JP3231373B2 - 合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法 - Google Patents
合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子または静電
チャックの絶縁膜、パッシベーション膜、ソフトエラー
膜、プラスチックコンデンサの誘電体などに用いられる
薄い合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法に関するもの
である。
チャックの絶縁膜、パッシベーション膜、ソフトエラー
膜、プラスチックコンデンサの誘電体などに用いられる
薄い合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂被膜の形成方法として
は、合成樹脂原料モノマー(以下、原料モノマーと略
す)を適当な溶媒に溶かして基体に塗布し、これを基体
上で重合させる「湿式法」、合成樹脂自体を基体上に蒸
着させる「ポリマー蒸着法」または原料モノマーをプラ
ズマ状態にして、プラズマ中で基体上に重合させる「プ
ラズマ重合法」や原料モノマーを真空中で蒸発させて、
これを基体上で重合させる「蒸着重合法」などが知られ
ている。
は、合成樹脂原料モノマー(以下、原料モノマーと略
す)を適当な溶媒に溶かして基体に塗布し、これを基体
上で重合させる「湿式法」、合成樹脂自体を基体上に蒸
着させる「ポリマー蒸着法」または原料モノマーをプラ
ズマ状態にして、プラズマ中で基体上に重合させる「プ
ラズマ重合法」や原料モノマーを真空中で蒸発させて、
これを基体上で重合させる「蒸着重合法」などが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の合成樹脂被膜の形成方法では、「湿式法」の場合
は極めて薄い膜を形成するのが困難である。また基体に
対する合成樹脂の密着力が不十分で、しかも塗液の調合
や溶媒の除去(乾燥)・回収などの工程が入るために、
不純物の混入が起こりやすいという課題を有していた。
また「ポリマー蒸着法」の場合は、蒸着時にポリマーの
解重合とともに分解が併発し、原料ポリマーの重合度が
低下して、形成された合成樹脂被膜の物性が低下すると
いう課題を有していた。「プラズマ重合法」の場合は、
原料モノマー自体が分解したりするので、合成樹脂被膜
の分子構造の制御が困難であるという課題を有してい
た。
従来の合成樹脂被膜の形成方法では、「湿式法」の場合
は極めて薄い膜を形成するのが困難である。また基体に
対する合成樹脂の密着力が不十分で、しかも塗液の調合
や溶媒の除去(乾燥)・回収などの工程が入るために、
不純物の混入が起こりやすいという課題を有していた。
また「ポリマー蒸着法」の場合は、蒸着時にポリマーの
解重合とともに分解が併発し、原料ポリマーの重合度が
低下して、形成された合成樹脂被膜の物性が低下すると
いう課題を有していた。「プラズマ重合法」の場合は、
原料モノマー自体が分解したりするので、合成樹脂被膜
の分子構造の制御が困難であるという課題を有してい
た。
【0004】そこで、特開昭61−78463号公報に
開示されているように、例えば、4,4’ジフェニル・
メタン・ジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネ
ートと、例えば、4,4’ジアミノ・ジフェニル・エー
テルのような芳香族ジアミンを用いて真空中で両原料モ
ノマーを蒸発させて、これを基体上で重合させて尿素樹
脂被膜を形成させる「蒸着重合法」が提案されている。
しかし、上記両原料モノマーを真空中で蒸発させて基体
上で重合を行う場合、蒸発源と基体との間に通常の真空
蒸着法で用いられるようなシャッターを設けて、その開
閉により樹脂被膜の膜厚を制御しようとすると、シャッ
ター閉時にも原料モノマーの一部が基体まで到達し、目
的と異なった被膜が基体上に形成されてしまうという問
題があった。
開示されているように、例えば、4,4’ジフェニル・
メタン・ジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネ
