JP3238056B2 - ポンプ組立体 - Google Patents

ポンプ組立体

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JP3238056B2
JP3238056B2 JP30693795A JP30693795A JP3238056B2 JP 3238056 B2 JP3238056 B2 JP 3238056B2 JP 30693795 A JP30693795 A JP 30693795A JP 30693795 A JP30693795 A JP 30693795A JP 3238056 B2 JP3238056 B2 JP 3238056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポンプあるいはモー
タを内蔵する外筒を備えたポンプ組立体に係り、特に多
段ポンプ又はバランス型の多段ポンプに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】モータ固定子外周部に設けられたモータ
フレーム外胴と、該モータフレーム外胴外周面との間に
環状空間を形成する外筒と、前記環状空間に取扱液を導
くモータの両軸端に設けられたポンプ部とを備えた全周
流型の両吸込ポンプが知られている(例えば、特開平7
−158594号)
【0003】この全周流型両吸込ポンプにおいては、ポ
ンプ吸込口より吸い込まれた流体は左右のポンプ部に流
入し、左右の羽根車内に導かれる。左右の羽根車から吐
出された流体は、外筒とキャンドモータのモータフレー
ム外胴との間に形成された環状空間(流路)に流入し、
この環状流路を流れる間に合流し、外筒の吐出口より吐
出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この構造のポンプは、
スラスト荷重を相殺すると共に、特に高速回転時の吸込
性能を確保する上で有効である。しかしながら、両吸込
型であるが故に、極めて小水量のポンプの製作には不都
合であった。なぜならば小水量の遠心ポンプを実現する
有効な手段は羽根車の翼幅を小さくすることであるが、
翼幅を小さくしすぎると、ポンプ効率が低下するばかり
ではなく、異物による羽根車の閉塞等の問題を生じるか
らである。両吸込ポンプは、水量が両側の羽根車の水量
の加算になるため、片吸込ポンプよりも更に不利であ
る。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、下記課題を解決することを目的としている。 (1)軸スラスト荷重を相殺し、且つ、小水量高揚程の
全周流型の片吸込ポンプを単純な構造にて実現する。 (2)特に高速回転時における吸込性能の確保に配慮す
る。 (3)ラジアル荷重の相殺も図る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め、本発明は、モータの固定子外周部に設けられたモー
タフレーム外胴と、該モータフレーム外胴外周面との間
に環状空間を形成する外筒と、前記環状空間に取扱液を
導くポンプ部を備えたポンプ組立体において、モータ軸
の一端に外部から導いた取扱液を昇圧する第1のポンプ
部を設け、モータ軸の他端に第1のポンプ部から導いた
取扱液を昇圧する第2のポンプ部を設け、第1のポンプ
部と第2のポンプ部に使用する羽根車の吸込口の向きは
逆向きとし、第2のポンプ部にて、羽根車を収容する内
ケーシングには、吸込流路を設け、前記第1のポンプ部
から吐出された取扱液を前記環状空間及び該内ケーシン
グの吸込流路を通して内ケーシング内の羽根車に導き、
該内ケーシングと前記外筒との間に前記羽根車から吐出
された取扱液を吐出する吐出流路を形成したことを特徴
とする。本発明においては、前記内ケーシングを鋳造品
とし、吸込流路を内ケーシングに一体に設けている。ま
た本発明においては、前記吐出流路から吸込流路への取
扱液のもれを防止するため、吐出流路を間にはさんで2
ヶ所にシール部材を設けている。また、前記内ケーシン
グに設けられる吐出ボリュートを複数ボリュートとし、
ラジアル方向の荷重を相殺するように構成している。本
発明においては、ポンプ組立体の吸込口と吐出口の位置
を調整するために、外筒外面に吸込ケース又は吐出ケー
スを設けている。また本発明においては、前記モータは
キャンドモータからなり、該キャンドモータのステータ
キャンには前記第1のポンプ部にて昇圧された圧力しか
