JP7229026B2 - 鋳型の作製方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、粉末積層成形法に適した付加製造装置用水硬性組成物として、珪砂、オリビン砂、および人工砂等の耐火砂に、速硬セメントを15~50%配合して混練(混合)した材料に、水性バインダを加えて固化・積層して成形体を得る技術が開示されている。ここで、粉末積層成形法とは、積載台(台座)の上に置いた粉体材料の所定の範囲に、インクジェット等のノズルを通して成形液を滴下または噴霧して固化し、逐次、固化した層を積層して所望の形状を成形する方法である。
(A)水硬性組成物
下記(B)複合結合材100質量部に対し、水を28~130質量部、および砂を100~1200質量部含む組成物である。
(B)複合結合材
CaO/Al 2 O 3 のモル比が1.5~3.0である非晶質カルシウムアルミネートを50~100質量%、速硬セメントを0~50質量%を少なくとも含む無機結合材100質量部に対し、ポリビニルアルコールを2~12質量部含む結合材である。
[2]前記シリカ含有液の溶媒が有機溶媒である、前記[1]に記載の鋳型の作製方法。
[3]前記シリカ含有液の造形物への浸透深さが0.4~10.0mmである、前記[1]または[2]に記載の鋳型の作製方法。
[4]前記シリカ含有液を造形物に浸透させる時間が、5~120秒である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の鋳型の作製方法。
本発明において、造形物の原料は、少なくとも水と反応して硬化する材料である無機結合材を含む。そして、該無機結合材は、下記カルシウムアルミネート類、速硬セメント、セメントから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、さらに石膏等を任意成分として含有する結合材である。前記無機結合材にさらに、ポリビニルアルコール(以下、無機結合材とポリビニルアルコールの混合物を「複合結合材」という。)、および砂を含んでもよい(以下、これらを含んだ混合物を「水硬性組成物」という)。
次に、カルシウムアルミネート類、速硬セメント、セメント、石膏、複合結合材、水硬性組成物、および造形物の製造方法等に分けて詳細に説明する。
前記カルシウムアルミネート類は、3CaO・Al2O3、2CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、5CaO・3Al2O3、CaO・Al2O3、3CaO・5Al2O3、またはCaO・2Al2O3等のカルシウムアルミネート;2CaO・Al2O3・Fe2O3、または4CaO・Al2O3・Fe2O3等のカルシウムアルミノフェライト;カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶または置換した3CaO・3Al2O3・CaF2、および11CaO・7Al2O3・CaF2等のカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート;8CaO・Na2O・3Al2O3、および3CaO・2Na2O・5Al2O3等のカルシウムナトリウムアルミネート;カルシウムリチウムアルミネート;アルミナセメント;さらにこれらにNa,K,Li、Ti、Fe、Mg、Cr、P、F、S等の微量元素(酸化物等含む。)が固溶した鉱物から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの無機結合材の中でも、造形物の早期強度発現性が高いことから、カルシウムアルミネートが好ましく、特に、非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。非晶質カルシウムアルミネートは、原料を溶融した後、急冷して製造するから、実質的に結晶構造を有せず、通常、そのガラス化率は80%以上であり、ガラス化率が高い程、早期強度発現性は高いため、ガラス化率は好ましくは90%以上である。