ートと、例えば、4,4’ジアミノ・ジフェニル・エー
テルのような芳香族ジアミンを用いて真空中で両原料モ
ノマーを蒸発させて、これを基体上で重合させて尿素樹
脂被膜を形成させる「蒸着重合法」が提案されている。
しかし、上記両原料モノマーを真空中で蒸発させて基体
上で重合を行う場合、蒸発源と基体との間に通常の真空
蒸着法で用いられるようなシャッターを設けて、その開
閉により樹脂被膜の膜厚を制御しようとすると、シャッ
ター閉時にも原料モノマーの一部が基体まで到達し、目
的と異なった被膜が基体上に形成されてしまうという問
題があった。
【0005】本発明者等は、上記従来の合成樹脂被膜の
形成方法において、膜厚や膜質が希望通りに制御できな
い原因を種々検討したところ、シャッターを閉じて被膜
形成を中断している時にも原料モノマーの一部が基体ま
で到達し、基体上に希望以外の被膜が形成されることが
判った。一般的な金属の「真空蒸着法」の場合は、蒸発
源と基体との間にシャッターを設けて蒸発金属原子の直
線的な進路を妨害すれば、シャッターに蒸発金属原子が
付着して基体上の被膜を完全に中断できる。これに対し
て、有機物の原料モノマーを真空中で蒸発させる「蒸着
重合法」の場合は、上記のシャッターを設けて蒸発モノ
マーの直線的な進路を妨害しても、シャッターに全ての
原料モノマーが付着することはなく、一部はシャッター
から再蒸発して基体まで到達してしまう。
形成方法において、膜厚や膜質が希望通りに制御できな
い原因を種々検討したところ、シャッターを閉じて被膜
形成を中断している時にも原料モノマーの一部が基体ま
で到達し、基体上に希望以外の被膜が形成されることが
判った。一般的な金属の「真空蒸着法」の場合は、蒸発
源と基体との間にシャッターを設けて蒸発金属原子の直
線的な進路を妨害すれば、シャッターに蒸発金属原子が
付着して基体上の被膜を完全に中断できる。これに対し
て、有機物の原料モノマーを真空中で蒸発させる「蒸着
重合法」の場合は、上記のシャッターを設けて蒸発モノ
マーの直線的な進路を妨害しても、シャッターに全ての
原料モノマーが付着することはなく、一部はシャッター
から再蒸発して基体まで到達してしまう。
【0006】一つの対策として、シャッターを冷却して
原料モノマーの再蒸発を減少させることも考えられる
が、シャッターに付着する原料モノマーが増加して、付
着物が蒸発源に落下する場合があるので好ましくない。
原料モノマーの再蒸発を減少させることも考えられる
が、シャッターに付着する原料モノマーが増加して、付
着物が蒸発源に落下する場合があるので好ましくない。
【0007】また、基体上の被膜形成を中断する方法と
して、蒸発源ノズルにそれぞれ設置した開閉装置を完全
に閉じることも考えられる。しかし、蒸発源容器内が密
閉されるために原料モノマーの蒸発源容器内部の真空度
が悪化し、原料モノマーの蒸発量が低下してしまう。そ
して、基体上の被膜形成を再開するために開閉装置を再
度開けた時は、原料モノマーの蒸発量が当初の値と異な
っているために、再現性・安定性の良い成膜ができな
い。
して、蒸発源ノズルにそれぞれ設置した開閉装置を完全
に閉じることも考えられる。しかし、蒸発源容器内が密
閉されるために原料モノマーの蒸発源容器内部の真空度
が悪化し、原料モノマーの蒸発量が低下してしまう。そ
して、基体上の被膜形成を再開するために開閉装置を再
度開けた時は、原料モノマーの蒸発量が当初の値と異な
っているために、再現性・安定性の良い成膜ができな
い。
【0008】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、「蒸着重合法」で希望通りの膜厚や膜質を得ること
のできる合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法を提供す
ることを目的とする。
で、「蒸着重合法」で希望通りの膜厚や膜質を得ること
のできる合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法は、真
空中で合成樹脂原料モノマーを蒸発させ、これらを基体
上で重合させて樹脂被膜を形成する合成樹脂被膜の形成
装置であって、合成樹脂原料モノマーの蒸発源ノズルに
