JP3238464B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3238464B2 JP09947292A JP9947292A JP3238464B2 JP 3238464 B2 JP3238464 B2 JP 3238464B2 JP 09947292 A JP09947292 A JP 09947292A JP 9947292 A JP9947292 A JP 9947292A JP 3238464 B2 JP3238464 B2 JP 3238464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン、アク
リル樹脂およびアクリルグラフトポリオレフィンを含有
してなる樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しく
は本発明は、ポリオレフィンとアクリル樹脂の両性能が
付与され且つポリオレフィンとアクリル樹脂の積層用の
接着剤等として利用することができる樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術および課題】ポリエチレンやポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂は、安価、軽量、良好な成形
性等の利点から、家庭用電化製品を始めとして自動車部
品等の工業材料に広範囲に利用されている。また、アク
リル樹脂は、耐候性、意匠性、透明性等に優れているた
め、各種成形品およびアクリル塗料として広く利用され
ている。そこでこれらの樹脂の両性能を併用する目的
で、ポリオレフィンとアクリル樹脂の複合化(ポリマー
アロイ)が種々検討されているが、両者は基本的に相反
する樹脂骨格を有しているために得られた複合体は相分
離現象を起こし実用化できなかった。また、ポリオレフ
ィン樹脂用接着剤としては、マレイン化ポリオレフィン
が一般に知られている。しかしながら、マレイン化ポリ
オレフィンは、ポリオレフィン樹脂とエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体あるいは金属との接着には効果があるが、
その他の樹脂、例えばアクリル樹脂やポリエステル樹脂
等との接着には効果が不十分である。本発明は、上記の
ような従来の課題を解決し、ポリオレフィンにアクリル
樹脂の性能を付与し、且つポリオレフィンとアクリル樹
脂の積層用の接着剤を提供することを目的とするもので
ある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、下記組成物により上記目的を達成すること
を見出した。すなわち本発明は、 (イ)ポリオレフィン、 (ロ)アクリル樹脂、および (ハ)アクリルグラフトポリオレフィンの各成分を含有
してなり、 (イ)成分と(ロ)成分の割合が1/999〜999/
1(重量比)であり、(イ)成分と(ロ)成分の合計1
00重量部に対して、(ハ)成分が0.1〜50重量部
であり、かつ(ハ)成分のアクリルグラフトポリオレフ
ィンが、一分子中に少なくとも一個の官能基を有するオ
レフィン樹脂(a)と、該官能基と反応性を有する官能
基を有するラジカル重合性単量体(b)とを反応させて
得られるラジカル重合性オレフィン樹脂(I)に、アル
キル(メタ)アクリレートを必須成分として含有し且つ
該ラジカル重合性オレフィン樹脂(I)と共重合可能な
単量体(c)を共重合して得られる重合生成物である
樹脂組成物を提供するものである。
【0004】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、相溶化剤としてアクリルグラフトポリオレフィ
ン(ハ)を用いることにより、ポリオレフィン(イ)と
アクリル樹脂(ロ)を均一且つ微分散の状態で混合する
ことができ、これによって両樹脂の好適な性能を有し、
且つ両樹脂の積層品の接着剤として用いることのできる
樹脂組成物に関するものである。
【0005】(ポリオレフィン)本発明の樹脂組成物に
おけるポリオレフィン(イ)としては、各種ポリオレフ
ィンを用いることができる。例えば、ポリオレフィンは
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体
等のポリα−オレフィンまたはこれらの共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体、イソブテン−イソ
プレン共重合体等のα−オレフィンと共役ジエンの共重
合体、又はこれらα−オレフィンと酢酸エステル等のビ
ニルエステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等の不飽和カルボン酸およびそのエステル、スチレン等
の芳香族ビニル単量体、ビニルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメトキシシラン
等のビニルシランなど他の不飽和単量体とのランダム、
ブロック又はグラフト共重合体等が挙げられる。これら
の中でもポリエチレン、ポリプロピレンが最も好まし
い。このようなポリオレフィンには、必要に応じて充填
剤、着色剤、各種安定剤、導電剤等を配合されたものを
用いることができる。
【0006】(アクリル樹脂)本発明の樹脂組成物に用
いられるアクリル樹脂(ロ)は、各種のものを使用する
ことができるが、例えば(メタ)アクリル酸、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単独重
合体あるいは共重合体等が挙げられる。
【0007】(アクリルグラフトポリオレフィン)本発
