JPH0592731A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JPH0592731A
JPH0592731A JP3278947A JP27894791A JPH0592731A JP H0592731 A JPH0592731 A JP H0592731A JP 3278947 A JP3278947 A JP 3278947A JP 27894791 A JP27894791 A JP 27894791A JP H0592731 A JPH0592731 A JP H0592731A
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JP
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vehicle
control
computer
artificial intelligence
brake
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JP3278947A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kimura
博史 紀村
Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Takashige Oyama
宜茂 大山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両運動を極限まで制御し、安全性、運転性
を充分に向上することができるようにした車両制御装置
を提供すること。 【構成】 入力層、中間層、出力層からなるニューロコ
ンピュータ32による逆ダイナミクスモデルと、ルール
テーブルを備え制御指令を造りだす人工知能コンピュー
タ36とを用いて車両の状況を推定し、この推定結果に
よってブレーキ制御、トラクション制御等の車両運動を
制御するサブシステムを協調制御する。 【効果】 車両の運動が迅速に推定できるので、車輪保
持力を限界保持力以内に確実に制御でき、極限状況での
車両の安全性と運転性を充分に向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関などの原動機
を備え、道路面を走行する車両の制御装置に係り、特に
乗用自動車に好適な車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車では、車輪が路面に保持されてい
る力に比べ、車両に作用する力が大きくなると車輪がす
べり出し、走行経路から外れて安全性を損なう。また、
車輪の駆動系、制動系に作用する力が大きすぎると、ク
ラッチなどが損傷したり、ブレーキ油圧回路にベーパー
ロックなどが生じ、安全性が低下する。一方、路面が氷
で覆われているときに、変速ショックなどにより駆動力
が急変すると、車両に作用する力が急増し、車輪がすべ
り出す。
【0003】そこで、従来から、自動車、特に乗用自動
車では、高出力エンジンの搭載と、車体の軽量化による
車両の高性能化に伴ない、上記のような事態の発生を抑
え、運転操作を容易にし、且つ安全性を充分に確保する
ため、各種の制御機能をサブシステムとして装備するこ
とが盛んに行われており、それらの幾つかを列挙して
も、次の通り多岐にわたっている。
【0004】 車速を自動的に一定に制御する自動定
速制御システム。 過度の駆動力による車輪のすべりを防止するトラク
ション制御システム。 クラッチや変速機などの駆動系に過度の負荷が掛る
のを抑える過負荷制御システム。
【0005】 変速比切換えに伴う変速ショックを低
減する変速機制御変速機制御システム。
【0006】 制動時での車輪のロックを防止するブ
レーキロック制御システム。 走行路面が濡れていたとき、タイヤが水上に浮くの
を防止するハイドロプレーニング制御システム。 コーナリング時で車体のスライドやスピンを防止す
るスライド・スピン制御システム。 ブレーキの液圧系統で発生するベーパーロックを防
止するベーパーロック制御システム。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、これらの
サブシステムが複数種、装備された場合でも、それらの
各制御システム間での制御の協調について配慮がされて
おらず、各制御システムが独立に機能してしまうため、
車両がもつ本来の性能が充分に発揮出来無くなってしま
うのみならず、この結果、運転操作の容易性と安全性の
確保にも欠ける面が生じてしまうという問題があった。
例えば、従来技術では、トラクション制御と、過負荷制
御は独立に実施されていたので、変速ショック時のすべ
りを防止することはできなかった。
【0008】本発明の目的は、走行環境が極限状態にあ
