JP4410692B2 - 定盤および定盤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精密部品の加工用の定盤と定盤の製造方法に関するものである。
例えば、液晶スクリーンなどの精密電子部品を製造するための定盤には、
(1)変形等の経年変化が少なく安定していること
(2)静電気の発生が微小であること
(3)熱伝導が小さく平面精度が安定していること
(4)硬度があり、ラップ摩耗を防止できること
(5)傷がついてもカエリが出ず、平面精度が維持できること
(6)腐食がなくクリーンでメンテナンスフリーであること
等の性能が要求されている。
従来、前記の性能を満足する定盤としては、外国から輸入した天然石を研磨加工したものや、機械仕上げされた鋼材からなるものや、または複数のセラミックスからなるセグメントを台に固定してなるものなどが使用されていた。
ところが、天然石を加工して製作された定盤は、外国からの材料の調達に時間がかかるため、定盤を発注してから納品までに6ヶ月以上の時間を要していた。そのため、需要に応じた生産ができないという問題点を有していた。また、定盤の機能として必要とされる表面の溝や部品を持ち上げるためのリフトピン用の孔や多数の小口径の孔などの加工に時間と費用を必要とすること、定盤表面の経年変化を安定させるために定盤の厚みを大きくする必要があるため自重が重いこと、天然石を使用しているので定盤としての価格が高いこと、などの問題点を有していた。
また、鋼材による定盤は、熱伝導が高く形状の安定度が低下すること、防錆ができないため錆びる場合があること、表面の平坦加工および小口径の孔や溝の加工の費用が高価であること、などの問題点を有していた。
さらに、セラミックスによる定盤は、セラミックス自体が高価であり、経済的な問題点を有していた。また、セラミックスセグメントをボルト等の締着手段により固定するため、セラミックスセグメントの締着部に局部的に力が加わり、セラミックスセグメントに反りが発生することがあり、定盤の平面精度が維持されない場合があるという問題点を有していた。
このような問題点を解決するために特許文献1には、比較的安価で、かつ、短期間で調達が可能で、定盤の機能として必要な加工が容易で、平面精度が安定した定盤として、高強度コンクリート系の硬化体を用いた定盤が開示されている。
つまり、前記従来の定盤は、セメント、ポゾラン系反応粒子、粒径2mm以下の骨材粒子、水、および減水剤を含むセメント系マトリックスからなる高強度コンクリート、または、このセメント系マトリックスに繊維を混入・分散させてなる繊維補強コンクリートにより、定盤を形成するものである。そのため、材料の調達に時間を要することなく需要に応じた生産が可能で、かつ、予め溝や小口径の穴などの加工を施すことが可能で、なおかつ、長期的に平面精度を維持することが可能な定盤を提供することを可能としている。
特開2001−205581号公報([0005]−[0018])
ところが、従来の高強度コンクリートの硬化体を用いた定盤は、定盤に作用する荷重に対して十分な強度を有していない場合があるという問題点を有していた。そのため、外力によるひび割れが定盤に生じる場合があった。また、所定の厚みからなる定盤の重量が重く、取り扱いにくい場合があった。
また、セメント系マトリックスに繊維が混入・分散された繊維補強コンクリートの硬化体を用いた定盤は、所望の強度を有しているため、定盤に損傷が生じることがないが、セメント系マトリックス内に分散された繊維により、必要とされる表面の平坦性が確保できない場合があるという問題点を有していた。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、十分な強度を有し、かつ、必要とされる精度を長期的に維持することが可能で、取り扱いが容易で安価な定盤とこの定盤の製造方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、コンクリート系材料の硬化体からなる本体部と、前記本体部の表面の少なくとも一部に配置されるコンクリート系材料の硬化体からなる表面部と、から構成される定盤であって、前記本体部を構成するコンクリート系材料が、前記表面部を構成するコンクリート系材料よりも高い力学特性を有し、前記表面部を構成するコンクリート系材料が、前記本体部を構成するコンクリート系材料よりも緻密であり、前記本体部が、セメント系マトリックス中に繊維が分散されて含まれる繊維補強コンクリートからなり、前記表面部が、繊維が含まれないセメント系マトリックスの硬化体からなり、前記本体部を構成するセメント系マトリックスが、セメントと、活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子と、前記第一のポゾラン系反応粒子よりも活性度の低い第二のポゾラン系反応粒子と、第一の骨材と、前記第一の骨材よりも最大粒径、平均粒径の範囲および粗粒率の範囲が小さい第二の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含む第一マトリックスであり、前記表面部を構成するセメント系マトリックスが、前記セメントと、前記第一のポゾラン系反応粒子と、前記第二のポゾラン系反応粒子と、前記第一の骨材よりも最大粒径、平均粒径の範囲および粗粒率の範囲が小さい第三の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含む第二マトリックスであり、前記第一のポゾラン系反応粒子がシリカフューム、カオリンの誘導体から選定した化合物、沈降シリカまたは分級フライアッシュからなり、前記第二のポゾラン系反応粒子がフライアッシュ、高炉スラグ、火山灰、シリカゾルまたは石粉からなり、前記セメントが低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントまたは対硫酸塩ポルトランドセメントからなることを特徴としている。