明の樹脂組成物に用いられるアクリルグラフトポリオレ
フィン(ハ)は、一分子中に少なくとも一個の官能基を
有するオレフィン樹脂(a)と、該官能基と反応性を有す
る官能基を有するラジカル重合性単量体(b)とを反応さ
せて得られるラジカル重合性オレフィン樹脂(I)に、ア
ルキル(メタ)アクリレートを必須成分として含有し且
つ前記ラジカル重合性オレフィン樹脂(I)と共重合可
能な単量体(c)を共重合して得られるものである。
【0008】 一分子中に少なくとも一個の官能基を
有するオレフィン樹脂(a) オレフィン樹脂に少なくとも1個の官能基を導入してオ
レフィン樹脂(a)とするには、例えば、既存のポリオ
レフィンに目的とする官能基を有する不飽和化合物を反
応させること、あるいは各種オレフィンと目的とする官
能基を有する不飽和化合物を共重合反応することにより
得られる。既存のポリオレフィンに目的とする官能基を
有する不飽和化合物を反応させる方法において、その前
駆体のポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン共重合体のポリα−オレ
フィンまたはこれらの共重合体、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体等
のα−オレフィンと共役ジエンの共重合体、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン等のポリ共役ジエン、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体またはその水添物、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体またはその水添物等の芳香族ビニル化合物と
共役ジエンの共重合体およびこれらポリオレフィンの塩
素化物が挙げられる。これらポリオレフィンの中でも、
ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体またはその水添物等のスチ
レン系エラストマーが最も好ましい。これらの前駆体の
ポリオレフィンに導入される官能基としては、カルボン
酸またはその無水物、エポキシ基、水酸基、イソシアネ
ート基等が挙げられる。ポリオレフィンにカルボン酸ま
たはその無水物基を導入する場合は、それらの官能基を
有する好適な不飽和化合物としては、(メタ)アクリル
酸、フマル酸、マレイン酸およびその無水物、イタコン
酸およびその無水物、クロトン酸およびその無水物、シ
トラコン酸およびその無水物等の不飽和カルボン酸また
はその無水物等が挙げられる。ポリオレフィンにエポキ
シ基を導入する場合は、好適な不飽和化合物としては、
グリシジル(メタ)アクリレート、マレイン酸のモノお
よびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびジ
グリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグ
リシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、
アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジ
ルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等のグ
リシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−
エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル
ー1ーブテン等のエポキシオレフィン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド等が挙げられる。ポリオレフィンに
水酸基を導入する場合は、好適な不飽和化合物として
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−
ヘキサノリド付加重合物、2−プロペン−1−オール等
のアルケニルアルコール、2−プロピン−1−オール等
のアルキニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等
が挙げられる。さらにポリオレフィンにイソシアネート
基を導入する場合は、好適な不飽和化合物としては、2
−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタク
リロイルイソシアネート等が挙げられる。ポリオレフィ
ンと官能基を有する不飽和化合物との反応は、通常、常
法によりラジカル開始剤を用いて行われる。各種オレフ
ィンと目的とする官能基を有する不飽和化合物との共重
合反応により得られる共重合体として、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシ
ジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、
エチレン−エチル(メタ)アクリレート−(無水)マレ
イン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(無水)マレ
イン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体の部分ケン化物等が挙げられる。各種オレフィ
ンと目的とする官能基を有する不飽和化合物との共重合
反応は、常法によりラジカル開始剤を用いて行われる。
これら共重合体の中でエチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート−(無