っても、充分な運転操作性と安全性が確実に保たれるよ
うにした車両制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の1では、ニューロコンピュータによる逆ダ
イナミクスモデルを用い、車輪の保持力を実時間で算定
する。そして、この算定結果により、トラクション制
御、ブレーキロック制御などの複数のサブシステムを協
調的に制御するようにしたものである。
【0010】本発明の2では、ニューロコンピュータに
よる逆ダイナミクスモデルを用い、車輪の保持力を実時
間で算定する。そして、この算定結果により、人工知能
コンピュータがトラクション制御、ブレーキロック制御
などの複数のサブシステムを協調的に制御するようにし
たものである。
【0011】
【作用】ニューロコンピュータによる逆ダイナミクスモ
デルは、車両の前後、左右方向の加速度、車輪の回転速
度等のセンサ出力を入力し、車輪の限界保持力、すべり
等を推定、これらの値を算定して出力する。
【0012】人工知能コンピュータは、これらの車輪の
限界保持力、すべり等のデータを入力し、サブシステム
に適当な情報を出力する。この結果、例えば、自動定速
制御用のサブシステムの場合には、限界保持力から定ま
る限界車速を表わす情報が人工知能コンピュータによっ
て求められ、この限界車速データが自動定速サブシステ
ムに送られるので、限界保持力を越える速度に制御され
ることが無くなってすべりが防止され、安全性が向上す
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明による車両制御装置について、
図示の実施例により詳細に説明する。まず、本発明によ
る車両制御装置の一実施例においては、制御用サブシス
テムは、図3に示す9種類になっている。
【0014】(1)自動定速制御サブシステム アクセルペダルを踏んでになくても、車速を自動的に一
定に制御するシステム。 (2)トラクション制御システム 加速に際し、車輪のすべりを検出し、すべりが大きいと
きに、駆動力を減じ、車のスピンを防止するシステム。 (3)コーナリング中のトラクション制御システム コーナリング中のすべり、スピンを防止するため、コー
ナリング中の駆動力を制御するシステム。 (4)過負荷制御システム 発進、変速時の駆動力を制御し、差動機などの駆動力伝
達系に作用する過負荷を低減するシステム。
【0015】(5)変速機制御システム (a)変速ショックを低減するシステム。 (b)変速パターン制御(燃費−スポーティ感の両立)
を最適に制御するシステム。 (c)シフトプログラムを自動適応させるシステム。 (6)ブレーキロック制御システム 車輪がロックしたら、ブレーキ力をゆるめ、車輪のすべ
りを防止するシステム。
【0016】(7)ハイドロプレーニング制御システム タイヤが水上に浮いた場合、警報を出し、駆動力を減少
させる。舵角が大きいときは、より駆動力を減じる。さ
らに、ブレーキに際しては、ブレーキ圧を弱めるシステ
ム。 (8)ベーパーロック制御システム ベーパーロックの発生を推定し、ベーパーロック条件が
成立したときにはエンジンブレーキを多用するように
し、ベーパーロック発生時にはエンジンブレーキで車を
停止させるシステム。 (9)コーナリング時のスライド、スピン制御システム コーナリングに入る前に、充分に車を減速させるシステ
ム。
【0017】本発明による車両制御装置の一実施例のハ
ード構成を図4に示す。この図4のシステムは、ブレー
キペダル1、マスタシリンダ2、前輪ブレーキ5、後輪
ブレーキ11、電動スロットル18、アクセルペダル1
9、変速機20等から構成されている。ブレーキの油圧
は、No.1、No.2、No.3の3個のポンプ7、13、
15で作られ、No.1とNo.2の2個の3位置電磁弁
4、10及びNo.1、No.2、No.3の3個の2位置電
磁弁8、9、14、等で制御される。
【0018】3はプロポーショニング・バイバスバルブ
で、後輪ブレーキ11の圧力が低下したときには、前輪
ブレーキ5の圧力を高めてブレーキの安全性を高めるも
のである。
【0019】次に、各サブシステムの基本動作の幾つか
について説明する。 (イ)ブレーキ制御サブシステム(図5) すべり率Sが増大すると、ブレーキ圧力を減少させる。
具体的には、図2の3位置電磁弁4を制御し、前輪ブレ
ーキ5の油をリザーバ9の方に戻す。すべり率Sが小さ
いときは、電磁弁4を制御し、マスタシリンダ2の圧力
をそのまま前輪ブレーキ5に作用させる。後輪ブレーキ
11の動作も同じである。
【0020】(ロ)トラクション制御(図6) 後輪ブレーキ11の油圧系をマスタシリンダ2の方か
ら、アキュムレータ16の方に、電磁弁8、9を用いて
切換える。すべり率Sが大きいときは、ブレーキ11の
圧力を高める。反対にSが小さいときは圧力を減少させ
