JP3230700U - 御朱印帳ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース本体に収納された御朱印帳を容易に取り出すことができる、御朱印帳ケースを提供する。【解決手段】御朱印帳ケース10は、ケース本体12と、蓋部14と、ヒンジ部16とを備える。ケース本体は、第1収納空間S1と、第1収納空間に御朱印帳を出し入れするための第1開口Q1とを有する。蓋部は、第1開口を構成する開口部46にヒンジ部を介して取り付けられている。ケース本体は、御朱印帳の表面および裏面の一方に対向する第1壁部22と、他方に対向する第2壁部24と、周壁部26とを有する。第1壁部、第2壁部および周壁部のそれぞれの内面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第1人工皮革)42が設けられる。第1開口は、第1壁部と第2壁部との間において、第1壁部および第2壁部のそれぞれに対して平行方向へ開いて設けられる。【選択図】図2
Description
本考案は、御朱印帳を収納する御朱印帳ケースに関する。
御朱印帳は、神社や寺院で御朱印を収集する際に用いられる専用の帳面であり、和紙を折りたたんで蛇腹状にしたものや、和紙を和装本状に綴じたものなどが市販されている。御朱印帳では、その本体の形態や材質のほか、表紙のデザインも重視されており、例えば、表紙に刺繍が施されたものや、表紙が鏡面仕上げに加工されたものなどが人気を集めている。
御朱印帳ケースは、御朱印帳の本体を構成する和紙や、御朱印帳の表紙に施された装飾(刺繍および塗装など)を保護するために御朱印帳を収納するケースであり、従来から様々な形状および材質のものが存在する。例えば、下記特許文献1に記載された御朱印帳ケースは、開口を構成する開口部を有する直方体状のケース本体と、開口を開閉する板状の蓋部とを有している。ケース本体および蓋部は、半透明の合成樹脂材料で形成されており、蓋部は、ケース本体に収納された御朱印帳の表面に対向するように設けられている。
しかしながら、特許文献1に記載された御朱印帳ケースでは、ケース本体に収納された御朱印帳をその表面に対して直交する方向へ移動させて取り出す必要があるため、その取り出し作業が困難であるという問題があった。つまり、ケース本体に収納された御朱印帳の側面とケース本体の内面との間には、手指を入れるための隙間が十分に確保されてないため、御朱印帳を手指で引き出すことは容易ではなかった。また、ケース本体の開口を下方に向けることによって、御朱印帳をケース本体から落下させて取り出すことも考えられるが、この場合には、御朱印帳の全体が一気に落下するため、御朱印帳を手で受け止めることは容易ではなかった。
本考案は上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、ケース本体に収納された御朱印帳を容易に取り出すことができる、御朱印帳ケースを提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案に係る御朱印帳ケースの特徴は、御朱印帳を収納するための収納空間と前記収納空間に対して御朱印帳を出し入れするための開口とを有するケース本体と、前記開口を開閉するための蓋部とを備え、前記ケース本体は、前記御朱印帳の表面および裏面の一方に対向する第1壁部と、前記御朱印帳の表面および裏面の他方に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを繋ぐ周壁部とを有しており、前記開口は、前記第1壁部と前記第2壁部との間において、前記第1壁部および前記第2壁部のそれぞれに対して平行方向へ開いて設けられており、前記蓋部は、前記ケース本体における前記開口を構成する開口部にヒンジ部を介して回動可能に取り付けられていることにある。
