JP6956539B2 - 付加製造装置用水硬性組成物および鋳型の製造方法 - Google Patents

付加製造装置用水硬性組成物および鋳型の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、付加製造装置(3Dプリンタ)を用いて造形物を作製するための付加製造装置用水硬性組成物と、該組成物を用いた鋳型の製造方法に関する。
鋳造は、溶融した金属を鋳型に注入して鋳物を作製する伝統的な金属加工法である。この鋳造に用いる自硬性鋳型は、使用する粘結材(結合材)に応じて有機系と無機系があり、このうち無機系は、主に水ガラス系とセメント系がある。ただし、セメント系自硬性鋳型は、鋳込み温度によっては、含まれる石膏が熱分解してガスが発生し、鋳物に欠陥が生じ、美観や機能が損なわれる。また、この鋳型の製造は、模型や木型の製造が前工程として必須であるが、この前工程には時間とコストがかかる。
そこで、鋳物の美観等が損なわれず、該前工程が不要な鋳型の製造手段が望まれている。
ところで、最近、付加製造装置が、迅速かつ精密な造形手段として注目されている。この付加製造装置のうち、例えば、粉末積層成形装置は、粉末を平面の上に敷き詰め、該粉末に水性バインダを噴射して粉末を固化し、該固化物を垂直方向に順次積層して造形する装置である。この装置の特徴は、3次元CAD等で作成した立体造形のデータを多数の水平面に分割し、これらの水平面の形状を順次積層して、成形体を製造する点にある。
そこで、前記付加製造装置を用いて鋳型を製造できれば、前記の前工程は不要になり、作業時間とコストを削減できると期待される。
例えば、特許文献1は、結合材噴射法(粉末積層成形法)に適した粉末材料を提案している。該材料は、珪砂、オリビン砂、人工砂等の耐火砂に速硬性セメントを粘結材として所定の量を配合して混練したもので、これに水性バインダを加えて固化および積層して成形体を製造する。
結合材噴射法で製造した成形体は、製造直後の運搬時の破損を防止して、製造量や良品を確保するために、早期強度の発現性が高く、かつ鋳物の製造時においても強度が高いことが求められる。
また、特許文献2に記載の造形用材料は、骨材と当該骨材を結着させるバインダーの粉状前駆体とが混合された、粉末固着積層法における造形用材料であって、前記骨材の含有率は70重量%以上であり、前記粉状前駆体はセメント等である。
しかし、セメントは石膏を比較的多く含むため、セメントを多く含む前記造形用材料を鋳型に用いると、高温下で硫黄酸化物等のガスが発生してブローホール等の欠陥が生じ易く、また黒鉛の球状化阻害による欠陥が生じる場合がある。
このように、セメント系材料を付加製造装置用の鋳型製造用材料として用いると、硫黄酸化物等のガスや、黒鉛球状化不良による鋳造欠陥が発生するリスクが高く、また早期強度発現性は充分ではなかった。
特開2011−51010号公報 特開2010−110802号公報
したがって、本発明は、強度発現性、とくに早期強度発現性が高く、鋳物製造においてガスや黒鉛球状化不良による欠陥の発生が少ない付加製造装置用水硬性組成物等を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルシウムアルミネートとセメントを特定の割合で含む水硬性組成物は、付加製造装置を用いた造形が可能で、強度発現性が高く、また、石膏をほとんど含まないため、鋳型に用いてもガスの発生が少なく鋳物の美観を損なわないことを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の構成を有する付加製造装置用水硬性組成物等である。
[1]下記(A)非晶質カルシウムアルミネートを50〜100質量%、および下記(B)セメントを0〜50質量%を、少なくとも含む結合材100質量部に対し、砂を100〜400質量部含有する、付加製造装置用水硬性組成物。
(A)非晶質カルシウムアルミネート:CaO/Alのモル比が1.5〜3.0
(B)セメント:珪酸カルシウムの含有率が25質量%以上
(ただし、前記非晶質カルシウムアルミネートおよびセメントの含有率の合計は100質量%である。)
[2]JIS R 5210に準拠して測定した前記(B)セメントの凝結(始発)が、3時間30分以内である、前記[1]に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
[3]前記砂が、珪砂、オリビン砂、および人工砂から選ばれる1種以上である、前記[1]または[2]に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
[4]さらに、硬化促進剤として、炭酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ土類金属塩、およびケイ酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上を含む、、前記[1]〜[]のいずれかに記載の付加製造装置用水硬性組成物。
