JP2004010387A - 水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で、機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性が良好で、強度と、衝撃性及び耐摩耗性に優れた、水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体であり、前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなる。好適には、前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良剤を含有する。前記水硬性組成物を、成形した後に、養生・硬化させることにより、本発明の機械部品を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体であり、前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなる。好適には、前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良剤を含有する。前記水硬性組成物を、成形した後に、養生・硬化させることにより、本発明の機械部品を得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法に関し、特に優れた機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性を有し、強度と耐衝撃性に優れた、水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属材料はその優れた様々な材料特性を利用して、種々の機械部品を構成するものとして用いられている。一方、近年は、機械部品に対する要求が多様化し、金属材料の欠点を補完するようなセラミックス、プラスチック等の非金属材料を用いた機械部品も多く市場化されている。
【0003】
しかし、これら従来の材料では、多様化する機械部品に要求されるニーズを満足することはできず、新たな特性を有する機械部品に適用できる材料が求められている。
【0004】
このような要望に応えるものとして、高強度硬化体にすることにより機械加工性に優れたものとする水硬性組成物に関する先行技術が開示されている。例えば、特開昭61−215239は、セメント質物質と超微粉、高性能減水剤、水及び骨材とを主成分とする組成物より超高強度モルタル、コンクリートを得るものであり、また特開昭62−52157、特開昭62−207752は前記セメント物質を含む配合物に、さらに金属粒子を含有させて、高強度硬化体を得るものである。
【0005】
しかし、前記組成物では、高圧縮強度を達成できても、セメント系硬化体の脆性の改良にはなっていない。また繊維を配合した場合には、繊維が切削の抵抗となる為、機械部品としての切削性を阻害するものと思われる。
【0006】
また機械加工性に限らずセメント質物質とポリマー複合体の成形体を製造する先行技術としては、特開平3−137047に、主として木材代替を目的として石灰質原料、珪酸質原料、繊維及び耐熱性樹脂エマルジョンとの配合物をオートクレーブ養生し、高強度の珪酸カルシウム成形体を製造する方法が開示されているが、繊維配合のため、機械部品としての切削性には欠けるものと思料される。
【0007】
以上の通り、従来技術には機械部品への適用を目的として、セメント系硬化体の脆性を改良し、切削性、研削性をはじめとする加工性全体を改良した水硬性組成物は認められない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量で、機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性が良好で、強度と、衝撃性及び耐摩耗性に優れた、水硬性組成物からなる機械部品を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、上記水硬性組成物からなる機械部品を、効率よく簡易にかつ経済的に製造できる、水硬性組成物からなる機械部品の製造方法を提供することである。
【0010】
ここで、機械部品とは、一般機械のみならず、電気機器や電子機器等の機器全般に利用される部品を意味するものとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする。
好適には、上記機械部品において、上記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなることを特徴とし、更に好適には、前記水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%からなることを特徴とする。
【0012】
また、好適には本発明の機械部品において、上記水硬性粉体と非水硬性粉体とのほかに、更に加工性改良材を含有する水硬性組成物からなることを特徴とする。
【0013】
好適には、前記加工性改良材は、上記水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体100重量部に対して0〜30重量部の割合で配合されることを特徴とする。
【0014】
本発明の機械部品の製造方法は、上記水硬性組成物を成形した後に、養生・硬化することにより得るることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の好適例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体である。
本発明の機械部品に用いられる前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなる。
【0016】
