JPH08225357A - 炭素繊維強化コンクリートおよびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化コンクリートおよびその製造方法

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JPH08225357A
JPH08225357A JP31082695A JP31082695A JPH08225357A JP H08225357 A JPH08225357 A JP H08225357A JP 31082695 A JP31082695 A JP 31082695A JP 31082695 A JP31082695 A JP 31082695A JP H08225357 A JPH08225357 A JP H08225357A
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carbon fiber
reinforced concrete
coarse aggregate
fibers
concrete
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JP31082695A
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Mitsuharu Tezuka
光晴 手塚
Mitsuru Awata
満 粟田
Akira Shiraki
明 白木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期ひび割れ発生時の荷重が遙かに高い高強
度の炭素繊維強化コンクリートを提供する。 【解決手段】 セメント、粗骨材、細骨材、炭素繊維お
よび水を含有する炭素繊維強化コンクリートにおいて、
該炭素繊維が粗骨材の最大寸法以上の平均長さを有し、
かつ引張強度300kgf/mm2 以上であることを特
徴とする炭素繊維強化コンクリート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として土木・建築
分野において使用される強度・耐久性に優れた炭素繊維
強化コンクリートおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】繊維強化コンクリートに使われる繊維
は、その強度・靱性を上げるため、一般的に鋼繊維、ガ
ラス繊維および有機繊維等が用いられている。しかし、
鋼繊維を使用した場合、未補強状態に対する曲げ強度の
上昇率が50%程度と低く、しかも、初期ひび割れ発生
時の荷重が通常のコンクリートとほぼ同等である等の問
題がある。さらに錆等の耐久性の問題が生じたり、道路
舗装用として使用した場合、轍に鋼繊維が突出し、自動
車のタイヤがパンクするという問題が生じる。ガラス繊
維または有機繊維を用いた場合には、繊維の耐アルカリ
性能や繊維自体の持つ引張強度・弾性率等の性能の影響
で、その補強効果が極めて低く、ひび割れ進展に対する
抑制程度で強度上昇は望めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、炭素繊維を使用
した場合、繊維の劣化防止等の耐久性は改善される。し
かし、炭素繊維強化コンクリートには、ロッドおよびメ
ッシュ等の長繊維のみ用いられ、短繊維を用いたものは
実際には粗骨材未混入のモルタルや吹き付け補修材程度
にしかできなかった。そのような用途に限られていたの
も、粗骨材存在下に炭素繊維を短繊維でコンクリートに
混入した場合、炭素繊維が著しく切断や損傷を受け、成
形体に及ぼす繊維補強効果は小さかったためである。敢
えて使用した場合も、既に発生したひび割れ進展に対す
る抑制程度であった。炭素繊維をエポキシで硬化させロ
ッド状にして短繊維化し、強度の上昇を図ろうとする試
みもあったが、曲げ荷重がかかるとマトリックスと繊維
の間で繊維の素抜けが起こり、補強効果が現れなかっ
た。
【0004】圧縮強度に関して言えば、鋼繊維補強コン
クリート(SFRC)の場合、繊維量を増やしても圧縮
強度の増加量はごくわずかであったり、著しく増加した
場合には締固めが充分に行われないため、強度が低下す
