JP7162522B2 - 付加製造装置用水硬性組成物、および鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、早期強度発現性が高く、ガス(揮発分)の発生が少ない、付加製造装置(3Dプリンタ)用水硬性組成物と、該組成物を用いた鋳型の製造方法に関する。
鋳造は、溶融した金属を鋳型に注入して鋳物を製造する伝統的な金属加工法である。この鋳造に用いる自硬性鋳型は、使用する粘結材(結合材)に応じて有機系と無機系があり、このうち無機系は、主に水ガラス系とセメント系がある。ただし、セメント系自硬性鋳型は、鋳込み温度によっては、含まれる石膏が熱分解してガスが発生し、鋳物に欠陥が生じ、美観や機能が損なわれる。また、この鋳型の製造は、模型や木型の作製が前工程として必須であるが、この前工程には時間とコストがかかる。
そこで、鋳物の美観等が損なわれず、該前工程が不要な鋳型の製造手段が望まれる。
ところで、最近、付加製造装置が、迅速かつ精密な成形手段として注目されている。この付加製造装置のうち、例えば、粉末積層成形装置は、粉末を平面の上に敷き詰めた後、該粉末に水性バインダを噴射して固化した固化物を、垂直方向に順次積層して成形する装置である。この装置の特徴は、3次元CAD等で作成した立体成形のデータを多数の水平面に分割し、これらの水平面の形状を順次積層して、成形体を製造する点にある。
そこで、前記装置を用いて鋳型を製造できれば、前記の前工程は不要になり、作業時間とコストを削減できると期待される。
例えば、特許文献1には、粉末積層成形法に適した付加製造装置用水硬性組成物として、珪砂、オリビン砂、および人工砂等の耐火砂に、速硬セメントを15~50%配合して混練(混合)した材料に、水性バインダを加えて固化・積層して成形体を得る技術が開示されている。ここで、粉末積層成形法とは、積載台(台座)の上に置いた粉体材料の所定の範囲に、インクジェット等のノズルを通して成形液を滴下または噴霧して固化し、逐次、固化した層を積層して所望の形状を成形する方法である。
この結合材噴射法を用いて製造した成形体は、製造直後の運搬時の破損を防止して、製造量や良品を確保するためには、早期強度発現性が高く、かつ鋳物の製造時においても高い強度が求められる。
また、特許文献2に記載の成形用材料は、骨材と、該骨材を結着させるバインダである粉状前駆体とを混合した粉末固着積層法用の成形用材料であって、前記骨材の含有率は70重量%以上であり、前記粉状前駆体はセメント等である。
しかし、石膏を比較的多く含む前記成形用材料を鋳型に用いると、高温下で硫黄酸化物等のガスが発生してブローホール等の欠陥が生じ易く、また黒鉛の球状化阻害による欠陥が生じる場合がある。一方、石膏を多く含まないセメントでは、充分な早期強度発現性が得られ難い。
このように、セメント系材料を付加製造装置用の鋳型製造用材料として用いた場合、硫黄酸化物等のガスや黒鉛球状化不良による鋳造欠陥の発生防止と、早期強度発現性を両立させることは困難であった。
特開2011-51010号公報 特開2010-110802号公報
そこで、本発明は、強度発現性、とくに早期強度発現性が高く、鋳物の製造においてガスや黒鉛球状化不良による欠陥の発生が少ない、付加製造装置用水硬性組成物等を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルシウムアルミネート等の無機結合材、ポリビニルアルコール、および水等を特定割合で含む付加製造装置用水硬性組成物は、前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の構成を有する付加製造装置用水硬性組成物等である。
[1]下記の無機結合材100質量部に対し、下記のポリビニルアルコールを~12質量部含む複合結合材の合計100質量部に対し、さらに、水を2960質量部、および砂を200~500質量部含有する、付加製造装置用水硬性組成物。
[無機結合材]
前記無機結合材は、無機結合材全体を100質量%として、
CaO/Al のモル比が1.7~2.4、ブレーン比表面積1000~6000cm /g、およびガラス化率が90%以上の非晶質カルシウムアルミネートを70~97質量%と、
石膏を無水石膏換算で0~5.0質量%、速硬セメントを0~30質量%、および、速硬セメントを除くセメントを0~30質量%含む。