かかる定盤は、本体部として、高い力学特性を有したコンクリート系材料を使用しているため、定盤に作用する荷重に対して強度部材として働き、外力に対してひび割れを発生させず、損傷を生じることがない。また、本体部の表面、つまり定盤の表面に配置される表面部として、緻密なコンクリート系材料を使用しているため、研磨により非常に高い平坦性の基準面が形成できる。そして、これらの材料は、国内において容易に調達することが可能なため、安価に製造することが可能であるとともに、注文から納品までの期間を、石材等を使用した定盤に比べて大幅に削減することが可能となる。
また、製作段階で型枠により必要断面に作成できるため、加工に要する手間が省け、費用の大幅な削減が可能となる。さらに、本体部として高い力学特性を有したコンクリート系材料を使用しているため、定盤の厚みを薄くすることができ、軽量で取り扱い易い定盤を提供することが可能となる。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の定盤であって、前記第一マトリックスが、粒径が0.5μmから100μmの範囲内で、平均粒径が4μmから18μmの範囲内で、ブレーン値が2000cm/gから4000cm/gの範囲内であるセメントと、粒径が0.05μmから50μmの範囲内で、平均粒径が0.15μmから3.00μmの範囲内で、メディアン径D50が0.5μmから5μmの範囲内で、ブレーン値が150,000cm/gから300,000cm/gの範囲内である活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子と、粒径が0.1μmから50μmの範囲内で、平均粒径が4μmから10μmの範囲内で、メディアン径D50が2μmから11μmの範囲内で、ブレーン値が3,000cm/gから7,500cm/gの範囲内である前記第一のポゾラン系反応粒子よりも活性度の低い第二のポゾラン系反応粒子と、最大粒径が2.5mm以下で、平均粒径が0.4mmから0.8mmの範囲内で、粗粒率が1.5から3.5の範囲内の第一の骨材粒子と、最大粒径が0.425mm以下で、平均粒径が0.1mmから0.3mmの範囲内で、粗粒率が0.4から0.8の範囲内の第二の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含、前記第二マトリックスが、前記セメントと、前記第一のポゾラン系反応粒子と、前記第二のポゾラン系反応粒子と、最大粒径が0.6mm以下で、平均粒径が0.1mmから0.5mmの範囲内で、粗粒率が0.4から1.2の範囲内の第三の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含むことを特徴としている。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の定盤であって、前記第一マトリックスおよび前記第二マトリックスにおける前記セメントに対する前記水の重量比率が20%から24%の範囲内であって、前記第一マトリックス内に分散して含まれる前記繊維の長さが2mm以上で、かつ、前記繊維の繊維径に対する該繊維の長さの比率が20以上で、かつ、前記第一の骨材粒子の最大粒径に対する前記繊維の平均長さの比が10未満で、なおかつ、前記繊維の量が凝結後の前記本体部の体積の4%未満であって、前記第二マトリックスにおいて、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子の合計重量に対する水の重量比率が10%から15%の範囲内で、かつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子とから構成される混合物に対して前記セメントの重量比率が30%から40%の範囲内で、かつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子とから構成される混合物に対して前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子とからなるポゾラン系反応材料の重量比率が20から40%の範囲内で、かつ、前記セメントに対して第三の骨材粒子の重量比率が80%から130%で、なおかつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子から構成される混合物の粒度成分のうちD75粒度が30μmから200μmの範囲内であり、D50粒度が5μmから50μmの範囲内であることを特徴としている。
つまり、本発明の定盤は、セメント系マトリックスを主体としているため、腐食がなく、メンテナンスフリーであるため、維持費を省略することが可能となる。
また、硬度にすぐれており(シェア硬度で50〜80程度)、ラップ摩耗を防止することが可能となる。
また、第一骨材粒子および第二骨材粒子として使用される骨材は、普通コンクリートに用いられるいわゆる細砂を調整して調達するため、その調達が容易で、単価も安いため、比較的安価に定盤を作成することが可能となる。
また、第一マトリックスおよび第二マトリックスは、セメントと、活性度の高いポゾラン系反応粒子と、活性度の低いポゾラン系反応粒子とを前記の所定の粒径分布と配合量により混入してセメント系マトリックスを構成するため、材料粒子の累計粒度分布が滑らかとなり、粒子相互に最密充填が達成される。そのため、このセメント系マトリックスは空隙を有しない緻密な構造となり、セメント水和物と細骨材とが安定的に結合されて、結果的にマトリックス自身の初期引張強度が向上する。
