JP2008308364A - セメント質硬化体の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】二次養生することによって得られる超高強度セメント質硬化体において、表面の色むらの発生を防止することができるセメント質硬化体の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)セメントと、微粉末と、水とを少なくとも含み、水/セメント比が24質量%以下である配合物を混練し、混練した配合物を型枠に流し込んで未硬化の成形体を形成する成形工程と、
(B)上記未硬化の成形体を一次養生し、硬化した成形体を得る一次養生工程と、
(C)上記硬化した成形体を脱型し、該成形体を二次養生し、セメント質硬化体を得る二次養生工程を含むセメント質硬化体の製造方法であって、
二次養生の一部又は全部の工程を炭酸ガス濃度が0.1〜10%の炭酸ガス雰囲気中で行うことを特徴とするセメント質硬化体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、圧縮強度が100N/mm2以上の超高強度を発現するセメント質硬化体の製造において、表面の色むらの発生を防止することができるセメント質硬化体の製造方法に関する。
近年、一般住宅やビル等の部材(壁材、床材、天井材等)の厚さを薄くすることができる圧縮強度が100N/mm2以上の超高強度を発現するセメント質硬化体が提案されている(特許文献1)。前記特許文献1に記載のセメント質硬化体は、セメント、ポゾラン質微粉末、細骨材、水及び減水剤、さらには必要に応じて、金属繊維や無機粉末等を含む配合物の硬化体からなるものである。
上記高強度セメント質硬化体は、セメント、ポゾラン質微粉末、細骨材、水、減水剤、さらには必要に応じて、金属繊維や無機粉末等を含む配合物を成形し、一次養生し、脱型した後、該成形体を60〜90℃で3〜48時間程度蒸気養生(二次養生)して、製造されているが、該セメント質硬化体では、二次養生終了時にその表面に色むらが生じることがあり、見栄えが悪くなることがあった。
特開2001−270756号公報
そこで、本発明は、二次養生することによって得られる超高強度を発現するセメント質硬化体等において、表面の色むらの発生を防止することのできるセメント質硬化体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、二次養生することによって得られる超高強度を発現するセメント質硬化体においては、二次養生終了時にその表面にも未反応のセメント鉱物や水酸化カルシウムが多量に存在すること、硬化体表面の未反応のセメント鉱物や水酸化カルシウムの一部が水や炭酸ガス等と反応して、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムや炭酸水素カルシウム等が生じた場合に色むらが生じること、そして、二次養生を特定の濃度の炭酸ガス雰囲気中で行うことにより、硬化体表面に炭酸カルシウムの薄層を形成させることができ表面の色むらの発生を防止できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供するものである。
[1](A)セメントと、微粉末と、水とを少なくとも含み、水/セメント比が24質量%以下である配合物を混練し、混練した配合物を型枠に流し込んで未硬化の成形体を形成する成形工程と、(B)上記未硬化の成形体を一次養生し、硬化した成形体を得る一次養生工程と、(C)上記硬化した成形体を脱型し、該成形体を二次養生し、セメント質硬化体を得る二次養生工程を含むセメント質硬化体の製造方法であって、二次養生の一部又は全部の工程を炭酸ガス濃度が0.1〜10%の炭酸ガス雰囲気中で行うことを特徴とするセメント質硬化体の製造方法。
[2]上記(C)二次養生工程における二次養生が蒸気養生である上記[1]記載のセメント質硬化体の製造方法。
本発明のセメント質硬化体の製造方法によれば、二次養生後に得られるセメント質硬化体の表面の色むらの発生を防止することができる。
また、本発明のセメント質硬化体の製造方法によれば、高級感や重厚感に優れるセメント質硬化体を製造することができる。
さらに、本発明で得られるセメント質硬化体は、100N/mm2以上の超高強度を発現するので、該セメント質硬化体を使用することにより、部材(壁材、床材、天井材等)の厚さを薄くすることで軽量化を図ることができ、プレキャスト部材においては施工を容易に行うことができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法によって得られるセメント質硬化体の材料及び好ましい配合割合について説明する。
本発明の製造方法によって得られるセメント質硬化体としては、セメント、微粉末、細骨材、水及び減水剤を含む配合物を硬化させたものであることが好ましい。
セメントの種類としては、特に限定されることがなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。
