JPH02102158A - セメント成形体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はセメント成形体の製造方法、特に、ベランダや
バルコニーのデツキ材、集合住宅の廊下材などに用いら
れる床材料、または住宅の外壁などの壁材料として好適
に用いられるセメント成形体を成形性よく製造する方法
に関する。

（従来の技術） 床材、壁材などの建築用部材としてセメント成形体が使
用されている。セメント成形体は９例えば、ポルトラン
ドセメントおよび水、さらに必要に応じて他の成分を含
むセメント組成物を所望の型に流し込んで硬化させるこ
とにより調製される。

上記セメント成形体は、ある程度硬化したところで型か
ら取り出され、十分に硬化させるが、連続生産ができず
生産効率が悪い。そのため、セメント成形体を押出成形
により調製する方法（乾式方法）が採用されている。押
出成形によりセメント成形体を得る場合には、製造工程
における流動性を高めることが必要である。セメント組
成物の流動性を高めるには、水分を増量することが考え
られるが、水分量を増加しても加圧によって該組成物材
料が押し出される前に水分のみが流れ出し。

成形不良となる。さらに所望の形状の成形体が押し出さ
れたとしても形くずれし、目的とする硬化セメント成形
体は得られにくい。強度面においても不充分である。

セメント成形体の成形性および得られる成形体の強度を
上げるために１石綿繊維を配合したセメント組成物を用
いて成形体を製造をすることも行なわれている。しかし
、含有される石綿は特定化学物質に指定されており、そ
の発癌性が問題となっている。石綿セメント成形体を製
造するときには使用基準が設けられてはいるが、製造時
および使用時における発塵の問題から、現在では石綿を
用いずにセメント成形体を製造する方法が望まれている
。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、上記従来の欠点を解決するものであり、その
目的とするところは、高強度と耐衝撃性とを有するセメ
ント成形体を押出成形により効果的に製造する方法を提
供するごとにある。

（課題を解決するための手段） 本発明のセメン）〜成形体の製造方法は２セメント、エ
デナイト球形粒子で主としてなる無機骨材、補強繊維お
よびセルロース系混和剤を含有するセメント組成物を得
る工程、および該組成物を混練して得られる可塑性混練
物を加圧下で押出し得られる成形体を硬化させる工程を
包含し、そのことにより上記目的が達成される。

本発明に用いられるセメント組成物に含有されるセメン
トとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、ア
ルミナセメントなど公知のセメントがいずれも使用され
得る。

セメント組成物に含有されるエデナイトは、イノシリケ
ート（イノケイ酸塩：　Ｉｎｏｓｉｌｉｃａｔｅ）に属
し、　ＳｉＯ４正四面体の２重構造をなず造岩鉱物であ
る。このエデナイトは、　ＮａＣａｚ−ＭｇｓＳｉｔ八
１０２２へ（Ｏｆｆ）　２で示される。エデナイトは、
繊維状、粉末状１粒状、および板状のいずれであっても
よい。特に繊維状のエデナイトを用いると、水を含むセ
メンｌ−配合物の混練・成形時の流動性、得られる未硬
化のセメント成形体の保形性、そして硬化成形体の強度
に優れる。エデナイトは、上記セメント１００重量部に
対して２〜５０重量部、好ましくは５〜３０重量部の割
合で含有される。過少であると、上記混練・成形時の流
動性、未硬化成形体の保形性および硬化成形体の強度に
劣る。過剰であると成形性に劣る。エデナイトは、あら
かじめ水に分散させておいて、水分散液としてセメント
などと混合することもできる。

セメント組成物に含有される無機骨材は球形粒子で主と
してなり、その粒径は０．１〜５００μｍとされる。無
機骨材としては、フライアッシュ（石炭火力発電所の集
塵器で採取される微粉炭燃焼灰）。

