。この逆モデルは、上記(5)式から
【0031】
【数6】
【0032】となる。よって、求める触媒温度Tex
は、
【0033】
【数7】
【0034】として得られるようになる。ただし、(i
+1)といった未来の情報は使用できないため、ここで
はこれを
【0035】
【数8】
【0036】として近似する。このように、上記モデル
定数aとして適切な値さえ設定することができれば、今
回のセンサ温度Texs(i)と前回のセンサ温度Te
xs(i−1)とによって、その時点での実際の触媒温
度Tex(i)が予測されるようになる。この触媒温度
予測部21を通じて予測された触媒温度Texは、補正
量算出部22に対して与えられる。なお、この実施例に
おいては、上記モデル定数aについての適切な値が実験
等を通じて予め求められ、この求められたモデル定数a
が同触媒温度予測部21に対して適宜に記憶保持されて
いるものとする。
【0037】補正量算出部22は、上記予測された実際
の触媒温度Texと目標とする触媒温度TRとの差に基
づいて、アクチュエータとしての上記燃料噴射弁7の操
作量TAUに対する補正量Fexを算出する部分であ
る。以下に、その補正手法の一例を示す。
【0038】この実施例の装置では、上記実際の触媒温
度Texと目標とする触媒温度TRとの差をいわゆる比
例積分微分(PID)制御して、上記燃料噴射弁7の操
作量TAUに対する補正量Fexを求めるものとする。
ここに、補正量算出部22では、上記差が
【0039】
【数9】
【0040】として与えられるものとすれば、比例項u
1 (i)については、
【0041】
【数10】
【0042】としてこれを求め、積分項u2 (i)につ
いては、
【0043】
【数11】
【0044】としてこれを求め、そして微分項u3
(i)については、
【0045】
【数12】
【0046】としてこれを求めた後、上記補正量Fex
【0047】
【数13】
【0048】として求めるようになる。なおここで、上
記Kp、Ki、及びKdは何れも、予め適合設定される
定数である。この補正量算出部22によって算出された
補正量Fexは、掛算器23に対して与えられる。
【0049】掛算器23は、上記算出された補正量Fe
xと、アクチュエータとしての上記燃料噴射弁7の操作
量について予め求められた操作量TAUとを掛算するこ
とにより、基準の操作量TAUを操作量TAU’として
補正する部分である。すなわち、この実施例の装置にお
いて上記触媒12の温度Texを目標温度TRに制御す
るための燃料噴射弁操作量(すなわち燃料噴射量)TA
U’は、該掛算器23を通じて、
【0050】
【数14】
【0051】として与えられるようになる。なお、上記
基準操作量TAUは、周知の燃料噴射制御装置等を通じ
て、エンジン8の運転状態に応じたその都度の好適な値
として求められている燃料噴射弁7の操作量(燃料供給
量)である。
【0052】図4〜図7は、この制御回路20が触媒1
2の温度を制御する上で実際に行う処理についてその処
理手順を示したものであり、以下、これら図4〜図7を
併せ参照して、該第1の実施例の装置全体としての動作
を更に詳述する。
【0053】図4は、この実施例の装置において、制御
回路20が上記温度制御を行うために、例えば100m
s毎のタイマ割り込みにて実行する処理の処理ルーチン
(タイマ割込ルーチン100)を示す。
【0054】すなわち、上記のタイマ割り込みに基づい
てこのタイマ割込ルーチン100に入った制御回路20
は、まず、触媒温度予測部21を通じて、実触媒温度の
予測処理を実行する(ステップ110)。この実触媒温
度予測ルーチン110については、図5にその詳細を示
している。
【0055】図5に示される該実触媒温度予測ルーチン
110において、制御回路20は、触媒温度センサ14
から出力される現在の触媒温度Texs(i)を取り込
む(ステップ111)。そして、同触媒温度予測部21
内に保持されているモデル定数aを用い、該制御回路2
0内のRAM若しくはバックアップRAMに保持されて
いるとする前回の検出触媒温度Texs(i−1)とと
もに先の(8)式の演算を実行して、触媒12のそのと
きの実際の温度(推定触媒温度)Tex(i)を算出す
る(ステップ112)。
【0056】こうして実際の触媒温度Tex(i)を予
測した制御回路20は、次に、この予測した触媒温度T
ex(i)を補正量算出部22に与え、該補正量算出部
22を通じて補正量(Fex)の計算処理を実行する
(図4ステップ120)。この補正量の計算ルーチン1
20については、図6にその詳細を示している。
【0057】図6に示される補正量の計算ルーチン12
0において、制御回路20は、目標温度TRと上記予測
された触媒温度Texとから、先の(9)式に基づい
て、それらの差e(i)をまず求め(ステップ12
1)、次いで先の(10)式、(11)式、及び(1
2)式を順次実行して、比例項u1 (i)、積分項u2
(i)、及び微分項u3 (i)の各補正値を求める(ス
テップ122〜124)。そしてその後、これら求めた
各補正値u1 (i)、u2 (i)、及びu3 (i)を先
の(13)式に基づき加算して、補正量Fex(i)を
決定する(ステップ125)。この決定した補正量Fe
x(i)も、同制御回路20内のRAM若しくはバック
アップRAMに保存される。
【0058】制御回路20は、以上説明した「実触媒温
度の予測」、及び「補正量の計算」といった各処理を、
上述のように、例えば100ms毎のタイマ割り込みが
発生する都度、実行する。
【0059】図7は、この実施例の装置において、同じ
く制御回路20が上記温度制御を行う上で実行するメイ
ンルーチンを示したものである。すなわち制御回路20
は、このメインルーチン1000において、上記RAM
若しくはバックアップRAMに保存されている補正量F
ex(i)を読み込み(ステップ1100)、この読み
込んだ補正量Fex(i)を掛算器23に与える。そし
て、先の(14)式に基づいて、燃料噴射弁7の前記基
準操作量(燃料の基準噴射量)TAUを補正する(ステ
ップ1200)。
【0060】このように、第1の実施例の装置によれ
ば、こうしたメインルーチン1000の実行、並びにそ
の繰り返しによって、触媒12に対する温度制御が円滑
に実行されることとなる。
【0061】図8に、この発明にかかる内燃機関の温度
制御装置の第2の実施例を示す。ただし、この第2の実
施例の装置においても、その基本的な構成は先の図1に
示される構成と同様であり、ここではその特徴となる部
分である制御回路20の構成のみを示す。
【0062】また、この図8において、先の図2に示し
た要素と同一若しくは対応する要素には同一若しくは対
応する符号を付して示しており、特に同一の要素につい
てはその重複する説明を割愛する。
【0063】さて、この図8に示されるように、この第
2の実施例の装置の制御回路20では、制御対象モデル
定数算出部24を新たに具えるとともに、そこで算出さ
れたモデル定数α、β、及びγが補正量算出部22’に
対して与えられるようになっている。
【0064】ここで、制御対象モデル定数算出部24
は、触媒温度センサ14により検出される温度Tex
s、及び上記補正量算出部22によって算出された補正
量Fexをもとに、制御対象モデルのモデル定数をリア
ルタイムにて算出する部分である。以下に、その算出手
法を示す。
【0065】制御対象モデルのモデル定数をα、β、及
びγ(このうち、定数αは触媒温度センサ14の時定
数、定数β及びγは、触媒12の物理的な位置条件や各
種外乱等を含む未知定数とする)、また制御回数を示す
変数をiとするとき、触媒温度センサ14により検出さ
れる温度Texsについての一次遅れを表すと、次式の
ようになる。
【0066】
【数15】
【0067】ここで、この(15)式におけるモデル定
数α、β、及びγは何れも未知数であることからこれら
を推定値として書き代え、且つ同式を既知信号と未知信
号とに分離すると
【0068】
【数16】
【0069】となる。そしてここでは、未知数である
α、β、及びγの各推定値を逐次最小2乗法によって求
める。すなわち、Θをパラメータベクトル、またWを測
定値ベクトルとして、
【0070】
【数17】
【0071】とおいたとき、
【0072】
【数18】
【0073】であれば、i→∞の条件で
【0074】
【数19】
【0075】が保証されるようになる。このため、上記
(18)式のアルゴリズムを用いることで、未知数であ
るモデル定数α、β、及びγが求まることとなる。そこ
でここでは、この(18)式をリアルタイムにて実行
し、その求まる値を便宜上、ここで求めるモデル定数α
(i)、β(i)、及びγ(i)とする。ただし、この
(18)式において、Γは、
【0076】
【数20】
【0077】であって、
【0078】
【数21】
【0079】を初期値とする3×3の対称行列である。
また、補正量算出部22’は、こうしてリアルタイムに
て算出され、修正されるモデル定数を用いて補正量Fe
xを算出するように構成されている。
【0080】次に、この補正量算出部22’における上
記モデル定数の利用態様について説明する。上記第1の
実施例の装置では、制御回路20を構成する補正量算出
部22が、上記実際の触媒温度Texと目標とする触媒
温度TRとの差をいわゆる比例積分微分(PID)制御
して、上記燃料噴射弁7の操作量(燃料噴射量)TAU
に対する補正量Fexを求めるに際し、比例項、積分
項、及び微分項の全てに対して各々固定の定数Kp、K
i、及びKdを用いるようにした。しかし、これらの補
正量のうち、比例項については、その比例定数Kpを上
記算出されるモデル定数で置き換えることができる。こ
の第2の実施例の装置では、こうした意図のもとに、比