好適には、本発明の機械部品に用いる水硬性組成物は、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる無機粉体であり、その配合割合は好ましくは水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%、より好ましくは水硬性粉体45〜80重量%及び非水硬性粉体20〜55重量%である。
【0017】
(1)水硬性組成物
(1−1)水硬性粉体
上記水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が含まれる。
【0018】
前記水硬性粉体は、成形時の可使時間ならびに得られる成形体の強度の点から平均粒径10〜40μm程度のものが好ましく、また、成形体の高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上であることが好ましい。
【0019】
(1−2)非水硬性粉体
また、前記非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化することがない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む意である。非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が好ましい。
【0020】
これらの非水硬性粉体の平均粒径は、好ましくは水硬性粉体の平均粒径より1桁以上小さく、より好ましくは2桁以上小さいものが、水硬性粉体の間隙を充填し、得られる成形体が緻密かつ高強度となる点から好ましいが、細かさの下限は特に限定されず、本発明の効果を害することがなければ特に制限されることはないが、通常、水硬性粉体の平均流粒径の1/500程度以上であることが成形性の点から好ましい。
このような粒径の非水硬性粉体を用いることによって、得られる機械部品の寸法安定性を向上させることができる。
【0021】
前記水硬性粉体と前記非水硬性粉体との配合割合は、前記水硬性粉体が20〜100重量%で前記非水硬性粉体が0〜80重量%であり、好適には前記水硬性粉体が45〜80重量%で前記非水硬性粉体が20〜55重量%である。
非水硬性粉体の配合量が80重量%を超えると、水硬性粉体の量が減少することにより、得られる機械部品の所定の強度を発揮できなくなり、機械加工時の欠けの発生、寸法安定性に悪影響が及ぶことがある。
【0022】
また好適には、本発明の機械部品に用いられる前記水硬性組成物は、上記水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良材を含有する。
(1−3)加工性改良剤
本発明の加工性改良材とは、水硬性組成物から形成される成形体の成形性、脱型性、切削・研削性・研削精度等の向上に寄与する材料である。
【0023】
この様な加工性改良剤を含む水硬性組成物を用いると、加圧成形時に、加工性改良剤が成形助剤としての機能を発揮することによって成形性が向上し、また、加工性改良剤により、もろさが改良され、得られる成形体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、作業性の向上につながる。また、脆性材料である水硬性組成物から得られる成形体は、切削の際に亀裂型メカニズムの切削状態を呈し、材料の割れ、欠け等が問題となるが、加工性改良剤を配合することによって、得られる成形体に固体材料としての機械加工性を促すための靱性が付与され、成形体の割れ、欠け等を防止することができる。
【0024】
このため、従来切削加工・研削加工等の機械加工が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工性を金属材料と同レベルまで改良することが可能となり、旋盤等による切削加工、円筒研削機による研削加工を金属材料と同程度に行うことができ、所望の寸法に対してμmオーダーの精密な加工が可能となる。
【0025】
このような加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂およびエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを例示できる。
【0026】
加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び下記成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、乾ベースで0〜30重量部であり、特に3〜15重量部とすることが好ましい。
【0027】
かかる配合量が、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して15重量部を超える場合には、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性が低下する。
また粒度は分散した単一粒子径で1μm以下のものが一般的である。
【0028】
(1−4)成形改良剤
本発明の機械部品に用いる上記水硬性組成物中には、更に成形改良剤を含むことができる。
当該成形性改良材は、機械部品を得るために、水硬性組成物を成形する際に、押出し成形を利用する場合には、ダイスと成形体との滑り性を向上させ、さらに品質を安定化させる作用を有する材料である。
【0029】
かかる成形改良剤としては、例えばタルク(含水珪酸マグネシウム)、マイカ等の無機質板状物質が使用できる。この無機質板状物質は配向性に優れ、成形体表面に滑り性を付与し、ダイスとの抵抗が低減されることにより品質の安定化が図れる。
【0030】
成形改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体の組成比率で10〜30重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。成形改良剤の配合量上記範囲よりが少なすぎる場合には、成形体の滑り性が低下して、成形型枠との抵抗が増大し、成形精度が低下する。一方、配合量が上記範囲より多くなる場合には、成形品の異方性が大きくなり、機械的強度、寸法安定性等に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0031】
