JP2882677B2 - 繊維強化無機硬化性組成物及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化無機硬化性組成物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は、所望形状に成形後養生硬化させることによ
り繊維強化無機硬化体を製造することができる繊維強化
無機硬化性組成物およびその製造方法に関する。
【従来の技術】
従来より無機硬化体を押出成形により製造する場合、
先ず、無機水硬性物質、補強繊維および増粘剤を主成分
とした材料を乾式混合し、これに水を加えてさらに湿式
混合、混練することによって得られた繊維強化無機硬化
性組成物を押出成形し、この成形体を養生硬化させるよ
うにしている。 ところが、この方法によって製造する場合、繊維の分
散に効果的な水の量が少ないという成形上の特徴によ
り、強度上有効な長い繊維や細い繊維を分散させること
が困難であり、これが原因で製品表面の凹凸が激しい、
十分な強度が得られない、成形時に偏流が生じやすい等
の問題が生じていた。 そこで、これらの問題を解消しようと、繊維径18〜50
μmの有機繊維と繊維径が60〜125μmの有機繊維と
を、両者の重量比が8/2〜4/6の範囲になるように含有さ
せて衝撃強度が大きく外観に優れた無機押出成形品を得
る方法が、特開昭55−56049号公報において提案されて
いる。
【発明が解決しようとする課題】
上記公報のようにすれば、確かに太い繊維を使用する
ことにより衝撃エネルギーの吸収力が向上して耐衝撃性
が増大するのであるが、製品外観とのかねあいが添加量
が限定され十分な繊維本数を混入させることが困難であ
る。 従って、繊維がマトリックス中に粗く配置されること
にならざるをえない。それゆえ、落袋衝撃や落球衝撃な
どのマクロな耐生下性が向上しても、釘打ち時や、切断
時に生じる局部クラックの進展を抑制する硬化に乏しい
と言う問題点があった。 一方、繊維本数を稼ぐために、繊維長を短くすると、
繊維径が太いこともあって引き抜け易くなって強度向上
が困難となる。 他方、さらに細い繊維を太い繊維と合わせて良好に混
入すれば、繊維数が稼げるためマトリックスをより均一
に補強でき、たとえば、釘打ち時や、切断時に生じる局
所クラックの進展をおさえることができ、上記問題が解
消できるのであるが、細い繊維の場合、強度を得ようと
して長くすると、繊維がからまりほぐれ難くなりやすい
ため、分散が困難になる。そこで、からまりを除去する
ために混合時の混合力を上げたり、混合時間を長くすれ
ば、繊維が傷んでしまい、上記公報中にも記載されてい
るように強度が落ちやすいと言う問題がある。 本発明は、このような事情に鑑みて、太い繊維および
細い繊維が良好に分散され、曲げ強度や衝撃強度などの
強度的品質が高く、しかも、釘打ち等の施加工時にクラ
ックが生じにくく製品外観が良好な無機硬化体を得るこ
とができる繊維強化無機硬化性組成物およびその製造方
法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、このような目的を達成するた
めに、鋭意検討を重ねた結果、細い繊維および太い繊維
それぞれの繊維径だけでなく、アスペクト比(繊維長/
繊維径)をある範囲に限定すると、低い混合力で混合し
ても分散性がよく、細い繊維も強度劣化することなく分
散できることを見出し本発明を完成するに到った。 すなわち、本発明にかかる繊維強化無機硬化性組成物
は、無機水硬性物質、補強繊維を含む材料を、水と混
合、混練してなる繊維強化無機硬化組成物であって、ア
スペクト比が100以上500以下で繊維径が15μm以下、通
常2μm以上の細い有機繊維と、アスペクト比が50以上
500以下で繊維径が30μm以上60μm以下の太い有機繊
維とが前記材料中に補強繊維として添加されていること
を特徴としている。そして、この組成物を得るにあた
り、補強繊維となる繊維材料に10重量%以上5重量%以
下の水を他の配合物との混合前に予め含水させておくこ
とが好ましい。
【作用】
所定のアスペクト比に調整された繊維径が15μm以下