また、第一マトリックスの骨材として、最大粒径Dmaxを2.5mm以下と、比較的大きな粒径の細砂を使用しているため、クラック面において細砂による凹凸が形成されて、せん断クラック面におけるせん断伝達を向上することが可能となり、本体部のせん断耐力が優れている。
また、本体部を構成するコンクリート系材料は、骨材の最大粒径Dmaxに対する繊維の平均長さLmの比R(Lm/Dmax)を10未満とすることで、少ない水に対しても流動性を確保し、コンクリート打設時の施工性に優れている。
また、繊維として、長さLiが2mm以上で、繊維径dに対する長さの比率Li/dが20以上の比較的長いものを使用しているため、繊維とセメント系マトリックス間の付着抵抗力が増大して、ひび割れ時の架橋効果も期待することが可能となる。したがって、セメント系マトリックスの初期ひび割れ以降に、ひび割れ幅が増大しても、繊維の架橋効果により引張応力が期待でき、高い靱性能力が得られる。
また、本体部を構成するコンクリート系材料は、前記混合物に対するセメントの比率を30%〜40%と低くすることにより、自己収縮を小さく制御することが可能となる。つまり、自己収縮は、セメントと水との水和反応により、水和物の容積が縮小することにより生じる現象であるため、単位セメント量が多い配合に発生することを踏まえて、本発明の繊維補強コンクリートは、単位セメント量を少なくすることで自己収縮を制限している。
なお、前記本体部に空洞が形成されていれば、定盤の大幅な軽量化が可能となり、運搬しやすく、据え付けも容易となる。つまり、本発明の定盤は、本体部に優れた力学特性を有した繊維補強コンクリートを使用しているため、空洞を形成しても所望の耐力を発現することが可能となり、剛性を保ちながら軽量化することが可能となる。
また、前記本体部には、吸気孔が形成されており、前記表面部には、前記吸気孔に連通する吸着孔が形成されており、前記表面部の表面には、前記吸着孔に接続する溝とが形成されていれば、加工の手間や費用を削減することができ好適である。つまり、本発明の定盤は、コンクリート系材料を型枠に流し込むことにより形成されるため、液晶スクリーンや半導体製品などの製品の加工の際にこの製品を定盤に吸着固定するために使用する溝や吸着孔などを予め形成することが容易であり、これに要する加工の手間を省略することを可能としている。
また、本発明の定盤の製造方法は、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載された定盤の製造方法であって、前記本体部を構成するコンクリート系材料と前記表面部を構成するコンクリート系材料とをそれぞれ生成する混練工程と、練り混ぜられた前記本体部を構成するコンクリート系材料および前記表面部を構成するコンクリート系材料のいずれか一方を型枠内に打設した後、他方を打設する打設工程と、打設された前記本体部を構成するコンクリート系材料および前記表面部を構成するコンクリート系材料を型枠を有した状態で所定の強度が発現するまで行う一次養生と、前記一次養生後、型枠を取り外した状態で行う二次養生とからなる養生工程と、を含むことを特徴としている。
そして、前記二次養生において、90℃〜200℃の温度環境下で48時間以上行えば、この熱処理により、セメント中の遊離石灰とポゾラン系反応粒子のシリカやアルミナが結合して、安定的で硬い物質を早期に形成し、セメント系マトリックスの組織を緻密にすることが可能となり、好適である。
つまり、本発明の定盤は、セメント系マトリックスとして、微粉末セメントをはじめポゾラン系反応粒子、微粉骨材から構成された水セメント比が非常に小さい材料を使用し、二次養生として、90℃〜200℃の温度環境下で48時間以上行うため、乾燥収縮がなく、傷がついてもカエリ(傷の周囲に生じる表面のまくれや盛あがり)が少なく、また、環境条件に左右されないで長期的に平坦性を安定的に維持することができる。
また、前記混練工程の後であって前記打設工程の前の脱気工程により、前記本体部を構成するコンクリート系材料と前記表面部を構成するコンクリート系材料とを、それぞれ撹拌するとともに減圧手段を介して減圧することにより、前記本体部および前記表面部とが含有する空気の量をそれぞれ1%未満とすれば、セメント系マトリックスの空隙を削減し、この硬化体を研磨することにより表面に凹凸がない、高精度の平坦性を持つことが可能となる。
また、前記打設工程において、前記表面部を構成するコンクリート系材料を型枠内に塗り込むように5mmから10mmの厚みで打設した後、前記本体部を構成するコンクリート系材料を型枠内に流し込めば、表面部に気泡が形成されることなく、高品質の定盤を製造することができ、好適である。
本発明の定盤とこの定盤の製造方法により、十分な強度を有し、かつ、必要とされる精度を長期的に維持することが可能で、安価で、かつ、早期に納品が可能な定盤を提供することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、本実施形態による定盤を示す斜視図であって、図2の(a)〜(d)は、本実施形態の定盤の施工方法を示す斜視図である。また、図3は、本発明の定盤に使用される第二マトリックスの細孔分布を示すグラフである。
本実施形態に係る定盤1は、図1に示すように、本体部20と、本体部20の上面に配置された表面部30とから構成されている。
ここで、本体部20は、本実施形態では、高い力学特性を有するコンクリート系材料2の硬化体であって、セメント系マトリックスに繊維が分散されて含まれる繊維補強コンクリートの硬化体である。また、表面部30は、本体部20を構成するコンクリート系材料2よりも緻密なセメント系マトリックスからなるコンクリート系材料3の硬化体である。