水)マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリ
シジル(メタ)アクリレート共重合体が最も好ましい。
アクリルグラフトポリオレフィンの原料として用いられ
る前記オレフィン樹脂(a)は、その重量平均分子量が
約1000〜20万であるものが好ましく、とくに1万
〜10万のものが好ましい。分子量が低すぎると、相溶
化剤としての性能が不十分で、高すぎると単量体(c)
を共重合する際にゲル化し易くなる傾向がある。
【0009】 ラジカル重合性単量体(b) 官能基を有するオレフィン樹脂(a)中の官能基のう
ち、カルボン酸またはその無水物基と反応性を有する官
能基としては、例えば水酸基、エポキシ基およびイソシ
アネート基がある。この官能基として水酸基を有するラ
ジカル重合性単量体(b)としては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサノリド付加重
合物、2−プロペン−1−オール等のアルケニルアルコ
ール2−プロピン−1−オール等のアルキニルアルコー
ル、ヒドロキシビニルエーテル等がある。官能基として
エポキシ基を有するラジカル重合性単量体(b)として
は、グリシジル(メタ)アクリレート、マレイン酸のモ
ノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよ
びジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよび
ジグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸のグリシジ
ルエステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエス
テル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグ
リシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル
等のグリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、
3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3
−メチル−1−ブテン等のエポキシオレフィン、ビニル
シクロヘキセンモノオキシド等がある。また官能基とし
てイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体
(b)としては、2−イソシアネートエチル(メタ)ア
クリレート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げら
れる。これらの中で水酸基を有するラジカル重合性単量
体(b)が最も好ましい。官能基を有するオレフィン樹
脂(a)中の官能基のうち、エポキシ基と反応性を有す
る官能基には、カルボキシル基および水酸基がある。カ
ルボキシル基を有するラジカル重合性単量体(b)とし
ては、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸、カルボキシエ
チルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテ
ル等のカルボキシアルキルビニルエーテル等があり、水
酸基を有するラジカル重合性単量体(b)としては、前
記オレフィン樹脂(a)のカルボン酸またはその無水物
と反応性を有する水酸基を有するラジカル重合性単量体
(b)として例示された単量体が挙げられる。これらの
中でカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体
(b)が最も好ましい。官能基を有するオレフィン樹脂
(a)中の水酸基と反応する官能基にはイソシアネート
基、カルボキシル基およびエポキシ基等がある。この官
能基としてイソシアネート基を有するラジカル重合性単
量体およびエポキシ基を有するラジカル重合性単量体
(b)としては、前記官能基を有するオレフィン樹脂
(a)のカルボン酸基またはその無水物基と反応性を有
するラジカル重合性単量体(b)として例示されたそれ
ぞれの単量体が、また、カルボキシル基を有するラジカ
ル重合性単量体(b)としては、前記オレフィン樹脂
(a)のエポキシ基と反応性を有するラジカル重合性単
量体(b)として例示された単量体が挙げられる。これ
らの中でイソシアネート基を有するラジカル重合性単量
体が最も好ましい。官能基を有するオレフィン樹脂
(a)中の官能基のうち、イソシアネート基と反応する
官能基には水酸基およびカルボキシル基がある。これら
の官能基を有するラジカル重合性単量体(b)として
は、それぞれラジカル重合性単量体(b)として前記に
より例示された単量体が挙げられる。これらの中で水酸
基を有するラジカル重合性単量体(b)が最も好まし
い。
【0010】 ラジカル重合性オレフィン樹脂(I) ラジカル重合性オレフィン樹脂(I)は、前記官能基を
有するオレフィン樹脂(a)の官能基と反応性を有する
官能基を有するラジカル重合性単量体(b)を反応させ
ることにより得ることができる。オレフィン樹脂(a)
とラジカル重合性単量体(b)は、オレフィン樹脂
(a)中の官能基1当量に対し、ラジカル重合性単量体
(b)の官能基が0.1〜10当量になるように配合し
反応させるのが好ましい。0.1当量未満ではラジカル
重合性オレフィン樹脂(I)に共重合可能な単量体
(c)を共重合する際に単量体(c)のホモポリマーの
含有量が多くなり、10当量を超えるとゲル化し易くな
る傾向がある。反応温度は、通常20〜150℃、好ま
