JP2011057521A - セメント系押出成形用組成物及びセメント製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】強熱減量が3重量%以上の低品質のフライアッシュを添加しても、大幅な凝結遅延を抑制でき、安定した品質で、従来と同等の工程で製造できるセメント系押出成形用組成物、および該押出成形物を硬化させてなるセメント製品を提供する。
【解決手段】セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料に、セメント系押出成形用減水剤、押出助剤および水を添加してなるセメント系押出成形用組成物であって、前記フライアッシュは、その強熱減量がフライアッシュの重量に対して3〜8重量%であり、さらに、前記シリカ質粉体と前記フライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%の割合で配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フライアッシュを用いたセメント系押出成形用組成物、および該押出成形物を硬化させてなるセメント製品に関する。
セメント系押出成形用組成物は、セメント、シリカ質粉体(シリカ微粉末等)、骨材および繊維からなる固形原料に、セメント系押出成形用減水剤、押出助剤(セルロース誘導体)および水を添加して混練し、押出成形によって製造されている。
従来、繊維としてアスベストを使用することにより、表面平滑性、成形性に優れる押出成形セメント製品を製造していたが、現在では、アスベストが公害の原因となることから、その使用が禁止されている。この代替として、パルプがよく用いられている。繊維としてパルプを使用した場合、セメント系押出成形用組成物として押出速度が低下し、押出圧力を増大させ、また、押出成形セメント製品の曲げ強度、表面平滑性、成形性、および寸法精度を低下させるといった問題が生じていた。
これらの問題を解決するため、セメント系押出成形用減水剤として、各種ポリカルボン酸系共重合体を併用する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。これらの各種ポリカルボン酸系共重合体を併用することによって、セメント系押出成形用組成物として押出速度、押出圧力が改善され、また押出成形セメント製品の曲げ強度が改善される。さらに、ある特定のポリカルボン酸系共重合体を併用する方法も提案されている(下記特許文献4参照)。下記特許文献4のポリカルボン酸系共重合体を併用することによって、さらに押出成形セメント製品の表面平滑性、成形性、および寸法精度も改善されるようになる。
一方、循環型社会の形成および経済性などの観点から、シリカ微粉末の代替としてフライアッシュを利用することが考えられる。フライアッシュ中の未燃カーボン量の指標である強熱減量が1〜2重量%台で、良質な粒度調整(分級処理)したフライアッシュの場合は、凝結遅延などの技術的な支障がなく、シリカ微粉末を全量置換できることがわかっている。
特開平6−100347号公報 特開平6−182749号公報 特開2001−253743号公報 WO2005/123625号公報
しかしながら、強熱減量が3重量%以上の低品質で、分級処理していない原粉の場合には、シリカ微粉末を全量置換すると、フライアッシュの未燃カーボンが押出助剤(メチルセルロース等)を吸着し、必要水量が増加するとともに、セメント系押出成形用減水剤を吸着し、その減水効果を低減させる問題が生じ得る。
十分な減水効果を得るために、セメント系押出成形用減水剤の添加量を増やすと、図6に示されるように、凝結最高温度到達時間が増大し、セメントの凝結遅延を引き起こすため、湿潤養生期間が増加したり、オートクレーブへの移送が遅延したりする。また、フライアッシュの強熱減量やセメント系押出成形用減水剤の添加量が少しでも変化すると、凝結時間は大幅に変動するため、品質が安定しないと共に、製造工程の見通しが立てにくくなり、結果として製造工程に支障をきたすことになる。
そこで本発明の主たる課題は、強熱減量が3重量%以上の低品質のフライアッシュを添加しても、大幅な凝結遅延を抑制でき、安定した品質で、従来と同等の工程で製造できるセメント系押出成形用組成物、および該押出成形物を硬化させてなるセメント製品を提供することにある。
上記課題を解決するために発明者らが鋭意検討した結果、強熱減量が3〜8重量%のフライアッシュを、シリカ質粉体とフライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%となるように配合割合を制限することで、大幅な凝結遅延が抑制でき、品質が安定することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料に、セメント系押出成形用減水剤、押出助剤および水を添加してなるセメント系押出成形用組成物であって、