なお、定盤1の本体部20には、予め吸気孔21が形成されており、図示しない吸気手段の接続が可能に形成されている。そして、表面部30の表面31には、格子状に形成された吸着溝(請求項における溝)32が形成されており、吸着溝32の所定の箇所には、表面部30を貫通して吸気孔21に連通する吸着孔33が少なくとも1箇所形成されている。つまり、吸気孔21に接続された吸気手段により吸気を行えば、吸着溝32を介して定盤1の表面31の吸気が行われる。
ここで、吸気孔21、吸着溝32、吸着孔33は、部品の加工の際に、吸気孔21に連結された図示しない吸気手段により吸気することでこの部品を定盤の表面に吸着して固定するためのものであって、必ずしも形成する必要はなく、必要に応じて形成すればよい。
また、定盤1には、図1に示すように、本体部20に空洞22が形成されている。また、表面部30の所定の位置には、リフトピン孔34が形成されていて、当該リフトピン孔34を利用して、半導体製品などの製品(図示せず)を持ち上げることが可能となっている。なお、空洞22は、本体部20の底面(本体部20の表面部30との当接面と反対側の面)において開口されて凹部状に形成されていても、閉塞されていてもよく、その構成は限定されるものではない。また、空洞22の開口部が本体部20の側面に形成されていてもよいことはいうまでもない。さらに、本実施形態では、空洞22を円柱状に形成する構成としたが、例えば直方体状に形成されていてもよく、空洞22の形状は限定されるものではない。また、リフトピン孔34の位置や数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定するものとする。
本体部20を構成するコンクリート系材料2は、(1)セメントと、(2)第一のポゾラン系反応粒子と、(3)第二のポゾラン系反応粒子と、(4)第一の骨材粒子と、(5)第二の骨材粒子と、(7)分散剤と(8)水とを混合して得られるセメント系マトリックスである第一マトリックスに、(9)繊維を混入することにより構成されている。
以下、本体部20を構成するコンクリート系材料2を構成する各材料の細部について説明する。
(1)セメント
セメントには、粒径が0.5〜100μmの範囲内であって、平均粒径が4〜18μmの範囲内で、ブレーン値が2000〜4000cm2/gの低熱ポルトランドセメントまたは中庸熱ポルトランドセメントを使用するものとする。なお、セメントの種類は限定されるものではなく、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、対硫酸塩ポルトランドセメント等を使用することも可能であるが、本実施形態では、高性能減水剤を吸収しやすいアルミネート相が少ない、低熱ポルトランドセメントまたは中庸熱ポルトランドセメントを使用する。
(2)第一のポゾラン系反応粒子
活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子には、粒径が0.05〜50μm、平均粒径が0.15〜3.00μm、メディアン径D50が0.5〜5μm、ブレーン値が150,000〜300,000cm2/gのシリカフュームを使用するものとする。ここで、第一のポゾラン系反応粒子に使用される材料はシリカフュームに限定されるものではなく、この他、カオリンの誘導体から選定した化合物、沈降シリカ、分級フライアッシュ等も使用可能である。
(3)第二のポゾラン系反応粒子
第二のポゾラン系反応粒子には、粒径が0.1〜50μm、平均粒径が4〜10μm、メディアン径D50が2〜11μm、ブレーン値が3,000〜7,500cm2/gのフライアッシュ、高炉スラグ、火山灰、シリカゾル、石粉等からなる第一のポゾラン粒子よりも活性度の低いポゾラン系反応粒子を使用する。
ここで、第一のポゾラン系反応粒子または第二のポゾラン系反応粒子(以下、「第一のポゾラン系反応粒子」と「第二のポゾラン系反応粒子」を区別しない場合は、単に「ポゾラン系反応粒子」という場合がある)は、ポゾラン反応に関与する微粉末であって、セメントを含む微粒子のマイクロフィラー効果およびセメント分散効果によりセメント系マトリックスを緻密化し、耐久性の向上、圧縮・引張強度の向上に寄与する。なお、ポゾラン反応とは、セメントの水和反応により生成されるアルカリ物質にポゾラン物質が反応して徐々に硬化体となる反応であって、長期的で安定的な強度発現に寄与する。
なお、本実施形態では、ポゾラン系反応粒子を多く含むことにより、セメント量を減量し、自己収縮の低減と水セメント比の低減を図ることを目的として、セメント100重量部に対して、ポゾラン系反応粒子を60〜85重量部混入するものとし、セメントと活性度の高いポゾラン系反応粒子と活性度の低いポゾラン系反応粒子と第一の骨材粒子と第二の骨材粒子とから構成される粉体材料に対して、ポゾラン系反応粒子の重量比率が20%〜40%の範囲内となるようにする。
(4)第一の骨材粒子
第一の骨材粒子には、最大粒径Dmaxが2.5mm以下、平均粒径が0.4mm〜0.8mm、粗粒率が1.5〜3.5の硬質で吸水率の小さな細砂を使用するものとする。ここで、第一の骨材粒子に使用する細砂の種類は限定されるものではなく、例えば安山岩、火山岩、石英岩からなる海砂、川砂、砕砂等から調達が可能である。
(5)第二の骨材粒子
第二の骨材粒子には、最大粒径Dmaxが0.425mm以下、平均粒径が0.1mm〜0.3mm、粗粒率が0.4〜0.8の細砂である石英粉を使用するものとする。ここで、第二の骨材粒子に使用する細砂の種類は限定されるものではなく、石英粉の他に、珪砂、非晶質石英、オパール質シリカ含有粉末、クリストバライト質粉末、火山灰、岩石粉末等から調達が可能である。
