JP3238900B2 - 紙送りローラ - Google Patents

紙送りローラ

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JP3238900B2
JP3238900B2 JP17710098A JP17710098A JP3238900B2 JP 3238900 B2 JP3238900 B2 JP 3238900B2 JP 17710098 A JP17710098 A JP 17710098A JP 17710098 A JP17710098 A JP 17710098A JP 3238900 B2 JP3238900 B2 JP 3238900B2
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resin
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正芳 小西
規行 小堺
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性組成物をロ
ーラ部に用いた、プリンター・ファクシミリ・コピー機
等の紙を正確に移動させる必要がある機器に用いられる
紙送りローラに関する。
【0002】
【従来技術】従来、金属材料はその優れた種々の材料特
性を生かして機械部品の材料として幅広く利用されてい
る。また、近年の技術の進歩により機械部品に対するニ
ーズも高まり、金属材料の欠点を補うべく、例えば焼結
セラミックス、プラスチック等非金属材料を用いた機械
部品が多く利用されている。しかし、技術革新が進む中
で、従来の材料で全てのニーズを完全に補いきれないと
いうのが現状であり、新たな機械部品用途に使用でき
る、特に切削・研削加工性の良好な新たな材料が求めら
れている。
【0003】ところで、プリンター・ファクシミリ・コ
ピー機などの印刷機械における紙送りローラは、一般的
に金属でできており、その表面をエッジング加工した構
造もしくは摩擦係数を大きくする塗料を塗布した構造と
なっている。近年印刷機器の高精度化に伴い、紙送り精
度に対する要求も高くなり、特に、カラーインクジェッ
ト式プリンター等においては、写真の表現力を向上させ
るため、インク粒子及び紙送り精度は共にミクロン単位
の制御が必須となっている。紙送り精度を向上させるた
めには、紙送りローラの直径を大きくする事が有効であ
る事が知られている。例えば、直径が12mmのローラ
と直径が36mmのローラとでは、後者は前者の3倍の
紙送り精度を有することが期待出来る。
【0004】しかしながら、大径ローラを従来の金属で
作ろうとした場合、小径ローラに比べて部品の切削が困
難であると共に、何よりもこれをミクロン単位の誤差の
範囲内で全体的に研磨仕上げする事は極めて困難であ
り、製作に膨大なコストを要することは明白であった。
また、金属では直径を大きくした場合にローラの重量が
増加する事は明らかであり、このような場合、もはや従
来の駆動機構、即ち小径用モータ、ギヤ等ではこれを制
御することが不可能であると共に、設計の全面的変更、
駆動用モータ・輪列部の増強が必要となる。これは、製
品全体の重量ひいてはコストの大幅な増加に直結する。
【0005】以上のように、ローラを大径にすることで
紙送り精度が向上し、結果としてより高精度な印刷表現
力を有する製品を提供できることは分かっていたが、従
来の金属材料ではこれを低コストで実現することは不可
能であった。
【0006】また、回転体の表面にセラミックの層を形
成させる技術が数多く開示されている。例えば、特開平
3−7668や特開平8−73094には金属円筒状ロ
ーラ部の表面にセラミックを溶射して皮膜を形成した紙
送りローラが開示されているが、セラミック溶射は大径
化には不適である。また特開昭61−23045には内
部が弾性体層で、最外部がセラミック層の給紙ローラが
開示されているが、セラミック層を厚くすると弾性体層
からセラミック層が剥離することが指摘されている。
【0007】さらに、特開平1−261159には銅箔
製造ライン用ロールにおいて予め焼結セラミック外層と
金属内層を準備し、金属内層に焼結セラミック外層を外
嵌した構造が開示されている。このように焼結セラミッ
ク外層を使用する場合はこれを別個に成形して焼結体と
し、回転軸に嵌合または接着するという方法を取らざる
を得ない。また、ローラ精度を高める研削加工を行う場
合、硬度が高いため、ダイアモンドなどの砥石でないと
研削加工が困難である上、加工速度は極端に低いものと
なりコスト高になってしまう。
【0008】特開平10−16326はセメント、骨
材、流動化剤を主要材料とし、さらに消泡剤、増粘剤、
膨張剤及び硬化促進剤などを配合するもので、前記配合
材料に水を加えて混練した流動性の充填材を芯棒に挿入
した型枠に充填し、養生硬化してプラテン用芯材を得た
後、これを円筒状ゴムに圧入し、必要に応じてゴム表面
を研磨するものである。特開平10−52951は同じ
材料からなる流動性の充填材を芯棒と最外周部となる円
筒形ゴムの空隙部に充填し、養生硬化してプラテンを得
