JP2018192703A - 押出成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュでも使用することが可能な押出成形品の製造方法を提供する。【解決手段】セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料を減圧脱気し、押出成形する押出成形品の製造方法に関する。前記フライアッシュの強熱減量に基いて、前記押出成形品の比重が所定の範囲内となるように、前記減圧脱気の際の真空圧を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、押出成形品の製造方法に関する。詳しくは、壁材や屋根材などの建材として使用可能な押出成形品の製造方法に関する。
従来、セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料を押出成形することにより押出成形品を製造することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このような水硬性無機質材料は、いわゆるポゾラン反応により、長期強度が大きい押出成形品が得られやすくなったり、ワーカビリティー(流動性)が優れて成形性が向上したり、押出成形品の表面地合いが向上したりする。
一方、フライアッシュ中には未燃カーボンが含まれることがあり、この未燃カーボンが水硬性無機質材料中に配合した分散剤を吸着する。このため、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュを使用すると、分散剤による効果(水硬性無機質材料中の成分の分散性向上)が低下し、大きな押出圧力が必要となったり、養生後の硬度が低くなったり、乾燥比重が軽くなりすぎたり、曲げ強度が低下したり、耐凍害性が低下したりすることがあった。そこで、未燃カーボンの含有量が少ないフライアッシュしか使用することができないという問題があった。
特開2011−57521号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュでも使用することが可能な押出成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る押出成形品の製造方法は、
セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料を減圧脱気し、押出成形する押出成形品の製造方法であって、
前記フライアッシュの強熱減量に基いて、前記押出成形品の比重が所定の範囲内となるように、前記減圧脱気の際の真空圧を調整する
ことを特徴とする。
本発明にあっては、
前記フライアッシュは強熱減量が2.5%以上であり、
前記真空圧が−0.085MPa以上である
ことが好ましい。
本発明にあっては、
前記フライアッシュの強熱減量と、該強熱減量に対応して調整された真空圧との関係を示す検量線を予め作成し、
前記フライアッシュの強熱減量を測定し、
その強熱減量に対応する真空圧を前記検量線から求め、
前記検量線から得られた真空圧で前記減圧脱気を行う
ことが好ましい。
本発明にあっては、
前記水硬性無機質材料は軽量骨材をさらに含有し、
前記フライアッシュの強熱減量に基いて、前記軽量骨材の含有量を調整する
ことが好ましい。
本発明では、フライアッシュの強熱減量に基いて、減圧脱気の際の真空圧を調整するので、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュでも、水硬性無機質材料の成形性等を損なうことを抑制して、使用することが可能となる。
図1は、本発明に係る押出成形品の製造方法で使用する検量線の一例を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態は、セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料(成形材料)を減圧脱気した後、押出成形する押出成形品の製造方法である。
<水硬性無機質材料>
水硬性無機質材料は、混合材料と水とを混練することにより調製される。混合材料はセメントとフライアッシュとを含有し、必要に応じて、珪酸質材料、補強繊維、骨材、増量材、増粘剤、分散剤、その他の材料をさらに含有しても良い。なお、この混合材料は、水硬性無機質材料に含有されている成分のうち、水以外の成分であって、水硬性無機質材料の固形分である。水硬性無機質材料における水の配合割合(水比)は、混合材料の水への分散性や成形性等を考慮すると、混合材料100質量部に対して水が30〜100質量、好ましくは40〜80質量部であることが好ましい。水比がこの範囲であれば、水硬性無機質材料中のセメントが十分に硬化し、曲げ強度がより優れる押出成形品を得ることができる。
<セメント>
セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント)、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ハイアルミナセメント、シリカヒュームセメントなどを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり2種以上を併用しても良い。またセメントにはあらかじめ添加剤などが含まれていても良い。セメントの配合割合は、混合材料100質量部に対して、15〜70質量部、好ましくは、25〜60質量部とすることができる。
<フライアッシュ>
フライアッシュとしては、石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰のうち、集塵器で採取された灰などを使用することができる。フライアッシュの品質は、JIS A6201−2008で規定されているが、その一つの指標として、強熱減量がある。強熱減量は、主に、フライアッシュ中の未燃カーボンの含有量を示す指標であって、値が小さいほうが未燃カーボンの含有量が少ないことを示す。水硬性無機質材料の成形性及び押出成形品の強度や表面地合いなどを考慮すると、強熱減量は小さいほうが好ましいが、本実施形態にあっては、強熱減量が大きいフライアッシュであっても使用可能である。
高品質のフライアッシュは強熱減量が2.5%未満であるが、本実施形態では強熱減量が2.5%以上のフライアッシュを使用することができる。なお、フライアッシュの強熱減量の上限は、特に設定されないが、10%以下のものであれば使用可能である。フライアッシュの配合割合は、混合材料100質量部に対して、10〜60質量部、好ましくは、20〜50質量部とすることができる。
<珪酸質材料>
混合材料には珪酸質材料が含有されていてもよい。この場合、オートクレーブ養生の際に水熱反応することで耐久性の高い押出成形品を得やすくなる。珪酸質材料としては、例えば、珪石粉、シリカヒューム、ケイ藻土、ドロマイト、ガラス粉、ケイ質粘土、ベントナイトなどを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり又は2種以上を併用しても良い。なかでも、押出成形品の曲げ強度及び耐久性を向上させるべく、珪石粉を用いることが好ましい。珪酸質材料の配合割合は、混合材料100質量部に対して、5〜80質量部、好ましくは、15〜70質量部とすることができる。
<補強繊維>
混合材料には補強繊維が含有されていても良い。この場合、押出成形品に優れた粘り強さを付与することができ、大きな破壊荷重が加わった際に、割れにくく、たとえ欠けても破片が飛び散りにくい押出成形品を得ることができる。補強繊維としては、例えば、パルプ繊維などの天然繊維;ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維;ガラス繊維;炭素繊維;セラミック繊維;金属繊維などを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり又は2種以上を併用しても良い。パルプ繊維を用いる場合は、L材パルプ、N材パルプ、ラミーパルプ、リンターパルプなどの適宜のものを用いることができる。補強繊維の繊維長は、特に限定されず、0.5〜10mmとすることができ、好ましくは2〜8mmである。補強繊維の繊維径は、特に限定されず、1〜100μmとすることができ、好ましくは10〜30μmである。補強繊維の配合割合は、混合材料100質量部に対して、2〜20質量部、好ましくは、4〜15質量部とすることができる。
<骨材>
混合材料には骨材が含有されていてもよい。骨材としては、マイカ、ウォラストナイト、軽量骨材、山砂、山砂利、川砂、川砂利、海砂、粉石、砕砂などを用いることができ、なかでも、軽量骨材が好ましく、これにより、押出成形品の軽量化を図ることができ、また寸法安定性がよく、耐候性の高い押出成形品を得ることができる。また、特に、マイカは押出成形品の寸法安定性を向上させる機能があり、好ましい。軽量骨材としては、例えば、シラスバルーン、ガラスバルーン、パーライト、焼成バーミキュライト、フライアッシュバルーン、合成樹脂ビーズ、合成樹脂発泡体などを用いることができる。骨材の配合割合は、混合材料100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは、0.2〜15質量部とすることができる。骨材の配合割合が上記範囲であれば、押出成形品の曲げ強度がより優れるとともに軽量化された押出成形品を得ることができる。
水硬性無機質材料中の軽量骨材の含有量はフライアッシュの強熱減量に基いて調整することが好ましい。本実施形態では、フライアッシュの強熱減量に基いて、減圧脱気の際の真空圧を調整しているので、それに伴って、押出成形品中の空気の含有量が増減して比重が変わるが、押出成形品の比重は曲げ強度等に影響をあたえるために、所定の範囲であることが好ましい。そこで、本実施形態にあっては、水硬性無機質材料中の軽量骨材の含有量は、フライアッシュの強熱減量に基いて、減圧脱気の際の真空圧を調整し、さらに、水硬性無機質材料中の軽量骨材の含有量も、フライアッシュの強熱減量に基いて調整することが好ましい。これにより、所定の比重を有する押出成形品が得られやすくなり、押出成形品の曲げ強度等の物性の低下を抑制することができる。
