JP2004011703A - 断熱ローラ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い断熱性を有すると共に、十分な硬度を備え、耐久性に優れた断熱ローラを提供する。
また、前記本発明の断熱ローラを、経済的に安価な方法で大量に製造できる方法を提供する。
【解決手段】芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を含む断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体であり、また、前記水硬性組成物からなる成形体部分が1.3W/m・K以下の熱伝導度を有し、前記水硬性組成物からなる成形体部分は10〜70容量%の空隙率を有する。
【選択図】 図1
また、前記本発明の断熱ローラを、経済的に安価な方法で大量に製造できる方法を提供する。
【解決手段】芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を含む断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体であり、また、前記水硬性組成物からなる成形体部分が1.3W/m・K以下の熱伝導度を有し、前記水硬性組成物からなる成形体部分は10〜70容量%の空隙率を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱ローラ及びその製造方法に関し、特に断熱性が要求される箇所に好適に使用することができる、断熱ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真プロセスを利用したプリンタ、複写機など多様な画像形成装置が提供されている。
電子写真プロセスにおいては、用紙にトナー画像を形成し、該画像を用紙上に定着させるために、ローラやベルトによる加熱・加圧方法を用いた定着工程が設けられている。
【0003】
このような定着工程に利用されるローラやベルトには、表面を所定の高温に維持すること、また、用紙表面に所定の押圧力を付与することが必要となる。例えば、定着ローラと加圧ローラを対向させた定着器では、定着ローラの表面を高温に維持するために、定着ローラと加圧ローラの両方に断熱性が必要となり、用紙表面に所定の押圧力を付与するために、定着ローラ又は加圧ローラの少なくとも一方にはローラ表面に所定の弾性力を付与することが必要である。
【0004】
また、定着ベルトを用いた場合には、ベルト自体に対して上記の高温維持や所定の押圧力特性を有することが求められるだけではなく、ベルトを保持し、用紙に所定の圧力でベルトを押圧するベルト保持ローラ(定着ベルト用ローラとも称される)や、ベルトに対向して配置される加圧ローラなどに対しても、同様に、断熱性や所定の弾性力を有することが必要となる。
【0005】
従来のローラ(定着ローラ、加圧ローラ、定着ベルト用ローラなどを含む)は、芯金に金属を用い、更にローラ全体を金属で構成した場合には、ローラ全体の熱伝導率が高くなるため、ローラ表面を所定温度に維持するには、消費電力が大きくなる。しかも、所定圧力で用紙を押圧する場合に、用紙とローラ(又はベルト)との接触面積を一定以上確保すること(ニップ領域の形成)が必要となるため、ある程度の弾性機能も必要となり、金属のみでローラを構成することは、望ましくない。
【0006】
このため、ローラに断熱性や弾性を付与することが行われており、具体例としては、芯金の周りに断熱性及び所定の弾性を有する発泡させたシリコンゴムにより円筒状ローラ部を設けることが行われており、さらに、この周囲にローラ表面の耐久性を高めるため被覆層が形成されている。
しかしながら、このような発泡性シリコンゴムを用いたローラでは、シリコンゴム材料が高価な上、発泡性ゴムを用いたため、ローラ表面がスポンジ状となり、耐久性が低下し、従って、被服層が不可欠となる。
また、発泡性ゴムは、熱伝導率を低下させるため、発泡率を上げる傾向があり、結果としてゴム硬度の低下を招き、充分な押圧力やニップ領域を確保することができないという、不具合を生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い断熱性を有すると共に、十分な硬度を備え、耐久性に優れた断熱ローラを提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記本発明の断熱ローラを、経済的に安価な方法で大量に製造できる方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、断熱ローラを構成する材料として水硬性組成物を用いると、十分な硬度を有することができると共に、極めて断熱性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
本発明の断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を備える断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする。
【0010】
好適には、上記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は、1.3W/m・K以下の熱伝導度を有することを特徴とする。
また、好適には、上記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は、多孔質であることを特徴とし、更に好適には、前記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は10〜70容量%、好適には15〜60容量%の空隙率を有することを特徴とする。
好適には、本発明の断熱ローラは、上記断熱ローラの表面を、更に弾性部材で被覆してなることを特徴とする。
【0011】
本発明の断熱ローラの製造方法は、水硬性組成物を押出し成形または流し込み成形し、次いで養生・硬化する工程を含むことにより製造することを特徴とする。
また、好適には、上記断熱ローラの製造方法において、水硬性組成物を芯金の周りに押出し成形または流し込み成形することを特徴とする。
更に好適には、上記断熱ローラの製造方法において、更に表面を弾性部材で被覆する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の好適例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を備える断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体である。
【0013】
ここで、芯金は、例えば従来の複写機等の画像形成装置で使用されている加圧ローラや定着ベルト用ローラの芯金と同様のものを用いることができ、その形状としては、円筒状ローラ部を指示するシャフトに切削仕上げ加工により軸受け部や駆動伝達機構取り付け部等を設けたものが例示できる。芯金の材料としては、通常の、例えばSUM快削鋼等が挙げられ、必要に応じて、その芯金の表面に未電解Ni−Pめっき等を施すこともできる。
【0014】
また、本発明の断熱ローラ部は、水硬性組成物からなる成形体であり、10〜70容量%、好適には15〜60容量%の空隙率を有する。かかる範囲の空隙率を有することにより、優れた断熱性と、耐久性及び強度とを兼ね備えることができる。
本発明の断熱性ローラの空隙率が10〜70容量%となるためには、上記したように、水硬性組成物を構成する水硬性粉体等の平均粒子径を大きくし、粒子間の空隙率を増大させるほか、水硬性組成物中に、空隙率の大きい材料、例えば無機系若しくは有機系の中空材料を含有させたり、起泡剤や起泡助剤を含有させたりして、空隙率を向上させ、断熱性を付与する。または、本発明の断熱ローラ成形体の成形時に、断熱ローラ成形体自体の形状を中空形状に成形して、空隙率を上げることもできる。更には、前記のいずれかの方法を組み合わせることも可能である。
【0015】
前記無機系中空材料としては、例えば、公知の無機系軽量骨材、パーライト(三井金属工業株式会社製)、Gライト、アサノライト、フヨーライト等の比重が0.05〜0.2g/cm3のものが好適に使用できる。
また、有機系中空材料としては、例えば、公知の有機系のマイクロカプセル、発泡スチレンビーズ、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社製)等の比重が0.1〜0.2g/cm3のものが好適に使用できる。
また、これらの中空材料の形状は、特に限定されず、球形やフィラー状の任意の形状のものが使用できる。
【0016】
また、空隙率を上げる手段として、上記中空材料を添加する手段の他に、起泡剤及び起泡助剤を水硬性組成物中に含有させて、気泡を発泡させ、空隙率を上げることもできる。
起泡剤としては、特に限定されず、例えば合成界面活性剤系、タンパク系、樹脂石鹸系等の公知の起泡剤を使用することができ、また、起泡助剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水溶性高分子などの公知の起泡助剤を使用することができる。
【0017】
当該起泡剤等により発生した気泡の水硬性組成物中での混合容量は、前述したように、水硬性組成物中10〜70容量%とすることが、空隙率を本発明の上記範囲とする点から好ましい。また、かかる起泡剤及び起泡助剤を水硬性組成物に配合する方法は、成形方法として流し込み成形を使用する時に好適に用いられ、これは、押出成形では気泡が押出し時の圧力によって潰れてしまうのに対し、流し込み成形では気泡を維持して成形することができるからである。