[ポリビニルアルコール]
前記ポリビニルアルコールは、ケン化度が80~90モル%であって、10%径(D10)が23~57μm、平均粒径(D50)が60~113μm、90%径(D90)が121~162μmである。
[2]材齢3日における揮発分が5.5質量%以下である、前記[]に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
[3]付加製造装置と前記[1]または]に記載の付加製造装置用水硬性組成物を用いて鋳型を成形する、鋳型の製造方法。
[4]前記鋳型の養生温度が10~80℃である、前記[]に記載の鋳型の製造方法。
本発明の付加製造装置用水硬性組成物は、強度発現性、とくに早期強度発現性が高く、鋳物の製造においてガス(揮発分)の発生や黒鉛球状化不良による欠陥の発生が少ない。
本発明は、前記のとおり、無機結合材100質量部に対しポリビニルアルコールを1~12質量部含む複合結合材の合計100質量部に対し、さらに、水を28~60質量部、および砂を含有する、付加製造装置用水硬性組成物(以下「水硬性組成物」と略記することもある。)等である。以下、本発明について、無機結合材、複合結合材、水硬性組成物、および鋳型の製造方法に分けて説明する。
1.無機結合材
前記無機結合材は、下記カルシウムアルミネート類から選ばれる1種以上を必須成分として含み、さらに、石膏、および速硬セメント等を任意成分として含む結合材である。
次に、カルシウムアルミネート類、石膏、および速硬セメント等に分けて詳細に説明する。
(1)カルシウムアルミネート類
前記カルシウムアルミネート類は、3CaO・Al、2CaO・Al、12CaO・7Al、5CaO・3Al、CaO・Al、3CaO・5Al、またはCaO・2Al等のカルシウムアルミネート;2CaO・Al・Fe、または4CaO・Al・Fe等のカルシウムアルミノフェライト;カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶または置換した3CaO・3Al・CaF、および11CaO・7Al・CaF2等のカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート;8CaO・NaO・3Al、および3CaO・2NaO・5Al等のカルシウムナトリウムアルミネート;カルシウムリチウムアルミネート;アルミナセメント;さらにこれらにNa、K、Li、Ti、Fe、Mg、Cr、P、F、S等の微量元素(酸化物等含む。)が固溶した鉱物から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの無機結合材の中でも、強度発現性が高く、鋳型として使用する際にはガスの発生が少ないから、カルシウムアルミネートが好ましく、特に、非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。非晶質カルシウムアルミネートは、原料を溶融した後、急冷して製造するから、実質的に結晶構造を有せず、通常、そのガラス化率は80%以上であり、ガラス化率が高い程、早期強度発現性は高いため、ガラス化率は好ましくは90%以上である。
カルシウムアルミネート類のCaO/Alのモル比は、好ましくは1.5~3.0、より好ましくは1.7~2.4である。該モル比が1.5以上で水硬性組成物の早期強度発現性が高く、3.0以下で水硬性組成物の耐熱性が高い。
また、カルシウムアルミネート類のブレーン比表面積(JIS R 5201に規定する粉末度)は、充分な早期強度発現性を得るとともに粉塵の発生を抑制するために、好ましくは1000~6000cm/g、より好ましくは1500~5000cm/gである。なお、カルシウムアルミネート類のブレーン比表面積は、付加製造装置での敷きならしが均一で、かつ、鋳型の強度が低下しないためには、さらに好ましくは1500~4000cm/g、特に好ましくは2000~3000cm/gである。
無機結合材中のカルシウムアルミネート類の含有率は50~100質量%が好ましい。。該値が50質量%以上であれば、水硬性組成物の早期強度発現性と耐熱性が高い。なお、該値は、好ましくは60~100質量%、より好ましくは70~100質量%、さらに好ましくは80~95質量%である。なお、前記のとおり、カルシウムアルミネート類の中でも非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。
