JP4701524B2 - 蒸着装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子工業におけるコンデンサや整流器の製作のため、蒸着を行う蒸着装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸着は、真空の反応容器(チャンバー)内で被加熱物を熱板や電子ビーム等を用いて蒸発させ、基板上に膜を堆積させる技術である。蒸発は熱を用いているために、いったん反応容器内の真空を大気解放してしまうとヒータ酸化防止のため温度を下げたり、再立ち上げの真空引きを行ったりすることに多大な時間を費やしてしまう。そこで従来では基板が設けられた反応容器内の本体チャンバーと、蒸発源が設けられたチャンバーとの間に仕切り弁(ゲートバルブ)を配置していた。成膜や大気開放といった必要な状況に応じて仕切り弁を開閉することによって、蒸発源は真空状態で立下げることなく、成膜後の基板を大気中に取り出すような方式が多く用いられてきた。
【0003】
以下に従来の蒸着についてドラム回転型のコンデンサ製造装置を例に取り図3、図4を用いて説明する。
【0004】
図3にドラム回転型のコンデンサ製造装置の全体図を示す。図3において、チャンバー1内には回転可能なドラム2(これが基板面となる)と、そのまわりに工程順に配置された各ユニット(樹脂蒸着ユニット3A、樹脂硬化ユニット3B、オイルマスキングユニット3Cやアルミ蒸着ユニット3D)が配置されている。また、チャンバー1には排気系4が接続されている。
【0005】
樹脂蒸発ユニット3Aには、ヒータ等により加熱の行える傾斜板5が配置されている。傾斜板5の上方には、連続的に樹脂6を送るための供給ユニット7が、また傾斜板5とドラム2の間にはゲートバルブ8が取り付けられている。
【0006】
排気系4により、チャンバー1内を所定の真空度まで排気しながら、傾斜板5の加熱を始めて樹脂蒸着ユニット3Aを立ち上げる。加熱途中は、蒸発が不安定で膜質がよくないため、回転や揺動といった動作によって開閉を行う仕切り弁8を閉じて、ドラム2に膜がつかないようにしておく。蒸発の状態が安定した後、仕切り弁8を開けて、ドラム2表面に成膜を行う。この工程を所定の順で所定の層数まで行って、製品が作成される。その後、チャンバー1を大気開放して完成した製品を取り出し、プレス、電極形成などの工程を経て最終的に製品となる。
【0007】
図4に樹脂蒸着ユニットの状態を示すもので、図4(a)が待機状態、図4(b)が成膜状態を示している。樹脂の蒸着ユニットは、常温で真空を保持するための外壁9と、蒸気を案内するために加熱された内壁10の、二重管構造となっている。傾斜板5から発生した蒸気を、加熱された内壁10の内側を通すことによって、壁面への膜の付着が抑制される。さらに、内壁10をドラムの直前まで延ばすことによって、蒸気をドラムの表面まで案内することにより、付着効率が高いまま維持できる。
【0008】
ところで、成膜を行ったり(成膜状態)、停止したり(待機状態)するため、常温の仕切り弁8が内壁10の途中に配置されている。仕切り弁8を閉じたとき、内壁10と仕切り弁8の干渉を避けるため、内壁10は、いずれも加熱された固定ノズル11と可動ノズル12の2つから構成され、ちょうど2つのノズルの分割された位置を仕切り弁が通過する構造になっている。
【0009】
成膜状態のときは、ゲートバルブ8を紙面奥方向に退避させて、可動ノズル12を前進させる。反対に待機状態のときは、可動ノズル12をゲートバルブ8よりも後退させてゲートバルブ8を閉じる。可動ノズル12やゲートバルブ8は、シリンダ13等によって駆動される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、可動ノズル12は、固定ノズル11に対し前後運動するため、互いの間にわずかな隙間が必要である。蒸気がこの隙間近くを通過するとき、蒸気がこの部分から漏れ出し、外壁9や仕切り弁8などの低温部に膜となって堆積していた。この結果、膜の付着効率が低下したり、仕切り弁8の動作や、仕切り弁8の真空シールなどの信頼性を損なったり、メンテナンス頻度が増加したりするなどの欠点を有していた。
【0011】
本発明は、内壁より蒸着面まで樹脂蒸気を漏らすことなく成膜状態、待機状態を切り替えることのできる仕切りを行う蒸着を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、真空状態で蒸着を行う反応容器において、蒸発部A室と案内部B室を備え、該蒸発部A室と案内部B室は一体の内壁により内側と外側の領域に分け、蒸発部A室は、樹脂を蒸発させる傾斜板を配置させ、案内部B室は、助走部(蒸気の整流区間)と、バルブ部と、排気部の領域に分かれ、該バルブ部は開閉バルブが配置され、該開閉バルブにより蒸発部A室で蒸発させた蒸気を排気部または助走部に流れるように切り替えるようにした構造としたものである。
【0013】
本発明によれば、蒸気の通路はいずれも加熱された内壁、バルブのみで構成され、かつ温度的にも空間的にも蒸気の通路の不連続な部分をなくすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1、2を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る蒸着装置を示し、図1(a)が待機状態、図1(b)が成膜状態を示している。樹脂の蒸着ユニットは、蒸発部A室14と案内部B室15から構成されている。またA室14、B室15ともに加熱された一体の内壁10によって、内側16と外側17の領域に分けられる。内側16の領域は、さらに助走部(蒸気の整流区間)18、バルブ部19、排気部20という3つの領域に分かれる。従来と同じく蒸気は、内側16の領域を通りドラム近傍に到達する。加熱された開閉バルブ21は、バルブ部19に配置されており、蒸気の流れ方向に対して平行にシリンダ(図示せず)によって摺動する。バルブには、Оリング22が取り付けられ、バルブの両側にあるシール面23に押し付けられることによって、蒸気をシールする。
