JP3024236B2 - 軽量セメント押出建材 - Google Patents
軽量セメント押出建材Info
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- JP3024236B2 JP3024236B2 JP3060483A JP6048391A JP3024236B2 JP 3024236 B2 JP3024236 B2 JP 3024236B2 JP 3060483 A JP3060483 A JP 3060483A JP 6048391 A JP6048391 A JP 6048391A JP 3024236 B2 JP3024236 B2 JP 3024236B2
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- Japan
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- weight
- vermiculite
- lightweight
- particle size
- lightweight cement
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- Finishing Walls (AREA)
- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅用外装材等の用途
を有する軽量セメント押出建材に関するものであり、特
に表面平滑性に優れた軽量セメント押出建材に関する。
を有する軽量セメント押出建材に関するものであり、特
に表面平滑性に優れた軽量セメント押出建材に関する。
【0002】
【従来の技術】既によく知られているように、軽量セメ
ント製品を押出成形によって製造するには、セメントに
骨材や補強繊維と共に軽量骨材を配合し、これを水で混
練して得た材料を押出成形機に供給するのが一般的であ
る。この場合に軽量骨材としてはパーライトやシラスバ
ルーン等の無機質発泡体が使用されることが多いが、こ
れらの軽量骨材は粗粒であるため、押出成形された製品
は良好な表面性状が得られない。表面平滑性に優れるこ
とは建材意匠性の観点から望ましいが、これまでの軽量
セメント押出建材では、満足しうる表面平滑性が得られ
ていない。
ント製品を押出成形によって製造するには、セメントに
骨材や補強繊維と共に軽量骨材を配合し、これを水で混
練して得た材料を押出成形機に供給するのが一般的であ
る。この場合に軽量骨材としてはパーライトやシラスバ
ルーン等の無機質発泡体が使用されることが多いが、こ
れらの軽量骨材は粗粒であるため、押出成形された製品
は良好な表面性状が得られない。表面平滑性に優れるこ
とは建材意匠性の観点から望ましいが、これまでの軽量
セメント押出建材では、満足しうる表面平滑性が得られ
ていない。
【0003】例えば、特公昭63−1276号公報に
は、軽量骨材として、無機質発泡体ではなく熱可塑性樹
脂発泡体を用い、補強繊維として無機質繊維と合成繊維
を、またプロセス繊維としてセルロース繊維を用いて無
機質建材を製造することが提案されている。この方法で
用いる熱可塑性樹脂発泡体の粒径は一般に0.5〜1m
mと大きいため製品表面に凹凸ができ平滑な表面が得ら
れない。また、無機繊維として具体的には石綿を用いて
いるが、これは発がん性物質として使用規制を受けてい
るものである。
は、軽量骨材として、無機質発泡体ではなく熱可塑性樹
脂発泡体を用い、補強繊維として無機質繊維と合成繊維
を、またプロセス繊維としてセルロース繊維を用いて無
機質建材を製造することが提案されている。この方法で
用いる熱可塑性樹脂発泡体の粒径は一般に0.5〜1m
mと大きいため製品表面に凹凸ができ平滑な表面が得ら
れない。また、無機繊維として具体的には石綿を用いて
いるが、これは発がん性物質として使用規制を受けてい
るものである。
【0004】さらに、軽量骨材として粒径1〜100μ
mの熱可塑性樹脂発泡体、例えばポリ塩化ビニリデンを
使用することが、特開昭63−30381号公報に記載
されている。しかし、このように粒径の小さいものを用
いることによっても、表面の凹凸は小さくできるものの
平滑な表面性状は得られない。このように、軽量押出セ
メント建材において平滑な表面が得られない理由として
は、軽量建材の目的は加工性や釘打性を確保することで
あり、このために繊維を多く混入することが一般に行わ
れていることに起因する。
mの熱可塑性樹脂発泡体、例えばポリ塩化ビニリデンを