(2)石膏
前記無機結合材は、早期強度発現性のさらなる向上のため、さらに石膏を任意成分として含んでもよい。前記石膏は、無水石膏、半水石膏、および二水石膏から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、半水石膏は早期強度発現性がより高いために好ましい。無機結合材中の石膏の含有率は、早期強度発現性を向上させ、鋳物の製造時においてガスの発生や黒鉛球状化不良を防止するため、無機結合材全体を100質量%として、無水石膏換算で、好ましくは0.5~5.0質量%、より好ましくは0.8~3.0質量%以下、さらに好ましくは1.0~2.0質量%以下である。
なお、石膏はセメント中に含まれた状態の石膏でもよい。セメント中の石膏は、一般に、二水石膏と半水石膏の混合物(混合石膏)の形態で存在する。半水石膏は、セメントの粉砕により発生する熱により、二水石膏から脱水して生じるため、半水石膏と二水石膏の含有比率は粉砕条件の影響を受け変動する。
(3)速硬セメント
前記無機結合材は、早期強度発現性のさらなる向上のため、速硬セメント(超速硬セメント)を任意成分として含むことができ、好ましくは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が30分以内である速硬セメント(超速硬セメント)、または止水セメントである。なお、速硬セメント等の市販品は、スーパージェットセメント(太平洋セメント社製)、ジェットセメント(住友大阪セメント社製)、ライオンシスイ(登録商標、住友大阪セメント社製)、またはデンカスーパーセメント(デンカ社製)が挙げられる。石膏を含む速硬セメントは、早期強度発現性が高く、少量の石膏の添加が容易となるため好ましい。
無機結合材中の速硬セメントの含有率は、早期強度発現性を向上させ、鋳型として使用する際にはガスの発生量を少なくするため、無機結合材全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは5~20質量%である。
(4)無機結合材中のその他の成分
前記無機結合材は、その他の成分(任意成分)としてセメントを含んでもよい。
該セメントは、JIS R 5210に準拠して測定した凝結(始発)が、3時間30分以内であれば、成形から3時間後の早期強度発現性が高いため好ましく、さらに1時間以内がより好ましい。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、およびセメントクリンカー粉末から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、本発明では、セメントクリンカー粉末もセメントに含める。
また、セメント中の珪酸カルシウムの含有率は、セメント全体を100質量%として、好ましくは25質量%以上である。該含有率が25質量%以上あれば、材齢1日以後の強度発現性が高く、さらに長期強度発現性が必要な場合、該含有率は、好ましくは45質量%以上である。
無機結合材中のセメントの含有率は、早期強度発現性の向上のため、無機結合材全体を100質量%として、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~30質量%、さらに好ましくは0~20質量%である。
2.複合結合材
前記複合結合材は、無機結合材100質量部に対しポリビニルアルコールを1~12質量部含む結合材である。ポリビニルアルコールの配合割合が1質量部未満では、強度の向上効果は低く、また、12質量部を越えると、形状によっては成形体の収縮により変形やひび割れが生じ、複雑な形状の鋳型が製造できない場合があるほか、鋳物を製造する際にガスが発生して鋳物にブローホール等の欠陥が生じたり、製造現場で異臭が生じる場合がある。なお、ポリビニルアルコールの配合割合は、無機結合材100質量部に対し、より好ましくは2~10質量部、さらに好ましくは3~9質量部である。
前記ポリビニルアルコールのケン化度は、溶解性が高く強度が高いことから、好ましくは80~90モル%である。