しくは50〜120℃であり、反応を促進するために触
媒として、エステル化反応では酸あるいは塩基性化合
物、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸、塩化亜鉛、
ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン
等を、ウレタン化反応ではジブチル錫ラウレート等を用
いてもよい。反応に際し、ビニル単量体のホモポリマー
の生成を防止するために酸素または空気雰囲気下で反応
させ、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエー
テル、フェノチアジン等の重合禁止剤を適量反応系中に
添加することが好ましい。反応は、適当な有機溶媒中で
行うのが好ましく、有機溶媒としてはトルエン、キシレ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢
酸ブチル、セロソルブアセテート等がある。
【0011】(ラジカル重合性オレフィン樹脂と共重合
可能な単量体(c)) 前記のようにして得られたラジカル重合性オレフィン樹
脂(I)と共重合可能な単量体(c)は、アルキル(メ
タ)アクリレートを必須成分として含有する単量体であ
る。必須成分であるアルキル(メタ)アクリレートに
は、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他の共重合可能な単量体(c)としては、例えば(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸モノアルキルエステル等の
α,β−不飽和カルボン酸、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート等のオキシラン基を有する
重合性単量体、(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミ
ド、(メタ)アクリロニトリル、エポキシアクリレー
ト、アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート等の多価アル
コールの(メタ)アクリレート、一分子内に(メタ)ア
クリロイル基を有するウレタン変性多価アクリレート、
酢酸ビニル、塩化ビニル、エチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルス
チレン等のビニル基を有する芳香族化合物、エチレン、
プロピレン、ブテン、イソプレン等のオレフィン類等が
挙げられる。上記の必須成分の配合割合は、全単量体
(c)に対して30重量%以上、好ましくは50重量%
以上必要である。30重量%未満では、アクリルグラフ
トポリオレフィンを相溶化剤として使用した場合に、ポ
リオレフィンとアクリル樹脂の分散性が不十分で、得ら
れた樹脂組成物は相分離現象を起こす。
【0012】本発明に用いられるアクリルグラフトポリ
オレフィンは、前記ラジカル重合性オレフィン樹脂
(I)と上記特定の単量体(c)とを共重合させて得ら
れる。オレフィン樹脂(a)に対する単量体(c)の配
合割合は、両者合計量に対し、好ましくは10〜90重
量%である。該範囲外では相溶化剤としての効果が不十
分で、得られた樹脂組成物は相分離現象を起こす。ラジ
カル重合性オレフィン樹脂(I)と単量体(c)との共
重合反応は、例えばトルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、セロソ
ルブアセテート、エタノール、ブタノール、プロパノー
ル等の有機溶剤を反応溶媒とし、重合触媒として過酸化
ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、クメンハイドロパ
ーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾビス系化合物等を単量体(c)に対して0.
1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%用い、50〜
200℃で1〜20時間加熱反応させることにより行う
ことができる。この場合、ラジカル重合性オレフィン樹
脂(I)および単量体(c)は、反応物中に合計で5〜
50重量%となるように反応溶媒の量を調整し、反応
は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気または気流下で行
うのが好ましい。残存モノマーを少なくするために、重
合開始剤としてアゾビス系化合物と過酸化物を併用して
もよい。続いて有機溶媒を減圧乾燥除去あるいは重合反
応物をメチルアルコール、エチルアルコール等の貧溶媒
中で再沈すると粉末状の相溶化剤が得られる。
【0013】(樹脂組成物)本発明の樹脂組成物は、前
記のポリオレフィンとアクリル樹脂およびアクリルグラ
フトポリオレフィンを溶融混合することにより、均一分
散されたものである。その配合割合は、ポリオレフィン
に防汚性、耐候性、耐薬品性等の性能を付与する目的の
場合、ポリオレフィンとアクリル樹脂との合計重量に対
し、ポリオレフィン30〜99.9wt%、好ましくは4
0〜99wt%であり、アクリル樹脂70〜0.1wt%、
好ましくは60〜1wt%であり、これら100重量部に
対して相溶化剤としてアクリルグラフトポリオレフィン
0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部であ
る。上記の範囲外では得られた樹脂組成物は相分離現象
を起こしたりあるいは十分な耐候性、意匠性、透明性等
の性能が得られない可能性がある。ポリオレフィンとア
クリル樹脂の積層用の接着剤に利用する場合、ポリオレ