ることもある。圧縮靱性に関して言えば、例えば、40
0ガルを超える大地震によって強制的に膨大な歪み、例
えば1%の圧縮歪みを与えられた場合、通常のコンクリ
ートでは、最高圧縮応力点での歪みが通常0.2%を超
えるとともに脆性破壊を起こしてしまう。圧縮応力度−
歪の関係は、繊維量が大きくなるほど靱性が大きくなる
傾向にあるという報告もあるが、この場合Vfを2%ま
で上げなければ靱性の顕著な向上にはつながらない。こ
の場合、経済性と作業性に問題が生じる。また、W/C
を低くすると最大圧縮応力は向上するが、靱性は小さく
なる。W/Cを高くすると靱性は上がるが、最大圧縮応
力は低下するという問題があった。さらに、配向の問題
があり、圧縮荷重方向に対する繊維の配向方向によって
は脆性的な圧縮挙動となり、靱性が著しく小さくなると
いう問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、特定の強度を有す
る炭素繊維、特に好ましくは、特定の伸度と特定の弾性
率を併せ持つ炭素繊維からなるチョップドストランドを
用いることにより、炭素繊維がコンクリート混入時に損
傷を受け難く、初期ひび割れ発生時の荷重が遙かに高
く、高強度の炭素繊維強化コンクリートが得られること
を見出して、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、セメント、粗
骨材、細骨材、炭素短繊維および水を含有する炭素繊維
強化コンクリートにおいて、該炭素短繊維が粗骨材の最
大寸法以上の平均長さを有し、かつ、引張強度300k
gf/mm2 以上であることを特徴とする炭素繊維強化
コンクリートに存する。かかる炭素繊維強化コンクリー
トは、粗骨材の最大寸法以上の平均長さを有し、かつ、
引張強度300kgf/mm2 以上の炭素繊維から形成
された炭素繊維チョップドストランド、セメント、粗骨
材、細骨材および水を加えた混合物を分散後に硬化させ
ることにより製造できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維強化コンクリートは、セメント、粗骨
材、細骨材、炭素繊維、水を主成分として含有する。本
発明におけるセメントは特に制限はなく、例えば普通ポ
ルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉
セメント、アルミナセメントおよび低収縮セメント等が
挙げられ、低収縮セメントまたは早強ポルトランドセメ
ントが好ましい。使用量は、一般にコンクリート中で2
00〜550kg/m3 が好ましい。
【0008】本発明における粗骨材(砂利)とは、日本
建築学会鉄筋コンクリート工事仕様書(JASS 5)
に定義されたコンクリート用フルイ規格の5mm網フル
イに重量で85%以上とどまる骨材を指す。実際に用い
る粗骨材としては、種類・径は特に限定されず、例えば
砕石、人工軽量粗骨材、酸化鉄鋼石などが挙げられ、径
が50mm以下の砕石が好ましい。添加量は土木用およ
び建築用として用いられる通常の調合であれば特に問題
なく、コンクリート中で1500kg/m3 以下が好ま
しく、また400kg/m3 以上が好ましい。
【0009】細骨材(砂)としては砂、ケイ石、砂利、
シラスバルーンフライアッシュ、シリカヒューム、人工
軽量細骨材等が挙げられる。添加量は土木用および建築
用として用いられる通常の調合であれば特に問題なく、
1500kg/m3 以下が好ましく、また400kg/
3 以上が好ましい。なお、細骨材率(砂率。骨材の合
計に対する細骨材の割合)は、土木用および建築用とし
て用いられる通常の調合であれば特に問題なく、重量で
好ましくは30〜80%が良い。
【0010】本発明で用いる炭素短繊維は、引張強度が
300kgf/mm2 以上、好ましくは350kgf/
mm2 のものであれば特に限定されず、例えばポリアク
リロニトリル、コールタールピッチ、石油ピッチ、石炭
液化物を原料とした炭素繊維を用いることができる。
又、炭素繊維が粗骨材の実質的な最大寸法以上の平均長
さを有していることが必要であり、粗骨材にからまっ
て、粗骨材を拘束して構造を強化する効果を得やすいた
め、30mm以上かつ最大寸法の2倍以上の平均長さを
有していることが好ましい。又、コンクリート中の分散