例定数Kpを上記算出されるモデル定数で置き換えるよ
うにしている。以下に、その置換手法を示す。
【0081】まず、先の(15)式のモデル式を変形し
て、補正量Fexの項を導出すると次式のようになる。
【0082】
【数22】
【0083】ここで、補正量Fexoにて補正している
ときの触媒温度センサ14による検出温度が温度Tex
soであるとして、この(22)式に
【0084】
【数23】
【0085】を代入して整理すれば、
【0086】
【数24】
【0087】となる。したがって、比例項の比例定数K
pは、
【0088】
【数25】
【0089】として、前記リアルタイムにて算出、修正
されるモデル定数α.βで置き換えることができるよう
になる。またこうしたモデル定数を用いて補正量Fex
を算出するようにすることで、その算出される補正量F
exも、経時変化等に影響されない、更に精度の高い情
報となる。
【0090】図9〜図12は、この第2の実施例の装置
の制御回路20が触媒12の温度を制御する上で実際に
行う処理についてその処理手順を示したものであり、以
下、これら図9〜図12を併せ参照して、該第2の実施
例の装置全体としての動作を更に詳述する。
【0091】図9は、この第2の実施例の装置におい
て、制御回路20が上記温度制御を行うために、例えば
100ms毎のタイマ割り込みにて実行する処理の処理
ルーチン(タイマ割込ルーチン200)を示す。
【0092】すなわち、上記のタイマ割り込みに基づい
てこのタイマ割込ルーチン200に入った制御回路20
は、まず、触媒温度予測部21を通じて、実触媒温度の
予測処理を実行する(ステップ210)。この実触媒温
度予測ルーチン210については、図10にその詳細を
示している。
【0093】図10に示される該実触媒温度予測ルーチ
ン210において、制御回路20は、触媒温度センサ1
4から出力される現在の触媒温度Texs(i)を取り
込む(ステップ211)。そして、同触媒温度予測部2
1内に保持されている前記センサのモデル定数aを用
い、該制御回路20内のRAM若しくはバックアップR
AMに保持されているとする前回の検出触媒温度Tex
s(i−1)とともに先の(8)式と同様の演算を実行
して、触媒12のそのときの実際の温度(推定触媒温
度)Tex(i)を算出する(ステップ212)。
【0094】こうして実際の触媒温度Tex(i)を予
測した制御回路20は次に、この予測した触媒温度Te
x(i)を補正量算出部22’に与え、該補正量算出部
22’を通じて補正量(Fex)の計算処理を実行する
(図9ステップ220)。この補正量の計算ルーチン1
20については、図11にその詳細を示している。
【0095】図11に示される補正量の計算ルーチン2
20において、制御回路20は、目標温度TRと上記予
測された触媒温度Texとから、先の(9)式に基づい
て、それらの差e(i)をまず求めた後(ステップ22
1)、比例項u1 については、
【0096】
【数26】
【0097】として、前記リアルタイムにて算出、修正
されたモデル定数を用いてその補正値を算出する(ステ
ップ222)。以降は、先の図6に示した補正量計算ル
ーチン120と同様、(11)式、及び(12)式を順
次実行して、積分項u2 (i)、及び微分項u3 (i)
の各補正値を求め(ステップ223〜224)、これら
求めた各補正値u1 (i)、u2 (i)、及びu3
(i)を先の(13)式に基づき加算して、補正量Fe
x(i)を決定する(ステップ225)。こうして決定
される補正量Fex(i)が、経時変化等に影響されな
い精度の高い情報となることは上述した通りである。こ
の決定した補正量Fex(i)も、制御回路20内のR
AM若しくはバックアップRAMに保存される。
【0098】こうして補正量Fexを決定した制御回路
20は、次に、この決定した補正量Fex(正確には、
RAM若しくはバックアップRAMに保存されている3
回前の補正量Fex(i−3))と、触媒温度センサ1
4から取り込んだ現在の触媒温度Texs(i)とか
ら、制御対象モデル定数算出部24を通じて、モデル定
数の修正処理を実行する(図9ステップ230)。この
モデル定数修正ルーチン230については、図12にそ
の詳細を示している。
【0099】図12に示されるモデル定数修正ルーチン
230において、制御回路20はまず、前記対象行列Γ
を先の(21)式の如く初期化した後(ステップ23
1)、測定値ベクトルとパラメータベクトルとを先の
(17)式の如く定め(ステップ232、及びステップ
233)、これに先の(20)式に示した対称行列Γを
導入して(ステップ234)、先の(18)式を実行す
る(ステップ235)。そして、この結果得られたモデ
ル定数α(i)、β(i)、及びγ(i)を、モデル定
数の修正値として、同制御回路20内のRAM若しくは
バックアップRAMに保存する(ステップ236)。
【0100】第2の実施例の装置の制御回路20は、以
上説明した「実触媒温度の予測」、「補正量の計算」及
び「モデル定数の修正」といった各処理を、上述のよう
に、例えば100ms毎のタイマ割り込みが発生する都
度、実行する。
【0101】なお、先の図7に示したメインルーチン1
000については、この第2の実施例の装置においても
同様に実行されるものであり、ここでの重複する説明は
割愛する。
【0102】このように、第2の実施例の装置では、エ
ンジンの実際の要求に見合った制御対象モデルとしての
モデル定数をリアルタイムにて算出し、修正し、且つこ
のリアルタイムにて修正されたモデル定数を用いてその
都度の補正量Fexを算出するようにしていることか
ら、製造工差や経時的な変化などに起因する制御対象モ
デルのばらつき、変動といったようなものも自ずと吸収
されるようになる。
【0103】次に、図13に、この発明にかかる内燃機
関の温度制御装置の第3の実施例を示す。この第3の実
施例の装置においても、その基本的な構成は先の図1に
示される構成と同様であり、ここでもその特徴となる部
分である制御回路20の構成のみを示す。
【0104】また、この図13においても、先の図2に
示した要素と同一若しくは対応する要素には同一若しく
は対応する符号を付して示している。さて、この図13
に示す触媒温度予測部21’も、触媒温度センサ14に
よって検出される触媒温度Texsに基づいて、同セン
サ14自身の一次遅れを見込んだ触媒12の実際の温度
Texを予測する部分である。ただしこの触媒温度予測
部21’では、先の実施例における触媒温度予測部21
とは異なるセンサモデルに基づいてその温度予測を行う
ものであり、以下に、その予測手法を示す。
【0105】ここでは、触媒温度センサ14についての
モデル定数をa1 、b1 、b2 とし、また制御回数を示
す変数をiとして、同触媒温度センサ14の応答遅れを
表す。これは次式のようになる。
【0106】
【数27】
【0107】これは、実際の触媒温度Texから(b1
Z+b2 )/(Z−a1 )の一次遅れをもってセンサ温
度Texsが検出されることを表すものであり、これを
図式化すると図14(a)のようになる。ただし、ここ
でも先の実施例と同様、センサ温度Texsから実際の
触媒温度を推定するものであることから、同図14
(b)に示すような逆モデルを考える。この逆モデル
は、上記(27)式から
【0108】
【数28】
【0109】となる。よって、求める触媒温度Tex
は、
【0110】
【数29】
【0111】として得られるようになる。ただしこの実
施例の装置では、更に精度を上げるために、外乱c1 を
導入して、
【0112】
【数30】
【0113】として用いるものとする。このように、上
記モデル定数a1 、b1 、b2 、c1 として適切な値さ
え設定することができれば、今回のセンサ温度Texs
(i)と前回のセンサ温度Texs(i−1)、及び触
媒温度予測部21’自らによる前回の触媒予測温度Te
x(i−1)とによって、その時点での実際の触媒温度
Tex(i)が予測されるようになる。そして、この触
媒温度予測部21’を通じて予測された触媒温度Tex
が、補正量算出部22に対して与えられるようになる。
なお、この第3の実施例においても、上記モデル定数a
1 、b1 、b2 、c1 についての適切な値は実験等を通
じて予め求められ、これら求められたモデル定数a1 、
b1 、b2、c1 が同触媒温度予測部21’に対して適
宜に記憶保持されているものとする。
【0114】補正量算出部22は、上記予測された実際
の触媒温度Texと目標とする触媒温度TRとの差に基
づいて、アクチュエータとしての燃料噴射弁7の操作量
TAUに対する補正量Fexを算出する部分である。
【0115】また、掛算器23は、上記算出された補正
量Fexと、アクチュエータとしての燃料噴射弁7の操
作量について予め求められた操作量TAUとを掛算する
ことにより、基準の操作量TAUを操作量TAU’とし
て補正する部分である。
【0116】これら補正量算出部22及び掛算器23は
何れも、先の第1の実施例の装置のものと同じものであ
り、その詳細についての重複する説明は割愛する。次
に、この第3の実施例の装置全体としての動作を説明す
る。
【0117】この第3の実施例の装置においても、制御
回路20は、上記温度制御を行うために例えば100m
s毎のタイマ割り込みにてタイマ割込ルーチンを実行す
る。ただし、このタイマ割り込みルーチンは、先の図4
に示した第1の実施例の装置のタイマ割り込みルーチン
100に準ずるものである。
【0118】すなわち、上記のタイマ割り込みに基づい
てこのタイマ割込ルーチンに入った制御回路20は、ま
ず、触媒温度予測部21’を通じて、実触媒温度の予測
処理を実行する。この第3の実施例の装置による実触媒