加わらないようにしている。また、前記第1のポンプ部
の少なくとも1つの羽根車の吸込マウス径が前記第2の
ポンプの吸込マウス径よりも大である。本発明において
は、前記2つのシール部材のうち少なくとも1個を、内
ケーシングと外筒と外筒端部に設けられるケーシングカ
バーの3つの部品の間に形成される空間に設けている。
また、前記モータフレーム外胴の端部に設けられたモー
タフレーム側板を外側に延設し、外周部を前記外筒と溶
接固定すると共に、該モータフレーム側板に取扱液を通
過させるための窓を設けている。本発明においては、複
数段ポンプを流量特性の異なる少なくとも2種類の羽根
車で構成すると共に、第1段目の羽根車の流量特性を2
段目以降のいずれかの羽根車の流量特性よりも大とし、
複数段ポンプの第1段目の羽根車のマウス径を2段目以
降のいずれかの羽根車の吸込マウス径よりも大とする。
【0007】本発明は全周流型ポンプの外筒内に配置さ
れ、羽根車を収容する内ケーシングに工夫を凝らしてい
る。即ち、内ケーシングに吸込流路を設けることで、モ
ータ側から流れ込む取扱液をモータと反対側に向けられ
た羽根車の吸込口まで導く。また、内ケーシングと外筒
の間には吐出流路を形成し、外筒の外側に吐出流を導く
ようにしている。これによって、軸スラストをバランス
させる構造を実現できる。
【0008】吸込口の向きが逆の羽根車を使用すること
で、軸スラストをバランスさせた全周流型の片吸込複数
段ポンプを構成する場合、前段ポンプ部と後段ポンプ部
をつなぐ流路が必要となる。この方法の一例としては、
前段ポンプから吐出された取扱液を一旦、外筒の外側に
取り出し、後段ポンプ部へ配管等によって連絡する方法
がある。しかしながら、この方法は、配管等の部品が必
要となり無駄である。
【0009】本発明は内ケーシングに吸込流路を設ける
ことで、モータ側から流れ込む取扱液をモータと反対側
に向けられた羽根車の吸込口まで導き、内ケーシングと
外筒の間には吐出流路を形成し、外筒の外側に吐出流を
導くように構成したので、前記配管が不要となり、簡便
にバランス型片吸込複数段ポンプを実現できる。
【0010】また片吸込のポンプをインバータ等を使用
して高速回転させる場合、吸込性能の確保が問題とな
る。そこで、本発明では、第1段目の羽根車を2段目以
降のいずれかの羽根車よりも設計点流量の大きな羽根車
としている。具体的には、羽根車吸込マウス径を大きく
し、翼幅B2も大きくしている。一般に、羽根車外径等
の条件が同じで、吸込マウス径が異なる羽根車を比較す
ると、同一流量点においては、吸込マウス径の大きな羽
根車の方が吸込性能が良い。一方、多段ポンプ全体とし
ての流量は、流量の小さな羽根車によってほぼ決定され
る。従って、高速回転の片吸込ポンプでありながら、吸
込性能を確保することが可能となる。
【0011】特に高速回転数で運転されるポンプにおい
ては、軸スラスト荷重の相殺も重要であるが、ラジアル
荷重のバランスも同様に重要である。即ち、軸受にラジ
アル荷重が加わった状態で、高速回転すると、軸受が早
期に摩耗してまう。従って、ラジアル荷重もバランスさ
せて相殺する構造にする必要がある。そこで、本発明で
は、内ケーシングに設ける最終段羽根車用の吐出ボリュ
ートをダブルボリュートにすると共に、その他の羽根車
に対応する案内装置も全て複数ボリュート又はガイドベ
ーンとし、ラジアル荷重を相殺した。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るポンプ組立体の一実施例
を図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明のポ
ンプ組立体の縦断面図、図2は図1のII−II線断面図で
ある。図1及び図2に示されるポンプ組立体は立型多段
ポンプとして構成されている。立型多段ポンプはポンプ
ケーシング1内の中央にキャンドモータ6を備えてお
り、このキャンドモータ6の主軸7の両軸端に、軸方向
外方に開口した吸込部を有する羽根車8A,8B,8
C,8Dがそれぞれ固定されている。
【0013】ポンプケーシング1は、ステンレス鋼板製
の外筒2と、この外筒2の下端にフランジ51,52に
よって接続されたステンレス鋼板製の下部ケーシングカ
バー3と、外筒2の上端に溶接されたステンレス鋳物製
のフランジ53に固定されたステンレス鋳物製の上部ケ
ーシングカバー4とからなっている。外筒2の下部には
吸込ノズル5が固定されるとともに、外筒2の下部と下
