JP2001026010A - 無機質軽量成形体の製造方法並びに無機質軽量成形体 - Google Patents

無機質軽量成形体の製造方法並びに無機質軽量成形体

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JP2001026010A
JP2001026010A JP11198715A JP19871599A JP2001026010A JP 2001026010 A JP2001026010 A JP 2001026010A JP 11198715 A JP11198715 A JP 11198715A JP 19871599 A JP19871599 A JP 19871599A JP 2001026010 A JP2001026010 A JP 2001026010A
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Tatsuo Kumagai
竜夫 熊谷
Naoaki Yamada
直明 山田
Kumiko Osugi
久美子 大杉
Toshiharu Fujisato
俊治 藤里
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で強度が強くしかも良好な表面を有し、
且つ石綿無添加の無機質水硬性組成物からなる成形体を
安価な製造方法を提供する。 【解決手段】 無機質水硬性材料、繊維質材料、軽量骨
材、および押出助剤を含有してなる水硬性組成物と水か
らなる無機質水硬性混合物の成形体の押出成形法であっ
て、押出成形時の押出機における真空脱気室の圧力を1
00〜700hPaにして押出し、養生硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機質水硬性組成物から
成形され、住宅の外装材、天井、内装材などに利用され
る軽量な無機質成形体の製造方法とそれによって得られ
る成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント系、石膏系、ケイ酸カルシウム
系などの無機質水硬性材料を主原料とする組成物から製
造される成形体は、住宅の外装材、天井、内装材などに
幅広く利用されている。しかし、これらの無機質成形体
は、その重量が過大であるため、加工、運搬、施工面で
大きな問題を有しており、軽量な成形体の製造が望まれ
ている。
【0003】ところで、一般に窯業系製品の押出成形法
での製造は、一定形状の製品が連続して成形できるこ
と、中空構造や異形断面形状等の製品断面が複雑でも容
易に成形できることなどの理由で、成形手段として汎用
されている。その製造方法の概要は、セメント、シリ
カ、必要な繊維材料、および押出助剤等に水を添加して
セメントスラリーを製造し、これを押出成形機に投入
し、押出成形機内の真空脱気室を真空状態にして材料中
の空気を脱気後、金型で製品形状に賦形し、養生硬化さ
せることで無機質成形体を得るものである。
【0004】例えば、特開平3−243305号公報に
開示されているように押出成形機で押出成形する方法に
おいては、真空脱気室へ送り込むセメント材料を薄片状
にすることで脱気効率を良くする提案がされている。こ
のように、従来の押出成形法においては、押出機の真空
脱気室の真空度を出来るだけ高め、材料中の気泡をいか
に効率よく、ほぼ完全に抜き取るかについて種々工夫が
なされてきた。これは、材料中の気泡残存による“す”
の発生を原因とする、表面のあれ、曲げ強度の低下を防
ぐためであった。しかしながら、このように、真空脱気
室の真空度を高めると、材料が必要以上に緻密になり成
形体の密度を大きくし重量が重くなってしまう。
【0005】すなわち、軽量化を目的として、パーライ
ト、シラスバルーンなどの無機質物質の発泡体である無
機軽量骨材、または、特公昭63−1276号公報等に
開示されているポリスチレン発泡粒子などの有機質軽量
骨材、または特公平6−84268号公報に開示されて
いるような吸水性能を有する合成樹脂などの軽量骨材を
添加しても期待するほどの効率的な軽量化に至らず、軽
量化が不充分であるという問題点があった。
【0006】この対策として、該軽量骨材の添加量を増
やすことにより無機質成形体の軽量化を行うことも可能
ではあるが、該軽量骨材は値段が高く、結果的に製造原
料コストが高くなるという問題点があった。
【0007】また、従来、無機質成形体を製造するに際
しては、繊維質材料として石綿の添加が行われていた。
石綿は、添加される水を系内に保持する保水力、成形後
の形状を維持する保形力を有しているために、成形後過
剰の水分の逸散により成形体を軽量化することが容易で
あった。しかしながら、近年、石綿の人体に対する有害
性が指摘されたことによって、その使用が大幅に削減さ
れており、石綿を添加しない配合により軽量な成形体を