るものである。プラテン芯材成形のために流動性充填材
を使用する為、材料の配合設計が複雑でコスト高になっ
てしまう。
【0009】また、特開平8−324047に於いても
回転軸と硬質ゴムよりなる表面層の間の空間をセメント
をも包含するセラミックのような固形化する流動体素材
で充填することにより軽量、騒音防止を目的とした画像
形成装置用のローラが開示されているが、硬質ゴムの表
面を高精度に切削加工することは困難なので、該ローラ
は高精度を得るための研削加工を必要とするローラに対
しては適用できない。
【0010】従って、従来紙送りローラ用の紙送り機構
に大幅な設計変更を加えずに、軽量、安価、高精度であ
り、かつ輪列部設計が容易という全ての条件を満たす紙
送りローラの構造はなく、その現出が切望されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の紙送りローラに対する上記要求に応えるべく水硬性組
成物を用い、より軽量で、より安価に大量に大径品を製
造することが可能な新規な紙送りローラを提供すること
にある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明の紙送りローラ
は、回転軸と、水硬性組成物からなる混合物を加圧成形
した後養生硬化することによって作製されかつ回転軸の
外周に一体化された円筒状ローラ部とからなることを特
徴とする。
【0013】上記目的を達成するため, 本発明の水硬性
組成物は、水硬性粉体50〜90重量%と水硬性粉体の
平均粒子径より1桁以上小さい平均粒子径を有する非水
硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉体と、混合
粉体100重量部に対して5〜35重量部の割合で配合
した加工性改良剤とからなることが好ましい。
【0014】前記加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ
共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニ
ルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル
共重合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共
重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニル
ベオバ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少
なくとも1種類の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョ
ンを用いることが好ましい。
【0015】以上の本発明の紙送りローラは、水硬性組
成物からなる円筒状ローラ部が回転軸と一体化あるいは
複合化されたもので、加工性に優れる。また、回転軸に
ついては実質的に従来の回転軸を用い、その周りに安価
な水硬性組成物を一体化あるいは複合化する事で大型化
・大径化に対応することができ、同時に軽量化も可能と
なる。
【0016】また、従来の焼結セラミックでは予め焼結
して製作した円筒状ローラ部を回転軸に嵌合または接着
して一体化しなければならなかったが、本発明の水硬性
組成物を用いることによって燒結せずに回転軸との一体
化が可能になる。また加工についても従来の焼結セラミ
ックスの場合、加工に時間がかかり大量生産には不向き
であが、本発明品は金属材料と同等の加工性を併せ持つ
ことにより、軽量で、安価な大径品を提供することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に, 本発明について説明す
る。
【0018】1.紙送りローラ (1−1)回転軸 本発明で用いる回転軸としては、従来の紙送りローラの
回転軸と同様の物を用いる。その形状としては、紙送り
部である円筒体を支持するシャフトに切削仕上加工によ
り軸受取付部あるいは駆動力伝達機構取付部等を設けた
もの等が挙げられる。その材料としては、通常の、例え
ばSUS 快削鋼等が挙げられる。また、その表面に無電解
Ni−Pメッキ等を施しても良い。
【0019】(1−2)円筒状ローラ部 円筒状ローラ部の厚みは、用いる回転軸の外径と所望の
紙送りローラとによって決定される。円筒部の直径の公
差は、設計上において所望の数値に設定されるが、通常
所望外径寸法の±0.003mmの加工精度に設定され
る。また、円筒状ローラ部表面には紙とのスリップを更
に少なくするために、砥粒を混入した熱硬化性樹脂を塗
布・硬化させても良い。また、円筒状ローラ部表面その
ものにサンドブラスト等を用いて粗く仕上げ加工を施し
ても良い。
【0020】2.水硬性組成物からなる混合物 本発明で用いる水硬性形成用組成物からなる混合物と
は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び加工性改良剤からな
る水硬性成形組成物と、必要に応じて加えるその他の添
加物と、必要に応じて含有させる混合した物である。以