(1−5)増粘剤
また、本発明の機械部品に用いられる水硬性組成物には、増粘剤が含有されることも、必要に応じて生じる。
本発明に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
かかる増粘剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び必要に応じて添加される成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、0.5〜5重量部とすることが好ましく、3〜4重量部とすることがより好ましい。
【0032】
増粘剤の配合量が少なすぎる場合には、押出成形機械部品の端部のひび割れ、表面の平滑性等の成形性に悪影響を及ぼし、また多すぎると、硬化後の収縮量の増大等の機械部品の寸法安定性を低下させやすく、好ましくない。
【0033】
かかる増粘剤は押出し成形に使用され、水に溶解することによって粘着性を発現する機能を有し、水硬性粉体、非水硬性粉体の粒子間の結合力を高め、成形後の成形体の形状維持、保水性の確保、密実な硬化体形成に有効な成分である。
【0034】
(1−6)その他の添加物
本発明の機械部品に用いる水硬性組成物は、上記成分に加えて、増量材として珪砂等の骨材を水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対し10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部の割合で加えることができる。また、成形性をさらに改善するために、公知のセラミック成形助剤を、上記混合粉体100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の割合で加えることもできる。さらに、材料の硬化時に収縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤を、上記混合粉体100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部の割合で加えることもできる。
【0035】
(2)機械部品の製造
上記した水硬性組成物を用いて機械部品を製造するには、まず、上記各成分に必要に応じて水を加えて混合し、これを押出し成形する。
【0036】
水の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び成形性改良剤の合計量100重量部に対して、10〜30重量部程度とすることが適当であり、20〜25重量部程度とすることが好ましい。水の配合量が少なすぎる場合には、成形が困難となり、成形体の表面にひび割れ等が発生しやすく、成形、硬化後の成形体である機械部品の機械的物性も低下し易いので好ましくない。一方、水の配合量が多すぎると、成形時に形状を維持することが困難となり、また、成形硬化後の機械部品の収縮が生じ易く、寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0037】
混合方法については、特に限定はなく、水硬性組成物の各成分を均一に混合できればよいが、水硬性粉体と非水硬性粉体を含む組成物を均一に混合するためには、強力な剪断力を加えることができる混合方法を採用することが好ましく、例えば、ニーダー等を用いて混練する。この様な剪断力の高い混合機を用いて混合することによって、混合に要する時間を短縮することができる。
【0038】
更に、成形時の混合物のハンドリングを良好にするために、混合後、成形する形状に適した大きさに造粒しても良い。造粒方法としては、転動造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法等の公知の方法を採用すればよい。
【0039】
前述した特定の配合の水硬性組成物は、優れた押出成形性を有するものであり、常法に従って押出成形を行うことによって、容易に所定の形状の成形体とすることができる。
【0040】
例えば、押出成形法の一例として、ニーダーで混合・混練した材料を押出機に投入し、真空ポンプで材料を脱気しながら、押出圧力30kg/cm2から100kg/cm2で押出成形すればよい。
【0041】
次いで、十分な強度を有する硬化体である機械部品となるまで、養生して、硬化させて、機械部品を得る。養生方法としては、そのまま室温中に放置しても良く、或いは、蒸気養生等を行っても良いが、特に、オートクレーブ中で養生することが好ましい。また、硬化体である機械部品を形成するための水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生を行うことが好ましい。
【0042】
オートクレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/cm2以上、165℃以上で行うことが好ましく、飽和蒸気圧9.10kg/cm2以上で行うことがより好ましい。養生時間は養生温度によって異なるが、例えば175℃で養生する場合には、通常5〜10時間程度養生すればよい。なお、加圧成形後、オートクレーブ養生開始前に圧縮強度で5N/mm2程度以上となっていることが好ましい。オートクレーブ養生開始までに十分な強度が発現していない場合には、オートクレーブ養生時に成形体の爆裂等が発生する可能性があるので好ましくない。
【0043】
また、蒸気養生は、例えば、60℃程度の温度で10〜24時間程度行えばよい。
【0044】
このようにして得られた成形体からなる機械部品は、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等のプラテンロール、給紙ロール、排紙ロール、クリーニングロール等のローラ部品、クランクシャフト、プーリー、ベルト車、滑車等の動力や運動伝達部品等がある。