この構成では、ケース本体の開口が、第1壁部と第2壁部との間において、第1壁部および第2壁部のそれぞれに対して平行方向へ開いて設けられているので、御朱印帳を収納空間から取り出すときには、御朱印帳をその表面および裏面に対して平行方向へ移動させることができる。したがって、ケース本体の開口が下方へ向くように御朱印帳ケースを傾斜させた場合でも、御朱印帳の全体が一気に落下することを抑制でき、御朱印帳の一部を開口から外部へ突出させた後に、その突出した部分を手で掴んで全体を引き出すことができる。これにより、御朱印帳を収納空間から簡単かつ丁寧に取り出すことができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記蓋部に対向する前記開口部の第1対向面および前記開口部に対向する前記蓋部の第2対向面の少なくとも一方には、突起部が設けられており、前記蓋部で前記開口を閉じたとき、前記突起部が前記蓋部または前記開口部に接触することによって、前記第1対向面と前記第2対向面との間に隙間が構成されることにある。
この構成によれば、蓋部で開口を閉じたときに、第1対向面と第2対向面との間に隙間が構成されるので、収納空間の内部の湿気を隙間から逃がすことが可能であり、御朱印帳が湿気で劣化することを抑制できる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記第1壁部の内面および前記第2壁部の内面の少なくとも一方には、起毛されたスエード状の第1人工皮革が設けられていることにある。
この構成によれば、収納空間に対して御朱印帳を出し入れする際に、御朱印帳の表面または裏面に付着した汚れを第1人工皮革で拭き取ることができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記蓋部の内表面には、起毛されたスエード状の第2人工皮革が、前記第1人工皮革と一体に設けられており、前記第1人工皮革と前記第2人工皮革との境界部分によって、前記ヒンジ部の一部または全部が構成されていることにある。
この構成によれば、御朱印帳の表面または裏面に付着した汚れを、蓋部の内表面に設けられた第2人工皮革で拭き取ることができる。また、第1人工皮革と第2人工皮革との境界部分によって、ヒンジ部の一部または全部が構成されているので、ヒンジ部を簡素化して、製造コストを低く抑えることができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記第1壁部の外面および前記第2壁部の外面の少なくとも一方には、起毛されたスエード状の第3人工皮革が設けられていることにある。
この構成によれば、第1壁部の外面および第2壁部の外面の少なくとも一方に第3人工皮革が設けられているので、収納空間から取り出された御朱印帳の表面または裏面に付着した汚れを、第3人工皮革で拭き取ることができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記蓋部の外表面には、起毛されたスエード状の第4人工皮革が、前記第3人工皮革と一体に設けられており、前記第3人工皮革と前記第4人工皮革との境界部分によって、前記ヒンジ部の一部または全部が構成されていることにある。
この構成によれば、御朱印帳の表面または裏面に付着した汚れを、蓋部の外表面に設けられた第4人工皮革で拭き取ることができる。また、第3人工皮革と第4人工皮革との境界部分によって、ヒンジ部の一部または全部が構成されているので、ヒンジ部を簡素化して、製造コストを低く抑えることができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記第3人工皮革の内側には、衝撃吸収性を有するクッション材が設けられていることにある。
この構成によれば、第3人工皮革の内側にクッション材が設けられているので、第3人工皮革の汚れの拭き取り性能を向上させることができるとともに、ケース本体を衝撃から保護することができる。
本考案に係る御朱印帳ケースの他の特徴は、前記蓋部で前記開口を閉じたときに前記蓋部を固定する固定手段を備え、前記固定手段は、前記蓋部に対向する前記開口部の第1対向面および前記開口部に対向する前記蓋部の第2対向面の一方に埋め込まれた磁石と、これらの他方に埋め込まれて、前記磁石に対して磁力で吸着される強磁性体とを有することにある。
この構成によれば、蓋部で開口を閉じたときに、蓋部を磁力で固定することができる。また、当該磁力よりも強い力で蓋部を回動させることによって、開口を簡単に開くことができる。
以下、本考案に係る御朱印帳ケースの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態に係る御朱印帳ケースの構成)