前記フライアッシュは、その強熱減量がフライアッシュの重量に対して3〜8重量%であり、さらに、前記シリカ質粉体と前記フライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%の割合で配合されることを特徴とするセメント系押出成形用組成物が提供される。
上記請求項1記載の発明では、強熱減量が3〜8重量%である低品質のフライアッシュを、前記シリカ質粉体と前記フライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%の割合で配合することにより、シリカ質粉体を全量フライアッシュに置換したものよりも減水効果の低減が抑制されるため、強熱減量の増加による凝結遅延の影響が緩和でき、安定した品質にできるとともに、セメント系押出成形用組成物の製造工程が安定化できる。
請求項2に係る本発明として、前記セメント系押出成形用減水剤は、ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とし、前記固形原料の重量に対して外割で0.01〜5.0重量%添加され、前記押出助剤は前記固形原料の重量に対して外割で0.1〜1.5重量%添加され、前記水は前記固形原料の重量に対して外割で15〜45重量%添加されている請求項1記載のセメント系押出成形用組成物が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とするセメント系押出成形用減水剤を、前記固形原料の重量に対して外割で0.01〜5.0重量%添加し、前記押出助剤を前記固形原料の重量に対して外割で0.1〜1.5重量%添加するとともに、前記水を前記固形原料の重量に対して外割で15〜45重量%添加することにより、前記フライアッシュを5〜50重量%の配合割合で添加しても、大幅な凝結遅延が抑制でき、品質及び製造工程が安定化できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とするセメント系押出成形用減水剤は、共重合体の重量平均分子量が500〜1,000,000とされる請求項2記載のセメント系押出成形用組成物が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体の重量平均分子量を500〜1,000,000とするものである。その結果、セメント系押出成形用組成物としての分散性が良好になるとともに、粘性を適性範囲とでき製造が容易となる。
請求項4に係る本発明として、チオ硫酸塩を主成分とする硬化促進剤を、前記固形原料の重量に対して外割で0.2〜1.0重量%添加する請求項1〜3いずれかに記載のセメント系押出成形用組成物が提供される。
上記請求項4記載の発明では、チオ硫酸塩を主成分とする硬化促進剤を、前記固形原料の重量に対して外割で0.2〜1.0重量%添加することにより、凝結遅延の抑制効果をさらに高めたものである。
請求項5に係る本発明として、前記チオ硫酸塩は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、およびチオ硫酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上からなる請求項4記載のセメント系押出成形用組成物が提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記硬化促進剤の主成分であるチオ硫酸塩の構成について具体的に規定したものである。
請求項6に係る本発明として、請求項1〜5いずれかに記載のセメント系押出成形用組成物を硬化させてなるセメント製品が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、強熱減量が3重量%以上の低品質のフライアッシュを添加しても、大幅な凝結遅延を抑制でき、安定した品質で、従来と同等の工程で製造できるセメント系押出成形用組成物、および該押出成形物を硬化させてなるセメント製品が提供できるようになる。
凝結最高温度到達時間とフライアッシュ強熱減量との関係を表すグラフである。 凝結最高温度到達時間とフライアッシュ置換率との関係を表すグラフである。 凝結最高温度到達時間とセメント系押出成形用減水剤の添加率との関係を表すグラフである。 凝結最高温度到達時間と硬化促進剤の添加率との関係を表すグラフである。 硬化促進剤の添加率を変化させた場合の曲げ強度と養生時間との関係を表すグラフである。 減水剤の有無に対する凝結最高温度到達時間と強熱減量との関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本形態例に係るセメント系押出成形用組成物は、セメント、フライアッシュ、シリカ質粉体、骨材および繊維からなる固形原料に、セメント系押出成形用減水剤、押出助剤、水及び硬化促進剤を添加して構成されるものである。