下にその詳細を記す。
【0021】(2−1)水硬性粉体 本発明で用いる水硬性粉体は、水により硬化する粉体を
指し、例えば珪酸カルシウム化合物粉体、カルシウムア
ルミネート化合物粉体、カルシウムフルオロアルミネー
ト化合物粉体、カルシウムサルフォアルミネート化合
物、カルシウムアルミノフェライト化合物粉体、リン酸
カルシウム化合物粉体、半水又は無水石膏粉体、自硬性
を有する生石灰粉体、これら粉体の2種類以上の混合物
粉体が例示できる。その代表例として、例えばポルトラ
ンドセメントのような粉体を挙げることができる。
【0022】水硬性粉体の粒度分布については、成形体
の強度に関する水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が
2500cm2/g以上であることが好ましい。また、
水硬性粉体の配合量は水硬性粉体と非水硬性粉体の総量
100重量%に対し50―90重量%とするが、65−
75重量%とすることが好ましい。配合量が50重量%
未満の場合には、強度及び充填率が低くなり、又90重
量%を越える場合には、成形体を得る場合の充填率が低
くなり、いずれの場合においても機械的加工時の加工応
力に耐えられない等の影響があり、好ましくない。
【0023】(2−2)非水硬性粉体 非水硬性粉体とは、単体では水と接触しても硬化するこ
とのない粉体を指すが、アルカリ性若しくは酸性状態、
あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し,他
の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む。
非水硬性粉体の代表例としては、例えば、水酸化カルシ
ウム粉末、二水石膏粉末、炭酸化カルシウム粉末、スラ
グ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末、シ
リカフューム粉末等を挙げることができる。また、これ
らの非水硬性粉体の平均粒径は、水硬性粉体の平均粒径
より1桁以上小さく、好ましくは2桁以上小さいものが
良い。細かさの下限は本発明の効果を害することがなけ
れば特に設ける必要はない。
【0024】非水硬性粉体の配合量は水硬性粉体と非水
硬性粉体とからなる混合粉体の組成比率で10−50重
量%とするが、25−35重量%とすることが好まし
い。配合量が10重量%未満の場合には、充填率が低く
なり、又50重量%を越える場合には、強度及び充填率
が低くなり、いずれの場合においても成形・硬化後の諸
物性、例えば機械加工時における欠けの発生、寸法安定
性に悪影響を及ぼすため好ましくない。機械加工性等を
考慮すると充填率が低くなりすぎないように非水硬性粉
体の配合量を調節することが好ましい。非水硬性粉体を
添加することによって、成形体の成形時の充填率を高
め、得られる成形体の空隙率を減少することが可能とな
る。これにより成形体の寸法安定性を向上することがで
きる。
【0025】(2−3)加工性改良剤 加工性改良剤とは、水硬性組成物から得られる成形体の
成形性、脱型性、切削・研削性、研削精度の向上、特に
切削・研削性、研削精度の向上に寄与する性質を有する
材料を指す。即ち、加工性改良剤を添加することによっ
て、水硬性組成物からなる混合物は、加工性改良剤が加
圧成形時に於いて、成形助剤としての役割を果たし成形
性が向上する。また、加工性改良剤によりセメント系硬
化体のもろさが改良されることにより得られる成型体が
脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、ひいては
作業性の向上につながる。また、慨して脆性材料である
水硬性組成物から得られる成形体は切削の際に“亀裂
型”メカニズムの切削状態を呈するが、このような場合
に材料の割れ、 あるいは欠け(微視的な現象も含む)
が問題となる。
【0026】本発明の水硬性組成物は加工性改良剤を含
有するために、得られた成形体に固体材料としての機械
加工性を促すための靱性が付与され上記材料の割れ,欠
け等の問題を阻止することが可能となる。即ち、加工性
改良剤によって、従来切削加工・研削加工等の機械加工
が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工
性を金属材料と同レベルまでに改良することが可能とな
り、旋盤等による切削加工、円筒研削機等による研削加
工が金属材料と同等に行えるようになる。これらの加工
が行えることにより所望の寸法に対してμmオーダーの
精密な加工が行えるようになる。
【0027】加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体と非
水硬性粉体との混合粉体100重量部に対し乾ベースで
2−18重量部とするが、5−15重量部とすることが
好ましい。配合量が2重量部未満の場合には、切削加工
性が悪くなり好ましくない。18重量部を超える場合に
は、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削後
