JP2001247355A - 軽量不焼成タイル - Google Patents

軽量不焼成タイル

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JP2001247355A
JP2001247355A JP2000061322A JP2000061322A JP2001247355A JP 2001247355 A JP2001247355 A JP 2001247355A JP 2000061322 A JP2000061322 A JP 2000061322A JP 2000061322 A JP2000061322 A JP 2000061322A JP 2001247355 A JP2001247355 A JP 2001247355A
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Japan
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cement
lightweight
tile
weight
mortar
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JP2000061322A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Sakakibara
善朗 榊原
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Publication date
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成しないために大量の熱エネルギーを使う
ことなく、簡便に製造でき、また、大型や異形や表面に
凹凸があるものなど、種々の形状に対応でき、さらに、
軽量かつ高強度で、有害な釉薬を使用せずに製造するこ
とのできるセメント質の軽量不焼成タイルを提供する。 【解決手段】 軽量骨材を含むセメント質基層部と、ポ
ゾラン質物と微細繊維状物及び/又は微細薄片状物を含
み圧縮強度が100N/mm2以上のセメント質表層部
とを一体成形することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】大型タイル、異形タイル等と
して特に建築物の外壁や内壁の装飾部材として好適な、
軽量かつ不焼成のセメント質タイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の外壁や内壁に種々のタイ
ルが使用されている。しかし、タイルは、通常焼成して
作るため大型のものではエネルギーコスト掛かりすぎ大
量生産し難かった。また、大型にするほど重量が増加す
るため、取り扱い難くなるとともに剥離等による落下時
の危険度も増す。このため、このようなタイルの軽量化
が望まれている。しかし、従来のタイルは、一般的に焼
成品であるので軽量化が図り難かった。
【0003】このための対策として、タイルの厚みを薄
くしたりタイル中の空隙を増す等の方法があるが、タイ
ルの厚みを薄くすると取り付け難くなり、剥雌の危険性
も増す。また、空隙を増す等して軽量化すると強度が低
下するといった難点があった。さらに、異形タイルを作
ろうとすると上質で品質の安定したものは得られ難かっ
た。このような理由により、多くのタイルは、長方形や
正方形の小型タイルとして市販されている。また、タイ
ルの製造には、重金属を含む釉薬を使用するため、メー
カーは廃釉薬の処理に苦慮している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に対して本発
明は、焼成せずに大量の熱エネルギーを使うことなく、
簡便に製造でき、また、大型や異形や表面に凹凸がある
ものなど、種々の形状に対応でき、さらに、軽量かつ高
強度で、有害な釉薬を使用せずに製造することのできる
軽量不焼成タイルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、軽量不焼成タイルであって、軽量骨材を