図1は、実施形態に係る御朱印帳ケース10の構成を示す斜視図である。図2は、ケース本体12の第1開口Q1を開いた状態を示す部分斜視図である。なお、以下の説明で用いる前後、上下および左右の各方向は、使用者から見た方向であり、図中に矢印で示す各方向と一致する。
図1は、実施形態に係る御朱印帳ケース10の構成を示す斜視図である。図2は、ケース本体12の第1開口Q1を開いた状態を示す部分斜視図である。なお、以下の説明で用いる前後、上下および左右の各方向は、使用者から見た方向であり、図中に矢印で示す各方向と一致する。
図1に示す御朱印帳ケース10は、御朱印帳Xを収納するための専用のケースである。市販されている一般的な御朱印帳Xのサイズは、「横160mm×縦110mm」および「横180mm×縦120mm」の2種類が存在する。そこで、本実施形態の御朱印帳ケース10では、大きい方(後者)の御朱印帳Xを収納するために、その全体サイズが「横207mm×縦147mm」に定められている。
図1に示す御朱印帳Xの表紙に施される装飾には、様々な種類のものが存在するが、本実施形態の御朱印帳ケース10は、汚れを拭き取る機能(後述)を有するため、特に、表紙に汚れ易い装飾が施された御朱印帳Xの収納に適する。なお、表紙に汚れ易い装飾が施された御朱印帳Xとしては、例えば、表紙や裏表紙の表面に所謂ピアノ塗装などの鏡面仕上げ加工を施した御朱印帳Xや、漆器の技術で装飾が施された御朱印帳Xなどがある。これらの装飾では、使用者の指紋が汚れとして表紙に付着し易い。なお、一般的な御朱印帳Xでは、その表面が表表紙で構成されており、その裏面が裏表紙で構成されている。
図2に示すように、御朱印帳ケース10は、ケース本体12と、蓋部14と、ヒンジ部16と、第1固定手段18とを備えている。また、図1に示すように、御朱印帳ケース10は、第2固定手段20を備えている。
図2に示すように、ケース本体12は、図1に示す御朱印帳Xの大部分を収納するための第1収納空間S1と、第1収納空間S1に対して御朱印帳Xを出し入れするための第1開口Q1とを有している。一方、蓋部14は、図1に示す御朱印帳Xの一部を収納するための第2収納空間S2と、第2収納空間S2に対して御朱印帳Xの一部を出し入れするための第2開口Q2とを有している。ケース本体12と蓋部14とは、大きさや開口Q1,Q2の向きが異なるものの、ほぼ同じ構造に構成されており、ケース本体12の後部と蓋部14の後部とが、ヒンジ部16を介して互いに接合されている。
図2に示すように、ケース本体12は、上記の第1収納空間S1および第1開口Q1を構成するために、御朱印帳X(図1)の表面および裏面の一方に対向する第1壁部22と、御朱印帳Xの表面および裏面の他方に対向する第2壁部24と、第1壁部22と第2壁部24とを繋ぐ周壁部26とを有している。第1開口Q1は、第1壁部22と第2壁部24との間において、第1壁部22および第2壁部24のそれぞれに対して平行方向(上方)へ開いて設けられている。
図2に示すように、本実施形態のケース本体12は、外箱部28と、外箱部28の内側に嵌め込まれた内箱部30とを有しており、上記の第1壁部22、第2壁部24および周壁部26は、外箱部28および内箱部30によって、二重構造に構成されている。
図3は、御朱印帳ケース10の構成を示す正面図である。図4は、図3におけるIV−IV線断面図である。図5は、図3におけるV−V線断面図である。図2に示す外箱部28は、図4に示す底板28a、前側板28bおよび後側板28cと、図5に示す左側板28dおよび右側板28eとを有する箱状に形成されている。図4に示すように、外箱部28の上部には、ケース本体12の第1開口Q1を構成する外側開口部32が上方へ開いて設けられている。また、図5に示すように、左側板28dおよび右側板28eのそれぞれの内側には、これらを補強するための左補強板34aおよび右補強板34bが設けられている。
上記の底板28a、前側板28b、後側板28c、左側板28dおよび右側板28eのそれぞれの材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、クラフト紙にフェノール樹脂を含浸させることによって製造されたフェノールバッカーが用いられている。また、上記の左補強板34aおよび右補強板34bの材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、MDF(木質繊維材)が用いられている。そして、図5に示すように、左側板28dおよび右側板28eと左補強板34aおよび右補強板34bとは、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて互いに接合されている。