使用することが、特開昭63−30381号公報に記載
されている。しかし、このように粒径の小さいものを用
いることによっても、表面の凹凸は小さくできるものの
平滑な表面性状は得られない。このように、軽量押出セ
メント建材において平滑な表面が得られない理由として
は、軽量建材の目的は加工性や釘打性を確保することで
あり、このために繊維を多く混入することが一般に行わ
れていることに起因する。
【0005】すなわち、繊維が多い場合には、同時に水
分を増量させて押出成形に必要な流動性を確保する必要
があるが、この繊維と水分が多いことが逆に表面性状の
悪化を引き起こす。具体的には、材料中の粉体と繊維は
押出成形時にダイス内部で受ける変形作用により分離
し、特に水分が多いほどこの分離が起こり易く、この繊
維の偏在が表面の平滑さを損なうことになる。この対策
として、繊維が粉体と混合されやすい材料、例えば石綿
のように細かく枝分かれした形状をなす材料を用いれば
良いことが容易に推察されるが、前述したように、石綿
は使用規制を受けている。また、繊維による表面性状悪
化を防止するため、混入量を低減させることも考えられ
るが、繊維の混入量低減は釘打性等の建材に要求される
他の性能因子を著しく悪化させる原因となり、良好な防
止策とはなり得ない。
分を増量させて押出成形に必要な流動性を確保する必要
があるが、この繊維と水分が多いことが逆に表面性状の
悪化を引き起こす。具体的には、材料中の粉体と繊維は
押出成形時にダイス内部で受ける変形作用により分離
し、特に水分が多いほどこの分離が起こり易く、この繊
維の偏在が表面の平滑さを損なうことになる。この対策
として、繊維が粉体と混合されやすい材料、例えば石綿
のように細かく枝分かれした形状をなす材料を用いれば
良いことが容易に推察されるが、前述したように、石綿
は使用規制を受けている。また、繊維による表面性状悪
化を防止するため、混入量を低減させることも考えられ
るが、繊維の混入量低減は釘打性等の建材に要求される
他の性能因子を著しく悪化させる原因となり、良好な防
止策とはなり得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の軽量セメント建材では押出法で製造した場合、表面
平滑性に優れたものは得られていなかった。従って、本
発明の目的は、軽量化と共に表面性状にも優れた押出セ
メント建材を提供することである。
来の軽量セメント建材では押出法で製造した場合、表面
平滑性に優れたものは得られていなかった。従って、本
発明の目的は、軽量化と共に表面性状にも優れた押出セ
メント建材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のために、
本発明者らは軽量骨材としてバーミキュライトの使用に
着目し種々検討を重ねたところ、特定粒度分布に調整し
たバーミキュライトを所定量混入することにより、従来
バーミキュライトの効果として考えられていた軽量化の
効果の他に、押出材の表面性状の改善に著しい効果を示
すという全く新規な知見を得て、本発明を完成した。
本発明者らは軽量骨材としてバーミキュライトの使用に
着目し種々検討を重ねたところ、特定粒度分布に調整し
たバーミキュライトを所定量混入することにより、従来
バーミキュライトの効果として考えられていた軽量化の
効果の他に、押出材の表面性状の改善に著しい効果を示
すという全く新規な知見を得て、本発明を完成した。
【0008】ここに、本発明の要旨は、水硬性バインダ
ーと骨材からなる窯業系粉体に混和材を配合した材料
に、適量の水を加え、混練、押出成形した後硬化させて
得られる軽量セメント押出建材において、前記窯業系粉
体が、粒径50μm以下が20重量%以上、粒径300
μm以上が10重量%以下の粒度分布に配合調整された
バーミキュライトを5〜30重量%含有するものである
ことを特徴とする軽量セメント押出建材、にある。
ーと骨材からなる窯業系粉体に混和材を配合した材料
に、適量の水を加え、混練、押出成形した後硬化させて
得られる軽量セメント押出建材において、前記窯業系粉
体が、粒径50μm以下が20重量%以上、粒径300
μm以上が10重量%以下の粒度分布に配合調整された
バーミキュライトを5〜30重量%含有するものである
ことを特徴とする軽量セメント押出建材、にある。
【0009】本発明における軽量セメント押出建材の製
造に使用する主要成分である窯業系粉体は、水硬性バイ
ンダーと骨材とからなる。本発明ではこの窯業系粉体中
に、軽量骨材であるバーミキュライトを5〜30重量%