含むセメント質基層部と、ポゾラン質物と微細繊維状物
及び/又は微細薄片状物を含み圧縮強度が100N/m
2以上のセメント質表層部とを一体成形して成る。す
なわち、本発明は、軽量不焼成タイルであって、緻密な
セメント質表層部と軽量骨材を含むセメント質基層部と
を一体成形して成るものである。係る軽量不焼成タイル
は、所期の良好な特性を備える。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る軽量不焼成
タイルの実施の形態について詳細に説明する。セメント質表層部 本発明に係る軽量不焼成タイルのセメント質表層部は、
硬化後に高強度を発現し、かつ好適には、成形時には高
流動であるセメントモルタル(セメントペーストも含
む)を用いて形成する。高強度とは圧縮強度100N/
mm2以上のことであり、高流動とは「JIS R52
01のフロー試験」に準じた方法で15回の落下運動は
行わずに測定したフロー値が180mm以上のことであ
る。高強度でないと表面硬度の高い高耐久性の表面が得
られ難い。また、高流動でないと平滑な表面や光沢のあ
る表面が得られ難い。本発明に係る軽量不焼成タイル
は、その用途によって、セメント質表層部が表面光沢を
有する必要がある。このような場合、高流動のセメント
モルタルを用いる。このような高強度及び高流動を満た
すセメントモルタルとしては、具体的には、例えば特開
平11−246255号公報に記載されている繊維強化
コンクリートにおけるセメント質マトリックス部があ
る。
【0007】すなわち、本発明に係る軽量不焼成タイル
のセメント質表層部を形成するためのセメントモルタル
としては、セメント、セメントより平均粒径の小さいポ
ゾラン質物、微細繊維状(針状)物及び/又は微細薄片
状物、可塑剤、粒径2mm以下の骨材を含み、上記のよ
うな物性を有するセメント質物をマトリックスあるいは
全体とするものが好適である。
【0008】本発明に係る軽量不焼成タイルの製造に用
いることのできるセメントの種類は、特に限定されな
い。好ましいセメントとして、例えば、早強ポルトラン
ドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及び低熱ポル
トランドセメントを挙げることができる。
【0009】セメントより平均粒径の小さいポゾラン質
物を得る材料としては、例えば、シリカヒューム、シリ
カゾル(コロイダルシリカ)、沈降シリカ、スラグ超微粉
末、フライアッシュ超微粉末、クレー、籾殻灰、珪藻土
等を挙げることができる。ポゾラン質物を配合すること
により、そのマイクロフィラー効果やセメント分散効果
やポゾラン反応効果等により組織は緻密化し、セメント
モルタルの強度は向上する。しかし、ポゾラン質物の添
加量が多くなると単位水量が増大する。したがって、ポ
ゾラン質物の添加量はセメント100重量部に対して5
重量部以上、かつ50重量部以下が好ましい。
【0010】微細繊維状(針状)物としては、長径が1
mm以下の例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、
ムライト、チタン酸カリウム、炭化珪素、セルロース、
炭素、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム等の繊維状(針
状)物を挙げることができる。これらのうち、ウォラス
トナイトが好ましい。入手が容易で安価であり、水和反
応や他の成分との反応も若干期待できるからである。
【0011】微細薄片状物としては、長径が1mm以下
の例えば、マイカ、タルク、クレー、バーミキュライ
ト、アルミナ、珪酸塩、混合珪酸塩、混合アルミン酸塩
等の各フレークを挙げることができる。これらのうち、
マイカフレークが好ましい。入手が容易で安価であり、
結晶度の低いものはセメント等の他の成分との親和性が
良いからである。上記微細繊維状(針状)物及び微細薄
片状物は、いずれか一方又は双方を用いることができ
る。また、各々二以上の複数種のものを併用することも
できる。
【0012】これらの微細繊維状(針状)物及び/又は