温度予測ルーチンについては、ルーチン310として図
15にその詳細を示している。
【0119】図15に示される該実触媒温度予測ルーチ
ン310において、制御回路20は、触媒温度センサ1
4から出力される現在の触媒温度Texs(i)を取り
込む(ステップ311)。そして、同触媒温度予測部2
1’内に保持されているモデル定数a1 、b1 、b2 、
c1 を用い、該制御回路20内のRAM若しくはバック
アップRAMに保持されているとする前回の検出触媒温
度Texs(i−1)並びに同触媒温度予測部21’に
よる前回の予測温度Tex(i−1)とともに先の(3
0)式の演算を実行して、触媒12のそのときの実際の
温度(推定触媒温度)Tex(i)を算出する(ステッ
プ312)。
【0120】こうして実際の触媒温度Tex(i)を予
測した制御回路20は、次に、この予測した触媒温度T
ex(i)を補正量算出部22に与え、該補正量算出部
22を通じて補正量(Fex)の計算処理を実行する。
この補正量の計算ルーチンは、先の図6に示した第1の
実施例の装置の補正量計算ルーチン120に準ずるもの
となっている。
【0121】制御回路20は、こうした「実触媒温度の
予測」、及び「補正量の計算」といった各処理を、上述
のように、例えば100ms毎のタイマ割り込みが発生
する都度、実行する。
【0122】そして、先の図7に示したメインルーチン
1000が、この第3の実施例の装置においても同様に
実行されて、先の(14)式に基づく基準操作量(燃料
の基準噴射量)TAUの補正が行われる。
【0123】このように、第3の実施例の装置によって
も、メインルーチン1000の実行、並びにその繰り返
しによって、触媒12に対する温度制御が円滑に実行さ
れるようになる。しかもこの第3の実施例の装置では、
触媒温度センサ14に対し先の(30)式に示したよう
なモデル化を行っていることから、その予測される温度
についての精度も更に高いものとなる。
【0124】図16に、この発明にかかる内燃機関の温
度制御装置の第4の実施例を示す。この第4の実施例の
装置においても、その基本的な構成は先の図1に示され
る構成と同様であり、ここでもその特徴となる部分であ
る制御回路20の構成のみを示す。
【0125】さて、この第4の実施例の装置は、同図1
6からも明らかなように、先の第3の実施例の装置に、
同じく先の第2の実施例の装置を組み合わせた構成を有
している。
【0126】すなわちこの第4の実施例の装置におい
て、触媒温度予測部21’は、触媒温度センサ14に対
し先の(30)式に示したモデル化を行って触媒12の
実際の温度を予測する部分であり、制御対象モデル定数
算出部24は、触媒温度センサ14により検出される温
度Texs、及び補正量算出部22’によって算出され
た補正量Fexをもとに、制御対象モデルのモデル定数
α、β、及びγをリアルタイムにて算出する部分であ
り、そして補正量算出部22’は、こうしてリアルタイ
ムにて算出され、修正されるモデル定数α、β、及びγ
を用いて上記補正量Fexを算出する部分である。
【0127】したがって、この第4の実施例の装置全体
としても、その制御回路20は、 (1)図9に示したタイマ割り込みルーチン200に準
じてタイマ割り込みルーチンを繰り返し実行する。 (2)このタイマ割り込みルーチンにおいて、実触媒温
度の予測に際しては、図15に示した実触媒温度予測ル
ーチン310に準じた処理を実行する。 (3)同タイマ割り込みルーチンにおいて、補正量の計
算に際しては、図11に示した補正量の計算ルーチン2
20に準じた処理を実行する。 (4)同タイマ割り込みルーチンにおいて、制御対象モ
デルのモデル定数修正に際しては、図12に示したモデ
ル定数の修正ルーチン230に準じた処理を実行する。 (5)そして、図7に示したメインルーチン1000を
これまでの実施例の装置と同様に繰り返し実行する。 といった態様で、触媒12の温度制御を行うこととな
る。
【0128】このため、この第4の実施例の装置によれ
ば、先の第3の実施例の装置による効果と先の第2の実
施例の装置による効果とが加味されて、高い精度のもと
に同触媒12の温度を予測することができるとともに、
製造工差や経時的な変化などに起因する制御対象モデル
のばらつき、変動といったようなものも良好に吸収する
ことができるようになる。
【0129】ところで、上記第1〜第4の実施例の装置
では何れも、触媒温度センサ14の一次遅れを見込んだ
挙動を予めモデル化するとともに、そのモデルについて
実験等により求めたモデル定数(センサモデル定数)を
用いて、制御対象とする部分の温度を即座に予測するよ
うにした。この手法は、理想とされるセンサモデル定数
にずれさえ生じなければ、簡便で、確かに有効な手法で
はあるが、同センサモデル定数に機関状態の経時的変化
等に起因するずれが生じる場合には、それに基づき予測
される温度にも自ずと誤差が生じることとなる。
【0130】そこで以下に、このような予測誤差をも良
好に回避することのできる実施例を更に示す。例えば、
エンジン回転数が比較的高く、スロットルバルブが全閉
している、いわゆるエンジンブレーキ状態にあるとき、
或いはエンジンの回転数が設定値以上となるときには、
燃料の噴射を停止する燃料カットが実施される。そし
て、エンジンの運転中にこうした燃料カットが行われる
と、その排気温度は下がり、やがてある一定の温度に収
束されるようになる。
【0131】したがってこの場合、上記収束される温度
を基準として、その使用される温度センサをモデル化す
ることができるようになる。また、そのモデル化の都
度、モデル定数を修正するようにすれば、たとえ同モデ
ル定数に機関状態の経時的変化等に起因するずれが生じ
る場合であっても、上記予測される温度についての信頼
性は良好に維持されるようになる。
【0132】なおこの場合、排気温度でも、またこれま
で述べた触媒温度でも、燃料カットによって一定温度に
収束されるようになることは同様であるが、触媒温度の
場合にはこの一定温度に収束されるまでの時間がより長
くかかるため、ここでは排気温度を対象としてその温度
制御を行うようにすることがより望ましい。
【0133】図17に、こうした原理に基づいて構成し
た、この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の第5の
実施例を示す。ただし、この第5の実施例の装置におい
ても、エキゾーストマニホールド11に配設される排気
温度センサ13を用いて排気温度の制御を行う以外、そ
の基本的な構成は先の図1に示される構成と同様であ
り、ここでもその特徴となる部分である制御回路20の
構成を主に示す。
【0134】また、この図17においても、これまでの
実施例で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付
して示しており、それら要素についての重複する説明は
割愛する。
【0135】さて、この図17に示されるように、この
第5の実施例の装置の制御回路20では、センサモデル
定数算出部25を新たに具えるとともに、そこで算出さ
れたモデル定数aが排気温度予測部26に対して与えら
れるようになっている。
【0136】ここで、センサモデル定数算出部25は、
上記燃料カットを実施している旨示す燃料カット信号の
印加に基づいて、排気温度についての該燃料カットによ
り収束されるある一定の温度Tを擬似的に定めるととも
に、この定めた温度Tを基準として、そのときに排気温
度センサ13を通じて検出されている温度Texsの同
温度Tに達するまでの挙動をモデル化する部分である。
そしてこのセンサモデル定数算出部25では、該モデル
化を実施する都度、同モデルについてのモデル定数(セ
ンサモデル定数)を算出する。以下に、その算出手法を
示す。
【0137】ここでは、上記排気温度センサ13を通じ
て検出されている温度Texsの挙動(一次遅れ)を先
の(5)式の如くモデル化する。ただし、その精度を更
に上げるべく外乱c1 を導入して、これを次式の如く置
く。
【0138】
【数31】
【0139】なお、上記(1−a)については、これを
便宜上、定数bに置き換える。したがって、このモデル
式は結局、次式のようになる。
【0140】
【数32】
【0141】以下では、この(32)式に基づいて、そ
のモデル定数a、b、及びc1 を算出する。ここで、こ
の(32)式におけるモデル定数a、b、及びc1 は何
れも未知数であることからこれらを推定値として書き代
え、且つ同式を既知信号と未知信号とに分離すると
【0142】
【数33】
【0143】となる。そしてここでも、未知数である
a、b、及びc1 の各推定値を逐次最小2乗法によって
求める。すなわち、Θをパラメータベクトル、またWを
測定値ベクトルとして、
【0144】
【数34】
【0145】とおき、またここで、Tex(i)に先の
収束温度の値Tを入れて、
【0146】
【数35】
【0147】とおいたとき、
【0148】
【数36】
【0149】であれば、i→∞の条件で
【0150】
【数37】
【0151】が保証されるようになる。このため、上記
(36)式のアルゴリズムを用いることで、未知数であ
るモデル定数a、b、及びc1 が求まることとなる。そ
こでここでは、この(36)式をリアルタイムにて実行
し、その求まる値を便宜上、ここで求めるモデル定数
a、b、及びc1 とする。ただし、この(36)式にお
いて、Γは、
【0152】
【数38】
【0153】であって、
【0154】
【数39】
【0155】を初期値とする3×3の対称行列である。
また、排気温度予測部26は、こうして算出され、修正
されるセンサモデル定数のうちの定数aを用いて、上記
排気温度センサ13自身の一次遅れを見込んだ排気温度
