JP2002080139A - 紙送りローラおよびその製造方法 - Google Patents

紙送りローラおよびその製造方法

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JP2002080139A
JP2002080139A JP2000269183A JP2000269183A JP2002080139A JP 2002080139 A JP2002080139 A JP 2002080139A JP 2000269183 A JP2000269183 A JP 2000269183A JP 2000269183 A JP2000269183 A JP 2000269183A JP 2002080139 A JP2002080139 A JP 2002080139A
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JP
Japan
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weight
powder
paper feed
hydraulic
feed roller
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Application number
JP2000269183A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ozawa
聡 小澤
Shuji Matsumura
周治 松村
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I & P Kk
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
I & P Kk
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、安価、高寸法精度を有し、さ
らにローラ表面の摩擦係数の高い紙送りローラを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 回転軸2と、回転軸2の外周に一体
化された水硬性組成物からなる円筒状ローラ5とを有す
る。円筒状ローラ5の外周面に、硬質体4が分散された
塗装膜5が形成され、硬質体4の一部が塗装膜5表面か
ら突出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、ファ
クシミリ、コピー機等において紙を正確に移送させるの
に用いる紙送りローラに関し、より詳細には水硬性組成
物によって形成される紙送りローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンター、ファクシミリ、コピ
ー機等に用いられる紙送りローラとして金属ローラ、ゴ
ムローラ等が用いられてきた。金属ローラはローラ部を
構成する中空金属製円筒体の両端部に軸部を取付けた端
面板を溶接によって取付け、この両端部に取りつけられ
た軸部によって回転軸が形成されるが、中空金属製円筒
体と回転軸との同心円状態を確保するのが非常に難しい
という問題があった。また、軽量化を図るべくローラ部
を硬質ゴムで構成した紙送りローラもあるが、ローラ部
の熱膨張が大きく、紙送り動作に誤差が生じ易いという
欠点があった。
【0003】上記問題点を改良すべく、水硬性組成物を
養生・硬化させて回転軸外周上に固定させた水硬性組成
物ローラが開発されている。この切削加工性の良い水硬
性組成物を用いることで、ローラと回転軸との同心円状
態は確保されるとともに、形状安定性に優れ、寸法精度
の高い紙送りローラが提供される。
【0004】しかし、近年の印刷機器の高精度化に伴
い、紙送りローラの紙送り精度に対する要求が高くなっ
てきている。特にカラーインクジェットプリンタ等にお
いては、写真の表現力を向上させるため、インク粒子お
よび紙送り精度は共にミクロン単位の制御が必須となっ
ている。したがって、水硬性組成物を用いた紙送りロー
ラについても、ローラ表面の摩擦係数を高めて、紙送り
精度をさらに向上させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決することを目的とする。すなわち、本発明の目的
は、軽量、安価、かつ高寸法精度を有し、さらにローラ
表面の摩擦係数が高く、紙送り精度が向上した紙送りロ
ーラおよびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の紙送りローラ
は、回転軸と、回転軸の外周に一体化された水硬性組成
