JP3236583B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
装置に関し、詳しくは、半導体集積回路のレイアウト構
造についての技術であって、特に、静電破壊からの保護
と、自動レイアウトに対する適性とを考慮したものに関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置では、周辺部から中
央部へ順に電極と環状配線および入出力回路と内部回路
とを配置し、電極から内部回路に至る各電力配線を該当
環状配線に途中で接続しておくことで、入出力回路の保
護回路や内部回路の自動設計率を高めて来た(図5や、
特開平5−145015号公報の従来技術欄も参照)。
なお、その保護回路としては、入出力回路に随伴して電
源・接地ライン間に形成されたもの(図6参照)や、入
出力ラインを介するもの(特開平10−74893号公
報の従来例等)が用いられる。また、静電破壊への保護
機能を強化すべく、保護回路を長い領域に形成したもの
も知られている(特開平6−224372号公報)。
【0003】そのような半導体集積回路装置のうち、図
5に示したICチップ1について詳述する。図5は、そ
の構造を示し、(a)が概要レイアウト図であり、
(b)が要部を斜視図風に示した模式図である。また、
図6は、その入出力回路における保護回路部分の構造を
示し、(a)が縦断面模式図であり、(b)が、接地端
子や電源端子への放電を考慮したときの等価回路であ
る。さらに、図7は、全体回路について、接地端子等へ
の放電を考慮したときの等価回路であり、(a)が、空
間上の相対位置を優先した図であり、(b)が、放電経
路を優先した図である。
【0004】ICチップ1は、一般に、主表面に集積回
路を形成したシリコンウエハ等の半導体基板をダイシン
グして、四辺形の薄板にされるが、その集積回路のレイ
アウト設計に際しては、四辺に沿った周辺部に、ボンデ
ィングパッド等の外部接続用の電極2,3,4を多数配
置して、その大部分を信号入出力用のI/Oパッド2に
割り当てるとともに、外部から内部回路8やI/O回路
7に動作電力を供給するために残りの電極の幾つかには
対をなす電源用のVddパッド3及び接地用のGNDパ
ッド4も割り当てる。その内側には、アルミニウム等の
配線パターンでループ状に形成されたVddライン5
(環状配線)と、さらにその内側で一巡するGNDライ
ン6(環状配線)とが配置される。しかも、それらの環
状配線5,6の間や下層には、後述するI/O回路7
(入出力回路)が配置される。そして、残りの中央部に
は、内部回路8が配置される。
【0005】それから、Vddパッド3(電源用の電
極)から内向きに延びてVddライン5(該当環状配
線)に接続される外側Vddライン5aと、さらにGN
Dライン6を越えて内向きに延びる中間Vddライン5
bと、そこから更に延びたり分岐したりして内部回路8
に展開される内側Vddライン5cとが配置されて、対
をなす電力配線のうちの一方の電力配線が出来上がる。
また、他方の電力配線は、GNDパッド4(接地用の電
極)から内向きに延びVddライン5を越えてGNDラ
イン6(該当環状配線)に接続される外側GNDライン
6aと、さらに内向きに延びる中間GNDライン6b
と、そこから更に延びたり分岐したりして内部回路8に
展開される内側GNDライン6cとが配置されて、出来
上がる。
【0006】これらの電力配線のうち外側Vddライン
5a及び中間Vddライン5bと外側GNDライン6a
及び中間GNDライン6bは、大概、ほぼ直線状の単純
なパターンのものとなっている。また、これらの電力配
線や環状配線5,6は、内側Vddライン5cや内側G
NDライン6cの分岐ライン・支線よりも、太いものと
なっている。なお、図5(b)の図示に際し、電力配線
5a,5b,6a,6bをボンディングワイヤのように
示したが、これは立体感を強調して接続状態等を明示し
たためであり、実際には多層の配線パターンで形成され
ることが多い。
【0007】また、I/O回路7(図6(a)参照)の
領域には、一般に、素子分離等のために多数のウェルが
形成され、そこに各種の入出力信号を駆動するトランジ
スタ等が作り込まれるが、その駆動電力を得るとともに
不都合な逆バイアス等から素子を保護するために、正負