マイクロシリカ、シリカヒユーム、球形ケイ酸カルシウ
ム（シリコンメタル　フェロシリコンなどの製造時に副
生ずる）などが好適である。無機骨材としては、得られ
るセメント成形体の用途に応じて、軽量骨材が使用され
得る。軽量骨材としては５例えば、　ＪＩＳ　Ａ３００
２に記載の材料が使用され得る。無機骨材は、セメント
組成物中に上記セメント１００重量部あたり１０〜１０
０重量部の割合で含有される。無機骨材の組成物全体に
占める割合が低いと成形性に劣り、過剰であると得られ
る成形体の強度が低下する。

補強繊維は、得られる成形体の曲げ強度および衝撃強度
を向上させるのに用いられる。それには例えば、有機繊
維、パルプ、金属繊維などが利用され得る。有機繊維と
しては２強度が３　ｇ／ｄ以上。

ヤング率が５０ｇ／ｄ以上、そして、伸度が３％以上の
耐アルカリ性の繊維が好適である。上記ｄはデニールを
示す。補強繊維には２例えば、ビニロン。

ポリプロピレン、アクリル系樹脂、アラミド、カーボン
などが好適である。補強繊維の直径は１〜１００μｍ、
繊維長は３〜１５ｍｍが適当である。この補強繊維はセ
メント１００重量部に対し０．１〜１０重量部の割合で
組成物中に含有される。補強繊維が過少であると得られ
る成形体の強度が低下する。

過剰であると組成物の各材料を混合したときの分散性が
悪く、その結果、得られる成形体の強度が低下する。

セルロース系混和剤は２組成物を押出成形するときにあ
る程度の粘度を付与し、流動性を改善する目的で用いら
れる。セルロース系混和剤としては、メチルセルロース
、ヒドロキシエチルセルロースなどが好適に用いられる
。このセルロース系混和剤は、セメント１００重量部に
対し、０．１〜１０重量部、好ましくは０．５〜５重量
部の割合で組成物中に含有される。過少であると組成物
を混和したときの粘度が低いため、逆に過剰であると粘
度が高いため、いずれも成形性に劣る。

本発明方法によりセメント成形体を製造するには、従来
のセメント押出成形と同様の工程が採用され得る。例え
ばまず、上記セメントエデナイト無機骨材、補強繊維お
よびセルロース系混和剤をトライブレンドする。これに
適量の水を加えて湿式ブレンドを行い２次いで混練機を
用いて充分に混練を行う。得られる可塑性の混練物を所
望の金型を有する押出成形機に導き、加圧下で押出し成
形を行う。押出された所望の形状を有する成形体は、所
定の条件下（例えば温度４０〜６０”Ｃ，湿度９０〜１
００％）で４〜４８時間にわたり放置（養生）すること
により硬化する。上記、ブレンド工程。

混練工程および押出成形工程には、いずれも汎用の設備
が用いられ得る。

（作用） 本発明により上記セメント組成物を押出成形すると、押
出機内においては、混練物の水分が比較的少ない場合（
例えば複雑な異形断面の成形体を得る場合）にも充分な
流動性を有し、流速が均一となる。さらに、押出された
未硬化の成形体は硬化が進行するまで充分な保形性を有
する。このような良好な性質は、■セメント組成物中の
無機骨材は主として球形の粒子であるため、これが加圧
下においてベアリングの効果を示すこと；および■組成
物中には上記無機骨材や補強繊維が含有されるために押
出後においては保形性が充分であること；に主として起
因すると考えられる。押出された未硬化の成形体は保形
性が良好であり硬化するまでに変形することがない。得
られた硬化成形体にはエデナイトが含まれているため、
該成形体は充分な強度と耐衝撃性とを有する。このよう
な成形体は住宅の床材、壁材などに好適に利用される。

本発明によれば、このように、床材、外壁材などに適し
た高強度のセメント成形体が押出成形により連続的に得
られ、該成形体の成形性にも極めて優れる。石綿繊維を
使用しないため、製造工程。