[5]疎水性フュームドシリカを0.1〜1.0質量%含む、前記[1]〜[]のいずれかに記載の付加製造装置用水硬性組成物。
[6]付加製造装置と、前記[1]〜[]のいずれかに記載の付加製造装置用水硬性組成物を用いて鋳型を造形する、鋳型の製造方法。
本発明の付加製造装置用水硬性組成物は、強度発現性、とくに早期強度発現性が高く、鋳物の製造においてガスや黒鉛球状化不良による欠陥の発生が少ない。
実施例4の付加製造装置用水硬性組成物を用いて造形した鋳物(管)を示す写真である。 実施例11の付加製造装置用水硬性組成物を用いて造形した鋳物(管)を示す写真である。 実施例12の付加製造装置用水硬性組成物を用いて造形した鋳物(管)を示す写真である。
本発明は、上述したとおり、前記(A)カルシウムアルミネートを50〜100質量%、および、前記(B)セメントを0〜50質量%を、少なくとも含む結合材100質量部に対し、砂を100〜400質量部含有する付加製造装置用水硬性組成物(以下「水硬性組成物」と略すこともある。)等である。
以下、本発明について、カルシウムアルミネート、セメント、および砂等に分けて詳細に説明する。
1.カルシウムアルミネート
本発明で用いるカルシウムアルミネートは、CaO/Alのモル比が1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.4である。該モル比が1.5以上で付加製造装置用水硬性組成物の早期強度発現性が高く、3.0以下では付加製造装置用水硬性組成物の耐熱性が高い。前記モル比を有するカルシウムアルミネートは、例えば、12CaO・7Al、3CaO・Al23、11CaO・7Al23・CaF2、Na2O・8CaO・3Al23、および非晶質カルシウムアルミネート等から選ばれる1種以上である。これらの中でも、好ましくは、早期強度発現性に優れるため、非晶質カルシウムアルミネートである。
ここで、前記カルシウムアルミネートは、CaOとAlを主成分とするもので、さらに、Na、K、S、またはFeから選ばれる1種以上を含むことができる。非晶質カルシウムアルミネートは、原料を溶融した後、急冷して製造するから、実質的に結晶構造を有さず、通常、非晶質カルシウムアルミネートのガラス化率は80%以上である。なお、ガラス化率が高いほど、早期強度発現性は高いため、非晶質カルシウムアルミネートのガラス化率は、好ましくは90%以上である。
カルシウムアルミネートの含有率は、カルシウムアルミネートおよびセメントの含有率を合計100質量%として、50〜100質量%である。該値が50質量%以上で付加製造装置用水硬性組成物の強度発現性と耐熱性が高い。なお、該値は、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜95質量%である。また、セメントの含有率が50質量%以下で、本発明の水硬性組成物の速硬性は高くなる。なお、該値は、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
また、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積は、充分な速硬性を得るためと、粉塵の発生を抑制するためには、好ましくは1000〜6000cm/g、より好ましくは1500〜5000cm/gである。なお、結合材の合計100質量部に対し、砂が200質量部以下の場合、付加製造装置で敷きならして水硬性組成物の面を平坦にし、かつ、鋳型の強度が低下しないためには、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積は、さらに好ましくは1000〜2500cm/g、特に好ましくは1500〜2000cm/gである。
2.セメント
本発明で用いるセメントは、珪酸カルシウムの含有率が25質量%以上である。該含有率が25質量%以上あれば、1日以後の長期にわたって強度発現性が高い。長期にわたる強度発現性が必要な場合、セメント中の珪酸カルシウムの含有率は、好ましくは45質量%以上である。また、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が3時間30分以内のセメントであれば、鋳型の製造時から3時間後の初期の強度発現性も高い。初期の強度発現性が必要な場合、好ましくは、凝結(始発)が1時間以内のセメントを用いる。本発明で用いるセメントは、例えば、速硬セメント、超速硬セメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、およびセメントクリンカー粉末から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、本発明では、セメントクリンカー粉末もセメントに含める。