の電源電圧のラインや接地ライン等への接続がなされる
とともに、その接続箇所にはPN接合等によるダイオー
ド7aが明示的に或いは寄生して設けられる。その接続
先としては、上層に配置されるVddライン5やGND
ライン6が用いられる。そして(図6(b)参照)、こ
のダイオード7a又はそれと同等な逆流阻止手段や、そ
れらに寄生して生じるコンデンサ7b等によって、信号
入出力ラインやGNDライン6等に乗ったサージノイズ
は速やかにVddライン5等へ逃がされるようになって
いる。
【0008】さらに、内部回路8には、種々のアプリケ
ーションに対応して、多数の論理回路やデジタル又はア
ナログの信号処理回路などが形成されるが、それらの動
作電力は、内側Vddライン5cや内側GNDライン6
cから枝分かれした細い配線を介して供給されるように
なっている。
【0009】そして、ICチップ1における各回路は、
大部分がコンピュータ等の設計支援ツールを用いて自動
でレイアウトされる。具体的には、チップサイズやパッ
ド数のデータが設計パラメータとして与えられれば、I
/Oパッド2等の配置や、Vddライン5及びGNDラ
イン6の引き回しが自動的に決められる。また、電力配
線5a〜5c,6a〜6cについても、Vddパッド3
及びGNDパッド4の割付データが設計パラメータとし
て与えられれば、それらのパッド3,4から内部回路8
に至る配線が自動的に決められる。さらに、他の回路
7,8や、そこに至る電力配線の分岐配線等も、アプリ
ケーションに対応した他の設計パラメータに基づいて、
自動レイアウトされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
レイアウト(図5参照)の半導体集積回路装置の場合、
接地用電極4に接続されている接地端子や電源用電極3
に接続されている電源端子への静電気放電を考慮したと
き、その等価的な回路では(図7参照)、それらの電力
供給用電極3,4に対して、空間的には入出力回路7の
方が内部回路8より近いのに(図7(a)参照)、電気
回路・電子回路的には内部回路8の方が入出力回路7よ
りも近い(図7(b)参照)。このため、環状配線5,
6等に分布する抵抗分やインダクタンス等からなる寄生
抵抗5d,6dが内部回路8に対してよりも入出力回路
7に対して大きく作用して、その電極4等に乗った放電
等のサージノイズが多少は内部回路8へも漏れていた
が、従来は、上述したレイアウト構造(図5参照)で間
に合っていた。
【0011】しかしながら、内部回路の微細化が一段と
進んで来たことにより、内部回路の耐性が一層低下して
来たことから、このままでは、内部回路が接地端子や電
源端子への静電気放電等から十分に保護されなくなって
しまうので、不都合である。そのため、特開平6−22
4372号公報記載の技術を利用する等のことも考えら
れるが、この技術は、電力配線上に始端の存在を前提と
するため、環状配線を前提とする技術と折り合いがつか
ない。また、保護回路形成領域の長さを設定してやらな
いとならないため、パラメータが増え、自動設計に適さ
ない。
【0012】そこで、自動レイアウトの利便性を損なう
こと無く、静電破壊に対する内部回路の保護機能を強化
することが、課題となる。この発明は、このような課題
を解決するためになされたものであり、静電破壊に強く
自動設計にも適した半導体集積回路装置を実現すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第3の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0014】[第1の解決手段]第1の解決手段の半導
体集積回路装置は(、出願当初の請求項1に記載の如
く)、周辺部から中央部へ順に(、ボンディングパッド
やバンプ等からなる多数の)電極と(、電源配線や接地
配線などの複数の)環状配線および(多数の)入出力回
路と(、全部または一部の回路素子が前記入出力回路の
ものより微細なものからなっている)内部回路とが配置
されている半導体集積回路装置において、前記電極(の
うち電力供給用に割り当てられた対の又は複数の電極)
から前記環状配線を経て(直接または間接的に)前記内
部回路に至る電力配線のうち(電源配線と接地配線との