および使用時において石綿の発塵による発癌の危険性が
ない。

（実施例） 以下に本発明を実施例につき説明する。

尖衡尉土 （Ａ）可塑性混練物の調製： 上記処方のセメント組成物の水以外の各成分をミキサー
（品用式万能ミキサー；三英製作所製）に入れ３分間混
合した。これに水を加え、約３分間混合した後、オーダ
ー式混練機（ＭＰ−１００型；宮崎鉄工社製）で充分に
混練して可塑性混練物を得た。

（Ｂ）−１平板セメント成形体の調製：（Ａ）項で得ら
れた混練物を、平板試作用金型（開口部中２５０則×厚
さ１５ｍｍ）が取り付けられた真空押出成形機（ＭＶ−
ＦＭ−Ａ−１；宮崎鉄工社製）のホッパーに供給し押出
し成形により巾２５０＋＋＋ｍ、厚さ１５ｍ＋ｍ、長さ
５０ｃ＋ｎの平板サンプルの調製を行った。このときの
押出圧力と単位時間あたりの押出量とを測定した。押出
圧力は、押出機のバレルから金型へ至る抵抗部の圧力を
ブルドン管圧力ゲージで測定した。単位時間あたりの押
出量は、金型先端部から押出される平板サンプルの６０
秒間に吐出された長さ（ａｍ／ｍ１ｎ）を測定し１次式
により算出した。

Ｔ：単位時間あたりの押出量（ｆ／ｈｒ）α：金型出口
の断面積（Ｃ司） β：押出された平板サンプルの長さ（ｃｍ／分）上記未
硬化の成形体を１２時間、室温で放置（前置き）した後
、５０°Ｃ，Ｒ１１９５％以上の雰囲気下で４８時間保
持（養生）した。

（Ｂ）−２中空成形体の調製二開ロ部が第１図に示す断
面形状を有する中空異形金型を（Ｂ）−１項と同様の真
空押出成形機にとりつけ、ごの押出成形機に（Ａ）項で
得られた混練物を供給し、　（Ｂ）−１項に準じて押出
成形を行った。

得られたセメント成形体１０は、その断面が第１図に示
すように矩形状の平板状をしており、１】方向の一方の
側面には側方に突出する断面矩形状の突条１１が押出し
方向の全域にわたって延設されており、他方の側面には
、該突条１１が遊嵌され得る凹溝１２が押出し方向の全
域にわたって延設されている。また、その内部には、押
出し方向の全域にわたって断面矩形条の３つの空間部１
３ａ、１３ｂ。

１３ｃが形成されている。空間部１３ａ、１３ｂ、１３
ｃはそれぞれ等しい大きさとなっている。

該成形体１０は、突条１１を除く中方向寸法が２５０鵬
、厚さが５０Ｍ、押出し方向の長さが約２００ｃｎ＋と
なっており、その各角部は半径３　＋＋＋ｎ＋の円弧状
に面取りされている。一方の側面に突設された突条１１
は、該側面の中央部に、該側面からの突出量が２０闘、
厚さ方向寸法が２０ｍ＋ｎとなっており、その先端部に
おける各角部および基端部における各角部は半径３ｆｆ
Ｉ１１の円弧状に面取りされている。他方の側面に形成
された凹溝１２は、該側面の中央部に、開口部における
厚さ方向の寸法が２４ｍｍ、深さが２２．４ｍｍとなっ
ており、各角部は半径３ｍｍの円弧状に面取りされてい
る。内部に形成される各空間部１３ａ。

１３ｂ、１３ｃは、成形体の厚さ方向の中央部に、それ
ぞれ配設されており、その厚さ方向寸法が３０ｍｍ。

幅方向寸法が６１．２ｍｍとなっている。各空間部１３
ａ。

１３ｂ、１３Ｃはそれぞれ１０胴離隔している。突条１
１が配設された側面に隣接する空間部１３ａは該側面と
は、１２Ｍ離隔しており、他方の側面に隣接する空間部
は該側面とは３４．４ｍｍ、従って該側面に配設された
凹溝１２の内奥面とは１２ｍｍ離隔している。

