JP6949524B2 - セメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物に関する。
耐摩耗性等の耐久性に優れたコンクリート舗装として、例えば、特許文献1には、セメント100質量部に対し、ポゾラン質微粉末5〜50質量部、粒径2mm以下の細骨材80〜180質量部、減水剤(固形分換算)0.5〜4.0質量部、及び水15〜25質量部を含む配合物の硬化体であって、上記ポゾラン質微粉末がシリカフューム又はシリカダストであり、曲げ強度が10〜50MPaであることを特徴とするコンクリート舗装が記載されている。
特許第4319312号公報
本発明の目的は、打設時の作業性が良好で、かつ、早期に交通開放が可能な舗装等の用途に好適に用いうるセメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、セメント分散剤、硬化促進剤、および水を含むセメント組成物であって、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、特定の条件を満たし、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、特定の条件を満たし、かつ、「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載されたコンクリートの物性の測定方法による値として、特定の条件を満たすセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、セメント分散剤、硬化促進剤、および水を含むセメント組成物であって、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(a)を満たし、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(b)を満たし、「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載されたコンクリートの物性の測定方法による値として、以下の(c)を満たすことを特徴とするセメント組成物。
(a)落下運動を行わない場合における90秒フロー値が、250〜350mmであること
(b)凝結の始発時間が、1〜5時間であること
(c)直径50mm、高さ100mmの円柱供試体を20℃で封かん養生した場合における材齢7日の圧縮強度が、90N/mm以上であること
[2] 上記セメント分散剤が、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤であり、かつ、上記硬化促進剤が、非塩素系特殊無機塩である前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記硬化促進剤の量が、上記セメント組成物1m当たり固形分換算で4〜18kgである前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 補強用繊維を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント組成物。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載のセメント組成物からなる現場打ちセメント含有硬化体。
[6] 前記[5]の現場打ちセメント含有硬化体を製造するための方法であって、上記セメント組成物を構成する材料を混練して、混練物を得る混練工程と、上記混練物を打設して、現場打ち混練物を得る打設工程と、上記現場打ち混練物を一次養生して、上記現場打ちセメント含有硬化体を得る一次養生工程、を含むことを特徴とする現場打ちセメント含有硬化体の製造方法。
[7] 二次養生を行わない前記[6]に記載の現場打ちセメント含有硬化体の製造方法。
本発明のセメント組成物は、高い流動性を有するため、打設時の作業性が良好である。
また、凝結の始発時間が早いため、舗装等に用いた場合、早期に交通開放が可能である。
本発明のセメント組成物は、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、セメント分散剤、硬化促進剤、および水を含むセメント組成物であって、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(a)を満たし、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(b)を満たし、「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載されたコンクリートの物性の測定方法による値として、以下の(c)を満たすものである。
(a)落下運動を行わない場合における90秒フロー値が、250〜350mmであること
(b)凝結の始発時間が、1〜5時間であること
(c)直径50mm、高さ100mmの円柱供試体を20℃で封かん養生した場合における材齢7日の圧縮強度が、90N/mm以上であること
