JP3012234B1 - 紙送りロ―ラ及びその製造方法 - Google Patents
紙送りロ―ラ及びその製造方法Info
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Abstract
回転軸とローラ部の同心円性に優れかつ形状寸法安定性
の高い紙送りローラ及びその製造方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】回転軸と、水硬性組成物からなる混合物を
加圧成形させた後養生して硬化させることによって製作
された円筒状ローラ部とからなる紙送りローラであっ
て、前記回転軸が円筒状ローラ部の両端面の中心部に両
側から軸方向内方に円筒状ローラ部の外周面と同心円状
でかつ相互に芯合わせした状態で差し込まれて一体化さ
れた2つの回転軸部によって構成されている紙送りロー
ラとする。
Description
クシミリ、コピー機等において紙を正確に移送させる必
要がある機器に用いられる水硬性組成物をローラ部に用
いた紙送りローラ及びその製造方法に関する。
属ローラ、ゴムローラ等が用いられてきた。
部を構成する中空金属製円筒体の両端部に軸部を取付け
た端面板を溶接によって取付けることによって形成して
いた。この場合、両端部の軸部によって金属ローラの回
転軸が形成されるが、金属製円筒体と回転軸との同心円
状態を確保するのが非常に難しいという問題があった。
また、軽量化を図るべくローラ部を硬質ゴムで構成した
紙送りローラが用いられているが、ローラ部の熱膨張が
大きく、紙送り動作に誤差が生じ易いという欠点があっ
た。
の中央部に位置させた後回転軸の回りにセメントを流し
込むことによって製造したセメント製複合ローラが提案
されている。しかしながら、セメントを流し込むため多
量の水を用いているので成形体の乾燥収縮による体積変
化が大きくなり、形状寸法安定性が不十分で高精度化に
適さない。
(1998年6月24日出願)において、回転軸の回り
に水硬性組成物を円筒状に加圧成形することによって円
筒状ローラ部を形成する紙送りローラの製造方法を提案
した。しかしながら、この方法においては各品種ごとに
成形型を用意する必要があること、A3以上の大型用紙
に対応するためには紙送りローラの成形型及び加圧装置
が巨大なものとなってしまうことからコストの上昇につ
ながってしまうこと、また成形型が大型になるにつれ
て、加圧成形時の加圧力が不均一になり、成形性の低下
につながり,所望の紙送りローラの精度を達成するに仕
上げ加工の手間が増大するという欠点があった。
一本の回転軸と、水硬性組成物からなる混合物を加圧成
形させた後養生して硬化させることによって製作されか
つ回転軸の外周面に一体化された円筒状ローラ部とから
なる紙送りローラであって、前記円筒状ローラ部が複数
個の任意の長さの円筒状成形体が回転軸軸方向に連結し
た紙送りローラ及びその製造方法を発明した。
性組成物の成形精度を向上させることは比較的容易にで
き、これらの円筒状ローラ部を連結し一体化された円筒
状ローラ部は加工前において高い精度が実現でき、しか
もローラの種類ごとに型枠を準備する必要がないことか
ら低コストが実現できるという利点がある。
しようとすると、この方法では一本の回転軸を用いてい
るため、使用する回転軸の精度が円筒状ローラ部の精度
に及ぼす影響が大きく、より高精度のローラを実現する
ためには、高精度の回転軸を用意するか、仕上げ加工に
おいて円筒部分に対する回転軸の同心度を高める等の加
工が必須となり、コスト増となる欠点があった。回転軸
と円筒状ローラ部との同心度を高める加工方法として
は、円筒研削等が考えられるが、加工に手間がかかるこ
と、ローラの長さが長くなると加工精度の低下が予想さ
れることから実現可能な精度に限界があった。
成物を用いて、軽量でより安価でかつ高精度で回転軸と
円筒状ローラ部の同心円性に優れかつ形状寸法安定性の
高い紙送りローラ及びその製造方法を提供することを目
的とする。
は、回転軸と、水硬性組成物からなる混合物を加圧成形
させた後養生して硬化させることによって製作された円
筒状成形体から形成させる円筒状ローラ部とからなる紙
送りローラであって、前記回転軸が円筒状ローラ部の両
端面の中心部に両側から軸方向内方に円筒状ローラ部の
外周面と同心円状でかつ相互に芯合わせした状態で差し
込まれて一体化された2つの回転軸部によって構成され
ていることを特徴とする。
としては、以下の(1)乃至(5)が挙げられる。
(1)乃至(5)を任意に組み合わせたものも、本発明
の紙送りローラの好ましい実施態様に含まれる。 (1)前記円筒状ローラ部が複数の円筒状成形体を軸方
向に連結して形成されている。 (2)隣接連結される少なくとも1組の2つの円筒状成
形体が、該2つの円筒状成形体の中央部に跨って延設し
た連結心棒によって連結補強されている。 (3)互いに連結される円筒状成形体の連結端部が相互
に嵌合する形状を有し、これらの連結端部において該円
筒状成形体同士が嵌合によって連結されている。ここで
相互に嵌合する形状とは、凸状の部分が凹状の部分に固
く嵌まり合ったり、または滑り動くように嵌まり合った
りすることができる関係にある両者の形状を指す。
0〜90重量%と、水硬性粉体の平均粒子径より1桁以
上小さい平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重
量%とからなる混合粉体と、混合粉体100重量部に対
して2〜18重量部の割合で配合した加工性改良剤とか
らなる。 (5)前記加工性改良剤が、酢酸ビニル樹脂又は酢酸ビ
ニルとの共重合樹脂、アクリル樹脂又はアクリルとの共
重合樹脂、スチレン樹脂又はスチレンとの共重合樹脂及
びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂か
らなる粉末もしくはエマルジョンである。
は、 水硬性組成物を成型、脱型、養生・硬化させる工
程を経て成形された円筒状成形体から円筒状ローラ部を
形成し、該円筒状ローラ部の両端部に、2つの回転軸部
を円筒状ローラ部の外周面と同心円状でかつ2つの回転
軸部が芯合わせされた状態でそれぞれ取り付けることに
よって2つの回転軸部で回転軸を形成することを特徴と
する。
法は、水硬性組成物を成型及び脱型して成形された円筒
状生成形体から円筒状ローラ部を形成し、該円筒状ロー
ラ部の両端部に、2つの回転軸部を円筒状ローラ部の外
周面と同心円状でかつ2つの回転軸部が芯合わせされた
状態でそれぞれ取り付け、次いで養生・硬化させること
によって2つの回転軸部で回転軸を形成することを特徴
とする。
い実施態様としては、以下の(1)乃至(5)が挙げら
れる。(1)乃至(5)を任意に組み合わせたものも、
本発明の紙送りローラの好ましい実施態様に含まれる。 (1) 円筒状ローラ部の両端部中心部に外周面と同心
円状に穴部を設けるように円筒状成形体を形成し、穴部
にそれぞれ回転軸部を相互に芯合わせした状態で挿入し
一体的に固定することによって該2つの回転軸部で回転
軸を形成する。なお、ここでいう円筒状成形体は、未硬
化の「円筒状生成形体」を含む。 (2) 回転軸部の一端部に螺子部が設けられ、円筒状
ローラ部の端部に回転軸部の螺子部をねじ込むことによ
って回転軸部を取付ける。
型、養生・硬化させることによって複数の円筒状成形体
を成形し、該円筒状成形体同士を連結して円筒状ローラ
部を形成する。こうすることによって、所望の円筒状ロ
ーラ部に比較して、円筒状成形体自体の長さを短くする
ことができるので、成形型を小型化できる。また、用紙
の寸法と連結する円筒状成形体の個数との関係から円筒
状成形体1個の長さを設定することによって、単一形状
の円筒状成形体を予め複数用意しておけば用紙寸法に対
応させた複数種類の紙送りローラを該単一形状寸法の円
筒状成形体を所定の個数使用して容易に製造することが
可能となる。さらに、回転軸と一体に成形する場合に比
較して、円筒状成形体の成形,ひいては円筒状ローラ部
の形成を精度良く行うことができ、仕上げ加工の手間を
低減でき、生産コストの低減が可能となる。
形体同士を連結心棒にて連結する。こうすることによっ
て、円筒状ローラ部を複数の円筒状成形体を軸方向に連
結して形成する場合、円筒状成形体同士をより強固に連
結することができる。なお、該連結心棒を両端部の回転
軸部と芯合わせすることが好ましいが、芯合わせをした
場合は、相互に一体的とはしていないが連結棒を回転軸
の中央部回転軸部として考えることもできる。但し、両
端部の回転軸部と円筒状ローラ部との間の同心度を確保
すれば、この中央の回転軸部と円筒状ローラ部との間に
高い同心度を与える必要はない。 (5)互いに連結される円筒状成形体の連結端部を互い
に嵌合する形状に成形し、これらの端部において該円筒
状成形体同士を嵌合によって連結する。こうすることに
よって、円筒状ローラ部を複数の円筒状成形体を軸方向
に連結する場合、円筒状成形体同士をより強固に連結す
ることができる。
によれば、回転軸を円筒状ローラ部の両端面に設けた同
心円状の穴部に芯合わせをして挿入・固定しローラ部と
一体とした回転軸部によって形成しているので、一本の
回転軸を用いている場合に比較して、該2つの回転軸部
により形成された回転軸と円筒状ローラ部の同心円性の
調整、確保が容易である。また、円筒状ローラ部は水硬
性組成物の成形体から一体形状に形成するため形状寸法
安定性に優れて、紙送り精度に優れる。
心部に両側から軸方向内方に差し込まれて一体化された
分割形式の2個の回転軸部によって構成されるが、分割
形式の2個の回転軸部によって形成している点を除け
ば、従来の紙送りローラの回転軸と同様の物が用いられ
る。シャフトの形状としては、紙送り部である円筒状ロ
ーラ部を支持するシャフトに切削仕上加工により軸受取
付部あるいは駆動力伝達機構取付部等を設けたものが挙
げられる。その材料としては、通常の、例えばSUM快削
鋼等が挙げられる。また、回転軸部の表面に無電解Ni
−Pメッキ等を施しても良い。円筒状ローラ部の端面に
設けた穴部に対して回転軸部を挿入固定する手段につい
ては、下記の円筒状ローラ部の説明で詳細を示す。
物を加圧成形して円筒状成形体を得た後養生・硬化させ
ることによって作製される。挿入固定する方法としては
以下の態様がある。 1) 円筒状成形体あるいは円筒状ローラ部の各端面の中
央部には円筒状ローラ部の外周面と同心円上に穴部を設
け、それらの穴部に両端部の回転軸部が取り付けつけら
れ、固定される。穴部の内径を回転軸部の外径よりも若
干小さくして、焼き嵌め、冷やし嵌めあるいは圧入によ
って回転軸部を円筒状ローラ部の穴部に挿入固定するこ
ともできる。
じを切り、対応する回転軸部の外周面に雄ねじを切り、
回転軸部を円筒状ローラ部の穴部にねじ込むことによっ
て挿入固定する。 3) 回転軸部の一端部に螺子部を設け、円筒状成形体あ
るいは円筒状ローラ部の端部に回転軸部の螺子部をねじ
込むことによって回転軸部を取付ける。
においては、円筒状成形体を、水硬性組成物からそれぞ
れ成型及び脱型し複数の円筒状成形体を得、該円筒状成
形体を養生・硬化させる前または後に隣接する円筒状成
形体を連結して、円筒状ローラ部を形成する。この場
合、得られる円筒状ローラ部の精度(振れ精度)はそのま
までも高い精度とすることが可能であるが、さらにセン
タレス研削等を行うことによって円筒状ローラ部の真円
度を向上することが可能である。この真円度を向上させ