物からなる円筒状ローラとを有し、前記円筒状ローラの
外周面に、硬質体が分散された塗装膜が形成され、前記
硬質体の一部が、塗装膜表面に突出することを特徴とす
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。図1は本実施形態の紙送りローラ1の全体構成を
示すものである。金属からなる回転軸2の外周には水硬
性組成物を養生・硬化させて回転軸と一体化させた円筒
状のローラ部3が形成されている。さらにそのローラ部
3の外周面は硬質体4が分散された塗装膜5によって被
覆されている。硬質体4は図2に示すように、塗装膜5
の表面から突き出るように塗装膜内に分散されている。
【0008】塗装膜の形成に用いる塗料として、目的と
するローラの使用態様に耐える硬度と固着力とを有して
いれば、様々な樹脂を用いることができる。熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等のいずれを用いても
よいが、中でも耐アルカリ性を有し、水硬性組成物への
付着性が良いという観点から、二液型エポキシエナメ
ル、塩化ビニルエナメル、アクリル系エナメル、合成樹
脂エマルションペイント、常乾型フッ素樹脂エナメル、
アクリルシリコーン樹脂エナメル、ポリウレタンエナメ
ル、ゴム状アクリル系エナメル、弾性型厚膜塗料、及び
NAD形塗料樹脂エナメル等が好ましい。
【0009】さらに塗装膜は、前記塗装膜の下地膜とし
て、合成樹脂エマルションシーラー、塩化ビニル系シー
ラー等の熱可塑性合成樹脂系溶液型シーラー、エポキシ
ウレタン系シーラー等反応硬化型合成樹脂シーラー等を
塗布した2層構造であってもよい。塗装膜の膜厚は全体
として通常約10〜500μmであるが、特に30〜4
0μmの膜厚が好ましい。
【0010】塗料の塗布方法は、均一な膜厚の層が形成
できる手段であればいずれの方法であってもよい。例え
ば塗料中に対象物を浸漬させるデッピング法、塗料を霧
吹きの原理を利用して圧搾空気で霧状にし、小さなノズ
ルから吹き付けるスプレーコート法、スポンジ等のロー
ルを塗料保持容器内で自動連続的に回転させ塗料が付着
したスポンジロールを対象物に押し当てて塗料を転写さ
せるロールコート法、および手作業による刷毛での刷毛
塗り法等がある。
【0011】塗料の乾燥は、塗料の種類に応じて、自然
乾燥または焼付けを含む強制乾燥を適宜行う。
【0012】塗料内に分散させる硬質体は、ローラ面の
摩擦を保持するために必要な硬度を有するものであれ
ば、いずれの材料をも用いることができる。少なくと
も、ローラ面に接する接触体である紙よりも硬度のある
素材で構成されている必要がある。硬質体としては、例
えば、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス粒子の
他、炭化珪素、ガーネット、エメリー等の粒子、及び金
属粒子が挙げられる。
【0013】硬質体の大きさは、塗装膜の膜厚とほぼ同
じか、あるいはやや大きく設定することが好ましい。ロ
ーラ面の摩擦係数を高めるためには、硬質体を塗装膜表
面から突出させて、接触体である紙と接触させる必要が
あるからである。また、硬質体の大きさはあまり大きく
なりすぎてもローラの使用時に硬質体が塗装膜から脱落
するおそれがある。塗装膜が30〜40μmの場合、硬
質体の平均粒径は50〜60μm程度であることが好ま
しい。
【0014】塗料中への硬質体の添加量は、特に制限は
ないが、硬質体を塗料中に均一に分散させるためには、
硬質体が塗料に対して20〜30重量%であることが好
ましい。塗料を多層塗りする場合は、少なくとも最上層
に塗布する塗料中に硬質体を添加する。
【0015】本発明で用いる回転軸は、一般的な紙送り
ローラの回転軸と同様の物を用いることができる。回転
軸の形状としては、図1に示すように円筒状ローラの両
端面から突き出た回転軸の両端部分に切削仕上加工によ
り軸受取付部あるいは駆動力伝達機構取付部等を設けた
ものが挙げられる。回転軸の材料としては例えばSUM快
削鋼等の金属の他、回転軸としての機能を満たすもので
あればセラミック、木、樹脂等様々な材料が挙げられ
る。尚、本発明で用いる回転軸は、一本の円柱状の回転
軸に限られず、円筒状ローラ部の両端面の中心部に両側
から軸方向内方に差し込むことのできる分割形式の2個
の回転軸部によって構成される回転軸であってもよい。
【0016】本発明で用いる円筒状ローラは、水硬性組
成物を加圧成形または押出成形した後、養生・硬化させ
ることによって作製される。水硬性組成物は、水硬性粉
体、非水硬性粉体、加工性改良剤とからなり、必要に応
じて増粘剤その他の添加物と水とを混合した組成物をい