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられるセメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、エコセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、ポルトランドセメントにシリカフュームおよび必要に応じて石灰石微粉末を均一にプレミックスしてなるシリカフュームプレミックスセメント等のプレミックスセメント等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セメントとして、混合セメントまたはシリカフュームプレミックスセメントを用いる場合、混合セメント等に含まれるポゾラン質微粉末(例えば、フライアッシュセメント中のフライアッシュ、シリカフュームプレミックスセメント中のシリカフューム等)は、本発明で用いる「ポゾラン質微粉末」に該当するものである。つまり、混合セメント等に含まれているセメントのみが、本発明で用いる「セメント」に該当するものとする。また、混合セメント等に含まれているポゾラン質微粉末の量は、本発明で用いる「セメント」の量に含めず、本発明で用いる「ポゾラン質微粉末」の量に含めるものとする。
本発明で用いられるポゾラン質微粉末の例としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、及び沈降シリカ等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、平均粒径が通常1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がないことから、シリカフューム及びシリカダストが好適である。
ポゾラン質微粉末の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部、特に好ましくは20〜35質量部である。該配合量が5質量部以上であれば、耐摩耗性がより向上する。該配合量が40質量部以下であれば、単位水量をより小さくすることができ、セメント組成物の硬化体の強度(例えば、圧縮強度)をより向上させることができる。
本発明において、セメント組成物の硬化体の強度をより向上させる観点から、セメント及びポゾラン質微粉末以外の無機粉末(以下、「他の無機粉末」ともいう。)を用いることができる。
他の無機粉末の例としては、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、炭化物粉末、窒化物粉末、石灰石微粉末等が挙げられる。中でも、コスト及び硬化後の品質安定性の観点から石灰石粉末、石英粉末が好ましい。
他の無機粉末は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の無機粉末としては、例えば、ブレーン比表面積が4,000〜10,000cm/g(セメント組成物の硬化体の強度をより向上させる観点から、好ましくは5,000〜9,000cm/g、より好ましくは6,000〜8,500cm/g)の無機粉末が挙げられる。
他の無機粉末の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜45質量部、特に好ましくは15〜40質量部である。該配合量が上記範囲内であると、セメント組成物の硬化前の流動性、及び、硬化体の強度、緻密性及び耐衝撃性等をより向上させることができる。
本発明においては粒径2mm以下の細骨材が用いられる。ここで、細骨材の粒径とは、85%質量累積粒径である。細骨材の粒径が2mmを超えると、セメント組成物の硬化体の強度および耐摩耗性が低下する。
また、上記細骨材の最大粒径は、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。細骨材の最大粒径が2mm以下であれば、セメント組成物の硬化前の流動性(作業性)、並びに、クラック抵抗性等をより向上させることができる。
細骨材の例としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物等が挙げられる。
細骨材の配合量は、セメント組成物の硬化体の強度および耐摩耗性をより向上させる観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは50〜250質量部、より好ましくは60〜200質量部、特に好ましくは70〜150質量部である。
本発明で用いられるセメント分散剤の例としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤及び高性能AE減水剤等が挙げられる。
セメント分散剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の硬化体の強度をより向上させる観点から、ポリカルボン酸系高性能減水剤又は高性能AE減水剤が好ましく、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤がより好ましい。
セメント分散剤の配合量は、セメント100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.2〜1.2質量部、より好ましくは0.3〜0.9質量部、特に好ましくは0.4〜0.7質量部である。該配合量が上記数値範囲内であれば、セメント組成物の硬化前の流動性(作業性)、並びに、硬化体の緻密性及び強度をより向上させることができる。
なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