部ケーシングカバー3とで囲まれた空間内には下部内ケ
ーシング9が固定されている。また外筒2の下部には吸
込窓2aが形成されており、吸込ノズル5より前記空間
内に取扱液が吸込まれるようになっている。
【0014】下部内ケーシング9は筒状の本体部9aと
平板状のカバー部9bとを具備し、その上端部には吸込
側流体と吐出側流体とをシールする弾性シール10が固
定されている。この下部内ケーシング9は植込ボルト6
5a,ナット65bによってキャンドモータ6のフレー
ム側板15に固定されている。そして、下部内ケーシン
グ9内には、羽根車8A及び8Bが収容されている。下
部内ケーシング9内には、それぞれライナリング45,
45を保持した保持部材46,46と、第1段目の羽根
車8Aから吐出された流体を第2段目の羽根車8Bに導
く戻り羽根47と、第2段目の羽根車8Bから吐出され
た流体を半径方向から軸方向に導く案内装置48とが配
設されている。
【0015】一方、キャンドモータ6は、固定子13
と、この固定子13の外周部に嵌着されるモータフレー
ム外胴14と、モータフレーム外胴14の両開放端に溶
接固定されるモータフレーム側板15,16と、固定子
13の内周部に嵌着され前記モータフレーム側板15,
16に溶接固定されるキャン17とを備えている。また
固定子13内に回転可能に収容されている回転子18は
主軸7に焼き嵌め固定されている。モータフレーム外胴
14と外筒2との間には環状流路40が形成されてい
る。
【0016】またキャンドモータ6のモータフレーム側
板16には嵌合部16aが形成されており、この嵌合部
16aに上部内ケーシング50が保持されている。また
モータフレーム側板16には環状流路40からの取扱液
を通過させるための窓16bを有している。上部内ケー
シング50はステンレス鋳鋼からなり、図2に示される
ように略二重円筒状の本体部50aとカバー50bとか
らなり、本体部50a内に第3段目及び第4段目の羽根
車8C,8Dが配設されている。また本体部50a内に
は区画された複数の吸込流路Sが形成されている。また
上部内ケーシング50の本体部50aの相対向する位置
に2個の吐出ボリュート50c,50cが形成されてい
る。
【0017】これら吐出ボリュート50c,50cは最
終段(4段目)の羽根車8Dを取り囲むように配置され
ている。また、吐出ボリュート50c,50cは上部内
ケーシング50と外筒2間に形成された吐出流路Dに連
通されており、最終段の羽根車8Dから吐出された流体
は吐出ボリュート50c,50cを介して吐出流路Dに
吐出される。また上部内ケーシング50の本体部50a
の内端にはスリーブ58aとブッシュ58bとからなる
軸封装置58が保持されている。
【0018】また上部内ケーシング50の本体部50a
の上下端部には、弾性材からなるシールリング56,5
7が固定され、カバー50bに吸込開口50dが形成さ
れている。これらシールリング56,57によって吐出
側の取扱液が吸込側に漏れることを防止している。な
お、上部内ケーシング50の本体部50aには切欠き5
0eが形成されている。
【0019】上部内ケーシング50は、植込ボルト66
a,ナット66bによってキャンドモータ6のモータフ
レーム側板16に固定されている。そして、上部内ケー
シング50内には、それぞれライナリング45,45を
保持した保持部材46,46と、第3段目の羽根車8C
から吐出された流体を最終段の羽根車8Dに導く戻り羽
根47とが配設されている。
【0020】また外筒2の上部側には、吐出窓2bが形
成されており、この吐出窓2bを覆うように外筒2に吐
出ケース61が溶接によって固定されている。そして、
吐出ケース61の下部には吐出口61aが形成されると
ともに吐出ノズル62が固定されている。
【0021】次に、主軸の一方側にある軸受周辺部につ
いて説明する。軸受ブラケット21には、ラジアル軸受
22と、固定側スラスト軸受23が設けられている。ラ
ジアル軸受22の端面は、固定側スラスト摺動部材とし
ての機能も付与されており、ラジアル軸受22の端面に
スラストディスク27に保持された回転側スラスト軸受
28が摺接している。前記固定側スラスト軸受23に対
向して、回転側スラスト摺動部材である回転側スラスト
軸受24が設けられている。回転側スラスト軸受24は
スラストディスク26に固定されている。前記軸受ブラ
ケット21はモータフレーム側板16に設けられたイン