図4に示す底板28aならびに図5に示す左側板28dおよび右側板28eのそれぞれの外面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第3人工皮革)36が、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて接合されている。また、図4および図5に示す前側板28bおよび後側板28cのそれぞれの外面には、スポンジなどの衝撃吸収性を有する板状のクッション材38が、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて層状に接合されている。さらに、クッション材38の外面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第3人工皮革)36が、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて接合されている。つまり、本実施形態では、第1壁部22および第2壁部24のそれぞれにおける人工皮革(第3人工皮革)36の内側にクッション材38が設けられている。
なお、人工皮革(第3人工皮革)36の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ウルトラスエード(登録商標)が用いられている。ウルトラスエード(登録商標)は、ソフトな手触りで上質な素材感があり、色落ちがし難く、適度な通気性と透湿性を有していることから、ケース本体12の表面を構成する材料としてふさわしい。人工皮革(第3人工皮革)36は、その起毛された毛によって御朱印帳X(図1)の表紙に付着した汚れを拭き取る機能を発揮する。
図2に示すケース本体12の内箱部30は、図4に示す底板30a、前側板30bおよび後側板30cと、図5に示す左側板30dおよび右側板30eとを有する箱状に形成されている。図4に示すように、内箱部30の上部には、ケース本体12の第1開口Q1を構成する内側開口部40が上方へ開いて設けられている。
上記の底板30a、前側板30b、後側板30c、左側板30dおよび右側板30eのそれぞれの材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ボール紙が用いられている。図4に示す底板30a、前側板30bおよび後側板30cならびに図5に示す左側板30dおよび右側板30eのそれぞれの内面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第1人工皮革)42が接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて接合されている。人工皮革(第1人工皮革)42の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、上記の人工皮革(第3人工皮革)36と同様にウルトラスエード(登録商標)が用いられている。人工皮革(第1人工皮革)42は、その起毛された毛によって御朱印帳Xの表紙に付着した汚れを拭き取る機能を発揮する。
図4および図5に示すように、ケース本体12の内箱部30は、外箱部28の内側に嵌め込まれて、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて外箱部28に接合されている。したがって、ケース本体12においては、外箱部28の前側板28bと内箱部30の前側板30bとによって、第1壁部22が構成されており、外箱部28の後側板28cと内箱部30の後側板30cとによって、第2壁部24が構成されている。また、外箱部28の底板28a、左側板28d、右側板28e、左補強板34aおよび右補強板34bと、内箱部30の底板30a、左側板30dおよび右側板30eとによって、周壁部26が構成されている。さらに、図4に示すように、外箱部28の外側開口部32と内箱部30の内側開口部40とによって、第1開口Q1を構成する開口部46が上方へ開いて設けられている。