対や正負の電源用の配線など)対をなすものが、(その
対の一方または他方である)自己の該当電極よりも(そ
の対の他方または一方である)相手方の該当電極に近い
ところで該当環状配線から前記内部回路に接続されてい
る、というものである。
【0015】このような第1の解決手段の半導体集積回
路装置にあっては、電力供給用電極から内部回路に至る
電力配線が、途中で、従来のように環状配線に対して単
に接続されるだけで無く、電力供給用電極と環状配線と
の接続位置から環状配線の一部または全部を通り、それ
から、相手方の該当電極に近づいた環状配線と電力供給
用電極との接続位置のところで環状配線を離れることと
なる。
【0016】これにより、対の電力配線の接続位置関係
が環状配線を利用して入れ替わることとなる。さらに、
その入れ替わりの結果として、入れ替わった接続位置の
間に存在している入出力回路は、回路的に見ても、電力
配線上あるいは電力供給経路上で、内部回路と電力供給
用電極との間に移って来る。
【0017】そして、電力供給用電極にサージノイズ等
が印加されても、入れ替わったところの入出力回路の保
護回路がノイズを逃がすよう先に働くので、そのサージ
ノイズ等のうち内部回路まで達するような漏れの量は、
少なくなる。また、そのようなレイアウト変更には新た
なパラメータを必要としないので自動設計が損なわれる
ことは無い。したがって、この発明によれば、静電破壊
に強く自動設計にも適した半導体集積回路装置を実現す
ることができる。
【0018】[第2の解決手段]第2の解決手段の半導
体集積回路装置は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、周辺部から中央部へ順に(、ボンディングパッド
やバンプ等からなる多数の)電極と(、電源配線や接地
配線などの複数の)環状配線および(多数の)入出力回
路と(、全部または一部の回路素子が前記入出力回路の
ものより微細なものからなっている)内部回路とが配置
されている半導体集積回路装置において、前記電極(の
うち電力供給用に割り当てられた対の又は複数の電極)
から前記環状配線を経て(直接または間接的に)前記内
部回路に至る電力配線のうち(電源配線と接地配線との
対や正負の電源用の配線など)対をなすものに関して、
(その対のうち)一方の電力配線における該当環状配線
から前記内部回路への接続位置が(その対のうち)他方
の電力配線における該当電極から該当環状配線への接続
位置に対応しており、且つ、(その対のうち)前記他方
の電力配線における該当環状配線から前記内部回路への
接続位置が(その対のうち)前記一方の電力配線におけ
る該当電極から該当環状配線への接続位置に対応してい
る、というものである。
【0019】このような第2の解決手段の半導体集積回
路装置にあっては、電力供給用電極から内部回路に至る
電力配線が、途中で環状配線の一部または全部を通り、
それから、相手方の該当電極に対応した接続位置のとこ
ろで環状配線を離れるので、対の電力配線の接続位置関
係が環状配線を利用して入れ替わることとなる。しか
も、電力供給用電極と環状配線との接続位置を決めるの
に必要なパラメータが与えられれば、環状配線と電力供
給用電極との接続位置も、そのパラメータに対応してい
るので、自動的に決まることとなる。
【0020】これにより、環状配線を利用して対の電力
配線の接続位置関係が入れ替わるのに加えて、入れ替え
る際の対応関係も明確になる。そして、入れ替えを除け
ば各接続位置は従来とほとんど変わらないことから、自
動レイアウトに必要なパラメータ等の相違が設定済みパ
ラメータ値のコピーやスワップ等の機械的な処理で解消
されるので、従来の設計ツールの変更作業が簡単に行え
る。したがって、この発明によれば、静電破壊に強く自
動設計にも適した半導体集積回路装置を簡便に実現する
ことができる。
【0021】[第3の解決手段]第3の解決手段の半導
体集積回路装置は(、出願当初の請求項3に記載の如
く)、上記の第2の解決手段の半導体集積回路装置であ
って、前記の対をなす電力配線が、接続位置の(うち少
なくとも外側の該当環状配線から前記内部回路への接続
位置と該当電極から内側の該当環状配線への接続位置と
の)対応箇所で(少なくとも内外の該当環状配線を横切