含み、しかもこのバーミキュライトが特定粒度分布を有
することを特徴とする。
造に使用する主要成分である窯業系粉体は、水硬性バイ
ンダーと骨材とからなる。本発明ではこの窯業系粉体中
に、軽量骨材であるバーミキュライトを5〜30重量%
含み、しかもこのバーミキュライトが特定粒度分布を有
することを特徴とする。
【0010】バーミキュライトは一般的には、加熱によ
り剥離する雲母質鉱物の総称であり、狭義には、マグネ
シアに富む輝岩を原岩として、これが熱水の作用で加水
雲母となったものを指す。工業的には採掘後に土砂と分
離、乾燥した後、1000℃前後に加熱、膨張させて得
られたアコーデオン状の物質をいう。本発明において使
用できるバーミキュライトはこの膨張物を、さらに特定
の粒度分布に調整したものである。即ち、従来軽量骨材
として用いられてきた粒度0.3〜5mm程度のバーミキュ
ライトを細粉砕し、篩による分級等の手段により本発明
で規定した範囲の粒度分布のものとする。
り剥離する雲母質鉱物の総称であり、狭義には、マグネ
シアに富む輝岩を原岩として、これが熱水の作用で加水
雲母となったものを指す。工業的には採掘後に土砂と分
離、乾燥した後、1000℃前後に加熱、膨張させて得
られたアコーデオン状の物質をいう。本発明において使
用できるバーミキュライトはこの膨張物を、さらに特定
の粒度分布に調整したものである。即ち、従来軽量骨材
として用いられてきた粒度0.3〜5mm程度のバーミキュ
ライトを細粉砕し、篩による分級等の手段により本発明
で規定した範囲の粒度分布のものとする。
【0011】このバーミキュライトは重量が硅砂の1/
7以下と軽いことから、軽量骨材として用いられてきた
が、これを細粉砕により特定の粒度分布としたものを押
出建材に用いると、これまで予想されなかった押出材の
表面の平滑さを著しく向上させることが判明した。この
理由としては、バーミキュライトは気孔率が大きく、水
分の吸水性に富むことが考えられる。細粉砕されること
により吸水性がより向上したバーミキュライトは、分散
性にも優れ材料中に均一に分散し、押出成形時の圧力で
分離する余剰水を吸収して材料の押出成形性向上に寄与
すると推測される。また、従来の方法では分離余剰水が
多いため押出成形時に受ける変形作用により繊維が粉体
から一部分離して平滑性を損なっていたが、本発明で
は、バーミキュライトの吸水性より余剰水が生じないた
め、繊維と粉体の分離が起こらず、押出材の平面平滑性
が向上する。
7以下と軽いことから、軽量骨材として用いられてきた
が、これを細粉砕により特定の粒度分布としたものを押
出建材に用いると、これまで予想されなかった押出材の
表面の平滑さを著しく向上させることが判明した。この
理由としては、バーミキュライトは気孔率が大きく、水
分の吸水性に富むことが考えられる。細粉砕されること
により吸水性がより向上したバーミキュライトは、分散
性にも優れ材料中に均一に分散し、押出成形時の圧力で
分離する余剰水を吸収して材料の押出成形性向上に寄与
すると推測される。また、従来の方法では分離余剰水が
多いため押出成形時に受ける変形作用により繊維が粉体
から一部分離して平滑性を損なっていたが、本発明で
は、バーミキュライトの吸水性より余剰水が生じないた
め、繊維と粉体の分離が起こらず、押出材の平面平滑性
が向上する。
【0012】本発明で使用するバーミキュライトは、そ
の粒度分布を、50μm以下を20重量%以上含み、3
00μm以上を10重量%以下含むように調整したもの
である。300μm以上が10重量%を超えて含まれる
場合は、粗い粒子が多量となるため表面の平滑さが不十
分となる。また、50μm以下のバーミキュライト含有
率が20重量%より少ない場合、他の粉体との分散が不
十分となり、均一に余剰水分吸収ができない。従って押
出性向上の効果が小さくなり、表面平滑性も向上しな
い。
の粒度分布を、50μm以下を20重量%以上含み、3
00μm以上を10重量%以下含むように調整したもの
である。300μm以上が10重量%を超えて含まれる
場合は、粗い粒子が多量となるため表面の平滑さが不十
分となる。また、50μm以下のバーミキュライト含有
率が20重量%より少ない場合、他の粉体との分散が不
十分となり、均一に余剰水分吸収ができない。従って押
出性向上の効果が小さくなり、表面平滑性も向上しな
い。
【0013】上記のように粒度調整されたバーミキュラ
イトを、全窯業系粉体100重量部中に5〜30重量部
含むように配合する。5重量部以下では平滑性の向上効
果が小さく、また、30重量部を超えた場合は、比重の