気泡の発生方法としては、発泡機によるプレフォーム法、起泡剤の混合撹拌によるミクスドフォーム法等の方法を用いることができる。
【0018】
空隙率を向上させる手段として、上述したようにローラ部の組成材料を調整する方法以外に、図1、2に示すような、ローラ1自体を中空形状2とすることも可能である。図1、2は、ローラの断面部(断面全体の4分の1の部分のみ)を示しており、芯金4の周りには、水硬性組成物で形成される円筒状ローラ部3が設けられている。円筒状ローラ3には、図1に示すような扇形断面の中空や、図2が示すような円形断面の中空などがローラ成形時に併せて形成されている。
【0019】
なお、従来のシリコンゴムを用いた円筒状ローラにおいては、このような中空形状を構成すると、ローラ全体の硬度が低下し、また、ローラの円周上の全体に渡って均一な押圧力(ニップ力)を得ることができないという、不具合を生じる。
しかしながら、本発明にかかる断熱ローラでは、水硬性組成物を利用しているため、硬度が高く、中空形状を設けた場合でも、ローラ形状が強固に維持でき、安定した押圧力を発揮することが可能となる。しかも、中空形状により、ローラの断熱性が格段に向上させることも可能となる。
また、好適には、ローラの本体の外周に断熱材を被覆することにより、好適なニップ力が得られる。
【0020】
本発明の断熱性ローラに用いられる前記水硬性組成物には、更に水硬性粉体及び非水硬性粉体が含まれる。
好適には、本発明の断熱性ローラに用いる水硬性組成物は、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる無機粉体であり、その配合割合は好ましくは水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%、より好ましくは水硬性粉体20〜90重量%及び非水硬性粉体10〜80重量%、特に好ましくは水硬性粉体45〜80重量%及び非水硬性粉体20〜55重量%である。
【0021】
上記水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が含まれる。
【0022】
前記水硬性粉体は、成形時の可使時間ならびに得られる成形体の強度の点から平均粒径10〜40μm程度のもの、特に好ましくは20〜40μmのものが好ましい。粒径を大きくすることにより、得られる成形体の空隙率が大きくなり、望ましい。また、成形体の高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上であることが好ましい。
【0023】
また、前記非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化することがない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む意である。非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が好ましい。空隙率を向上させるには、平均粒径の小さいシリカヒュームを使用せずに、得られた水硬性組成物中の粒子間の間隙を向上させて、空隙率を上げる方法も1つである。
【0024】
前記水硬性粉体と前記非水硬性粉体との配合割合は、上記した範囲であり、非水硬性粉体の配合量が10重量%未満の場合には、水硬性粉体の間隙を十分に充填することができず、また80重量%を超えると、水硬性粉体の量が減少することにより、得られる断熱性ローラが所定の強度を有さなくなり、機械加工時の欠けの発生、寸法安定性に悪影響が及ぶことがある。
【0025】
また好適には、本発明の機断熱性ローラに用いられる前記水硬性組成物は、上記水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良材を含有する。
本発明に用いる加工性改良材とは、水硬性組成物から形成される成形体の成形性、脱型性、切削・研削性・研削精度等の向上に寄与する材料である。
【0026】
この様な加工性改良剤を含む水硬性組成物を用いると、加圧成形時に、加工性改良剤が成形助剤としての機能を発揮することによって成形性が向上し、また、加工性改良剤により、もろさが改良され、得られる成形体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、作業性の向上につながる。また、脆性材料である水硬性組成物から得られる成形体は、切削の際に亀裂型メカニズムの切削状態を呈し、材料の割れ、欠け等が問題となるが、加工性改良剤を配合することによって、得られる成形体に固体材料としての機械加工性を促すための靱性が付与され、成形体の割れ、欠け等を防止することができる。
【0027】
このため、従来切削加工・研削加工等の機械加工が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工性を金属材料と同レベルまで改良することが可能となり、旋盤等による切削加工、円筒研削機による研削加工を金属材料と同程度に行うことができ、所望の寸法に対してμmオーダーの精密な加工が可能となる。
【0028】
このような加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂およびエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを例示できる。
【0029】
加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び下記成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、乾ベースで2〜9重量部であり、特に3〜4重量部とすることが好ましい。
かかる配合量が2重量部未満の場合は、切削加工性が悪くなり好ましくなく、一方9重量部を超える場合には、良好な性形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性が低下する。
また粒度は分散した単一粒子径で1μm以下のものが一般的である。
【0030】
本発明の断熱性ローラに用いる上記水硬性組成物中には、更に成形改良剤を含むことができる。
当該成形性改良材は、断熱性ローラを得るために、水硬性組成物を成形する際に、押出し成形または流し込み成形を利用する場合には、型枠と成形体との滑り性を向上させ、さらに品質を安定化させる作用を有する材料である。
【0031】
かかる成形改良剤としては、例えばタルク(含水珪酸マグネシウム)、マイカ等の無機質板状物質が使用できる。この無機質板状物質は配向性に優れ、成形体表面に滑り性を付与し、ダイスとの抵抗が低減されることにより品質の安定化が図れる。
【0032】
成形改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体の組成比率で10〜30重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。成形改良剤の配合量上記範囲よりが少なすぎる場合には、成形体の滑り性が低下して、成形型枠との抵抗が増大し、成形精度が低下する。一方、配合量が上記範囲より多くなる場合には、成形品の異方性が大きくなり、機械的強度、寸法安定性等に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0033】
更に、前記水硬性組成物には、好適には補強材を含むことができる。
補強材は、水硬性組成物の強度を増加させ、脆性を改善する働きを有し、断熱性ローラの加工時、運搬時、使用時における割れ、欠けを防ぐ。
本発明に用いられる補強材にはマイカ、タルク等の無機板状物質、ワラストナイト、セピオライト等の無機針状物質、カーボンファイバー、グラスファイバー等の無機繊維、スチールファイバー、ボロンファイバー等の金属繊維、ビニロン、ポリプロピレン繊維等の有機繊維を単体、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
大きさは無機板状物質の20μm程度から、有機繊維の6mm程度まで使用することができる。好適な範囲は各々材料によって異なるので、成型性に影響を及ぼさない限り、任意の大きさのものも使用できる。
【0034】
混合比率は、いずれの補強材も水硬性組成物中1重量%以下だと十分な補強効果を発揮できない。また、いずれの補強材も多すぎると混合性、成型性が低下し、好ましくない。混合性、成型性が悪化する添加量は補強材によって異なり、例えば単体で用いる場合、マイカなら30重量%以上、ワラストナイトなら10重量%以上、カーボンファイバーなら5重量%以上、ビニロンなら3重量%以上である。2種類以上の補強材を用いる場合、組み合わせによって異なるが、おおむね補強材添加量合計で、1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%である。
マイカ、タルク等の無機板状物質は前記の成型性加工剤を兼ねることもできる。
【0035】
また、本発明の断熱性ローラに用いられる水硬性組成物には、増粘剤が含有されることも、必要に応じて生じる。
本発明に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
かかる増粘剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び必要に応じて添加される成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、0.5〜5重量部とすることが好ましく、3〜4重量部とすることがより好ましい。
【0036】