る。具体的には電磁弁10の戻りを開にし、電磁弁14
を導通し、油をマスタシリンダ2の方へ戻すのである。
【0021】これらの制御を並行して行ない、図7に示
すように、すべり率SがStを越えるたらエンジンの出
力を減少させ、すべりを防止する。具体的には図4の電
動スロットル18を制御し、スロットルを閉じる。そし
て、すべり率Sが小さくなったらスロットルを開くので
ある。
【0022】図8は、車輪速センサ21の取付け構造を
示したもので、パルス発生用の歯車22の歯数は24
枚、或いは48枚である。車輪軸24は軸受23で支持
されている。センサ21とパルス車22の間のすきま寸
法がセンサ21の出力に影響を及ぼす。従って、軸受2
3に一体化して組込むのが望ましい。
【0023】図1は車両30の速度を目標値に設定する
方式の本発明の一実施例である。図1において、31は
閉ループ回路で、車両30の実際の速度が目標値からず
れている場合に、ゲインでによるフィードバックトルク
を出力する。しかして、このような閉ループ制御のみで
は応答が遅く、コーナリング中など極限状態でのすべ
り、スピン等を防止することができない。
【0024】そこで、この図1の実施例では、逆ダイナ
ミクスモデル32が付加してあり、これにより充分な応
答性が得られるようにしている。図2は、逆ダイナミク
スモデル32の詳細を示したもので、入力層33、中間
層34、出力層35からなるニューロコンピュータで構
成されている。入力層33に目標速度、加速度、軌道を
入力する。ここで、軌道とは、自動車などの車両の走行
予定路のことで、例えばハンドルの舵角で表わされるも
のである。出力層35からは前輪トルク、ブレーキ力、
後輪トルクが出力される。そこで、この出力を用いて、
図3に示した各々のサブシステムを制御するのである。
【0025】図1において、逆ダイナミクスモデル32
にフィードバックトルクの誤差信号を与え、フィードバ
ック制御信号が零になるように、このモデル32を学習
させる。これにより、フィードバックトルクが零にな
り、閉ループなしで、車両30を制御できるようにな
り、応答性が向上し、車両の運動を極限まで制御するこ
とができるのである。
【0026】図9は、図1の実施例の変形例に相当する
本発明の他の一実施例で、ニューロコンピュータから成
る逆ダイナミクスモデル32と並列に、或いは直列に、
人工知能コンピュータ36を配置したものであり、この
人工知能コンピュータ36によって、図3の複数個のサ
ブシステムを協調制御するのである。逆ダイナミクスモ
デル32は反射的な動作を受け持ち、人工知能コンピュ
ータ36は、叙述的な動作を受け持つ。
【0027】まず、逆ダイナミクスモデル32に車両の
前後加速度、左右方向の横加速度等のセンサ出力を入力
し、車輪の限界保持力、すべり等の値を推定し、これら
の値を人工知能コンピュータ36に入力する。そこで、
この人工知能コンピュータ36は、これらのデータを処
理し、各々のサブシステムに所定の情報を出力する。例
えば、限界保持力によって定まる旋回時の限界車速の情
報が人工知能コンピュータ36によって求められ、図3
の自動定速制御サブシステムに送られるのである。
【0028】このニューロコンピュータからなる逆ダイ
ナミクスモデル32は、通常のノイマン式のコンピュー
タを用いた場合に比べ、迅速に車両の状況を推定するこ
とができ、従って、この実施例によれば、車両の運動を
極限まで制御することが可能になった。
【0029】また、この人工知能コンピュータ36は、
プログラム記述式のコンピュータに比べ、運転者の過去
の知識を手軽に取り扱うことができる。例えば、車がす
べったときに、どの程度、逆ハンドルをきったらよいか
など、限界保持力が小さい場合の駆動トルクの大きさ、
限界速度の大きさ等が、運転者の知識ベースで適正化さ
れる。
【0030】図10は人工知能コンピュータ36の構成
を示したもので、IF、THENのルールを、エディタ
37によりルールテーブル38に入力する。一方、車輪
のすべりやハンドル角などのデータは車両の状況入力部
41から入力され、ワークテーブル40に取り込まれ
る。そして、IFパターンマッチング部39で、ルール
テーブル38のIF部の条件が、ワークテーブル40の
車両の状況と一致するか否かが判定される。
【0031】この結果、一致したときは、結論書込部4
2が、ルールの結論をワークテーブル40に書き込む。
以上の処理が繰返され、最終結論(制御指令)に到達する
と、制御指令テーブル43の指令が、制御メッセージ4
5として、制御指令出力部44を介して各サブシステム
に送られるのである。
【0032】ところで、本発明は、基本的には、 (1)主として閉ループ制御に用いられる逆ダイナミッ
クモデルを用いた制御(図11) (2)主として開ループ制御に用いられる人工知能コン