なお、第一の骨材および第二の骨材とからなる骨材の合計重量は、セメントの重量に対して、重量比率で80%〜130%の範囲内とする。また、前記骨材の合計重量は、セメントと活性度の高いポゾラン系反応粒子と活性度の低いポゾラン系反応粒子と第一の骨材粒子と第二の骨材粒子との合計重量に対して重量比で30%〜50%の範囲内とする。
(7)分散剤
分散剤には、フェノキシル基およびカルボニル基を有する水溶性ビニル共重合体である、アクリル酸塩、メタリルスルホン酸塩、リグノスルホン酸塩、プリナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩、ポリカルボン酸アルカリ金属塩等のいわゆる可塑剤を使用するものとする。また、使用する分散剤は、1種類のみでも、数種類でもよい。
(8)水
また、水は、セメントの重量に対する重量比率が20%〜24%の範囲内になるように投入する。
(9)繊維
繊維には、繊維径dに対する長さLiの比率Li/dが20以上で、長さLiが少なくとも2mm以上、かつ、平均長さが10〜25mm程度のものを使用する。また、骨材粒子の最大粒径Dmaxに対する繊維の平均長さLmの比Lm/Dmaxは10未満とする。
また、繊維の混入量は、凝結後のコンクリート体積の4%未満、好ましくは3.5%未満の繊維体積となる量とする。
また、本実施形態では、繊維として、引張強度が2000〜3000N/mm2程度の高張力鋼繊維、アモルファス鋼繊維、ステンレス繊維などの公知の繊維から適宜選定して使用する。なお、前記の繊維に、銅、亜鉛、ニッケルなどの非鉄金属でメッキされたものを使用してもよい。
繊維の形状は、限定されるものではなく、円形断面、矩形断面や多角形断面等の異形断面の他、変形する断面径状を有したものを使用することが可能である。例えば、繊維とセメント系マトリックスとの付着力を向上させることを目的として、繊維の異形断念がねじられているもの、波形に変形しているもの、端部がかぎ型、フック型になっているもの、端部がつぶれていわゆるドッグホーン状になっているものでもよい。また、繊維の長さ方向に、繊維の粗さを変動させたものや、繊維の断面積を変動させたものを使用してもよい。さらに、繊維は、何本かの繊維をケーブル状に編み込むこと、プレード編みすること、ねじりにより一体化することを行ってもよい。
表面部30を構成するコンクリート系材料3は、(1)セメントと、(2)第一のポゾラン系反応粒子と、(3)第二のポゾラン系反応粒子と、(6)第三の骨材粒子と、(7)分散剤と(8)水とを混合して得られるセメント系マトリックスである第二マトリックスにより構成されている。
以下、表面部30を構成するコンクリート系材料3を構成する各材料の細部について説明する。
(1)セメント
セメントには、本体部20を構成するコンクリート系材料2で使用したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
なお、セメントは、セメントと第一のポゾラン系反応粒子と第二のポゾラン系反応粒子と第三の骨材粒子とから構成される混合物に対する重量比率が30%〜40%の範囲内となるように投入する。
(2)第一のポゾラン系反応粒子
第一のポゾラン系反応粒子には、本体部20を構成するコンクリート系材料2で使用したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
(3)第二のポゾラン系反応粒子
第二のポゾラン系反応粒子には、本体部20を構成するコンクリート系材料2で使用したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
なお、セメントと第一のポゾラン系反応粒子と第二のポゾラン系反応粒子と第三の骨材粒子とから構成される混合物に対する第一のポゾラン系反応粒子と第二のポゾラン系反応粒子とからなるポゾラン系反応材料の重量比率は20〜40%の範囲内とする。
(6)第三の骨材粒子
第三の骨材粒子には、最大粒径Dmaxが0.6mm以下、平均粒径が0.1mm〜0.5mm、粗粒率が0.4〜1.2の石英粉を使用するものとする。ここで、第三の骨材粒子に使用する細砂の種類は限定されるものではなく、石英粉の他に、珪砂、非晶質石英、オパール質シリカ含有粉末、クリストバライト質粉末、火山灰、岩石粉末等が使用可能である。の硬質で吸水率の小さな細砂を使用するものとする。
なお、セメントに対する第三の骨材粒子の重量比率は80%〜130%とし、セメントと第一のポゾラン系反応粒子と第二のポゾラン系反応粒子と第三の骨材粒子から構成される混合物の粒度成分のうちD75粒度が30μm〜200μmの範囲内、D50粒度が5μm〜50μmの範囲内となるように配合する。
(7)分散剤
分散剤には、本体部20を構成するコンクリート系材料2で使用したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
(8)水
また、水は、セメントの重量に対する重量比率が20%〜24%の範囲内で、また、セメントと第一のポゾラン系反応粒子と第二のポゾラン系反応粒子の合計重量に対する重量比率が10%から15%の範囲内になるように投入する。
次に、本実施形態の定盤の製造方法について、説明する。
本実施形態では、混練工程、脱気工程、打設工程、養生工程により、繊維補強コンクリートを製造する。
[混練工程]
混練工程は、第一マトリックスおよび第二マトリックスの粉体部分をそれぞれ練り混ぜる乾燥混練工程と、乾燥混練工程により練り混ぜられた粉体部分に液体部分を投入して練り混ぜる湿潤混練工程とからなり、本体部20を構成するコンクリート系材料2に関しては、湿潤混練工程により練り混ぜられた第一マトリックスに繊維を投入して練り混ぜる繊維混練工程とを含んでいる。