た円筒状ローラ部の端部に回転軸部をその中心が円筒状
ローラの中心と芯合わせされた状態で取付け固定され、
その結果高精度の紙送りローラが得られる。
連結端部が互いに嵌合する形状を有し、これらの端部に
おいて該円筒状成形体同士が嵌合によって連結されてい
ることが好ましい。このようにすることによって隣接す
る円筒状成形体同士がより強固に連結され、その結果円
筒状成形体によって形成される円筒状ローラ部の一体性
がより強固に保持される。
連結端部にそれぞれ円筒状の円筒状凸部及び円筒状凹部
を設け、円筒状凸部及び円筒状凹部とが入れ子式に嵌合
できる構造とすることが好ましい。回転軸挿入用の穴部
については円筒状成形体の加圧成形時に形成させること
も可能であるが、より高精度ローラの実現のためには、
センタレス研削により円筒状ローラー部の真円度を向上
させた後、この円筒状ローラ部外径を基準とした位置に
精密旋盤等で加工により形成することが望ましい。ま
た、円筒状凸部及び円筒状凹部のそれぞれの外周面及び
内周面にスプライン形式の嵌合溝部及び凸部を設けるこ
とによって、互いに連結される円筒状成形体の円周方向
の滑りを防止することができる。また、対応する円筒状
凸部の外周面及び円筒状凹部の内周面をそれぞれ多角形
状にした形式の嵌合構造とすることによって、互いに連
結される円筒状成形体の円周方向の滑りを防止すること
ができる。さらに、互いに連結される円筒状成形体の内
周面に凹部を設けかかる凹部に跨って嵌合する連結部材
によって円筒状成形体同士を互いに連結するようにして
も良い。
外径と所望の外径の紙送りローラとによって決定され
る。円筒部の直径の公差は、設計上において所望の数値
に設定されるが、通常所望外径寸法の±0.003mm
の加工精度に設定される。また、円筒状ローラ部表面そ
のものにサンドブラスト等を用いて粗く仕上げ加工を施
しても良い。
は、水硬性粉体、非水硬性粉体及び加工性改良剤からな
る水硬性成形組成物と、必要に応じて加えるその他の添
加物と、必要に応じて含有させる水とを混合した物であ
る。以下にその詳細を記す。
指し、例えば珪酸カルシウム化合物粉体、カルシウムア
ルミネート化合物粉体、カルシウムフルオロアルミネー
ト化合物粉体、カルシウムサルフォアルミネート化合
物、カルシウムアルミノフェライト化合物粉体、リン酸
カルシウム化合物粉体、半水又は無水石膏粉体、自硬性
を有する生石灰粉体、これら粉体の2種類以上の混合物
粉体が例示できる。その代表例として、例えばポルトラ
ンドセメントのような粉体を挙げることができる。
の強度に関する水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が
2500cm2/g以上であることが好ましい。また、
水硬性粉体の配合量は水硬性粉体と非水硬性粉体とから
なる混合粉体の組成比率で50〜90重量%とするが、
65〜75重量%とすることが好ましい。配合量が50
重量%未満の場合には、強度及び充填率が低くなり、又
90重量%を越える場合には、成形体を得る場合の充填
率が低くなり、いずれの場合においても機械的加工時の
加工応力に耐えられない等の影響があり、好ましくな
い。
とのない粉体を指すが、アルカリ性若しくは酸性状態、
あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し,他
の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む。
非水硬性粉体の代表例としては、例えば、水酸化カルシ
ウム粉末、二水石膏粉末、炭酸化カルシウム粉末、スラ
グ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末、シ
リカフューム粉末等を挙げることができる。また、これ
らの非水硬性粉体の平均粒径は、水硬性粉体の平均粒径
より1桁以上小さく、好ましくは2桁以上小さいものが
良い。細かさの下限は本発明の効果を害することがなけ
れば特に設ける必要はない。
硬性粉体とからなる混合粉体の組成比率で10〜50重
量%とするが、25〜35重量%とすることが好まし
い。配合量が10重量%未満の場合には、充填率が低く
なり、又50重量%を越える場合には、強度及び充填率
が低くなり、いずれの場合においても成形・硬化後の諸
物性、例えば機械加工時における欠けの発生、寸法安定
性に悪影響を及ぼすため好ましくない。機械加工性等を
考慮すると充填率が低くなりすぎないように非水硬性粉
体の配合量を調節することが好ましい。非水硬性粉体を
添加することによって、成形体の成形時の充填率を高
め、得られる成形体の空隙率を減少することが可能とな
る。これにより成形体の寸法安定性を向上することがで
きる。
成形性、脱型性、切削・研削性、研削精度の向上、特に
切削・研削性、研削精度の向上に寄与する性質を有する
材料を指す。即ち、加工性改良剤を添加することによっ
て得れれた水硬性組成物からなる混合物は、加工性改良
剤が加圧成形時に於いて、成形助剤としての役割を果た
すので成形性が向上する。また、加工性改良剤によりセ
メント系硬化体のもろさが改良されることにより得られ
た成型体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型さ
れ、ひいては作業性の向上につながる。また、慨して脆
性材料である水硬性組成物から得られる成形体は切削の
際に“亀裂型"メカニズムの切削状態を呈するが、この
ような場合に材料の割れ、あるいは欠け(微視的な現象
も含む)が問題となる。
有するために、得られた成形体に固体材料としての機械
加工性を促すための靱性が付与され上記材料の割れ,欠