増粘剤の配合量が少なすぎる場合には、押出成形時に断熱ローラの端部のひび割れ、表面の平滑性等の成形性に悪影響を及ぼし、また多すぎると、硬化後の収縮量の増大等の断熱ローラの寸法安定性を低下させやすく、好ましくない。
【0037】
かかる増粘剤は押出し成形または流し込み成形に使用され、水に溶解することによって粘着性を発現する機能を有し、水硬性粉体、非水硬性粉体の粒子間の結合力を高め、成形後の成形体の形状維持、保水性の確保、密実な硬化体形成に友好な成分である。
【0038】
本発明の断熱ローラに用いる水硬性組成物は、上記成分に加えて、他に増量材として珪砂等の骨材を、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対し10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部の割合で加えることができる。また、成形性をさらに改善するために、公知のセラミック成形助剤を、上記混合粉体100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の割合で加えることもできる。
さらに、材料の硬化時に収縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤を、上記混合粉体100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部の割合で加えることもできる。
【0039】
上記水硬性組成物を用いて断熱性ローラを製造するには、まず、上記各成分に必要に応じて水を加えて混合し、これを押出し成形または流し込み成形して、ローラ形状の未硬化成形体を製造し、次いで養生・硬化することにより製造する。
【0040】
具体的には、水硬性組成物から中空円筒状成形体を押し出し成形し、得られた成形体の穴に芯金を挿通したのち、養生・硬化することにより、芯金とローラ部とを一体化する方法、または、水硬性組成物を中空形状に押し出し、養生・硬化させた後、得られた硬化成形体の穴に芯金を挿通して一体化させる方法がある。後者の場合には、まず、水硬性組成物から、芯金を挿通する穴を中心部に有する中空円筒状ローラ成形体を押出成形する。押出成形には、通常の押出成形機を用い、押出成形体を所定の長さに切断して中空円筒状ローラ成形体を得る。
【0041】
更に、他の中空ローラ成形体の製造方法としては、水硬性組成物を芯金の回りに同心円状で中空円筒状にローラ形成体を押出形成し、養生、硬化することにより回転軸とローラ部とを一体化する方法もある。この場合には、押出成形機を用いて、水硬性組成物を回転軸の回りに同心円状で中空円筒状にローラ成形体を押出成形する。
【0042】
本発明の断熱ローラの芯金は、円筒状ローラ部の中央部に円筒状ローラ部外周面と同心円状に設けた穴部に芯合わせして、挿通・固定される。芯金の全長、挿入部の長さ及び外部に露呈される長さは適宜決定することができる。
接着剤等で芯金を円筒状ローラ部の穴部に取り付ける場合には、回転軸の外径は、円筒状形成体の穴部の内径よりも10〜50μm程度小さくするが、10〜30μmとすることが好ましい。10μm未満であると円筒状形成体を回転軸に組みこむ作業が困難となり、50μmより大きくなると回転軸と円筒状成形体の真円度(同心からのずれ)が大きくなり、ローラ精度が低下する。30μm以下であれば円筒状成形体の硬化に伴う収縮により回転軸への取付けが、接着剤の併用なしで可能となる。
【0043】
成形時の水の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び成形性改良剤の合計量100重量部に対して、10〜30重量部程度とすることが適当であり、20〜25重量部程度とすることが好ましい。水の配合量が少なすぎる場合には、成形が困難となり、成形体の表面にひび割れ等が発生しやすく、成形、硬化後の成形体である断熱ローラの機械的物性も低下し易いので好ましくない。一方、水の配合量が多すぎると、成形時に形状を維持することが困難となり、また、成形硬化後の機械部品の収縮が生じ易く、寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0044】
混合方法については、特に限定はなく、水硬性組成物の各成分を均一に混合できればよいが、水硬性粉体と非水硬性粉体を含む組成物を均一に混合するためには、強力な剪断力を加えることができる混合方法を採用することが好ましく、例えば、ニーダー等を用いて混練する。この様な剪断力の高い混合機を用いて混合することによって、混合に要する時間を短縮することができる。
【0045】
更に、成形時の混合物のハンドリングを良好にするために、混合後、成形する形状に適した大きさに造粒しても良い。造粒方法としては、転動造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法等の公知の方法を採用すればよい。
【0046】
前述した特定の配合の水硬性組成物は、優れた押出成形性を有するものであり、常法に従って押出成形を行うことによって、容易に所定の形状の成形体とすることができる。
【0047】
例えば、押出成形法の一例として、ニーダーで混合・混練した材料を押出機に投入し、真空ポンプで材料を脱気しながら、押出圧力30kg/cm2から100kg/cm2で押出成形すればよい。
【0048】
次いで、押し出しまたは流し込み成形した後、型から成形体を取り出して、十分な強度を有するローラ硬化体となるまで、養生して、硬化させ、断熱ローラを得る。養生方法としては、そのまま室温中に放置しても良く、或いは、蒸気養生等を行っても良いが、特に、オートクレーブ中で養生することが好ましい。また、硬化体である断熱ローラを形成するための水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生を行うことが好ましい。
【0049】
オートクレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/cm2以上、165℃以上で行うことが好ましく、飽和蒸気圧9.10kg/cm2以上で行うことがより好ましい。養生時間は養生温度によって異なるが、例えば175℃で養生する場合には、通常5〜10時間程度養生すればよい。なお、押出しまたは流し込み成形後、オートクレープ養生開始前に圧縮強度で5N/mm2程度以上となっていることが好ましい。オートクレーブ養生開始までに十分な強度が発現していない場合には、オートクレーブ養生時に成形体の爆裂等が発生する可能性があるので好ましくない。
また、蒸気養生は、例えば、60℃程度の温度で10〜24時間程度行えばよい。
【0050】
押出し成形した円筒状成形体養生・硬化は、常温養生、蒸気養生、オートクレーブ養生等の1つ若しくは組み合わせにより行うことが可能であるが、大量生産、製品の化学的安定性、寸法安定性等を考えるとオートクレーブ養生が好ましい。5〜10時間程度のオートクレーブ養生により円筒状成形体の硬化反応は完全に終結し、以後の寸法変化は極めて小さなものとなる。
【0051】
上記方法においては、養生硬化後回転軸に円筒状形成体を取付けるためには少なくとも10μm以上のクリアランスが必要となるが、オートクレーブ養生後においては円筒状成形体の収縮は無いことから、回転軸への取付けには接着剤を使用するか、あるいは回転軸を冷却または円筒状形成体を加温することにより取付け可能なクリアランスとし、取付けることも可能である。あるいは回転軸を円筒状形成体の穴部に圧入してもよい。接着剤としては、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、エマルジョン系接着剤、合成ゴム系接着剤、アクリレート系接着剤等が用いられる。
【0052】
また、後で芯金を中空ローラ本体に挿入する場合には、オートクレーブ養生を行うと円筒状形成体の寸法は0.08〜0.15%(配合条件により異なる)の範囲で収縮することから、収縮量を見込んで円筒状成形体の内径部分を形成するようにする。
【0053】
得られた本発明の断熱ローラは、水硬性組成物を用いているため、ローラの硬度を下げることなく、熱伝導度を1.3W/m・K以下にすることができる。従って極めて優れた耐熱性を有するとともに、耐久性を有するものである。一般に、断熱ローラを構成するゴムのヤング率は通常100から1000N/mm2であり、発泡ゴムの場合には、もっと小さくなるが、水硬性組成物の場合には20000から30000N/mm2であり、ゴムの30から300倍となる。また、ローラの表面硬度が良好であるため、表面に特に被覆層がなくても、ローラ使用に耐えうる表面状態が確保でき、好適に使用することができる。
【0054】
好ましくは、得られた断熱ローラのローラ部に、弾性部材を被覆することにより、ローラの表面硬度に弾力性を持たせ、上記した好適なニップ力十分な押圧力を断熱ローラに付与する。すなわち、被覆するゴムの硬度を調節することによって、断熱性に変化なく、任意のローラ硬度に調整することができる。
弾性部材としては、従来から使用されている耐熱性ゴムが使用でき、例えばシリコンゴムや発泡ゴム等がある。被覆する方法は、特に限定されず、従来の加熱ローラにおける被覆方法を用いることができる。
【0055】
このようにして得られた断熱ローラは、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等の加圧ローラや定着ベルト用ローラに、好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】
本発明を、次の実施例、比較例及び試験例に基づき詳細に説明する。
<実施例1〜7>
実施例及び比較例においては、主として以下の材料を使用して断熱ローラを製造した。