乾燥混練工程は、第一マトリックスおよび第二マトリックスの粉体部分である、(1)セメントと、(2)活性度の高いポゾラン系反応粒子と、(3)活性度の低いポゾラン系反応粒子と、(4)第一の骨材粒子と(5)第二の骨材粒子または(6)第三の骨材粒子等の骨材とを、ドライ状態で練り混ぜる。乾燥混練工程における、各材料の練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
湿潤混練工程は、第一マトリックスおよび第二マトリックスの粉体部分の練り混ぜが完了した後、それぞれの液体部分である水と分散剤等を投入して練り混ぜて、第一マトリックスおよび第二マトリックスに所定の流動性を発現させる。なお、湿潤混練工程における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
繊維混練工程は、湿潤混練工程により、所定の流動性が得られた第一マトリックスに、繊維を混入してさらに練り混ぜる。なお、繊維混練工程における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
[脱気工程]
脱気工程は、混練工程により混練された本体部20を構成するコンクリート系材料2および表面部30を構成するコンクリート系材料3は、それぞれ混練手段50により撹拌するとともに、減圧手段51により減圧して、それぞれが含有する空気の量を1%未満とする(図2(b)参照)。
[打設工程]
打設工程は、脱気工程により脱気処理が施された本体部20を構成するコンクリート系材料2および表面部30を構成するコンクリート系材料3を、図2(a)に示す型枠40に打設する。
ここで、型枠40は、板材を4枚組み合せて長方形状に形成された側壁40aと、側壁40aにより形成された長方形と同形状の板材からなる底板40bとから構成されている。底板40bには、吸着溝32を形成するための格子状の突出部41が形成されている。また、吸気孔21と吸着孔33を形成するための型枠として、突出部41から側壁40aに接続する管材42が配置されている。また、底板40bには、リフトピン孔34に対応する位置にリフトピン型枠43が形成されている。
型枠40へのコンクリートの打設は、まず、表面部30を構成するコンクリート系材料3を塗り込むように5mmから10mmの厚みで打設した後(図2(b)参照)、本体部20を構成するコンクリート系材料2を型枠内に流し込むことにより行う(図2(c)参照)。
なお、本体部20に空洞22を形成する場合は、表面部30を構成するコンクリート系材料3の打設後、空洞型枠44を表面部30を構成するコンクリート系材料3上の所定の位置に配置してから、本体部20を構成するコンクリート系材料2を流し込む(図2(d)参照)。なお、本体部20に形成する空洞22の形成方法は限定されるものではなく、適宜、公知の方法により形成すればよい。
[養生工程]
本体部20を構成するコンクリート系材料2の打設後、20℃〜40℃の温度環境下で24時間以上、一次養生を行う。一次養生後、所定の強度が発現したら、脱型して、二次養生を行う。二次養生としては、90℃〜200℃の温度環境下で48時間以上の熱養生を行う。
コンクリートの養生が完了したら、必要に応じて表面部30の表面31の研磨を公知の手段により行う。
本実施形態の定盤1は、石材の定盤に比較して、製作段階で型枠により必要断面を作成できるので、切削や研磨に必要な手間を省くことができ、その結果、大幅なコストダウンが可能となる。
また、定盤1に必要とされる吸着溝32、吸着孔33、リフトピン孔34を予め形成することが可能なため、これらの加工に要する手間や費用を削減することが可能となる。
また、定盤1は、腐食がなくクリーンでメンテナンスフリーであるとともに、年間と通じて安定的に材料を提供でき、注文してから納品までの時間が短縮することができる。
本体部20に繊維補強コンクリートを使用しているため、定盤1に作用する荷重に対して本体部20が強度部材として働き、外力に対してひび割れを発生させず、損傷が生じることが無い。
また、本体部20を構成するコンクリート系材料2は、優れた力学特性を有しているため、石材の定盤に比較して、空洞22を形成すること等により、剛性を保ちながら軽量化することができ、運搬しやすく、据付も容易となる。
また、本体部20を構成するコンクリート系材料2は、振動伝達の減衰率が高いため、定盤1の支持地盤(基礎)からの微振動を吸収し、表面部30へ振動を伝達しない。そのため、本実施形態の定盤1によれば、精密電子部品の製造を高精度に行うことが可能となる。
また、表面部30を構成する第二マトリックスは、微粉末セメントをはじめポゾラン剤、微粉骨材である第三の骨材粒子から構成された水セメント比が非常に小さいために緻密であり、細孔粒径が小さく、乾燥収縮がなく、傷がついてもカエリが少なく、環境条件に左右されないで長期的に平坦性を安定的に維持することができる。
また、表面部30は、磨耗に対する耐久性が黒御影石よりも高く、ラップ磨耗が防止できる。
また、第一マトリックスと第二マットリックスは、セメントと、活性度の高いポゾラン反応粒子と、活性度の低いポゾラン反応粒子との配合により、材料粒子の累計粒度が滑らかで、粒子間相互の最密充填が達成されて、空隙を有しない緻密な構造のセメント系マトリックスの生成が可能となる。
また、本発明の製造方法による繊維補強コンクリート部材は、熱養生のより二次養生を行うため、セメント系マトリックスをより緻密にする。つまり、このように熱処理を行うことにより、セメント中の遊離石灰とポゾラン系反応粒子のシリカやアルミナが結合して、安定的で硬い物質を早期に形成し、セメント系マトリックスの組織を緻密にする。その結果、圧縮強度や引張強度等の力学的特性を向上させ、さらに塩分拡散係数や透水係数の飛躍的増大などの耐久性を向上させる。また、熱養生を行うことにより、熱養生後には、セメントと水による水和反応が完全に終了するので、熱養生後には繊維補強コンクリートの細孔液が消費されて、乾燥収縮による収縮が発生しない。