の寸法安定性が低下する。また粒度は分散した単一粒子
径で1μm以下のものが一般的である。
【0028】加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、
酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重
合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエ
チレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重
合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合
樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオ
バ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なく
とも1種類以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョ
ンを例示できる。
【0029】(2−4)その他の添加物 本発明の水硬性組成物からなる混合物は、上記必須成分
(2−1)乃至(2−3)に加えて、増量材として珪砂
等の骨材を水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体10
0重量部に対し10−50重量部、好ましくは20−3
0重量部の割合で加えることが出来る。また、成形性を
さらに改善するために、公知のセラミック成型助剤を上
記混合粉体100重量部に対し1−10重量部、好まし
くは3−6重量部の割合で加えることが出来る。さら
に、材料の硬化時の収縮等による寸法変化を抑えるため
に、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤
を上記混合粉体100重量部に対し0.5−5重量部、
好ましくは1−2重量部の割合で加えることが出来る。
【0030】3.紙送りローラの製造方法 本発明の水硬性組成物を用いて成形用混合物を調製する
には、水硬性組成物と必要に応じて加えられるその他の
添加物に、水硬性粉体と非水硬性粉体との混合物100
重量部に対して水が30重量部以下好ましくは25重量
部以下含有されたものを混合することにより得られる。
含有される水の量が30重量部を越えると硬化後の研削
性、研削精度、乾燥収縮に悪影響を与える。なお、乾燥
収縮を小さくするには極力水を少なくするのがよい。条
件によっては、水を加えなくてよい。
【0031】混合する方法については、特に限定するも
のでもないが、好ましくは、強力な剪断力を混合物に加
えることができる混合方法若しくは混合機がよい。非水
硬性粉体粒径は水硬性粉体粒径より1桁以上小さい平均
粒径を有するため、均一な混合物を得るためには、剪断
力を有する混合機でなければ、混合に要する時間が非常
に長くなってしまう。
【0032】さらに成型時の混合物のハンドリングを良
好にするため、混合後成形する形状に適した大きさに造
粒を行ってもよい。造粒方法としては、転動造粒法、圧
縮造粒法、攪拌造粒法など周知の方法を用いればよい。
このようにして得られた成形用混合物を軸芯と外枠の間
に充填して、静水圧プレス、多軸プレス、1軸プレスに
よる方法によって加圧する。加圧する条件として、計算
される理論密度に出来る限り近づけるようプレス圧が高
いほど好ましいが、その下限の条件は、混合物の易成形
性、水の含有割合あるいは必要とされる寸法精度の違い
によって大きく異なる。
【0033】加圧成形後、型から取り出し十分な強度を
発現するまでに数時間から数日を要するため、養生が必
要となるが、そのまま室温に放置もしくは水中養生ある
いは蒸気養生してもかまわないが、好ましくはオートク
レープ中で養生することがよい。なお、硬化体を形成す
る為の水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生
が好ましい。特にオートクレープ中で養生するのが好ま
しい。
【0034】図1は, 本発明の紙送りローラ1の一実施
態様を示し、紙送りローラ1は支持・駆動用の回転軸2
と、水硬性組成物からなる円筒状ローラ部3とからな
り、円筒状ローラ部3は回転軸2の外周に一体化されて
いる。円筒状ローラ部の外径が切削加工等により所望外
径に対してμm オーダーの精度に加工されてなる。以下
に、本発明の紙送りローラの製造方法の一例を図2を参
照して説明する。
【0035】図2は、紙送りローラを製造するための成
形装置11を示す。紙送りローラ成形装置11は、台座
12とその上に立設した円筒状の中空円筒型枠13と、
プッシュロッド・ ユニット14とからなり、プッシュロ
ッド・ユニット14は油圧シリンダ15と、油圧シリン
ダ15の下方部に連結されたプッシュロッド16と、プ
ッシュロッド16の下端部に取り付けられた環状の加圧
ピストン17とからなる。
【0036】紙送りローラを製造するにあたり、まず回
転軸2はその下端部を台座12の中央部に設けた凹部1