水硬性紛体としてポルトランドセメント(平均粒径20μm、商品名:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製)、非水硬性紛体としてシリカヒューム(平均粒径0.2μm、商品名:マイクロシリカ、SKW株式会社製)、珪石紛(平均粒径20μm、商品名 マイクロシリカ35、秩父鉱業株式会社製)、珪砂8号(平均粒径90μm、日瓢工業株式会社製)、又はタルク(平均粒径15μm、商品名:クラウンタルク、松村産業株式会社製)、発泡軽量骨材(商品名:パーライト、三井金属株式会社製)、増粘材としてメチルセルロース(商品名:マーポローズ、松本油脂株式会社製)、加工性改良材としてアクリルエマルジョン(商品名:ポリトロン 、旭化成株式会社製)、起泡材として合成界面活性剤系起泡剤(商品名:アルスコープ、東邦化学株式会社製)、補強材としてカーボンファイバー(商品名HTA−C6、東邦レーヨン株式会社製)水は水道水を各々用いた。これらの材料を、以下に記載する配合割合に従って均一混合し、水硬性組成物を調製した。また、ローラの芯金として、SUM221、該径8mm、長さ535mmのものを用いた。また、起泡剤を使用した場合には、混入される気泡は、上記均一混合の際に攪拌しながら同時に行った。
【0057】
得られた各水硬性組成物を、上記芯金の回りに押出し成形し(起泡剤を使用した場合には、流し込み成形し)、所定の長さに切断して中央部に穴を有する円筒状ローラ成形体を成形し、押し出し成形体(または流し込み成形体)の両端部を切断して所定の長さの中央部に穴を有する円筒状ローラ成形体を芯金の外周に一体的に成形し、オートクレーブ養生(9.10kg/cm2、170℃、10時間)によって、養生硬化させ、ローラ部を形成し、該径22mm、長さ486mmの断熱ローラを製造した。
【0058】
(実施例1:水硬性組成物、平均粒径40.3μm)
本例は、粒子径を大きくして、空隙率を上げたものである。
普通ポルトランドセメント 40重量部
珪石紛 15重量部
珪砂8号 30重量部
タルク 15重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 3重量部
カーボンファイバー 3重量部
アクリルエマルジョン 5重量部
水 15重量部
【0059】
(実施例2:パーライトを用いた水硬性組成物1)
普通ポルトランドセメント 25重量部
パーライト 75重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 5重量部
カーボンファイバー 3重量部
水 20重量部
【0060】
(実施例3:パーライトを用いた水硬性組成物2)
普通ポルトランドセメント 20重量部
パーライト 80重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
カーボンファイバー 3重量部
メチルセルロース 5重量部
水 20重量部
(実施例4:気泡混入率10容量%の水硬性組成物)
普通ポルトランドセメント 60重量部
パーライト 40重量部
水 24重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
気泡混入率 10容量%
【0061】
(実施例5:気泡混入率20容量%の水硬性組成物)
普通ポルトランドセメント 60重量部
パーライト 40重量部
水 24重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
気泡混入率 20容量%
【0062】
(実施例6:中空形状に押出成形した水硬性組成物1)
普通ポルトランドセメント 40重量部
珪石紛 15重量部
珪砂8号 30重量部
タルク 15重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 3重量部
アクリルエマルジョン 5重量部
カーボンファイバー 3重量部
水 15重量部
上記材料を混合して、水硬性組成物を調製した後、押出成形により図2に示すような成形体を製造した。図2の中空部分の全容積に対する比率(空隙率)は、40容量%とした。
【0063】
(実施例7:中空形状に押出成形した水硬性組成物2)
実施例6と同様に、上記材料を混合して、水硬性組成物を調製した後、押出成形により図1に示すような成形体を製造した。図1の中空部分の全容積に対する比率(空隙率)は、60容量%とした。
【0064】
(比較例1)
炭素鋼1Cを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例2)
エチレンプロピレンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例3)
シリコンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例4)
発泡率150%のシリコンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
【0065】
<試験例>
得られた各成形体の空隙率、熱伝導率、ヤング率について試験し、その結果を表1に示す。
<試験方法>
1)空隙率・・・水置換法(JIS A 5403準拠)により行った。
2)熱伝導率・・・熱流計法(ASTM C518準拠)により行い、熱伝送率測定装置は、英弘精機株式会社製のHC−072を用いた。ただし、熱伝導率の測定用の試験体は、各成形体について、実施例1〜5及び比較例に関する成形体(縦200mm×横200mm×高さ10mm)については図3、実施例6及び7に関する成形体(縦200mm×横200mm×高さ10mm)については図4に示す形状のものを使用して測定した。
3)ヤング率・・・オートグラフ(UCT−10T、ORIENTEC社製)を用い、曲げ試験(JIS A1408準拠)により測定した。
試験体には縦200×横150×厚さ10板状に成形した。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示すように、本発明の水硬性組成物による成形体である実施例1〜7は、比較例1の金属のみにより形成した成形体と比較しても、熱伝導率が各段に低く、高い断熱性を有することが理解できる。
また、実施例1〜7のように、空隙率を10容量%以上に高めることにより、熱伝導率を1.3W/m・K以下に抑えることができ、画像形成装置の定着器により適したローラを提供することが可能となる。また、空隙率を70%より高くすると、ローラ自体の機械的強度が弱まり、耐久性が低下するなどの問題が生じる。
空隙率の増加方法としては、粒子径の調整、発泡軽量骨材の混入、気泡の混入、中空形状の形成など、いずれの方法も熱伝導率の低下に有効であることが分かる。
【0068】
特に、実施例2、3、6、7については、比較例2〜4のようにシリコンゴムなどのゴム系材料を主体として用いたものと比較しても、同程度以上に、熱伝導率を低く抑えることが可能であり、従来のシリコンゴムを用いた断熱ローラに代替して用いることが可能である。
しかも、水硬性組成物は、ゴムより機械的強度が高いため、優れた耐久性を備えた断熱ローラを提供することができる。
【0069】
上述したように、上記実施例のような水硬性組成物を利用した断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部からなり、該ローラ部を水硬性組成物による成形体としている。加圧ローラなどのように、ローラ表面に適度な硬度を必要とする場合には、断熱ローラ表面をシリコンゴムなどの弾性材で被覆することも可能である。
また、定着ローラなどのように用紙上のトナーに直接接触するものにおいては、定着ローラ側にトナーが付着しないように定着ローラに何らかの表面処理を施すなど、当該技術分野において公知の技術は、本発明においても利用できることは、言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水硬性組成物をローラに用いることにより、高い断熱性を有すると共に、十分な硬度を備え、耐久性に優れた断熱ローラ及び当該断熱ローラを提供できる。
しかも、本発明の断熱ローラは、水硬性組成物から構成されているため、経済的に安価な方法で大量製造できるなど、多くの利点を有している。
本発明の断熱ローラは、特に、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等の加圧ローラや定着ベルト用ローラに、好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の断熱ローラであって、内部を中空形状にしたローラの断面の1/4を概略的に示す図。
【図2】本発明の他の一例の断熱ローラであって、内部を中空形状にしたローラの断面の1/4を概略的に示す図。
【図3】熱伝導率を測定するための一例の試験体を概略的に示した斜視図。
【図4】熱伝導率を測定するための他の一例の試験体を概略的に示した斜視図。
【符号の説明】
1、 断熱ローラ
2、 中空形状部
3、 水硬性成形体ローラ部
4、 芯金
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱ローラ及びその製造方法に関し、特に断熱性が要求される箇所に好適に使用することができる、断熱ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真プロセスを利用したプリンタ、複写機など多様な画像形成装置が提供されている。
電子写真プロセスにおいては、用紙にトナー画像を形成し、該画像を用紙上に定着させるために、ローラやベルトによる加熱・加圧方法を用いた定着工程が設けられている。