低下に伴う強度の低下とともに、建材として重要な耐凍
害性が大幅に低下する。上記バーミキュライト以外の窯
業系粉体としては、従来軽量セメント建材の製造に使用
されてきた水硬性バインダーおよび骨材を使用すること
ができ、特に限定されない。水硬性バインダーの例とし
ては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセ
メント、高炉ポルトランドセメントが一般的である。骨
材としては硅砂、フライアッシュ、スラブ、シリカフュ
ーム、珪そう土等を1種または2種以上組み合わせて使
用する。また、パーライトやシラスバルーン等の軽量骨
材を配合してもよい。
イトを、全窯業系粉体100重量部中に5〜30重量部
含むように配合する。5重量部以下では平滑性の向上効
果が小さく、また、30重量部を超えた場合は、比重の
低下に伴う強度の低下とともに、建材として重要な耐凍
害性が大幅に低下する。上記バーミキュライト以外の窯
業系粉体としては、従来軽量セメント建材の製造に使用
されてきた水硬性バインダーおよび骨材を使用すること
ができ、特に限定されない。水硬性バインダーの例とし
ては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセ
メント、高炉ポルトランドセメントが一般的である。骨
材としては硅砂、フライアッシュ、スラブ、シリカフュ
ーム、珪そう土等を1種または2種以上組み合わせて使
用する。また、パーライトやシラスバルーン等の軽量骨
材を配合してもよい。
【0014】本発明ではさらに混和材を配合する。混和
材には繊維および増粘剤がある。繊維としてはセルロー
ス繊維、ガラス繊維、炭素繊維、鋼繊維、ビニロン繊
維、ポリプロピレン繊維等を1種または2種以上組み合
わせて上記窯業系粉体に配合できる。増粘剤としてはメ
チルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等を使用できる。これらの混和材の使用量
は、窯業系粉体100重量部に対して繊維が3重量部以
上、増粘剤が0.5 重量部以上が望ましい。
材には繊維および増粘剤がある。繊維としてはセルロー
ス繊維、ガラス繊維、炭素繊維、鋼繊維、ビニロン繊
維、ポリプロピレン繊維等を1種または2種以上組み合
わせて上記窯業系粉体に配合できる。増粘剤としてはメ
チルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等を使用できる。これらの混和材の使用量
は、窯業系粉体100重量部に対して繊維が3重量部以
上、増粘剤が0.5 重量部以上が望ましい。
【0015】本発明の軽量セメント押出建材は、上記窯
業系粉体に混和材を配合して得た材料に水を混入し、混
練した後、押出成形することにより製造できる。混練お
よび押出成形は常法によればよい。押出成形により所定
寸法に成形された押出材は、蒸気養生、オートクレーブ
養生、水中養生等により養生硬化させ強度発現を図る。
養生法としては短時間で強度を発現させ、かつ、寸法変
化を小さくできる点でオートクレーブ養生が好適であ
る。なお、オートクレーブ養生を行う場合は、その養生
温度に耐えられる繊維の選定が必要である。このように
して得られた本発明の軽量セメント押出建材は軽量で釘
打性、加工性に優れることはもちろん、これまでの押出
建材では得られなかった表面平滑性に優れているという
特徴を有する。
業系粉体に混和材を配合して得た材料に水を混入し、混
練した後、押出成形することにより製造できる。混練お
よび押出成形は常法によればよい。押出成形により所定
寸法に成形された押出材は、蒸気養生、オートクレーブ
養生、水中養生等により養生硬化させ強度発現を図る。
養生法としては短時間で強度を発現させ、かつ、寸法変
化を小さくできる点でオートクレーブ養生が好適であ
る。なお、オートクレーブ養生を行う場合は、その養生
温度に耐えられる繊維の選定が必要である。このように
して得られた本発明の軽量セメント押出建材は軽量で釘
打性、加工性に優れることはもちろん、これまでの押出
建材では得られなかった表面平滑性に優れているという
特徴を有する。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに具体的に
説明する。水硬性バインダーとして普通ポルトランドセ
メントを、骨材として硅砂を、軽量骨材としてバーミキ
ュライトを用い、必要に応じシラスバルーンを配合した
窯業系粉体に、さらにセルロース繊維およびメチルセル
ロースを配合した。配合割合は表1に示す通りである。
