JPH10287595A - ヘキサフルオロエタンの精製方法 - Google Patents

ヘキサフルオロエタンの精製方法

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JPH10287595A
JPH10287595A JP9098891A JP9889197A JPH10287595A JP H10287595 A JPH10287595 A JP H10287595A JP 9098891 A JP9098891 A JP 9098891A JP 9889197 A JP9889197 A JP 9889197A JP H10287595 A JPH10287595 A JP H10287595A
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zeolite
pore diameter
hfc
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敏夫 大井
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    • Y02P20/155Perfluorocarbons [PFC]; Hydrofluorocarbons [HFC]; Hydrochlorofluorocarbons [HCFC]; Chlorofluorocarbons [CFC]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオ
ロカーボン類(HFC類)を不純物として含有するヘキ
サフルオロエタン(FC−116)を精製してHFC類
を殆ど含有しない高純度FC−116を得る簡便かつ経
済的で工業的に有利な精製方法を提供する。 【解決手段】 前記HFC類を主として含有するFC−
116を平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アル
ミニウム比が2.0以下のゼオライトおよび/または平
均細孔径が3.5Å〜11Åの炭素質吸着剤(モレキュ
ラーシービングカーボン)からなる吸着剤と接触させて
前記HFC類を吸着除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘキサフルオロエタ
ン(以下、「FC−116」、または「CF3 CF3
と称す)の精製方法に関し、さらに詳しくは不純物とし
て分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボ
ン類(以下、「HFC類」と称す)を含有するFC−1
16を精製して、不純物のHFC類を低減する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】FC−116は、例えば半導体のドライ
エッチング用などに使用されるため、高純度品が要求さ
れている。このFC−116の製造方法に関しては、従
来から様々な方法が提案されている。具体的には、例え
ば(1)エタンおよび/またはエチレンを原料とする電
解フッ素化法、(2)四フッ化エチレンなどを熱分解す
る熱分解法、(3)アセチレン、エチレンおよび/また
はエタンなどを金属フッ化物を用いてフッ素化する方
法、(4)ジクロロテトラフルオロエタンやクロロペン
タフルオロエタンなどをフッ化水素を用いてフッ素化す
る方法、(5)フッ素ガスを用いてエタン、ハイドロフ
ルオロカーボンなどと反応させる直接フッ素化法などが
知られている。
【0003】しかしながら、これらの方法によってFC
−116を製造する場合には、反応によって生成するF
C−116の中間体や副生成物、あるいは原料として用
いたハイドロフルオロカーボンが目的物であるFC−1
16と共沸混合物や共沸様混合物を形成するため、その
分離が極めて困難であるという問題がある。
【0004】このため、例えば、不純物として炭素原子
1個を含むクロロトリフルオロメタン(CClF3 )お
よび/またはトリフルオロメタン(CHF3 )を含むF
C−116を活性炭やゼオライトなどの吸着剤で処理す
るFC−116の精製方法(米国特許第5,523,4
99号明細書)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、不純物
として分子内に炭素原子2個を含むHFC類を主として
含有するFC−116を精製してHFC類を殆ど含有し
ない高純度FC−116を製造する簡便かつ経済的で工
業的に有利な方法はなかった。本発明の目的は、不純物
として分子内に炭素原子2個を含むHFC類を含有する
FC−116を吸着剤と接触させてHFC類を吸着除去
して、HFC類を殆ど含有しない高純度FC−116を
容易に経済的にかつ工業的に有利に得ることができる精
製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するため鋭意研究した結果、高純度のFC−11
6を製造する過程において、HFC類を含有するFC−
116を、特定の平均細孔径およびシリカ/アルミニウ
ム比(Si/Al)を有するゼオライトおよび/または
特定の平均細孔径を有する炭素質吸着剤(モレキュラー
シービングカーボン)からなる吸着剤と接触させること
により、HFC類を選択的に吸着除去でき、HFC類を
殆ど含有しない高純度FC−116を容易に得ることが
できることを見いだし本発明を成すに到った。
【0007】すなわち、本発明の請求項1の発明は、不
純物として分子内に炭素原子2個を含むHFC類を主と
して含有するFC−116を平均細孔径が3.5Å〜1
1Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下であるゼオ
ライトおよび/または平均細孔径が3.5Å〜11Åで
ある炭素質吸着剤からなる吸着剤と接触させることによ
り、前記HFC類を低減させることを特徴とするFC−