そして、ケース本体12においては、第1壁部22、第2壁部24および周壁部26のそれぞれの内面に人工皮革(第1人工皮革)42が設けられており、第1壁部22、第2壁部24および周壁部26のそれぞれの外面に人工皮革(第3人工皮革)36が設けられている。
図2に示すように、蓋部14は、ケース本体12の第1開口Q1を開閉するための部材であり、ケース本体12の開口部46にヒンジ部16を介して回動可能に取り付けられている。ケース本体12と蓋部14とは、ほぼ同じ構造に構成されている。すなわち、蓋部14は、御朱印帳X(図1)の表面および裏面の一方に対向する第1壁部48と、御朱印帳Xの表面および裏面の他方に対向する第2壁部50と、第1壁部48と第2壁部50とを繋ぐ周壁部52とを有している。蓋部14の第2開口Q2は、第1壁部48と第2壁部50との間において、第1壁部48および第2壁部50のそれぞれに対して平行方向(下方)へ開いて設けられている。
本実施形態の蓋部14は、外箱部54と、外箱部54の内側に嵌め込まれた内箱部56とを有しており、上記の第1壁部48、第2壁部50および周壁部52は、外箱部54および内箱部56によって、二重構造に構成されている。外箱部54および内箱部56の具体的な構成は、ケース本体12の外箱部28および内箱部30とほぼ同じであるため、その説明は省略する。
図4に示すように、蓋部14の内箱部56は、外箱部54の内側に嵌め込まれて、接着剤や両面テープなどの接合手段を用いて外箱部54に接合されている。したがって、蓋部14においては、外箱部54と内箱部56とによって、第1壁部48、第2壁部50および周壁部52が構成されている。そして、第1壁部48、第2壁部50および周壁部52のそれぞれの内面には、ケース本体12の人工皮革(第1人工皮革)42と同様の人工皮革(第2人工皮革)58が設けられており、第1壁部48、第2壁部50および周壁部52のそれぞれの外面には、ケース本体12の人工皮革(第3人工皮革)36と同様の人工皮革(第4人工皮革)60が設けられている。
図4に示すように、ケース本体12を構成する人工皮革(第1人工皮革)42は、蓋部14を構成する人工皮革(第2人工皮革)58と一体に設けられており、人工皮革(第1人工皮革)42と人工皮革(第2人工皮革)58との境界に位置する第1境界部分62によって、ヒンジ部16の一部が構成されている。また、ケース本体12を構成する人工皮革(第3人工皮革)36は、蓋部14を構成する人工皮革(第4人工皮革)60と一体に設けられており、人工皮革(第3人工皮革)36と人工皮革(第4人工皮革)60との境界に位置する第2境界部分64によって、ヒンジ部16の一部が構成されている。本実施形態では、第1境界部分62と第2境界部分64とによってヒンジ部16の全体が構成されており、独立した回動機構は設けられてない。
図4に示すように、ケース本体12の第1開口Q1を蓋部14で閉じた状態において、蓋部14に対向する開口部46の第1対向面70および開口部46に対向する蓋部14の第2対向面72は、後方から前方へ向かって徐々に低くなるように傾斜して形成されている。これにより、第1開口Q1および第2開口Q2のそれぞれの実質的な開口面積が広く確保されている。
図4に示すように、第1対向面70および第2対向面72のそれぞれには、互いに接触する突起部74a,74bが設けられている。したがって、ケース本体12の第1開口Q1を蓋部14で閉じたときには、第1対向面70と第2対向面72との間に、空気が通る隙間Uが構成される。
図4に示す第1固定手段18は、蓋部14で第1開口Q1を閉じたときに蓋部14を磁力で固定する手段である。第1固定手段18は、蓋部14に対向する開口部46の第1対向面70および開口部46に対向する蓋部14の第2対向面72の一方に埋め込まれた磁石78と、これらの他方に埋め込まれて、磁石78に対して磁力で吸着される強磁性体80とを有している。図5に示すように、本実施形態では、ケース本体12を構成する左補強板34aおよび右補強板34bのそれぞれの上端部に凹部81が設けられており、これらの凹部81の内側に磁石78が配置されている。また、蓋部14を構成する左補強板および右補強板(図示省略)のそれぞれの下端部にも凹部(図示省略)が設けられており、これらの凹部の内側に強磁性体80が配置されている。