う。さらに押出成形の場合には、押出成形性改良材が加
えられる。
【0017】水硬性粉体は、水によって硬化する粉体を
指し、例えば珪酸カルシウム化合物粉体、カルシウムア
ルミネート化合物粉体、カルシウムサルファアルミネー
ト化合物粉体、カルシウムアルミノフェライト化合物粉
体、リン酸カルシウム化合物粉体、半水又は無水石膏粉
体、自硬性を有する生石灰粉体、これら粉体の2種類以
上の混合物粉体等が挙げられる。代表例として、例えば
ポルトランドセメントのような粉体を挙げることができ
る。
【0018】水硬性粉体の粒度分布については、成形体
の強度に関する水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が
2500cm2/g以上であることが好ましい。押出成
形する場合、水硬性粉体の配合量は水硬性粉体、非水硬
性粉体及び押出成形性改良剤からなる混合粉体の総量1
00重量%に対し40〜80重量%とすることが好まし
く、中でも45〜55重量%とすることが好ましい。水
硬性粉体の配合量が40重量%未満の場合には、強度及
び充填率が低くなり、又80重量%を超える場合には、
成形体を得る場合の充填率が低くなり、いずれの場合に
おいても機械的加工時の加工応力に耐えられない等の影
響があり、好ましくない。加圧成形する場合は、水硬性
粉体の配合量は水硬性粉体及び非水硬性粉体の混合粉体
の総量100重量%に対し50〜90重量%とすること
が好ましく、中でも65〜75重量%とすることが好ま
しい。水硬性粉体の配合量が50重量%未満の場合に
は、強度及び充填率が低くなり、又90重量%を超える
場合には、成形体を得る場合の充填率が低くなり、いず
れの場合においても機械的加工時の加工応力に耐えられ
ない等の影響があり、好ましくない。
【0019】非水硬性粉体とは、単体では水と接触して
も硬化することのない粉体を指すが、アルカリ性若しく
は酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分
が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する
粉体も含む。非水硬性粉体の代表例としては、例えば、
水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム
粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘
土粉末、及びシリカフューム粉末等を挙げることができ
る。また、これらの非水硬性粉体の平均粒径は、水硬性
粉体の平均粒径より1桁以上小さく、好ましくは2桁以
上小さいものがよい。細かさの下限は本発明の効果を害
することがなければ特に設ける必要はない。
【0020】非水硬性粉体の配合量は押出成形する場
合、水硬性粉体、非水硬性粉体及び押出成形性改良剤か
らなる混合粉体の総量100重量%に対し10〜50重
量%とすることが好ましく、中でも20〜30重量%と
することが好ましい。加圧成形する場合、水硬性粉体と
非水硬性粉体とからなる混合粉体の組成比率で10〜5
0重量%とすることが好ましく、25〜35重量%とす
ることがより好ましい。
【0021】非水硬性粉体の配合量が10重量%未満の
場合には、充填率が低くなり、又50重量%を超える場
合には、強度及び充填率が低くなり、いずれの場合にお
いても成形・硬化後の諸物性、例えば機械加工時におけ
る欠けの発生、寸法安定性に悪影響を及ぼすため好まし
くない。機械加工性等を考慮すると充填率が低くなり過
ぎないように非水硬性粉体の配合量を調節することが好
ましい。非水硬性粉体を添加することによって、成形体
の成形時の充填率を高め、得られる成形体の空隙率を減
少することが可能となる。これにより成形体の寸法安定
性を向上することができる。
【0022】本発明で用いる押出成形性改良剤とは押出
成形時に型枠と成形体との間の滑り性を向上させ、さら
に成形性の異方性を低減し、品質安定化させる材料であ
る。押出成形性改良剤としては、例えばタルク(含水珪
酸マグネシウム)、マイカ等の無機質板状物質が使用で
きる。この無機質板状物質は配向性に優れ、成形体表面
に滑り性を付与し、ダイスとの抵抗が低減されることに
より品質の安定化が図れる。
【0023】押出成形性改良剤の配合量は水硬性粉体、
非水硬性粉体及び押出成形性改良材からなる混合粉体の
組成比率で10〜30重量%とすることが好ましく、1
5〜25重量%とすることがより好ましい。
【0024】加工性改良剤とは、水硬性組成物から得ら
れる成形体の成形性、脱型性、切削・研磨性、研削精度
の向上、特に切削・研磨性、研削精度の向上に寄与する
性質を有する材料を指す。即ち、加工性改良剤を添加す