<増量材>
混合材料には増量材が含有されていてもよく、これにより、セメントの硬化反応を向上させることができる。増量材としては、押出成形品の不良品や端材の粉砕物などを用いることができる。増量材の配合割合は、混合材料100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは、4〜15質量部とすることができる。また混合材料が軽量骨材と増量材とを含有する場合、軽量骨材と増量材の合計量が、混合材料100質量部に対して、2〜35質量部、好ましくは、4〜20質量部とすることができる。
<増粘剤>
混合材料には増粘剤が含有されていてもよく、これにより、粘度を調整して成形しやすい水硬性無機質材料を得ることができる。さらに、真空押出成形機の吐出圧や真空度の設定によっては、圧力変化による水硬性無機質材料の材料分離(相分離)が起こることがあり得るが、水硬性無機質材料に増粘剤を含有させることで、材料分離を抑制することができ、所望の品質の押出成形品を得やすくなる。増粘剤としては、セメント系の材料に通常用いられるものとして、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性のセルロース系増粘剤があるが、本実施形態では、賦形性や入手のしやすさやコスト等を考慮してメチルセルロースを用いるのが好ましい。グリーンシートに付与する柄の深さが深い場合や柄のテクスチャーが細かくて緻密な場合に十分な賦形性が得られるように、増粘剤の配合割合は、水硬性無機質材料の全量に対して、1.0〜2.0質量%とすることができる。
<分散剤>
混合材料には分散剤が含有されていてもよく、これにより、セメントの分散性の高い水硬性無機質材料を得ることができる。分散剤は、セメント系の材料に通常用いられる界面活性剤などであってよい。分散剤としてはAE減水剤などを用いることができる。分散剤は、標準形、遅延形、促進形のいずれであってもよい。分散剤の配合割合は、混合材料100質量部に対して、0.01〜5質量部、好ましくは、0.05〜3質量部とすることができる。
<その他の材料>
混合材料には、セメント、珪酸質材料、補強繊維、骨材、増量材、増粘剤、分散剤の他に、さらにその他の材料を含有されていてもよい。その他の材料としては、例えば、顔料、着色剤などを用いることができる。
<製造方法>
本実施形態の押出成形品の製造方法は、水硬性無機質材料を減圧脱気する減圧脱気工程と、減圧脱気された水硬性無機質材料を押出成形する押出成形工程とを備えている。より具体的には、本実施形態は、混合材料に水を加えて混練して水硬性無機質材料を得る混練工程と、該水硬性無機質材料を減圧脱気する減圧脱気工程と、減圧脱気された水硬性無機質材料を押出成形して成形体(グリーンシート)を得る押出成形工程と、成形体を硬化して押出成形品(無機質板)を得る硬化工程とを備える。
<混練工程>
混練工程では、混合材料に水を加えて混練する。これにより、液状又は粘性のある流動状の水硬性無機質材料を得る。混合材料と水とを混練する方法としては、特に限定されず、例えば、混合材料を乾式で混合し、さらに水を加えて混練機で混練し、調製する方法を用いることができる。また混練工程において、上下二段で混練機能を有する混練機を用いる場合は、上段の混練機能で混合材料を乾式で混合し、さらに水を加えて混練機で混練し、この後、さらに下段の混練機能である真空押出成形機内に混練しても良い。なお、上下
二段で混練機能を有する混練機を用いた場合であっても、下段の混練機能である真空押出成形機内のみで混練してもよい。
<減圧脱気工程>
減圧脱気工程では、上記水硬性無機質材料を減圧脱気する。これにより、押出成形品を適度なポーラス状態にすることができる。水硬性無機質材料を減圧脱気するには、真空押出成形機を用いることができる。真空押出成形機としては、水硬性無機質材料を混練し、所定の真空圧で水硬性無機質材料を減圧脱気し、減圧脱気された水硬性無機質材料を押出成形する装置であることが好ましく、具体的には、上下二段に混練機能を有する二段式の真空押出成形機で、上段と下段の継続部分に減圧脱気室が介在している構造の装置を用いることができる。このような真空押出成形機は市販のものを用いることができる。上段及び下段のスクリューの軸数は単軸であっても良いし、二軸以上の多軸であっても良い。