また、カルシウムアルミネート類のブレーン比表面積(JIS R 5201に規定する粉末度)は、充分な早期強度発現性を得るとともに粉塵の発生を抑制するために、好ましくは1000~6000cm2/g、より好ましくは1500~5000cm2/gである。なお、カルシウムアルミネート類のブレーン比表面積は、付加製造装置での敷きならしが均一で、かつ、造形物の強度が低下しないためには、さらに好ましくは1500~4000cm2/g、特に好ましくは2000~3000cm2/gである。
速硬セメント(超速硬セメント)は、好ましくは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が30分以内である速硬セメント(超速硬セメント)、または止水セメントである。なお、速硬セメント等の市販品は、スーパージェットセメント(登録商標、太平洋セメント社製)、ジェットセメント(登録商標、住友大阪セメント社製)、ライオンシスイ(登録商標、住友大阪セメント社製)、またはデンカスーパーセメント(デンカ社製)が挙げられる。なかでも、石膏を含有する速硬セメントでは早期強度発現性が高く、少量の石膏の添加が容易となるため好ましい。
無機結合材中の速硬セメントの含有率は、早期強度発現性を向上させるため、無機結合材全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは5~20質量%である。
該セメントは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が3時間30分以内であれば、成形から3時間後の早期強度発現性が高いため好ましく、さらに1時間以内がより好ましい。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、およびセメントクリンカー粉末から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、本発明では、セメントクリンカー粉末もセメントに含める。
また、セメント中の珪酸カルシウムの含有率は、セメント全体を100質量%として、好ましくは25質量%以上である。該含有率が25質量%以上あれば、材齢1日以後の強度発現性が高く、また長期強度発現性が必要な場合、該含有率は、好ましくは45質量%以上である。
無機結合材中のセメントの含有率は、早期強度発現性の向上のため、無機結合材全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは0~20質量%である。
前記無機結合材は、早期強度発現性のさらなる向上のため、さらに石膏を任意成分として含んでもよい。前記石膏は、無水石膏、半水石膏、および二水石膏から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、半水石膏は早期強度発現性がより高いために好ましい。無機結合材中の石膏の含有率は、早期強度発現性と耐熱性を向上させるため、無機結合材全体を100質量%として、無水石膏換算で、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは0.8~5質量%以下、さらに好ましくは1~3質量%以下である。
なお、石膏はカルシウムアルミネート類や速硬セメント、セメント中に含まれた状態の石膏でもよい。セメント中の石膏は、一般に、二水石膏と半水石膏の混合物(混合石膏)の形態で存在する。半水石膏は、セメントの粉砕により発生する熱により、二水石膏から脱水して生じるため、半水石膏と二水石膏の含有比率は粉砕条件の影響を受け変動する。
前記複合結合材は、無機結合材に加えてポリビニルアルコールを、無機結合材100質量部に対し好ましくは2~12質量部含むものである。ポリビニルアルコールの含有割合が2質量部未満では、造形物の強度の向上効果は低く、また、12質量部を越えると、形状によっては造形物の収縮により変形やひび割れが生じ、複雑な形状の鋳型が製造できない場合がある。なお、ポリビニルアルコールの含有割合は、無機結合材100質量部に対し、より好ましくは3~11質量部、さらに好ましくは4~10質量部である。
前記ポリビニルアルコールのケン化度は、溶解性が高く強度が高いことから、好ましくは80~90モル%である。
無機結合材とポリビニルアルコールの粉砕・混合方法は、両者を個別に粉砕した後に混合する個別粉砕と、両者を混合した後、同時に一括して粉砕する混合粉砕があるが、粉砕の手間を考慮すれば、好ましくは混合粉砕である。