本発明で用いられる硬化促進剤としては、コンクリート用混和剤として一般的に用いられているものであればよく、例えば、亜硝酸塩系、チオシアン酸塩系、硫酸塩系、チオ硫酸塩系、塩化物系、炭酸塩系、及びアルミナ系等の硬化促進剤や、トリエタノールアミン、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、及びカルシウムシリケート水和物等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、流動性を低下させることなく、凝結始発時間をより早くすることができる観点から、亜硝酸塩系の硬化促進剤が好ましい。
本発明のセメント組成物1m当たりの硬化促進剤の配合量(単位量)は、固形分換算で、好ましくは4〜18kg、より好ましくは5〜16kg、さらに好ましくは7〜14kg、特に好ましくは8〜12kgである。該配合量が4kg以上であれば、凝結の始発時間をより早くすることができる。該配合量が18kg以下であれば、セメント組成物の硬化前の流動性(作業性)の低下が起こりにくくなる。
また、セメント100質量部に対する硬化促進剤の配合量は、固形分換算で、好ましくは0.5〜2.5質量部、より好ましくは0.7〜2.0質量部、さらに好ましくは0.9〜1.8質量部、特に好ましくは1.0〜1.5質量部である。該配合量が0.5質量部以上であれば、凝結の始発時間をより早くすることができる。該配合量が2.5質量部以下であれば、セメント組成物の硬化前の流動性(作業性)の低下が起こりにくくなる。
本発明で用いられる水の例としては、水道水、スラッジ水、下水処理水等が挙げられる。
水の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜30質量部、特に好ましくは20〜25質量部である。該配合量が10質量部以上であれば、セメント組成物の硬化前の流動性をより向上させることができる。該配合量が40質量部以下であれば、セメント組成物の硬化体の強度および耐摩耗性をより向上させることができる。
また、水と粉体の質量比(水/粉体の質量比)は、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.05〜0.35、さらに好ましくは0.07〜0.30、特に好ましくは0.10〜0.25である。該比が0.40以下であれば、セメント組成物の硬化体の強度および耐摩耗性をより向上させることができる。該比が0.05以上であれば、セメント組成物の硬化前の流動性をより向上させることができる。
ここで、粉体とは、セメントと上述のポゾラン質微粉末と上述の他の無機粉末を含むものである。粉体の質量とは、セメントと上述のポゾラン質微粉末と上述の他の無機粉末の合計の質量である。
本発明のセメント組成物は、セメント組成物の硬化体の曲げ強度等を向上させる観点から、補強用繊維を含むことができる。
補強用繊維としては、金属繊維および有機質繊維の少なくともいずれか一方を使用することができる。中でも、舗装の用途には、曲げ強度の向上に寄与する金属繊維を使用することが好ましい。
補強用繊維の配合量(金属繊維及び有機質繊維を用いた場合、その合計量)は、セメント組成物中の体積割合で、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜7%、特に好ましくは1〜5%である。該配合量が10%以下であれば、混練時の作業性等を確保しつつ単位水量を少なくできるため、セメント組成物の硬化体の強度をより向上させることができる。該配合量が0.1%以上であれば、セメント組成物の硬化体の曲げ強度や破壊エネルギーをより向上させることができる。
金属繊維の例としては、鋼繊維、及びアモルファス繊維等が挙げられる。中でも、強度発現性に優れ、コストが低く、入手が容易である観点から、鋼繊維が好ましい。
金属繊維は、直径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。直径が0.01mm未満では、繊維自体の強度が不足し、張力を受けた際に切れやすくなる。直径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、曲げ強度や破壊エネルギーを向上させる効果が低下する。長さが2mm未満では、曲げ強度や破壊エネルギーを向上させる効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じやすくなる。
金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
金属繊維を用いる場合、該金属繊維の配合量は、セメント組成物中の体積割合で、好ましくは0.1〜4%、より好ましくは0.2〜3%、特に好ましくは0.5〜3%である。金属繊維の配合量が4%以下であれば、混練時の作業性等を確保しつつ単位水量を少なくできるため、セメント組成物の硬化体の強度をより向上させることができる。該配合量が0.1%以上であれば、セメント組成物の硬化体の曲げ強度や破壊エネルギーをより向上させることができる。
有機質繊維の例としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、及び炭素繊維等が挙げられる。
有機質繊維は、直径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。直径が0.005mm未満では、繊維自体の強度が不足し、張力を受けた際に切れやすくなる。直径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、破壊エネルギーを向上させる効果が低下する。長さが2mm未満では、マトリックスに対する付着力が低下し、破壊エネルギーを向上させる効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じやすくなる。