性の点からは100mm以下が好ましい。又、炭素繊維
自身の本発明に好適な条件としては、炭素繊維の引張強
度をその引張弾性率で除した値で表わされる伸度が1%
以上、好ましくは、1.7%以上の炭素繊維が好まし
い。又、引張弾性率は、25tonf/mm2 を超える
と、取りあつかいが難しくなるのみならず、コンクリー
トと共に混練する際に、破断しやすくなりやすい。
【0011】糸径は、特に限定されないが、通常、5〜
30μm、好ましくは6〜18μmのものが用いられ
る。炭素短繊維はチョップドストランドとして用いるこ
とが、コンクリートにおける炭素繊維の分散上好まし
い。チョップドストランドは、セメント、粗骨材等と共
に混練する際に完全に単繊維として分散すると、粗骨材
による切断を受け易くなるため、ストランドの形状を保
ちながら、セメントのゲルがストランド中へ浸透し、硬
化後のコンクリート中でもストランドの形状を維持しな
がら繊維間にコンクリートが存在する状態が好ましい。
この場合、繊維ストランド1束の本数(フィラメント
数)としては、特に限定しないが、30〜15000本
が好ましく、特に3000〜12000本が望ましい。
【0012】又、ストランドを形成する単繊維間の距離
が10μm以上が好ましく、特に20〜100μmが好
ましい。単繊維間の距離は、得られたコンクリートの繊
維長方向に垂直な面の断面において、 (1)顕微鏡で1ストランド当りの面積の平均値を求
め、ストランド中の繊維数で該面積を除して単繊維の占
有面積を求め、占有面積の平方根から繊維径を減じる。
即ち、
【0013】
【数1】(ストランド当りの面積/ストランド中の繊維
数)0.5 −繊維径
【0014】の計算式で求める方法。(なお、後述の実
施例、比較例においてはこの方法で求めた。) (2)SEM写真より直接、平均距離を求める方法。 等が挙げられる。炭素繊維の添加量は、適宜選択すれば
よい。0.1体積%以上が好ましく、特に0.5体積%
以上が良い。また、20体積%以下が好ましく、特に1
0体積%以下が良い。
【0015】このようなストランドにするためには、炭
素繊維に対して集束剤を用いることが好ましい。集束剤
として、粗骨材を入れたコンクリート中で分散させたと
きに、チョップドストランド状の炭素繊維が切断するこ
となく、ばらけ始める程度の集束剤、例えば硬化剤未添
加のエポキシエマルジョンや、ポリビニルアルコール系
として、未ケン化ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールが挙げ
られる。また、メチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等のセルロース誘導体、可溶性デンプン等のデン
プン誘導体も用いられる。
【0016】好ましい集束剤は硬化剤未添加のエポキシ
エマルジョンである。本発明で用いられるエポキシエマ
ルジョンとしては、以下のエポキシ化合物を界面活性剤
でエマルジョン化したものが使用できる。エポキシ化合
物とは、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、脂
環族型、レゾール型、アミノ型などのエポキシ化合物の
モノマー、低重合物が挙げられ、中でも、ビスフェノー
ルA型で分子量が470以下、あるいはノボラック型で
分子量が600以下のエポキシ化合物が好ましい。例え
ば、シェル化学社製「エピコート」(商品名)815、
827、828および834、CIBA−GEIGY
(チバ−ガイギー)社製「アラルダイト」(商品名)E
CN−1235等の市販品が使用できる。これらをエマ
ルジョン化する界面活性剤としては、ポリオキシメチレ
ンのヒマシ油エーテル、ノニルフェニルエーテル、スチ
レン化フェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアル
キルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテルおよびポリビニルアルコールなどの中から選ば
れた少なくとも1種類の界面活性剤が挙げられる。
【0017】添着の方法は、公知の方法でよい。一般に
は、水に集束剤を混入して所望の濃度にし、その溶液に