ローに弾性材からなるOリング29を介して挿入されて
いる。なお、図中31はラジアル軸受22と摺動部を形
成するスリーブである。
【0022】次に、主軸の他方側にある軸受周辺部につ
いて説明する。軸受ブラケット32には、ラジアル軸受
33が設けられている。図中34はラジアル軸受32と
摺動部を形成するスリーブであり、スリーブ34は座金
35に当接し、この座金35は羽根車8B、スリーブ4
2及び羽根車8Aを介して主軸7の端部に設けられたネ
ジおよびナット36によって固定されている。軸受ブラ
ケット32は、モータフレーム側板15に設けられたイ
ンローに弾性材からなるOリング37を介して挿入され
ている。そして、軸受ブラケット32はモータフレーム
側板15に当接している。
【0023】次に、前述のように構成された立型多段ポ
ンプの作用を説明する。吸込ノズル5を介して吸込窓2
aより吸い込まれた流体は、下部内ケーシング9に形成
された吸込開口9cを通って羽根車8A,8Bにより昇
圧される。2段目の羽根車8Bから吐出された流体は、
案内装置48を経て遠心方向から軸方向に流れ方向が転
換された後、外筒2とキャンドモータ6のモータフレー
ム14外胴との間に形成された環状流路40に流入し、
この流路40からモータフレーム側板16の窓16a及
び上部内ケーシング50の吸込流路Sを通って上部内ケ
ーシング50と上部ケーシングカバー4とで囲まれた空
間に流入する。さらに流体は上部内ケーシング50の吸
込開口50dを通って羽根車8C,8Dにより昇圧され
た後、吐出ボリュート50c,50cに案内されて吐出
流路Dに流入し、さらに吐出窓2bより吐出ケース61
に吐出される。吐出ケース61に流入した流体は、吐出
口61aを通って吐出ノズル62より吐出される。
【0024】本発明においては、キャンドモータ6の固
定子外周部に設けられたモータフレーム外胴14と、モ
ータフレーム外胴14の外周面との間に環状空間40を
形成する外筒2と、環状空間40に取扱液を導く羽根車
8A,8Bを有した第1のポンプ部とを設け、さらに第
2のポンプ部の羽根車8C,8Dを収容する上部内ケー
シング50に吸込流路Sを設けると共に、上部内ケーシ
ング50と外筒2との間に吐出流路Dを形成している。
【0025】このように、上部内ケーシング50に吸込
流路Sを設けることで、第1のポンプ部の羽根車8Bか
ら吐出されてキャンドモータ6側から流れ込む取扱液を
キャンドモータ6と反対側に向けられた第3段目の羽根
車8Cの吸込口まで導く。また、上部内ケーシング50
と外筒2の間には吐出流路Dを形成し、この吐出流路D
を介して外筒2の外側に吐出流を導くようにしている。
これによって、軸スラストをバランスさせる構造を実現
できる。
【0026】また本発明は上部内ケーシング50に吸込
流路Sを設けることで、第1のポンプ部の羽根車8Bか
ら吐出されてキャンドモータ側から流れ込む取扱液をキ
ャンドモータと反対側に向けられた第2のポンプ部の羽
根車8Cの吸込口まで導き、上部内ケーシング50と外
筒2の間には吐出流路Dを形成し、外筒2の外側に吐出
流を導くように構成したので、第1のポンプ部から第2
のポンプ部へ取扱液を導くための配管が不要となり、簡
便にバランス型片吸込複数段ポンプを実現できる。
【0027】また片吸込のポンプをインバータ等を使用
して4,000rpm以上で高速回転させる場合、吸込性
能の確保が問題となる。そこで、本発明では、第1段目
の羽根車8Aを2段目以降の羽根車8B,8C,8Dの
いずれかよりも設計点流量の大きな羽根車としている。
具体的には、第1段目の羽根車8Aの吸込マウス径D1
を2段目以降の他の羽根車8B,8C,8Dのいずれか
の吸込マウス径より大きくし、羽根車8Aの翼幅B2
他の羽根車8B,8C,8Dよりも大きくしている。一
般に、羽根車外径等の条件が同じで、吸込マウス径が異
なる羽根車を比較すると、同一流量点においては、吸込
マウス径の大きな羽根車の方が吸込性能が良い。一方、
多段ポンプ全体としての流量は、流量の小さな羽根車に
よってほぼ決定される。従って、高速回転の片吸込ポン
プでありながら、吸込性能を確保することが可能とな
る。
【0028】さらに高速回転数で運転されるポンプにお
いては、軸スラスト荷重の相殺も重要であるが、ラジア
ル荷重のバランスも同様に重要である。即ち、軸受にラ
ジアル荷重が加わった状態で、高速回転すると、軸受が
早期に摩耗してまう。従って、ラジアル荷重もバランス
させて相殺する構造にする必要がある。そこで、本発明
