JP2018127384A - 無機質板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
セメントを含む成形材料を真空脱気した後に押出成形するにあたって、
前記成形材料にはメチルセルロースを1.0〜2.0質量%の割合で配合し、
前記真空脱気は40〜80kPaの真空度で行われることを特徴とする。
混練工程では、セメントを含有する混合材料に水を加えて混練する。これにより、液状又は粘性のある流動状の水硬性無機質材料を得る。混合材料と水とを混練する方法としては、特に限定されず、例えば、混合材料を乾式で混合し、さらに水を加えて混練機で混練し、調製する方法を用いることができる。また混練工程において、上下二段で混練機能を有する混練機を用いる場合は、上段の混練機能で混合材料を乾式で混合し、さらに水を加えて混練機で混練し、この後、さらに下段の混練機能である真空押出成形機内に混練しても良い。なお、上下二段で混練機能を有する混練機を用いた場合であっても、下段の混練機能である真空押出成形機内のみで混練してもよい。
成形材料における水の配合割合(水比)は、混合材料の水への分散性や成形性等を考慮すると、混合材料100質量部に対して水が30〜100質量、好ましくは40〜80質量部であることが好ましい。水比がこの範囲であれば、成形材料中のセメントが十分に硬化し、曲げ強度がより優れる無機質板を得ることができる。
混合材料はセメントを含有し、必要に応じて、珪酸質材料、補強繊維、骨材、増量材、増粘剤、分散剤、その他の材料をさらに含有しても良い。なお、この混合材料は、水硬性無機質材料に含有されている成分のうち、水以外の成分であって、水硬性無機質材料の固形分である。
混合材料に含有されているセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント)、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ハイアルミナセメント、シリカヒュームセメントなどを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり2種以上を併用しても良い。またセメントにはあらかじめ添加剤などが含まれていても良い。セメントの配合割合は、混合材料100質量部に対して、15〜70質量部、好ましくは、25〜60質量部とすることができる。
混合材料には珪酸質材料が含有されていてもよい。この場合、オートクレーブ養生の際に水熱反応することで耐久性の高い無機質板を得やすくなる。珪酸質材料としては、例えば、珪石粉、フライアッシュ、シリカヒューム、ケイ藻土、ドロマイト、ガラス粉、ケイ質粘土、ベントナイトなどを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり又は2種以上を併用しても良い。なかでも、無機質板の曲げ強度及び耐久性を向上させるべく、珪石粉、フライアッシュを用いることが好ましい。珪酸質材料の配合割合は、混合材料100質量部に対して、5〜80質量部、好ましくは、15〜70質量部とすることができる。
混合材料には補強繊維が含有されていても良い。この場合、無機質板に優れた粘り強さを付与することができ、大きな破壊荷重が加わった際に、割れにくく、たとえ欠けても破片が飛び散りにくい無機質板を得ることができる。補強繊維としては、例えば、パルプ繊維などの天然繊維;ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維;ガラス繊維;炭素繊維;セラミック繊維;金属繊維などを用いることができる。これらのうち、一種を単独で用いたり又は2種以上を併用しても良い。パルプ繊維を用いる場合は、L材パルプ、N材パルプ、ラミーパルプ、リンターパルプなどの適宜のものを用いることができる。補強繊維の繊維長は、特に限定されず、0.5〜10mmとすることができ、好ましくは2〜8mmである。補強繊維の繊維径は、特に限定されず、1〜100μmとすることができ、好ましくは10〜30μmである。補強繊維の配合割合は、混合材料100質量部に対して、2〜20質量部、好ましくは、4〜15質量部とすることができる。
混合材料には骨材が含有されていてもよい。骨材としては、マイカ、ウォラストナイト、軽量骨材、山砂、山砂利、川砂、川砂利、海砂、粉石、砕砂などを用いることができ、なかでも、軽量骨材が好ましく、これにより、無機質板の軽量化を図ることができ、また寸法安定性がよく、耐候性の高い無機質板を得ることができる。また、特に、マイカは無機質板の寸法安定性を向上させる機能があり、好ましい。軽量骨材としては、例えば、シラスバルーン、ガラスバルーン、パーライト、焼成バーミキュライト、フライアッシュバルーン、合成樹脂ビーズ、合成樹脂発泡体などを用いることができる。骨材の配合割合は、混合材料100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは、0.2〜15質量部とすることができる。骨材の配合割合が上記範囲であれば、無機質板の曲げ強度がより優れるとともに軽量化された無機質板を得ることができる。
混合材料には増量材が含有されていてもよく、これにより、セメントの硬化反応を向上させることができる。増量材としては、無機質板の不良品や端材の粉砕物などを用いることができる。増量材の配合割合は、混合材料100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは、4〜15質量部とすることができる。また混合材料が軽量骨材と増量材とを含有する場合、軽量骨材と増量材の合計量が、混合材料100質量部に対して、2〜35質量部、好ましくは、4〜20質量部とすることができる。