【0003】
このような定着工程に利用されるローラやベルトには、表面を所定の高温に維持すること、また、用紙表面に所定の押圧力を付与することが必要となる。例えば、定着ローラと加圧ローラを対向させた定着器では、定着ローラの表面を高温に維持するために、定着ローラと加圧ローラの両方に断熱性が必要となり、用紙表面に所定の押圧力を付与するために、定着ローラ又は加圧ローラの少なくとも一方にはローラ表面に所定の弾性力を付与することが必要である。
【0004】
また、定着ベルトを用いた場合には、ベルト自体に対して上記の高温維持や所定の押圧力特性を有することが求められるだけではなく、ベルトを保持し、用紙に所定の圧力でベルトを押圧するベルト保持ローラ(定着ベルト用ローラとも称される)や、ベルトに対向して配置される加圧ローラなどに対しても、同様に、断熱性や所定の弾性力を有することが必要となる。
【0005】
従来のローラ(定着ローラ、加圧ローラ、定着ベルト用ローラなどを含む)は、芯金に金属を用い、更にローラ全体を金属で構成した場合には、ローラ全体の熱伝導率が高くなるため、ローラ表面を所定温度に維持するには、消費電力が大きくなる。しかも、所定圧力で用紙を押圧する場合に、用紙とローラ(又はベルト)との接触面積を一定以上確保すること(ニップ領域の形成)が必要となるため、ある程度の弾性機能も必要となり、金属のみでローラを構成することは、望ましくない。
【0006】
このため、ローラに断熱性や弾性を付与することが行われており、具体例としては、芯金の周りに断熱性及び所定の弾性を有する発泡させたシリコンゴムにより円筒状ローラ部を設けることが行われており、さらに、この周囲にローラ表面の耐久性を高めるため被覆層が形成されている。
しかしながら、このような発泡性シリコンゴムを用いたローラでは、シリコンゴム材料が高価な上、発泡性ゴムを用いたため、ローラ表面がスポンジ状となり、耐久性が低下し、従って、被服層が不可欠となる。
また、発泡性ゴムは、熱伝導率を低下させるため、発泡率を上げる傾向があり、結果としてゴム硬度の低下を招き、充分な押圧力やニップ領域を確保することができないという、不具合を生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い断熱性を有すると共に、十分な硬度を備え、耐久性に優れた断熱ローラを提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記本発明の断熱ローラを、経済的に安価な方法で大量に製造できる方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、断熱ローラを構成する材料として水硬性組成物を用いると、十分な硬度を有することができると共に、極めて断熱性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
本発明の断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を備える断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする。
【0010】
好適には、上記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は、1.3W/m・K以下の熱伝導度を有することを特徴とする。
また、好適には、上記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は、多孔質であることを特徴とし、更に好適には、前記断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体は10〜70容量%、好適には15〜60容量%の空隙率を有することを特徴とする。
好適には、本発明の断熱ローラは、上記断熱ローラの表面を、更に弾性部材で被覆してなることを特徴とする。
【0011】
本発明の断熱ローラの製造方法は、水硬性組成物を押出し成形または流し込み成形し、次いで養生・硬化する工程を含むことにより製造することを特徴とする。
また、好適には、上記断熱ローラの製造方法において、水硬性組成物を芯金の周りに押出し成形または流し込み成形することを特徴とする。
更に好適には、上記断熱ローラの製造方法において、更に表面を弾性部材で被覆する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の好適例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を備える断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体である。
【0013】
ここで、芯金は、例えば従来の複写機等の画像形成装置で使用されている加圧ローラや定着ベルト用ローラの芯金と同様のものを用いることができ、その形状としては、円筒状ローラ部を指示するシャフトに切削仕上げ加工により軸受け部や駆動伝達機構取り付け部等を設けたものが例示できる。芯金の材料としては、通常の、例えばSUM快削鋼等が挙げられ、必要に応じて、その芯金の表面に未電解Ni−Pめっき等を施すこともできる。
【0014】
また、本発明の断熱ローラ部は、水硬性組成物からなる成形体であり、10〜70容量%、好適には15〜60容量%の空隙率を有する。かかる範囲の空隙率を有することにより、優れた断熱性と、耐久性及び強度とを兼ね備えることができる。
本発明の断熱性ローラの空隙率が10〜70容量%となるためには、上記したように、水硬性組成物を構成する水硬性粉体等の平均粒子径を大きくし、粒子間の空隙率を増大させるほか、水硬性組成物中に、空隙率の大きい材料、例えば無機系若しくは有機系の中空材料を含有させたり、起泡剤や起泡助剤を含有させたりして、空隙率を向上させ、断熱性を付与する。または、本発明の断熱ローラ成形体の成形時に、断熱ローラ成形体自体の形状を中空形状に成形して、空隙率を上げることもできる。更には、前記のいずれかの方法を組み合わせることも可能である。
【0015】
前記無機系中空材料としては、例えば、公知の無機系軽量骨材、パーライト(三井金属工業株式会社製)、Gライト、アサノライト、フヨーライト等の比重が0.05〜0.2g/cm3のものが好適に使用できる。
また、有機系中空材料としては、例えば、公知の有機系のマイクロカプセル、発泡スチレンビーズ、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社製)等の比重が0.1〜0.2g/cm3のものが好適に使用できる。
また、これらの中空材料の形状は、特に限定されず、球形やフィラー状の任意の形状のものが使用できる。
【0016】
また、空隙率を上げる手段として、上記中空材料を添加する手段の他に、起泡剤及び起泡助剤を水硬性組成物中に含有させて、気泡を発泡させ、空隙率を上げることもできる。
起泡剤としては、特に限定されず、例えば合成界面活性剤系、タンパク系、樹脂石鹸系等の公知の起泡剤を使用することができ、また、起泡助剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水溶性高分子などの公知の起泡助剤を使用することができる。
【0017】
当該起泡剤等により発生した気泡の水硬性組成物中での混合容量は、前述したように、水硬性組成物中10〜70容量%とすることが、空隙率を本発明の上記範囲とする点から好ましい。また、かかる起泡剤及び起泡助剤を水硬性組成物に配合する方法は、成形方法として流し込み成形を使用する時に好適に用いられ、これは、押出成形では気泡が押出し時の圧力によって潰れてしまうのに対し、流し込み成形では気泡を維持して成形することができるからである。
気泡の発生方法としては、発泡機によるプレフォーム法、起泡剤の混合撹拌によるミクスドフォーム法等の方法を用いることができる。
【0018】
空隙率を向上させる手段として、上述したようにローラ部の組成材料を調整する方法以外に、図1、2に示すような、ローラ1自体を中空形状2とすることも可能である。図1、2は、ローラの断面部(断面全体の4分の1の部分のみ)を示しており、芯金4の周りには、水硬性組成物で形成される円筒状ローラ部3が設けられている。円筒状ローラ3には、図1に示すような扇形断面の中空や、図2が示すような円形断面の中空などがローラ成形時に併せて形成されている。
【0019】
なお、従来のシリコンゴムを用いた円筒状ローラにおいては、このような中空形状を構成すると、ローラ全体の硬度が低下し、また、ローラの円周上の全体に渡って均一な押圧力(ニップ力)を得ることができないという、不具合を生じる。
しかしながら、本発明にかかる断熱ローラでは、水硬性組成物を利用しているため、硬度が高く、中空形状を設けた場合でも、ローラ形状が強固に維持でき、安定した押圧力を発揮することが可能となる。しかも、中空形状により、ローラの断熱性が格段に向上させることも可能となる。
また、好適には、ローラの本体の外周に断熱材を被覆することにより、好適なニップ力が得られる。
【0020】
本発明の断熱性ローラに用いられる前記水硬性組成物には、更に水硬性粉体及び非水硬性粉体が含まれる。
好適には、本発明の断熱性ローラに用いる水硬性組成物は、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる無機粉体であり、その配合割合は好ましくは水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%、より好ましくは水硬性粉体20〜90重量%及び非水硬性粉体10〜80重量%、特に好ましくは水硬性粉体45〜80重量%及び非水硬性粉体20〜55重量%である。