微細薄片状物の合計の配合量は、セメントモルタルの流
動性、強度、靱性等から、セメント100重量部に対し
て35重量部以下が好ましく、10〜25重量部がより
好ましい。これらが入ることによって、硬化後のセメン
トモルタルの靱性が特に改善される。なお、微細繊維状
(針状)物は長さ/直径の比で表される針状度が3以上
のものを用いた方が、より靱性の高いものが得られるの
で好ましい。
【0013】可塑剤は、一種の分散剤あるいは減水剤で
ある。減水剤は中でも高性能減水剤あるいは高性能AE
減水剤が好ましい。このような減水剤の化学組成として
は、例えば、リグニンスルホン酸塩、カゼイン、ポリナ
フタレンスルホン酸アルカリ金属塩、ホルムアルデヒド
誘導体、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリカルボン
酸アルカリ金属塩、グラフト化ポリエチレンオキシド、
メラミン系剤等である。これらの添加量は、セメントモ
ルタルの流動性や分離抵抗性、強度、さらにはコスト等
の観点から、セメントに対して固形分換算で0.5〜
4.0重量%とするのが好ましい。
【0014】粒径2mm以下の骨材としては、例えば、
珪砂、石英砂、ガラス粉粒、セラミック粉粒、石英粉等
を挙げることができる。粒径が2mmを越えると緻密性
が損なわれていく。硬化後のセメントモルタルの強度や
緻密性、さらには成形時のセメントモルタルの流動性を
より高める点では、平均粒径3〜20μmの石英粉末を
含ませることが好ましい。石英粉末としては、石英結晶
や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリ
カ含有粉末等が挙げられる。これらを含む上記骨材はセ
メントモルタルの20〜60重量%になるように配合す
るのが好ましい。表面に形成されやすい微細空隙(気
孔)をなくすためには、消泡剤を添加することが好まし
い。水/セメント比は、流動性及び硬化後の強度の点か
ら15〜30重量%が好ましい。
【0015】セメント質基層部 一方、本発明に係る軽量不焼成タイルのセメント質基層
部は、軽量骨材を含む軽量モルタル(概念として軽量コ
ンクリートを含む)から成る。このセメント質基層部の
強度も高い方が良いので、そのために、高強度セメント
や高強度セメント組成物を使うことが好ましい。例え
ば、上記セメント質表層部のセメントモルタルのマトリ
ックス材として用いた高強度セメント組成物、あるいは
デンシト(Densit)コンクリートのセメント質マ
トリックス材である高強度セメント組成物等である。配
合する軽量骨材は特に限定されないが、独立多気泡型で
24時間吸水率が10%以下、圧壊強度が500N/m
以上のものが良い。好適には、例えば、硬質パーラ
イト、アサノスーパーライト(商品名)の細骨材等であ
る。これらを用いることによって、より高耐久性のタイ
ルが得られる。軽量骨材の配合割合は、特に限定されな
いが、好ましくはセメント100容量部に対して軽量骨
材200〜400容量部である。水/セメント比は、軽
量骨材の量やその他の使用材料によって異なるが、目安
としては、50〜70重量%である。また、必要に応じ
て、上記軽量骨材に加え、金属繊維や有機繊維等の種々
の繊維を含ませても良い。
【0016】寸法、形状 本発明の軽量不焼成タイルの寸法や形状は特に限定され
ない。ただし、上記セメント質表層部の厚みは3mm以
上あることが好ましい。3mm未満では、一体成形し難
くなるとともに、上記セメント質表層部の強度が不十分
となる。また、タイル全体の厚みは6mm以上あること
が好ましい。6mm未満では、躯体へ取り付け難くな
り、剥離が起こる可能性が出てくる。
【0017】製造方法 本発明の軽量不焼成タイルは、セメント硬化体であるの
で流し込み成形によって得られる。一例を示すと、ま
ず、所定の型枠に上記した表層部用モルタルを流し込
む。必要に応じて軽く振動をかけても良い。その後、基
層部用軽量モルタルを投入し一体硬化させる。軽量骨材
は分離してこないよう増粘剤を添加してある程度粘性の
ある軽量モルタルにするといったように工夫しておく必
要がある。なお、モルタルは、流し込み前、所定の水/