116の精製方法である。
【0008】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の精製方法において、前記HFC類が、フルオロエタ
ン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフル
オロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよびペンタフ
ルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの化合物であ
ることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載の精製方法において、不純物として分
子内に炭素原子2個を含むHFC類を主として含有する
FC−116が、分子内に炭素原子2個を含むハイドロ
フルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接フッ素
化法により製造されたFC−116であることを特徴と
する。
【0010】
【発明の実施の形態】FC−116の製造方法として、
例えば、分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロ
カーボンであるフルオロエタン(以下、C25 Fと称
す。また、CH2 FCH3 または「HFC−161」と
称す場合がある)とフッ素ガス(F2)を反応させる直
接フッ素化法の場合、下記の式(6)で表される主反応
以外に下記の式(1)〜式(5)で表される反応が進行
する。
【0011】 C25 F + F2 → C242 + HF 式(1) C242 + F2 → C233 + HF 式(2) C233 + F2 → C224 + HF 式(3) C224 + F2 → C2 HF5 + HF 式(4) C2 HF5 + F2 → C26 + HF 式(5) ──────────────────────────────────── C25 F +5F2 → C26 +5HF 式(6)
【0012】このように、目的物であるFC−116以
外に、FC−116の中間体であるジフルオロエタン
(C242 )、トリフルオロエタン(C23
3 )、テトラフルオロエタン(C224 )、ペンタ
フルオロエタン(C2 HF5 、以下、「HFC−12
5」または「CF3 CHF2 」と称す)などの分子内に
炭素原子を2個含むHFC類が生成する。
【0013】そして通常の場合、ジフルオロエタンとし
ては1,1−ジフルオロエタン(以下、「HFC−15
2a」または「CHF2 CH3 」と称す)の生成量が多
く、トリフルオロエタンとしては1,1,1−トリフル
オロエタン(以下、「HFC−143a」または「CF
3 CH3 」と称す)の生成量が多く、テトラフルオロエ
タンとしては1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(以下、「HFC−134a」または「CF3 CH2
F」と称す)の生成量が多い。
【0014】目的物であるFC−116と中間体である
HFC類の大気圧下における沸点を次に示す。
【0015】 HFC−152a(CHF2 CH3 ) −24.2℃ HFC−134a(CF3 CH2 F) −26.5℃ HFC−161 (CH2 FCH3 ) −37.1℃ HFC−143a(CF3 CH3 ) −47.4℃ HFC−125 (CF3 CHF2 ) −48.6℃ FC−116 (CF3 CF3 ) −78.1℃
【0016】FC−116とHFC−134a、FC−
116とHFC−125は共沸様混合物を形成し、ま
た、FC−116とHFC−143a、HFC−16
1、HFC−152aは蒸留操作では極めて分離困難な
物質である。このため、通常の蒸留操作ではこれらの不
純物を極力少なくするために、蒸留塔の段数を増やした
り蒸留塔の本数を多くするなどの対策がとられるが、不
経済となる上、HFC類を殆ど含有しない高純度FC−
116を製造することは極めて困難である。
【0017】本発明においては、FC−116中のHF
C類を選択的に吸着除去するため、平均細孔径が3.5
Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下であ
るゼオライトや平均細孔径が3.5Å〜11Åである炭
素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)からな
る吸着剤を使用する。前記ゼオライトや前記炭素質吸着
剤はそれぞれ単独で使用することも、あるいは両者を任
意の割合で組み合わせて使用することもできる。
【0018】これらの吸着剤を用いて除去可能なHFC
類としては、具体的には、例えばHFC−161、HF
C−152a、HFC−143a、1,1,2,2−テ
トラフルオロエタン(以下、「HFC−134」または
「CHF2 CHF2 」と称す)、HFC−134a、H
FC−152などから選ばれる少なくとも1つの化合物
であり、これらの中でも好ましくはHFC−134、H
FC−134a、HFC−125から選ばれる化合物で
あり、さらに好ましくは、FC−116と共沸様混合物
を形成し蒸留操作では分離困難なHFC−134aおよ
び/またはHFC−125である。
【0019】目的物であるFC−116と不純物のHF
C類の分子径は計算によれば、FC−116が約4.3
Åであるのに対し、例えばHFC−134aは約4.2
Å、HFC−125は約4.2Åであり、FC−116
と不純物のHFC類の分子径の差は小さい。従って、分
子径の差のみによってFC−116中のHFC類を選択
的に吸着除去することは難しいと推測された。
【0020】そこで、本発明者等は吸着剤の極性や孔径
などを考慮し、吸着剤の種類や吸着処理条件などを変化
させるなど、HFC類の選択的吸着除去方法について鋭