これらのセメントの中でも、強度発現性が高いため、好ましくは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、速硬性セメント、および超速硬セメントである。なお、速硬性セメントや超速硬セメントの市販品は、例えば、スーパージェットセメント(登録商標、小野田ケミコ社製)、ジェットセメント(登録商標、住友大阪セメント社製)、およびデンカスーパーセメント(デンカ社製)が挙げられる。
3.砂
本発明で用いる砂は、耐火砂であれば、特に制限されず、珪砂、オリビン砂、および人工砂等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、砂の配合量は、前記結合材100質量部に対し、100〜400質量部である。該値が該範囲であれば、耐火性と強度発現性を確保できる。なお、該配合量は、前記結合材100質量部に対し、好ましくは150〜350質量部、より好ましくは200〜300質量部である。
4.硬化促進剤
本発明の付加製造装置用水硬性組成物は、さらに任意成分として硬化促進剤を含む。特に、セメントの含有率が30〜50質量%である該水硬性組成物は、硬化促進剤による強度発現性の向上効果が高い。
本発明で用いる硬化促進剤は、炭酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ土類金属塩、およびケイ酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上である。そして、
(i)前記炭酸アルカリ金属塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸リチウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
(ii)前記乳酸アルカリ金属塩は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、および乳酸リチウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
(iii)前記乳酸アルカリ土類金属塩は、乳酸カルシウム、および乳酸マグネシウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
(iv)前記該ケイ酸アルカリ金属塩は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、およびケイ酸リチウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
前記硬化促進剤の含有割合は、結合材100質量部に対し、好ましくは3〜10質量部である。硬化促進剤の含有割合が、この範囲内であれば、迅速な造形のための速硬性と取扱い可能な強度を確保できる。なお、硬化促進剤の含有割合は、好ましくは4〜9質量部、より好ましくは5〜8質量部である。前記硬化促進剤は、前もって水硬性組成物に混合するほか、付加製造装置から供給される水に溶解して用いることもできる。
5.その他
付加製造装置用水硬性組成物は、水硬性組成物の強度をより高めるために、結合材100質量部に対し、ポリマーを固形分換算で、好ましくは0.1〜15質量部含んでもよい。ポリマーの含有率が15質量部を越えると、鋳物の製造時にガス欠陥が生じるおそれがある。
前記ポリマーは、例えば、JIS A 6203に規定するポリマーディスパージョンおよび再乳化粉末樹脂などが挙げられる。具体的には、ポリアクリル酸エステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル・バーサチック酸ビニル・アクリル酸エステル3元共重合体、ポリビニルアルコール、マルトデキストリン、エポキシ樹脂、およびウレタン樹脂から選ばれる1種以上が挙げられる。
造形後に残った水硬性組成物の未硬化の粉末を、造形物から除去する作業(デパウダー)を容易にするために、付加製造装置用水硬性組成物を、さらに、結合材の合計100質量部に対し、疎水性フュームドシリカを0.1〜1質量部、より好ましくは0.2〜0.7質量部含むことができる。ここで、疎水性フュームドシリカとは、フュームドシリカの表面をシランまたはシロキサンで処理して、表面を疎水性にしたシリカ粉末である。
また、水硬性組成物の粉末の除去効率をより高めるため、疎水性フュームドシリカのBET比表面積は、好ましくは30〜300m/gである。疎水性フュームドシリカのBET比表面積が該範囲内であれば、疎水性フュームドシリカは粉体の流動性を向上させ、付加製造装置で敷きならした面が平坦で、かつ強度が低下することなく鋳型の密度は低く通気性が向上する。また、疎水性フュームドシリカは、粉体の固結の防止や混合性の向上に有効である。
