JP3231431B2 - 1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジクロロエタンの1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンへの異性化方法 - Google Patents

1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジクロロエタンの1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンへの異性化方法

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C17/35Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions not affecting the number of carbon or of halogen atoms in the reaction
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、1,1,2−トリフルオロ−
1,2−ジクロロエタン(以下、A123aと呼ぶ)を
1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタン
(以下、A123と呼ぶ)に異性化するための方法に関
する。特に、本発明は、A123aをA123に異性化
することにより、A123aとA123および場合によ
り他のクロロフルオロカーボンとの混合物からA123
aを除去する方法に関する。
【0002】A123aをできるだけ含まずにA123
を製造するための工業的製法が要請されている。
【0003】その様な製法は、例えばA123を発泡剤
として使用するポリウレタンフォームの製造業者により
要請されている。その様な用途では、発泡剤中に含まれ
るA123aが分解してHClが形成され、これが設備
の金属回路を腐食させる。
【0004】A123を製造するための工業的に最も興
味ある方法は、好適な触媒の存在下、気相中でのテトラ
クロロエチレンのフッ化水素化をベースとする方法であ
る。
【0005】その様な製法は例えば米国特許第4,76
6,260号に記載されている。
【0006】その様な製造方法では、反応条件に応じて
常に5〜20%の量のA123aが生じる。その様な生
成物をA123から蒸留分離するのは困難である。
【0007】原理的には、例えば高温(約360℃)を
使用することにより、A123aの生成を最小に抑える
様な条件下で反応を行うことは可能であるが、その様な
条件下では、A123へのプロセス選択性が非常に低く
なり、副生成物の量が多くなり過ぎる。
【0008】また、A123およびA123aの混合物
を、その製造に使用するのと同じ触媒の存在下で、無水
HFで処理し、A123aを優先的に1,1,1,2−
テトラフルオロ−2−クロロエタン(A124)にフッ
素化することにより、最終反応生成物中のA123a含
有量を低下させることも可能である。
【0009】しかし、その様な反応の選択性は十分に高
くはなく、相当量のA123もフッ素化される。
【0010】ここで本発明者は、驚くべきことに、A1
23aを単独で、またはA123および/または他のク
ロロフルオロカーボンとの混合物の形態で、気相中で、
三フッ化アルミニウム(AlF3 )からなる触媒と、1
80〜400℃、好ましくは220〜320℃の温度で
接触させることによる、本発明の目的であるA123a
のA123への転化方法を発見した。
【0011】ここで触媒として使用する三フッ化アルミ
ニウムは、一般的に、β、Δおよび/またはγの結晶形
態で存在する。しかし、少量の他の結晶形態も有害では
ない。
【0012】該AlF3 は、アルミナ(Al2 3 )を
無水HFまたは他のフッ素化剤でフッ素化することによ
り得られるか、あるいはこの分野における他の方法、例
えばNa3 AlF6 の熱分解により製造することもでき
る。
【0013】Al2 3 をフッ素化する場合、得られる
AlF3 の表面積は15〜30 m2/gであり、粒子径は
20〜200ミクロン(平均80ミクロン)である。
【0014】AlF3 の表面積は本発明の方法にとって
限定的ではないが、表面積の大きい、例えば15〜30
m2 /gのAlF3 が望ましい。
【0015】その様なAlF3 をAl2 3 の無水HF
によるフッ素化により得る場合、絶対必要というわけで
はないが、その中に含まれるアルミナの少なくとも90
%がフッ素化された状態で存在するのが好ましい。
【0016】本発明の方法で触媒として使用するAlF
3 は、その活性を高めるために、少量の(触媒に対して
計算して1重量%を超えない)遷移金属、好ましくはF
e、Ni、Co、Mnを加えることにより、変性するこ
とができる。
【0017】好ましくは、本発明の方法は、テトラクロ
ロエチレンを気相中でHFでフッ素化する方法で得られ
る、主としてA123および場合により他のクロロフル
オロカーボンとA123aとの混合物中のA123aの
異性化に使用する。
【0018】事実、その様な反応から得られる気体状混
合物中に存在する異性体A123aおよびA123以外