製造する方法が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来から
石綿を添加しない配合による無機質成形体の軽量化の試
みは種々行われているものの、充分な軽量化効果を得ら
れていないのが現状である。そこで本発明の目的は、上
述のような従来技術の欠点を解決し、軽量でしかも曲げ
強度が強く、且つ石綿無添加の成形体を安価に製造する
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、押出成形
方法による無機質成形体の製造方法に関し、特に、押出
機の真空脱気室の真空度について詳しく検討した結果、
真空脱気室の圧力(真空度)を、ある特定範囲内に調整
することによって、“す”の発生がなく、軽量で、且つ
曲げ強度の強い成形体が得られることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、無機質水硬性材料、繊維質
材料、軽量骨材、および押出助剤を含有する水硬性組成
物と水を混合してなる無機質水硬性混合物を混練し、押
出成形した後、養生硬化する製造方法であって、押出成
形時に押出成形機における真空脱気室での圧力を100
hPa以上、700hPa以下としたことを特徴とする
無機質軽量成形体の製造方法である。
【0011】また、本発明の製造方法による無機質軽量
成形体であって、密度が1.1g/cm3以下で、且つ
曲げ強度が6.5MPa以上の成形体を内容とする。
【0012】
【発明の実施形態】本発明に用いられる無機質水硬性材
料としては、普通ポルトランドセメント、低アルカリ型
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超
早強ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメ
ント、フライアッシュセメント、マグネシアセメント、
アルミナセメントなどのセメント、半水または無水石
膏、2水石膏、スラグ、ケイ酸カルシウム組成物、炭酸
マグネシウム組成物などが挙げられる。これらは、単独
で使用しても、2種以上を混合して使用しても構わな
い。
【0013】この無機質水硬性材料の配合量は、無機水
硬性材料、繊維質材料、軽量骨材、および押出助剤を含
有する水硬性組成物(以下固形分重量とも称する)を1
00重量%としたとき、20重量%以上90重量%以
下、好ましくは30重量%以上80重量%以下の範囲で
ある。無機質水硬性材料の配合量が20重量%未満であ
ると硬化材料の不足から成形体の強度が低下し、また9
0重量%を超えると硬化材料以外の成分が低くなりす
ぎ、成形体の寸法安定性、成形性などに悪影響を及ぼす
傾向を示す。
【0014】また、繊維質材料としては、その材質、性
状に制限を受けるものではないが、ガラス繊維、炭素繊
維、鉄線、スラグウール、チタン酸カリウム、セピオラ
イトなどの無機質繊維、及び、針葉樹パルプ繊維、広葉
樹パルプ繊維、古紙パルプ繊維などのセルロース質繊
維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊
維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維といっ
た合成繊維などの有機質繊維が挙げられる。使用する繊
維は、1種類単独でも、2種類以上を混合して使用して
も構わない。また、これらの繊維は、無機質繊維単独で
も、有機質繊維単独でも、さらに無機質繊維と有機質繊
維を混合して使用しても構わない。しかし、合成繊維単
独使用の場合には、高温での養生時に繊維の強度低下に
よると考えられる補強効果の低下が起こることがあり得
る。また無機質繊維単独使用の場合には、比重が大きい
ために補強効果と相反して成形体の密度が大きくなり易
い。
【0015】前記セルロース質繊維は、上述の繊維のな
かで、補強効果と共に保水効果を合わせ有するので、成
形体の保形性、軽量化効果を高めることが可能であり好
適に添加される。従って、これらの繊維を使用する場合
には、(1)セルロース質繊維、合成繊維及び無機質繊
維、或いは(2)セルロース質繊維及び合成繊維、或い
は(3)セルロース質繊維及び無機質繊維を併用するの
が最も好ましい。これらの繊維質材料は、本発明の効果
を損なわない範囲の量で添加可能であるが、固形分重量
を100重量%としたとき、0.1重量%以上40重量
%以下、好ましくは1重量%以上25重量%以下の範囲
で添加される。繊維質材料の添加量が40重量%を超え
ると成形性が低下する傾向を示す。
【0016】また、軽量骨材としては、ポリアクリロニ
トリル系樹脂発泡粒子、ポリ塩化ビニリデン系樹脂発泡
粒子、及びポリスチレン系樹脂発泡粒子などの熱可塑性
樹脂発泡粒子、シラスバルーン、パーライトおよび中空
フライアッシュなど無機軽量骨材が挙げられる。使用す
る軽量骨材は、1種類単独で使用しても、2種類以上を
混合して使用しても構わない。また、これらの軽量骨材