け等の問題を阻止することが可能となる。即ち、加工性
改良剤によって、従来切削加工・研削加工等の機械加工
が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工
性を金属材料と同レベルまでに改良することが可能とな
り、旋盤等による切削加工、円筒研削機等による研削加
工が金属材料と同等に行えるようになる。これらの加工
が行えることにより所望の寸法に対してμmオーダーの
精密な加工が行えるようになる。
水硬性粉体との混合粉体100重量部に対し乾ベースで
2〜18重量部とするが、5〜15重量部とすることが
好ましい。配合量が2重量部未満の場合には、切削加工
性が悪くなり好ましくない。18重量部を超える場合に
は、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削後
の寸法安定性が低下する。また粒度は分散した単一粒子
径で1μm以下のものが一般的である。
は酢酸ビニルとの共重合樹脂、アクリル樹脂又はアクリ
ルとの共重合樹脂、スチレン樹脂又はスチレンとの共重
合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類
以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを使用で
きる。上記酢酸ビニル共重合樹脂としては、酢酸ビニル
アクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢
酸ビニルベオバ三共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重
合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエ
チレン塩化ビニル共重合樹脂等を例示できる。アクリル
共重合樹脂としては、アクリルスチレン共重合樹脂、ア
クリルシリコーン共重合樹脂等を例示できる。また、ス
チレン共重合樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重
合樹脂を例示できる。
(2−1)乃至(2−3)に加えて、増量材として珪砂
等の骨材を水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体10
0重量部に対し10〜50重量部、好ましくは20〜3
0重量部の割合で加えることが出来る。また、成形性を
さらに改善するために、公知のセラミック成型助剤を上
記混合粉体100重量部に対し1〜10重量部、好まし
くは3〜6重量部の割合で加えることが出来る。さら
に、材料の硬化時の収縮等による寸法変化を抑えるため
に、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤
を上記混合粉体100重量部に対し0.5〜5重量部、
好ましくは1〜2重量部の割合で加えることが出来る。
性組成物から成形する。この際、円筒状成形体の両端面
中央部に回転軸を構成する回転軸部を取付け固定するた
めに、円筒状成形体の外周面と同心円上に穴部を形成す
ることができる。また、円筒状ローラ部を複数の円筒状
成形体を軸方向に連結して形成する場合には、用紙の寸
法と紙送りローラを製造するために連結する円筒状成形
体の個数との関係から円筒状成形体1個の長さを設定す
る。この場合、必要に応じて、互いに連結される円筒状
成形体の連結端部が互いに嵌合する形状となるように成
形し、これらの端部において該円筒状成形体同士が嵌合
によって連結する。この場合、連結棒にて円筒状成形体
を連結する場合には両端部に位置させる円筒状成形体以
外は管状の円筒状成形体とし、両端部に位置させる円筒
状成形体の軸方向内側端部に連結棒の端部に嵌合する穴
部を設けることができる。
するには、水硬性組成物と必要に応じて加えられるその
他の添加物に、水硬性粉体と非水硬性粉体との混合物1
00重量部に対して水が30重量部以下好ましくは25
重量部以下含有されたものを混合することにより得られ
る。なお、乾燥収縮を小さくするには極力水を少なくす
るのがよい。条件によっては、水を加えなくてよい。
のでもないが、好ましくは、強力な剪断力を混合物に加
えることができる混合方法若しくは混合機がよい。非水
硬性粉体粒径は水硬性粉体粒径より1桁以上小さい平均
粒径を有するため、均一な混合物を得るためには、剪断
力を有する混合機でなければ、混合に要する時間が非常
に長くなってしまう。
好にするため、混合後成形する形状に適した大きさに造
粒を行ってもよい。造粒方法としては、転動造粒法、圧
縮造粒法、攪拌造粒法など周知の方法を用いればよい。
このようにして得られた成形用混合物を型に充填して、
静水圧プレス、多軸プレス、1軸プレスによる方法によ
って加圧する。加圧する条件として、計算される理論密
度に出来る限り近づけるようプレス圧が高いほど好まし
いが、その下限の条件は、混合物の易成形性、水の含有
割合あるいは必要とされる寸法精度の違いによって大き
く異なる。
端面の中央部に円筒状ローラ部外周面と同心円状に設け
た穴部に同軸心に沿って芯合わせして挿入・固定される
2つの回転軸部で形成される。各回転軸部の全長、挿入
部の長さ及び外部に露呈される長さは適宜決められる。
前述の通り、円筒状ローラ部の端面の穴部に対し螺合す
る場合には該回転軸の挿入部外周面に雄ねじが切られ
る。また、接着剤等で取り付ける場合には、円筒状成形
体に取付けられる回転軸部の部位の外径は、円筒状成形
体の穴部の内径よりも10〜50μm程度小さくする
が、10〜30μmとすることが好ましい。10μm未
満であると円筒状成形体を回転軸に組みこむ作業が困難