炭素繊維を長繊維のまま滑車を通じて含浸する。含浸後
の炭素繊維は100〜120℃で乾燥、切断する。繊維
への集束剤の添着量は、コンクリートの練り具合および
強度の面から言えば少ないほど良く、繊維の取扱い性が
問題にならない程度、繊維の品質が劣化しない程度およ
び環境衛生に悪影響を及ぼさない程度の量をつければ良
い。適した添着量は集束剤の種類によっても異なるが、
例えば、エポキシエマルジョンの場合、添着後に繊維を
乾燥させた重量増で測定して、繊維に対する重量%が5
重量%以下が好ましく、特に0.5〜2重量%が良い。
【0018】添着量が多すぎる場合は、炭素繊維の周り
にエポキシエマルジョン等の集束剤が多く存在し、炭素
繊維とマトリックスの結合が弱くなるため、逆に炭素繊
維強化コンクリートの強度は落ちやすい。また、繊維に
添着された集束剤がコンクリートマトリックス中の水分
を吸収してしまうため、炭素繊維強化コンクリートの流
動性悪化、充填性不良が生じる。添着量を適当な量にす
ると、コンクリート製造における分散時に、混練によっ
て炭素繊維ストランドの表面がわずかにばらけ始め、繊
維間にセメントが張り込むためストランドとコンクリー
トマトリックスとの付着面積が飛躍的に増大し、繊維の
補強効果が顕著に上昇するため、高強度かつ流動性・充
填性のあるコンクリートが得られる。
【0019】本発明の炭素繊維強化コンクリートに用い
る水は、セメントの硬化に必要な量、例えば、セメント
に対しての重量比(W/C)25〜70重量%、コンク
リート中で100〜350kg/m3 が好ましい。ま
た、高性能減水剤を使用する場合にはW/Cから25重
量%以下でも可能であるが、その場合でも通常は10重
量%以上である。
【0020】本発明の炭素繊維強化コンクリートは、減
水剤、分散剤、消泡剤、発泡剤等の混和剤も適宜混入で
きる。減水剤としてはオキシカルボン酸、トリアジン環
系高縮合物塩を主成分とする特殊界面活性剤、特殊スル
ホン基カルボキシル基含有多元ポリマー、アニオン型特
殊高分子活性剤、ナフタレンスルホン酸縮合物リグニン
スルホン酸誘導体等が挙げられる。添加量はセメントに
対して重量で1〜5重量%混入することが好ましい。
【0021】又、本発明においては、炭素繊維以外の補
強繊維を、目的に応じ加えてもよい。この時好適なもの
は、鋼繊維である。炭素繊維は軽量で、かつ補強効果が
高い反面、限界を超え、破断する場合には粘りがない。
従って、補強用に用いた場合には、限界は高いが、限界
を超えると瞬時に補強の効果が失なわれる。従って構造
体全体では、破壊強度以上の荷重を受けた際、粘りのな
いものとなりやすい。そこで、強度のピークを超えて
も、破断せず、塑性変形をしながら、ある程度の強度が
確保できる。鋼繊維を、添加することがより好ましい。
この場合の鋼繊維は特に限定されないが、添加量は、体
積%で炭素繊維以下であることが好ましい。
【0022】本発明のコンクリートの製造は、常法に従
い行うことができる。本発明のコンクリートを製造する
為に、セメント、粗骨材、細骨材、炭素繊維チョップド
ストランド、水およびその他の混和剤を分散、混練する
混合機としては、通常用いられる全ての混合機が使用で
きる。パドル型、プロペラ型、櫂型、タービン型、パン
型、リボン型、スクリュー型、ワーナ型、ニーダー型等
の攪拌翼を有する混合機の場合は、炭素繊維とセメント
等とを水を加えずにまず混合し、ついで水を加えて混練
する。または、炭素繊維以外の原料を水とともに練り、
普通コンクリートを製造した後に、炭素繊維を加えて再
び混練する方法が採り得る。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例、比較例で用いた炭素繊維チョップ
ドストランドの長さ以外の条件は表1に示す。表1中の
A−1〜A−1は三菱レイヨン(株)製のPAN系炭素
繊維「パイロフィル」(商標)TR−40;B,Cおよ
びEが、それぞれ東レ(株)製のPAN系炭素繊維「ト
レカ」(商標)の「T−300」、「T−700」およ
び「M40」;Dが、三菱化学(株)製ピッチ系炭素繊
維「ダイアリード」(商標)の「K661」である。各
炭素繊維のストランドに対して、硬化剤未添加のエポキ
シ化合物「エピコート」834(シェル化学社製)60