についての実際の温度Texを予測する部分である。な
おこの予測手法は、先の第1の実施例において(5)式
〜(8)式に基づき説明した予測手法に準ずるものであ
り、ここでの重複する説明は割愛する。
【0156】また、この第5の実施例の装置において、
補正量算出部22’、掛算器23、及び制御対象モデル
定数算出部24は何れも、図8に示した第2の実施例の
装置のものと同一のものであり、これら要素の詳細につ
いても、その重複する説明は割愛する。
【0157】図18〜図20は、この第5の実施例の装
置の制御回路20が排気温度を制御する上で実際に行う
処理についてその処理手順を示したものであり、以下、
これら図18〜図20を併せ参照して、該第5の実施例
の装置全体としての動作を更に詳述する。
【0158】図18は、この第5の実施例の装置におい
て、制御回路20が上記温度制御を行うために、例えば
100ms毎のタイマ割り込みにて実行する処理の処理
ルーチン(タイマ割込ルーチン500)を示す。
【0159】すなわち、上記のタイマ割り込みに基づい
てこのタイマ割込ルーチン500に入った制御回路20
は、まず、センサモデル定数算出部25及び排気温度予
測部26を通じて、実排気温度の予測処理を実行する
(ステップ510)。この実排気温度予測ルーチン51
0については、図19にその詳細を示している。
【0160】図19に示される該実排気温度予測ルーチ
ン510において、制御回路20はまず、上記燃料カッ
ト信号に基づいて燃料カットの有無を判断する。その結
果、現在燃料カット中であれば、センサモデル定数算出
部25を通じて上述した擬似排気温度(擬似排気温度信
号)Tを定め(ステップ511)、該温度Tをもとに、
先の(31)式或いは(32)式のモデル化を実行する
(ステップ512)。そして制御回路20は、同センサ
モデル定数算出部25を通じてセンサモデル定数の修正
処理を実行する(ステップ513)。このセンサモデル
定数修正ルーチン513については、図20にその詳細
を示している。
【0161】図20に示されるセンサモデル定数修正ル
ーチン513において、制御回路20はまず、前記対象
行列Γを先の(39)式の如く初期化した後(ステップ
5131)、測定値ベクトルとパラメータベクトルとを
先の(34)式及び(35)式の如く定め(ステップ5
132、及びステップ5133)、これに先の(38)
式に示した対称行列Γを導入して(ステップ513
4)、先の(36)式を実行する(ステップ513
5)。そして、この結果得られたモデル定数a、b、及
びc1 を、モデル定数の修正値として、同制御回路20
内のRAM若しくはバックアップRAMに保存する(ス
テップ5136)。
【0162】一方、図19の実排気温度予測ルーチン5
10において、現在燃料カット中でない旨判断された場
合には、制御回路20は、排気温度センサ13から出力
される現在の排気温度Texs(i)を取り込む(ステ
ップ514)。そして、上記センサモデル定数算出部2
5に保持されているモデル定数aを読み込み(ステップ
515)、該制御回路20内のRAM若しくはバックア
ップRAMに保持されているとする前回の検出排気温度
Texs(i−1)とともに先の(8)式の演算を実行
して、排気温度についてのそのときの実際の温度(推定
排気温度)Tex(i)を算出する(ステップ51
6)。
【0163】こうして実際の排気温度Tex(i)を予
測した制御回路20は次に、この予測した排気温度Te
x(i)を補正量算出部22’に与え、該補正量算出部
22’を通じて補正量(Fex)の計算処理を実行する
(図18ステップ520)。ただし、この補正量の計算
処理、並びに次の制御対象モデル定数の修正処理(ステ
ップ530)は、それぞれ先の図11及び図12に示し
た第2の実施例の装置による補正量の計算処理ルーチン
220及びモデル定数修正ルーチン230に準じて実行
される。
【0164】また、先の図7に示したメインルーチン1
000も、この第5の実施例の装置において同様に実行
されるが、ここでの重複する説明は割愛する。このよう
に、第5の実施例の装置によれば、エンジンの実際の要
求に見合った制御対象モデルとしてのモデル定数がリア
ルタイムにて算出、修正され、且つこのリアルタイムに
て修正されたモデル定数に基づいてその都度の補正量F
exが算出されることに加え、温度予測するためのセン
サモデル定数も、燃料カットが実施される都度、更新さ
れるようになる。このため、制御対象モデルはもとより
上記センサモデルについても、その製造工差や経時的な
変化などに起因するばらつき、変動といったようなもの
が良好に吸収され、ひいてはより信頼性の高い温度予測
に基づくより正確で迅速な温度制御が実現されるように
なる。
【0165】図21に、上記第5の実施例と同様の原理
に基づいて構成した、この発明にかかる内燃機関の温度
制御装置の第6の実施例を示す。この第6の実施例の装
置においても、エキゾーストマニホールド11に配設さ
れる排気温度センサ13を用いて排気温度の制御を行う
以外、その基本的な構成は先の図1に示される構成と同
様であり、ここでもその特徴となる部分である制御回路
20の構成を主に示す。
【0166】さて、同図21に示されるように、この第
6の実施例の装置の制御回路20では、センサモデル定
数算出部25’を具えるとともに、そこで算出されたモ
デル定数a1 、b1 、b2 、及びc1 が排気温度予測部
26’に対して与えられるようになっている。
【0167】このセンサモデル定数算出部25’も、機
能的には先の第5の実施例の装置のセンサモデル定数算
出部25と同様、燃料カット信号の印加に基づいて排気
温度センサ13についてのモデル化を実施し、そのセン
サモデル定数の更新を行う。ただし、この第6の実施例
の装置のセンサモデル定数算出部25’では、同センサ
13について、先の(27)式に基づくモデル化を実施
してそのモデル定数(センサモデル定数)を算出する。
以下に、その算出手法を示す。
【0168】ここでも、更なる精度の向上を狙って、先
の(27)式のモデル式に対し外乱c1 を導入する。こ
れは次式のようになる。
【0169】
【数40】
【0170】以下では、この(40)式に基づいて、そ
のモデル定数a1 、b1 、b2 、c1 を算出する。ここ
で、この(40)式におけるモデル定数a1 、b1 、b
2 、及びc1 は何れも未知数であることからこれらを推
定値として書き代え、且つ同式を既知信号と未知信号と
に分離すると
【0171】
【数41】
【0172】となる。そしてここでも、未知数であるa
1 、b1 、b2 、及びc1 の各推定値を逐次最小2乗法
によって求める。すなわち、Θをパラメータベクトル、
またWを測定値ベクトルとして、
【0173】
【数42】
【0174】とおき、またここで、Tex(i+1)及
びTex(i)に先の収束温度の値Tを入れて、
【0175】
【数43】
【0176】とおいたとき、
【0177】
【数44】
【0178】であれば、i→∞の条件で
【0179】
【数45】
【0180】が保証されるようになる。このため、上記
(44)式のアルゴリズムを用いることで、未知数であ
るモデル定数a1 、b1 、b2 、及びc1 が求まること
となる。そこでここでは、この(44)式をリアルタイ
ムにて実行し、その求まる値を便宜上、ここで求めるモ
デル定数a1 、b1 、b2 、及びc1 とする。ただし、
この(44)式において、Γは、
【0181】
【数46】
【0182】であって、
【0183】
【数47】
【0184】を初期値とする4×4の対称行列である。
排気温度予測部26’は、こうして算出され、修正され
るセンサモデル定数a1 、b1 、b2 、及びc1 を用い
て、上記排気温度センサ13自身の一次遅れを見込んだ
排気温度についての実際の温度Texを予測する部分で
ある。この予測手法は、先の第3の実施例において(2
7)式〜(30)式に基づき説明した予測手法に準ずる
ものとなる。
【0185】また、この第6の実施例の装置において
も、補正量算出部22’、掛算器23、及び制御対象モ
デル定数算出部24は何れも、図8に示した第2の実施
例の装置のものと同一のものである。
【0186】図22及び図23はそれぞれ、この第6の
実施例の装置の制御回路20が排気温度を制御する上で
実行する実排気温度予測ルーチン、並びにセンサモデル
定数の修正ルーチンを示したものである。他の全ての処
理は、第5の実施例の装置と同様であり、以下では、こ
の第6の実施例の装置を通じて実行される実排気温度予
測ルーチン、並びにセンサモデル定数の修正ルーチンに
ついてその内容を説明する。
【0187】まず、図22に示される実排気温度予測ル
ーチン610において、制御回路20はまず、上記燃料
カット信号に基づいて燃料カットの有無を判断する。そ
の結果、現在燃料カット中であれば、センサモデル定数
算出部25’を通じて上述した擬似排気温度(擬似排気
温度信号)Tを定め(ステップ611)、該温度Tをも
とに、先の(40)式のモデル化を実行する(ステップ
612)。そして制御回路20は、同センサモデル定数
算出部25’を通じてセンサモデル定数の修正処理を実
行する(ステップ613)。このセンサモデル定数修正
ルーチン613については、図23にその詳細を示して
いる。
【0188】図23に示されるセンサモデル定数修正ル
ーチン613において、制御回路20はまず、前記対象
行列Γを先の(47)式の如く初期化した後(ステップ
6131)、測定値ベクトルとパラメータベクトルとを
先の(42)式及び(43)式の如く定め(ステップ6
132、及びステップ6133)、これに先の(46)
式に示した対称行列Γを導入して(ステップ613
4)、先の(44)式を実行する(ステップ613
5)。そして、この結果得られたモデル定数a1 、b