となり、50μmより大きくなると回転軸と円筒状成形
体の真円度(同心からのずれ)が大きくなり、ローラ精
度が低下する。30μm以下であれば円筒状成型体の硬
化に伴う収縮により回転軸への取付けが、接着剤の併用
なしで可能となる。
体が軸方向に連結されている場合に、少なくとも1組の
隣接する円筒状成形体同士を連結する。この場合、一本
の連結心棒を用いて該複数の円筒状成形体全てを連結す
るようにすることが好ましい。それによって、円筒状成
形体は強固に一体化される。連結心棒の外径と円筒状成
形体の内径との関係は円筒状成形体を連結心棒に連結
後、養生・硬化し、円筒状ローラー部を形成させる場合
においては、成形体内径に対して連結心棒の外径が30
μm程度小さいことが望ましい。30μm以下であれば
円筒状成形体の硬化に伴う収縮により接着剤なしで連結
心棒上に固定することができる。円筒状成形体を養生・
硬化後、連結心棒に固定する場合においては10〜50
μm程度連結心棒が小さいことが望ましい。10μmよ
り小さいと円筒状成形体を連結心棒に固定する作業が困
難となり、50μmより大きいと連結した円筒状成形体
と回転軸との真円度(同心からのずれ)が大きくなりロ
ーラー精度が低下する。前記円筒状ローラー部の剛性
(耐たわみ性)を向上させるには連結心棒の径を大きく
することが望ましく、心棒径を1.5倍大きくした場合
のたわみ量は50%低減される。
を脱型、養生・硬化させる工程をへて円筒状ローラ部を
形成し、該円筒状ローラ部の各穴部に回転軸部を取付け
一体的に固定する。加圧成形後、型から取り出した円筒
状成形体の養生・硬化は常温養生、蒸気養生、オートク
レーブ養生等の1つ若しくは組み合わせにより行うこと
が可能であるが、大量生産、製品の化学的安定性、寸法
安定性等を考えるとオートクレーブ養生が好ましい。5
〜10時間程度のオートクレーブ養生により円筒状成形
体の硬化反応は完全に終結し、以後の寸法変化は極めて
小さなものとなる。オートクレーブ養生を行うと円筒状
成形体の寸法は0.08〜0.15%(配合条件により
異なる)の範囲で収縮することから、収縮量を見込んで
円筒状成形体の内径部分を形成する。養生硬化後回転軸
に円筒状成形体を取付けるためには少なくとも10μm
以上のクリアランスが必要となるが、オートクレーブ養
生後においては円筒状成形体の収縮は無いことから、回
転軸への取付けには接着剤を使用するか回転軸を冷却あ
るいは円筒状成形体を加温するこのにより取付け可能な
クリアランスとし、取付けることも可能である。
剤、ウレタン系接着剤、エマルジョン系接着剤、合成ゴ
ム系接着剤、アクリレート系接着剤等が用いられる。
体が軸方向に連結して形成する場合には、水硬性組成物
からそれぞれ成形、脱型、養生・硬化させることによっ
て複数の円筒状成形体を形成し、隣接する円筒状成形体
同士を連結して円筒状ローラ部を形成する。該円筒状成
形体の両端部に回転軸部を取付け固定し一体的に組み立
てる。その際には、上記連結心棒を用いて隣接する円筒
状成形体を連結・固定することが好ましい。
から円筒状成形体を成形後、円筒状成形体を脱型して円
筒状成形体を得る。円筒状成形体の両端部に回転軸部を
所定の位置まで挿入する。この場合、円筒状成形体の中
央部に回転軸を取付けるする工程で円筒状成形体が破損
しない程度の強度を有するよう、円筒状成形体を成形す
る。その後、円筒状成形体を養生・硬化させる工程をへ
て円筒状成形体を形成することによって、回転軸の外周
面に円筒状ローラ部を一体的に形成する。
体を得る場合には、水硬性組成物から複数の円筒状成形
体を成形後、円筒状成形体を脱型して中心部に穴部を有
する複数の円筒状成形体を得、好ましくは隣接する円筒
状成形体を連結心棒によって連結し、回転軸部を円筒状
ローラ部両端部に取付け固定する。それ以降の工程は、
上の場合と同様である。
ーラ部両端部に取付け固定する方法としては、穴部を予
め円筒状成形体あるいは円筒状ローラ部にその外周面と
同心円状に設け、それらの穴部にそれぞれ回転軸部を芯
合わせした状態で挿着し、接着剤によって固定するか、
あるいは冷やし嵌め、焼き嵌め、圧入等する。あるい
は、該穴部の内周面に雌ねじ部を形成し、対応する回転
軸部の端部に雄ねじ部を形成し雌ねじ部と雄ねじ部とを
螺合させることによって回転軸部を円筒状ローラ部両端
部に取付け固定することもできる。あるいは、回転軸部
の端部に雄ねじ部を形成し、成形体の中実端部に雄ねじ
部をねじ込ませることによって回転軸部を円筒状ローラ
部端部に取付け固定することもできる。
に数時間から数日を要するため、養生が必要となるが、
そのまま室温に放置もしくは水中養生あるいは蒸気養生
してもかまわないが、好ましくはオートクレープ中で養
生することがよい。なお、硬化体を形成する為の水量が
欠如又は不足している場合には、蒸気養生が好ましい。
特にオートクレープ中で養生するのが好ましい。オート
クレーブ養生は、飽和蒸気圧7.15kg/cm2、1
65℃以上で行うが、飽和蒸気圧9.10kg/cm2
以上が好ましい。養生時間は養生温度により変化するが
175℃の条件下では5〜15時間とする。加圧成形
後、オートクレーブ養生開始前までに、圧縮強度で5N
/mm2程度発現していることが好ましい。オートクレ
ーブ養生までに十分な強度が発現していない場合には、
成形体にクラックが発生する。
発明の紙送りローラの好ましい実施態様を示す。図1
(a)乃至図1(e)は本発明の紙送りローラの好まし
い一実施態様を示す。図1(a)は図1(d)に断面図
で示す紙送りローラ(右端の回転軸部は円筒状成形体の
穴部に挿入・固定前)において中央部の円筒状成形体1
を示し、左に左側面図、その右隣に正面図、さらに右隣
に右側面図、その右に正面図のA−A線にそって切断し