意検討を重ねた結果、特に平均細孔径が3.5Å〜11
Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下のゼオライ
ト、例えば4.2Å程度の平均細孔径を有し、シリカ/
アルミニウム比が2.0以下のゼオライトを用いて吸着
操作を行うことで、不純物として約500ppmのHF
C類を含有するFC−116中のHFC類の含有量を低
減できることを見いだし、また前記ゼオライトの種類に
よっては不純物のHFC類の含有量が10ppm以下の
高純度FC−116を得ることが可能であることを見い
だした。
【0021】シリカ/アルミニウム比(Si/Al)が
2.0以下であっても平均細孔径が3.5Å未満、例え
ば3.2Å程度の平均細孔径を有するゼオライトは、H
FC類の含有量の低減は認められなかった。シリカ/ア
ルミニウム比(Si/Al)が2.0以下であっても平
均細孔径が11Åを超える平均細孔径を有するゼオライ
トもHFC類の含有量の低減は認められなかった。また
平均細孔径が3.5Å〜11Åであってもシリカ/アル
ミニウム比(Si/Al)が2.0を超えるゼオライト
もHFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0022】平均細孔径が3.5Å〜11Åの炭素質吸
着剤(モレキュラーシービングカーボン)、例えば約4
Åまたは約5Å程度の平均細孔径を有する炭素質吸着剤
についても同様な検討を行ったところ、HFC類の含有
量を低減できることが認められた。しかし、平均細孔径
が11Åを超える炭素質吸着剤ではHFC類の低減が認
められず、例えば、一般に使用されている強い吸着能を
有する35Å程度の平均細孔径を有する活性炭はHFC
類の低減がほとんど認められなかった。
【0023】FC−116中に含有される不純物のHF
C類の濃度は特に限定されないが、1Vol%以下が好
ましく、更に好ましくは0.1Vol%以下が望まし
い。また、目的とするFC−116の製造方法として
は、例えば前記のように分子内に炭素原子2個を含むハ
イドロフルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接
フッ化法があるが、原料のハイドロフルオロカーボン中
に含まれる塩素化合物の濃度は0.5Vol%以下が好
ましく、更に好ましくは0.1Vol%以下である。
【0024】本発明のFC−116の精製方法におい
て、不純物のHFC類を含有するFC−116を前記吸
着剤に接触させる方法は特に限定されず、例えば気相で
接触させる方法、あるいは液相で接触させる方法のいず
れの方法も可能であるが、液相で接触させる方法が効率
よく好ましい。
【0025】液相で接触させる方法には、回分式や連続
式などの公知の方法を用いることができるが、工業的に
は例えば固定床式吸着塔を2基設け、一方が飽和吸着に
達すればこれを切り換え再生する方法が一般的である。
【0026】本発明のFC−116の精製方法におい
て、不純物のHFC類を含有するFC−116を前記吸
着剤に接触させる際の処理温度、処理量および処理圧力
は特に限定されないが、処理温度は低温が好ましく、通
常は例えば−30℃〜70℃がよい。処理圧力は液相の
場合は、液相に保持できればよく、気相の場合は特に限
定されない。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、
本発明は実施例に限定されるものではない。 [FC−116の製造例1] 1,1−ジフルオロエタン(CHF2 CH3 )とフッ素
ガス(F2 )を窒素ガスで希釈しながら直接フッ素化反
応を行い、反応ガスをアルカリ洗浄塔に導入し生成した
フッ化水素(HF)および少量の未反応フッ素ガス(F
2 )を除去し、FC−116に富む生成ガスを公知の方
法で分別蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィーで
分析したところ下記の組成のFC−116(原料例1)
を得た。
【0028】
【0029】[FC−116の製造例2] 現在、CFC−12(CCl22 )の代替品として供
給されている1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(CF3 CH2 F)[エコロエース134a(商品名:
昭和電工株式会社製。純分は99.99%以上で異性体
のCHF2 CHF2 を約20ppm含み、含塩素化合物
は検出されない。]を使用した。このエコロエース13
4aとフッ素ガス(F2 )を窒素ガスで希釈しながら直
接フッ素化反応を行い、反応ガスをアルカリ洗浄塔に導
入し、生成したフッ化水素(HF)および少量の未反応
フッ素ガス(F2 )を除去し、FC−116に富む生成
ガスを公知の方法で分別蒸留により精製し、ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ下記の組成のFC−11
6(原料例2)を得た。
【0030】
【0031】[実施例1]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス5
A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径4.2Å、シ
リカ/アルミニウム比=1)]を20g充填し、真空乾
燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−11
6を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々
攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィー
で分析した。尚、ガスクロマトグラフィーでのHFC類
の検出限界は約1ppmである。結果を次に示す。
【0032】