混合材料には増粘剤が含有されていてもよく、これにより、粘度を調整して成形しやすい水硬性無機質材料を得ることができる。さらに、真空押出成形機の吐出圧や真空度の設定によっては、圧力変化による水硬性無機質材料の材料分離(相分離)が起こることがあり得るが、水硬性無機質材料に増粘剤を含有させることで、材料分離を抑制することができ、所望の品質の無機質板を得やすくなる。増粘剤としては、セメント系の材料に通常用いられるものとして、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性のセルロース系増粘剤があるが、本実施形態では、賦形性や入手のしやすさやコスト等を考慮してメチルセルロースを用いるのが好ましい。グリーンシートに付与する柄の深さが深い場合や柄のテクスチャーが細かくて緻密な場合に十分な賦形性が得られるように、増粘剤の配合割合は、成形材料の全量に対して、1.0〜2.0質量%とすることができる。
混合材料には分散剤が含有されていてもよく、これにより、セメントの分散性の高い水硬性無機質材料を得ることができる。分散剤は、セメント系の材料に通常用いられる界面活性剤などであってよい。分散剤としてはAE減水剤などを用いることができる。分散剤は、標準形、遅延形、促進形のいずれであってもよい。分散剤の配合割合は、混合材料100質量部に対して、0.01〜5質量部、好ましくは、0.05〜3質量部とすることができる。
混合材料には、セメント、珪酸質材料、補強繊維、骨材、増量材、増粘剤、分散剤の他に、さらにその他の材料を含有されていてもよい。その他の材料としては、例えば、顔料、着色剤などを用いることができる。
真空脱気工程では、上記水硬性無機質材料を真空脱気する。これにより、成形体を適度なポーラス状態にすることができる。水硬性無機質材料を真空脱気するには、真空押出成形機を用いることができる。真空押出成形機としては、水硬性無機質材料を混練し、所定の真空度で水硬性無機質材料を真空脱気し、真空脱気された水硬性無機質材料を押出成形する装置であることが好ましく、具体的には、上下二段に混練機能を有する二段式の真空押出成形機で、上段と下段の継続部分に真空脱気室が介在している構造の装置を用いることができる。このような真空押出成形機は市販のものを用いることができる。上段及び下段のスクリューの軸数は単軸であっても良いし、二軸以上の多軸であっても良い。
押出成形工程では、真空脱気された水硬性無機質材料を押出成形して成形体を得る。すなわち、真空脱気された水硬性無機質材料を真空押出成形機の口金部材から外部に押し出すことで、口金部材の形状と合致する断面形状を有する適度にポーラスな状態の成形体が得られる。口金部材の形状は、特に限定されず、板状等の所望の無機質板の断面形状等に応じて適宜選択可能である。
硬化工程では、上記成形体を硬化させる。これにより、耐凍害性に優れるとともに、吸水率の増加や曲げ強度の低下等の製品性能を損なうことなく軽量化された無機質板を得ることができる。成形体を硬化させるには、例えば、成形体に一次養生を施した後、二次養生(オートクレーブ養生)を施すことができる。
上記のようにして得られる無機質板は、吸水率の増加や曲げ強度の低下等の製品性能を損なうことなく、軽量化されたものであるので、施工性に優れ、屋根材や外壁材などの建築用のパネルとして好適に用いられる。
上記の水硬性無機質材料を二軸押出機にて20×150mmの口金部材から押し出したシートを目地深さ10mmの平板型でプレスした時のシートの表面地合の様子を観察し、下記の評価基準にて評価した。
○:やや良好(目地傾斜部に僅かな亀裂が発生)
×:悪化(目地傾斜部に大きな亀裂が発生)
<乾燥比重の評価>
乾燥比重は、無機質板を雰囲気温度105℃で24時間乾燥させ、乾燥後の無機質板の乾燥比重を算出し、評価した。評価基準は以下のとおりである。
×:1.10<乾燥比重、あるいは乾燥比重<0.90
<曲げ強度の評価>
無機質板の曲げ強度は、JIS A 1408に準拠して測定し、評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:9.0MPa≦曲げ強度≦11.0MPa
×:曲げ強度<9.0MPa
<乾燥時の層間剥離の評価>
無機質板を雰囲気温度250℃で1時間乾燥した時の層間剥離の有無を目視にて評価する。
×:無機質板の膨れ、断面小口の亀裂発生
Claims (1)
- セメントを含む成形材料を真空脱気した後に押出成形するにあたって、
前記成形材料にはメチルセルロースを1.0〜2.0質量%の割合で配合し、
前記真空脱気は40〜80kPaの真空度で行われる
ことを特徴とする無機質板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017022605A JP2018127384A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 無機質板の製造方法 |
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JP2017022605A JP2018127384A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 無機質板の製造方法 |
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JP2018127384A true JP2018127384A (ja) | 2018-08-16 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026010A (ja) * | 1999-07-13 | 2001-01-30 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 無機質軽量成形体の製造方法並びに無機質軽量成形体 |
JP2015044402A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-03-12 | ケイミュー株式会社 | 押出成形機 |
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- 2017-02-09 JP JP2017022605A patent/JP2018127384A/ja active Pending
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