また、ポリビニルアルコールの平均粒径(メディアン径、D50)は、高い強度を得るため、110μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましく10~75μmである。94μmより大きいポリビニルアルコールの粒子の含有率は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。また、77μmより大きいポリビニルアルコールの粒子の含有率は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
前記水硬性組成物は、前記無機結合材または複合結合材の合計100質量部に対し、水を28~130質量部を含む組成物である。水の配合割合が該範囲であれば、造形物の強度発現性を確保できる。なお、水の配合割合は、造形物の強度と寸法精度をより高める観点から、好ましくは30~120質量部、より好ましくは32~105質量部である。
また、さらに砂を含んでもよく、配合割合は特に制限されるものではないが、無機結合材または複合結合材100質量部に対し、好ましくは100~1200質量部、より好ましくは150~1000質量部、さらに好ましくは200~800質量部である。砂の配合割合が該範囲にあれば、造形物は、強度が高い。
前記砂は、耐火砂であれば、特に制限されず、珪砂、オリビン砂、ジルコン砂、クロマイト砂、アルミナ砂、および人工砂等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、前記水は、通常の上水道水や井戸水等を用いることができる。また、水は、必要とされる各種の機能を付与するため、増粘剤、潤滑剤、流動化剤、界面活性剤、および表面張力低減剤から選ばれる1種以上を混合して用いてもよい。
造形物に残った水硬性組成物の未硬化の粉末を、造形物から除去する作業(デパウダー)を容易にするために、本発明の水硬性組成物は、さらに、無機結合材または複合結合材の合計100質量部に対し、任意の成分として疎水性フュームドシリカを0.1~2.0質量部、より好ましくは0.5~1.5質量部含むことができる。ここで、疎水性フュームドシリカとは、フュームドシリカの表面をシランまたはシロキサンで処理して、表面を疎水性にしたシリカ粉末である。
また、水硬性組成物の粉末の除去効率をより高めるため、疎水性フュームドシリカのBET比表面積は、好ましくは30~300m2/gである。疎水性フュームドシリカのBET比表面積が該範囲内であれば、粉体の流動性が向上し、付加製造装置で敷きならした面が平坦で、かつ強度が低下することなく造形物や鋳型を軽量化できる。また、疎水性フュームドシリカは、粉体の固結の防止や混合性の向上に有効である。
該製造方法は、付加製造装置と本発明の水硬性組成物を用いて、造形物を作製する方法である。付加製造装置は特に限定されず、粉末積層型付加製造装置等の市販品が使用できる。また、水を含む前の水硬性組成物は、前記の成分を市販の混合機または手作業で混合して調製する。なお、結合材として複数の材料を用いる場合、結合材を予め市販の混合機や手作業で混合したり、粉砕機で混合粉砕してもよい。
造形物の養生方法は、気中養生単独、蒸気養生、または、封かん養生等がある。これらの中でも、造形物の早期の強度発現のために、気中養生単独が好ましい。また、カルシウムアルミネート、速硬セメント、およびポリビニルアルコール等による強度増進の点から、気中養生の温度は、好ましくは10~100℃、より好ましくは30~80℃である。また、気中養生の相対湿度は、充分な強度発現と生産効率の点から、好ましくは10~90%、より好ましくは15~80%、さらに好ましくは20~60%である。さらに、気中養生時間は、造形物の充分な強度の確保と、造形物の強度が高すぎてシリカ含侵液の浸透深さが得られなくなることがないように、好ましくは1時間~1週間、より好ましくは2時間~5日間、さらに好ましくは3時間~4日間である。