1、b2 、及びc1 を、モデル定数の修正値として、同
制御回路20内のRAM若しくはバックアップRAMに
保存する(ステップ6136)。
【0189】一方、図22の実排気温度予測ルーチン6
10において、現在燃料カット中でない旨判断された場
合には、制御回路20は、排気温度センサ13から出力
される現在の排気温度Texs(i)を取り込む(ステ
ップ614)。そして、上記センサモデル定数算出部2
5’に保持されているモデル定数a1 、b1 、b2 、及
びc1 を読み込み(ステップ615)、該制御回路20
内のRAM若しくはバックアップRAMに保持されてい
るとする前回の検出排気温度Texs(i−1)ととも
に先の(30)式の演算を実行して、排気温度について
のそのときの実際の温度(推定排気温度)Tex(i)
を算出する(ステップ616)。
【0190】このように、この第6の実施例の装置で
は、より精密なセンサモデルを構築して排気温度の予測
を行うものであり、先の第5の実施例の装置よりも更に
精度の高い温度予測を行うことができるようになる。
【0191】なお、これら第5及び第6の実施例の装置
では何れも、制御対象モデル定数をリアルタイム算出し
て補正量Fexに還元させる装置に対して、燃料カット
時にセンサモデル定数の更新を行う装置を適用した場合
について示したが、この燃料カット時にセンサモデル定
数の更新を行う装置が、先の第1或いは第3の実施例の
装置の如く、制御対象モデル定数を算出しない装置に対
しても同様に適用できるものであることは勿論である。
【0192】また、これら第5及び第6の実施例の装置
であっても、第1〜第4の実施例の装置の如く、その制
御対象を触媒温度に設定することは勿論可能である。次
に、図24に、この発明にかかる内燃機関の温度予測装
置を用いた温度制御装置の第7の実施例を示す。
【0193】この第7の実施例では、触媒温度センサの
モデルとして、先の第3の実施例において採用した(2
7)式のモデルを採用するとともに、同モデルのモデル
定数を、流体(ここではガス)の流速に基づいてリアル
タイム算出する装置について説明する。
【0194】ただし、この第7の実施例の装置において
も、その基本的な構成は先の図1に示される構成と同様
であり、ここでもその特徴となる部分である制御回路2
0の構成のみを示す。
【0195】また、この図24において、先の図13に
示した要素と同一若しくは対応する要素には同一若しく
は対応する符号を付して示している。さて、この第7の
実施例の装置において、制御回路20は、エンジンの運
転状態に応じて触媒温度センサ14の時定数を算出し、
この算出された時定数により求められた温度予測モデル
のモデル定数を用いて実際の触媒温度を予測する。
【0196】ここで、流速検出部28は、排気ガスの流
速を検出する部分であり、触媒温度センサ時定数算出部
27は、この検出された流速に応じて触媒温度センサ1
4の時定数(センサ時定数)τを算出する部分である。
以下に、該センサ時定数τの算出手法を示す。
【0197】一般に、流体の温度を測定する場合、セン
サ時定数τは、センサ素子の密度ρ、比熱c、半径r、
及びセンサ素子と流体間の熱伝達率hにより決定され、
【0198】
【数48】
【0199】として表される。また、熱伝達率hは、セ
ンサの代表寸法、流体の種類、及び流体の流速μ等によ
り異なる。
【0200】そこで、温度センサと流体の種類が決まれ
ば、同温度センサの熱伝達率hは、次式のように表され
るようになる。
【0201】
【数49】
【0202】ここで、χ、ψは、センサの素子、径、及
び流体の種類等に依存した未知定数である。このよう
に、触媒温度を測定する場合、センサ時定数τは、触媒
中のガス流速μによって変化する。またこのことは、触
媒中のガス流速μをリアルタイムにて検出し、該検出し
た流速μに応じて触媒温度センサ14の時定数を算出す
るようにすれば、如何なるエンジン運転状態においても
常に最適なセンサ時定数τを得ることができるようにな
ることを意味する。
【0203】そこで、例えばエンジン回転数センサ18
及び圧力センサ1により検出されたエンジン運転状態の
情報をもとに触媒中のガス流速μを算出し、これにより
上記センサ時定数τを求めると、
【0204】
【数50】
【0205】となる。ここで、C1 、C2 は、センサの
素子、流体の種類、及び熱伝達率等に依存した未知定数
である。ただし、これら定数C1 、C2 は、実験等を通
じて、その最適な値を予め求めることができる。
【0206】なお、ここでは便宜上、エンジン回転数セ
ンサ18及び圧力センサ1によって検出されるエンジン
運転状態の情報をもとに触媒中のガス流速μを算出した
が、エアフローメータを具えるエンジンにあっては、該
エアフローメータにより検出される情報をもとに、この
触媒中のガス流速μを算出することもできる。また、触
媒中のガス流速μのみならず、これに相当する量を算出
するようにしても勿論よい。
【0207】センサモデル定数算出部25”は、こうし
て触媒温度センサ時定数算出部27を通じて算出される
触媒温度センサ14の時定数τをもとに、触媒温度モデ
ルのモデル定数を算出する部分である。
【0208】ここで、上記触媒温度センサ14によって
検出される触媒温度Texsに基づいて触媒温度の実際
の温度Texを予測するモデルのモデル定数をa1 、b
1 、b2 、及びc1 、また制御回数を示す変数をiとす
るとき、触媒温度センサ14により検出される温度Te
xsについての応答遅れを表すと次式のようになる。
【0209】
【数51】
【0210】これは、実際の触媒温度Texから(b1
Z+b2 )/(Z−a1 )の一次遅れをもってセンサ温
度Texsが検出されることを表すものであり、これを
図式化すると先の図14(a)のようになる。そしてこ
こでも、センサ温度Texsから実際の触媒温度Tex
を推定するものであることから、同図14(b)に示す
ような逆モデルを考える。この逆モデルは、上記(5
1)式から
【0211】
【数52】
【0212】となる。よって、求める触媒温度Tex
は、
【0213】
【数53】
【0214】として得られるようになる。ただし、(i
+1)といった未来の情報は使用できないため、ここで
はこれを、
【0215】
【数54】
【0216】として近似する。このように、上記モデル
定数a1 、b1 、b2 、c1 を与えれば、今回のセンサ
温度Texs(i)と前回のセンサ温度Texs(i−
1)、及び触媒温度予測部21”自らによる前回の触媒
予測温度Tex(i−1)とによって、その時点での実
際の触媒温度Tex(i)を予測することができる。
【0217】ただし、これらモデル定数a1 、b1 、b
2 、c1 は、上記触媒温度センサ14の時定数τに依存
した未知定数である。そこで、モデル定数a1の算出手
法の一例を次に示す。
【0218】すなわちいま、センサ温度Texs(i)
のサンプリング周期Tを与えれば、上記(50)式に基
づき算出されるセンサ時定数τにより、
【0219】
【数55】
【0220】として、同センサ時定数τに依存した未知
定数a1 がリアルタイムに算出されるようになる。ま
た、他の未知定数b1 、b2 、c1 についても同様に、
同(50)式に基づき算出されるセンサ時定数τを用い
て、この(55)式に準じたかたちで、リアルタイム算
出することが可能である。
【0221】触媒温度予測部21”では、上記触媒温度
センサ14を通じて検出された触媒温度Texs、及び
こうしてセンサモデル定数算出部25”を通じて算出さ
れたモデル定数を用い、上記(54)式に示される態様
で、実際の触媒温度を推定、予測する。
【0222】補正量算出部22及び掛算器23は何れ
も、先の第3の実施例の装置(第1の実施例の装置)の
ものと同じものであり、その詳細についての重複する説
明は割愛する。
【0223】図25は、この第7の実施例の装置の制御
回路20が触媒温度を予測する上で実際に行う処理につ
いてその処理手順を示したものであり、以下、図25を
併せ参照して、同第7の実施例の装置全体としての動作
を更に詳述する。
【0224】図25は、この第7の実施例の装置におい
て、制御回路20が上記温度予測を行うために、例えば
120ms毎のタイマ割り込みにて実行する処理の処理
ルーチン(タイマ割り込みルーチン700)を示す。
【0225】すなわち、上記のタイマ割り込みに基づい
てこのタイマ割り込みルーチン700に入った制御回路
20はまず、触媒温度センサ14から出力される現在の
触媒温度Texs(i)を取り込む(ステップ71
0)。
【0226】次いで制御回路20は、エンジンの現在の
運転状態を検出するために、エンジン回転数センサ18
から出力される現在のエンジン回転数情報Ne(i)、
及び圧力センサ1から出力される現在の吸気圧情報Pm
(i)を取り込む(ステップ720)。
【0227】こうしてエンジン回転数情報Ne(i)及
び吸気圧情報Pm(i)を取り込んだ制御回路20は、
これら情報をもとに、先の(50)式にて、触媒温度セ
ンサ14の時定数τを算出する(ステップ730)。こ
の触媒温度センサの時定数算出ルーチン730について
は、図26にその詳細を示している。
【0228】すなわち、この図26に示される触媒温度
センサの時定数算出ルーチン730において、制御回路
20はまず、先のステップ720を通じて取り込まれ、
前記RAM等に一時的に記憶保持されているエンジン回
転数情報Ne(i)及び吸気圧情報Pm(i)を触媒温
度センサ時定数算出部27に読み込む(ステップ73
1)。制御回路部20はまた、実験等を通じて予め求め
られ、これもバックアップRAMやROM等に記憶保持
されている前記センサの素子、流体の種類、及び熱伝達