【0045】
【実施例】
本発明を、次の実施例、比較例及び試験例に基づき説明する。
<実施例>
表1に示す配合割合に従って、水硬性粉体としてポルトランドセメント(平均粒径20μm、商品名:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製)、非水硬性粉体としてシリカヒューム(平均粒径0.2μm、商品名:シリカフューム、SKW株式会社製)、成形改良剤としてタルク(商品名;クラウンタルク、松村産業株式会社製)、加工性改良剤としてアクリル樹脂(商品名;ポリトロン、旭化成株式会社製)、増粘剤としてヒドロキシエチルメチルセルロース(商品名;マーポローズ、松本油脂株式会社製)及び水(水道水)をニーダー混練機(商品名:ラボブラストミル、東洋精機製作所株式会社製)にて均一に混合して、水硬性組成物を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
次に、水硬性組成物を、押出成形機により真空ポンプを用いて脱気しながら圧力100kg/cm3で押出し成形し、φ155×30mmの未硬化成形体を成形した。得られた未硬化成形体をオートクレーブ養生養生(条件;飽和蒸気圧 9.1kg/cm2、 175℃、10時間)して、硬化成形体を得、かかる硬化成形体を機械加工(旋削及びフライス)により、Vプーリー成形体(呼び径 150、M形、1本掛け、JIS B1854に準拠)を製造した。
【0048】
<比較例>
市販の鋳鉄製Vプーリー(呼び径 150、M形、1本掛け、JISB1854に準拠)を、比較例として用いた。
【0049】
<試験例>
上記実施例及び比較例のVプーリーを以下の試験に供して、その結果を表2に示す。
1)慣性モーメント
慣性モーメント(kgcm2)
慣性モーメント=Σmr2もしくは∫r2dm
(m:部分質量 r:回転中心からの距離)
2)比較(%)
上記比較例のVプーリーを基準として、実施例で得られたVプーリーの慣性モーメントの減少率を数値で表したものである。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物からなる機械部品は、軽量で、機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性が良好で、強度と、衝撃性及び耐摩耗性に優れた、新規な機械部品とすることができ、多様化しているニーズに十分応えられるものである。
【0052】
また、本発明の水硬性組成物からなる機械部品の製造方法は、上記新規な機械部品を、安価にかつ大量に、簡便な方法で提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法に関し、特に優れた機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性を有し、強度と耐衝撃性に優れた、水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属材料はその優れた様々な材料特性を利用して、種々の機械部品を構成するものとして用いられている。一方、近年は、機械部品に対する要求が多様化し、金属材料の欠点を補完するようなセラミックス、プラスチック等の非金属材料を用いた機械部品も多く市場化されている。
【0003】
しかし、これら従来の材料では、多様化する機械部品に要求されるニーズを満足することはできず、新たな特性を有する機械部品に適用できる材料が求められている。
【0004】
このような要望に応えるものとして、高強度硬化体にすることにより機械加工性に優れたものとする水硬性組成物に関する先行技術が開示されている。例えば、特開昭61−215239は、セメント質物質と超微粉、高性能減水剤、水及び骨材とを主成分とする組成物より超高強度モルタル、コンクリートを得るものであり、また特開昭62−52157、特開昭62−207752は前記セメント物質を含む配合物に、さらに金属粒子を含有させて、高強度硬化体を得るものである。
【0005】
しかし、前記組成物では、高圧縮強度を達成できても、セメント系硬化体の脆性の改良にはなっていない。また繊維を配合した場合には、繊維が切削の抵抗となる為、機械部品としての切削性を阻害するものと思われる。
【0006】
また機械加工性に限らずセメント質物質とポリマー複合体の成形体を製造する先行技術としては、特開平3−137047に、主として木材代替を目的として石灰質原料、珪酸質原料、繊維及び耐熱性樹脂エマルジョンとの配合物をオートクレーブ養生し、高強度の珪酸カルシウム成形体を製造する方法が開示されているが、繊維配合のため、機械部品としての切削性には欠けるものと思料される。
【0007】
以上の通り、従来技術には機械部品への適用を目的として、セメント系硬化体の脆性を改良し、切削性、研削性をはじめとする加工性全体を改良した水硬性組成物は認められない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量で、機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性が良好で、強度と、衝撃性及び耐摩耗性に優れた、水硬性組成物からなる機械部品を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、上記水硬性組成物からなる機械部品を、効率よく簡易にかつ経済的に製造できる、水硬性組成物からなる機械部品の製造方法を提供することである。
【0010】
ここで、機械部品とは、一般機械のみならず、電気機器や電子機器等の機器全般に利用される部品を意味するものとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする。