本発明で用いるシリカ含有液は、シリカゾル溶液(無水珪酸のナノレベルの超微粒子が分散したコロイド溶液)、および単量体以外のアルキルシリケート溶液から選ばれる1種以上である。このうち、シリカゾル溶液の分散媒体は、水または水溶性の有機溶媒であり、アルキルシリケート溶液の分散媒体は、水溶性の有機溶媒である。分散溶媒の中でも、無機結合材の反応が進行せず、鋳型の寸法変化が小さいことから有機溶媒が好ましい。前記アルキルシリケート溶液から単量体のアルキルシリケートを除くのは、後掲の表1、2の比較例1に示すように、単量体のアルキルシリケート溶液で浸透処理した鋳型の曲げ強度は低く、表面が指で削れるからである。また、アルキルシリケートのアルキル基は、入手が容易なため、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が挙げられる。アルキルシリケート溶液は、鋳型の強度を高くするために5量体以上のアルキルシリケート溶液を用いることが好ましい。シリカ含有液の粘性は、造形物中への浸透性を高めて鋳型の強度を高くするために、10mPa・s(25℃)以下であるものを選択することが好ましい。
本発明で採用する前記浸透方法は、特に制限されないが、例えば、造形物に、シリカ含有液を塗布(スプレーを含む)したり、造形物をシリカ含有液に浸漬すればよい。
シリカ含有液の浸透深さは、好ましくは0.4~10.0mmである。浸透深さが0.4mm未満では、鋳型の曲げ強度が低く、表面状態は不良であり、10.0mmを超えると、浸透に時間がかかるため製造効率が低下する。なお、シリカ含有液の浸透深さは、より好ましくは、0.5~6mmである。
また、シリカ含有液の浸透時間は、好ましくは5~120秒である。浸透時間が5秒未満では、浸透が充分でなく、120秒を超えても浸透が飽和する傾向にある。なお、シリカ含有液の浸漬時間は、より好ましくは、10~100秒である。また、シリカ含有溶液を浸透させた後の造形物は、成形体中のシリカ含有溶液の拡散を促進するため、6時間~2日間静置するとよい。
本発明で採用する前記加熱方法は、鋳型の大きさによるため、特に制限されないが、例えば、造形物を、電気炉中で1~3時間かけて500~1200℃まで昇温して、該温度を30分~2時間保持した後、さらに1~3時間かけて室温まで降温する加熱方法が挙げられる。造形物は500℃まで加熱すると、セメントが水和反応した鉱物の結合水やポリビニルアルコールはほとんどが揮発し、さらに高温で加熱するほど揮発分は減少する。一方、造形物は1200℃を越える温度で加熱すると溶融する場合がある。また、造形物の加熱温度が、500~1200℃であると得られる鋳型の強度が高い。加熱温度は、より好ましくは、600~1000℃、さらに好ましくは700~900℃である。
1.使用した材料
(1)非晶質カルシウムアルミネート
CaO/Al2O3のモル比は2.2、ガラス化率は95%以上、ブレーン比表面積は2700cm2/gの試製品である。
(2)速硬セメント
スーパージェットセメント(登録商標)、ケイ酸カルシウムの含有率は47質量%、凝結(始発)は30分、ブレーン比表面積は4700cm2/gである。ただし、無水石膏を14質量%含む。太平洋セメント社製である。
(3)砂
(i)アルミナ系、商品名 エスパール♯180L、山川産業社製である。
(ii)アルミナ系、商品名 ナイガイセラビーズ60#1450(登録商標)、伊藤忠セラテック社製である。
(iii)アルミナ系、商品名 ナイガイセラビーズ60#1700(登録商標)、伊藤忠セラテック社製である。
(4)ポリビニルアルコール
品番 22-88S1(PVA217SS)、クラレ社製である。
ケン化度は87~89%、平均粒径(メディアン径:D50)は60μm、94μmより大きい粒子の含有率は29質量%、および77μmより大きい粒子の含有率は47質量%であり、10%径(D10)は25μm、および90%径(D90)は121μmである。
なお、前記ポリビニルアルコールの粒径は、シリコーンオイルを媒質に用いて島津製作所製SALD-2000Jにより測定した。
(5)水
3質量%のグリセロール水溶液(ProJet660Pro用バインダー液)、スリーディシステム社製である。
(6)シリカ含有溶液
(i)商品名:エチルシリケート 28(略号:ES28)、SiO2換算で28.8~29.5質量%のエチルシリケートの単量体が溶解したエタノール溶液である。
(ii)商品名:エチルシリケート 40(略号:ES40)、SiO2換算で40.0~40.4質量%のエチルシリケートの5量体(平均)が溶解したエタノール溶液である。
いずれのエチルシリケートも、コルコート社製である。