フィンとアクリル樹脂との合計重量に対し、ポリオレフ
ィン10〜80wt%、好ましくは20〜70wt%であ
り、アクリル樹脂90〜20wt%、好ましくは80〜3
0wt%であり、これら100重量部に対して、相溶化剤
としてアクリルグラフトポリオレフィン0.1〜50重
量部、好ましくは0.5〜20重量部である。上記の範
囲外では得られた樹脂組成物は、相分離現象を起こした
りあるいは十分な接着力が得られない可能性がある。
【0014】本発明の樹脂組成物を製造する方法は、溶
融混練時の分散性の点から、用いるポリオレフィン、ア
クリル樹脂およびアクリルグラフトポリオレフィンをあ
らかじめ混合ブレンドするのが好ましい。混合ブレンド
する方法は特に限定されず、既定量の3種類の樹脂をV
ブレンダー、リボンブレンダー、スーパーミキサー等の
混合装置を用いて行われる。3種類の樹脂の形態は分散
性の点からパウダー状が好ましく、粒径は0.05〜2m
m、好ましくは0.1〜1mmである。次に得られた混合物
を熱可塑性樹脂の造粒に用いる単軸または2軸の押出機
で溶融混練して樹脂組成物を得るが、混練効果の高い2
軸押出機を使用することが好ましい。その時の造粒温度
は180〜260℃、好ましくは200〜230℃の温
度条件で、スクリュー回転数は150〜200rpmで造
粒するのが好ましい。
【0015】得られた樹脂組成物は、電子顕微鏡観察の
結果、粒子径が0.1〜0.5μmで均一微分散している
ものである。本発明の樹脂組成物には、必要に応じて充
填剤、着色剤、各種安定剤、導電剤等を配合することが
できる。本発明の樹脂組成物を耐候性、意匠性、透明性
等の性能を付与したポリオレフィン材料として利用する
場合、従来のポリオレフィンでは不十分であった耐候
性、意匠性、透明性能が改良されることから広範囲な用
途で用いられる。例えばフィルム、シート、チューブ、
パイプ、ボトル、家庭用電化製品、自動車部品等があ
る。本発明の樹脂組成物をポリオレフィンとアクリル樹
脂の積層用の接着剤に利用する場合、各層の厚みは、ポ
リオレフィン層は0.01〜5mm、好ましくは0.05〜
3mmであり、アクリル樹脂層は0.01〜2mm、好まし
くは0.05〜1mmであり、接着剤層は0.01〜1mm、
好ましくは0.02〜0.5mmである。このような積層体
を製造する方法としては、従来用いられている方法でよ
く、例えば共押出し法、回転成形法等がある。
【0016】以下、本発明を実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。参考例1 (ハ)アクリルグラフトポリオレフィン成分の
製造例 ポリメチルメタクリレートグラフトポリプロピレンの製
造 撹拌機、還流冷却管、滴下ロートおよび温度計を取り付
けたガラスフラスコに、ポリプロピレン1kg(三菱油化
社製、MA−2P)、クロルベンゼン10kgを仕込み、
系内を窒素置換し130℃に昇温した後、無水マレイン
酸0.2kgとジクミルパーオキサイド0.01kgをキシレ
ン0.8kgに溶解した溶液を6時間かけて滴下した。さ
らに同温度で2時間反応した後、30kgのアセトン中に
投入しマレイン化ポリプロピレンを沈澱した。続いて濾
別および乾燥して白色粉状の変性オレフィン樹脂(a)を
得た。この変性オレフィン樹脂(a)の赤外吸収スペク
トル測定を行った結果、無水マレイン酸の含有量は8.
0重量%であった。続いて撹拌機、還流冷却管、滴下ロ
ートおよび温度計を取り付けたガラスフラスコに、得ら
れた変性オレフィン樹脂(a)0.5kgとキシレン4.5kg
を仕込み、空気気流下100℃に昇温し溶解した。これ
に2−ヒドロキシエチルアクリレート(b)0.03kg、
ジメチルベンジルアミン0.025kgおよびハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.0015kgを添加し、同温
度で8時間反応した。得られたラジカル重合性オレフィ
ン樹脂(I)の赤外吸収スペクトル分析を行った結果、グ
ラフトされた無水マレイン酸の48%が2−ヒドロキシ
エチルアクリレートのハーフエステル体であった。続い
て系内を窒素置換し、メチルメタクリレート(c)1kg、
アゾビスイソブチロニトリル0.009kgおよびキシレ
ン1.6kgを添加し2時間反応した後、アゾビスイソブ
チロニトリル0.009kgを追加して2時間反応させる
ことを4回繰り返し、さらに2時間反応を続けた。この
反応液をメチルアルコール23kgと水6.9kgからなる
混合溶媒に加えて重合生成物を沈澱させ、次いでこれを
分離および乾燥させてポリメチルメタクリレートグラフ
トポリプロピレンを得た。得られたポリメチルメタクリ
レートグラフトポリプロピレンは、 マレイン化ポリプロピレン 32.7重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 2.0重量部 メチルメタクリレート 65.3重量部 からなるものである。
【0017】実施例1 参考例1で得られたポリメチルメタクリレートグラフト
ポリプロピレン2kg、アクリル樹脂(三菱レーヨン社
製、ハイペットHBX189)10kgおよびポリプロピ
レン(三菱油化社製、PY230P)10kgをブレンダ
ー(カワタ社製、スーパーミキサー)で2分間混合し
た。この混合物を2軸押出機(池貝鉄工所社製、PCM
30φ)で樹脂温度210℃、スクリュー回転数200
rpmで溶融混練して粒状のペレットを得た。このペレッ
トを圧縮試験機で厚さ0.1mm(10cm×10cm)のプ
レスシートを作成し電子顕微鏡観察の結果、粒子径が
0.1〜0.5μmで均一微分散しているのが確認でき
た。
【0018】応用例1 接着性樹脂としての評価 次に示す材料を用いて樹脂温度210℃で3種3層共押