これに適量の水を添加し、アイリッヒミキサーで混合、
混練した後、押出成形機を通して、幅100mm、厚さ
15mmの平板を作製した。これを20〜30時間大気
中に放置した後に、オートクレーブ養生(180℃×5
時間)を実施し、軽量セメント押出材を得た。この押出
材の性能評価試験を次の方法に従って行った。得られた
性能評価の結果を表1にまとめて示す。
説明する。水硬性バインダーとして普通ポルトランドセ
メントを、骨材として硅砂を、軽量骨材としてバーミキ
ュライトを用い、必要に応じシラスバルーンを配合した
窯業系粉体に、さらにセルロース繊維およびメチルセル
ロースを配合した。配合割合は表1に示す通りである。
これに適量の水を添加し、アイリッヒミキサーで混合、
混練した後、押出成形機を通して、幅100mm、厚さ
15mmの平板を作製した。これを20〜30時間大気
中に放置した後に、オートクレーブ養生(180℃×5
時間)を実施し、軽量セメント押出材を得た。この押出
材の性能評価試験を次の方法に従って行った。得られた
性能評価の結果を表1にまとめて示す。
【0017】曲げ強度は材料の押出方向を長辺として、
長さ100mm、幅50mmに切断した試験片を作製
し、支点間隔を90mmに選び、中央集中荷重を与え、
切断荷重を評価した。一般的には、曲げ強度が80kg/c
m2以上であれば、作業時あるいは施工後に受ける外力に
耐えられるとされている。図1に曲げ試験方法における
供試体寸法と載荷条件を示す。表面粗さは図2に示す装
置により、直接、供試体表面の凹凸を測定し、最大粗さ
を表面粗さと定義した。表面粗さが0.4mm以上であ
ると、目視によりそのう凹凸が認識できるといわれてい
る。
長さ100mm、幅50mmに切断した試験片を作製
し、支点間隔を90mmに選び、中央集中荷重を与え、
切断荷重を評価した。一般的には、曲げ強度が80kg/c
m2以上であれば、作業時あるいは施工後に受ける外力に
耐えられるとされている。図1に曲げ試験方法における
供試体寸法と載荷条件を示す。表面粗さは図2に示す装
置により、直接、供試体表面の凹凸を測定し、最大粗さ
を表面粗さと定義した。表面粗さが0.4mm以上であ
ると、目視によりそのう凹凸が認識できるといわれてい
る。
【0018】耐凍害性は図3に示すように、供試体の端
部約10mmを水中に浸漬し、−20℃〜20℃(5H
/1サイクル)の冷熱繰り返しを100サイクル与える
ことにより行った。図3(a) に供試体の設置状況、図3
(b)に冷熱繰り返しのヒートパターンを示した。供試体
端部の凍害発生状況を観察し、全く異常のないものを合
格とした。
部約10mmを水中に浸漬し、−20℃〜20℃(5H
/1サイクル)の冷熱繰り返しを100サイクル与える
ことにより行った。図3(a) に供試体の設置状況、図3
(b)に冷熱繰り返しのヒートパターンを示した。供試体
端部の凍害発生状況を観察し、全く異常のないものを合
格とした。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示す結果より以下のことが明らかで
ある。実施例1〜4はいずれも曲げ強度、表面粗さ、耐
凍害性とも良好であった。比較例1はバーミキュライト
の混入量が少ないため、表面粗さが大きくなっている。
比較例2はバーミキュライト混入量が多いため、強度低
下とともに耐凍害性が大幅に低下した。比較例3はバー
ミキュライトの粒度分布において50μm以下の割合が
少ないため、表面粗さがやや大きく、また比較例4では
バーミキュライトの粒度分布において300μm以上の
割合が多いため表面粗さが大きい。
ある。実施例1〜4はいずれも曲げ強度、表面粗さ、耐
凍害性とも良好であった。比較例1はバーミキュライト
の混入量が少ないため、表面粗さが大きくなっている。
比較例2はバーミキュライト混入量が多いため、強度低
下とともに耐凍害性が大幅に低下した。比較例3はバー
ミキュライトの粒度分布において50μm以下の割合が
少ないため、表面粗さがやや大きく、また比較例4では
バーミキュライトの粒度分布において300μm以上の
割合が多いため表面粗さが大きい。
【0021】これらの結果から、50μm以下が20重
量%以上、300μm以上が10重量%以下の粒度分布
となるよう配合調整されたバーミキュライトを窯業系粉
体100重量部中に5〜30重量部含む場合に、表面性
状に優れ、強度、耐凍害性の点でも十分な軽量セメント
押出建材を得られることがわかる。
量%以上、300μm以上が10重量%以下の粒度分布
となるよう配合調整されたバーミキュライトを窯業系粉