上記未硬化の成形体を（Ｂ）−１項と同様に養生した。

（Ｃ）−１平板成形体の性能評価；（Ｂ）−１項で得ら
れた養生後のサンプルを巾２５＋＋＋ｍ、長さ２４０ｍ
ｍに切断（押出方向に対し直角に切断）Ｌ１０５°Ｃの
ギヤーオーブンに入れて約４８時間乾燥後、室温まで放
冷した。このサンプルを２００ｍｍの間隔で支持し。

その中央部に２．５ｍｍ／分の曲げ速度で力を加えて曲
げ強度を測定した（曲げ強度試験）。別に、養生後のサ
ンプルを巾２５０ｍｍ、長さ２５０ｍｍに切断（押出方
向に対し直角に切断）シ、上記と同様にオーブン処理を
行った。このサンプルを平坦な川砂上に載置し、その中
央部に１　ｋｇの鋼球を２ｍの高さから落下させサンプ
ルに異常が認められるか否かを観察した（衝撃強度試験
）。各試験の結果を表１に示す。

（ＣＬ２中空成形体の性能評価：　（Ｂ）−２項で得ら
れた養生後のサンプルを押出し方向に長さ１００ｍｍの
位置で切断した。このようにして試験片２個を得、凸部
と凹部の嵌合部が嵌合可能であるか否かを調べた。その
結果を下表に示す。下表の耐衝撃性の項において、◎は
全く異常の認められないことを、Ｏは表面にのみクラッ
クが発生したことをΔは裏面に至るクランクが発生した
ことを、そして×は試験片が分断されたことを示す。以
下、実施例２〜３および比較例１〜２の結果もあわせて
表１に示す。

夫慮尉Ｉ エデナイトの量を３０重量部、そして水の量を４０重量
部としたこと以外は実施例１と同様である。

災詣開ユ エデナイトの量を３０重量部、水の量を４２重量部とし
、さらに無機骨材としてシリカヒユーム（平均粒径０．
１　μｍ）１０重量部を用いたこと以外は実施例１と同
様である。

止較炭土 エデナイトを使用しなかったこと以外は実施例１と同様
である。

几較貰又 補強繊維を使用せず、エデナイトの量を３０重量部、そ
して水の量を４０重量部としたこと以外は実施例１と同
様である。

表から９本発明方法を用いると、セメント成形体が押出
成形により成形性よく得られることがわかる。得られた
未硬化の成形体は形状維持性に優れ。

かつ硬化して得られる成形体は曲げ強度および耐衝撃性
に優れる。

（発明の効果） 本発明により、このように、高強度で耐衝撃性に優れた
セメント成形体が、押出成形により成形性よく高効率で
得られる。このようなセメント成形体は１例えば集合住
宅のデツキ材、廊下材などの床材、あるいは外壁材とし
て好適に用いられる。

石綿が含有されていないため、製造工程においても使用
時においても石綿の発塵による発癌の危険性がない。

４、　°　　の　　　なｉ′ｌ 第１図は１本発明により押出成形により得られるセメン
ト成形体の一例を示す断面図である。

１０・・・中空セメント成形体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、セメント、エデナイト球形粒子で主としてなる無機
   骨材、補強繊維およびセルロース系混和剤を含有するセ
   メント組成物を得る工程、および 該組成物を混練して得られる可塑性混練物を加圧下で押
   出し、得られる成形体を硬化させる工程、を包含するセ
   メント成形体の製造方法。 ２、前記セメント組成物中に、セメント１００重量部に
   対して、エデナイトが２〜５０重量部、無機骨材が１０
   〜１００重量部、補強繊維が０．１〜１０重量部、そし
   てセルロース系混和剤が０．１〜１０重量部の割合で含
   有される、特許請求の範囲第１項に記載の製造方法。