出し成型を行った。 材料 イ. ポリプロピレン (三菱油化社製、FY6C) ロ. アクリル樹脂 (三菱レーヨン社製、ハイペットHBX189) ハ. 接着性樹脂組成物 実施例1で得られたポリメチルメタクリレートグラフト
ポリオレフィン 共押出しは、イ.ポリプロピレン樹脂とロ.アクリル樹
脂は、50φ押出機より、またハ.接着性樹脂組成物は
40φ押出機にて各々溶融混練し、3樹脂を流速分配装
置にて合流積層化してダイスに供給する、いわゆるフィ
ードブロック方式で3層シートを成形した。ダイスは3
00mm幅のコートハンガーダイを用いた。得られた3層
シートの各層の構成は、 イ.ポリプロピレン樹脂層 0.1mm厚 ロ.アクリル樹脂層 0.05mm厚 ハ.接着性樹脂組成物層 0.1mm厚 で総厚0.25mmのシートが得られた。得られた3層シ
ートをインストロン型引張試験機でピール強度を測定し
たところ23℃で2.5kg/20mm巾の接着強度が得ら
れた。
【0019】比較例1 アクリル樹脂(三菱レーヨン社製、ハイペットHBX1
89)10kgおよびポリプロピレン(三菱油化社製、P
Y230P)10kgをブレンダー(カワタ社製、スーパ
ーミキサー)で2分間混合し、実施例1と同様にして樹
脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同様にプ
レスシートを作製し電子顕微鏡観察の結果、粒子径が5
0〜100μでプレスシート表面に相分離現象が発生し
ていた。上記樹脂組成物を接着性樹脂組成物として用い
た他は、応用例1と同様にして3層シートを作製し、ピ
ール強度を測定したところ23℃で0.2kg/20mm巾
の接着強度であった。
【0020】実施例2〜6および比較例2 配合組成を表1に示すように変更した他は、実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて
実施例1と同様にしてプレスシートを作製し、ぬれ張力
試験(JIS K6768)およびインキ密着性試験を
行った結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例7〜10および比較例3 配合組成を表2に示すように変更した他は、実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を接着性
樹脂組成物として用いた他は、応用例1と同様にして3
層シートを作製し、ピール強度を測定した結果を表2に
示す。
【0023】
【表2】
【0024】実施例11〜16 実施例1で得られた樹脂組成物を、接着性樹脂組成物と
して用い、ポリプロピレンを表3に示す各種樹脂に、さ
らに成形温度も表3に示すように変更した他は、応用例
1と同様にして3層シートを作製し、ピール強度を測定
した。その結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】比較例4〜8 マレイン化ポリプロピレン(三菱油化社製、モディック
P−310K)を接着性樹脂組成物として用いた他は、
実施例11〜16と同様にして3層シートを作製し、ピ
ール強度を測定した。その結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】参考例2 (ハ)アクリルグラフトポリオレ
フィン成分の製造例 ポリメチルメタクリレートグラフト水添スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体の製造 撹拌機、還流冷却管、滴下ロートおよび温度計を取り付
けたガラスフラスコに、水添スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体1kg(シェルケミカル社製、ク
レイトンG−1652)、キシレン2kgを仕込み、系内
を窒素置換し140℃に昇温した後、無水マレイン酸
0.15kgとジクミルパーオキサイド0.03kgをキシレ
ン1.5kgに溶解した溶液を、8時間かけて滴下した。
さらに同温度で1時間反応した後、系を室温付近まで冷
却し、13kgのアセトン中に投入して水添スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体を沈澱した。続い
て濾別および乾燥して白色粉状の変性オレフィン樹脂
(a)を得た。この変性樹脂の赤外吸収スペクトル測定お
よび中和滴定を行った結果、無水マレイン酸の含有量は
1.5重量%であった。続いて撹拌機、還流冷却管、滴
下ロートおよび温度計を取り付けたガラスフラスコに、
得られた変性オレフィン樹脂(a)0.5kgトルエン4.5
kgを仕込み、空気気流下75℃に昇温して溶解した。こ
れに2−ヒドロキシエチルアクリレート0.009kg、
ジメチルベンジルアミン0.025kgおよびハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.0015kgを添加し、同温
度で3時間反応した。得られたラジカル重合性オレフィ
ン樹脂(I)の赤外吸収スペクトル分析を行った結果、グ
ラフトされた無水マレイン酸の37%が2−ヒドロキシ
エチルアクリレートのハーフエステル体であった。続い
て窒素気流下系内を80℃に昇温し、メチルメタクリレ
ート(c)1kg、アゾビスイソブチロニトリル0.00
6kgおよびトルエン1.5kgを添加し2時間反応した
後、アゾビスイソブチロニトリル0.006kgを追加し
て2時間反応させることを4回繰り返し、さらに2時間
反応を続けた。この反応液をメチルアルコール23kgと
水6.9kgからなる混合溶媒に加えて重合生成物を沈澱
させ、次いでこれを分離および乾燥させてポリメチルメ