セメント比となるように適宜の量の水と混合する。本発
明に係る軽量不焼成タイルの場合、セメント質表層部に
対しては20〜25重量%、セメント質基層部に対して
は通常量の高性能減水剤を用いたとして50〜60重量
%の範囲の水/セメント比が好適である。養生方法とし
ては、蒸気養生方法やオートクレーブ養生が好ましい。
【0018】ここで、タイル表面が光沢を有するように
したい場合は、流し込みの際、この面が接する型枠内面
(通常は、型枠底面)をアクリル樹脂等の樹脂板あるい
は樹脂フィルムによる面とすれば良い。あるいは、脱型
後のタイル表面に、アクリル樹脂等の樹脂液を塗布・含
浸すればよい。
【0019】また、タイル表面に凹凸模様を施したい場
合は、転写できるよう上記型枠内面を凹凸に形成する。
このような凹凸面を微細にすることによって、一見白黒
写真のような像を形成することもできる。またさらに、
異形タイルを得たい場合は、例えば底面が星型といった
異形の型枠を用いる。以上の他、例えば種々の着色顔料
やカラーセメントを表層部用モルタルを流し込む際に左
右で違う色のモルタルを使用し、流し込んだ後軽く振動
をかけることによって適宜タイルの色彩を連続的に変え
ることも可能である。これらを製造する製造装置は、従
来からあるものを適宜用いれば良い。
【0020】表面印刷処理 本発明に係る軽量不焼成タイルは、表面印刷処理をする
ことにより、より意匠性に富んだ種々のタイルが得られ
る。本発明のタイルは、容易に極めて平滑な表面が得ら
れるので表面印刷処理がしやすい。表面印刷処理方法
は、当業者にとって公知の従来の方法で良く、特に限定
されない。例えば、以下のような表面印刷処理方法を用
いることができる。
【0021】(1)表面印刷処理方法(その1) 図柄を印刷した熱可塑性硬質プラスチックシート又はフ
ィルムを印刷面が内側にあるように箱状に成形し、型枠
とする。その中に表層部用モルタルを流し込み、さらに
基層部用軽量モルタルを投入する。一体成形したモルタ
ルが硬化した後、脱型せずにそのまま製品とする。印刷
方式は、グラビア方式、オフセット方式等、公知の方法
を用いることができる。インキは、耐アルカリ性を備え
ることが必要である。なお、このことは、特に印刷方法
に制限がある場合を除き、他の表面印刷処理方法でも同
様である。
【0022】(2)表面印刷処理方法(その2) エラストマーを一体成形した型枠の内面に透明塗料類を
塗着し、透明塗料類が未硬化時に図柄を静電印刷すると
ともに短繊維類又は粒状体を静電塗装する。そして、こ
の型枠の中に表層部用モルタルを流し込み、さらに基層
部用軽量モルタルを投入する。一体成形したモルタルが
硬化した後、脱型する。上記エラストマーとしては、ポ
リウレタン、合成ゴム、シリコンのようなゴム状体を用
いる。透明塗料類としては、アクリル系クリヤラッカ
ー、エポキシ樹脂等を挙げることができる。硬化後、脱
型すると、上記短繊維類又は粒状体等によって上記透明
塗料類によるコーテイング層及び図柄印刷がモルタル表
面層と結合し、剥離することがない。上記コーテイング
層から上記図柄印刷が透視される良好な美感を持つ軽量
タイルを得ることができる。
【0023】(3)表面印刷処理方法(その3) 硬化後の上記一体成形モルタルの表面に有機溶剤を用い
ないエポキシ系樹脂接着剤を塗布し、転写印刷紙を印刷
層面から貼付し、接着剤の硬化後に、転写印刷紙の保護
剥離紙を除去する。この方法では、有機溶剤を用いる必
要がない。また、エポキシ樹脂を用いているので耐久性
に優れている。なお、本発明よる軽量不焼成タイルは、
表面を平滑にすることができるので、印刷転写紙の転写
性能が良く、この方法に適合する。
【0024】(4)表面印刷処理方法(その4) 紙等のシート類又はフィルム類に水溶性糊料を塗布し、
乾燥後印刷処理を施す。このシート類を型枠内に印刷面
が上となるように設置する。その後、この型枠の中に表
層部用モルタルを流し込み、さらに基層部用軽量モルタ
ルを投入する。モルタルが硬化した後、脱型する。さら
に、表面に付着したシート類又はフィルム類を除去す
る。上記水溶性糊料としては、デキストリン水溶液等が