【0021】
上記水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が含まれる。
【0022】
前記水硬性粉体は、成形時の可使時間ならびに得られる成形体の強度の点から平均粒径10〜40μm程度のもの、特に好ましくは20〜40μmのものが好ましい。粒径を大きくすることにより、得られる成形体の空隙率が大きくなり、望ましい。また、成形体の高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上であることが好ましい。
【0023】
また、前記非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化することがない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む意である。非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が好ましい。空隙率を向上させるには、平均粒径の小さいシリカヒュームを使用せずに、得られた水硬性組成物中の粒子間の間隙を向上させて、空隙率を上げる方法も1つである。
【0024】
前記水硬性粉体と前記非水硬性粉体との配合割合は、上記した範囲であり、非水硬性粉体の配合量が10重量%未満の場合には、水硬性粉体の間隙を十分に充填することができず、また80重量%を超えると、水硬性粉体の量が減少することにより、得られる断熱性ローラが所定の強度を有さなくなり、機械加工時の欠けの発生、寸法安定性に悪影響が及ぶことがある。
【0025】
また好適には、本発明の機断熱性ローラに用いられる前記水硬性組成物は、上記水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良材を含有する。
本発明に用いる加工性改良材とは、水硬性組成物から形成される成形体の成形性、脱型性、切削・研削性・研削精度等の向上に寄与する材料である。
【0026】
この様な加工性改良剤を含む水硬性組成物を用いると、加圧成形時に、加工性改良剤が成形助剤としての機能を発揮することによって成形性が向上し、また、加工性改良剤により、もろさが改良され、得られる成形体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、作業性の向上につながる。また、脆性材料である水硬性組成物から得られる成形体は、切削の際に亀裂型メカニズムの切削状態を呈し、材料の割れ、欠け等が問題となるが、加工性改良剤を配合することによって、得られる成形体に固体材料としての機械加工性を促すための靱性が付与され、成形体の割れ、欠け等を防止することができる。
【0027】
このため、従来切削加工・研削加工等の機械加工が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工性を金属材料と同レベルまで改良することが可能となり、旋盤等による切削加工、円筒研削機による研削加工を金属材料と同程度に行うことができ、所望の寸法に対してμmオーダーの精密な加工が可能となる。
【0028】
このような加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂およびエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを例示できる。
【0029】
加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び下記成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、乾ベースで2〜9重量部であり、特に3〜4重量部とすることが好ましい。
かかる配合量が2重量部未満の場合は、切削加工性が悪くなり好ましくなく、一方9重量部を超える場合には、良好な性形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性が低下する。
また粒度は分散した単一粒子径で1μm以下のものが一般的である。
【0030】
本発明の断熱性ローラに用いる上記水硬性組成物中には、更に成形改良剤を含むことができる。
当該成形性改良材は、断熱性ローラを得るために、水硬性組成物を成形する際に、押出し成形または流し込み成形を利用する場合には、型枠と成形体との滑り性を向上させ、さらに品質を安定化させる作用を有する材料である。
【0031】
かかる成形改良剤としては、例えばタルク(含水珪酸マグネシウム)、マイカ等の無機質板状物質が使用できる。この無機質板状物質は配向性に優れ、成形体表面に滑り性を付与し、ダイスとの抵抗が低減されることにより品質の安定化が図れる。
【0032】
成形改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体の組成比率で10〜30重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。成形改良剤の配合量上記範囲よりが少なすぎる場合には、成形体の滑り性が低下して、成形型枠との抵抗が増大し、成形精度が低下する。一方、配合量が上記範囲より多くなる場合には、成形品の異方性が大きくなり、機械的強度、寸法安定性等に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0033】
更に、前記水硬性組成物には、好適には補強材を含むことができる。
補強材は、水硬性組成物の強度を増加させ、脆性を改善する働きを有し、断熱性ローラの加工時、運搬時、使用時における割れ、欠けを防ぐ。
本発明に用いられる補強材にはマイカ、タルク等の無機板状物質、ワラストナイト、セピオライト等の無機針状物質、カーボンファイバー、グラスファイバー等の無機繊維、スチールファイバー、ボロンファイバー等の金属繊維、ビニロン、ポリプロピレン繊維等の有機繊維を単体、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
大きさは無機板状物質の20μm程度から、有機繊維の6mm程度まで使用することができる。好適な範囲は各々材料によって異なるので、成型性に影響を及ぼさない限り、任意の大きさのものも使用できる。
【0034】
混合比率は、いずれの補強材も水硬性組成物中1重量%以下だと十分な補強効果を発揮できない。また、いずれの補強材も多すぎると混合性、成型性が低下し、好ましくない。混合性、成型性が悪化する添加量は補強材によって異なり、例えば単体で用いる場合、マイカなら30重量%以上、ワラストナイトなら10重量%以上、カーボンファイバーなら5重量%以上、ビニロンなら3重量%以上である。2種類以上の補強材を用いる場合、組み合わせによって異なるが、おおむね補強材添加量合計で、1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%である。
マイカ、タルク等の無機板状物質は前記の成型性加工剤を兼ねることもできる。
【0035】
また、本発明の断熱性ローラに用いられる水硬性組成物には、増粘剤が含有されることも、必要に応じて生じる。
本発明に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
かかる増粘剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び必要に応じて添加される成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、0.5〜5重量部とすることが好ましく、3〜4重量部とすることがより好ましい。
【0036】
増粘剤の配合量が少なすぎる場合には、押出成形時に断熱ローラの端部のひび割れ、表面の平滑性等の成形性に悪影響を及ぼし、また多すぎると、硬化後の収縮量の増大等の断熱ローラの寸法安定性を低下させやすく、好ましくない。
【0037】
かかる増粘剤は押出し成形または流し込み成形に使用され、水に溶解することによって粘着性を発現する機能を有し、水硬性粉体、非水硬性粉体の粒子間の結合力を高め、成形後の成形体の形状維持、保水性の確保、密実な硬化体形成に友好な成分である。
【0038】
本発明の断熱ローラに用いる水硬性組成物は、上記成分に加えて、他に増量材として珪砂等の骨材を、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対し10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部の割合で加えることができる。また、成形性をさらに改善するために、公知のセラミック成形助剤を、上記混合粉体100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の割合で加えることもできる。
さらに、材料の硬化時に収縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤を、上記混合粉体100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部の割合で加えることもできる。
【0039】
上記水硬性組成物を用いて断熱性ローラを製造するには、まず、上記各成分に必要に応じて水を加えて混合し、これを押出し成形または流し込み成形して、ローラ形状の未硬化成形体を製造し、次いで養生・硬化することにより製造する。
【0040】