なお、本発明の付加製造装置用水硬性組成物は、さらに、強度発現性の調整材等として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、珪石微粉末、および石灰石粉末等の任意成分を含んでもよい。
6.鋳型の製造方法
該製造方法は、付加製造装置と本発明の付加製造装置用水硬性組成物を用いて、鋳型を造形する方法であって、該水硬性組成物を、前記の材料を市販の混合機または手作業で混合して調製した後、付加製造装置により鋳型を製造する方法である。該付加製造装置は特に限定されず、粉末積層型付加製造装置等の市販品が使用できる。
また、本発明の鋳型の製造方法において、水/水硬性組成物の質量比は、鋳物の製造時に発生する水蒸気の抑制、および鋳型の強度を確保するため、好ましくは0.01〜0.1、より好ましくは0.02〜0.09、さらに好ましくは0.03〜0.08である。
本発明の鋳型の製造方法において、鋳型の養生方法は、気中養生単独、気中養生した後に続けて水中養生する方法、または、表面含浸剤養生等がある。前記3種類の養生温度は、特に制限されないが、養生のし易さから、好ましくは10〜50℃である。
気中養生時間は、十分な強度発現と生産効率の観点から、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは2〜4時間であり、水中養生時間は、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上、さらに好ましくは20時間以上である。
前記表面含浸剤養生は、成形体をケイ酸アルカリ水溶液中に浸漬して、成形体の強度を増進させる養生である。
前記ケイ酸アルカリ水溶液中のケイ酸アルカリは、好ましくはケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムである。そして、前記ケイ酸アルカリ水溶液中のケイ酸アルカリの含有率は、好ましくは10〜40質量%である。該含有率が10質量%未満ではケイ酸アルカリの浸透量が不充分で強度増進効果は小さく、40質量%を超えるとケイ酸アルカリ水溶液の粘性が高くなり浸透性が低下するおそれがある。なお、該含有率は、より好ましくは20〜35質量%である。
前記表面含浸剤養生の養生時間は、好ましくは6〜48時間である。該時間が6時間未満では養生が十分でなく、48時間を超えても強度増進効果は飽和する傾向にある。なお、前記表面含浸剤養生の養生時間は、製造効率の観点から、より好ましくは12〜24時間である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用した材料
(1)カルシウムアルミネート
非晶質のカルシウムアルミネート(略号:CA、試製品)
CaO/Alのモル比は2.2、ガラス化率は95%以上で、ブレーン比表面積は5000cm/g、2000cm/g、および1500cm/gである。
(2)セメント
(i)スーパージェットセメント(略号:SJC、超速硬セメント、登録商標、小野田ケミコ社製)
ケイ酸カルシウムの含有率は47質量%、凝結(始発)は30分以内、ブレーン比表面積は4700cm/gである。
(ii)早強ポルトランドセメント(略号:HPC、太平洋セメント社製)
ケイ酸カルシウムの含有率は75質量%、凝結(始発)は1時間40分、ブレーン比表面積は4300cm/gである。
(iii)普通ポルトランドセメント(略号:NPC、太平洋セメント社製)
ケイ酸カルシウムの含有率は74質量%、凝結(始発)は2時間15分、ブレーン比表面積は3300cm/gである。
(iv)超速硬セメントクリンカー粉末(略号:MP)
スーパージェットセメント(登録商標、小野田ケミコ社製)の構成成分であるアーウィンおよびビーライト含有クリンカーを粉砕して使用した。該セメントのケイ酸カルシウムの含有率は28質量%、凝結(始発)は2時間50分、ブレーン比表面積は5300cm/gである。
(3)砂
(i)天然鋳物砂A(略号:天然A)
珪砂8号(東北珪砂社製)
(ii)天然鋳物砂B(略号:天然B)
アルミナサンド7号(エース産商製)
(iii)天然鋳物砂C(略号:天然C)
アルミナサンド♯200(エース産商製)
(iv)人工鋳物砂A(略号:人工A)
アルミナ系、商品名 エスパール♯180L(山川産業社製)
(v)人工鋳物砂B(略号:人工B)
アルミナ系、商品名 セラビーズ#1450(伊藤忠セラテック社製)
(4)硬化促進剤
(i)炭酸リチウム(略号:LC、試薬1級、関東化学社製)
(ii)乳酸カルシウム(略号:CL、試薬1級、関東化学社製)
(5)疎水性フュームドシリカ(略号:FS、日本アエロジル社製)
商品名 AEROSIL RX200
(6)水
水道水
2.付加製造装置用水硬性組成物、鋳型、およびモルタル供試体の作製
表1に掲載の配合に従い、前記のカルシウムアルミネート、セメント、および砂等を混合して、付加製造装置用水硬性組成物を作製した。