本発明において、硬化体の早期強度を向上させようとする場合には、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上させようとする場合には、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。
本発明において、微粉末は、配合物の流動性や硬化後の強度発現性や緻密性等から、BET比表面積が5〜20m2/gが好ましく、8〜15m2/gがより好ましい。一般に、シリカフュームやシリカダストは、BET比表面積が5〜20m2/gであり、粉砕等を行なう必要がなく、また、シリカフュームやシリカダストを配合することにより、暗く、深みのある発色をもたらすことができ、硬化体の高級感や重厚感が向上する等から、本発明の微粉末として好適である。
微粉末を配合することによって、そのマイクロフィラー効果及びセメント分散効果が発揮されて、硬化体が緻密化し、圧縮強度が向上する。一方、微粉末の添加量が多過ぎると、単位水量が増大し、硬化後の強度発現性や緻密性等が低下するので、微粉末の添加量は、セメント100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂またはこれらの混合物を使用することができる。本発明においては、配合物の作業性や分離抵抗性、硬化後のクラック抵抗性等から、85%質量累積粒径が2.5mm以下の細骨材を用いることが好ましく、配合物の分離抵抗性や硬化後の強度発現性等から、最大粒径が2.5mm以下の細骨材を用いることがより好ましく、最大粒径が2.0mm以下の細骨材を用いることが特に好ましい。
細骨材の配合量は、配合物の作業性や分離抵抗性、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等の面から、セメント100質量部に対して50〜250質量部が好ましく、80〜180質量部がより好ましい。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、配合物の流動性や硬化後の強度発現性、緻密性等から、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水剤を配合することによって、配合物の流動性や分離抵抗性、硬化後の緻密性や強度等が向上する。
減水剤の配合量は、配合物の流動性や分離抵抗性、硬化後の緻密性や強度、コスト等の面から、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1〜4.0質量部が好ましく、0.1〜1.5質量部がより好ましい。
水としては、水道水等を使用することができる。
本発明において、水/セメント比は24質量%以下である。水/セメント比が24質量%を超えた場合は、二次養生終了時において、硬化体表面に未反応のセメント鉱物や水酸化カルシウムはほとんど存在しないので、二次養生終了時に硬化体表面に色むらが生じることはほとんどなく、本発明を適用する必要性が乏しい。
本発明においては、水/セメント比は、配合物の流動性や分離抵抗性、硬化体の強度、耐久性、緻密性や耐衝撃性等の面から、10〜24質量%が好ましく、15〜23質量%がより好ましい。
本発明においては、配合物の流動性、硬化後の強度発現性や緻密性、さらには硬化体の高級感や重厚感を向上させる観点等から、配合物に無機粉末を含ませることが好ましい。無機粉末としては、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点から好ましく、特に、石英粉末を配合することにより、光沢が生じて硬化体の高級感や重厚感を向上させることができる。
本発明において、無機粉末は、配合物の流動性や硬化後の強度発現性、緻密性等から、ブレーン比表面積が4000〜10000cm2/gが好ましく、4500〜9000cm2/gがより好ましい。
無機粉末を配合することによって、配合物の流動性が向上し、セメント質硬化体がより緻密化する。一方、無機粉末の添加量が多過ぎると、単位水量が増大し、硬化後の強度発現性や緻密性等が低下するので、無機粉末の添加量は、セメント100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
本発明においては、硬化後の曲げ強度や破壊エネルギーを向上するために、配合物に金属繊維、有機質繊維及び炭素繊維から選ばれる1種以上の繊維を含ませることが好ましい。金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維は、径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。径が0.01mm未満では繊維自身の耐力が不足し、張力を受けた際に切れやすくなる。径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、曲げ強度を向上させる効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際ファイバーボールが生じやすくなる。長さが2mm未満では曲げ強度を向上させる効果が低下する。金属繊維の配合量は、配合物の体積の4.0%未満が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0%である。金属繊維の含有量が多くなると混練時の作業性等を確保するために単位水量も増大するので、金属繊維の配合量は前記の量が好ましい。