好適である。
【0025】糊料の上に印刷されていたインキは、モル
タル等の水分により糊料が溶かされることにより、モル
タル側に移行し、モルタルの硬化後は、それが水によっ
て溶解することはない。糊料のみが溶かされるので、シ
ート類又はフィルム類は容易に除去することができる。
このようなシート類又はフィルム類として、平滑なもの
を用いれば、タイルの表面に光沢を与える役割も果た
す。このシート類又はフィルム類に水溶性のものを用い
れば、水洗い除去することもできる。なお、シート類又
はフィルム類を除去した後、アクリル樹脂等をコーテイ
ングすることによって耐久性を高めることができる。
【0026】(5)表面印刷処理方法(その5) 表面が平滑となるように上記一体成形モルタルを硬化さ
せ、その表面に印刷模様付き透明シートを貼り付ける。
この方法によれば、その2の方法と同様のタイルを得る
ことができる。この場合、透明非水溶性プラスチックフ
ィルム又はシートに図柄を印刷し、この印刷面側に水溶
性フィルム又はシートをラミネートし、これを該モルタ
ル表面に水分を介して貼り付けるといった方法がある。
【0027】その他の表面処理あるいは養生方法 本発明の軽量不焼成タイルでは、タイル表面の耐久性を
高めるため脱型後のモルタル表面に種々の表面処理をし
たりモルタルを種々の養生方法で養生することが好まし
い。例えば、表面を撥水剤で処理しておけば水分の影響
を低減できるため耐久性、防汚性の高いタイルが得られ
る。撥水剤の種類は特に限定されないが、扱いやすく撥
水性の高いものが好ましい。また、燐酸の希薄水や燐酸
塩水溶液で処理すると表面に不溶性の燐酸カルシウム層
が形成されるので耐久性が高くなる。ただし、処理する
ことにより表面は白っぽくなるので表面の色彩や光沢を
重視したものを製造する場合はこの方法は使えない。ま
た、前記のような樹脂処理や印刷処理をしておいても耐
久性の高いものが得られる。
【0028】以上は表面処理であるが、脱型後のモルタ
ルにオートクレーブ養生や蒸気養生や炭酸化養生をする
ことも好ましい。特に温湿度を調節した雰囲気での炭酸
化養生は好ましい。炭酸化養生することによって表面に
緻密な炭酸カルシウム層ができるので耐久性の高い表面
となる。
【0029】用途 本発明に係る軽量不焼成タイルは、建築物の外壁や内壁
の装飾部材として用いることができる。さらに、上記し
たように、表面印刷処理をすることができるので、各種
標識、モニュメント、屋根材等他の分野にも適用するこ
とができる。さらに、導電材を印刷処理することによっ
てプリント基板として応用することも可能である。この
ような観点から、アンテナを内蔵させて受発信手段とし
て用いる等電子部材としての応用も可能である。
【0030】
【実施例】実施例1〜6 以下の使用材料を実施例1〜6の配合条件で配合し、前
記した製造方法によって本発明に係る軽量不焼成タイル
を製造した。 実施例1〜6の使用材料 (1)セメント質表層部 1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメ
ント株式会社製) 早強ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社
製) 2)ポゾラン質微粉末:シリカヒューム(平均粒径0.
7μm) 3)骨材:珪砂4号と珪砂5号の2:1(重量比)の混
合品 4)高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減
水剤 5)水:水道水 6)石英粉(平均粒径7μm) 7)繊維状粒子:ウォラストナイト(平均長さ0.3m
m、長さ/直径の比4) 8)薄片状粒子:マイカフレーク(平均径0.08m
m、厚み数μm) 9)顔料:ベンガラ (2)セメント質基層部 1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメ
ント株式会社製) 早強ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社
製) 2)ポゾラン質微粉末:シリカヒューム(平均粒径0.