【0016】
助走部18側のシール面23に、開閉バルブ21がある場合は、A室14とB室15が遮断され、ドラムには成膜されない(待機状態)。
【0017】
排気部20側のシール面23に開閉バルブ21がある時は、A室14とB室15が接続され、ドラムに成膜が行われる(成膜状態)。
【0018】
所定の温度に加熱されたA室14の傾斜板5の上に樹脂を滴下すると、樹脂が蒸発し上方へ流れていく。しかし、蒸着の初期においては、従来と同様にドラムに蒸着させないことが必要になるが、この時は開閉バルブ21を助走部18側のシール面23に移動させ、B室15に取り付けた圧力計24が一定になるまで、排気部20より蒸気を排気する。圧力が一定になったら、開閉バルブ21を排気部20側のシール面23に移動させ、A室14とB室15を接続し、成膜を開始する。この後、蒸気は助走部18で整流され、ドラムに蒸着が行われる。成膜を中止する時は、再び開閉バルブ21を助走部18側のシール面23に移動すればよい。これにより、隙間からの不要な蒸気の漏れを防ぎ、かつ蒸気の通路内に低温部が発生させなくすることができる。
【0019】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る蒸着装置の構造の詳細を示すもので、真空状態を保持できるハウジング25によって、開閉バルブ21のシャフトはシールされている。さらに、このハウジング25はバルブシール面23を1つ持ち、排気部20を形成している。これらはバルブユニット26として組み立てられ、一体でB室15の内壁10より外すことが可能である。バルブユニット26をB室15の内壁10に取り付け、バルブユニット外側のОリング22で、内側16と外側17の領域を遮断する。また、例えばB室15の内壁19の下に平面シールのリング27を配置することで、A室14の外側17とB室の外側17の領域をシールすることができる。
【0020】
これにより、内側16と外側17の領域は、内壁10とバルブユニット26によって常にシールされていることになる。つまり、B室15のバルブ21の動作のみで内壁の内側、外側とも同時に仕切ることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、蒸気を案内する通路の隙間からの不要な蒸気の漏れを防ぐことができ、膜が効率よくドラムに供給されることになり、膜の付着効率やゲートバルブの動作やシールなどの信頼性を向上できる上、メンテナンス頻度を低減できる。また、本体チャンバーを大気解放しなくても蒸発ユニットのメンテナンスが行えるので、設備の立ち上げ、立ち下げが速められ設備の稼動率を向上することができる。
【0022】
さらに、成膜状態、待機状態を切り替えることができ、待機状態においても蒸発源を成膜状態に維持できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る蒸着装置の構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る蒸着装置の構成図
【図3】従来の蒸着装置を用いたコンデンサ製造装置の全体構成図
【図4】従来の蒸着装置の構成図
【符号の説明】
9 外壁
10 内壁
18 助走部
19 バルブ部
21 開閉バルブ
23 シール面
27 リング
Claims (2)
- 真空で蒸着を行う反応容器が、蒸発部A室と案内部B室を備え、該蒸発部A室と案内部B室は一体の内壁により内側と外側の領域に分け、前記蒸発部A室は、樹脂を蒸発させる傾斜板を配置させ、前記案内部B室は、助走部(蒸気の整流区間)と、バルブ部と、排気部の領域に分かれ、前記バルブ部は開閉バルブが配置され、該開閉バルブにより前記蒸発部A室で蒸発させた蒸気を前記排気部または前記助走部に流れるようにする切り替え手段を有したことを特徴とする蒸着装置。
- 真空中でドラム上に樹脂膜を形成する方法において、樹脂を蒸発させる傾斜板を配置した蒸発部A室及び、助走部(蒸気の整流区間)とバルブ部と排気部とを備えた案内部B室が一体の内壁により内側と外側の領域に分けられ、前記蒸発部A室で蒸発させた蒸気を、前記ドラム上に成膜しない待機状態では前記排気部に流れるように、前記ドラム上に成膜する成膜状態では前記助走部に流れるように、上記バルブ部に配置した開閉バルブにより切り替えることを特徴とする蒸着方法。
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JP2001091988A JP4701524B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 蒸着装置及び方法 |
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- 2001-03-28 JP JP2001091988A patent/JP4701524B2/ja not_active Expired - Lifetime
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