以下、各成分について詳説する。
〔セメント〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、セメントを必須の構成成分とする。セメントとしては、普通、早強、中庸熱、低熱等のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石等の鉱物系粉体を配合した混合セメント、アルミナセメント、石膏等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して使用してもよい。セメントの量は特に限定されないが、例えば、配合物100重量部に対して25〜75重量部を占めることが好ましい。
〔フライアッシュ、シリカ質粉体〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、フライアッシュ及びシリカ質粉体を必須の構成成分とする。
本発明では特に、前記フライアッシュとして、その強熱減量がフライアッシュの重量に対して3〜8重量%と低品質のものを使用する。すなわち、本発明では、強熱減量が3%以上の低品質のフライアッシュを使用した場合でも、凝結遅延の問題が生じないようにして、フライアッシュの有効利用の途を拡大するものである。なお、強熱減量の上限値は基本的に8重量%以下としている。その理由は、コンクリート混和材として幅広く利用されているフライアッシュIII種(JIS A6201)の強熱減量が8.0%以下に規定されているためである。
本発明において前記フライアッシュは、前記シリカ質粉体とフライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%の割合で配合される。すなわち、次式(1)で示されるフライアッシュ(FA)置換率が5〜50%の割合で配合される。先ず、FA置換率が5%未満ではフライアッシュの有効利用の効果がほとんど望めない。
一方、FA置換率の上限を50%としたのは下記の理由による。
図1に示されるように、仮にFA置換率を100%とした場合には、強熱減量約3%を境界点として、強熱減量に対する凝結最高温度到達時間の傾斜勾配が急に大きくなる傾向を示しているが、FA置換率を50%以下とした場合は、同図1に示されるように、強熱減量が3%以上の低品質のフライアッシュを使用した場合でも、強熱減量3%未満における強熱減量と凝結最高温度到達時間との勾配ラインの延長線上、若しくはそれ以下に凝結最高温度到達時間を抑えることができるため、品質及び製造工程の安定化が図れるようになる。また、図2に示されるように、FA置換率と凝結最高温度到達時間との関係において、FA置換率50%以下と50%以上では傾斜勾配が明らかに異なっており、FA置換率を50%以下にすることで、強熱減量の違いによる影響を極力抑えることができるようになる。
Figure 2011057521
前記フライアッシュとシリカ質粉体の合計量は、配合物100重量部に対して1〜40重量部を占め、1〜20重量部であることが好ましい。フライアッシュとシリカ質粉体の合計量が40重量部よりも多いとセメント系押出成形用組成物を硬化させてなるセメント製品の強度が低下し、1重量部より少ないと、フライアッシュの有効利用が図れないため好ましくない。
前記フライアッシュのブレーン値は特に限定されないが、ブレーン値は1500〜5000cm/g程度が好ましい。
前記シリカ質粉体は、シリカ成分を含む粉体であり、シリカ微粉末、シリカヒューム、フライアッシュ(特に強熱減量が3重量%より小さい高品質のもの)、石炭灰、火山灰、ポゾラン等である。
〔骨材〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、骨材を必須の構成成分とする。前記骨材としては、山砂、川砂、海砂、砕砂を用いることができる。前記骨材の量は特に限定されないが、例えば、配合物100重量部に対して5〜40重量部を占めることが好ましい。
〔繊維〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、繊維を必須の構成成分とする。前記繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維およびパルプ、故紙、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等の有機繊維などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して使用してもよい。前記繊維の量は特に限定されないが、例えば、配合物100重量部に対して1〜10重量部を占めることが好ましい。