開閉装置を設けるとともに、前記開閉装置を介して前記
蒸発源ノズルに蒸発源容器を接続し、かつ前記開閉装置
と前記蒸発源容器との間に真空排気装置を接続し、開閉
装置を閉じて被膜を形成していない時も、開閉装置を開
けて被膜を形成している時も、原料モノマーの蒸発源容
器内部の真空度を同一に保つことである。
に本発明の合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法は、真
空中で合成樹脂原料モノマーを蒸発させ、これらを基体
上で重合させて樹脂被膜を形成する合成樹脂被膜の形成
装置であって、合成樹脂原料モノマーの蒸発源ノズルに
開閉装置を設けるとともに、前記開閉装置を介して前記
蒸発源ノズルに蒸発源容器を接続し、かつ前記開閉装置
と前記蒸発源容器との間に真空排気装置を接続し、開閉
装置を閉じて被膜を形成していない時も、開閉装置を開
けて被膜を形成している時も、原料モノマーの蒸発源容
器内部の真空度を同一に保つことである。
【0010】
【作用】上記本発明の手段によれば、各原料モノマーの
それぞれ蒸発源ノズルに開閉装置が設けられているの
で、たとえ各原料モノマーの蒸気圧が異なっていても開
閉装置の閉時に原料モノマーの一部が飛び出すことがな
く、したがって基体に到達することがなく、また各原料
モノマーの蒸発源容器にも真空排気装置を設置すること
により、蒸発源ノズルにそれぞれ設置した開閉装置を閉
じた時にも、原料モノマーの蒸発源容器内部の真空度を
被膜形成中の真空度と同一に保つことができ、原料モノ
マーの蒸発量が一定し、再現性・安定性の良い成膜がで
きることとなる。
それぞれ蒸発源ノズルに開閉装置が設けられているの
で、たとえ各原料モノマーの蒸気圧が異なっていても開
閉装置の閉時に原料モノマーの一部が飛び出すことがな
く、したがって基体に到達することがなく、また各原料
モノマーの蒸発源容器にも真空排気装置を設置すること
により、蒸発源ノズルにそれぞれ設置した開閉装置を閉
じた時にも、原料モノマーの蒸発源容器内部の真空度を
被膜形成中の真空度と同一に保つことができ、原料モノ
マーの蒸発量が一定し、再現性・安定性の良い成膜がで
きることとなる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【0012】図1は、本発明を実施するために使用する
合成樹脂被膜の形成装置の概略断面図である。図1に示
すように、真空排気装置1に接続された真空槽2内に
は、合成樹脂被膜を形成させるための基体3が、基体ホ
ルダー4によって下向きに保持される。真空槽2の下部
には原料モノマーを蒸発させるための蒸発源ノズル5,
6が設けられ、それらに接続した蒸発源容器7,8はヒ
ーター(図示せず)と熱電対(図示せず)とによって、
原料モノマーがそれぞれ所定温度に保たれるように制御
される。蒸発源ノズル5,6には開閉装置9,10がそ
れぞれ設けられ、その開閉により基体3に形成される膜
厚が調整される。また、開閉装置9,10の下にはそれ
ぞれ真空排気装置11,12が接続され、蒸発源容器
7,8の内部が開閉装置9,10の閉じている時も、開
いている時も、同じ真空度に保たれるようになってい
る。
合成樹脂被膜の形成装置の概略断面図である。図1に示
すように、真空排気装置1に接続された真空槽2内に
は、合成樹脂被膜を形成させるための基体3が、基体ホ
ルダー4によって下向きに保持される。真空槽2の下部
には原料モノマーを蒸発させるための蒸発源ノズル5,
6が設けられ、それらに接続した蒸発源容器7,8はヒ
ーター(図示せず)と熱電対(図示せず)とによって、
原料モノマーがそれぞれ所定温度に保たれるように制御
される。蒸発源ノズル5,6には開閉装置9,10がそ
れぞれ設けられ、その開閉により基体3に形成される膜
厚が調整される。また、開閉装置9,10の下にはそれ
ぞれ真空排気装置11,12が接続され、蒸発源容器
7,8の内部が開閉装置9,10の閉じている時も、開
いている時も、同じ真空度に保たれるようになってい
る。
【0013】次に上記装置を用いた重付加反応による尿
素樹脂被膜の形成方法の一例を説明する。
素樹脂被膜の形成方法の一例を説明する。
【0014】表面にアルミニウムの薄膜を真空蒸着した