率等に依存した定数C1 、C2 を同触媒温度センサ時定
数算出部27に読み込む(ステップ732)。そして制
御回路は、この触媒温度センサ時定数算出部27を通じ
て、これら読み込んだ値に対応した触媒温度センサ14
の時定数τを先の(50)式に基づき計算する(ステッ
プ733)。
【0229】こうして触媒温度センサ14の時定数τを
求めた制御回路20は次に、この得られたセンサ時定数
τをもとに、上記モデル定数a1 、b1 、b2 、c1 を
算出する(図25ステップ740)。この触媒温度予測
モデルのモデル定数算出ルーチン740については、図
27にその詳細を示している。
【0230】すなわち、この図27に示されるモデル定
数算出ルーチン740において、制御回路20は、上記
得られたセンサ時定数τをセンサモデル定数算出部2
5”に読み込み(ステップ741)、予め設定されてい
る温度検出周期Tのもとに、例えば先の(55)式に基
づきモデル定数a1を算出する(ステップ742)。な
おここでは、サンプリング周期Tを仮に120msに定
めている。また、この図27の例では、モデル定数a1
についてのみ、センサ時定数τをもとに(55)式の演
算を実行し、他のモデル定数b1 、b2 、c1 について
は、実験等を通じて最適値に適合した値を用いるように
している(ステップ743〜745)。勿論、これらモ
デル定数b1 、b2 、c1 についても、センサ時定数τ
をもとにリアルタイムに演算を実行してこれを求めるこ
とは可能である。
【0231】こうしてモデル定数a1 、b1 、b2 、c
1 を求めた制御回路20は更に、同制御回路20内の前
記RAM若しくはバックアップRAMに保存されている
とする前回の検出触媒温度Texs(i−1)、及び前
回の予測触媒温度Tex(i−1)とともに、これら得
られたモデル定数を用いて、その時点における実際の触
媒温度Tex(i)を計算(推定)する(図25ステッ
プ750)。この推定触媒温度Tex(i)の計算ルー
チン750については、図28にその詳細を示してい
る。
【0232】すなわち、この図28に示される推定触媒
温度Tex(i)の計算ルーチン750において、制御
回路20はまず、 (1)前記触媒温度センサ14から出力されている現在
の触媒温度Texs(i)を読み込む(ステップ75
1)。 (2)RAM若しくはバックアップRAMに保存されて
いるとする前回の検出触媒温度Texs(i−1)を読
み込む(ステップ752)。 (3)同じくRAM若しくはバックアップRAMに保存
されているとする前回の予測触媒温度Tex(i−1)
を読み込む(ステップ753)。 といった処理を行った後、上記ステップ740の処理を
通じて得られたモデル定数a1 、b1 、b2 、c1 につ
いても同様にこれを読み込む(ステップ754)。そし
て制御回路20は、前記触媒温度予測部21”を通じ
て、これら読み込んだ値をもとに先の(54)式の演算
を実行して、触媒のその時点での実際の温度(推定触媒
温度)Tex(i)を算出する(ステップ755)。
【0233】こうして実際の触媒温度Tex(i)を予
測した制御回路20は、次に、この予測した触媒温度T
ex(i)を補正量算出部22に与え、該補正量算出部
22を通じて前述同様の補正量(Fex)の計算処理を
実行する(図6参照)。
【0234】そして、先の図7に示したメインルーチン
1000が、この第7の実施例の装置においても同様に
実行されて、先の(14)式に基づく基準操作量(燃料
の基準噴射量)TAUの補正が行われる。
【0235】このように、第7の実施例の装置では、触
媒温度センサ14に対し先の(54)式に示したような
モデル化を行い、更に(55)式から、そのときのガス
流速に応じて同モデル化したセンサモデルのモデル定数
をリアルタイムにて演算するようにしている。このた
め、エンジンが如何なる運転状態にあったとしても、よ
り信頼性の高い情報として触媒温度を予測することがで
き、ひいては同触媒温度について、より精度の高い制御
を行うことができるようになる。
【0236】なお、この第7の実施例の装置では、触媒
温度をその制御対象とする場合について示したが、同第
7の実施例の装置が制御対象とする温度は、先の第5或
いは第6の実施例の装置において制御対象とした排気ガ
ス温度であってもよい。
【0237】また、その想定する温度センサのモデル
も、(51)式に例示したモデルに限られることなく任
意であり、他に、第1の実施例の装置にて想定した
(5)式に示されるモデルなども適宜採用することがで
きる。
【0238】また更には、この第7の実施例の装置と先
の第5或いは第6の実施例の装置とを組み合わせ、 ・燃料カット時には、制御対象のそのときに推定される
温度を基準にして温度センサのモデルのモデル定数を算
出し、その他のときには、検出される流体流速に基づい
て同センサモデルのモデル定数をリアルタイム算出する
装置。として、同温度制御装置を構成することもでき
る。
【0239】また、この第7の実施例の装置では、アク
チュエータとしての燃料噴射弁7をはじめ、補正量算出
部22及び掛算器23等を有する温度制御装置までを含
めて装置化する場合について例示したが、他に例えば、
同様に触媒温度を対象とするものとして、 ・上記触媒温度センサ14、触媒温度センサ時定数算出
部27、センサモデル定数算出部25”、及び触媒温度
予測部21”を具える温度予測装置。また或いは、 ・上記触媒温度センサ14、流速検出部28、触媒温度
センサ時定数算出部27、センサモデル定数算出部2
5”、及び触媒温度予測部21”を具える温度予測装
置。として装置化することも勿論可能である。
【0240】もっとも、予測或いは制御の対象とする箇
所は上記触媒に限られず、また温度センサとしても上記
触媒温度センサ14に限られることなく、例えば水温セ
ンサ、油温センサ、吸気温センサ等々、温度計測に用い
られるセンサ全てがその対象となる。
【0241】しかもこれらセンサとしては、例えば熱式
エアフローメータのように、流体の流速または流量に応
じてそのセンサ出力が変動するものであってもよい。し
たがって、このような温度予測装置としては、 ・内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所を対
象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサと、
該温度センサにより検出された温度に基づき、同温度セ
ンサ自身の応答遅れを見込んだモデルの逆モデルを用い
て、前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測手段
とを具えるもの。また或いは、 ・前記対象箇所の流体流速を検出する流速検出手段と、
この検出された流速に基づいて前記応答遅れを見込んだ
温度センサのモデルのモデル定数をリアルタイム算出す
る第1のセンサモデル定数算出手段とを更に具え、前記
温度予測手段は、このモデル定数算出された温度センサ
モデルの逆モデルを用いて前記対象箇所の実際の温度を
予測するもの。であればよい。
【0242】特に、このようにセンサの挙動を予測して
その出力されるべき値をいわば先取りする予測装置は、
温度計測に限らず、遅れを持ったセンサ、例えば酸素濃
度センサ(O2 センサ)、空燃比センサ(A/Fセン
サ)、リーンセンサ等々、またノイズ除去のために遅れ
が発生するセンサ、例えば吸気管圧力センサ、加速度セ
ンサ(Gセンサ)、燃焼圧センサ等々、にも適宜適用す
ることができる。
【0243】また、上記各実施例の温度制御装置におい
て、その補正量算出手段は何れも、比例積分微分(PI
D)制御として、比例項、積分項、及び微分項の全ての
項についてその補正値を求め、該求めた補正値の和とし
て補正量を決定しているが、特に微分項については、必
ずしもその補正値を求め、加えずとも、実用上、十分な
精度を有する補正量を得ることはできる。
【0244】また、補正量算出手段が上記補正量を求め
るのに、必ずしも上述した比例積分微分(PID)制御
を用いる必要もない。要は、前記予測された実際の触媒
温度と目標温度との差に基づいて燃料噴射弁の操作量
(燃料噴射量)TAUに対する補正量を算出し得るもの
であればよい。
【0245】また、上記実施例では、触媒温度、或いは
排気温度を制御するために操作する要素として燃料噴射
量を採用し、そのアクチュエータである燃料噴射弁の操
作量を補正するようにしたが、該触媒の温度を制御する
ために操作し得る要素としては他に、 ・点火装置を通じて操作される点火時期 ・EGR(エキゾースト・ガス・リサキュレイション・
システム)を通じて操作される排気ガス循環率 などもあり、これらの操作要素についても、触媒の温度
を制御するために操作する要素として適宜採用可能であ
る。ただし、上記実施例で採用した燃料噴射量や上記
「EGRを通じて操作される排気ガス循環率」等につい
ては、その増加率に比例して触媒温度が変化することか
ら、その操作量補正手段としても、前述した掛算器23
を用いることができるが、上記「点火装置を通じて操作
される点火時期」の場合には、進角量の絶対値に比例し
て触媒温度が変化するようになるため、その操作量補正
手段としては、上記掛算器23に代えて加算器が必要と
なる。もっともこの場合でも、その他の基本的な構成
は、上記実施例に示した構成と同様である。
【0246】また、上記の実施例では、温度制御の対象
とする箇所に温度センサを配設し、この温度センサによ
って検出される温度(Texs)に基づいて対象とする
箇所の実際の触媒温度(Tex)を予測するようにした
が、この発明にかかる温度予測装置及び温度制御装置に
よれば、制御の対象箇所に関連する温度情報に基づいて
その実際の温度を的確に予測することができることか