る部分は)並走可能に(なる横方向等に)ずれている、
というものである。
【0022】このような第3の解決手段の半導体集積回
路装置にあっては、対をなす電力配線が環状配線との接
続箇所で重なるようなときに相互絶縁のため絶縁層を挟
んで上下に配線層を増やすと半導体製造工程が増えてコ
ストアップを招来してしまうところ、そのような接続箇
所では、対をなす電力配線が並走可能にずれて配置され
ることとなる。なお、そのずれ量等は、対をなす電力配
線を並べる際に絶縁可能なだけ離す距離などを基準にし
て、予め一意に定めておけるので、電力配線をずらすこ
とが接続位置の対応関係を損ねたり自動レイアウト処理
を妨げたりすることは無い。
【0023】これにより、環状配線を利用して対の電力
配線の接続位置関係が入れ替わるとともに、入れ替わっ
ても電力配線は重ならないので、配線層は増やさ無いで
済ませられる。したがって、この発明によれば、静電破
壊に強く自動設計にも適した半導体集積回路装置を簡便
に而も安価に実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の半導体集積回路装置について、これを実施する
ための具体的な形態を、以下の第1〜第3実施例によ
り、説明する。図1及び図2に示した第1実施例、図3
に示した第2実施例、図4に示した第3実施例は、何れ
も、上述した第1〜第3の解決手段を総て具現化したも
のとなっている。なお、それらの図示に際し従来と同様
の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複す
る再度の説明は割愛し、以下、図5及び図6に示した従
来例との相違点を中心に述べる。
【0025】
【第1実施例】本発明の半導体集積回路装置の第1実施
例について、その具体的な構成およびレイアウト手法等
を、図面を引用して説明する。図1は、その構造を示
し、(a)が概要レイアウト図であり、(b)が要部を
斜視図風に示した模式図である。なお、この図1は従来
例の図5に対応したものとなっている。
【0026】このICチップ10(半導体集積回路装
置)が従来例のICチップ1と相違するのは、中間GN
Dライン6bがGNDライン6のところで外側GNDラ
イン6aから分離されて以前に中間Vddライン5bの
在ったところへ移された点と、中間Vddライン5bが
Vddライン5のところで外側Vddライン5aから分
離されて以前に中間GNDライン6bの在ったところの
隣へ移された点である。また、内側Vddライン5cと
内側GNDライン6cも、それぞれ、接続先の中間Vd
dライン5bと中間GNDライン6bに随伴して、該当
ラインの延長線上に移されている。
【0027】外側Vddライン5aは外側のVddライ
ン5に接続されたところで止まりGNDライン6には至
らず中間GNDライン6bと干渉しないので、中間GN
Dライン6bは外側Vddライン5aの延長線上に位置
してGNDライン6に接続されるが、外側GNDライン
6aは内側のGNDライン6まで延びて接続される一
方、中間Vddライン5bはGNDライン6を跨いで外
側のVddライン5に接続されるため、中間Vddライ
ン5bは、外側GNDライン6aと干渉するので、可能
であれば外側Vddライン5aより遠い方へ、そうでな
ければ近い方へ、絶縁分離可能な所定距離だけ、あるい
はそれ以上、ずらして配置される。
【0028】また、そのようなレイアウトを自動で行え
るよう、ICチップ10の設計支援ツールは、従来の処
理に加えて、中間Vddライン5bや内側Vddライン
5cの配置データの一部を外側GNDライン6aの該当
データで置き換えたり、中間GNDライン6bや内側G
NDライン6cの配置データの一部を外側Vddライン
5aの該当データで置き換える、といった処理も行う。
また、その置き換えによって外側Vddライン5aと中
間GNDライン6bとが干渉することになったり外側G
NDライン6aと中間Vddライン5bとが干渉するこ
とになったりすることもあるので、そのチェックを行う
とともに、干渉を避けるために必要であれば中間Vdd
ライン5bや中間GNDライン6bを所定距離ずらして
配置することも行う。そのように設計支援ツールはプロ
グラムが変更されている。
【0029】そして、このような設計支援ツールに対