ピュータを用いた、ニューロコンピュータ付きの制御
(図12) (3)逆ダイナミックモデル、閉ループ制御器、ニュー
ロコンピュータ、人工知能コンピュータを並列的に構成
したシステムを用いた制御(図13) なお、これは閉ループ制御にも開ループ制御にも適用可
能 (4)逆ダイナミックモデル、閉ループ制御器、ニュー
ロコンピュータ、人工知能コンピュータを管理する車両
運動制御コンピュータを用いた制御(図14) のいずれかの構成になる。
【0033】そして、本発明は、これにより、従来の閉
ループ制御の欠点である制御系の遅れ、開ループ制御の
欠点である、モデルの不完全同定による制御制度の低
下、の何れをも回避することができる。
【0034】まず、図11の実施例においては、閉ルー
プ制御器101の出力が零になるように、逆ダイナミッ
クモデル102が同定される。この同定にはニューロコ
ンピュータの学習アリゴリズムが用いられ、閉ループ制
御器101の出力が零になるように、ニューロコンピュ
ータの各ユニットの入力の重みが修正され、逆ダイナミ
ックモデル102が同定されることになる。ことのき、
車両103の運動は、目標値通りに、モデル102によ
って制御され、誤差の発生が回避される。この結果、例
えば、車両103は雪、氷結路でも、すべりなしに運転
される。
【0035】次に、図12の実施例においては、車両1
03は、人工知能コンピュータ104によって制御され
る。この人工知能コンピュータ104は、例えばアクセ
ルペダル踏み角を入力信号として変速パターンの制御を
行う。このとき、ニューロコンピュータ105は車輪の
すべり信号を入力して、路面の摩擦係数を推定する。そ
して、人工知能コンピュータ104は、この摩擦係数の
情報に基ずき、変速パターンを最適に修正するのであ
る。
【0036】また、図13の実施例においては、逆ダイ
ナミックモデル102と閉ループ制御器101、ニュー
ロコンピュータ105、それに人工知能コンピュータ1
04が並列的に接続されている。そして、人工知能コン
ピュータ104によって、前述したごとく、変速パター
ンが制御される。一方、閉ループ制御器101によって
はエンジンの駆動トルクが目標値になるよう制御され
る。このとき、燃料の供給遅れを逆ダイナミックモデル
102で修正する。このように、逆ダイナミックモデル
102と閉ループ制御器101は協調制御される。ま
た、ニューロコンピュータ105と人工知能コンピュー
タ104も協調制御され、それぞれのコンピュータ10
5、104はお互いに情報を交換する。
【0037】前述したごとく、路面の状況によって、変
速パターンが修正されると同時に、アクセルペダルの踏
み込みに対する駆動トルクも修正される。従って、逆ダ
イナミックモデル102と閉ループ制御器101、ニュ
ーロコンピュータ105、それに人工知能コンピュータ
104は、それぞれ並列に動作しながら、お互いに情報
を交換する。
【0038】さらに図14の実施例においては、逆ダイ
ナミックモデル102と閉ループ制御器101、ニュー
ロコンピュータ105、それに人工知能コンピュータ1
04のそれぞれは、車両運転制御コンピュータ106に
よって統合的に管理される。すなわち、この車両運転制
御コンピュータ106に、アクセルペダルの踏み込み量
に関する信号を入力し、閉ループ制御器101、逆ダイ
ナミックモダル102に、目標駆動トルクを与える。そ
して、この目標駆動トルクは、ニューロコンピュータ1
05により推定さた摩擦係数によって修正されるのであ
る。
【0039】従って、この図14の実施例は、図13の
実施例の分散構成の場合に比べ、より協調して車両運動
を制御することができる。
【0040】次に、図15は、本発明の一実施例におけ
るトラクション制御時の制御系の構成を示したもので、
この実施例では、前後G、車速、駆動トルクからニュー
ロコンピュータ201により路面摩擦を推定する。ま
た、これと並行して、人工知能(AI)コンピュータ20
2を用いて、運転状況を判断し、ドライバのハンドル、
アクセル、ブレーキの各操作が危険な状態であると判断
されたときには目標加速度を変更し、危険を防止する。
【0041】こうして人工知能コンピュータ202によ
り計算された目標値は、逆ダイナミックモデル203に
よりスロットル、ブレーキの操作量に変換される。この
制御により出力される車体の加速度は、制御器Ka20
5、Kb206にフィードバックされ、これら制御器K
a205、Kb206の出力によりスロットル、ブレー
キの操作量を変化させ、所望の加速度を得るのである。
【0042】次に、図16により、ニューロによる路面
摩擦係数の推定方法の一実施例を示す。一般に、アクセ
ル踏み込み時の車体の加速度が小さいと、路面の摩擦力
は小さい。そこで、この実施例では、路面の摩擦力をス
ロットル開度、前後G、車速、車重の時系列データを用