ることによって得られた水硬性組成物は、加工性改良剤
が加圧成形時において、成形助剤としての役割を果たす
ので成形性が向上する。また、加工性改良剤によりセメ
ント系硬化体のもろさが改良されることにより得られた
成形体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、
ひいては作業性の向上につながる。また、概して脆性材
料である水硬性組成物から得られ成形体は切削の際に
‘亀裂型'メカニズムの切削状態を呈するが、このよう
な場合に材料の割れ、あるいは欠け(微視的な現象も含
む)が問題となる。
【0025】加工性改良剤を含有することにより、得ら
れた成形体に固体材料としての機械加工性を促すための
靭性が付与され上記材料の割れ、欠け等の問題を阻止す
ることが可能となる。即ち、加工性改良剤によって、従
来切削加工・円筒研削機等による研削加工が金属材料と
同等に行えるようになる。これらの加工が行えることに
より所望の寸法に対してミクロンオーダーの精密な加工
が行えるようになる。
【0026】加工性改良剤の配合量は、押出成形の場
合、水硬性粉体、非水硬性粉体及び押出成形性改良剤か
らなる混合粉体100重量部に対し乾ベースで2〜9重
量部ととし、3〜4重量部とすることが特に好ましい。
配合量が2重量部未満の場合には、切削加工性が悪くな
り好ましくない。9重量部を超える場合には、良好な成
形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性
が低下する。加圧成形の場合、水硬性粉体、及び非水硬
性粉体からなる混合粉体100重量部に対し乾ベースで
2〜18重量部ととし、5〜15重量部とすることが特
に好ましい。配合量が2重量部未満の場合には、切削加
工性が悪くなり好ましくない。18重量部を超える場合
には、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削
後の寸法安定性が低下する。また粒度は分散した単一粒
子径で1μm以下のものが一般的である。加工性改良剤
としては、酢酸ビニル樹脂又は酢酸ビニルとの共重合樹
脂、アクリル樹脂又はアクリルとの共重合樹脂、スチレ
ン樹脂又はスチレンとの恭重合樹脂及びエポキシ樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種類以上の樹脂からなる粉末若
しくはエマルジョンを使用できる。上記酢酸ビニル共重
合樹脂としては、酢酸ビニルとアクリルとの共重合樹
脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ三
元共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビ
ニルとエチレンとの共重合樹脂、酢酸ビニルとエチレン
と塩化ビニルとの共重合樹脂等を例示できる。また、ス
チレン共重合樹脂としては、スチレンとブタジエンとの
共重合樹脂を例示することができる。
【0027】増粘剤とは水に溶解することによって粘着
性を発現する材料であり、水硬性粉体、非水硬性粉体の
粒子間の結合力を高め、成形後の成形体の形状維持、保
水性の確保、密実な硬化体形成に有効な成分である。増
粘剤としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース等が
挙げられる。
【0028】増粘剤の配合量は、水硬性粉体、非水硬性
粉体からなる混合粉体(押出成形する場合には、押出成
形性改良剤も加えた混合粉体)100重量部に対して、
0.5〜5重量部とすることが好ましく、3〜4重量部
とすることがより好ましい。
【0029】水硬性組成物には、上記必須成分に加え
て、増量材として珪砂等の骨材を水硬性粉体、非水硬性
粉体からなる混合粉体(押出成形する場合には、押出成
形性改良剤も加えた混合粉体)100重量部に対し10
〜50重量部、好ましくは20〜30重量部の割合で加
えることができる。また、成形性をさらに改善するため
に、公知のセラミック成形助剤を上記混合粉体100重
量部に対し1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の
割合で加えることができる。さらに、材料の硬化時の収
縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル
等の水の吸収を小さくする撥水剤を上記混合体100重
量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部
の割合で加えることができる。
【0030】水は水硬性粉体、非水硬性粉体及び必要に