し、従来と同じ設計パラメータを与えれば、従来のIC
チップ1で無く上記のICチップ10のレイアウトが自
動的に出来上がる。その際、電力供給用に割り当てられ
複数の電極3,4のうち環状配線5,6を経て内部回路
8に至る一対の電力配線5a〜5c,6a〜6cについ
ても、Vddパッド3及びGNDパッド4の割付データ
は従来通り与えるが、その他の新たなデータは不要であ
る。
【0030】このような自動レイアウト処理によって設
計されたICチップ10にあっては、対の電力配線5a
〜5c,6a〜6cのうち一方の電力配線5a〜5cに
おける該当環状配線5から内部回路8への接続位置すな
わち中間Vddライン5bの接続点が、その対のうち他
方の電力配線6a〜6cにおける該当電極4から該当環
状配線6への接続位置すなわち外側GNDライン6aの
接続点に対応している。さらに、他方の電力配線6a〜
6cにおける該当環状配線6から内部回路8への接続位
置すなわち中間GNDライン6bの接続点が、一方の電
力配線5a〜5cにおける該当電極3から該当環状配線
5への接続位置すなわち外側Vddライン5aの接続点
に対応している。
【0031】しかも、それらの接続位置に関する対応箇
所のうち、外側GNDライン6aと中間Vddライン5
bとの対応箇所では、双方のラインが内外の該当環状配
線5,6を横切るように跨いでいるが、そこの部分で
は、中間Vddライン5bが少し横にずれていて、両ラ
イン6a,5bが同じ高さで並走している。これによ
り、ICチップ10は、環状配線5,6ばかりか電力配
線5a〜5c,6a〜6cについても、配線層の段数が
従来のICチップ1と同じで済むものとなっている。そ
して、電力配線5a〜5c,6a〜6c等のパターン変
更に対応したレチクルの入れ替え等は別として、従来品
と同じ半導体プロセスを経て、ICチップ10が出来上
がる。
【0032】この第1実施例の半導体集積回路装置につ
いて、その使用時の動作を、図面を引用して説明する。
図2は、接地端子や電源端子への放電を考慮したときの
等価回路を示し、(a)が空間上の相対位置を優先した
図であり、(b)が放電経路を優先した図である。な
お、この図2は解決課題の図7に対応している。
【0033】このICチップ10では、Vddパッド3
及びGNDパッド4から内部回路8に至る電力供給経路
に、それぞれ、Vddライン5及びGNDライン6のう
ち外側Vddライン5aと外側GNDライン6aとの間
に位置する部分が、入り込んでいる。すなわち、Vdd
パッド3からは、外側Vddライン5aの後、その間の
Vddライン5を経由してから、中間Vddライン5b
に至る。また、GNDパッド4からは、外側GNDライ
ン6aの後、その間のGNDライン6を経由してから、
中間GNDライン6bに達するのである。
【0034】そして、この場合、電力供給用電極である
Vddパッド3やGNDパッド4への静電気放電を考慮
したときの等価的な回路においては(図2参照)、それ
らのパッド3,4に対し、空間的にI/O回路7の方が
内部回路8より近いばかりか(図2(a)参照)、電気
回路・電子回路的にも外側Vddライン5aと外側GN
Dライン6aとの間のI/O回路7の方が内部回路8よ
り近い(図2(b)参照)。そのため、環状配線5,6
等に分布する抵抗分やインダクタンスからなる寄生抵抗
5d,6dが内部回路8に対して従来よりも大きく作用
して、特に外側Vddライン5aと外側GNDライン6
aとの間に有る入出力回路7に対してよりも大きく作用
するので、放電等によるサージノイズは、そこのダイオ
ード7aやコンデンサ7bさらにはそこを並走する環状
配線5,6間の寄生容量などを介して速やかに逃がさ
れ、内部回路8にまで漏れて来るのは、少なくなる。
【0035】
【第2実施例】図3にレイアウトの概要を示したICチ
ップ30(半導体集積回路装置)が上記のICチップ1
0と相違するのは、GNDライン6と内部回路8との間
にGNDライン31及びVdd’ライン32からなる他
の一対の環状配線が追加配置された点と、GNDライン
6とVdd’ライン32との間に降圧回路33が追加配
置された点である。
【0036】GNDライン31及びVdd’ライン32
は、GNDライン6及びVddライン5と同じか少し細
めの配線パターンにて形成される。降圧回路33は、適