て見たA−A線断面図を示す。1aは円筒状成形体の右
端部に設けた凸部であり、1bは左端部に設けた凹部で
あり、1cは連結棒4を通すための貫通孔である。
れる円筒状成形体の凹部1bと凸部1aとにそれぞれ嵌
合する。図1(b)及び図1(c)はそれぞれ図1
(d)において左側及び右側の円筒状成形体2,3を示
し、2aは円筒状成形体の右端部に設けた凸部であり、
2bは左端部に設けた凹部であり、2cは連結棒4を通
すための貫通孔である。凸部2aには隣接して連結され
る円筒状成形体の凹部1bに嵌合し、凹部2bには左側
の回転軸部5aの端部が挿入される。また、3a,3
b,3cは、それぞれ隣接して連結される円筒状成形体
の凹部1bと嵌合する凹部、右側の回転軸部5bの端部
が挿入される凹部、連結棒の右端部が挿入される凹部で
ある。各円筒状成形体は水硬性組成物から形成し、その
長さは例えば50〜100mmとすることができる。上
記円筒状成形体では、すべての凹部の内周面および凸部
の外周面とは円筒状成形体の外周面と同心円状に形成さ
れている。円筒状成形体1,2,3の外径及び連結棒を
挿着する凹部の内径はそれぞれ同径とされ相互に円筒状
成形体を連結した際にはそれぞれの円筒状成形体の外周
面および連結棒を挿着する凹部の内周面は連続し中央穴
部と外周面とは同心円状となりかつ回転軸と長手方向に
平行に延びる。この点は、その他の実施態様についても
同じである。
た円筒状成形体1,2,3によって円筒状ローラ部が形
成され、かつ円筒状ローラー部の左右端部に回転軸部5
a,5bを挿入・固定して回転軸部5a,5bとで形成
した回転軸と円筒状ローラ部とが相互に一体的に連結さ
れた紙送りローラの斜視図である。連結棒4は、例えば
250〜350mmの長さとする。円筒状成形体1,
2,3は好ましくは相互に適当な接着剤で強固に一体化
され、また好ましくは各円筒状成形体も適当な接着剤に
よって回転軸の外周に強固に一体的に固定されている。
この場合、円筒状成形体1,1,1,1を予め連結・固
定した後に連結棒に挿着され相互に一体的に連結してか
ら左右端部の円筒状成形体2,3とを挿着・固定し、最
後に左右の回転軸5a、5bとを挿着・固定してもよい
し、あるいは円筒状成形体1,1,1,1を順次連結棒
4の外周に挿着して相互に一体的に連結してから同様に
して紙送りローラを組み立ててもよい。また、円筒状成
形体1,1,1,1,2,3は、成形,脱型、養生後連
結棒4に挿着・配置・相互に一体的に連結・固定しても
良いし、あるいは成形,脱型後直ちに連結棒に挿入し、
養生することによって相互に一体的に連結・固定しても
よい。
を行うことによって真円度を向上させることが可能で、
例えば、円周振れが4/1000mm程度の精度が実現
できる。また、この真円度を向上させた円筒状ローラ部
を基点として円筒状ローラ部の中心と同心の位置となる
ように回転軸部5a,5bとを挿着・固定する。円筒状
ローラ部の両端部の成形体2,3とには回転軸部5a、
5bとを挿入・固定する凹部を2b、3bを形成する
が、回転軸部の外径より凹部の内径を小さくすることに
よって回転軸部を凹部に圧入することによって固定する
ことができる。
送りローラの別の実施態様を示す。本実施態様では、左
側円筒状成形体2A及び右側円筒状成形体3Aとにおい
て、成形体を成形時には図1の実施態様での回転軸部装
着用の凹部2bと3bとが設けられておらず、成形後回
転軸部に一端部にねじ部5ax、5bxを形成した回転
軸部5a,5bとをそれぞれねじ込むことによって回転
軸部を円筒状成形体2A,3Aとに固定している点が異
なるのみである。図2の実施態様については、円筒状成
形体を成形,脱型、養生後、連結棒4に挿着・配置・相
互に一体的に連結しても良いし、あるいは成形,脱型後
直ちに連結棒に挿入し、その後養生することによって相
互に一体的に連結してもよい。回転軸部5a,5bは、
成形された円筒状成形体の端部にそれぞれねじ込むこと
によって円筒状成形体2A,3Aとに固定しても良い
し,円筒状ローラ部を形成後両端部に位置する円筒状成
形体2A,3Aに回転軸部5a,5bを両端部にそれぞれ
ねじ込んでも良い。その他の点については図面を参照す
ることによって明らかなので、説明は省略する。
送りローラのさらに別の実施態様を示す。図3の実施態
様は、左側円筒状成形体2A及び右側円筒状成形体3Aと
において、成形体を成形時には図1の実施態様での回転
軸部装着用の凹部2bと3bの代わりに、穴部の内周面
にめねじ部を設け、回転軸部の一端部におねじ部5a
x、5bxを形成した回転軸部5a,5bとをそれぞれ
ねじ込むことによって回転軸部を円筒状成形体2B,3
Bとに固定している点が異なるのみである。図3に示す
紙送りローラの組み立て方法は、左右の円筒状成形体に
螺合によって回転軸部を取付け固定する以外は、図1に
示す方法に準じて行えばよい。
実施態様を示す。図1の実施態様とは円筒状成形体の構
造が若干異なるだけであるので、図1等の説明を参照す
れば図4の実施態様の構造は自明であるので説明は省略
する。図5は、本発明の紙送りローラの更に別の実施態
様を示す。本実施態様では、連結棒の他に隣接する円筒
状成形部材同士を連結固定するために連結管6を用いて
いることが異なる。
本実施態様では、スリット、スプライン入れ子形式の嵌
合構造となっており、連結した円筒状成形体同士の嵌合
力の向上を図ることができる。図7は、対応する円筒状
成形体の凸部の外周面及び円筒状凹部の内周面をそれぞ
れ多角形状(本実施態様では6角形)とした嵌合構造を
示す。
下記組成を有する水硬性組成物からなる円筒状成形体
(外径22mm、内径8mm、長さ90mm)を4個作
成し、養生・硬化させた後、快削鋼製連結心棒(直径8