減圧脱気工程における真空圧は、押出成形品の比重が所定の範囲内となるように、水硬性無機質材料に含有されているフライアッシュの強熱減量に基いて調整される。これにより、水硬性無機質材料中に所定量の空気を残存させることができ、この残存した空気のベアリング効果で水硬性無機質材料の押出成形時の流動性が改善する。従って、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュを使用して水硬性無機質材料中の分散剤が吸着された場合でも、水硬性無機質材料の成形性等を損なうことを抑制することができる。また未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュを使用した場合であっても、分散剤の使用量を増加させる必要がなくなり、コストアップを抑制することができると共に、養生中のセメントの硬化速度が低下することがなくなる。また押出成形品中に空気が残存するため、軽量化を図ることができ、軽量骨材の配合量を少なくすることができる。また、押出成形品中に残存する空気量を調整し、所定の比重の押出成形品を成形すれば、強度の低下が抑制される。さらに押出成形品に含まれる空気の穴が水分凍結時の緩衝空隙となり、耐凍害性が維持されやすくなる。
本実施形態にあっては、フライアッシュの強熱減量が2.5%以上であると、減圧脱気の際の真空圧を−0.085MPa以上に調整することが好ましい。またフライアッシュの強熱減量が4.6%以上であると、減圧脱気の際の真空圧を−0.083MPa以上に調整することが好ましい。さらにフライアッシュの強熱減量が7.2%以上であると、減圧脱気の際の真空圧を−0.070MPa以上に調整することが好ましい。またフライアッシュの強熱減量が8.9%以上であると、減圧脱気の際の真空圧を−0.064MPa以上に調整することが好ましい。
本実施形態にあっては、フライアッシュの強熱減量と、該強熱減量に対応して適切に調整された真空圧との関係を示す検量線を予め作成しておき、押出成形品の実際の製造時において使用するフライアッシュの強熱減量を測定し、その強熱減量に対応する適切な真空圧を前記検量線から求め、検量線から得られた真空圧で減圧脱気を行うことが好ましい。検量線は、押出成形品を実際に製造する前に予め作成しておくが、この場合、押出成形品を実験的に製造し、フライアッシュの強熱減量に対応した適切な真空圧を求めることができる。上記のようにして検量線を利用することにより、適切な真空圧を簡単に設定することができ、減圧脱気を行いやすくなって、生産性の向上を図ることができる。図1は検量線の一例を示す。この検量線ではフライアッシュの強熱減量と真空圧との関係が、ほぼ一次関数と考えることができる。
<押出成形工程>
押出成形工程では、減圧脱気された水硬性無機質材料を押出成形して成形体を得る。すなわち、減圧脱気された水硬性無機質材料を真空押出成形機の口金部材から外部に押し出すことで、口金部材の形状と合致する断面形状を有する適度にポーラスな状態の成形体が得られる。口金部材の形状は、特に限定されず、板状等の所望の無機質板の断面形状等に
応じて適宜選択可能である。
水硬性無機質材料を吐出する圧力(吐出圧)は、0.1〜3.0MPa、好ましくは0.2〜1.5MPa、更に好ましくは0.3〜1.0MPaである。真空押出成形機内の温度は、5〜40℃、好ましくは10〜35℃である。水硬性無機質材料を吐出する時の硬度は、0.5〜8.0、好ましくは、2.0〜6.0である。なお、硬度とは、CLAY HARDNESS TESTER(日本ガイシ株式会社製)での測定値であり、数値が大きいほど水硬性無機質材料が硬いことを示す。
真空押出成形機の口金部材から押し出された成形体をさらに成形しても良い。真空押出成形機の口金部材から押し出された成形体は完全に硬化しておらず、いわゆるグリーンシートの状態となっているため、必要に応じて、コンベアなどの搬送により成形体をプレス成形することができる。プレス成形する方法としては、例えば、平板プレス成形、ロールプレス成形などを用いることができる。プレス成形する際、離型性を得るために離型剤を使用しても良い。離型剤を使用する場合、プレス成形に用いる金型に離型剤を塗布しても良いし、成形体の表面に離型剤を噴き付けるなどしてもよい。
<硬化工程>
硬化工程では、上記成形体を硬化させる。これにより、耐凍害性に優れるとともに、吸水率の増加や曲げ強度の低下等の製品性能を損なうことなく軽量化された押出成形品を得ることができる。成形体を硬化させるには、例えば、成形体に一次養生を施した後、二次養生(オートクレーブ養生)を施すことができる。
一次養生としては、水硬性無機質材料の材質などにより適宜調整すればよく、例えば、常温養生や蒸気養生などが挙げられ、なかでも蒸気養生が好ましい。一次養生は、例えば、常圧下、40〜90℃の温度で4〜12時間行われるのが好ましい。
オートクレーブ養生は、一次養生の条件や水硬性無機質材料の材質などにより適宜調整すればよいが、例えば、0.5〜0.8MPa(5〜8気圧)の下で160〜180℃の温度条件で行うことができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(基準例、実施例及び比較例)
セメント、フライアッシュ、分散剤、軽量骨材、珪酸質材料、補強繊維、その他の添加剤(増量材や増粘剤など)を表1に示す配合割合で乾式混合して混合材料を得、この混合材料100質量部に対して水51質量部を加えて材料混練ミキサーで混練し、水硬性無機質材料を得た。