ガラス板を基体3とし、蒸発源容器7にジアミンの1種
である4,4’メチレン・ジアニリン(以下、MDAと
略す。)を、蒸発源容器8に4,4’ジフェニル・メタ
ン・ジイソシアネート(以下、MDIと略す。)を充填
し、開閉装置9,10を閉じた状態で、真空槽2内の雰
囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以下になるまで、真空排
気装置1により排気する。また、蒸発源容器7,8内の
雰囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以下になるまで、真空
排気装置11,12により排気する。次いで、蒸発源容
器7および8のヒーターを制御して、MDAを115±
0.5℃に、MDIを85±0.5℃に加熱した。この
時の蒸発源容器7,8内の雰囲気ガスの全圧は4×10
-3Paであった。この状態で開閉装置9,10を同時に
120秒間開けて基体3上に両原料モノマーの蒸気を差
し向けて、厚さ1μmの尿素樹脂膜(合成樹脂被膜)A
を得た。
ガラス板を基体3とし、蒸発源容器7にジアミンの1種
である4,4’メチレン・ジアニリン(以下、MDAと
略す。)を、蒸発源容器8に4,4’ジフェニル・メタ
ン・ジイソシアネート(以下、MDIと略す。)を充填
し、開閉装置9,10を閉じた状態で、真空槽2内の雰
囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以下になるまで、真空排
気装置1により排気する。また、蒸発源容器7,8内の
雰囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以下になるまで、真空
排気装置11,12により排気する。次いで、蒸発源容
器7および8のヒーターを制御して、MDAを115±
0.5℃に、MDIを85±0.5℃に加熱した。この
時の蒸発源容器7,8内の雰囲気ガスの全圧は4×10
-3Paであった。この状態で開閉装置9,10を同時に
120秒間開けて基体3上に両原料モノマーの蒸気を差
し向けて、厚さ1μmの尿素樹脂膜(合成樹脂被膜)A
を得た。
【0015】図2は、上記実施例と比較するために使用
する合成樹脂被膜の形成装置の概略断面図である。図2
に示すように、図1の開閉装置9,10と真空排気装置
11,12とを省略し、新たにシャッター13を蒸発源
ノズル5,6の上に設置している。上記実施例と同様の
ガラス板を基体3とし、蒸発源容器7にMDAを、蒸発
源容器8にMDIを充填し、シャッター13を閉じた状
態で、真空槽2内の雰囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以
下になるまで、真空排気装置1により排気する。次い
で、蒸発源容器7および8のヒーターを制御して、MD
Aを115±0.5℃に、MDIを85±0.5℃に加
熱した。この時の真空槽2内の雰囲気ガスの全圧は4×
10-3Paであった。この状態でシャッター13を120
秒間開けて基体3上に両原料モノマーの蒸気を差し向け
て、比較例としての尿素樹脂膜Bを作成した。また、仕
切り弁により別の真空槽から基体を搬送させることので
きる装置(図示せず)を追加し、基体3が真空槽2内に
滞在する時間を最少とした以外は、上記比較例と同様に
して、尿素樹脂膜Cを作成した。
する合成樹脂被膜の形成装置の概略断面図である。図2
に示すように、図1の開閉装置9,10と真空排気装置
11,12とを省略し、新たにシャッター13を蒸発源
ノズル5,6の上に設置している。上記実施例と同様の
ガラス板を基体3とし、蒸発源容器7にMDAを、蒸発
源容器8にMDIを充填し、シャッター13を閉じた状
態で、真空槽2内の雰囲気ガスの全圧が1×10-3Pa以
下になるまで、真空排気装置1により排気する。次い
で、蒸発源容器7および8のヒーターを制御して、MD
Aを115±0.5℃に、MDIを85±0.5℃に加
熱した。この時の真空槽2内の雰囲気ガスの全圧は4×
10-3Paであった。この状態でシャッター13を120
秒間開けて基体3上に両原料モノマーの蒸気を差し向け
て、比較例としての尿素樹脂膜Bを作成した。また、仕
切り弁により別の真空槽から基体を搬送させることので