の生成物、例えばA124(CF3 CHClF)はA1
23aの異性化を妨げない。このことは、異性化反応の
前にその様な生成物の精確な蒸留を行う必要がないの
で、実際的に非常に有利である。他方、反応混合物が異
性化反応器中に直接流入することにより、反応混合物中
に存在する、該異性体以外の物質の含有量を敏感に変化
させないので、それはそのまま回収でき、またはA12
3製造に循環使用することができる。
【0019】本発明の方法には、A123aと触媒の接
触時間は特に重要ではない。一般的に接触時間は5〜1
00秒間、好ましくは20〜50秒間に維持される。
【0020】圧力も特に重要ではなく、大気圧か若しく
はそれ以上の圧力でよい。
【0021】下記の実施例により本発明を説明するが、
本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】実施例1 インコネル600製の、内径5cm、長さ80cmで、焼結
インコネル600の多孔質底部を備え、加熱素子により
加熱した管状反応器に、300cc(340g)の、比表
面積が約20 m2 /gのAlF3 を入れた。その様なAl
3 は、Al23 を、Al2 3 の90%がフッ素化
されるまで無水HFでフッ素化して製造した。触媒は、
貯蔵中に吸収された湿分を除去するために、無水HFに
より250℃で2時間処理した。
【0023】約100 g/hの、14.5モル%のA12
3a、63.9モル%のA123および21.6モル%
の他の有機クロロフルオロカーボン、主としてA124
を含む混合物を240℃の温度で供給した。
【0024】反応器から出る気体は、微量の酸性物質を
除去するために水中に通し、乾燥させ、低温トラップ中
で凝縮させ、次いでガスクロマトグラフィー(G.
C.)で分析した。
【0025】得られた結果を表1Aに示す。
【0026】60〜65時間の運転後、触媒は消耗現象
を示したが、その活性(A123に異性化されるA12
3a分率として表される)は、温度を270℃に上げる
ことにより、表1Bに示す様に供給されたA123(異
性体の合計)と回収されたA123との間の比率として
表される選択性に影響することなく、再生することがで
きた。
【0027】温度をさらに上げることにより(表1
C)、触媒が消耗したときの活性を維持することがで
き、選択性の損失は無視できる程であった。最後に、4
30℃での空気処理、続く300℃での無水HFによる
再フッ素化による触媒の再生処理により、本来の活性が
十分に再生された(表1D)。
【0028】実施例2 実施例1と同じ反応器に実施例1と同じ特性を有する3
00ccのAlF3 を入れた。触媒に予備的なフッ化水素
化処理をせずに、試薬混合物を供給した。実施例1と同
様に操作し、表2に示す結果が得られた。
【0029】実施例3 実施例1と同じ反応器に、400℃で3時間空気処理
し、次いで無水HFにより400℃で2時間フッ素化し
た、310ccの同じAlF3 を入れた。実施例1と同様
に操作し、表3に示す結果が得られた。
【0030】実施例4 実施例1の反応器に、0.12重量%のFe2 3 の形
態の鉄を含み、無水HFにより300℃で2時間処理し
た、310ccのフッ化アルミニウムを入れた。実施例1
と同様に操作し、表4に示す結果が得られたが、これら
の結果から活性がはるかに高いことが明らかである。
【0031】 表1A 反応温度=240℃、t=38” 運転時間 供給 1.5 4 13 21 24.5 29.5 40 57.5 66 80 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 14.5 4.2 2.3 5.2 4.5 4.3 4.0 5.0 4.4 9.8 10.2 A123 63.9 75.8 75.6 73.3 74.4 74.9 75.0 74.1 75.0 69.1 68.8 その他 21.6 20.0 22.1 21.5 21.1 20.8 21.0 20.9 20.6 21.1 21.0
【0032】 表1B 反応温度=270℃、t=36” 運転時間 供給 88 91.5 103.5 107 111 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 14.5 2.3 1.8 1.9 3.4 4.5 A123 63.9 75.6 77.3 77.6 76.0 73.8その他 21.6 22.1 20.9 20.5 20.6 21.7
【0033】 表1C 反応温度=280℃〜320℃、(t=それぞれ36”〜33”) 運転時間 供給 116 129 133 157 161 164 178 181 184 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 14.7 3.1 2.2 2.5 2.5 2.7 2.3 2.5 2.7 3.0 A123 65.9 76.8 77.7 77.4 77.3 77.5 77.0 76.5 76.3 79.6その他 19.4 20.1 20.1 20.1 20.2 19.8 20.7 21.0 21.0 19.4