7μm) 3)軽量骨材:アサノスーパーライト細骨材(太平洋セ
メント株式会社製) 4)骨材:珪砂4号と珪砂5号の2:1(重量比)の混
合品 5)高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減
水剤 6)金属繊維:鋼繊維(直径0.2mm、長さ15m
m) 7)水:水道水
【0031】実施例1 (1)セメント質表層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 シリカヒューム :32.5重量部 ウォラストナイト :15重量部 骨材 :120重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して1.0重量%(固形分) 水/セメント比 :22重量% (2)セメント質基層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 骨材 :50重量部 軽量骨材/セメント :250容量% 高性能AE減水剤 :セメントに対して1.0重量%(固形分) 水/セメント比 :60重量%
【0032】上記セメント質表層部用の材料を二軸練り
ミキサに一括投入し、混錬した。混錬直後のフロー値
は、230mmであった。試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じた(ただし、15回の落下運動は行わずに測
定した)。このセメント質表層部用の材料のみを硬化さ
せ、90℃で2日間蒸気養生後の圧縮強度を測定したと
ころ210N/mmであった。また、曲げ強度は、3
2N/mmであった。上記セメント質基層部用の材料
についても、二軸練りミキサに一括投入し、同様に混錬
した。
【0033】型枠内面をアクリル樹脂の樹脂板とした型
枠内に、上記表層部用モルタルを流し込んだ。その後上
記基層部用軽量モルタルを投入し一体硬化させた。タイ
ルの大きさは、300mm×300mmとし、厚みは2
0mmとした。タイル表面は、良好な光沢を有した。
【0034】実施例2 (1)セメント質表層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 シリカヒューム :32.5重量部 ウォラストナイト :20重量部 骨材 :120重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して2.0重量%(固形分) ベンガラ :4重量部 水/セメント比 :21重量% (2)セメント質基層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 軽量骨材/セメント :300容量% 鋼繊維 :モルタル中の体積の2% 高性能AE減水剤 :セメントに対して2.0重量%(固形分) 水/セメント比 :65重量%
【0035】上記セメント質表層部用の材料を二軸練り
ミキサに一括投入し、混錬した。混錬直後のフロー値
は、250mmであった。試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じた(ただし、15回の落下運動は行わずに測
定した)。このセメント質表層部用の材料のみを硬化さ
せ、90℃で2日間蒸気養生後の圧縮強度を測定したと
ころ190N/mmであった。また、曲げ強度は、2
8N/mmであった。上記セメント質基層部用の材料
についても、二軸練りミキサに一括投入し、同様に混錬
した。
【0036】型枠内面をアクリル樹脂の樹脂板とした型
枠内に、上記表層部用モルタルを流し込んだ。その後、
上記基層部用軽量モルタルを投入し、一体硬化させた。
タイルの大きさは、50mm×300mmとし、厚みは
10mmとした。タイル表面は、赤みがかった色とな
り、良好な光沢を有した。
【0037】実施例3 (1)セメント質表層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 シリカヒューム :32.5重量部 骨材 :120重量部 石英粉 :30重量部 マイカフレーク :12重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して2.5重量%(固形分) 水/セメント比 :20重量% (2)セメント質基層部 低熱ポルトランドセメント:100重量部 シリカヒューム :20重量部 軽量骨材/セメント :200容量% 高性能AE減水剤 :セメントに対して2.5重量%(固形分) 水/セメント比 :65重量%
【0038】上記セメント質表層部用の材料を二軸練り
ミキサに一括投入し、混錬した。混錬直後のフロー値
は、250mmであった。試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じた(ただし、15回の落下運動は行わずに測
定した)。このセメント質表層部用の材料のみを硬化さ
せ、90℃で2日間蒸気養生後の圧縮強度を測定したと
ころ195N/mmであった。また、曲げ強度は、3
0N/mmであった。上記セメント質基層部用の材料
についても、二軸練りミキサに一括投入し、同様に混錬
した。
【0039】型枠底面に転写用の微細凹凸模様をつけた
金属製の型枠に、上記表層部用モルタルを流し込んだ。
引き続き上記基層部用軽量モルタルを投入し一体硬化さ
せた。タイルの大きさは、150mm×150mmと
し、厚みは20mmとした。タイル表面は、脱型後、微
細凹凸模様を有した。
【0040】実施例4 (1)セメント質表層部 早強ポルトランドセメント:100重量部 シリカヒューム :25.5重量部 骨材 :120重量部 石英粉 :30重量部 マイカフレーク :12重量部 ウォラストナイト :12重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して3.7重量%(固形分) 水/セメント比 :28重量%
【0041】 (2)セメント質基層部 早強ポルトランドセメント:100重量部 骨材 :25重量部 軽量骨材/セメント :400容量% 高性能AE減水剤 :セメントに対して3.7重量%(固形分) 水/セメント比 :57重量%