好適には、上記機械部品において、上記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなることを特徴とし、更に好適には、前記水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%からなることを特徴とする。
【0012】
また、好適には本発明の機械部品において、上記水硬性粉体と非水硬性粉体とのほかに、更に加工性改良材を含有する水硬性組成物からなることを特徴とする。
【0013】
好適には、前記加工性改良材は、上記水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体100重量部に対して0〜30重量部の割合で配合されることを特徴とする。
【0014】
本発明の機械部品の製造方法は、上記水硬性組成物を成形した後に、養生・硬化することにより得るることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の好適例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の機械部品は、水硬性組成物からなる成形体である。
本発明の機械部品に用いられる前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなる。
【0016】
好適には、本発明の機械部品に用いる水硬性組成物は、水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる無機粉体であり、その配合割合は好ましくは水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%、より好ましくは水硬性粉体45〜80重量%及び非水硬性粉体20〜55重量%である。
【0017】
(1)水硬性組成物
(1−1)水硬性粉体
上記水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が含まれる。
【0018】
前記水硬性粉体は、成形時の可使時間ならびに得られる成形体の強度の点から平均粒径10〜40μm程度のものが好ましく、また、成形体の高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上であることが好ましい。
【0019】
(1−2)非水硬性粉体
また、前記非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化することがない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む意である。非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が好ましい。
【0020】
これらの非水硬性粉体の平均粒径は、好ましくは水硬性粉体の平均粒径より1桁以上小さく、より好ましくは2桁以上小さいものが、水硬性粉体の間隙を充填し、得られる成形体が緻密かつ高強度となる点から好ましいが、細かさの下限は特に限定されず、本発明の効果を害することがなければ特に制限されることはないが、通常、水硬性粉体の平均流粒径の1/500程度以上であることが成形性の点から好ましい。
このような粒径の非水硬性粉体を用いることによって、得られる機械部品の寸法安定性を向上させることができる。
【0021】
前記水硬性粉体と前記非水硬性粉体との配合割合は、前記水硬性粉体が20〜100重量%で前記非水硬性粉体が0〜80重量%であり、好適には前記水硬性粉体が45〜80重量%で前記非水硬性粉体が20〜55重量%である。
非水硬性粉体の配合量が80重量%を超えると、水硬性粉体の量が減少することにより、得られる機械部品の所定の強度を発揮できなくなり、機械加工時の欠けの発生、寸法安定性に悪影響が及ぶことがある。
【0022】
また好適には、本発明の機械部品に用いられる前記水硬性組成物は、上記水硬性粉体及び非水硬性粉体の他に、加工性改良材を含有する。
(1−3)加工性改良剤
本発明の加工性改良材とは、水硬性組成物から形成される成形体の成形性、脱型性、切削・研削性・研削精度等の向上に寄与する材料である。
【0023】
この様な加工性改良剤を含む水硬性組成物を用いると、加圧成形時に、加工性改良剤が成形助剤としての機能を発揮することによって成形性が向上し、また、加工性改良剤により、もろさが改良され、得られる成形体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、作業性の向上につながる。また、脆性材料である水硬性組成物から得られる成形体は、切削の際に亀裂型メカニズムの切削状態を呈し、材料の割れ、欠け等が問題となるが、加工性改良剤を配合することによって、得られる成形体に固体材料としての機械加工性を促すための靱性が付与され、成形体の割れ、欠け等を防止することができる。
【0024】
このため、従来切削加工・研削加工等の機械加工が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工性を金属材料と同レベルまで改良することが可能となり、旋盤等による切削加工、円筒研削機による研削加工を金属材料と同程度に行うことができ、所望の寸法に対してμmオーダーの精密な加工が可能となる。
【0025】
このような加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂およびエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを例示できる。
【0026】
加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び下記成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、乾ベースで0〜30重量部であり、特に3〜15重量部とすることが好ましい。
【0027】