ら、要は、制御の対象箇所に関連する温度情報さえ検出
できるセンサがあれば足り、必ずしも温度制御の対象と
する箇所に直接にセンサを配設する必要はない。
【0247】また、この発明にかかる温度制御装置によ
れば、制御の対象とする温度も上記触媒温度や排気温度
には限られない。要は、エンジンの運転状態に応じて温
度が変化する箇所でさえあれば、同箇所を対象として、
この発明にかかる温度制御装置を適用することができ
る。そして、その対象とする箇所に関連する温度情報さ
え適宜の温度センサを通じて得られる環境であれば、該
得られた温度情報をもとに同箇所の実際の温度を迅速に
予測でき且つ、該予測した温度をもとに、同対象箇所に
ついての精度の高い温度制御を行うことができるように
なる。
【0248】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、内燃機関の触媒や排気管等、内燃機関の運転状態に
応じて温度が変化する箇所を対象としてそれら対象箇所
の温度を目標温度に制御するに、対象箇所に配設される
温度センサ自身の応答性の如何によらずに同対象箇所の
実際の温度をいち早く捕らえることができるようにな
る。そして更には、該捕らえた温度情報のもとで、当該
対象箇所の温度を精度よくフィードバック制御すること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の第
1の実施例についてその装置構成例を示すブロック図で
ある。
【図2】同第1の実施例の装置の主に制御回路部分につ
いて、その機能、並びにそれら機能間の接続関係を示す
ブロック図である。
【図3】図2に示される触媒温度予測部を構成するにあ
たって用いた一次遅れの離散化された伝達関数(ディジ
タル量)を例示するブロック図である。
【図4】同第1の実施例の装置の動作例として、一定の
周期で実行されるとする制御回路の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図2に示される触媒温度予測部において実行さ
れる実触媒温度予測処理の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図6】図2に示される補正量算出部において実行され
る補正量の計算手順を示すフローチャートである。
【図7】同第1の実施例の装置のメインルーチンにかか
る処理手順を示すフローチャートである。
【図8】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の第
2の実施例について、主にその制御回路部分の機能、並
びにそれら機能間の接続関係を示すブロック図である。
【図9】同第2の実施例の装置の動作例として、一定の
周期で実行されるとする制御回路の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図10】図8に示される触媒温度予測部において実行
される実触媒温度予測処理の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図11】図8に示される補正量算出部において実行さ
れる補正量の計算手順を示すフローチャートである。
【図12】図8に示される制御対象モデル定数算出部に
おいて実行される制御対象モデル定数の修正手順を示す
フローチャートである。
【図13】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の
第3の実施例について、主にその制御回路部分の機能、
並びにそれら機能間の接続関係を示すブロック図であ
る。
【図14】図13に示される触媒温度予測部を構成する
にあたって用いた一次遅れの離散化された伝達関数(デ
ィジタル量)を例示するブロック図である。
【図15】図13に示される触媒温度予測部において実
行される実触媒温度予測処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図16】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の
第4の実施例について、主にその制御回路部分の機能、
並びにそれら機能間の接続関係を示すブロック図であ
る。
【図17】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の
第5の実施例について、主にその制御回路部分の機能、
並びにそれら機能間の接続関係を示すブロック図であ
る。
【図18】同第5の実施例の装置の動作例として、一定
の周期で実行されるとする制御回路の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図19】図17に示されるセンサモデル定数算出部の
燃料カット時における挙動、並びに同図17に示される
排気温度予測部において実行される実排気温度予測処理
の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】図17に示されるセンサモデル定数算出部に
おいて実行されるセンサモデル定数の修正手順を示すフ
ローチャートである。
【図21】この発明にかかる内燃機関の温度制御装置の
第6の実施例について、主にその制御回路部分の機能、
並びにそれら機能間の接続関係を示すブロック図であ
る。
【図22】図21に示されるセンサモデル定数算出部の
燃料カット時における挙動、並びに同図21に示される
排気温度予測部において実行される実排気温度予測処理
の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】図21に示されるセンサモデル定数算出部に
おいて実行されるセンサモデル定数の修正手順を示すフ
ローチャートである。
【図24】第7の実施例として、この発明にかかる内燃
機関の温度制御装置及び該温度制御装置に用いる温度予
測装置について、主にその制御回路部分の機能、並びに
それら機能間の接続関係を示すブロック図である。
【図25】同第7の実施例の装置の動作例として、一定
の周期で実行されるとする制御回路の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図26】図24に示される触媒温度センサ時定数算出
部にて実行される処理の処理手順を示すフローチャート
である。
【図27】図24に示されるセンサモデル定数算出部に
て実行される処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図28】図24に示される触媒温度予測部にて実行さ
れる処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】クレーム対応図である。
【符号の説明】
1…圧力センサ、2…吸気温センサ、3…スロットル
弁、4…スロットルセンサ、5…サージタンク、6…イ
ンテークマニホールド、7…燃料噴射弁、8…エンジン
本体、9…点火プラグ、10…冷却水温センサ、11…
エキゾーストマニホールド、12…触媒(触媒コンバー
タ)、13…排気温度センサ、14…触媒温度センサ、
15…ディストリビュータ、16…イグナイタ、17…
気筒判別センサ、18…エンジン回転数センサ、20…
制御回路、21、21’、21”…触媒温度予測部、2
2、22’…補正量算出部、23…掛算器、24…制御
対象モデル定数算出部、25、25’、25”…センサ
モデル定数算出部、26、26’…排気温度予測部、2
7…触媒温度センサ時定数算出部、28…流速検出部。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 利雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 原口 寛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−101241(JP,A) 特開 平2−112739(JP,A) 特開 平1−113546(JP,A) 特開 平5−171984(JP,A) 特開 平5−92731(JP,A) 特開 昭56−107929(JP,A) 特開 平4−252833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/00 - 45/00 F01N 3/24

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を制御するアクチュ
    エータと、 同内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所を対
    象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサと、 前記対象箇所の流体流速を検出する流速検出手段と、 この検出された流速に基づいて前記応答遅れを見込んだ
    温度センサのモデルのモデル定数をリアルタイム算出す
    る第1のセンサモデル定数算出手段と、 このモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデル
    を用いて前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測
    手段と、 この予測された実際の温度と目標温度との差に基づいて
    前記アクチュエータの操作量に対する補正量を算出する
    補正量算出手段と、 該算出された補正量に基づいて前記アクチュエータの操
    作量について予め求められた量を補正する操作量補正手
    段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の運転状態を制御するアクチュ