重量部と「エピコート」1004(シェル化学社製)4
0重量部とのエマルジョン溶液を集束剤として1.0重
量%を添着して用いた。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1−12、比較例1−4(建築用
途) 内容積70リットルの強制攪拌ミキサーに、セメントと
して早強ポルトランドセメント、粗骨材として砕石6号
(最大粒径15mm)、細骨材として秩父産砂岩細砂
を、それぞれ表2に示した重量割合となるように投入し
た。さらに炭素繊維チョップドストランドを、表2に示
す種類、繊維の平均長、および全体の体積分率(Vf)
で、加えて30秒間乾式混合した(比較例1は炭素繊維
を混合せず同様に混合)。次いで減水剤として「パリッ
クSA」(商品名、藤沢薬品(株)製、オキシカルボン
酸からなる)1重量部と水56重量部とを加えたもの
を、水/セメント(W/C)比56重量%となる量で乾
式混合物に加えて、90秒混練し、炭素短繊維ストラン
ドが充分分散した混合物を得て、20℃、60RT%の
状態で、4週間養生(硬化)して炭素繊維強化コンクリ
ートを製造した。得られたコンクリートの曲げ試験をJ
IS A 1106に準じて、載荷速度は2mm/mi
n、試験対数はn=6で行った。測定された曲げ強度
を、硬化前のセメント混合物のスランプ値、硬化後のコ
ンクリートの空気量等と共にまとめて表2に示す。な
お、コンクリートでのストランド単位中での炭素繊維間
の距離は、いずれも30〜40μmであった。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例13,14、比較例5(土木用途) 内容積70リットルの強制攪拌ミキサーに、セメントと
して早強ポルトランドセメント、粗骨材として砕石4号
(最大粒径30mm)又は砕石3号(最大粒径40m
m)、細骨材として秩父産砂岩細砂を後記表3に示す重
量割合となるよう投入し、さらに表1のA−1の種類の
炭素繊維(12000本/ストランド)を40mmのチ
ョップドストランドに切断したものを、全体の体積分率
で1.0%加え(比較例5では加えず)、30秒乾式混
合し、つぎに減水剤「パリックSA」1重量部を水に加
え57重量部にしたものを乾式混合物に加えて、90秒
混練して、短繊維ストランドが充分分散した混合物を得
ることにより、20℃、60RT%の状態で、4週間養
生(硬化)して、炭素繊維強化コンクリートを製造し
た。
【0029】得られたコンクリートの曲げ試験をJIS
A 1106に準じて載荷速度は2mm/min、試
験対数はn=6で行った。結果を表3にまとめて示す。
なお、得られた各コンクリートにおけるストランド単位
中での炭素繊維間の距離は30〜40μmであった。
【0030】
【表4】
【0031】実施例15 早強ポルトランドセメントのセメント量585kg/m
3 、水セメント比(W/C)が35%、細骨材率70%
(粗骨材は砕石6号、最大粒径15mm、細骨材は秩父
産砂岩細砂)、シリカヒューム(エルケム社 940
U)が65kg/m3 、混和剤(竹本油脂“チューポー
ルHP11”)が2.2部、炭素繊維(A−1)のVf
が0.75%の調合で、2軸型ミキサー(55リット
ル)を使用した。まず、粗骨材と細骨材を30秒乾式混
合し、次にセメントとシリカヒュームを投入し乾式混合
した。さらに水と混和剤の混合液を投入し、150秒湿
式混合し、最後に炭素繊維(A−1)40mmのチョッ
プドストランドを加え、60秒湿式混合した。
【0032】この混練物を型枠に流し込み、65℃で3
時間蒸気養生を行い、16時間後脱型する。強度試験体
の養生は20℃、60RT%の状態で行い、1週間養生
後、圧縮試験をJIS A 1108に準じて行った。
結果の1例を図1に示す。又、曲げ試験をJIS A
1106に準じて行った。なお、載荷速度は2mm/m
in、試験対数はn=6で行った。結果を表5に示す。
【0033】比較例6 早強ポルトランドセメントのセメント量585kg/m
3 、水セメント比(W/C)が35%、細骨材率70%
(粗骨材は最大粒径15mm、細骨材は秩父産砂岩細
砂)、混和剤(竹本油脂“チューポールHP11”)が
2.2部の調合で、2軸型ミキサー(55リットル)を
使用する。まず、粗骨材と細骨材を30秒乾式混合し、