また、ポリビニルアルコールの平均粒径(メディアン径、D50)は、高い強度が得られるため、好ましくは150μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましく10~75μmである。また、94μmより大きいポリビニルアルコールの粒子の含有率は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。77μmより大きいポリビニルアルコールの粒子の含有率は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
3.水硬性組成物
前記水硬性組成物は、前記複合結合材の合計100質量部に対し、水を28~60質量部、および砂を含む組成物である。水の配合割合が該範囲であれば、強度発現性を確保できる。なお、水の配合割合は、鋳型の強度と寸法精度をより高める観点から、好ましくは30~55質量部、より好ましくは32~46質量部である。
また、砂の配合割合は、複合結合材100質量部に対し、好ましくは100~600質量部、より好ましくは150~500質量部、さらに好ましくは200~400質量部である。砂の配合割合が該範囲にあれば、同じく、強度発現性を確保できる。
前記砂は、耐火砂であれば、特に制限されず、珪砂、オリビン砂、ジルコン砂、クロマイト砂、アルミナ砂、および人工砂等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、前記水は、通常の上水道水や井戸水等を用いることができる。また、水は、必要とされる各種の機能を付与するため、増粘剤、潤滑剤、流動化剤、界面活性剤、および表面張力低減剤から選ばれる1種以上を混合して用いてもよい。
また、前記水硬性組成物を用いた材齢3日の成形体の揮発分は、好ましくは5.5質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、さらに好ましくは4.5質量%以下である。強熱減量が5.5質量%以下であれば、鋳物にブローホール等の欠陥が生じることはない。ここで、前記揮発分は、鋳型として使用するときのガスの発生量の指標であり、水分や硫黄分等を含む。また、揮発分は鋳型として使用する時に測定すればよいが、養生終了時や、より厳しく管理する場合、好ましくは3日間養生後、より好ましくは3時間養生後に測定する。
4.水硬性組成物中のその他の成分
成形後に残った水硬性組成物の未硬化の粉末を、成形体から除去する作業(デパウダー)を容易にするために、本発明の水硬性組成物は、さらに、複合結合材の合計100質量部に対し、任意成分として疎水性フュームドシリカを0.1~2.0質量部、より好ましくは0.5~1.5質量部含むことができる。ここで、疎水性フュームドシリカとは、フュームドシリカの表面をシランまたはシロキサンで処理して、表面を疎水性にしたシリカ粉末である。
また、水硬性組成物の粉末の除去効率をより高めるため、疎水性フュームドシリカのBET比表面積は、好ましくは30~300m/gである。疎水性フュームドシリカのBET比表面積が該範囲内であれば、粉体の流動性が向上し、付加製造装置で敷きならした面が平坦で、かつ強度が低下することなく鋳型を軽量化できる。また、疎水性フュームドシリカは、粉体の固結の防止や混合性の向上に有効である。
なお、本発明の水硬性組成物は、さらに、強度発現性の調整材等として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、珪石微粉末、および石灰石粉末等の任意成分を含んでもよい。
5.鋳型の製造方法
該製造方法は、付加製造装置と本発明の水硬性組成物を用いて、鋳型を製造する方法である。付加製造装置は特に限定されず、粉末積層型付加製造装置等の市販品が使用できる。また、水を含む前の水硬性組成物は、前記の成分を市販の混合機または手作業で混合して調製する。なお、結合材として複数の材料を用いる場合、結合材を予め市販の混合機や手作業で混合したり、粉砕機で混合粉砕してもよい。