応じて加えられるその他の添加物からなる混合粉体(押
出成形する場合には、押出成形性改良剤も加えた混合粉
体)100重量部に対し30重量部以下が好ましく、2
5重量部以下がより好ましい。乾燥収縮を小さくするた
めには極力水を少なくするのがよい。
【0031】混合粉体の混合方法は特に限定するもので
はないが、好ましくは、強力な剪断力を混合物に加える
ことができる混合方法若しくは混合機がよい。非水硬性
粉体粒径は水硬性粉体より1桁以上小さい平均粒径を有
するため、均一な混合物を得るためには、剪断力を有す
る混合機でなければ、混合に要する時間が非常に長くな
ってしまう。
【0032】さらに成形時の混合物のハンドリングを良
好にするため、混合後成形する形状に適した大きさに造
粒を行ってもよい。造粒方法としては、転動造粒法、圧
縮造粒法、撹拌造粒法等の周知の方法を用いればよい。
【0033】加圧成形の場合、前記混合物を型に充填し
て静水圧プレス、多軸プレス、一軸プレス等による加圧
成形によって水硬性組成物が形成される。加圧する条件
として、計算される理論密度にできる限り近づけるよう
にプレス圧が高いほど好ましいが、その下限条件は、水
硬性組成物の混合物の易成形性、水の含有割合あるいは
必要とされる寸法精度の違いによって大きく異なる。
【0034】水硬性組成物は、押出成形によっても形成
される。押出成形は、水硬性組成物のみを中空円筒状に
押出成形する他、回転軸の外周に水硬性組成物が同心円
状に一体化して成形するように、回転軸と一緒に押出成
形することもできる。
【0035】本発明の水硬性組成物は焼成するのではな
く、養生・硬化により形成される。養生・硬化は、常温
養生、水中養生および蒸気養生により行う。中でも、大
量生産、、製品の化学的安定性、寸法安定性等を考慮す
るとオートクレーブ中で蒸気養生することが好ましい。
このオートクレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/
cm2、165℃以上で行うが、飽和蒸気圧9.10k
g/cm2以上が好ましい。養生時間は養生温度により
変化するが175℃の条件下では5〜15時間とする。
水硬性組成物は、成形後、オートクレーブ養生開始前ま
でに、圧縮強度で5N/mm2程度発現していることが
好ましい。
【0036】水硬性組成物からなる円筒状ローラを回転
軸と一体化させるのに幾つかの方法がある。図1に示す
ような連結部を有しない一体型の中空円筒状ローラは、
水硬性組成物を押出成形して円筒状成形体を得た後養生
・硬化させることによって作製される。円筒状ローラ部
と回転軸とを一体化するには以下に示すいずれかの方法
を取ることができる。 (a)水硬性組成物から中空円筒状成形体を押出成形
し、得られた成形体の中空内に回転軸を挿通した後、養
生、硬化をすることにより回転軸とローラとを一体化す
る。 (b)水硬性組成物から中空円筒状成形体を押出成形
し、養生、硬化させた後、得られた成形体の中空内に回
転軸を挿通して一体化させる。 (c)水硬性組成物を回転軸の回りに同心円状に押出成
形し、養生、硬化することにより回転軸とローラ部とを
一体化する。(b)の場合は、円筒状ローラ部と回転軸
とを接着剤により固定する必要がある。(a)におい
て、中空体の内径と回転軸の外径とが30μm以下であ
るとき、及び(c)の場合は、水硬性組成物の硬化に伴
う収縮により、接着剤を使用しなくても回転軸とローラ
を一体化することができる。
【0037】得られる円筒状ローラ部の精度(振れ精
度)はそのままでも高いレベルとすることが可能である
が、さらにセンタレス研削等を行うことによって円筒状
ローラ部の真円度を向上し、ローラ部と回転軸との間の
同心円性を向上することも可能である。真円度並びに同
心円性を向上させることにより高精度の紙送りローラが
得られる。
【0038】円筒状ローラの厚みは、用いる回転軸の外
径と紙送りローラの外径とによって決定される。円筒ロ
ーラ部の直径の公差は、設計上において所望の数値に設
定されるが、通常所望外径寸法の±0.003mmの加
工精度に設定される。また、円筒状ローラ部表面そのも
のにサンドブラスト等を用いて粗く仕上加工を施しても
よい
【0039】複数の円筒状成形体を連結して円筒状ロー
ラを形成する場合、円筒状ローラ部と回転軸とを一体化
するには以下に示すいずれかの方法を取ることができ
る。 d)加圧成形した複数の円筒状成形体を軸方向に連結し
て円筒状ローラ部を形成する。該円筒状成形体の両端部
にそれぞれ回転軸部を取りつけ固定し、一体的に組み立
てた後、養生・硬化する。このとき、円筒状成形体は、
中央に孔部を有し、連結心棒によって連結補強されるこ