かかる配合量が、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して15重量部を超える場合には、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性が低下する。
また粒度は分散した単一粒子径で1μm以下のものが一般的である。
【0028】
(1−4)成形改良剤
本発明の機械部品に用いる上記水硬性組成物中には、更に成形改良剤を含むことができる。
当該成形性改良材は、機械部品を得るために、水硬性組成物を成形する際に、押出し成形を利用する場合には、ダイスと成形体との滑り性を向上させ、さらに品質を安定化させる作用を有する材料である。
【0029】
かかる成形改良剤としては、例えばタルク(含水珪酸マグネシウム)、マイカ等の無機質板状物質が使用できる。この無機質板状物質は配向性に優れ、成形体表面に滑り性を付与し、ダイスとの抵抗が低減されることにより品質の安定化が図れる。
【0030】
成形改良剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体および成形改良剤からなる混合粉体の組成比率で10〜30重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。成形改良剤の配合量上記範囲よりが少なすぎる場合には、成形体の滑り性が低下して、成形型枠との抵抗が増大し、成形精度が低下する。一方、配合量が上記範囲より多くなる場合には、成形品の異方性が大きくなり、機械的強度、寸法安定性等に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0031】
(1−5)増粘剤
また、本発明の機械部品に用いられる水硬性組成物には、増粘剤が含有されることも、必要に応じて生じる。
本発明に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
かかる増粘剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び必要に応じて添加される成形改良剤からなる混合粉体100重量部に対して、0.5〜5重量部とすることが好ましく、3〜4重量部とすることがより好ましい。
【0032】
増粘剤の配合量が少なすぎる場合には、押出成形機械部品の端部のひび割れ、表面の平滑性等の成形性に悪影響を及ぼし、また多すぎると、硬化後の収縮量の増大等の機械部品の寸法安定性を低下させやすく、好ましくない。
【0033】
かかる増粘剤は押出し成形に使用され、水に溶解することによって粘着性を発現する機能を有し、水硬性粉体、非水硬性粉体の粒子間の結合力を高め、成形後の成形体の形状維持、保水性の確保、密実な硬化体形成に有効な成分である。
【0034】
(1−6)その他の添加物
本発明の機械部品に用いる水硬性組成物は、上記成分に加えて、増量材として珪砂等の骨材を水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対し10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部の割合で加えることができる。また、成形性をさらに改善するために、公知のセラミック成形助剤を、上記混合粉体100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の割合で加えることもできる。さらに、材料の硬化時に収縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤を、上記混合粉体100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部の割合で加えることもできる。
【0035】
(2)機械部品の製造
上記した水硬性組成物を用いて機械部品を製造するには、まず、上記各成分に必要に応じて水を加えて混合し、これを押出し成形する。
【0036】
水の配合量は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び成形性改良剤の合計量100重量部に対して、10〜30重量部程度とすることが適当であり、20〜25重量部程度とすることが好ましい。水の配合量が少なすぎる場合には、成形が困難となり、成形体の表面にひび割れ等が発生しやすく、成形、硬化後の成形体である機械部品の機械的物性も低下し易いので好ましくない。一方、水の配合量が多すぎると、成形時に形状を維持することが困難となり、また、成形硬化後の機械部品の収縮が生じ易く、寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0037】
混合方法については、特に限定はなく、水硬性組成物の各成分を均一に混合できればよいが、水硬性粉体と非水硬性粉体を含む組成物を均一に混合するためには、強力な剪断力を加えることができる混合方法を採用することが好ましく、例えば、ニーダー等を用いて混練する。この様な剪断力の高い混合機を用いて混合することによって、混合に要する時間を短縮することができる。
【0038】
更に、成形時の混合物のハンドリングを良好にするために、混合後、成形する形状に適した大きさに造粒しても良い。造粒方法としては、転動造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法等の公知の方法を採用すればよい。
【0039】
前述した特定の配合の水硬性組成物は、優れた押出成形性を有するものであり、常法に従って押出成形を行うことによって、容易に所定の形状の成形体とすることができる。
【0040】
例えば、押出成形法の一例として、ニーダーで混合・混練した材料を押出機に投入し、真空ポンプで材料を脱気しながら、押出圧力30kg/cm2から100kg/cm2で押出成形すればよい。
【0041】