宜のDC−DCコンバータ等からなり、例えば、I/O
回路7の駆動に直接用いられる5Vや3V等の電圧(V
dd)から、内部回路8の駆動に適した2V等の電圧
(Vdd’)を生成するようになっている。
【0037】そして、それらの追加等に対応して、中間
GNDライン6bは、途中でGNDライン31に接続さ
れる。また、中間Vddライン5bは、途中に降圧回路
33が挿入されるとともに、その先でVdd’ライン3
2にも接続されている。なお、中間Vddライン5bと
中間GNDライン6bとを入れ替えた配置状態は、維持
されている。
【0038】この場合、環状配線が一対よりも多く設け
られており、電力配線5a,5b,5cは、環状配線5
を経て内部回路8に至る途中に降圧回路33を介在させ
ていて、間接的に連なるものとなっているが、Vddパ
ッド3やGNDパッド4への静電気放電を考慮したとき
の等価的な回路は、第1実施例のものと同様であり(図
2参照)、やはり、上述したようにして、放電等による
サージノイズの漏れ量は減少することとなる。
【0039】
【第3実施例】図4にレイアウトの概要を示したICチ
ップ40(半導体集積回路装置)が上記のICチップ1
0と相違するのは、Vddパッド3が右辺のところから
対向する左辺に移っている点である。そして、それに対
応して、自動的に、外側Vddライン5aと中間GND
ライン6bと内側GNDライン6cも左方に移されてい
る。
【0040】この場合、Vddパッド3及びGNDパッ
ド4の割付に際して、両者がICチップ40の中央を基
準とした点対称位置あるいはそれに近いところに来るよ
うに配慮すると、それだけで、ICチップ40のレイア
ウトが自動生成される。
【0041】そして、Vddパッド3やGNDパッド4
への静電気放電を考慮したときの等価的な回路につい
て、I/O回路7の一部だけで無く、環状配線5,6の
全周に対応しているI/O回路7のほとんど全部が、電
気回路・電子回路的に見て、内部回路8よりも、Vdd
パッド3やGNDパッド4に近いものとなる。その結
果、内部回路8へのサージノイズ等の漏れ量は、一段と
減少する。
【0042】
【その他】なお、上記の各実施例で、レイアウト設計
は、理想的な自動レイアウトが行われる場合を述べた
が、本発明は、そのような場合に限らず、半自動や手動
でレイアウトする場合にも、適用することができる。電
力配線5a〜5c,6a〜6cの接続位置は、入れ替え
が有っても、入れ替えが無いときのデータから直ちに或
いは僅かな演算で簡単に判明するので、本発明は何れの
場合でも有益である。
【0043】また、ICチップ10,30,40は、シ
リコンに限らず、他の半導体から製造されるものであっ
ても良い。さらに、ベアチップのままでも良く、適宜の
プラスチックパッケージやセラミックパッケージ等に封
入されていても良い。電極2,3,4は、ボンディング
パッドに限らず、バンプや、TAB接続部などであって
も良い。GNDパッド4は、接地に限らず、正または負
の電源電圧が印加されるようになっていても良い。配線
5,5a,5b,5c,6,6a,6b,6cは、アル
ミニウム配線に限らず、銅等の金属やその他の良導体か
らなる配線であっても良い。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の半導体集積回路装置にあっては、環
状配線を利用して対の電力配線の接続位置関係を入れ替
えるようにしたことにより、入れ替わった接続位置の間
に存在している入出力回路が回路的に見て内部回路と電
極との間に移って来て、サージノイズ等の漏れ量が減少
するうえ、自動レイアウトに必要なパラメータの増加は
回避されるので、静電破壊に強く自動設計にも適した半
導体集積回路装置を実現することができたという有利な
効果が有る。
【0045】また、本発明の第2の解決手段の半導体集
積回路装置にあっては、環状配線を利用して対の電力配
線の接続位置関係を入れ替えるとともにその際の対応関
係が明確になるようにしたことにより、入れ替えを除き
各接続位置が従来とほぼ同じで設計ツールの変更作業が
簡単に行えるので、静電破壊に強く自動設計にも適した
半導体集積回路装置を簡便に実現することができたとい
う有利な効果を奏する。
【0046】さらに、本発明の第3の解決手段の半導体