具体的には、水硬性組成物から中空円筒状成形体を押し出し成形し、得られた成形体の穴に芯金を挿通したのち、養生・硬化することにより、芯金とローラ部とを一体化する方法、または、水硬性組成物を中空形状に押し出し、養生・硬化させた後、得られた硬化成形体の穴に芯金を挿通して一体化させる方法がある。後者の場合には、まず、水硬性組成物から、芯金を挿通する穴を中心部に有する中空円筒状ローラ成形体を押出成形する。押出成形には、通常の押出成形機を用い、押出成形体を所定の長さに切断して中空円筒状ローラ成形体を得る。
【0041】
更に、他の中空ローラ成形体の製造方法としては、水硬性組成物を芯金の回りに同心円状で中空円筒状にローラ形成体を押出形成し、養生、硬化することにより回転軸とローラ部とを一体化する方法もある。この場合には、押出成形機を用いて、水硬性組成物を回転軸の回りに同心円状で中空円筒状にローラ成形体を押出成形する。
【0042】
本発明の断熱ローラの芯金は、円筒状ローラ部の中央部に円筒状ローラ部外周面と同心円状に設けた穴部に芯合わせして、挿通・固定される。芯金の全長、挿入部の長さ及び外部に露呈される長さは適宜決定することができる。
接着剤等で芯金を円筒状ローラ部の穴部に取り付ける場合には、回転軸の外径は、円筒状形成体の穴部の内径よりも10〜50μm程度小さくするが、10〜30μmとすることが好ましい。10μm未満であると円筒状形成体を回転軸に組みこむ作業が困難となり、50μmより大きくなると回転軸と円筒状成形体の真円度(同心からのずれ)が大きくなり、ローラ精度が低下する。30μm以下であれば円筒状成形体の硬化に伴う収縮により回転軸への取付けが、接着剤の併用なしで可能となる。
【0043】
成形時の水の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び成形性改良剤の合計量100重量部に対して、10〜30重量部程度とすることが適当であり、20〜25重量部程度とすることが好ましい。水の配合量が少なすぎる場合には、成形が困難となり、成形体の表面にひび割れ等が発生しやすく、成形、硬化後の成形体である断熱ローラの機械的物性も低下し易いので好ましくない。一方、水の配合量が多すぎると、成形時に形状を維持することが困難となり、また、成形硬化後の機械部品の収縮が生じ易く、寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0044】
混合方法については、特に限定はなく、水硬性組成物の各成分を均一に混合できればよいが、水硬性粉体と非水硬性粉体を含む組成物を均一に混合するためには、強力な剪断力を加えることができる混合方法を採用することが好ましく、例えば、ニーダー等を用いて混練する。この様な剪断力の高い混合機を用いて混合することによって、混合に要する時間を短縮することができる。
【0045】
更に、成形時の混合物のハンドリングを良好にするために、混合後、成形する形状に適した大きさに造粒しても良い。造粒方法としては、転動造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法等の公知の方法を採用すればよい。
【0046】
前述した特定の配合の水硬性組成物は、優れた押出成形性を有するものであり、常法に従って押出成形を行うことによって、容易に所定の形状の成形体とすることができる。
【0047】
例えば、押出成形法の一例として、ニーダーで混合・混練した材料を押出機に投入し、真空ポンプで材料を脱気しながら、押出圧力30kg/cm2から100kg/cm2で押出成形すればよい。
【0048】
次いで、押し出しまたは流し込み成形した後、型から成形体を取り出して、十分な強度を有するローラ硬化体となるまで、養生して、硬化させ、断熱ローラを得る。養生方法としては、そのまま室温中に放置しても良く、或いは、蒸気養生等を行っても良いが、特に、オートクレーブ中で養生することが好ましい。また、硬化体である断熱ローラを形成するための水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生を行うことが好ましい。
【0049】
オートクレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/cm2以上、165℃以上で行うことが好ましく、飽和蒸気圧9.10kg/cm2以上で行うことがより好ましい。養生時間は養生温度によって異なるが、例えば175℃で養生する場合には、通常5〜10時間程度養生すればよい。なお、押出しまたは流し込み成形後、オートクレープ養生開始前に圧縮強度で5N/mm2程度以上となっていることが好ましい。オートクレーブ養生開始までに十分な強度が発現していない場合には、オートクレーブ養生時に成形体の爆裂等が発生する可能性があるので好ましくない。
また、蒸気養生は、例えば、60℃程度の温度で10〜24時間程度行えばよい。
【0050】
押出し成形した円筒状成形体養生・硬化は、常温養生、蒸気養生、オートクレーブ養生等の1つ若しくは組み合わせにより行うことが可能であるが、大量生産、製品の化学的安定性、寸法安定性等を考えるとオートクレーブ養生が好ましい。5〜10時間程度のオートクレーブ養生により円筒状成形体の硬化反応は完全に終結し、以後の寸法変化は極めて小さなものとなる。
【0051】
上記方法においては、養生硬化後回転軸に円筒状形成体を取付けるためには少なくとも10μm以上のクリアランスが必要となるが、オートクレーブ養生後においては円筒状成形体の収縮は無いことから、回転軸への取付けには接着剤を使用するか、あるいは回転軸を冷却または円筒状形成体を加温することにより取付け可能なクリアランスとし、取付けることも可能である。あるいは回転軸を円筒状形成体の穴部に圧入してもよい。接着剤としては、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、エマルジョン系接着剤、合成ゴム系接着剤、アクリレート系接着剤等が用いられる。
【0052】
また、後で芯金を中空ローラ本体に挿入する場合には、オートクレーブ養生を行うと円筒状形成体の寸法は0.08〜0.15%(配合条件により異なる)の範囲で収縮することから、収縮量を見込んで円筒状成形体の内径部分を形成するようにする。
【0053】
得られた本発明の断熱ローラは、水硬性組成物を用いているため、ローラの硬度を下げることなく、熱伝導度を1.3W/m・K以下にすることができる。従って極めて優れた耐熱性を有するとともに、耐久性を有するものである。一般に、断熱ローラを構成するゴムのヤング率は通常100から1000N/mm2であり、発泡ゴムの場合には、もっと小さくなるが、水硬性組成物の場合には20000から30000N/mm2であり、ゴムの30から300倍となる。また、ローラの表面硬度が良好であるため、表面に特に被覆層がなくても、ローラ使用に耐えうる表面状態が確保でき、好適に使用することができる。
【0054】
好ましくは、得られた断熱ローラのローラ部に、弾性部材を被覆することにより、ローラの表面硬度に弾力性を持たせ、上記した好適なニップ力十分な押圧力を断熱ローラに付与する。すなわち、被覆するゴムの硬度を調節することによって、断熱性に変化なく、任意のローラ硬度に調整することができる。
弾性部材としては、従来から使用されている耐熱性ゴムが使用でき、例えばシリコンゴムや発泡ゴム等がある。被覆する方法は、特に限定されず、従来の加熱ローラにおける被覆方法を用いることができる。
【0055】
このようにして得られた断熱ローラは、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等の加圧ローラや定着ベルト用ローラに、好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】
本発明を、次の実施例、比較例及び試験例に基づき詳細に説明する。
<実施例1〜7>
実施例及び比較例においては、主として以下の材料を使用して断熱ローラを製造した。
水硬性紛体としてポルトランドセメント(平均粒径20μm、商品名:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製)、非水硬性紛体としてシリカヒューム(平均粒径0.2μm、商品名:マイクロシリカ、SKW株式会社製)、珪石紛(平均粒径20μm、商品名 マイクロシリカ35、秩父鉱業株式会社製)、珪砂8号(平均粒径90μm、日瓢工業株式会社製)、又はタルク(平均粒径15μm、商品名:クラウンタルク、松村産業株式会社製)、発泡軽量骨材(商品名:パーライト、三井金属株式会社製)、増粘材としてメチルセルロース(商品名:マーポローズ、松本油脂株式会社製)、加工性改良材としてアクリルエマルジョン(商品名:ポリトロン 、旭化成株式会社製)、起泡材として合成界面活性剤系起泡剤(商品名:アルスコープ、東邦化学株式会社製)、補強材としてカーボンファイバー(商品名HTA−C6、東邦レーヨン株式会社製)水は水道水を各々用いた。これらの材料を、以下に記載する配合割合に従って均一混合し、水硬性組成物を調製した。また、ローラの芯金として、SUM221、該径8mm、長さ535mmのものを用いた。また、起泡剤を使用した場合には、混入される気泡は、上記均一混合の際に攪拌しながら同時に行った。
【0057】
得られた各水硬性組成物を、上記芯金の回りに押出し成形し(起泡剤を使用した場合には、流し込み成形し)、所定の長さに切断して中央部に穴を有する円筒状ローラ成形体を成形し、押し出し成形体(または流し込み成形体)の両端部を切断して所定の長さの中央部に穴を有する円筒状ローラ成形体を芯金の外周に一体的に成形し、オートクレーブ養生(9.10kg/cm2、170℃、10時間)によって、養生硬化させ、ローラ部を形成し、該径22mm、長さ486mmの断熱ローラを製造した。
【0058】
(実施例1:水硬性組成物、平均粒径40.3μm)
本例は、粒子径を大きくして、空隙率を上げたものである。