タクリレートグラフト水添スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体を得た。得られたポリメチルメタ
クリレートグラフト水添スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体は、 マレイン化水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体 33.1重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 0.6重量部 メチルメタクリレート 66.3重量部 からなるものである。
【0029】実施例17〜21 参考例2で得られたポリメチルメタクリレートグラフト
水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
を用いて、配合組成を表5に示すように変更した他は、
実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成
物を接着性樹脂組成物として用いた他は、応用例1と同
様にして3層シートを作製し、ピール強度を測定した。
その結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】実施例22〜27 実施例17で得られた樹脂組成物を接着性樹脂組成物と
して用いた他は、実施例11〜16と同様にして3層シ
ートを作製し、ピール強度を測定した。その結果を表6
に示す。
【0032】
【表6】
【0033】参考例3 (ハ)アクリルグラフトポリオレ
フィン成分の製造例 ポリメチルメタクリレートグラフトエチレン−エチルア
クリレート−無水マレイン酸共重合体の製造 撹拌機、還流冷却管、滴下ロートおよび温度計を取り付
けたガラスフラスコに、エチレン−エチルアクリレート
−無水マレイン酸共重合体(住友化学工業社製、ボンダ
インHX8210)(a)0.5kgとキシレン5.1kgを仕
込み、空気気流下100℃に昇温し溶解した。これに2
−ヒドロキシエチルアクリレート(b)0.018kg、ジ
メチルベンジルアミン、0.025kgおよびハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.0015kgを添加し、同温
度で8時間反応した。得られたラジカル重合性オレフィ
ン樹脂(I)の赤外吸収スペクトル分析を行った結果、無
水マレイン酸の55%が2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートのハーフエステル体であった。続いて系内を窒素置
換し、メチルメタクリレート(c)1kg、アゾビスイソブ
チロニトリル0.009kgおよびキシレン1.15kgを添
加し2時間反応した後、アゾビスイソブチロニトリル
0.009kgを追加して2時間反応させることを4回繰
り返し、さらに2時間反応を続けた。この反応液をメチ
ルアルコール23kgと水6.9kgからなる混合溶媒に加
えて重合生成物を沈澱させ、次いでこれを分離および乾
燥させてポリメチルメタクリレートグラフトエチレン−
エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体を得た。
得られたポリメチルメタクリレートグラフトエチレン−
エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体は、 エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体 32.9重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 1.2重量部 メチルメタクリレート 65.9重量部 からなるものである。
【0034】実施例28 参考例3で得られたポリメチルメタクリレートグラフト
エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合
体2kg、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ハイペット
HBX189)10kgおよびポリエチレン(三菱油化社
製、ZF51)10kgをブレンダーで2分間混合し、実
施例1と同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物
を実施例1と同様にプレスシートを作製し電子顕微鏡観
察の結果、粒子径が0.1〜0.5μに均一微分散してい
るのが確認できた。
【0035】応用例2 実施例28で得た樹脂組成物を接着性樹脂組成物として
用い、ポリプロピレン(三菱油化社製:FY6C)をポ
リエチレン(三菱油化社製、ZF51)に変更した他
は、応用例1と同様にして3層シートを作製し、ピール
強度を測定したところ、23℃で3.4kg/20mm巾の
接着強度であった。
【0036】比較例9 アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ハイペットHBX1
89)10kgおよびポリエチレン(三菱油化社製、ZF
51)10kgをブレンダーで2分間混合し、実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例
1と同様にプレスシートを作製し、電子顕微鏡観察の結
果、粒子径が50〜100μmでプレスシート表面に相
分離現象が発生していた。上記樹脂組成物を接着性樹脂
組成物として用い、ポリプロピレン(三菱油化社製、F
Y6C)をポリエチレン(三菱油化社製、ZF51)に
変更した他は、応用例1と同様にして3層シートを作製
し、ピール強度を測定したところ、23℃で0.3kg/