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、前記セメント、フライアッシュ+シリカ質粉体、骨材および繊維の配合比率は、重量比でセメント:フライアッシュ+シリカ質粉体:骨材:繊維=25〜75:1〜40:5〜40:1〜10であり、好ましくはセメント:フライアッシュ+シリカ質粉体:骨材:繊維=35〜65:1〜20:10〜20:1〜10である。
〔セメント系押出成形用減水剤〕
前記セメント系押出成形用減水剤は、ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とする。前記共重合体としては、マレイン酸−スチレンスルホン酸塩の共重合物のポリオキシアルキレン誘導体エステルまたはその塩、無水マレイン酸−スチレン共重合物のポリオキシアルキレン誘導体エステルまたはその塩、無水マレイン酸−オレフィン共重合物のポリオキシアルキレン誘導体エステルまたはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル−マレイン酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルモノアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合物、その加水分解物またはその塩等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル−マレイン酸共重合物またはその塩であり、より好ましくはWO2005/123625号公報に記載されているポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体である。
前記セメント系押出成形用減水剤に用いるポリオキシアルキレン誘導体不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体の重量平均分子量は、500〜1,000,000であり、好ましくは5,000〜400,000である。重量平均分子量が1,000,000を超える化合物はセメント系押出成形用組成物としての分散性が低下してしまい、また高粘度のため製造が困難になるので好ましくない。
前記セメント系押出成形用減水剤の添加量は、セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料の配合物100重量部に対して外割で0.01〜5.0重量部であり、好ましくは0.03〜3.0重量部であり、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。前記セメント系押出成形用添加剤の添加量がこの範囲より少ないと本発明の効果が得られず、この範囲より多いとメチルセルロース等の押出助剤の粘性が失われたり、押出圧力が増大し、押出速度が低下したり、また押出し成形後の製品に引き割れが発生しやすくなるため好ましくない。
〔押出助剤〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物では、押出助剤を必須の構成成分とする。前記押出助剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。これらのうち好ましいものはセルロース誘導体とポリエーテルウレタン樹脂であり、特に好ましいものは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
前記押出助剤は、セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料の配合物100重量部に対して外割で0.1〜1.5重量部添加することが好ましく、0.2〜1.0重量部添加することがより好ましい。前記固形原料の配合条件にもよるが、押出助剤の量がこの範囲より少ないと押出助剤の性能が発揮されず、押出し成形後の製品に引き割れが発生しやすくなり好ましくなく、この範囲より多いとスプリングバック現象により押出し成形製品に膨れが生じてしまうため好ましくない。
〔水〕
前記水は、セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料の配合物100重量部に対して、外割で15〜45重量部添加する。前記水の量は、15〜30重量部、さらには15〜25重量部であることが好ましい。前記水の量が15重量部より少ないと、押出成形組成物の混練時の負荷が大きくなってしまうので好ましくない。
〔硬化促進剤〕