では、上部内ケーシング50に設ける最終段の羽根車8
D用の吐出ボリュート50cを相対向して設けられたダ
ブルボリュートにすると共に、その他の羽根車8A,8
B,8Cに対応する戻り羽根47及び案内装置48も全
て複数ボリュート又はガイドベーンとし、ラジアル荷重
を相殺した。
【0029】また本発明によれば、上部内ケーシング5
0を鋳造品(例えばステンレス鋳物)で製作するため、
吸込流路Sや吐出流路Dを有し比較的複雑な上部内ケー
シング50を一体の部品として成形することができる。
そして、羽根車8A,8Bと羽根車8C,8Dとでは、
羽根車吸込口を逆向きとし、且つ、前述の上部内ケーシ
ング50を使用することによって、バランス型片吸込複
数段ポンプを実現できる。
【0030】また本発明によれば、上部内ケーシング5
0に吐出流路Dを間にはさんで弾性材からなるシールリ
ング56,57を2ヶ所設けることによって、吐出流路
Dから吸込流路Sへの取扱液の漏れを防止している。ま
た、キャンドモータ6の両軸端に第1のポンプ部と第2
のポンプ部とを配置した場合、吸込口と吐出口の位置を
合わせるために、吸込ケース又は吐出ケース61を設け
(図1に示す実施例では吐出ケースのみ図示)、これに
吸込口又は吐出口を設けることが有効である。
【0031】本発明によれば、第1のポンプ部の羽根車
8A,8Bによって昇圧された中間圧は、ステータキャ
ン17に作用するが、第2のポンプ部の羽根車8C、8
Dによって更に昇圧された最終吐出圧はステータキャン
には作用しない。尚、最終吐出圧の空間と、中間圧の空
間を主軸7がまたがる部分には、軸封装置58が設けら
れており、取扱液の漏れ量を制限している。
【0032】また本発明によれば、羽根車8A,8Bか
らなる第1のポンプ部の方が羽根車8C,8Dからなる
第2のポンプ部よりも設計流量を大としている。一般
に、同一流量で運転される場合には、設計流量が大きい
ポンプ(羽根車)の方が吸込性能が良い。ポンプ全体と
しての流量は、設計流量の小さな第2のポンプ部にてほ
ぼ決定される。従って、第1のポンプ部を単独で運転し
た場合の流量範囲が、第2のポンプ部を単独で運転した
場合の流量範囲よりも大とすることで、高速回転で運転
した場合でも、吸込性能を確保することができる。
【0033】本発明によれば、2つのシールリング5
6,57のうちの一方のシールリング56は、上部内ケ
ーシング50と外筒2と上部ケーシングカバー4の3つ
の部品にて囲まれる空間に設ける。他のシールリング5
7は、上部内ケーシング50と、外筒2と、モータフレ
ーム側板16の3つの部品にて囲まれる空間に設ける。
シールリング56,57は、ゴムのような弾性体とし、
軸方向に締め代を持って挟持される。上部内ケーシング
50が外筒2に挿入される前は、シールリング56,5
7は、上部内ケーシング側に嵌め込まれている。この
時、シールリング56,57の外径は、軸方向につぶさ
れていないので、外筒2の内径よりもわずかに小さくな
るように設定され、このため、外筒2への上部内ケーシ
ング50の挿入は容易に行える。そして、組立時は、植
込ボルト66aとナット66bにより、モータフレーム
側板側のシールリング57を軸方向につぶし、又、上部
ケーシングカバー4によって上部ケーシングカバー側の
シールリング56を軸方向につぶす。これによって、シ
ールリング56,57は軸方向につぶされて変形し、そ
の外径部が外筒2の内径に密着して所定の機能を果た
す。
【0034】圧力分布の関係で、モータフレームを含め
た内蔵部品が外筒2に対して軸方向に移動しようとする
力が働く。すなわち、図1において、内蔵部品が下側に
移動しようとする力である。この力を受けるためには、
図1に示すように外筒2とモータフレーム外胴14にフ
レームステー67を溶接固定するだけでは不充分であ
る。そこで、本発明の1態様では、モータフレーム側板
15,16を外側に延設して外筒2と溶接固定してい
る。これによって、上述の力を十分に受けとめることが
できる。図1において、2つのシールリング56,57
の間の空間は、ポンプの最終段の圧力が加わる。即ち、
この部分の外筒2には、他の部分よりも大きな内圧が加
わる。これを強度的に支持するため、モータフレーム側
板16を外筒2に溶接固定することは極めて有効であ
る。また外筒2の端部には、ケーシングフランジ53が
溶接固定されており、外筒2のふくらみを防止してい
る。
【0035】なお、本実施例によれば、吸込口のノズル