【0033】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が4.2Åでシリカ/アルミニウム比が1のゼオライ
トを吸着剤として用いることにより、FC−116中の
HFC類の含有量を低減でき、その含有量を10ppm
以下とすることができる。
【0034】[実施例2]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス5
A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径4.2Å、シ
リカ/アルミニウム比=1)]を20g充填し、真空乾
燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−11
6を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々
攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィー
で分析した。結果を次に示す。
【0035】
【0036】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が4.2Åでシリカ/アルミニウム比が1のゼオライ
トを用いることにより、FC−116中のHFC類の含
有量を低減でき、その含有量を10ppm以下とするこ
とができる。
【0037】[実施例3]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス1
3X(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径10Å、シ
リカ/アルミニウム比=0.81)]を20g充填し、
真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC
−116を約80g充填し、室温で時々攪拌し、約8時
間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。結
果を次に示す。
【0038】
【0039】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が10Å、シリカ/アルミニウム比が0.81のゼオ
ライトを用いることによりFC−116中のHFC類の
含有量を低減できる。
【0040】[実施例4]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、炭素質吸着剤[モレキュラーシービン
グカーボン、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径5
Å]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却し
ながら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温
で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラ
フィーで分析した。結果を次に示す。
【0041】
【0042】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が5Åの炭素質吸着剤を用いることによりFC−11
6中のHFC類の含有量を低減できる。
【0043】[実施例5]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス1
3X(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径10Å、シ
リカ/アルミニウム比=0.81)]10gと炭素質吸
着剤[モレキュラーシービングカーボン、武田薬品工業
株式会社製:平均細孔径5Å]10gを混合した吸着剤
20gを充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しなが
ら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時
々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ
ーで分析した。結果を次に示す。
【0044】
【0045】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が10Åでシリカ/アルミニウム比が0.81のゼオ
ライトおよび平均細孔径が5Åの炭素質吸着剤を混合し
た吸着剤を用いることによりFC−116中のHFC類
の含有量を低減できる。
【0046】[比較例1]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブスX
H−9(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径3.2
Å、シリカ/アルミニウム比=1)]を30g充填し、
真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC
−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちなが
ら時々攪拌し、約10時間後、液相部をガスクロマトグ
ラフィーで分析した。結果を次に示す。
【0047】
【0048】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が3.5Å未満でシリカ/アルミニウム比が1のゼオ
ライトではFC−116中のHFC類の含有量の低減は
認められない。
【0049】[比較例2]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[H−ZSM−5(エヌ・
イーケムキャット株式会社製:平均細孔径6Å、シリカ
/アルミニウム比=15)](米国特許第5,523,