は、熱可塑性樹脂発泡粒子単独でも、無機軽量骨材単独
でも、さらに熱可塑性樹脂発泡粒子と無機軽量骨材を混
合して使用しても構わない。
【0017】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂と
しては、スチレン系単量体の単独重合、スチレン系単量
体と他の共重合可能な単量体との共重合体のいずれでも
よい。スチレン単量体としては、スチレン、ビニルナフ
タレン、アルキル置換スチレン、ハロ置換スチレン、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレ
ン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼンなど、ま
た、前記の共重合可能な単量体としては、炭素数2また
は4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボ
ルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,8,8a−6−オクタヒドロナフタレンなどの環
状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエ
ン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,
6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、
メタアクリル酸、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メ
チル、無水マレイン酸などのビニル単量体から選ばれる
1種または2種以上が挙げられる。
【0018】これら軽量骨材は、本発明の効果を損なわ
ない範囲の量で添加可能であるが、固形分重量を100
重量%としたとき、0.5重量%以上、40重量%以下
の範囲で添加される。添加量が、0.5重量%未満であ
ると材料の軽量化効果が充分に得ることが出来ず、40
重量%を超えると成形体の強度が低下するおそれがあ
る。
【0019】ところで軽量骨材として前記熱可塑性樹脂
発泡粒子を用いる場合には、発泡倍率が10倍より小さ
いと軽量化効果が充分に発揮されにくく、100倍より
大きいと成形体の強度が低下する傾向があるため、発泡
倍率としては、10倍以上、100倍以下、好ましくは
15倍以上、80倍以下が好適である。なお、本発明で
前記発泡倍率とは、嵩比重から求めた値ではなく、真比
重から求めた値である。
【0020】また、熱可塑性樹脂発泡粒子の粒径は、1
0μmより小さいと成形体を製造する時点において各水
硬性材料成分間の隙間に充填されることにより成形体密
度を増加させる傾向があり、また1.5mmより大きい
場合には、成形圧力が除去された時点で発生するスプリ
ングバック現象により、成形体内部に微細なクラックや
欠陥が生じやすく強度低下を引き起こし、また成形後の
成形体表面の凹凸化を引き起こしてしまう傾向があるた
め、粒径は、10μm以上、1.5mm以下、好ましく
は20μm以上、800μm以下が好適である。その
内、ポリスチレン系樹脂発泡粒子を用いる場合には、粒
径は100μm以上、1.5mm以下、好ましくは30
0μm以上、800μm以下が好適である。
【0021】本発明の軽量骨材として、上記のような熱
可塑性樹脂発泡粒子を用いる場合、その添加量に特に制
限はないが、軽量化効果を発揮するためには固形分重量
を100重量%としたとき0.5重量%以上とすること
が好ましく、一方、上記粒径であっても上記のようなス
プリングバック現象の発生を抑制するという観点から
5.0重量%以下にすることが好ましい。
【0022】また、無機質軽量骨材を軽量骨材として用
いる場合には、1.0g/cm3以下、より好ましくは
0.8g/cm3以下の比重を有していることが必要で
ある。比重が1.0g/cm3より大きい場合には、軽
量化効果を十分に発揮することができず、軽量化を行う
ためには多量の添加を必要とする。また、無機質軽量骨
材の形状および粒径について特に制限はないが、(1)
無機質水硬性組成物に水を加えて得た成形材料の流れ性
を向上させるため(2)成形体を製造する時点において
組成物の各成分間の隙間に充填されて成形体の密度を増
加させない、などの理由により球状を有することが好ま
しい。
【0023】また、無機質軽量骨材の粒径としては、
0.02mm以上、1.5mm以下であることが好まし
い。無機質軽量骨材の粒径が0.02mm未満の場合に
は、各水硬性材料間に充填される傾向が生じるために成
形体密度を増加させる傾向にあり、1.5mmを超える
場合には、成形性および成形体の表面に悪影響を及ぼす
傾向がある。この無機質軽量骨材は、固形分重量を10
0重量%としたとき0.5%以上、40%以下の範囲で
添加される。無機質軽量骨材の添加量が1重量%未満で