2aに挿入して円筒型枠13内に立設してあり、この状
態でプッシュロッドの環状加圧ピストン17は回転軸2
の外周面および円筒型枠13の内周面に摺動自在かつ緊
密に配置されるようになっている。
【0037】前記成形用組成物の調製法により調製され
た水硬性組成物からなる混合物を準備し、前記成形体の
製造法により以下のとおり製造を行なう。円筒型枠13
の内部で回転軸2の回りに粒状成形材料を充填し、常温
下にプッシュロッド・ユニットによって加圧下のもと所
定の時間保持して成形をする。その後、プッシュロッド
・ユニットを除去した後一体化した回転軸と円筒状ロー
ラ部とを台座及び円筒型枠から取り外す。水硬性組成物
は十分な強度を発現するまでに数時間から数日を要する
ため、円筒型枠1から抜き取った後養生する。
【0038】また回転軸と円筒状水硬性組成物から作製
した成形体を同時に成形しないで、円筒状水硬性組成物
を成形、脱型、養生後に回転軸をその穴に挿入してか
ら、又は成形脱型後に回転軸をその穴に挿入し、養生硬
化させてから固定する等別の方法で紙送りローラを製造
することも可能である。この場合、回転軸の回りに複数
個の成形体を軸方向に間隔を置いてあるいは接近させて
挿入配置・固定することによってローラを製造すること
も可能である。なお固定の際には接着剤を必要に応じて
使用することができる。円筒状成形体の成型方法として
は、前記加圧成形方法が適用可能であるが、構造が最も
簡単で、低コスト・大量生産には1軸プレス成形が最も
好ましい。
【0039】養生の方法としては、前記養生方法が適用
できるがオートクレーブ中で養生することが好ましい。
養生後十分な強度が発現した後、正確な寸法精度を出す
ために水硬性組成物円筒状ローラ部をセンターレス研削
機や筒研削機などの汎用金属研削加工機にて表面を研摩
する。これにより紙送りローラとして十分な精度を確保
することができる。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図1に示された構造の紙送りローラを図2
に示す成形装置を用いて製造した。使用した水硬性組成
物粉体は、この水硬性粉体としてポルトランドセメント
70重量部、非水硬性粉体としてシリカフューム30重
量部および加工性改良剤として表1に示す量のアクリル
樹脂からなり、該水硬性組成物粉体に20―30重量部
の水と増量材として30重量部の珪石8号を添加し、混
合した後、台座12に立設した回転軸2の外周部で円筒
型枠13内に充填した。これを加圧ピストン17で加圧
下に成形し所定の硬度となった後、円筒型枠13から回
転軸2ごと抜き取り脱型する。成形体は円筒型枠13か
ら抜き取った後オートクレーブ養生した。
【0041】養生後、切削・研削加工後に硬化成形体の
水和反応、脱水等に起因した収縮等の寸法変化が生じな
いように、加工前に硬化成形体を十分乾燥させた。乾燥
後、円筒状成形体の表面を旋盤加工し、さらにセンター
レス研削機を用いて研削加工を行い、最後に円筒状成形
体の表面を砥粒を含有する熱硬化性樹脂で塗装した。
【0042】上記加工時に置ける各種加工性を下記基準
に従って比較・評価した。 (1)成形性 成形性は、加圧に必要な圧力と圧密度合いにより易成形
性を判断した。 (2)脱型性 脱型性は円筒型枠から抜き取るときに要する力によりを
易脱型性を比較した。 (3)研削性 研削性については、SUS 快削鋼を基準に同じ量研削する
時間を基準に易研削性を比較した。 (4)研削精度 研削精度は、研削加工をしたものの真円度を比較した。
【0043】
【表1】
【0044】表中の◎、○及びXの意味は以下の通りで
ある。 (1)成形性( プレス圧力1000kg/cm2の時) 計算による理論密度に対する成型時の密度のパーセント
を以下の通り評価した。 ◎・・・95%以上 ○・・・90−95% X・・・90%未満 (2)脱型性 円筒型枠から成型体を押し抜くときのプレス力を以下の
通り評価した。 ◎・・・500kg未満 ○・・・500−1000kg X・・・1000kgを超える (3)研削性 SUS快削鋼の単位時間の研削量を100%として、成
形体の単位時間の研削量を評価した。 ◎・・・95%超える(100%以上もある) ○・・・90−95% X・・・90%未満 (4)研削精度 ◎・・・直径の公差が±0.002未満 ○・・・直径の公差が±0.002から±0.005 X・・・直径の公差が±0.005を超える
【0045】また金属研削用の砥石を用いて、3種類の
材質を研削加工した。SUS 快削鋼とアルミナ焼結体およ
び本発明品のセンタレス研削加工速度と研削精度(真円
度)の比較を表2に示した。
【0046】本開発品は、加工性改良剤を添加すること
により金属材料と同程度の加工性とその仕上がり精度を
有しており、安価に、また大量生産に向いていることが
わかる。
【0047】
【表2】
【0048】(実施例2)直径12mm、軸長500m
mの金属軸に対し、その軸中央に長さ330mm、厚さ
5mmと10mmで本発明による水硬性組成物から作製
した円筒体を一体化させた場合と、材料を全て金属で上
記の場合と同寸法で製作した場合、これらの重量・慣性
モーメントの値は以下のようになる。なお、成形体の比