の細い有機繊維、および、30μm以上で60μm以下の太
い有機繊維を補強繊維ととして用いれば、無機水硬性物
質を主成分とする他の配合物と低い混合力によって混合
しても各繊維が絡まることなく、傷つくことなく無機硬
化性組成物中に分散できる。 したがって、強度劣化のない多数の細い繊維および太
い繊維が緻密に分散されたものとなる。 また、補強繊維に予め所定量の水を含水させておくこ
とにより、無機水硬性物質およびその他の配合物との混
合の際、繊維がほぐれやすくなり、低い混合力でも極め
て容易に分散する。
【実 施 例】
以下に、本発明を、その実施例を参照しつつ詳しく説
明する。 本発明において用いられる有機繊維としては、ポリア
ミド系(アラミド繊維、ナイロン繊維等)ボリエステル
系(ポリエステル繊維等)、ポリアクリロニトリル系
(アクリル繊維等)、ポリビニルアルコール系(ビニロ
ン繊維等)、ポリオレフィン系(ポリプロピレン繊維、
ポリエチレン繊維等)、ポリ塩化ビニル系(ポリ塩化ビ
ニル繊維等)、ポリ塩化ビニリデン系(ポリ塩化ビニリ
デン繊維等)、その他ポリウレタン繊維、ポリフルオロ
カーボン繊維、耐熱性繊維(ポリベンズイミダゾール、
ポリフェニレントリアゾール、ポリイミド等)等、有機
系材料で製造される繊維ならどれを使用してもよいが、
耐アルカリ性の面からポリアミド系、ポリアクリロニト
リル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の
繊維が好ましい。 細い繊維の場合、アスペクト比が100未満であると、
アスペクト比が小さすぎるため繊維が抜け易く補強効果
が弱くなり、500を超えると繊維が絡まりやすく分散し
にくくなる。 太い繊維の場合、繊維径が30μm未満であると、繊維
が破断しやすいため衝撃に対する効果が小さくなり、60
μmを超えると、繊維の単位重量あたりのマトリックス
との付着面積が小さくなるので、繊維が引き抜けやすく
なる。また、そのアスペクト比が50未満であると、繊維
が引き抜けやすくなり、衝撃に対する効果が小さくな
り、500を超えると、繊維が絡まりやすくなり、分散が
難しく成形性も悪くなる。 細い繊維と太い繊維とは、細い繊維の繊維本数が太い
繊維の繊維本数の5倍から300倍の割合になるように配
合し、その無機硬化性組成物への配合総量は、組成物中
の固形分100重量部に対し10重量部以下とすることが好
ましい。 すなわち、5倍より小さいとクラック防止に対する効
果が小さくなる傾向があり、300倍を超すと、太い繊維
の効果が小さくなる傾向がある。 また、10重量部を超えると、成形性が悪くなる傾向が
ある。 無機水硬性物質とは水と反応して硬化する物質のこと
で、特に限定しないが、たとえば、ポルトラントセメン
ト、スラグセメント、アルミナセメント、石膏などが挙
げられる。 また、必要に応じて有機繊維以外の繊維、例えば、パ
ルプ等の植物繊維、ウォラストナイト、アスベスト、チ
タン酸カリウム、ガラス繊維、などの無機繊維を添加し
てもよいし、パーライトなどの無機の軽量化剤、スチレ
ンビーズのような有機の軽量骨材、珪砂、フライアッシ
ュなどの骨材、メチルセルロースなどの増粘剤、成形助
剤、その他の充填剤を添加することができる。 この繊維強化無機硬化性組成物を製造する方法として
は、特に限定されないが、上記の細い繊維および太い繊
維を予め10〜50重量%の含水率に調整したのち、無機水
硬性物質を主成分とする他の配合物と、たとえば、アイ
リッヒミキサー等の混合機で混合し、混練機で混練する
方法が好ましい。 すなわち、予め水を含有させておくことにより繊維が
より分散しやすくなり、クラック防止および製品外観の
向上により効果がある。 (実施例1) 細い繊維としての繊維長4mm、繊維径12μm、アスペ
クト比333のアクリル繊維2重量部、太い繊維としての
繊維長10mm、繊維径50μm、アスペクト比200のポリプ
ロピレン繊維1重量部、普通ポルトランドセメント100
重量部、フライアッシュ50重量部、増粘剤としてのメチ
ルセルロース2重量部をアイリッヒミキサーに入れ、50
0rpmで2分間混合した。 この混合物に水30重量部をさらに加え、500rpmで2分