有機質繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
有機質繊維を用いる場合、該有機質繊維の配合量は、セメント組成物中の体積割合で、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜7%、特に好ましくは1〜6%である。有機質繊維の配合量が10%以下であれば、混練時の作業性等を確保しつつ単位水量を少なくできるため、セメント組成物の硬化体の強度をより向上させることができる。有機質繊維の配合量が0.1%以上であれば、セメント組成物の硬化体の曲げ強度や破壊エネルギーをより向上させることができる。
本発明のセメント組成物は、上記材料以外に、必要に応じて他の材料を配合してもよい。必要に応じて配合される他の材料としては、消泡剤等が挙げられる。
消泡剤としては、エステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤、粉末消泡剤等が挙げられる。
本発明のセメント組成物の、落下運動を行わない場合における90秒フロー値は、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値(15回の落下運動を行わない場合における値)として、250mm以上、好ましくは260mm以上、より好ましくは270mm以上である。該フロー値が250mm未満であると、打設時の作業性が低下する。該フロー値の上限値は、排水勾配のように傾斜面を有する成形体の用途に用いる場合に、打設時にモルタルの形を維持する観点から、350mm以下、好ましくは320mm以下、より好ましくは300mm以下である。
本発明のセメント組成物の材齢7日の圧縮強度は、「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載されたコンクリートの物性の測定方法による、直径50mm、高さ100mmの円柱供試体を20℃で封かん養生した場合における、材齢7日の圧縮強度の値として、90N/mm以上、好ましくは95N/mm以上、より好ましくは100N/mm以上である。該圧縮強度が90N/mm未満であると、セメント組成物の硬化体の強度が低いため、耐久性が低下する。該圧縮強度の上限値は特に限定されないが、好ましくは200N/mm、より好ましくは180N/mmである。
本発明のセメント組成物の凝結の始発時間は、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、1〜5時間、好ましくは1.5〜4.5時間、より好ましくは2〜4時間である。該時間が5時間を超えると、排水勾配のように傾斜面を有する成形体の用途に用いる場合に、打設時にモルタルの形が崩れ易くなる。該時間が1時間未満であると、十分な可使時間を確保することが困難になる。
また、本発明のセメント組成物の凝結の終結時間は、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、好ましくは2〜8時間以内、より好ましくは3〜7時間、さらに好ましくは4〜6時間である。該時間が8時間を超えると、早期の交通開放が困難になる。
本発明のセメント組成物は、高い流動性を有し、かつ、凝結の始発時間が早いため、現場打ち施工に好適に用いることができる。
また、凝結の始発時間及び終結時間が早いため、舗装として用いた場合において、早期に交通開放が可能である。
本発明のセメント組成物からなる現場打ちセメント含有硬化体を製造するための方法の例としては、上述したセメント組成物を構成する材料を混練して、混練物を得る混練工程と、得られた混練物を打設して、現場打ち混練物を得る打設工程と、得られた現場打ち混練物を一次養生して、現場打ちセメント含有硬化体を得る一次養生工程、を含む方法が挙げられる。
混練工程における、セメント組成物の混練方法としては、特に限定されるものでない。
また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾動ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。
一次養生工程における、一次養生の方法の例としては、打設工程で打設された混練物を、所定の温度(例えば、5〜40℃)で所定時間(例えば、1〜24時間)静置する方法等が挙げられる。
本発明のセメント組成物によれば、製造工程において二次養生を行わなくても、優れた強度を有する硬化体を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント:中庸熱ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
(2)ポゾラン質微粉末:シリカフューム(BET比表面積:11m/g)
(3)粒径2mm以下の細骨材:山砂(表乾密度:2.62g/cm、最大粒径:1mm以下)
(4)無機粉末:石英粉末(ブレーン比表面積:7,500cm/g)
(5)水:水道水
(6)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(7)セメント分散剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
(8)硬化促進剤A:亜硝酸塩系
(9)硬化促進剤B:カルシウムシリケート水和物
[実施例1〜4、比較例1〜6]