【0042】上記セメント質表層部用の材料を二軸練り
ミキサに一括投入し、混錬した。混錬直後のフロー値
は、270mmであった。試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じた(ただし、15回の落下運動は行わずに測
定した)。このセメント質表層部用の材料のみを硬化さ
せ、90℃で2日間蒸気養生後の圧縮強度を測定したと
ころ155N/mmであった。また、曲げ強度は、2
4N/mmであった。上記セメント質基層部用の材料
についても、二軸練りミキサに一括投入し、同様に混錬
した。
【0043】星型のアクリル樹脂板製型枠に、上記表層
部用モルタルを流し込んだ。引き続き上記基層部用軽量
モルタル投入し一体硬化させた。タイルの大きさは、中
心から星型の頂点までの距離が約8cmになるように
し、厚みは20mmとした。また、タイル表面は、良好
な光沢を有した。
【0044】実施例5 図柄をグラビア印刷した透明熱可塑性硬質プラスチック
シートを印刷面が内側にあるように箱状に成形し、型枠
とした。その中に実施例1の表層部用モルタルを流し込
み、さらに実施例1の基層部用軽量モルタルを流し込ん
だ。モルタルが硬化した後、脱型せずにそのまま製品と
した。上記図柄は、透明プラスチックシートを通して鮮
明に認識することができた。
【0045】実施例6 実施例4で得られた軽量不焼成タイルを40℃、98%
R.H.炭酸ガス濃度10%の雰囲気で24時間炭酸化
養生した。その後、顕微鏡とXRDでタイル表面に緻密
な炭酸カルシウム層が形成されているのを確認するとと
もに、タイル表面に水滴を落とし、若干撥水効果がある
ことを確認した。
【0046】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明に係る軽量不焼成タイルは、焼成しないので大量の
熱エネルギーを使うことなく、簡便に製造できる。ま
た、大型や異形や表面に凹凸があるものなど、種々の形
状に対応できる。さらに、軽量かつ高強度である。環境
に有害な釉薬を使用しないので環境にやさしい。本発明
の軽量不焼成タイルは、寸法、形状、デザイン等が自由
に設計しやすいので従来のタイルと同様に建築物の外壁
や内壁の装飾部材としてだけでなく、各種標識、モニュ
メント、屋根材等の種々の分野への適用が可能である。
また、電子部材としての応用も可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/14 102 E04F 13/14 102B //(C04B 28/02 (C04B 28/02 18:14 18:14 Z 22:06 22:06 A 14:02 14:02 B 14:38 14:38 C 14:48 14:48 Z 14:20) 14:20) A 103:60 103:60 111:20 111:20 Fターム(参考) 2E110 AA46 AA47 AB04 AB22 AB23 BA12 GA23W GA42W GA43W GB14W GB20W GB23W GB24W GB26W GB32W 4G012 PA08 PA13 PA15 PA19 PB04 PC02 PC03 PC12 RA02 4G052 AB24 AB25 AB26 AB27 AB42 GA02 GA11 GA23 GB03 GB15 GC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽量骨材を含むセメント質基層部と、ポ
    ゾラン質物と微細繊維状物及び/又は微細薄片状物を含
    み圧縮強度が100N/mm2以上のセメント質表層部
    とを一体成形して成る軽量不焼成タイル。
  2. 【請求項2】 上記セメント質表層部が表面光沢を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の軽量不焼成タイ
    ル。
  3. 【請求項3】 上記セメント質基層部が繊維を含むこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の軽量不焼成タイ
    ル。
  4. 【請求項4】 上記セメント質表層部の表面に印刷処理
    して成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の軽量不焼成タイル。
  5. 【請求項5】 上記軽量不焼成タイルを成形後、炭酸化
    養生して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の軽量不焼成タイル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280782A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Nippon Concrete Kk トイレの和洋改修方法および高強度複合コンクリート板
JP2008308364A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Taiheiyo Cement Corp セメント質硬化体の製造方法
JP2009190944A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 電気抵抗の小さい左官用モルタル、それを用いた硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法

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JP2009190944A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 電気抵抗の小さい左官用モルタル、それを用いた硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法

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