重2.0 、金属の比重7.9 にて計算した。
【0049】
【表3】
【0050】これらのことより、紙送りローラを駆動す
るモーターの馬力を小さくすることが可能となり、また
各種駆動用ギアも小さくできるなど、本発明品を用いた
装置の製造コスト全体を引き下げることが可能となる。
また(2) と(3) は重量・慣性モーメントがほとんど同じ
であることから駆動部分の設計をそのままにしても、本
発明品は金属と同等の加工性と研削精度を有しているこ
とから、ローラの直径を1.5 倍に大きくすることが可能
となる。従って、紙送り精度を1.5 倍にすることが可能
となる。
【0051】以下に、ローラを大くすれば紙送り精度が
高くなることを説明する。紙送り精度を上げるために
は、 ローラの回転角度を制御する精度を上げること ローラ径の寸法精度を上げること(即ちローラ外周の
寸法精度を上げること) の2点が考えられるが、実際の技術としての公差に対
しの公差は無視出来る程小さい。したがってのロー
ラ径の寸法精度を上げることについて考える。
【0052】一定量の紙送りを考えた場合を考える。こ
れをLとし、送りローラの直径をDとし、送りローラの
直径の公差を±dとすると、軸が1回転したときの、円
周の最大最小の差は、 (D+d)π−(D−d)π=2dπ ・・・(a) となる。直径Dのローラが、ある送り量Lを送るために
は L/πD ・・・(b) だけ回転しなければならない。( a) (b) より、ある
量(L)だけ紙を直径D±dのローラで送ると、最大最
小のズレが次のようになる。 2dπ × L/πD=2dL/D ・・・(c) このことより紙送りのズレは、ローラ直径の公差(d)
に比例し、ローラ直径(D)に反比例することが解る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、加工性
能に優れた水硬性組成物からなる円筒部を備えた紙送り
ローラは、金属と同程度の加工性能、軽量および安価と
いう特徴を兼ねている。また, 本発明の紙送りローラ
は、金属単体でできたローラに比べて軽量であり、また
焼結セラミックスを有するローラに比べ安価かつ加工性
に富み、かつ安価に製造することが可能となる。さら
に、本発明のローラを組み込んだ機器の紙送り精度の向
上とコストダウンを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る紙送りローラを示す。
【図2】図2は、本発明に係る紙送りローラを製造する
ための成形装置及び成形方法を示す。
【符号の説明】
1 紙送りローラ、2 回転軸、3 円筒状ローラ部、
11 紙送りローラ成形装置、12 台座、12a 凹
部、13 円筒型枠、14 プッシュローラ・ユニッ
ト、15 油圧シリンダ、16 プッシュロッド、17
加圧ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 27/00 B41J 11/04 B28B 3/02 B65H 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、水硬性組成物からなる混合物
    を加圧成形した後養生硬化することによって作製されか
    つ回転軸の外周に一体化された円筒状ローラ部とからな
    る紙送りローラ。
  2. 【請求項2】 水硬性組成物が水硬性粉体50〜90重
    量%と水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小さい平均
    粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%とからな
    る混合粉体と、混合粉体100重量部に対して2〜18
    重量部の割合で配合した加工性改良剤とからなることを
    特徴とする請求項1記載の紙送りローラ。
  3. 【請求項3】 前記加工性改良剤が、酢酸ビニル樹脂、
    酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重
    合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエ
    チレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重
    合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合
    樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオ
    バ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なく
    とも1種類の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンで
    あることを特徴とする請求項2記載の紙送りローラ。
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