上記材料を使用して、90秒フロー試験、凝結試験、圧縮強度試験を以下に示す方法で行った。なお、各材料の種類および配合は、表1に示すとおりである。
(1)90秒フロー試験
細骨材以外の各材料を一括で、2リットルホバートミキサに投入した後、流動化状態となるまで行い、次いで、金属繊維を投入して2分間混練し、混練物を得た。ここで、「流動化状態」とは、混練によって、混練物(投入されたすべての原料からなる混合物)が、粉が混ざった状態から、粉が混ざらない状態に変化して、全体が一体化して動きうるようになった状態をいう。また、流動化状態となるまでに要した時間(表1中、「混練時間」とも示す。)を測定した。
得られた混練物(モルタル)について、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載される方法に準拠して、15回の落下運動を行わないでフロー値を測定した。
なお、1バッチにつき得られる混練物は1.5リットルであった。
(2)凝結試験
金属繊維を使用せず、流動化状態となるまで混練を行って混練物を得る以外は、上述の90秒フロー試験における混練方法と同様の方法によって混練物を得た。
得られた混練物について、「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載される方法に準拠して、凝結始発時間及び凝結終結時間を測定した。
なお、上記凝結試験における凝結始発時間及び凝結終結時間は、セメント組成物に繊維が含まれている場合であっても、セメント組成物に繊維が含まれていない場合であっても同様の結果となる。
(3)圧縮強度試験
上述の90秒フロー試験における混練方法と同様の方法によって混練物を得た。
得られた混練物について、「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載される方法に準拠して、直径50mm、高さ100mmの円柱供試体を作製し、20℃の恒温室内で封かん養生した場合の、材齢7日及び28日における圧縮強度を測定した。
それぞれの結果を表2に示す。
Figure 0006949524
Figure 0006949524
表2から、本発明のセメント組成物(実施例1〜4)の90秒フロー値(279〜295mm)は、硬化促進剤を使用していない比較例1の90秒フロー値(281mm)と同程度であり、比較例2〜4、6の90秒フロー値(120〜231mm)よりも大きいことがわかる。
また、本発明のセメント組成物(実施例1〜4)の始発時間(1時間11分〜4時間50分)は、硬化促進剤を使用していない比較例1〜2の始発時間(5時間35分以上)よりも早いことがわかる。
また、比較例3〜5は、混練しても流動化状態にすることができないことがわかる。
さらに、比較例6は、90秒フロー値を比較例3よりも大きくする目的で、硬化促進剤の添加量を、比較例3よりも低減したものである。比較例6の90秒フロー値(231mm)は、比較例3(166mm)よりも大きいものの、250mmを満たさないものである。また、比較例6の始発時間は5時間を越えていることがわかる。
このことから、本発明のセメント組成物(実施例1〜4)は、90秒フロー値が大きく、かつ、始発時間が早いことがわかる。また、一定の作業時間も確保されることがわかる。

Claims (5)

  1. セメント、シリカフューム、粒径2mm以下の細骨材、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤亜硝酸塩系硬化促進剤、および水を含むセメント組成物であって、
    上記亜硝酸塩系硬化促進剤の量が、上記セメント組成物1m 当たり固形分換算で7〜14kgであり、
    「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(a)を満たし、
    「JIS A 1147:2007 コンクリートの凝結時間試験方法」に記載されたモルタルの物性の測定方法による値として、以下の(b)を満たし、
    「JIS A 1108:2006 コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載されたコンクリートの物性の測定方法による値として、以下の(c)を満たすことを特徴とするセメント組成物。
    (a)落下運動を行わない場合における90秒フロー値が、250〜350mmであること
    (b)凝結の始発時間が、1〜5時間であること
    (c)直径50mm、高さ100mmの円柱供試体を20℃で封かん養生した場合における材齢7日の圧縮強度が、90N/mm以上であること
  2. 補強用繊維を含む請求項に記載のセメント組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント組成物からなる現場打ちセメント含有硬化体。
  4. 請求項3に記載の現場打ちセメント含有硬化体を製造するための方法であって、
    上記セメント組成物を構成する材料を混練して、混練物を得る混練工程と、
    上記混練物を打設して、現場打ち混練物を得る打設工程と、
    上記現場打ち混練物を一次養生して、上記現場打ちセメント含有硬化体を得る一次養生工程、
    を含むことを特徴とする現場打ちセメント含有硬化体の製造方法。
  5. 二次養生を行わない請求項に記載の現場打ちセメント含有硬化体の製造方法。
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