集積回路装置にあっては、環状配線を利用して対の電力
配線の接続位置関係を入れ替えるとともに入れ替えても
電力配線が重ならないようにしたことにより、配線層を
増やさ無いで済むので、静電破壊に強く自動設計にも適
した半導体集積回路装置を簡便に而も安価に実現するこ
とができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体集積回路装置の第1実施例に
ついて、(a)は概要レイアウト図、(b)は要部を斜
視図風に示した模式図である。
【図2】 接地端子等への放電を考慮したときの等
価回路であり、(a)は空間上の相対位置を優先した図
であり、(b)は放電経路を優先した図である。
【図3】 本発明の半導体集積回路装置の第2実施例に
ついて、その概要レイアウト図である。
【図4】 本発明の半導体集積回路装置の第3実施例に
ついて、その概要レイアウト図である。
【図5】 従来の半導体集積回路装置について、(a)
は概要レイアウト図、(b)は要部を斜視図風に示した
模式図である。
【図6】 その入出力回路における保護回路の一般
的構造を示し、(a)はICの縦断面模式図、(b)は
接地端子への放電を考慮したときの等価回路である。
【図7】 解決課題を想起させた、接地端子等への放電
を考慮したときの等価回路であり、(a)は空間上の相
対位置を優先した図であり、(b)は放電経路を優先し
た図である。
【符号の説明】
1 ICチップ(半導体集積回路装置) 2 I/Oパッド(外部端子等の接続部、信号入
出力用の電極) 3 Vddパッド(外部端子等の接続部、電源用
の電極) 4 GNDパッド(外部端子等の接続部、接地用
の電極) 5 Vddライン(電源用の環状配線) 5a 外側Vddライン(電力配線) 5b 中間Vddライン(電力配線) 5c 内側Vddライン(電力配線) 5d 寄生抵抗 6 GNDライン(接地用の環状配線) 6a 外側GNDライン(電力配線) 6b 中間GNDライン(電力配線) 6c 内側GNDライン(電力配線) 6d 寄生抵抗 7 I/O回路(入出力回路) 7a ダイオード(保護回路) 7b コンデンサ(保護回路) 8 内部回路 10 ICチップ(半導体集積回路装置) 30 ICチップ(半導体集積回路装置) 31 GNDライン(接地用の内側環状配線) 32 Vdd’ライン(電源用の内側環状配線) 33 降圧回路 40 ICチップ(半導体集積回路装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/04 H01L 21/822 H01L 21/82

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周辺部から中央部へ順に電極と環状配線お
    よび入出力回路と内部回路とが配置されている半導体集
    積回路装置において、前記電極から前記環状配線を経て
    前記内部回路に至る電力配線のうち対をなすものが、自
    己の該当電極よりも相手方の該当電極に近いところで該
    当環状配線から前記内部回路に接続されていることを特
    徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】周辺部から中央部へ順に電極と環状配線お
    よび入出力回路と内部回路とが配置されている半導体集
    積回路装置において、前記電極から前記環状配線を経て
    前記内部回路に至る電力配線のうち対をなすものに関し
    て、一方の電力配線における該当環状配線から前記内部
    回路への接続位置が他方の電力配線における該当電極か
    ら該当環状配線への接続位置に対応しており、且つ、前
    記他方の電力配線における該当環状配線から前記内部回
    路への接続位置が前記一方の電力配線における該当電極
    から該当環状配線への接続位置に対応していることを特
    徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】前記の対をなす電力配線が、接続位置の対
    応箇所で並走可能にずれていることを特徴とする請求項
    2記載の半導体集積回路装置。
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