mm、長さ300mm)により、円筒状成形体を連結し
た。これにセンタレス研削を行うことにより、円筒状ロ
ーラ部の真円度を向上させた後、図1の2および3の円
筒状成形体の回転軸固定用凹部(2bおよび3b)を円
筒状ローラー部外径と同心の位置となるように精密旋盤
加工機により直径8mm、深さ20mmに加工し、ここ
に快削鋼製回転軸(外径8mm、長さ50mm)を両端
から挿入し紙送りローラーを製造した。 水硬性組成物の組成 セメント 70重量部 シリカフェーム 30重量部 アクリル樹脂 9重量部 水 25重量部 骨材(8号) 25重量部 また、実施例2、3として図2、3に示した構成により
実施例1に準じて紙送りローラを製造した。即ち、実施
例2では円筒状ローラ部をセンタレス研削した後、円筒
状ローラ部端面の外径と同心の位置に図2の回転軸部5
a,5bをねじ込む点、実施例3では円筒状ローラ部を
センタレス研削した後、円筒状ローラ部端面の外径と同
心の位置に精密旋盤加工機により穴をあけ、その穴に雌
ねじを切り、図3の回転軸部5a,5bをねじ込む点を
除いて実施例1と同様の方法で紙送りローラを製造し
た。また、比較例1として、各々の円筒状成形体の穴に
1本の快削鋼製回転軸(外径8mm,長さ420mm)
を挿入して連結固定する点を除いて実施例1に準じて紙
送りローラを製造した。さらに比較例2として1つの円
筒状成形体(外径22mm,内径8mm,長さ360m
m)を挿入して連結固定する点を除いて実施例1に準じ
て紙送りローラを製造した。
て、円筒状ローラ部にセンタレス研削を行う前に、円筒
状ローラ部をVブロックの上に乗せて支持し、円筒状ロ
ーラ部について回転ダイヤルゲージを用いて振れを測定
した。 (試験2) 円筒状ローラ部にセンタレス研削を行った
後に、試験1と同様の測定を行った。 (試験3) 紙送りローラを製造した後、回転軸の両端
部をVブロックの上に乗せて支持し、円筒状ローラ部に
ついて回転ダイヤルゲージを用いて振れを測定した。こ
れらの試験では、回転軸に対して、円筒状ローラ部と回
転軸との同心度を上げるための加工は行わず、円筒状ロ
ーラ部(成形体)のみをセンタレス研削して真円度を高
精度に高めているため、回転軸の加工を行う前の成形体
と回転軸との同心度を精度よく評価することができる。
結果を表1に示す。
れ精度は60/1000〜90/1000mmの範囲に
あるが、センタレス研削を行うことにより各円筒状ロー
ラ部の振れ精度は4/1000mmに高められたことが
わかる。しかし、回転軸に対する円筒状ローラ部の振れ
精度は、実施例では9/1000mmであるのに対し、
比較例では50/1000mmにとどまり、センタレス
研削では円筒状ローラ部と回転軸との同心度を向上させ
る効果は見られない。上記結果から分かるように、実施
例1乃至実施例3、比較例1及び比較例2とをすべて4
/1000mmに真円度がなるように円筒状ローラ部を
加工したにも関わらず、組み立てて紙送りローラを製作
した場合に実施例は回転軸と円筒状ローラ部との振れが
9/1000mmに低く抑えられたのに対して、比較例
1及び比較例2の振れは50/1000mm及び60/
1000mmとなり非常に振れが大きかった。これよ
り、本発明の紙送りローラは非常に精度の高いことが分
かる。
様における中央部の円筒状成形体1を示し、左に左側面
図、その右隣に正面図、さらに右隣に右側面図、右に正
面図のA−A線に沿って切断して見たA−A線断面図を
示し、(b)は同様に左側の円筒状成形体2を示し、
(c)は同様に右側の円筒状成形体3を示し、(d)は
円筒状成形体1,1,1,1、2,3とを連結棒4で連
結し円筒状ローラ部端部に回転軸部5aを取付けた状態
を示す断面図であり、(e)はこのように一体的に固定
組付けした紙送りローラの斜視図である。
態様における中央部の円筒状成形体1を示し、左に左側
面図、その右隣に正面図、さらに右隣に右側面図、右に
正面図のA−A線に沿って切断して見たA−A線断面図
を示し、(b)は同様に左側の円筒状成形体2Aを示
し、(c)は同様に右側の円筒状成形体3Aを示し、
(d)は連結棒4の外周に円筒状成形体1,1,1,
1、2A,3Aとを挿着し、連結し、ローラ部端部に回
転軸部5aを一体的に固定組み付けた状態の紙送りロー
ラの断面図である。
の実施態様における中央部の円筒状成形体1を示し、左
に左側面図、その右隣に正面図、さらに右隣に右側面
図、右に正面図のA−A線にそって切断して見たA−A
線断面図を示し、(b)は同様に左側の円筒状成形体2
Bを示し、(c)は同様に右側の円筒状成形体3Bを示
し、(d)は連結棒4の外周に円筒状成形体1,1,
1,1,2B,3Bとを挿着し、連結し、円筒状ローラ
部端部に回転軸部5aを一体的に固定組み付けた状態の
紙送りローラの断面図である。
の実施態様における中央部の円筒状成形体を示し、左に
左側面図、その右隣に正面図、さらに右隣に右側面図、
右に正面図のA−A線にそって切断して見たA−A線断
面図を示し、(b)は同様に左側の円筒状成形体を示
し、(c)は同様に右側の円筒状成形体を示し、(d)
は連結棒4の外周に円筒状成形体とを挿着し、連結し、
円筒状ローラ部端部に回転軸部5a、5bを一体的に固
定組み付けた状態の紙送りローラの断面図である。
を示し、隣接する円筒状成形体を連結棒4の外周に外挿
した連結管6で更に連結補強した例を示す。
る別の円筒状成形体を示し、嵌合構造をスプライン構造
としてある例である。
る別の円筒状成形体を示し、嵌合構造を断面が多角形
(この例では6角形)としてある例である。
体 4・・・連結棒、5a,5b・・・回転軸部、6・・・
連結管
Claims (18)
- 【請求項1】回転軸と、水硬性組成物からなる混合物を