20mm巾の接着強度であった。
【0037】実施例29〜33および比較例10 配合組成を表7に示すように変更した他は実施例1と同
様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実
施例1と同様にしてプレスシートを作製し、ぬれ張力試
験(JIS K6768)およびインキ密着性試験を行
った結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】実施例34〜37および比較例11 配合組成を表8に示すように変更した他は、実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を接着性
樹脂組成物として用い、ポリプロピレン(三菱油化社
製、FY6C)をポリエチレン(三菱油化社製、ZF5
1)に変更した他は、応用例1と同様にして3層シート
を作製し、ピール強度を測定した。その結果を表8に示
す。
【0040】
【表8】
【0041】実施例38〜43 実施例28で得られた樹脂組成物を接着性樹脂組成物と
して用い、ポリエチレン(三菱油化社製、ZF51)を
表9に示す各種樹脂に変更した他は、実施例11〜16
と同様にして3層シートを作製し、ピール強度を測定し
た。その結果を表9に示す。
【0042】
【表9】
【0043】参考例4 (ハ)アクリルグラフトポリオレ
フィン成分の製造例 ポリメチルメタクリレートグラフトエチレン−アクリル
酸共重合体の製造 撹拌機、還流冷却管、滴下ロートおよび温度計を取り付
けたガラスフラスコに、エチレン−アクリル酸共重合体
(三菱油化社製、A−210W(アクリル酸含有量7wt
%))(a)0.5kgとキシレン5.1kgを仕込み、空気気
流下100℃に昇温し溶解した。これにグリシジルメタ
クリレート(b)0.069kg、ジメチルベンジルアミン
0.025kgおよびハイドロキノンモノメチルエーテル
0.0015kgを添加し、同温度で8時間反応した。得
られたラジカル重合性オレフィン樹脂(I)の酸価および
エポキシ価を測定した結果、アクリル酸の52%がグリ
シジルメタクリレートとのエステル体であった。続いて
系内を窒素置換し、メチルメタクリレート(c)1kg、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.009kgおよびキシレン
1.15kgを添加し2時間反応した後、アゾビスイソブ
チロニトリル0.009kgを追加して2時間反応させる
ことを4回繰り返し、さらに2時間反応を続けた。この
反応液をメチルアルコール23kgと水6.9kgからなる
混合溶媒に加えて重合生成物を沈澱させ、次いでこれを
分離および乾燥させてポリメチルメタクリレートグラフ
トエチレン−アクリル酸共重合体を得た。得られたポリ
メチルメタクリレートグラフトエチレン−アクリル酸共
重合体は、 エチレン−アクリル酸共重合体 31.9重量部 グリシジルメタクリレート 4.4重量部 メチルメタクリレート 63.7重量部 からなるものである。
【0044】実施例44〜48 参考例4で得られたポリメチルメタクリレートグラフト
エチレン−アクリル酸共重合体2kgを用いて、配合組成
を表10に示すように変更した他は、実施例28と同様
にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を接着性樹脂
組成物として用いた他は、応用例2と同様にして3層シ
ートを作製し、ピール強度を測定した。その結果を表1
0に示す。
【0045】
【表10】
【0046】実施例49〜54 実施例44で得られた樹脂組成物を接着性樹脂組成物と
して用いた他は、実施例38〜43と同様にして3層シ
ートを作製し、ピール強度を測定した。その結果を表1
1に示す。
【0047】
【表11】
【0048】
【発明の効果】本発明により得られる樹脂組成物は、ポ
リオレフィンとアクリル樹脂が均一微分散されたもので
あり、耐候性、意匠性、透明性等の性能を付与したポリ
オレフィン材料としてあるいはポリオレフィンとアクリ
ル樹脂との積層用の接着剤として非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小津 孝弘 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平3−217432(JP,A) 特開 平5−230298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 33/00 - 33/26 C08L 51/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ポリオレフィン、 (ロ)アクリル樹脂、および (ハ)アクリルグラフトポリオレフィンの各成分を含有
    してなり、 (イ)成分と(ロ)成分の割合が1/999〜999/
    1(重量比)であり、 (イ)成分と(ロ)成分の合計100重量部に対して、
    (ハ)成分が0.1〜50重量部であり、かつ(ハ)成
    分のアクリルグラフトポリオレフィンが、一分子中に少
    なくとも一個の官能基を有するオレフィン樹脂(a)
    と、該官能基と反応性を有する官能基を有するラジカル
    重合性単量体(b)とを反応させて得られるラジカル重
    合性オレフィン樹脂(I)に、アルキル(メタ)アクリ
    レートを必須成分として含有し且つ該ラジカル重合性オ
    レフィン樹脂(I)と共重合可能な単量体(c)を共重
    合して得られる重合生成物である、樹脂組成物。
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