    エータと、 同内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所を対
    象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサと、 燃料カットが行われているか否かを検出する燃料カット
    検出手段と、 該検出手段により燃料カットが行われている旨検出され
    たとき、前記対象箇所のそのときに推定される温度を基
    準にして前記応答遅れを見込んだ温度センサのモデルの
    モデル定数を算出する第2のセンサモデル定数算出手段
    と、 このモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデル
    を用いて前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測
    手段と、 この予測された実際の温度と目標温度との差に基づいて
    前記アクチュエータの操作量に対する補正量を算出する
    補正量算出手段と、 該算出された補正量に基づいて前記アクチュエータの操
    作量について予め求められた量を補正する操作量補正手
    段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の運転状態を制御するアクチュ
    エータと、 同内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所を対
    象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサと、 該温度センサによる今回の検出温度をTexs(i)、
    同温度センサによる前回の検出温度をTexs(i−
    1)、そして同温度センサのモデル定数をaとすると
    き、今回予測する前記対象箇所の実際の温度Tex
    (i)を 【数1】 として予測する温度予測手段と、 この予測された実際の温度と目標温度との差に基づいて
    前記アクチュエータの操作量に対する補正量を算出する
    補正量算出手段と、 該算出された補正量に基づいて前記アクチュエータの操
    作量について予め求められた量を補正する操作量補正手
    段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度制御装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関の運転状態を制御するアクチュ
    エータと、 同内燃機関の運転状態に応じて温度が変化する箇所を対
    象として、同対象箇所の温度を検出する温度センサと、 該温度センサによる今回の検出温度をTexs(i)、
    同温度センサによる前回の検出温度をTexs(i−
    1)、温度予測手段自らの前回の予測温度をTex(i
    −1)、そして前記温度センサのモデル定数をa1、b
    1、b2、c1とするとき、今回予測する前記対象箇所の
    実際の温度Tex(i)を 【数2】 として予測する温度予測手段と、 この予測された実際の温度と目標温度との差に基づいて
    前記アクチュエータの操作量に対する補正量を算出する
    補正量算出手段と、 該算出された補正量に基づいて前記アクチュエータの操
    作量について予め求められた量を補正する操作量補正手
    段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度制御装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の運転状態に応じて温度が変化
    する箇所を対象として、同対象箇所の温度を検出する温
    度センサと、 前記対象箇所の流体流速を検出する流速検出手段と、 この検出された流速に基づいて前記応答遅れを見込んだ
    温度センサのモデルのモデル定数をリアルタイム算出す
    る第1のセンサモデル定数算出手段と、 このモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデル
    を用いて前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測
    手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度予測装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関の運転状態に応じて温度が変化
    する箇所を対象として、同対象箇所の温度を検出する温
    度センサと、 燃料カットが行われているか否かを検出する燃料カット
    検出手段と、 該検出手段により燃料カットが行われている旨検出され
    たとき、前記対象箇所のそのときに推定される温度を基
    準にして前記応答遅れを見込んだ温度センサのモデルの
    モデル定数を算出する第2のセンサモデル定数算出手段
    と、 このモデル定数算出された温度センサモデルの逆モデル
    を用いて前記対象箇所の実際の温度を予測する温度予測
    手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の温度予測装置。
  7. 【請求項7】 前記温度予測手段は、前記温度センサに
    よる今回の検出温度をTexs(i)、同温度センサに
    よる前回の検出温度をTexs(i−1)、そして同温
    度センサのモデル定数をaとするとき、今回予測する前
    記対象箇所の実際の温度Tex(i)を 【数3】 として予測する手段を含むことを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の内燃機関の温度予測装置。
  8. 【請求項8】 前記温度予測手段は、前記温度センサに
    よる今回の検出温度をTexs(i)、同温度センサに
    よる前回の検出温度をTexs(i−1)、 温度予測手
    段自らの前回の予測温度をTex(i−1)、そして前
    記温度センサのモデル定数をa1、b1、b2、c1とする
    とき、今回予測する前記対象箇所の実際の温度Tex
    (i)を 【数4】 として予測する手段を含むことを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の内燃機関の温度予測装置。
  9. 【請求項9】 内燃機関の運転状態に応じて出力が変化
    する箇所を対象として、同対象箇所の変化を検出する応
    答遅れを備えたセンサと、 該センサにより検出された出力に基づき、同センサ自身
    の応答の遅れを見込んだモデルの逆モデルを用いて、前
    記対象箇所の実際の出力を予測する出力予測手段と前記
    対象箇所の流体の流速に相当する流体情報を検出する流
    体情報検出手段とを具え、 この検出された流体情報に基づいて前記応答遅れを見込
    んだセンサのモデルのモデル定数をリアルタイムに算出
    することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 【請求項10】 内燃機関の運転状態に応じて出力が変
    化する箇所を対象として、同対象箇所の変化を検出する
    応答遅れを備えたセンサと、 燃料カットが行われているか否かを検出する燃料カット
    検出手段と、 該燃料カット検出手段により燃料カットが行われている
    ことが検出されたとき、前記対象箇所のそのときに推定
    される出力を基準にして前記応答遅れを見込んだセンサ
    のモデルのモデル定数を算出する第2のセンサモデル定
    数算出手段と、 この第2のモデル定数算出されたセンサモデルの逆モデ
    ルを用いて前記対象箇所の実際の出力を予測する出力予
    測手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  11. 【請求項11】 内燃機関の運転状態に応じて出力が変
    化する箇所を対象として、同対象箇所の変化を検出する
    応答遅れを備えたセンサと、 該センサによる今回の検出値をTexs(i)、同セン
    サによる前回の検出値 をTexs(i−1)、そして同
    センサのモデル定数をaとするとき、今回予測する前記
    対象箇所の実際の検出値Tex(i)を Tex(i)={Texs(i)−aTexs(i−
    1)}/(1−a) として予測する出力予測手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  12. 【請求項12】 内燃機関の運転状態に応じて出力が変
    化する箇所を対象として、同対象箇所の変化を検出する
    応答遅れを備えたセンサと、 該センサによる今回の検出値をTexs(i)、同セン
    サによる前回の検出値をTexs(i−1)、出力予測
    手段自らの前回の予測値をTex(i−1)、そして前
    記センサのモデル定数をa1、b1、b2、c1とする
    とき、今回予測する前記対象箇所の実際の出力Tex
    (i)を Tex(i)={Texs(i)−a1Texs(i−
    1) −b2Tex(i−1)−c1}/b1 として予測する出力予測手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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