体100重量部中に5〜30重量部含む場合に、表面性
状に優れ、強度、耐凍害性の点でも十分な軽量セメント
押出建材を得られることがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
特定粒度に粉砕したバーミキュライトを混入することに
より、軽量化を達成すると共に、表面性状の極めて優れ
た軽量押出セメント建材を得られる。表面性状に優れる
ことは、建材の意匠性の点からも有用である。
特定粒度に粉砕したバーミキュライトを混入することに
より、軽量化を達成すると共に、表面性状の極めて優れ
た軽量押出セメント建材を得られる。表面性状に優れる
ことは、建材の意匠性の点からも有用である。
【図1】曲げ強度試験方法を示す図である。
【図2】表面粗さの測定方法を示す図である。
【図3】耐凍害性評価試験方法を示す図であり、図3
(a) は供試体の設置状況を示し、図3(b) は冷熱繰り返
しのヒートパターンを示す。
(a) は供試体の設置状況を示し、図3(b) は冷熱繰り返
しのヒートパターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−131405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 3/20 C04B 38/08
Claims (1)
- 【請求項1】 水硬性バインダーと骨材からなる窯業系
粉体に混和材を配合した材料に、適量の水を加え、混
練、押出成形した後硬化させて得られる軽量セメント押
出建材において、前記窯業系粉体が、粒径50μm以下
が20重量%以上、粒径300μm以上が10重量%以
下の粒度分布に配合調整されたバーミキュライトを5〜
30重量%含有するものであることを特徴とする軽量セ
メント押出建材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3060483A JP3024236B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 軽量セメント押出建材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3060483A JP3024236B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 軽量セメント押出建材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04295072A JPH04295072A (ja) | 1992-10-20 |
JP3024236B2 true JP3024236B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=13143574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3060483A Expired - Lifetime JP3024236B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 軽量セメント押出建材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3024236B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7972433B2 (en) | 2006-12-27 | 2011-07-05 | Nichiha Co., Ltd. | Fiber reinforced cement composition and products and manufacturing process |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60129538T2 (de) * | 2000-03-14 | 2008-04-10 | James Hardie International Finance B.V. | Faserzementbaumaterialien mit zusatzstoffen niedriger dichte |
WO2006025331A1 (ja) | 2004-08-31 | 2006-03-09 | Nichiha Corporation | 無機質板およびその製造方法 |
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