本発明に係るセメント系押出成形用組成物には、任意で硬化促進剤を添加することができる。前記硬化促進剤は、チオ硫酸塩を主成分とするものが望ましい。前記チオ硫酸塩としては、チオ硫酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上からなるものである。中でも、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、およびチオ硫酸アンモニウムが好ましく、チオ硫酸ナトリウムがより好ましい。前記硬化促進剤は、セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料の配合物100重量部に対して外割で0.2〜1.0重量部添加することが好ましく、0.5〜1.0重量部添加することがより好ましい。硬化促進剤が0.2重量部より少ないと、図4に示されるように、凝結最高温度到達時間を所望の数値範囲まで低減できないとともに、FA置換率に対する凝結時間のバラツキが大きくなる。また、図5に示されるように、FA置換率0%(シリカのみ)の場合と比べて曲げ強度が低下するため好ましくない。
〔製造方法〕
本発明に係る押出成形体を製造するには、まず常法により上記成分及び必要によりその他の任意成分を加えて混合して押出成形用組成物を調整し、この押出成形用組成物を所望の口金を装着した押出成形機に投入し、押出し成形機内を真空状態にして押出して成形する。このような押出成形が終了した後、成形体を室温に2〜3時間静置して前置養生し、次に湿潤養生(一次養生)を行う。湿潤養生は、60℃で6〜10hr程度保持し、続いて、圧力:0.1〜2MPa、養生時間:4〜8hrの条件でオートクレーブ養生を行い、その後自然冷却し、成形体とする。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。
(製造例)
表1に示される共重合組成および重量平均分子量を、WO2005/123625号公報の製造例1に従って合成した。具体的には、かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器を装着した3リットルフラスコに、ポリオキシエチレン(エチレンオキシドの平均付加モル数210個)オキシプロピレン(プロピレンオキシドの平均付加モル数11個)モノアリルエーテル994g(0.1モル)、水707g、無水マレイン酸58.8g(0.6モル)を加え、35℃で重合開始剤として過硫酸ナトリウム24.2g(0.1モル)を加え、系内の空気を窒素ガスで置換した後、60±2℃で10時間反応させた。重合反応終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液100g(水酸化ナトリウムとして1.2モル)を加え中和し、さらに水929gを加え共重合体の40%水溶液を得た。
Figure 2011057521
(実施例)
使用した原料組成は、表2に示される通りである。具体的には、セメントとして普通ポルトランドセメント(三菱マテリアル社製)、シリカ質粉体としてシリカ微粉末(ブレーン3800±400cm/g、秩父鉱業社製)、フライアッシュとして表3に示される物性のもの、骨材として川砂(粗粒率1.2、茨城県鹿島産)、パルプとして新聞残紙粉砕パルプ(15メッシュ全通、王子製紙社製)から成る固形原料の配合100重量部に、押出助剤のメチルセルロースとしてヒドロキシエチルメチルセルロース(SNB−60T、信越化学社製)、セメント系押出成形用減水剤、水および硬化促進剤としてチオ硫酸ナトリウムを添加したものを材料とした。本発明のセメント系押出成形用減水剤および水を除いた上記材料を、ミキサーにより2分間均一に混合後、本発明のセメント系押出成形用減水剤および水を外割で添加して、6分間混合した材料を、厚さ15mm、幅70mmのダイスを取り付けた押出成形機により押出成形し、40℃の条件で、7、10、15、20時間湿潤養生を行い、曲げ強度を測定した。曲げ強度が7N/mmになった時点をオートクレーブ内への移送時間とした。その後1MPa×6時間の条件でオートクレーブ養生を行った後、長さ200mmに切断したものを製品とした。
Figure 2011057521
Figure 2011057521
注:No.1〜No.8は原粉であり、No.9はNo.3を分級したものである。
これらのものについて、押出圧力、押出成形時の表面状態、湿潤養生後の曲げ強度、オートクレーブ内への移送時間及びオートクレーブ養生後の曲げ強度を測定した。前記曲げ強度は中央集中荷重で曲げ試験を行った。なお、曲げ強度の算出は、次式(2)で算出した。
Figure 2011057521
ここに、F:パネル曲げ強度(N/mm
P:曲げ破壊荷重(N)
L:支持スパン長さ(mm)
Z:断面係数(mm
この結果を図1〜図5に示す。図1は、凝結最高温度到達時間とフライアッシュの強熱減量との関係を表すグラフである。前述したように、強熱減量が3%より小さいフライアッシュを用いた場合は、FA置換率を100%としても、FA置換率の増加に伴って凝結最高温度到達時間が一定の割合で増加するため、顕著な凝結遅延が起こらないことがわかっている。