得られた水硬性無機質材料を二段式の真空押出成形機(本田鐵工所の「HDE−4型」)内に投入し、真空押出成形機内で水硬性無機質材料を減圧脱気した後、減圧脱気した水硬性無機質材料を口金部材から押し出し、グリーンシート状の成形体を得た。この際の成形条件は、真空押出成形機内の系内温度を15℃とし、真空圧は表1に示す圧力とした。
この成形体に、常圧下、65℃の温度で15時間の条件で一次養生を施した後、170℃の温度で12時間の条件でオートクレーブ養生を施して押出成形品を得た。
得られた押出成形品について、押出圧力、一次養生後のアスカー硬度、乾燥比重、曲げ強度、凍害性(厚み膨張率)を下記の評価方法により評価した。結果を表2に示す。
押出圧力は、減圧脱気した水硬性無機質材料を口金部材から押し出しする際の圧力を測定し、この圧力が0.45〜0.60MPaであるものに○を、0.60MPaを超えるものに×を付した。
アスカー硬度は、JIS K 7312/JIS S 6050に準拠したデュロメーターを用いて測定し、30以上であるものに○を、30未満のものに×を付した。
乾燥比重は、押出成形品の比重(水を基準とする)を測定し、1.05±0.03のものに○を、それ以外のものに×を付した。
曲げ強度は、JIS A 1408:2011に準拠して測定し、11.0MPa以上のものに○を、11.0MPa未満のものに×を付した。
凍害性は、JIS A 5422:2014に準拠した耐凍結融解性試験を行った後、厚みの膨張率を測定し、4.0%以下のものに○を、4.0%を超えるものに×を付した。
表2に示すように、強熱減量の少ないフライアッシュを用いた基準例に対して、実施例及び比較例は強熱減量の多いフライアッシュを用いたものであるが、実施例では真空圧を基準例よりも低く調整することにより、良好な成形性や良質な押出成形品が得られた。一方、比較例では真空圧を基準例と変わらないようにしたために、良好な成形性や良質な押出成形品が得られなかった。
Figure 2018192703
Figure 2018192703
本実施形態は以下の特徴を有する。
本実施形態の押出成形品の製造方法は、セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料を減圧脱気し、押出成形する押出成形品の製造方法である。フライアッシュの強熱減量に基いて、押出成形品の比重が所定の範囲内となるように、減圧脱気の際の真空
圧を調整する。この場合、フライアッシュの品質による影響を少なくして押出成形を行うことができる。
本実施形態にあっては、フライアッシュは強熱減量が2.5%以上であり、真空圧が−0.085MPa以上であることが好ましい。この場合、フライアッシュの品質が低い場合でも押出成形性が低下しにくい。
本実施形態にあっては、フライアッシュの強熱減量と、該強熱減量に対応して調整された真空圧との関係を示す検量線を予め作成し、フライアッシュの強熱減量を測定し、その強熱減量に対応する真空圧を前記検量線から求め、検量線から得られた真空圧で減圧脱気を行うことが好ましい。この場合、予め作成した検量線から所定の真空圧を簡単に設定することができ、減圧脱気を行いやすくなる。
本実施形態にあっては、水硬性無機質材料は軽量骨材をさらに含有し、フライアッシュの強熱減量に基いて、軽量骨材の含有量を調整することが好ましい。この場合、フライアッシュの品質による影響を少なくして押出成形品の比重の調整を行うことができる。

Claims (4)

  1. セメントとフライアッシュとを含有する水硬性無機質材料を減圧脱気し、押出成形する押出成形品の製造方法であって、
    前記フライアッシュの強熱減量に基いて、前記押出成形品の比重が所定の範囲内となるように、前記減圧脱気の際の真空圧を調整する
    押出成形品の製造方法。
  2. 請求項1において
    前記フライアッシュは強熱減量が2.5%以上であり、
    前記真空圧が−0.085MPa以上である
    押出成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記フライアッシュの強熱減量と、該強熱減量に対応して調整された真空圧との関係を示す検量線を予め作成し、
    前記フライアッシュの強熱減量を測定し、
    その強熱減量に対応する真空圧を前記検量線から求め、
    前記検量線から得られた真空圧で前記減圧脱気を行う
    押出成形品の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において
    前記水硬性無機質材料は軽量骨材をさらに含有し、
    前記フライアッシュの強熱減量に基いて、前記軽量骨材の含有量を調整する
    押出成形品の製造方法。
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