鋳型の養生方法は、気中養生単独、または気中養生した後に続けて水中養生する方法、または、表面含浸剤養生等がある。これらの中でも、早期強度発現性と鋳物の製造時に発生する水蒸気の抑制の点から、気中養生単独が好ましい。また、カルシウムアルミネート、速硬セメント、およびポリビニルアルコール等による強度増進の点から、気中養生の温度は、好ましくは10~100℃、より好ましくは30~80℃である。また、気中養生の相対湿度は、充分な強度発現と生産効率の点から、好ましくは10~90%、より好ましくは15~80%、さらに好ましくは20~60%である。さらに、気中養生時間は、充分な強度発現と生産効率の点から、好ましくは1時間~1週間、より好ましくは2時間~5日間、さらに好ましくは3時間~4日間である。
養生後に鋳型として使用する時のガスの発生量を減少させるために、水硬性組成物を加熱してもよい。水分を除去するためには、好ましくは100℃以上、より好ましくは200℃以上で加熱する。また、ポリビニルアルコールも除去する場合には、好ましくは400℃以上、より好ましくは600℃以上で加熱する。さらに、セメント中の硫黄酸化物によるガスの発生を防止したい場合、1250℃以上で加熱するとよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用した材料
(1)カルシウムアルミネート類
(i)非晶質カルシウムアルミネート(略号:CA)
CaO/Alのモル比は2.2、ガラス化率は95%以上、ブレーン比表面積は2040cm/g、試製品である。
(ii)アルミナセメント(略号:AC)
デンカアルミナセメント1号(商品名)、ブレーン比表面積は4570cm/g、デンカ社製である。
(2)速硬セメント
(i)スーパージェットセメント(商品名)、ケイ酸カルシウムの含有率は47質量%、凝結(始発)は30分、ブレーン比表面積は4700cm/gである。ただし、無水石膏を14質量%含む。太平洋セメント社製である。
(ii)止水セメント
ライオンシスイ105(商品名)、住友大阪セメント社製である。
(3)早強ポルトランドセメント
ケイ酸カルシウムの含有率は75質量%、凝結(始発)は30分、ブレーン比表面積は4000cm/g、太平洋セメント社製である。
(4)石膏
天然無水石膏、ブレーン比表面積は7200cm/g、タイ産である。
(5)砂
下記2種類の人工鋳物砂の等量を混合して用いた。
エスパール♯180L(商品名)、アルミナ系、山川産業社製である。
ナイガイセラビーズ#1450(登録商標)、アルミナ系、伊藤忠セラテック社製である。
(6)ポリビニルアルコール
(i)ポリビニルアルコールa
品番は22-88S1(PVA217SS)、クラレ社製である。
ケン化度は87~89%、平均粒径(メディアン径、D50)は60μm、94μmより大きい粒子の含有率は29質量%、および77μmより大きい粒子の含有率は47質量%であり、10%径(D10)は25μm、および90%径(D90)は121μmである。
(ii)ポリビニルアルコールb
品番はKP18-88S1、クラレ社製である。
ケン化度は87~89%、平均粒径(メディアン径、D50)は57μm、94μmより大きい粒子の含有率は30質量%、および77μmより大きい粒子の含有率は44質量%であり、10%径(D10)は23μm、および90%径(D90)は123μmである。
(iii)ポリビニルアルコールc
品番は22-88 S1(PVA217S)、クラレ社製である。
ケン化度は87~89%、平均粒径(メディアン径、D50)113μm、94μmより大きい粒子の含有率は81質量%、および77μmより大きい粒子の含有率は87質量%であり、10%径(D10)は57μm、および90%径(D90)は162μmである。
なお、前記ポリビニルアルコールの粒径は、シリコーンオイルを媒質に用いて島津製作所製SALD-2000Jにより測定した。
(7)水
3質量%のグリセロール水溶液(ProJet660Pro用バインダー液)、スリーディシステム社製である。
2.水硬性組成物、および供試体の作製
前記非晶質カルシウムアルミネート(CA)90質量部、スーパージェットセメント10質量部、ポリビニルアルコールを表1に示す量、および砂200質量部を混合して、粉体混合物(水を含まない水硬性組成物)を作製した。
次に、該粉体混合物と、付加製造装置として結合剤噴射式粉末積層成形装置(商品名: ProJet660Pro スリーディシステム社製)を用いて、室温(20℃)、相対湿度60%の条件下で、結合剤噴射法により、断面の寸法が縦10mm、横16mm、および長さ80mmの成形体を作製した後、該成形体は20℃、40℃、および60℃で相対湿度30%の条件下で3~72時間、気中養生して供試体を製造した。