【0034】 表1D 再生後−反応温度=11運転時間を超えない試験については280℃ 26運転時間を超えない試験については240℃ (t=それぞれ36”および38”) 運転時間 供給 4 7 11 24 26 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 10.6 0.3 0.2 0.2 5.0 2.3 A123 65.4 72.1 72.8 74.2 73.1 75.6その他 24.0 27.6 27.0 25.6 21.9 22.1
【0035】 表2 反応温度=11運転時間を超えない試験については240℃、t=38” 反応温度=その他の試験については280℃、t=36” 運転時間 供給 3 7.5 11 14 18 23 26 30 33 38 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 14.1 13.2 7.5 7.0 0.9 1.3 0.4 0.4 0.3 0.5 0.8 A123 70.2 71.6 78.0 78.0 85.0 85.1 85.2 85.4 84.6 84.3 84.2 その他 15.7 15.2 14.5 15.0 14.1 13.6 14.6 14.2 15.1 15.2 14.5
【0036】 表3 反応温度=12運転時間を超えない試験については280℃、t=37” 反応温度=その他の試験については260℃、t=38” 運転時間 供給 2 4.5 12 25 29 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 10.6 0.2 0.2 0.2 0.6 0.3 A123 65.4 73.2 75.6 74.8 79.0 72.7その他 24.0 26.6 24.2 25.0 20.4 27.0
【0037】 表4 反応温度=7.5運転時間を超えない試験については260℃、t=38” 反応温度=13.5運転時間を超えない試験については240℃、t=40” 反応温度=その他の試験については220℃、t=41” 運転時間 供給 3.5 7.5 9 13.5 16.5 20 (モル%) 得られた生成物(モル%) A123a 14.1 0.6 0.1 0.6 0.6 0.3 1.4 A123 70.2 69.6 57.4 76.1 75.3 77.4 77.2その他 15.7 29.2 42.5 23.7 24.1 22.3 21.4
フロントページの続き (72)発明者 アントニオ、マシエロ イタリー国パドバ、スタンゲラ、ビア、 マルケシ、29/4 (56)参考文献 特開 平3−284637(JP,A) 特開 平2−108639(JP,A) 特開 昭53−121710(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/00 C07C 19/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジク
    ロロエタンを1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジク
    ロロエタンに異性化する方法であって、1,1,2−ト
    リフルオロ−1,2−ジクロロエタンを、気相中で、A
    lF3 からなるか、またはAlF3 を含む触媒と200
    〜400℃の温度で接触させるものであり、前記触媒が
    Al23 を無水HFでAl23 の90%以上がフッ素
    化されるまでフッ素化することにより調製されたもので
    あることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記温度が220〜320℃の範囲内であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】触媒が、Fe、Mn、Co、Niから選択
    された一つ以上の遷移金属を含むことを特徴とする、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジク
    ロロエタンが1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジク
    ロロエタンとの混合物であることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジク
    ロロエタンが、ペルクロロエチレンのフッ化水素化によ
    る1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタン
    の製造時に得られる反応混合物中に含まれるものである
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の方法。
JP30603692A 1991-10-18 1992-10-19 1,1,2−トリフルオロ−1,2−ジクロロエタンの1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンへの異性化方法 Expired - Fee Related JP3231431B2 (ja)

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