あると、材料の軽量化効果を十分に得ることが出来ず、
40重量%を超えると成形体の強度が低下するおそれが
ある。
【0024】熱可塑性樹脂発泡粒子と無機軽量骨材を併
用する時は、前記したごとく、固形分重量中で0.5重
量%以上40重量%以下である。
【0025】また、押出助剤としては、メチルセルロー
ス、ポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、エ
ポキシ樹脂などの有機系樹脂物が用いられ、特に、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等の非イオン性のセルロースエー
テルが有効である。この押出助剤は、特に限定しない
が、固形分重量を100重量%としたとき0.4重量%
以上5重量%以下の範囲で添加できる。成形助剤の添加
量が、0.4重量%未満であると組成物の押出流動性が
損なわれ、成形体の保形成が低下する。また、5重量%
を超えるとそれ以上の押出流動性や成形体の保形成の改
善はされず、原料コストが高くなるだけである。
【0026】また、更に必要に応じて、珪石粉などの細
骨材、高炉スラグ、フライアッシュなどの一般に添加さ
れている混和材、無機質板粉砕くず、木質チップ、木質
粉末などの木質材料に由来する材料などを固形分重量を
100重量%としたとき80重量%以下の範囲で添加す
ることができる。更に、顔料、染料、難燃剤、硬化促進
剤、硬化遅延剤などの添加剤を使用してもよい。
【0027】また、無機質水硬性材料、繊維質材料、軽
量骨材、押出助剤、水および必要に応じて添加される混
和材、木質材料、添加剤の混合する順番は、いずれの成
分から先に混合しても構わない。
【0028】押出成形法により成形体を製造する際に
は、無機質水硬性材料、繊維質材料、軽量骨材、および
押出助剤を配合してなる水硬性組成物と水を混合した無
機質水硬性混合物を混練したものを成形材料とする。こ
の場合、水の配合量は、固形分重量を100重量%とし
たとき、15重量%以上、100重量%以下が好まし
く、より好ましくは30重量%以上、80重量%以下で
ある。水の配合量が15重量%以下であると材料の流動
性が悪くなり、押出機への負荷が大きくなるばかりでな
く、成形圧力の上昇に伴って均一な押出成形が出来なく
なり、良好な形状の成形体の製造が困難となる傾向があ
り、100重量%より多い場合には、押出成形機内部で
無機質水硬性組成物と過剰水分の分離が起こり、押出成
形自体が困難となる傾向があるとともに、吐出してくる
成形体の形状保持するのに必要な保形性の限界を超えて
しまうおそれがある。無機質水硬性組成物と水の混合、
混練の方法は、均一に混合及び混練可能であれば特にそ
の方法に制限はない。こののようにして得た材料を押出
成形機の材料投入口に投入して押出成形する。
【0029】本発明に用いる押出成形機は、無機質成形
体の押出成形に通常使用されるものであれば特に限定さ
れるものではない。すなわち、単軸押出機であっても多
軸押出機であっても構わないが、押出機が二段以上にな
っており、押出機の継続部の少なくとも一箇所で材料中
の空気を抜き取る真空脱気室を有するものが使用され
る。この真空脱気室に材料が押出される際に、脱気の効
率を高くするために、板状、ひも状などの表面積の大き
な形状で押出すようにされた押出機が望ましい。
【0030】また、真空脱気室は減圧状態であるため、
真空脱気室に押出された材料は、真空脱気室に接続する
次の押出機への材料の食い込みが不安定となり易い。従
って、真空脱気室の下部には、次の押出機へ材料を送り
込むローラーを設けることが好ましい。さらに、真空脱
気室に接続する次の押出機の先端には、材料を所望の形
状に成形する金型が設けられている。また、押出される
成形体は、金型内、もしくは金型を出た後、エンボスロ
ール、もしくはプレス等により表面に任意の模様を付与
しても構わない。
【0031】本発明の無機質軽量成形体の製造方法は、
該押出機における真空脱気室の圧力を100hPa(大
気圧より約685mmHg減圧)以上、700hPa
(大気圧より約235mmHg減圧)以下、好ましくは
200hPa(大気圧より約610mmHg減圧)以
上、600hPa(大気圧より約310mmHg減圧)
以下、より好ましくは200hPa以上、500hPa
(大気圧より約385mmHg減圧)以下とすること
で、材料中に含まれる空気量(気泡量)を適当量残すこ
とにより軽量で強度の強い無機質軽量成形体を製造する
ものである。前記真空脱気室の圧力が、700hPaよ
り大きい圧力の場合には、材料中の空気が十分に脱気さ
れず材料中に空気が多量に残ってしまい強度が低下して
しまうおそれがあり、さらに成形体の表面が荒れてしま
う。また、真空脱気室の圧力が100hPaより小さい
場合には、材料中の気泡が必要以上に抜けてしまうため
に材料が緻密になり、成形体の比重が重くなってしま
う。
【0032】本発明の製造方法で真空脱気室の圧力を調