また、本発明の定盤1を構成する本体部20と表面部30は、脱気工程により脱気処理が施されているため、セメント系マトリックスの耐久性に影響する0.01μm〜0.1μmにおける細孔径分布が非常に少ないために、塩分拡散係数が0.002cm2/年(水セメント比W/C=30%の高強度コンクリートの塩分拡散係数は0.14cm2/年)、また、透水係数が4×10-17cm/秒(水セメント比W/C=30%の透水係数が1×10-11cm/秒)と非常に小さく、長期的な耐久性に優れている。
ここで、図3に、本発明の表面部30に使用される、混練後に脱気を行った第二マトリックスの細孔分布を示す。
図3に示すように、脱気処理を行ったセメント系マトリックスは、非常に細粒径の細孔分布を示している。したがって、このセメント系マトリックスの硬化体を研磨機により研磨された表面には凹凸がなく、きわめて精度のより平坦性を保つことができる。
また、第二マトリックスの力学的特性は、圧縮強度が200〜220N/mm2、曲げ強度が20〜25N/mm2である。
また、すりへり抵抗性は、黒御影石と比較の磨り減り試験を行った結果、磨り減り量が黒御影石の約1/2であった。
また、本体部20は、混入された鋼繊維がセメント系マトリックスのひずみが大きくなると引張材として抵抗する、いわゆる架橋効果がはたらき、定盤としての剛性を維持することに寄与する。なお、本体部20の圧縮強度は、200〜220N/mm2、曲げ強度が40〜45N/mm2である。
また、定盤には、精密部品の加工に伴う外力等により、有害なひずみが発生しないだけの強度と、定盤として精密部品の加工に必要な平坦性とを兼ね備えている必要があるが、本実施形態による定盤1は、それぞれ異なる機能を発揮する本体部20と表面部30との複数層により構成することで、容易にこれを実現することを可能としている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、混練工程として、粉体材料のみを混練してから、液体材料を投入し、さらに混練して所定の流動性が発現してから繊維を混練する方法としたが、混練工程における材料の投入の順序は限定されるものではなく、適宜設定して行えばよい。
また、混練工程の後に脱気工程を含むものとしたが、表面部を構成するコンクリート系材料と本体部を構成するコンクリート系材料がそれぞれ必要な緻密性を有していれば、必ずしも脱気処理を施す必要はない。
また、セメント、ポゾラン系反応粒子、骨材等の重量比等は、前記実施形態の重量比に限定されるものではなく、適宜設定してもよいことはいうまでもない。
また、吸着溝、吸着孔、吸気孔、リフトピン孔、空洞等は、必要に応じて形成すればよいことはいうまでもない。
また、前記実施形態では、表面部を本体部の上面全体を覆うように配置する構成としたが、表面部の配置箇所は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態による定盤を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、本実施形態の定盤の施工方法を示す斜視図である。 本発明の定盤に使用される第二マトリックスの細孔分布を示すグラフである。
符号の説明
1 定盤
2 コンクリート系材料
20 本体部
21 吸気孔
22 空洞
3 コンクリート系材料
30 表面部
31 表面
32 吸着溝(溝)
33 吸着孔
34 リフトピン孔
40 型枠
50 混練手段
51 減圧手段

Claims (9)

  1. コンクリート系材料の硬化体からなる本体部と、
    前記本体部の表面の少なくとも一部に配置されるコンクリート系材料の硬化体からなる表面部と、から構成される定盤であって、
    前記本体部を構成するコンクリート系材料が、前記表面部を構成するコンクリート系材料よりも高い力学特性を有し、
    前記表面部を構成するコンクリート系材料が、前記本体部を構成するコンクリート系材料よりも緻密であり、
    前記本体部が、セメント系マトリックス中に繊維が分散されて含まれる繊維補強コンクリートからなり、
    前記表面部が、繊維が含まれないセメント系マトリックスの硬化体からなり、
    前記本体部を構成するセメント系マトリックスが、セメントと、活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子と、前記第一のポゾラン系反応粒子よりも活性度の低い第二のポゾラン系反応粒子と、第一の骨材と、前記第一の骨材よりも最大粒径、平均粒径の範囲および粗粒率の範囲が小さい第二の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含む第一マトリックスであり、
    前記表面部を構成するセメント系マトリックスが、セメントと、活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子と、前記第一のポゾラン系反応粒子よりも活性度の低い第二のポゾラン系反応粒子と、前記第一の骨材よりも最大粒径、平均粒径の範囲および粗粒率の範囲が小さい第三の骨材粒子と、少なくとも1種類の分散剤と、水と、を含む第二マトリックスであり、
    前記第一のポゾラン系反応粒子がシリカフューム、カオリンの誘導体から選定した化合物、沈降シリカまたは分級フライアッシュからなり、
    前記第二のポゾラン系反応粒子がフライアッシュ、高炉スラグ、火山灰、シリカゾルまたは石粉からなり、