間混合した。 この混合物を混練機で混練した後真空押出成形機(ス
クリュー径100mmφ)を用いて成形し、この成形体を60
℃で12時間蒸気養生して無機硬化体を得た。 (実施例2) 細い繊維を、繊維長1.5mm、繊維径4μm、アスペク
ト比375のナイロン繊維1重量部、太い繊維を、繊維長6
mm、繊維径40μm、アスペクト比150のビニロン繊維2
重量部とした以外は、実施例1と同様にして無機硬化体
を得た。 (実施例3) 細い繊維を、繊維長3mm、繊維径14μm、アスペクト
比214のナイロン繊維2重量部、太い繊維を、繊維長6m
m、繊維径43μm、アスペクト比140のボリプロピレン繊
維1重量部とした以外は、実施例1と同様にして無機硬
化体を得た。 (実施例4) 他の配合物と混合前に細い繊維および太い繊維の含水
率を30%の調整した以外は、実施例1と同様にして無機
硬化体を得た。 (実施例5) 配合物に2重量部にスチレンビーズを追加した以外
は、実施例1と同様にして無機硬化体を得た。 (比較例1) 補強繊維として繊維長6mm、繊維径50μmのポリプロ
ピレン繊維3重量部のみを配合した以外は、実施例1と
同様にして無機硬化体を得た。 (比較例2) 細い繊維を、繊維長1mm、繊維径14μm、アスペクト
比71のビニロン繊維2重量部、太い繊維を、繊維長6m
m、繊維径43μm、アスペクト比140のボリプロピレ繊維
1重量部とした以外は、実施例1と同様にして無機硬化
体を得た。 (比較例3) 細い繊維を、繊維長10mm、繊維径14μm、アスペクト
比714のビニロン繊維3重量部、太い繊維を、繊維長6m
m、繊維径43μm、アスペクト比140のポリプロピレン繊
維1重量部とした以外は、実施例1と同様にして無機硬
化体を得た。 上記実施例1〜5および比較例1〜3によって得られ
た無機硬化体を3週間放置し、それぞれについて3週間
後の、1kgの球の落下による衝撃強度、曲げ強度、製品
表面の凹凸形状および切断面に現れたパルプの数を調
べ、各組成の配合割合とともに第1表に示した。 第1表にみるように、実施例1〜5において得られた
無機硬化体は、いずれも強度的に優れ、釘打ち時のクラ
ックの発生もなく、製品表面状態も良好なものであっ
た。一方、比較例1〜3は、強度、クラック、表面状態
のいずれかに問題があった。
【発明の効果】
本発明にかかる繊維強化無機硬化性組成物は、以上の
ように構成されているので、組成物中に多数の太い繊維
および細い繊維が傷つくことなく均一に分散されてい
る。 したがって、この組成物を所望形状に成形し、この成
形体を養生硬化させれば、曲げ強度、衝撃強度に優れて
いることはもちろんのこと、切断や釘打ちなどの加工施
工時にクラック等が生じにくく、製品外観に優れた繊維
強化無機硬化体を得ることができる。 また、本発明にかかる繊維強化無機硬化生組成物の製
造方法は、以上のように構成されているので、補強繊維
としての細い繊維および太い繊維をより均一に分散した
繊維強化無機硬化性組成物を得ることができる。 したがって、無機硬化体の強度をより向上させること
ができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機水硬性物質、補強繊維を含む材料を、
    水と混合、混練してなる繊維強化無機硬化組成物であっ
    て、アスペクト比が100以上500以下で繊維径が15μm以
    下の細い有機繊維とアスペクト比が50以上500以下で繊
    維径が30μm以上60μm以下の太い有機繊維とが前記材
    料中に補強繊維として添加されていることを特徴とする
    繊維強化無機硬化性組成物。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の繊維強化無機硬化組成
    物を得るにあたり、予め10重量%以上50重量%以下の含
    水率に調整された補強繊維を、無機水硬性物質を主成分
    とする他の配合物に混合すること特徴とする繊維強化無
    機硬化性組成物の製造方法。
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