次にセメントとシリカヒュームを投入し乾式混合する。
次に水と混和剤の混合液を投入し、150秒湿式混合
し、150秒湿式混合する。
【0034】この混練物を型枠に流し込み、65℃で3
時間蒸気養生を行い、16時間後脱型する。強度試験体
の養生は20℃、60RT%の状態で行い、1週間養生
後、圧縮試験をJIS A 1108に準じて行った。
結果を図1に示す。又、曲げ試験をJIS A 110
6に準じて行った。なお、載荷速度は2mm/min、
試験対数はn=6で行った。結果を表5に示す。
【0035】比較例7 炭素繊維のかわりに、鋼繊維(神鋼ファイバードマエー
ス)、平均長さ50mmにした以外は実施例15と同様
の実験を行った。結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】本発明による炭素繊維強化コンクリート
は、コンクリートへの混入によっても炭素繊維が損傷を
受けておらず、極めて機械強度が高く、特に初期ひび割
れ発生時の荷重が極めて高いものである。従って、該コ
ンクリートは道路補償等の土木分野、外壁材等の建設分
野等に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素繊維強化コンクリートと、鋼繊維
補強コンクリート、補強なしのコンクリートの応力−ひ
ずみ曲線の1例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:38) 111:20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、粗骨材、細骨材、炭素繊維お
    よび水を含有する炭素繊維強化コンクリートにおいて、
    該炭素繊維が粗骨材の最大寸法以上の平均長さを有し、
    かつ引張強度300kgf/mm2 以上であることを特
    徴とする炭素繊維強化コンクリート。
  2. 【請求項2】 該炭素繊維が、繊維に対して5重量%以
    下の集束剤を添着してなる請求項1記載の炭素繊維強化
    コンクリート。
  3. 【請求項3】 該集束剤が、エポキシエマルジョンであ
    る請求項2記載の炭素繊維強化コンクリート。
  4. 【請求項4】 該炭素繊維が伸度1%以上である請求項
    1乃至3のいずれか記載の炭素繊維強化コンクリート。
  5. 【請求項5】 該炭素繊維が引張弾性率25tonf/
    mm2 以下である請求項1乃至4のいずれか記載の炭素
    繊維強化コンクリート。
  6. 【請求項6】 該炭素繊維の平均長さが粗骨材の最大寸
    法の2倍以上かつ30mm以上である請求項1乃至5の
    いずれか記載の炭素繊維強化コンクリート。
  7. 【請求項7】 該炭素繊維の含有量が0.1〜20体積
    %である請求項1乃至6のいずれか記載の炭素繊維強化
    コンクリート。
  8. 【請求項8】 該炭素繊維の含有量以下の鋼繊維を添加
    した請求項1乃至7のいずれか記載の炭素繊維強化コン
    クリート。
  9. 【請求項9】 粗骨材の最大寸法以上の平均長さを有
    し、かつ、引張強度300kgf/mm2 以上の炭素繊
    維から形成された炭素繊維チョップドストランド、セメ
    ント、粗骨材、細骨材および水を加えた混合物を分散後
    に硬化させることを特徴とする炭素繊維強化コンクリー
    トの製造方法。
JP31082695A 1994-12-19 1995-11-29 炭素繊維強化コンクリートおよびその製造方法 Pending JPH08225357A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005042431A1 (en) * 2003-11-03 2005-05-12 Pine Tex Co., Ltd Frc comprising fiber coated with thermoset resin
JP2007205163A (ja) * 2007-05-18 2007-08-16 Kajima Corp トンネル構造およびトンネルの構築方法

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