有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等を使用することができる。中でも、強度、コスト、入手のし易さ等の面から、ビニロン繊維が好ましい。炭素繊維としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維を使用することができる。
有機質繊維又は炭素繊維は、直径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。直径が0.005mm未満では、繊維自身の耐力が不足し、張力を受けた際に切れ易くなる。直径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、硬化体の破壊エネルギー等を向上する効果が低下する。長さが2mm未満では、マトリックスとの付着力が低下して、破壊エネルギー等を向上する効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じ易くなる。有機質繊維又は炭素繊維の配合量は、配合物の体積の10%以下が好ましく、1.0〜7.0%がより好ましい。繊維の配合量は、流動性と硬化体の破壊エネルギーの観点から定められる。すなわち、一般に、繊維の含有量が多くなると、破壊エネルギーが向上する反面、流動性を確保するために単位水量が増大する。そのため、有機質繊維又は炭素繊維の配合量は、前記の数値範囲内とするのが好ましい。
本発明においては、硬化後の靭性を向上するために、配合物に繊維状粒子もしくは薄片状粒子を含ませることができる。繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、例えば、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子もしくは薄片状粒子の平均粒度は1mm以下であることが好ましい。前記粒度の繊維状粒子もしくは薄片状粒子を配合することによって、硬化体の靭性が向上する。平均粒度が1mmを超えると、配合物の流動性や硬化体の強度等が低下するので好ましくない。なお、本発明における粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子もしくは薄片状粒子の配合量は、配合物の流動性、硬化後の強度や靭性等の面から、セメント100質量部に対して35質量部以下が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、硬化後の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
次に、本発明のセメント質硬化体の製造方法について説明する。
[(A)成形工程]
本工程は、セメントと、微粉末と、水とを少なくとも含み、水/セメント比が24質量%以下である配合物を混練し、該混練した配合物を型枠に流し込んで未硬化の成形体を形成する工程である。
上記配合物は、上述のように、好ましくはセメント、微粉末、細骨材、水及び減水剤を含むものである。
配合物の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、(1)水、減水剤以外の材料を予め混合しておき(プレミックス)、該プレミックス、水、減水剤をミキサに投入し、混練する。(2)水以外の材料を予め混合しておき(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)、該プレミックス、水をミキサに投入し、混練する。(3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。などの方法が挙げられる。
また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。
混練した配合物を成形する成形方法は、特に限定されるものではなく、流し込み成形等の慣用の成形方法を採用することができる。例えば、上記配合物を所定の型枠内に流し込み、未硬化の成形体を形成する。なお、上記材料を混練して得られる配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、230mm以上と流動性に優れるものであり、型枠への流し込み等の作業性に優れるものである。
[(B)一次養生工程]
本工程は、(A)成形工程において形成した未硬化の成形体を一次養生し、硬化した成形体を得る工程である。
一次養生としては、未硬化の成形体を型枠に収容したままの状態で、常温(例えば、20℃)で所定時間(4〜200時間程度)静置する方法が挙げられる。