整する方法は、特に限定はしないが、真空ポンプの能力
(容量)を材料の真空脱気室への吐出量と真空脱気室の
容量に併せて変更して真空脱気室の圧力を調整する方法
や、真空ポンプの能力(容量)を充分大きくし、真空減
圧ラインで空気をリークさせ、該空気のリーク量で真空
脱気室の圧力を調整する方法などが挙げられる。
【0033】上記のようにして押出された成形体の養生
硬化の方法は、特に限定はなく、水中養生、自然養生、
湿熱養生(例えば、加湿下で、通常40〜80℃程度、
4〜12時間程度が好ましい。)、高温高圧下でのオー
トクレイブ養生など、通常用いられている種々の養生方
法がいずれも適用可能である。さらに、これらの養生方
法をいずれかを組み合わせて成形体を養生硬化させても
構わない。特に、高温高圧下でのオートクレイブ養生
は、成形体の寸法安定性、強度などを向上させるので好
適に用いられる。オートクレイブ養生における温度条件
を例示するなら、通常、140〜200℃程度、好まし
くは150〜180℃程度であり、その養生時間は2〜
12時間程度であり、好ましくは3〜10時間程度であ
る。
【0034】上述した内容を組み合わせた無機質水硬性
混合物を用いて真空脱気室の圧力を限定範囲内に設定し
て製造される本発明の無機質軽量成形体は、表面が美麗
で密度が小さく軽量で、且つ曲げ強度の強い成形体とす
ることができる。該成形体の密度は、1.1g/cm3
以下、より好ましくは1.0g/cm3以下が好まし
い。成形体の密度が1.1g/cm3より大きい場合に
は、成形体の加工、運搬、施工などの作業性が著しく低
下し、作業者の身体的疲労も大きくなる傾向がある。ま
た成形体の曲げ強度は、6.5MPa以上、より好まし
くは8.0MPa以上が好ましい。成形体の曲げ強度が
6.5MPa未満の場合には、加工、運搬、施工などの
作業の際に成形体の割れや欠けが発生し易い傾向があ
る。
【0035】ここで本発明でいう成形体の密度は、養生
硬化後の成形体を80℃、3時間乾燥した後の成形体の
重量と水没法により求められる成形体の体積より算出し
た値である。また、本発明でいう成形体の曲げ強度は、
JIS A 1408 に準拠して測定した値である。
但し測定の際の試験片の寸法は幅50mm×長さ150
mmであり、スパン100mmで測定した。
【0036】また、この無機質軽量成形体の形状はどの
ようなものでも構わない。例えば、板状、棒状、パイプ
状、その他の任意の形状とすることができる。また、そ
の成形体の用途も特に限定はなく、住宅の外装材、天
井、内装材など幅広く利用することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づいて本発明
を更に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。 (実施例1)表1に示した配合割合にされた無機質水硬
性組成物を、ミキサー(宮崎鉄工(株)製)を用いて乾
式混合後に、表1に示した量の水を加えて湿式混合を行
った。なお表中の配合量は、重量部である。次に、この
混合材料を押出混練機(宮崎鉄工(株)製スクリュー径
φ100mm)に投入して混練したものを成形材料とし
た。この材料を次の押出機により押出成形した。すなわ
ち、一段目のスクリューは、スクリュー径φ86mmの
二軸であり、二段目のスクリュー2は、φ100mmの
単軸スクリューであり、一段目と二段目との継続部に
は、真空脱気室を有している押出成形機(本田鐵工
(株)製)である。そして、この押出機先端には、14
個の中空部を有する幅250mm、厚さ16mmの中空
状金型を取りつけており、この金型を通して押出した。
この時の真空脱気室の圧力は、480hPaであった。
吐出した成形体を、60℃で8時間、湿熱養生を行った
後、160℃、0.6MPaの圧力下にて4時間、オー
トクレイブ養生して、板状の無機質軽量成形体を得た。
この成形体を80℃で3時間乾燥後、常温まで冷却して
から、密度、曲げ強度、表面性などの物性を調べ、表1
に示した。
【0038】なお、成形体の物性は以下の方法により測
定した。 〔密度〕重量と水没法により求められる体積より算出し
た。 〔曲げ強度〕JIS A 1408 に準拠して測定し
た。但し、試験片寸法は、幅50mm×長さ150m
m、スパン100mmとした。 〔表面性〕目視による成形体表面の凹凸の評価のほか
に、表面粗さ計による表面凹凸の評価も実施した。 目視による評価は、表面にささくれ凹凸のないものを
○、表面にささくれ凹凸のあるものを×とした。
【0039】表面粗さ計による評価は、(株)東京精密
製の表面粗さ計「surfcom1500A」を使用し
て、次の条件で測定を実施した。 VERTICAL MAGNIFICATION:10
0 HORIZONTAL MAGNIFICATION:
3 TRACING SPEED:0.3 TRAVERSING LENGTH:50mm ピックアップ:0.4g(E−DT−S01A) 触針:5μmR 試験時には、通常μmで表す粗さの数値を出すことは困