499号の実施例VIで使用しているゼオライトに相当
するゼオライト)を30g充填し、真空乾燥後、シリン
ダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g
充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約1
0時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析し
た。結果を次に示す。
【0050】
【0051】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が6Åであってもシリカ/アルミニウム比が2.0を
超えるゼオライトではFC−116中のHFC類の含有
量の低減は認められなかった。
【0052】[比較例3]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、ゼオライト[H−ZSM−5(エヌ・
イーケムキャット株式会社製:平均細孔径6Å、シリカ
/アルミニウム比=75)]を30g充填し、真空乾燥
後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116
を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪
拌し、約10時間後、液相部をガスクロマトグラフィー
で分析した。結果を次に示す。
【0053】
【0054】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が6Åであってもシリカ/アルミニウム比が2.0を
超えるゼオライトではFC−116中のHFC類の含有
量の低減は認められなかった。
【0055】[比較例4]容量200mlのステンレス
製シリンダーに、炭素質吸着剤[活性炭:粒状白サギK
L、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径35Å]を2
0g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原
料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時々攪
拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで
分析した。結果を次に示す。
【0056】
【0057】上記の結果から明らかなように、平均細孔
径が11Åを超える炭素質吸着剤ではFC−116中の
HFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0058】
【発明の効果】従来、分子内に炭素原子2個を含むHF
C類を不純物として含有するFC−116を精製してH
FC類を除去するのは非常に困難であったが、本発明の
FC−116の精製方法により、簡便かつ経済的にしか
も工業的に有利にHFC類を除去して半導体のドライエ
ッチング用などに使用される高純度FC−116を製造
できる。本発明によれば吸着剤として平均細孔径が3.
5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下の
ゼオライトおよび/または平均細孔径が3.5Å〜11
Åの炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)
を使用し、不純物のHFC類を含有するFC−116を
この吸着剤と接触させることにより選択的にHFC類を
吸着除去してHFC類の含有量を容易に低減できる。吸
着剤の種類によってはFC−116中のHFC類の含有
量が10ppm以下の高純度FC−116を製造するこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 新井 龍晴 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社川崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として分子内に炭素原子2個を含
    むハイドロフルオロカーボン類を主として含有するヘキ
    サフルオロエタンを平均細孔径が3.5Å〜11Å、シ
    リカ/アルミニウム比が2.0以下であるゼオライトお
    よび/または平均細孔径が3.5Å〜11Åである炭素
    質吸着剤からなる吸着剤と接触させることにより、前記
    ハイドロフルオロカーボン類を低減させることを特徴と
    するヘキサフルオロエタンの精製方法。
  2. 【請求項2】 前記ハイドロフルオロカーボン類が、フ
    ルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1
    −トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオ
    ロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよ
    びペンタフルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 不純物として分子内に炭素原子2個を含
    むハイドロフルオロカーボン類を主として含有するヘキ
    サフルオロエタンが、分子内に炭素原子2個を含むハイ
    ドロフルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接フ
    ッ素化法により製造されたヘキサフルオロエタンである
    ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の精製
    方法。
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