加圧成形させた後養生して硬化させることによって製作
された円筒状成形体から形成される円筒状ローラ部とか
らなる紙送りローラであって、前記回転軸が円筒状ロー
ラ部の両端面の中心部に両側から軸方向内方に円筒状ロ
ーラ部の外周面と同心円状でかつ相互に芯合わせした状
態で差し込まれて一体化された2つの回転軸部によって
構成されていることを特徴とする紙送りローラ。 - 【請求項2】前記円筒状ローラ部が複数の円筒状成形体
を軸方向に連結して形成されていることを特徴とする請
求項1に記載した紙送りローラ。 - 【請求項3】隣接連結される少なくとも1組の2つの円
筒状成形体が、該2つの円筒状成形体に跨って延設した
連結心棒によって連結補強されていることを特徴とする
請求項2に記載した紙送りローラ。 - 【請求項4】互いに連結される円筒状成形体の連結端部
が相互に嵌合する形状を有し、これらの連結端部におい
て該円筒状成形体同士が嵌合によって連結されているこ
とを特徴とする請求項2または3に記載した紙送りロー
ラ。 - 【請求項5】前記水硬性組成物が、水硬性粉体50〜9
0重量%と、水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小さ
い平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%と
からなる混合粉体と、混合粉体100重量部に対して2
〜18重量部の割合で配合した加工性改良剤とからなる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した
紙送りローラ。 - 【請求項6】前記加工性改良剤が、酢酸ビニル樹脂又は
酢酸ビニルとの共重合樹脂、アクリル樹脂又はアクリル
との共重合樹脂、スチレン樹脂又はスチレンとの共重合
樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類の
樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンであることを特
徴とする請求項5に記載した紙送りローラ。 - 【請求項7】水硬性組成物を成型、脱型、養生・硬化さ
せる工程を経て成形された円筒状成形体から円筒状ロー
ラ部を形成し、該円筒状ローラ部の両端部に、2つの回
転軸部を円筒状ローラ部の外周面と同心円状でかつ2つ
の回転軸部が芯合わせされた状態でそれぞれ取り付ける
ことによって2つの回転軸部で回転軸を形成することを
特徴とする紙送りローラの製造方法。 - 【請求項8】円筒状ローラ部の両端部中心部に外周面と
同心円状に穴部を設けるように円筒状成形体を形成し、
穴部にそれぞれ回転軸部を相互に芯合わせした状態で挿
入し一体的に固定することによって該2つの回転軸部で
回転軸を形成することを特徴とする請求項7に記載の紙
送りローラの製造方法。 - 【請求項9】回転軸部の一端部に螺子部が設けられ、円
筒状ローラ部の端部に回転軸部の螺子部をねじ込むこと
によって回転軸部を取付けることを特徴とする請求項7
または8に記載の紙送りローラの製造方法。 - 【請求項10】水硬性組成物からそれぞれ成型、脱型、
養生・硬化させることによって複数の円筒状成形体を成
形し、該円筒状成形体同士を連結して円筒状ローラ部を
形成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに
記載の紙送りローラの製造方法。 - 【請求項11】少なくとも1組の隣接する円筒状成形体
同士を連結心棒にて連結することを特徴とする請求項1
0に記載した紙送りローラの製造方法。 - 【請求項12】互いに連結される円筒状成形体の連結端
部を互いに嵌合する形状に成形し、これらの端部におい
て該円筒状成形体同士を嵌合によって連結することを特
徴とする請求項10または11に記載した紙送りローラ
の製造方法。 - 【請求項13】 水硬性組成物を成型及び脱型して成形
された円筒状生成形体から円筒状ローラ部を形成し、該
円筒状ローラ部の両端部に、2つの回転軸部を円筒状ロ
ーラ部の外周面と同心円状でかつ2つの回転軸部が芯合
わせされた状態でそれぞれ取り付け、次いで養生・硬化
させることによって2つの回転軸部で回転軸を形成する
ことを特徴とする紙送りローラの製造方法。 - 【請求項14】円筒状ローラ部の両端部中心部に外周面
と同心円上に穴部を設けるように円筒状生成形体を成形
し、穴部にそれぞれ回転軸部を相互に芯合わせした状態
で挿入し一体的に固定することによって該2つの回転軸
部により回転軸を形成することを特徴とする請求項13
に記載の紙送りローラの製造方法。 - 【請求項15】回転軸部の一端部に螺子部が設けられ、
円筒状ローラ部の端部に回転軸部の螺子部をねじ込むこ
とによって回転軸部を取付けることを特徴とする請求項
13または14に記載の紙送りローラの製造方法。 - 【請求項16】水硬性組成物からそれぞれ成型及び脱型
して複数の円筒状生成形体を成形し、該円筒状生成形体
同士を連結し、次いで養生・硬化させることによって円
筒状ローラ部を形成することを特徴とする請求項13乃
至15のいずれかに記載の紙送りローラの製造方法。 - 【請求項17】少なくとも1組の隣接する円筒状生成形
体同士を連結心棒にて連結することを特徴とする請求項
16に記載した紙送りローラの製造方法。 - 【請求項18】互いに連結される円筒状生成形体の連結
端部を互いに嵌合する形状に成形し、これらの端部にお
いて該円筒状生成形体同士を嵌合によって連結すること
を特徴とする請求項16又は17に記載した紙送りロー
ラの製造方法。
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