難であったが、触針が試験体の無機質軽量成形体表面の
凹部に侵入したままで進行しない状態にならず表面粗さ
のチャートを描くことが可能な場合を○とし、触針が試
験体表面の凹部に侵入したままで進行せず、表面粗さを
描くことが不可能な場合を×とした。なお、試験に際し
ては、成形体における、塗装および加飾を施していない
平面について評価を実施した。 (実施例2〜4)実施例1と同様の配合・方法で成形材
料を得、押出成形時の真空脱気室の圧力をそれぞれ、1
10hPa、210hPa、680hPaに変更した以
外は、実施例1と同様の方法で板状の無機質軽量成形体
を得た。この成形体の密度、曲げ強度、表面性を実施例
1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。 (実施例5〜6)無機質水硬性組成物の配合を表1に示
すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で成
形材料を得、実施例1と同様の方法で板状の無機質軽量
成形体を得た。この成形体の密度、曲げ強度、表面性を
実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 (比較例1〜2)実施例1の押出成形時の真空脱気室の
圧力それぞれ80hPa、750hPaにした以外は、
実施例1と同様の方法で板状の無機質軽量成形体を得
た。この成形体の密度、曲げ強度、表面性を実施例1と
同様の方法で評価した。結果を表2に示す。 (比較例3)無機質水硬性組成物の配合を実施例5と同
様の配合として、実施例1と同様の方法で成形材料を
得、押出成形時の真空脱気室の圧力を80hPaとした
以外は、実施例1と同様の方法で板状の無機質軽量成形
体を得た。この成形体の密度、曲げ強度、表面性を実施
例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。 (比較例4)無機質水硬性組成物の配合を実施例6と同
様の配合として、実施例1と同様の方法で成形材料を
得、押出成形時の真空脱気室の圧力を750hPaとし
た以外は、実施例1と同様の方法で板状の無機質軽量成
形体を得た。この成形体の密度、曲げ強度、表面性を実
施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】 なお、表中に示す「注1」〜「注3」として示す材料は
下記のとおりである。 EPS:ポリスチレン発泡粒子(発泡倍率約30倍、粒
径475〜540μmの発泡粒子) 無機軽量骨材:アルミナシリケートバルーン((株)リ
ボール製) 混和材: A:水酸化マグネシュウム鉱物粉 B:フライアッシュ(関電化工(株)製)
【0042】
【発明の効果】以上のように、無機質水硬性材料、繊維
質材料、軽量骨材、および成形助剤を含有する無機質水
硬性組成物に水を加えて均一に混合し、混練、押出成形
した後、養生硬化させる押出成形法であって、押出機内
の真空脱気室での圧力を所定の圧力に調整することによ
り、軽量で曲げ強度の強く、しかも良好な表面を有し、
且つ石綿を配合していない無機質軽量成形体が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:02)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質水硬性材料、繊維質材料、軽量骨
    材、および押出助剤を含有する水硬性組成物と水を混合
    してなる無機質水硬性混合物を混練し、押出成形した
    後、養生硬化する製造方法であって、押出成形時に押出
    成形機における真空脱気室での圧力を100hPa以
    上、700hPa以下としたことを特徴とする無機質軽
    量成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造方法で製造してなる密度
    が1.1g/cm3以下、曲げ強度が6.5MPa以上
    である無機質軽量成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018126957A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 ケイミュー株式会社 無機質板の製造方法
JP2018127384A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 ケイミュー株式会社 無機質板の製造方法
JP2018192703A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 ケイミュー株式会社 押出成形品の製造方法

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