本工程での成形体の圧縮強度は、好ましくは10〜100N/mm2であり、より好ましくは10〜80N/mm2であり、特に好ましくは15〜60N/mm2である。成形体の圧縮強度が10N/mm2未満であると、次工程(C)での脱型が困難になる。成形体の圧縮強度が100N/mm2を超えると、二次養生を行う必要性が乏しくなる。また、二次養生を行わない場合は、表面に色むらを生じる場合があるため、好ましくない。
[(C)二次養生工程]
本工程は、(B)一次養生工程において硬化した成形体を脱型し、炭酸ガス濃度が0.1〜10%の炭酸ガス雰囲気中で二次養生してセメント質硬化体を得る工程である。
二次養生としては、蒸気養生、オートクレーブ養生等の方法が挙げられるが、本発明においては、コストや硬化体の生産性、硬化後の強度発現性や緻密性等から、60〜95℃で3〜48時間蒸気養生する方法が好ましく、特に、昇温速度20℃/min以下(より好ましくは1〜15℃/min)で昇温し、70〜95℃で10〜48時間蒸気養生後、降温速度20℃/min以下(より好ましくは0.1〜15℃/min)で常温まで降温する養生方法が好ましい。
二次養生工程における炭酸ガス濃度は、0.1〜10%であることが好ましく、0.15%以上5.0%未満であることがより好ましく、0.2%以上3.0%未満であることが更に好ましく、0.3〜2.5%であることが特に好ましい。炭酸ガス濃度が0.1%未満では、得られたセメント質硬化体の表面に色むらを生じる場合がある。また、硬化体の高級感や重厚感が低下する場合もあるので好ましくない。炭酸ガス濃度が10%以上でも、得られたセメント質硬化体の表面に色むらを生じる場合がある。また、硬化体全体が退色した色あいになり、硬化体の高級感や重厚感が低下するので好ましくない。
なお、二次養生は、全工程を炭酸ガス雰囲気中で行っても良いし、一部の工程(例えば、昇温開始から12時間以内等)を炭酸ガス雰囲気中で行っても良い。本発明においては、炭酸ガス使用量の低減や硬化体表面の色むら発生防止等の観点から、昇温開始から2〜12時間炭酸ガス雰囲気中で養生するのが好ましい。
炭酸ガスの供給方法は、特に限定するものではなく、炭酸ガスボンベから供給する方法や、ドライアイスの昇華によって供給する方法等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られるセメント質硬化体の圧縮強度は、好ましくは100N/mm2以上、より好ましく120N/mm2以上である。圧縮強度が100N/mm2以上のセメント質硬化体は、極めて緻密であり、凍結融解抵抗性、耐摩耗性、非透水性、耐久性等に非常に優れている。なお、圧縮強度が100N/mm2未満のセメント質硬化体では、二次養生終了時において、その表面に未反応のセメント鉱物や水酸化カルシウムはほとんど存在しないので、二次養生終了時に硬化体表面に色むらが生じることがほとんどなく、本発明を適用する必要性が乏しい。
以下、実施例によって本発明を説明する。
1.配合物の使用材料
以下に示す材料を、セメント質硬化体に使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)微粉末;シリカフューム(BET比表面積14m2/g)
(3)無機粉末;石英粉末(ブレーン比表面積7000cm2/g)
(4)細骨材;珪砂5号
(5)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(6)水;水道水
(7)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
2.試験1
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、石英粉末35質量部、細骨材105質量部、減水剤0.8質量部(固形分換算)、水22質量部及び鋼繊維(配合物中の全体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練して配合物を得た。該配合物を、縦70mm×横70mm×厚さ20mmの型枠に流し込み、未硬化の成形体を形成した((A)成形工程)。 上記未硬化の成形体を、一次養生として20℃で24時間静置し、硬化した成形体を得た((B)一次養生工程)。
上記成形体を脱型(脱型時の成形体の圧縮強度は20〜25N/mm2)し、表1に示す炭酸ガス雰囲気の条件で二次養生を行った((C)二次養生工程)。二次養生は、昇温速度15℃/minで90℃まで昇温し、90℃で48時間蒸気養生後、降温速度15℃/minで40℃まで降温することによって行った。なお、炭酸ガスは炭酸ガスボンベから養生装置内に供給した。
表1に示す各々の炭酸ガス雰囲気の条件で、10枚のセメント質硬化体を得た。この10枚のセメント質硬化体の表面を目視で観察し、色むら発生の有無及び高級感・重厚感を調べた。また、色差計(ミノルタ社製CR-210)を使用して、該セメント質硬化体表面の明度を測定した。また、該セメント質硬化体のRyを「JIS B 0601-1994」に基づいて表面粗さ計を使用して測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 2008308364