なお、前記装置による成形体の製造では、粉体混合物の所定の位置を選択して、ノズルから装置の水量設定値を調整して、粉体混合物の外部と内部に水を噴射し、粉体混合物を固化した。
また、供試体の揮発分は、養生時間72時間後の供試体を乾燥や粉砕することなく、そのまま1400℃で12時間加熱して加熱前後の供試体の質量を測定して求めた。
3.供試体の曲げ強度等の測定
次に、前記供試体を用いて、曲げ強度試験機(型番:MODEL-2257、アイコーエンジニアリング社製)により3点曲げ試験を行い、前記供試体の曲げ強度を測定した。その結果を表1に示す。なお、実用性の観点から、目標値として曲げ強度は材齢3時間で1.0N/mm以上、および材齢3日で1.8N/mm以上の範囲を合格(実用的)とした。
表1に示すように、実施例の曲げ強度は基準値を満たすが、比較例の曲げ強度は基準値を満たさない。
Figure 0007162522000001
4.水硬性組成物、および供試体の作製
表2の配合に従い、カルシウムアルミネート類、セメント、石膏、ポリビニルアルコールa、および砂を混合して、粉体混合物(水を含まない水硬性組成物)を作製した。
次に、該粉体混合物と、付加製造装置として結合剤噴射式粉末積層造形装置(商品名: ProJet660Pro スリーディシステム社製)を用いて、結合剤噴射法により、断面の寸法が縦10mm、横16mm、および長さ80mmの成形体を作製した後、該成形体は40℃、相対湿度30%の条件下で3~72時間、気中養生して供試体を製造した。
なお、前記装置による成形体の製造では、粉体混合物の所定の位置を選択して、ノズルから表2に示す装置の水量設定値に従い、供試体の外部と内部に水を噴射し、粉体混合物を固化した。
5.供試体の曲げ強度等の測定
次に、前記供試体と、曲げ強度試験機(型番:MODEL-2257、アイコーエンジニアリング社製)を用いて3点曲げ試験を行い、前記供試体の曲げ強度を測定した。また、材齢3日における供試体からの揮発分を測定した。その結果を表2に示す。なお、実用性の観点から、目標値として曲げ強度は材齢3時間で1.0N/mm以上、材齢3日以内で1.8N/mm以上を合格(実用的)とした。
表2に示すように、実施例の曲げ強度は基準値を満たし、また、実施例の材齢3日における供試体からの揮発分は全て5.0質量%以下と少なかった。
Figure 0007162522000002
6.鋳物の作製
さらに、前記実施例7の供試体の作製と同じ配合および製造条件で、大きさ約10cmの湯飲みを製造するための鋳型と中子を作製し、溶融した鋳鉄(注湯温度は約1450℃)を流し込んだ。その結果、鋳込み時にガスが発生せず、表面が平滑な鋳物が作製できた。

Claims (4)

  1. 下記の無機結合材100質量部に対し、下記のポリビニルアルコールを~12質量部含む複合結合材の合計100質量部に対し、さらに、水を2960質量部、および砂を200~500質量部含有する、付加製造装置用水硬性組成物。
    [無機結合材]
    前記無機結合材は、無機結合材全体を100質量%として、
    CaO/Al のモル比が1.7~2.4、ブレーン比表面積1000~6000cm /g、およびガラス化率が90%以上の非晶質カルシウムアルミネートを70~97質量%と、
    石膏を無水石膏換算で0~5.0質量%、速硬セメントを0~30質量%、および、速硬セメントを除くセメントを0~30質量%含む。
    [ポリビニルアルコール]
    前記ポリビニルアルコールは、ケン化度が80~90モル%であって、10%径(D10)が23~57μm、平均粒径(D50)が60~113μm、90%径(D90)が121~162μmである。
  2. 材齢3日における揮発分が5.5質量%以下である、請求項に記載の付加製造装置用水硬性組成物。
  3. 付加製造装置と請求項1または2に記載の付加製造装置用水硬性組成物を用いて鋳型を成形する、鋳型の製造方法。
  4. 前記鋳型の養生温度が10~80℃である、請求項に記載の鋳型の製造方法。
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