とが望ましい。 e)加圧成形した複数の中空円筒状成形体を軸方向に連
結して円筒状ローラ部を形成する。1本の回転軸を中空
部に挿通した後、養生・硬化する。 f)d)e)において、複数の円筒状成形体を養生・硬
化させた後、連結、回転軸の取付を行う。
【0040】d)における円筒状成形体の両端部への回
転軸部を取りつけは、円筒状成形体にその外周面と同心
円状に穴部を予め設け、それらの穴部にそれぞれ回転軸
部を芯合わせした状態で挿着し、接着剤によって固定す
るか、あるいは該穴部の内周面に雌ねじ部を形成し、対
応する回転軸部の端部に雄ねじ部を形成し、雌ねじ部と
雄ねじ部とを螺合させることによって回転軸部を円筒状
ローラ部両端部に取付固定する。あるいは回転軸部の端
部に雄ねじ部を形成し,成形体の中実端部に雄ねじ部を
ねじ込ませることによって回転軸部を円筒状ローラ端部
に取り付け固定する。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、硬
質体が塗装膜の表面上に露出するため、摩擦係数が高
く、紙送りの精度のよい紙送りローラを得ることができ
る。また、水硬性組成物を養生・硬化させているため、
軽量、安価、高寸法精度を有する。このため、カラーイ
ンクジェットプリンタ等に使用した場合に、写真の色ず
れの少ない高精度の印刷物を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙送りローラの製造方法の一実施
態様における紙送りローラの透視図である。
【図2】本発明に係る紙送りローラの製造方法の一実施
態様における紙送りローラの断面図である。
【符号の説明】
1 紙送りローラ、2 回転軸、3 中空円筒状ロー
ラ、4 硬質体、5 塗装膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 周治 埼玉県東松山市高坂1050番地の1番 ア イ・アンド・ピー株式会社内 Fターム(参考) 3F049 AA10 CA15 LA02 LA05 LA07 LB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、回転軸の外周に一体化された
    水硬性組成物からなる円筒状ローラとを有し、前記円筒
    状ローラの外周面に、硬質体が分散された塗装膜が形成
    され、前記硬質体の一部が、塗装膜表面に突出すること
    を特徴とする紙送りローラ。
  2. 【請求項2】 前記水硬性組成物が、水硬性粉体50〜
    90重量%と、水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小
    さい平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%
    とからなる混合粉体と、混合粉体100重量部に対して
    2〜18重量部の割合で配合された加工性改良剤とを加
    圧成形することにより形成されることを特徴とする請求
    項1に記載の紙送りローラ。
  3. 【請求項3】 前記水硬性組成物が、水硬性粉体40〜
    80重量%と、水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小
    さい平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%
    および押出成形改良剤10〜30重量%とからなる混合
    粉体と、前記混合粉体100重量部に対して2〜9重量
    部の割合で配合された加工性改良材と、0.5〜5重量
    部の割合で配合した増粘剤とを押し出し成形することに
    より形成されることを特徴とする請求項1に記載の紙送
    りローラ。
  4. 【請求項4】 前記塗装膜は、耐アルカリ性のよい塗料
    によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の紙送りローラ。
  5. 【請求項5】 回転軸と、回転軸の外周に一体化された
    水硬性組成物からなる円筒状ローラとを有する紙送りロ
    ーラの円筒状ローラの外周面に、硬質体が分散された塗
    料を塗布することを特徴とする紙送りローラの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007308333A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd ローラの製造方法及び当該製造方法より得られたローラ

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