次いで、十分な強度を有する硬化体である機械部品となるまで、養生して、硬化させて、機械部品を得る。養生方法としては、そのまま室温中に放置しても良く、或いは、蒸気養生等を行っても良いが、特に、オートクレーブ中で養生することが好ましい。また、硬化体である機械部品を形成するための水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生を行うことが好ましい。
【0042】
オートクレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/cm2以上、165℃以上で行うことが好ましく、飽和蒸気圧9.10kg/cm2以上で行うことがより好ましい。養生時間は養生温度によって異なるが、例えば175℃で養生する場合には、通常5〜10時間程度養生すればよい。なお、加圧成形後、オートクレーブ養生開始前に圧縮強度で5N/mm2程度以上となっていることが好ましい。オートクレーブ養生開始までに十分な強度が発現していない場合には、オートクレーブ養生時に成形体の爆裂等が発生する可能性があるので好ましくない。
【0043】
また、蒸気養生は、例えば、60℃程度の温度で10〜24時間程度行えばよい。
【0044】
このようにして得られた成形体からなる機械部品は、プリンタ、複写機、印刷機関連機器等のプラテンロール、給紙ロール、排紙ロール、クリーニングロール等のローラ部品、クランクシャフト、プーリー、ベルト車、滑車等の動力や運動伝達部品等がある。
【0045】
【実施例】
本発明を、次の実施例、比較例及び試験例に基づき説明する。
<実施例>
表1に示す配合割合に従って、水硬性粉体としてポルトランドセメント(平均粒径20μm、商品名:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製)、非水硬性粉体としてシリカヒューム(平均粒径0.2μm、商品名:シリカフューム、SKW株式会社製)、成形改良剤としてタルク(商品名;クラウンタルク、松村産業株式会社製)、加工性改良剤としてアクリル樹脂(商品名;ポリトロン、旭化成株式会社製)、増粘剤としてヒドロキシエチルメチルセルロース(商品名;マーポローズ、松本油脂株式会社製)及び水(水道水)をニーダー混練機(商品名:ラボブラストミル、東洋精機製作所株式会社製)にて均一に混合して、水硬性組成物を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
次に、水硬性組成物を、押出成形機により真空ポンプを用いて脱気しながら圧力100kg/cm3で押出し成形し、φ155×30mmの未硬化成形体を成形した。得られた未硬化成形体をオートクレーブ養生養生(条件;飽和蒸気圧 9.1kg/cm2、 175℃、10時間)して、硬化成形体を得、かかる硬化成形体を機械加工(旋削及びフライス)により、Vプーリー成形体(呼び径 150、M形、1本掛け、JIS B1854に準拠)を製造した。
【0048】
<比較例>
市販の鋳鉄製Vプーリー(呼び径 150、M形、1本掛け、JISB1854に準拠)を、比較例として用いた。
【0049】
<試験例>
上記実施例及び比較例のVプーリーを以下の試験に供して、その結果を表2に示す。
1)慣性モーメント
慣性モーメント(kgcm2)
慣性モーメント=Σmr2もしくは∫r2dm
(m:部分質量 r:回転中心からの距離)
2)比較(%)
上記比較例のVプーリーを基準として、実施例で得られたVプーリーの慣性モーメントの減少率を数値で表したものである。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物からなる機械部品は、軽量で、機械的特性、耐熱性、寸法安定性、加工性が良好で、強度と、衝撃性及び耐摩耗性に優れた、新規な機械部品とすることができ、多様化しているニーズに十分応えられるものである。
【0052】
また、本発明の水硬性組成物からなる機械部品の製造方法は、上記新規な機械部品を、安価にかつ大量に、簡便な方法で提供することができる。
Claims (6)
- 水硬性組成物からなる成形体であることを特徴とする機械部品。
- 請求項1記載の機械部品において、前記水硬性組成物は、水硬性粉体及び非水硬性粉体からなることを特徴とする機械部品。
- 請求項2記載の機械部品において、前記水硬性組成物は、水硬性粉体20〜100重量%及び非水硬性粉体0〜80重量%からなることを特徴とする機械部品。
- 請求項1記載の機械部品において、前記水硬性組成物は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び加工性改良剤を含有することを特徴とする機械部品。
- 請求項4記載の機械部品において、前記加工性改良材は、上記水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体100重量部に対して0〜30重量部の割合で配合されることを特徴とする機械部品。
- 水硬性組成物からなる機械部品の製造方法において、水硬性組成物を成形した後に、養生・硬化させることにより製造することを特徴とする機械部品の製造方法。
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JP2002163548A JP2004010387A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 水硬性組成物からなる機械部品及びその製造方法 |
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TWI395393B (zh) * | 2005-08-31 | 2013-05-01 | Thk Co Ltd | Rod type linear motor |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002163548A patent/JP2004010387A/ja active Pending
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