きる装置(図示せず)を追加し、基体3が真空槽2内に
滞在する時間を最少とした以外は、上記比較例と同様に
して、尿素樹脂膜Cを作成した。
【0016】本実施例による尿素樹脂膜Aと比較例によ
る尿素樹脂膜BおよびCを反射式の赤外分光法で測定し
た吸光度スペクトルが図3に示してある。
る尿素樹脂膜BおよびCを反射式の赤外分光法で測定し
た吸光度スペクトルが図3に示してある。
【0017】この図3から明らかなように、比較例の尿
素樹脂膜B,Cではイソシアネート基による2260cm
-1の矢視吸光度ピークが増大し、MDI比率の高い尿素
樹脂膜になっていることを示している。この原因はMD
AよりMDIの融点が低く、蒸気圧が高いために、シャ
ッター13を閉じている時もシャッター13や真空槽2
の内壁に付着したMDIの一部が再蒸発して、基体3ま
で到達するためと思われる。本実施例による合成樹脂被
膜の形成方法では、どの時期に基体3を真空槽2内に搬
送しても、同じ膜質が得られる。
素樹脂膜B,Cではイソシアネート基による2260cm
-1の矢視吸光度ピークが増大し、MDI比率の高い尿素
樹脂膜になっていることを示している。この原因はMD
AよりMDIの融点が低く、蒸気圧が高いために、シャ
ッター13を閉じている時もシャッター13や真空槽2
の内壁に付着したMDIの一部が再蒸発して、基体3ま
で到達するためと思われる。本実施例による合成樹脂被
膜の形成方法では、どの時期に基体3を真空槽2内に搬
送しても、同じ膜質が得られる。
【0018】以上説明したように本実施例によれば、原
料モノマーの蒸発源ノズル5,6にそれぞれ開閉装置
9,10を設置するとともに、開閉装置9,10を閉じ
ている時も、開けている時も、真空排気装置11,12
により蒸発源容器7,8の内部を一定の真空度に保つこ
とにより、再現性・安定性の良い成膜ができる。
料モノマーの蒸発源ノズル5,6にそれぞれ開閉装置
9,10を設置するとともに、開閉装置9,10を閉じ
ている時も、開けている時も、真空排気装置11,12
により蒸発源容器7,8の内部を一定の真空度に保つこ
とにより、再現性・安定性の良い成膜ができる。
【0019】なお、図2で示した比較例では、シャッタ
ー13を閉じている時に、原料モノマーが他の蒸発源容
器に入り込んで、他の原料モノマーと反応する場合があ
り、再現性・安定性の良い成膜が得られないことがあ
る。
ー13を閉じている時に、原料モノマーが他の蒸発源容
器に入り込んで、他の原料モノマーと反応する場合があ
り、再現性・安定性の良い成膜が得られないことがあ
る。
【0020】また、実施例ではジアミンとジイソシアネ
ートを用いて合成樹脂として尿素樹脂を形成する場合を
示したが、合成樹脂を上記ジアミンと3,3’−4,
4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTD
A)のような酸二無水物とを用いてポリイミド樹脂とし
てもよいことは言うまでもない。
ートを用いて合成樹脂として尿素樹脂を形成する場合を
示したが、合成樹脂を上記ジアミンと3,3’−4,
4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTD
A)のような酸二無水物とを用いてポリイミド樹脂とし
てもよいことは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】本発明は上記実施例より明らかなよう
に、真空中で2種以上の合成樹脂原料モノマーを蒸発さ
せ、これを基体上で重合させて樹脂被膜を形成する方法
において、原料モノマーの蒸発源ノズルにそれぞれ開閉
装置を設置するとともに、原料モノマーの蒸発源容器に
もそれぞれ真空排気装置を設置することにより、開閉装
置を閉じて被膜を形成していない時も、開閉装置を開け
て被膜を形成している時も原料モノマーの蒸発源容器内
部の真空度を同一に保つことができ、その結果再現性・
安定性の良い成膜ができる優れた合成樹脂被膜の形成方
法を実現できるものである。
に、真空中で2種以上の合成樹脂原料モノマーを蒸発さ
せ、これを基体上で重合させて樹脂被膜を形成する方法
において、原料モノマーの蒸発源ノズルにそれぞれ開閉