(iii)商品名:オルガノシリカゾル IPA-ST(登録商標、略号:IPA-ST)、固形分が30質量%のシリカゾル(粒子径は12nm)が分散したイソプロピルアルコール溶液である。
(iv)商品名:オルガノシリカゾル IPA-ST-ZL(登録商標、略号:IPA-ST-ZL)、固形分が30質量%のシリカゾル(粒子径は80nm)が分散したイソプロピルアルコール溶液である。
(v)商品名:スノーテックス ST-O-40(登録商標、略号:ST-O-40)、固形分が40質量%のシリカゾル(粒子径は22nm)が分散した水溶液である。
(vi)商品名:スノーテックス EG-ST(登録商標、略号:EG-ST)、固形分が20質量%のシリカゾル(粒子径は12nm)が分散したエチレングリコール溶液である。
(vii)商品名:スノーテックス ST-30(登録商標、略号:ST-30)、固形分が20質量%のシリカゾル(粒子径は12nm)が分散した水溶液である。
(viii)商品名:スノーテックス ST-ZL(登録商標、略号:ST-ZL))、固形分が40質量%のシリカゾル(粒子径は80nm)が分散した水溶液である。
オルガノシリカゾル、スノーテックスともに日産化学社製である。
実施例1~14および比較例1~4は、前記非晶質カルシウムアルミネートを90質量部、スーパージェットセメントを10質量部、ポリビニルアルコールを6質量部、エスパール♯180Lを100質量部、ナイガイセラビーズ♯1450を100質量部混合し、水硬性粉体とした。
実施例15~16は、前記非晶質カルシウムアルミネートを90質量部、スーパージェットセメントを10質量部、ポリビニルアルコールを10質量部、ナイガイセラビーズ♯1700を400質量部混合し、水硬性粉体とした。
なお、前記装置による成形体の造形では、水硬性粉体の所定の位置を選択して、ノズルからの装置の水量設定値を、成型体の内部(core)は65%、および外部は(shell)90%と、成型体の内部(core)は88%、および外部(shell)は122%に調整して、水を噴射し、水硬性粉体を固化した。
前記成形体を温度40℃相対湿度30%の条件下で3時間養生し、これらの成形体を、前記シリカ含有溶液中に10~90秒間浸漬して取り出して1日間静置した後、該成形体を、2時間かけて、500℃、600℃、800℃、1000℃、または1200℃まで昇温して、該温度を1時間保持した後、さらに2時間かけて室温まで降温して供試体を作製した。
次に、前記供試体を用いて、曲げ強度試験機(型番:MODEL-2257、アイコーエンジニアリング社製)により3点曲げ試験を行い、前記成型体および供試体の曲げ強度と供試体の寸法を測定した。
実施例1~7および比較例1~2の成型体の水/複合結合材質量比は30%、曲げ強度は2.5N/mm2であった。実施例8~14および比較例3~4の成型体の水/複合結合材質量比は40%、曲げ強度は6.1N/mm2であった。実施例15~16の成型体の水/複合結合材質量比は43%、曲げ強度は3.1N/mm2であった。
これらの結果を表1~10に示す。
したがって、本発明の鋳型の作製方法によれば、鋳型の強度や寸法安定性、表面状態が良好であることが分かる。
Claims (4)
- 下記(A)水硬性組成物と、付加製造装置を用いて造形した造形物に、シリカゾル溶液、および単量体以外のアルキルシリケート溶液から選ばれる1種以上のシリカ含有液を浸透させた後、該浸透させた造形物を500~1200℃で加熱する、鋳型の作製方法。
(A)水硬性組成物
下記(B)複合結合材100質量部に対し、水を28~130質量部、および砂を100~1200質量部含む組成物である。
(B)複合結合材
CaO/Al 2 O 3 のモル比が1.5~3.0である非晶質カルシウムアルミネートを50~100質量%、速硬セメントを0~50質量%を少なくとも含む無機結合材100質量部に対し、ポリビニルアルコールを2~12質量部含む結合材である。 - 前記シリカ含有液の溶媒が有機溶媒である、請求項1に記載の鋳型の作製方法。
- 前記シリカ含有液の造形物への浸透深さが0.4~10.0mmである、請求項1または2に記載の鋳型の作製方法。
- 前記シリカ含有液を造形物に浸透させる時間が、5~120秒である、請求項1~3のいずれか1項に記載の鋳型の作製方法。
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