    前記セメントが低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントまたは対硫酸塩ポルトランドセメントからなることを特徴とする、定盤。
  2. 前記第一マトリックスが、
    粒径が0.5μmから100μmの範囲内で、平均粒径が4μmから18μmの範囲内で、ブレーン値が2000cm/gから4000cm/gの範囲内であるセメントと、
    粒径が0.05μmから50μmの範囲内で、平均粒径が0.15μmから3.00μmの範囲内で、メディアン径D50が0.5μmから5μmの範囲内で、ブレーン値が150,000cm/gから300,000cm/gの範囲内である活性度の高い第一のポゾラン系反応粒子と、
    粒径が0.1μmから50μmの範囲内で、平均粒径が4μmから10μmの範囲内で、メディアン径D50が2μmから11μmの範囲内で、ブレーン値が3,000cm/gから7,500cm/gの範囲内である前記第一のポゾラン系反応粒子よりも活性度の低い第二のポゾラン系反応粒子と、
    最大粒径が2.5mm以下で、平均粒径が0.4mmから0.8mmの範囲内で、粗粒率が1.5から3.5の範囲内の第一の骨材粒子と、
    最大粒径が0.425mm以下で、平均粒径が0.1mmから0.3mmの範囲内で、粗粒率が0.4から0.8の範囲内の第二の骨材粒子と、
    少なくとも1種類の分散剤と、
    水と、を含
    前記第二マトリックスが、
    前記セメントと、
    前記第一のポゾラン系反応粒子と、
    前記第二のポゾラン系反応粒子と、
    最大粒径が0.6mm以下で、平均粒径が0.1mmから0.5mmの範囲内で、粗粒率が0.4から1.2の範囲内の第三の骨材粒子と、
    少なくとも1種類の分散剤と、
    水と、を含むことを特徴とする、請求項に記載の定盤。
  3. 前記第一マトリックスおよび前記第二マトリックスにおける前記セメントに対する前記水の重量比率が20%から24%の範囲内であって、
    前記第一マトリックス内に分散して含まれる前記繊維の長さが2mm以上で、かつ、前記繊維の繊維径に対する該繊維の長さの比率が20以上で、かつ、前記第一の骨材粒子の最大粒径に対する前記繊維の平均長さの比が10未満で、なおかつ、前記繊維の量が凝結後の前記本体コンクリートの体積の4%未満であって、
    前記第二マトリックスにおいて、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子の合計重量に対する水の重量比率が10%から15%の範囲内で、かつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子とから構成される混合物に対して前記セメントの重量比率が30%から40%の範囲内で、かつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子とから構成される混合物に対して前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子とからなるポゾラン系反応材料の重量比率が20から40%の範囲内で、かつ、前記セメントに対して第三の骨材粒子の重量比率が80%から130%で、なおかつ、前記セメントと前記第一のポゾラン系反応粒子と前記第二のポゾラン系反応粒子と前記第三の骨材粒子から構成される混合物の粒度成分のうちD75粒度が30μmから200μmの範囲内であり、D50粒度が5μmから50μmの範囲内であることを特徴とする、請求項に記載の定盤。
  4. 前記本体部に空洞が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の定盤。
  5. 前記本体部には、吸気孔が形成されており、
    前記表面部には、前記吸気孔に連通する吸着孔が形成されており、前記表面部の表面には、前記吸着孔に接続する溝が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の定盤。
  6. 請求項乃至請求項のいずれか一項に記載された定盤の製造方法であって、
    前記本体部を構成するコンクリート系材料と前記表面部を構成するコンクリート系材料とをそれぞれ生成する混練工程と、
    練り混ぜられた前記本体部を構成するコンクリート系材料および前記表面部を構成するコンクリート系材料のいずれか一方を型枠内に打設した後、他方を打設する打設工程と、
    打設された前記本体部を構成するコンクリート系材料および前記表面部を構成するコンクリート系材料を型枠を有した状態で所定の強度が発現するまで行う一次養生と、前記一次養生後、型枠を取り外した状態で行う二次養生とからなる養生工程と、を含むことを特徴とする、定盤の製造方法。
  7. 前記二次養生は、90℃〜200℃の温度環境下で48時間以上行うことを特徴とする、請求項に記載の定盤の製造方法。
  8. 前記混練工程の後であって前記打設工程の前に、前記本体部を構成するコンクリート系材料と前記表面部を構成するコンクリート系材料とを、それぞれ撹拌するとともに減圧手段を介して減圧することにより、前記本体部および前記表面部とが含有する空気の量をそれぞれ1%未満とする脱気工程を含むことを特徴とする、請求項または請求項に記載の定盤の製造方法。
  9. 前記打設工程において、前記表面部を構成するコンクリート系材料を型枠内に塗り込むように5mmから10mmの厚みで打設した後、前記本体部を構成するコンクリート系材料を型枠内に流し込むことを特徴とする、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の定盤の製造方法。
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