装置を設置するとともに、原料モノマーの蒸発源容器に
もそれぞれ真空排気装置を設置することにより、開閉装
置を閉じて被膜を形成していない時も、開閉装置を開け
て被膜を形成している時も原料モノマーの蒸発源容器内
部の真空度を同一に保つことができ、その結果再現性・
安定性の良い成膜ができる優れた合成樹脂被膜の形成方
法を実現できるものである。
【図1】本発明の一実施例における合成樹脂被膜の形成
方法を実施するために使用する装置の概略断面図
方法を実施するために使用する装置の概略断面図
【図2】本発明の一比較例における合成樹脂被膜を形成
するための装置の概略断面図
するための装置の概略断面図
【図3】合成樹脂被膜の膜質を調べるための赤外分光ス
ペクトル図
ペクトル図
1,11,12 真空排気装置 2 真空槽 3 基体 4 基体ホルダー 5,6 蒸発源ノズル 7,8 蒸発源容器 9,10 開閉装置 13 シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 正行 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (72)発明者 高橋 善和 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−72056(JP,A) 特開 平4−173963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C08G 18/32 C08G 73/10 C08G 85/00
Claims (4)
- 【請求項1】 真空中で合成樹脂原料モノマーを蒸発さ
せ、これらを基体上で重合させて樹脂被膜を形成する合
成樹脂被膜の形成装置であって、合成樹脂原料モノマー
の蒸発源ノズルに開閉装置を設けるとともに、前記開閉
装置を介して前記蒸発源ノズルに蒸発源容器を接続し、
かつ前記開閉装置と前記蒸発源容器との間に真空排気装
置が接続されていることを特徴とする合成樹脂被膜の形
成装置。 - 【請求項2】開閉装置を閉じて樹脂被膜を形成していな
い時も、開閉装置を開けて樹脂被膜を形成している時
も、合成樹脂原料モノマーの蒸発源容器内部の真空度を
同一に保つことを特徴とする合成樹脂被膜の形成方法。 - 【請求項3】合成樹脂がジイソシアネートとジアミンと
の重付加反応によって形成される尿素樹脂であることを
特徴とする請求項2記載の合成樹脂被膜の形成方法。 - 【請求項4】合成樹脂がジアミンと酸二無水物との加熱
重合によって形成されるポリイミド樹脂であることを特
徴とする請求項2記載の合成樹脂被膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33810191A JP3231373B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05171415A JPH05171415A (ja) | 1993-07-09 |
JP3231373B2 true JP3231373B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=18314925
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33810191A Expired - Fee Related JP3231373B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 合成樹脂被膜の形成装置及び形成方法 |
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---|---|---|---|---|
JP4701524B2 (ja) * | 2001-03-28 | 2011-06-15 | パナソニック株式会社 | 蒸着装置及び方法 |
JP4732729B2 (ja) * | 2004-09-27 | 2011-07-27 | 株式会社アルバック | スルホン酸化ポリイミド樹脂の成膜方法 |
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