Figure 2008308364
表2に示すとおり、本発明の製造方法で得られたセメント質硬化体(No.1、2)では、その表面に色むらは認められなかった。また、該硬化体は、光沢があり、高級感や重厚感に優れるものであった。また、該セメント質硬化体(No.1、2)について、一定の時間(6ヶ月)が経過した後、再度、セメント質硬化体の表面を目視で観察したところ、いずれのセメント質硬化体についても、色むらや退色は認められなかった。
一方、炭酸ガス雰囲気中で養生しなかったセメント質硬化体(No.3)では、一部の硬化体に色むらの発生が認められた。また、高級感や重厚感も乏しかった。
さらに、炭酸ガス濃度が本発明の規定を超える炭酸ガス雰囲気中で養生したセメント質硬化体(No.4)でも、一部の硬化体に色むらの発生が認められた。また、高級感や重厚感も乏しかった。
3.試験2
本発明の製造方法によって得られたセメント質硬化体の性状(圧縮強度、曲げ強度、非透水性、凍結融解抵抗性)を調べた。
(1)セメント質硬化体の圧縮強度試験
上記試験1で使用した配合物を、φ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で24時間前置き後(一次養生)、脱型して、硬化した成形体を得た。該成形体を試験1と同じ条件(炭酸ガス雰囲気の条件は表1の2の条件)で二次養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は230N/mm2であった。
(2)セメント質硬化体の曲げ強度試験
上記試験1で使用した配合物を、4×4×16cmの型枠に流し込み、20℃で24時間前置き後(一次養生)、脱型して、硬化した成形体を得た。該成形体を試験1と同じ条件(炭酸ガス雰囲気の条件は表1の2の条件)で二次養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は47N/mm2であった。
(3)透水試験
上記試験1で使用した配合物を、φ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で24時間前置き後(一次養生)、脱型して、硬化した成形体を得た。該成形体を試験1と同じ条件(炭酸ガス雰囲気の条件は表1の2の条件)で二次養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の透水係数を「JIS A 1404(建築用セメント防水剤の試験方法)」に準じて、変数位透水試験方法により測定した。その結果、水の浸透が全く認められず、浸透深さはゼロであった。
(4)凍結融解試験
上記試験1で使用した配合物を、10×10×40cmの型枠に流し込み、20℃で24時間前置き後(一次養生)、脱型して、硬化した成形体を得た。該成形体を試験1と同じ条件(炭酸ガス雰囲気の条件は表1の2の条件)で二次養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の凍結融解試験のおける耐久性指数を「JIS A 1148(コンクリートの凍結融解試験方法)」に準じて測定した。その結果、耐久性指数(3本の平均値)は、99.8であった。
上述の(1)〜(4)の試験の結果から、本発明の製造方法で得られたセメント質硬化体は、圧縮強度及び曲げ強度が大きく、非透水性、凍結融解抵抗性に優れていることが分かった。
4.試験3
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、石英粉末35質量部、細骨材105質量部、減水剤0.8質量部(固形分換算)及び水22質量部を二軸練りミキサに投入し、混練して配合物を得た。該配合物を、上記試験1と同じ方法で、成形・一次養生・二次養生(炭酸ガス雰囲気の条件は表1の2の条件)して、10枚のセメント質硬化体を得た。
この10枚のセメント質硬化体を目視で観察したところ、10枚とも色むらは認められず、また光沢を有し、高級感や重厚感に優れるものであった。なお、このセメント質硬化体の明度は50.2、Ryは25μmであった。

Claims (2)

  1. (A)セメントと、微粉末と、水とを少なくとも含み、水/セメント比が24質量%以下である配合物を混練し、混練した配合物を型枠に流し込んで未硬化の成形体を形成する成形工程と、
    (B)上記未硬化の成形体を一次養生し、硬化した成形体を得る一次養生工程と、
    (C)上記硬化した成形体を脱型し、該成形体を二次養生し、セメント質硬化体を得る二次養生工程を含むセメント質硬化体の製造方法であって、
    二次養生の一部又は全部の工程を炭酸ガス濃度が0.1〜10%の炭酸ガス雰囲気中で行うことを特徴とするセメント質硬化体の製造方法。
  2. 上記(C)二次養生工程における二次養生が蒸気養生である請求項1記載のセメント質硬化体の製造方法。
JP2007157932A 2007-06-14 2007-06-14 セメント質硬化体の製造方法 Active JP4865643B2 (ja)

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