しかしながら、強熱減量が3%以上であるフライアッシュを用いた場合、FA置換率を100%とすると、強熱減量が3%より小さい範囲での凝結時間の増加勾配より大きな勾配となるため、凝結遅延が生じることが判明している。また、凝結最高温度到達時間が目標範囲(400〜600分、但し硬化促進剤の添加有り)を大幅に越える。
一方、同図1に示されるように、FA置換率50%で配合した場合は、強熱減量が3%以上においても、強熱減量3%以下における凝結時間の増加勾配の延長線(点線)とほぼ同等かそれを下回る位置にプロットされ、強熱減量の増加による凝結遅延の影響が緩和できるとともに、品質及び製造工程が安定化できるようになることが判明している。
図2は、凝結最高温度到達時間とFA置換率との関係を表すグラフである。同図2に示されるように、FA置換率50%までとその後では凝結時間の増加勾配が異なり、FA置換率50%までよりその後の方が勾配が大きくなるため、FA置換率50%を境界点として、FA置換率の増加による凝結遅延への影響が大きくなることが判明している。
図3は、凝結最高温度到達時間とセメント系押出成形用減水剤の添加率との関係を表すグラフである。強熱減量が3〜4%、FA置換率が100%の場合、セメント系押出成形用減水剤の添加率が0.5%までとその後では凝結時間の増加勾配が異なり、減水剤添加率0.5%までよりその後の方が勾配が大きくなるため、減水剤添加率0.5%を境界点として、減水剤添加率の増加による凝結遅延への影響が大きくなることが判明している。
図4は、凝結最高温度到達時間と硬化促進剤(チオ硫酸ナトリウム)の添加率との関係を表すグラフである。同図4に示されるように、硬化促進剤の添加率を0.2%とした場合には、すべてのケースにおいて凝結最高温度到達時間を大幅に低減できることが判明しているとともに、強熱減量に対する凝結最高温度到達時間のバラツキの範囲が小さくなっているため、強熱減量の大小に拘わらず凝結最高温度到達時間を均一化できるようになる。特に、硬化促進剤を0.5%以上添加した場合は、凝結最高温度到達時間をさらに低減できるとともに、バラツキの程度が小さくなり、強熱減量の大小に拘わらず凝結最高温度到達時間が400分強程度に収束するようになる。
図5は、FA置換率を50%とし、硬化促進剤の添加率を変化させた場合の曲げ強度と養生時間との関係を表すグラフである。同図5に示されるように、硬化促進剤を添加しない場合には、オートクレーブ移送可能曲げ強度(7N/mm)を満足するのに20時間以上を要するが、硬化促進剤を0.2%添加すると同時間が15時間強に、0.5%添加すると同時間が15時間以下に、1.0%添加すると同時間が10時間以下にそれぞれ短縮できる。

Claims (6)

  1. セメント、シリカ質粉体、フライアッシュ、骨材および繊維からなる固形原料に、セメント系押出成形用減水剤、押出助剤および水を添加してなるセメント系押出成形用組成物であって、
    前記フライアッシュは、その強熱減量がフライアッシュの重量に対して3〜8重量%であり、さらに、前記シリカ質粉体と前記フライアッシュの合計重量に対して5〜50重量%の割合で配合されることを特徴とするセメント系押出成形用組成物。
  2. 前記セメント系押出成形用減水剤は、ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とし、前記固形原料の重量に対して外割で0.01〜5.0重量%添加され、前記押出助剤は前記固形原料の重量に対して外割で0.1〜1.5重量%添加され、前記水は前記固形原料の重量に対して外割で15〜45重量%添加されている請求項1記載のセメント系押出成形用組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸誘導体からなる共重合体を主成分とするセメント系押出成形用減水剤は、共重合体の重量平均分子量が500〜1,000,000とされる請求項2記載のセメント系押出成形用組成物。
  4. チオ硫酸塩を主成分とする硬化促進剤を、前記固形原料の重量に対して外割で0.2〜1.0重量%添加する請求項1〜3いずれかに記載のセメント系押出成形用組成物。
  5. 前記チオ硫酸塩は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、およびチオ硫酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上からなる請求項4記載のセメント系押出成形用組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のセメント系押出成形用組成物を硬化させてなるセメント製品。
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