普通ポルトランドセメント 40重量部
珪石紛 15重量部
珪砂8号 30重量部
タルク 15重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 3重量部
カーボンファイバー 3重量部
アクリルエマルジョン 5重量部
水 15重量部
【0059】
(実施例2:パーライトを用いた水硬性組成物1)
普通ポルトランドセメント 25重量部
パーライト 75重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 5重量部
カーボンファイバー 3重量部
水 20重量部
【0060】
(実施例3:パーライトを用いた水硬性組成物2)
普通ポルトランドセメント 20重量部
パーライト 80重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
カーボンファイバー 3重量部
メチルセルロース 5重量部
水 20重量部
(実施例4:気泡混入率10容量%の水硬性組成物)
普通ポルトランドセメント 60重量部
パーライト 40重量部
水 24重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
気泡混入率 10容量%
【0061】
(実施例5:気泡混入率20容量%の水硬性組成物)
普通ポルトランドセメント 60重量部
パーライト 40重量部
水 24重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
気泡混入率 20容量%
【0062】
(実施例6:中空形状に押出成形した水硬性組成物1)
普通ポルトランドセメント 40重量部
珪石紛 15重量部
珪砂8号 30重量部
タルク 15重量部
以下、上記粉体分100重量部に対して、
メチルセルロース 3重量部
アクリルエマルジョン 5重量部
カーボンファイバー 3重量部
水 15重量部
上記材料を混合して、水硬性組成物を調製した後、押出成形により図2に示すような成形体を製造した。図2の中空部分の全容積に対する比率(空隙率)は、40容量%とした。
【0063】
(実施例7:中空形状に押出成形した水硬性組成物2)
実施例6と同様に、上記材料を混合して、水硬性組成物を調製した後、押出成形により図1に示すような成形体を製造した。図1の中空部分の全容積に対する比率(空隙率)は、60容量%とした。
【0064】
(比較例1)
炭素鋼1Cを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例2)
エチレンプロピレンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例3)
シリコンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
(比較例4)
発泡率150%のシリコンゴムを用いて、実施例1と同様のローラを形成した。
【0065】
<試験例>
得られた各成形体の空隙率、熱伝導率、ヤング率について試験し、その結果を表1に示す。
<試験方法>
1)空隙率・・・水置換法(JIS A 5403準拠)により行った。
2)熱伝導率・・・熱流計法(ASTM C518準拠)により行い、熱伝送率測定装置は、英弘精機株式会社製のHC−072を用いた。ただし、熱伝導率の測定用の試験体は、各成形体について、実施例1〜5及び比較例に関する成形体(縦200mm×横200mm×高さ10mm)については図3、実施例6及び7に関する成形体(縦200mm×横200mm×高さ10mm)については図4に示す形状のものを使用して測定した。
3)ヤング率・・・オートグラフ(UCT−10T、ORIENTEC社製)を用い、曲げ試験(JIS A1408準拠)により測定した。
試験体には縦200×横150×厚さ10板状に成形した。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示すように、本発明の水硬性組成物による成形体である実施例1〜7は、比較例1の金属のみにより形成した成形体と比較しても、熱伝導率が各段に低く、高い断熱性を有することが理解できる。
また、実施例1〜7のように、空隙率を10容量%以上に高めることにより、熱伝導率を1.3W/m・K以下に抑えることができ、画像形成装置の定着器により適したローラを提供することが可能となる。また、空隙率を70%より高くすると、ローラ自体の機械的強度が弱まり、耐久性が低下するなどの問題が生じる。
空隙率の増加方法としては、粒子径の調整、発泡軽量骨材の混入、気泡の混入、中空形状の形成など、いずれの方法も熱伝導率の低下に有効であることが分かる。
【0068】
特に、実施例2、3、6、7については、比較例2〜4のようにシリコンゴムなどのゴム系材料を主体として用いたものと比較しても、同程度以上に、熱伝導率を低く抑えることが可能であり、従来のシリコンゴムを用いた断熱ローラに代替して用いることが可能である。
しかも、水硬性組成物は、ゴムより機械的強度が高いため、優れた耐久性を備えた断熱ローラを提供することができる。
【0069】
上述したように、上記実施例のような水硬性組成物を利用した断熱ローラは、芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部からなり、該ローラ部を水硬性組成物による成形体としている。加圧ローラなどのように、ローラ表面に適度な硬度を必要とする場合には、断熱ローラ表面をシリコンゴムなどの弾性材で被覆することも可能である。
また、定着ローラなどのように用紙上のトナーに直接接触するものにおいては、定着ローラ側にトナーが付着しないように定着ローラに何らかの表面処理を施すなど、当該技術分野において公知の技術は、本発明においても利用できることは、言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水硬性組成物をローラに用いることにより、高い断熱性を有すると共に、十分な硬度を備え、耐久性に優れた断熱ローラ及び当該断熱ローラを提供できる。
しかも、本発明の断熱ローラは、水硬性組成物から構成されているため、経済的に安価な方法で大量製造できるなど、多くの利点を有している。
本発明の断熱ローラは、特に、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等の加圧ローラや定着ベルト用ローラに、好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の断熱ローラであって、内部を中空形状にしたローラの断面の1/4を概略的に示す図。
【図2】本発明の他の一例の断熱ローラであって、内部を中空形状にしたローラの断面の1/4を概略的に示す図。
【図3】熱伝導率を測定するための一例の試験体を概略的に示した斜視図。
【図4】熱伝導率を測定するための他の一例の試験体を概略的に示した斜視図。
【符号の説明】
1、 断熱ローラ
2、 中空形状部
3、 水硬性成形体ローラ部
4、 芯金
Claims (8)
- 芯金と、芯金の周囲に一体化された円筒状ローラ部を含む断熱ローラにおいて、ローラ部が水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする断熱ローラ。
- 請求項1記載の断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体部分が1.3W/m・K以下の熱伝導度を有することを特徴とする断熱ローラ。
- 請求項1記載の断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体部分は10〜70容量%の空隙率を有することを特徴とする断熱ローラ。
- 請求項1〜3いずかの項記載の断熱ローラにおいて、前記水硬性組成物からなる成形体部分が、多孔質であることを特徴とする断熱ローラ。
- 請求項1〜4いずれかの項記載の断熱ローラの表面を、更に弾性部材で被覆することを特徴とする断熱ローラ。
- 水硬性組成物を押出し成形または流し込み成形し、次いで養生・硬化する工程を含むことにより製造することを特徴とする断熱ローラの製造方法。
- 請求項6記載の断熱ローラの製造方法において、水硬性組成物を芯金の周りに押出し成形または流し込み成形することを特徴とする断熱ローラの製造方法。
- 請求項6または7記載の断熱ローラの製造方法において、更に表面に弾性部材を被覆する工程を含むことを特徴とする断熱ローラの製造方法。
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JP2007272051A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Nichias Corp | セラミックスローラ及びその製造方法 |
CN102926525A (zh) * | 2012-10-23 | 2013-02-13 | 张家港市盛港绿色防火建材有限公司 | 一种防火环保烟道及其制作工艺 |
JP2016065972A (ja) * | 2014-09-24 | 2016-04-28 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置用ロール、定着装置および画像形成装置 |
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- 2002-06-04 JP JP2002163643A patent/JP2004011703A/ja active Pending
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