の溶接部に空気抜き穴2cを設けて空気溜りができない
ようにしている。また片吸込複数段ポンプ一般において
も、特に高速回転で運転されるものは、吸込性能におい
て不利である。従って、本発明は全周流型ポンプ以外の
一般のポンプにおいても、吸込性能の改善において有効
である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下に列挙する効果を奏する。 (1)軸スラスト荷重を相殺し、且つ、小水量高揚程の
全周流型の片吸込ポンプを単純な構造にて実現すること
ができる。 (2)高速回転時(特に4,000rpm以上)における
吸込性能を確保することができる。 (3)ラジアル荷重の相殺を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポンプ組立体の一実施例を示す縦
断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2 外筒 3 下部ケーシングカバー 4 上部ケーシングカバー 6 キャンドモータ 7 主軸 8A,8B,8C,8D 羽根車 9 下部内ケーシング 13 固定子 14 モータフレーム外胴 15,16 モータフレーム側板 17 キャン 18 回転子 21,32 軸受ブラケット 22,23 ラジアル軸受 23 固定側スラスト軸受 24 回転側スラスト軸受 40 環状流路 45 ライナリング 47 戻り羽根 48 案内装置 50 上部内ケーシング 56,57 シールリング 58 軸封装置 61 吐出ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢本 耕司 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 八木 薫 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 上井 圭太 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 宮崎 義晶 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 飯島 克自 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 川畑 潤也 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社 荏原製作所内 (56)参考文献 特開 平6−88587(JP,A) 特開 平6−17786(JP,A) 特開 昭62−70700(JP,A) 特開 昭59−162388(JP,A) 特開 平6−88586(JP,A) 実開 昭52−111902(JP,U) 実開 平5−10800(JP,U) 実公 昭41−19176(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 13/06 F04D 13/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの固定子外周部に設けられたモー
    タフレーム外胴と、該モータフレーム外胴外周面との間
    に環状空間を形成する外筒と、前記環状空間に取扱液を
    導くポンプ部を備えたポンプ組立体において、 モータ軸の一端に外部から導いた取扱液を昇圧する第1
    のポンプ部を設け、モータ軸の他端に第1のポンプ部か
    ら導いた取扱液を昇圧する第2のポンプ部を設け、第1
    のポンプ部と第2のポンプ部に使用する羽根車の吸込口
    の向きは逆向きとし、 第2のポンプ部にて、羽根車を収容する内ケーシングに
    は、吸込流路を設け、前記第1のポンプ部から吐出され
    た取扱液を前記環状空間及び該内ケーシングの吸込流路
    を通して内ケーシング内の羽根車に導き、該内ケーシン
    グと前記外筒との間に前記羽根車から吐出された取扱液
    を吐出する吐出流路を形成したことを特徴とするポンプ
    組立体。
  2. 【請求項2】 前記吐出流路から吸込流路への取扱液の
    もれを防止するため、吐出流路を間にはさんで2ヶ所に
    シール部材を設けたことを特徴とする請求項に記載の
    ポンプ組立体。
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