いてニューロコンピュータで推定するのである。このと
は、各節の重みづけは予めニューロコンピュータに学習
させておく。
【0043】次に、図17は、本発明の一実施例におけ
る人工知能コンピュータによる目標値の決定方法を示
す。人工知能コンピュータは、ニューロにより推定され
た路面摩擦係数と、車速、ステアリング、アクセル、ブ
レーキの各情報から、運転状態210を判断し、安全に
運転できるスロットル開度やブレーキ圧を決定するので
ある。
【0044】次に、図18により逆ダイナミックモデル
の原理について説明する。なお、ここでは、例としてア
クセル踏み込み角と加速度を比例させる制御を考える。
いま、アクセルをステップ的に踏み込んだとすると、駆
動トルクは吸気管内への吸気充満時間分遅れて立ち上が
る。これは一次遅れとなる。そこで、この遅れを打ち消
すために、制御器に遅れ分を加える。このように、制御
器に遅れの補償をおこなうと、アクセル操作に対して加
速度変化を比例させることができ、これが、逆ダイナミ
ックモデルであり、さらに複雑な制御系に対しても同様
なモデルを構築できるのである。
【0045】そこで、逆ダイナミックモデルの構成法に
ついて、図19により説明する。ここでは、例として1
次遅れの制御系を考える。図19において、まず、(a)
に示す従来の制御では、目標加速度r220に対して制
御器Ka221で入力uを演算する。一方、車x223
で行われた制御は加速度y224となり出力される。そ
して、この出力加速度y224は制御器Kaにフィード
バックされる。このとき、上記した遅れにより、出力加
速度yと目標加速度rの差がdt/dxとなる。そこ
で、図19(b)に示すように、この遅れが消去されるよ
うに制御器を定めることにより、逆ダイナミックモデル
225を構成することができる。そして、さらに複雑な
制御系でも、同様な方法で逆ダイナミックモデルを構成
することができる。
【0046】ここで、逆ダイナミックモデルの変更方式
について説明する。例として、アクセル踏み角と加速度
を比例させる制御を考える。逆ダイナミック制御を行わ
ない場合、加速は遅れる。逆ダイナミックモデルの導入
により、アクセルをステップ的に踏み込むとスロットル
は大きく開き、加速度はアクセルと比例するように制御
される。しかし、車重等の変化により、加速応答波形が
変化する場合がある。例えば、車が重くなると加速力が
低下し、破線に示すような応答となる。そのため、目標
加速度と実際の加速度の差から逆ダイナミックモデルの
時間微分項に乗ずる定数を更新する。この更新により、
アクセルと比例するようになる。
【0047】次に、本発明の一実施例におけるトラクシ
ョン制御について、図20により説明する。まず、目標
とするスリップ率が入力されるとAI(人工知能コンピ
ュータ)部401が運転の限界状況を判断して、目標と
するスリップ率を変更する。この変更は、車輪速、路面
摩擦係数を基に図21に示すフローチャートに従って実
行される。このAI部401により、低摩擦路でスリッ
プが過大になることが防止される。次に、AI部401
で変更したスリップ率を、逆モデル(逆ダイナミックモ
デル)403を用いて過渡補償する。そして、この逆モ
デル403により過度補償されたスリップ率を目標とし
て、エンジン出力制御404を行なう。更に、出力され
るスイリップ率はフィードバックされる。従って、この
実施例によれば、逆モデル403を組み込むことによ
り、制御応答性を上げることができる。
【0048】ここで、本発明の一実施例における、ニュ
ーロを用いた路面摩擦係数の推定方法について、図22
により説明する。例えば、いま、発進時について考える
と、車速変化は、高摩擦の路面の方が車速が急激に立ち
上がる。これは、摩擦が小さいと駆動輪がスリッブして
加速が充分に働かないためである。そこで、スロットル
開度変化と車速変化を計測して、これらの経時変化をニ
ューロの入力層に入力してやれば、路面摩擦係数を推定
することができるのである。
【0049】図23は、本発明の一実施例におけるAI
部402での処理のルールを示したもので、図示のよう
に、路面摩擦が小さく、車速が大きいほど目標スリップ
率を小さくし、スリップが過大になるのを防止するよう
になっていることが判る。
【0050】図24は、本発明の一実施例における、低
摩擦路での発進時のスリップ率変化を、従来技術と比較
して示したもので、いま、図の(a)に示すように、或る
時刻tでスロットル開度をステップ状に立ち上げたと
き、トラクション制御が適用されていない従来技術で
は、図の(b)に示すように、スリップ率は最初大きな値
を示し、車速が増すに従ってこの大きなスリップ状態か
らゆっくりと小さくなる。
【0051】これに対して、通常のトラクション制御を
行うと、スリップ率は、図の(c)に示すように、最初は