次に、該水硬性組成物と、付加製造装置として結合材噴射式粉末積層造形装置(商品名:ZPrinter310 Zコーポレーション社製)を用いて、結合材噴射法により、寸法が縦10mm、横16mm、および長さ80mmのモルタル供試体と、鋳型を作製した。
前記装置による鋳型の製造は、付加製造装置用水硬性組成物の所定の位置を選択して、ノズルから一定量の水を噴出し、該水硬性組成物を固化した。なお、水/水硬性組成物の質量比は0.05であった。
3.モルタル供試体の曲げ強度の測定
次に、前記モルタル供試体を気中で、表1に示す時間、養生した後、曲げ強度試験機(型番:MODEL-2257、アイコーエンジニアリング社製)を用いて3点曲げ試験を行い、前記モルタル供試体の曲げ強度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006956539
表1に示すように、実施例1〜22における材齢3時間および24時間の曲げ強度は、それぞれ0.24MPa以上および0.30MPa以上であり、実用上十分な強度発現性を有する。これに対し、カルシウムアルミネートよりもセメントの量が多い比較例は強度が低かった。
また、実施例10〜12では、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積が5000cm/gと高く、かつ、結合材(カルシウムアルミネートおよびセメント)100質量部に対して、砂が200質量%以上と砂の量が多い場合に強度が高い。また、実施例12〜14では、結合材100質量部に対して砂が100質量と砂の量が少ない場合、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積が低くなるにしたがって曲げ強度が高くなる。
4.鋳物の作製
さらに、溶湯温度が約1600℃の溶湯鋳鉄を、前記鋳型に流し込んで鋳物を作製した。
表1および図1〜3に示すように、いずれの実施例も鋳込み時において、ガスによる欠陥が発生せず、表面が平滑な鋳物を製造できた。また参考例は、強度が十分であるものの、鋳込み時にガスが発生して、鋳物の表面に空孔が生じた。
5.デパウダー性能の確認試験
前記ブレーン比表面積が2000cm/gのカルシウムアルミネート、スーパージェットセメント、人工鋳物砂A、および疎水性フュームドシリカを用いて表2に示す配合の付加製造装置用水硬性組成物を調製した。次に、前記モルタル供試体と同じ製造条件で造形して、管内に未硬化の水硬性組成物が詰まった内径15mm、長さ82.5mmの管を得た。
次に、管内に向けて、一定の風速で空気を当てて、送気開始から管内が通気できるまでの時間を測定した。また、硬化後24時間経過した時点で前記モルタル供試体の曲げ強度を測定した。これらの結果を表2に示す。
表2に示すように、疎水性フュームドシリカを含む水硬性組成物(実施例23、24)は、疎水性フュームドシリカを含まない水硬性組成物(実施例25)と比べ、通気に至るまでの時間が2/3以下に短縮できデパウダー性能が高く、造形物の強度は同程度以上である。
Figure 0006956539

Claims (6)

  1. 下記(A)非晶質カルシウムアルミネートを50〜100質量%、および下記(B)セメントを0〜50質量%を、少なくとも含む結合材100質量部に対し、砂を100〜400質量部含有する、付加製造装置用水硬性組成物。
    (A)非晶質カルシウムアルミネート:CaO/Alのモル比が1.5〜3.0
    (B)セメント:珪酸カルシウムの含有率が25質量%以上
    (ただし、前記非晶質カルシウムアルミネートおよびセメントの含有率の合計は100質量%である。)
  2. JIS R 5210に準拠して測定した前記(B)セメントの凝結(始発)が、3時間30分以内である、請求項1に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
  3. 前記砂が、珪砂、オリビン砂、および人工砂から選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
  4. さらに、硬化促進剤として、炭酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ土類金属塩、およびケイ酸アルカリ金属塩から選ばれる1種以上を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
  5. 疎水性フュームドシリカを0.1〜1.0質量%含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
  6. 付加製造装置と、請求項1〜のいずれか1項に記載の付加製造装置用水硬性組成物を用いて鋳型を造形する、鋳型の製造方法。
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