大きく立上るが、遅れ時間の後は急激に目標値に近づ
く。そして、これに逆モデルによる制御を加えると、図
の(d)に示すように、遅れ時間は極めて小さくなり、直
ちに一定値に収斂する。さらに、ニューロとAIによる
制御を加えることにより、図の(e)に示すように、時刻
tでのスリップ率の立上りは完全に抑えられ、スリップ
の発生を充分に防ぐことができる。
【0052】
【効果】本発明によれば、ニューロコンピュータによっ
て迅速に車両の状況を推定し、人工知能コンピュータに
よって知識ベースの複雑な制御指令を与えることができ
るので、車両の極限状態における運動を充分に制御でき
るので、安全性と運転性を大きく向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両制御装置の第1の実施例を示
すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例におけるニューロコンピュー
タからなる逆ダイナミックモデルの説明図である。
【図3】本発明の一実施例が適用対象とするサブシステ
ムの説明図である。
【図4】本発明の一実施例によるシステムのハード構成
を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例におけるブレーキ制御動作を
示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例におけるトラクション制御動
作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例におけるスロットル制御動作
を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例における車輪速センサの取付
け構造を示す説明図である。
【図9】本発明による車両制御装置の第2の実施例を示
すブロック図である。
【図10】本発明の一実施例における人工知能コンピュ
ータの説明図である。
【図11】本発明による車両制御装置の第3の実施例を
示すブロック図である。
【図12】本発明による車両制御装置の第4の実施例を
示すブロック図である。
【図13】本発明による車両制御装置の第5の実施例を
示すブロック図である。
【図14】本発明による車両制御装置の第6の実施例を
示すブロック図である。
【図15】本発明による車両制御装置の第7の実施例を
示すブロック図である。
【図16】本発明におけるニューロによる路面摩擦係数
の推定方法の一例を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施例における人工知能コンピュ
ータによる目標値の決定方法を示す説明である。
【図18】本発明の一実施例における逆ダイナミックモ
デルの説明図である。
【図19】本発明の一実施例における逆ダイナミックモ
デル構成法の説明図である。
【図20】本発明の一実施例におけるトラクション制御
の説明図である。
【図21】本発明の一実施例における人工知能コンピュ
ータによるスリップ率の変更処理を示すフローチャート
である。
【図22】本発明の一実施例におけるニューロを用いた
路面摩擦係数の推定方法の説明図である。
【図23】本発明の一実施例におけるAI部での処理ル
ールの説明図である。
【図24】低摩擦路での発進時のスリップ率変化の特性
図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 プロポーショニング・バイパスバルブ 4 3位置電磁弁No.1 5 前輪ブレーキ 6 リザーバ 7 ポンプNo.1 8 2位置電磁弁No.1 9 2位置電磁弁No.2 10 3位置電磁弁No.2 11 後輪ブレーキ 12 リザーバ 13 ポンプNo.2 14 2位置電磁弁No.3 15 ポンプNo.3 16 アキュムレータ 17 圧力スイッチ 18 電動スロットル 19 アクセルペダル 20 変速機 21 車輪速センサ 32 逆ダイナミクスモデル 36 人工知能コンピュータ 38 ルールテーブル 40 ワークテーブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニューロコンピュータによる逆ダイナミ
    クスモデルによって車両の状況を推定し、この推定結果
    に応じて車両の運動を制御する複数個のサブシステムを
    協調制御するように構成したことを特徴とする車両制御
    装置。
  2. 【請求項2】 ニューロコンピュータによって車両の状
    況を推定し、人工知能コンピュータによって、車両の運
    動を制御する複数個のサブシステムを協調制御するよう
    に構成したことを特徴とする車両制御装置。
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