図4に示すように、本実施形態では、隙間Uを構成するための突起部74a,74bが、磁石78および強磁性体80のそれぞれに対応する位置に配置されている。したがって、蓋部14で第1開口Q1を閉じた状態では、突起部74aと突起部74bとが互いに接触するとともに、これらが第1固定手段18の磁力で確実に接合される。なお、強磁性体80は、磁石78に対して磁力で吸着される性質を有していればよく、磁石になっていない鉄等であってもよいし、磁石となった鉄等であってもよい。
図3に示すように、第2固定手段20は、蓋部14で第1開口Q1(図2)を閉じたときに蓋部14を引っ掛け構造により固定するものである。第2固定手段20は、組紐部82と、組紐部82が引っ掛けられるボタン部84とを有している。組紐部82は、「菊結び」で結ばれた結び部82aと、結び部82aから下方へ延びて形成された環状部82bと、環状部82bの下端部からさらに下方へ延びて形成されたフサ部82cとを有している。ボタン部84は、「釈迦結び」で結ばれた結び部84aを有している。そして、ボタン部84が、ケース本体12の前面の上部における左右方向中央部に取り付けられており、組紐部82が、蓋部14の前面の下部における左右方向中央部に取り付けられている。蓋部14を固定するとき、組紐部82の環状部82bがボタン部84の結び部84aに引掛けられる。
(実施形態に係る御朱印帳ケースの作動)
図1に示す御朱印帳Xをケース本体12の第1収納空間S1(図2)から取り出すとき、使用者は、蓋部14を開いた後、第1開口Q1(図2)が下方へ向くように御朱印帳ケース10の全体を傾斜させる。すると、御朱印帳Xは、ケース本体12の内面を第1開口Q1側へ滑り、御朱印帳Xの一部が第1開口Q1から外部へ突出する。したがって、使用者は、御朱印帳Xの第1開口Q1から突出した部分を手で掴むことによって、御朱印帳Xを第1収納空間S1から簡単かつ丁寧に取り出すことができる。また、御朱印帳Xを第1収納空間S1に収納するときには、使用者は、御朱印帳Xの一部を第1開口Q1に挿し込んだ後、御朱印帳Xの全体を第1収納空間S1に押し込むことができる。したがって、御朱印帳Xを第1収納空間S1に対して簡単かつ丁寧に収納することができる。
図1に示す御朱印帳Xをケース本体12の第1収納空間S1(図2)から取り出すとき、使用者は、蓋部14を開いた後、第1開口Q1(図2)が下方へ向くように御朱印帳ケース10の全体を傾斜させる。すると、御朱印帳Xは、ケース本体12の内面を第1開口Q1側へ滑り、御朱印帳Xの一部が第1開口Q1から外部へ突出する。したがって、使用者は、御朱印帳Xの第1開口Q1から突出した部分を手で掴むことによって、御朱印帳Xを第1収納空間S1から簡単かつ丁寧に取り出すことができる。また、御朱印帳Xを第1収納空間S1に収納するときには、使用者は、御朱印帳Xの一部を第1開口Q1に挿し込んだ後、御朱印帳Xの全体を第1収納空間S1に押し込むことができる。したがって、御朱印帳Xを第1収納空間S1に対して簡単かつ丁寧に収納することができる。
(実施形態に係る御朱印帳ケースの効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図4に示すように、蓋部14で第1開口Q1を閉じたときには、第1対向面70と第2対向面72との間に隙間Uが構成されるので、第1収納空間S1の内部の湿気を隙間Uから逃がすことが可能であり、御朱印帳Xが湿気で劣化することを抑制できる。
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図4に示すように、蓋部14で第1開口Q1を閉じたときには、第1対向面70と第2対向面72との間に隙間Uが構成されるので、第1収納空間S1の内部の湿気を隙間Uから逃がすことが可能であり、御朱印帳Xが湿気で劣化することを抑制できる。
第1壁部22の内面および第2壁部24の内面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第1人工皮革)42が設けられているので、第1収納空間S1に対して御朱印帳Xを出し入れする際に、御朱印帳Xの表面または裏面に付着した汚れを人工皮革(第1人工皮革)42で拭き取ることができる。
蓋部14の内表面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第2人工皮革)58が、人工皮革(第1人工皮革)42と一体に設けられているので、御朱印帳Xの表面または裏面に付着した汚れを、人工皮革(第2人工皮革)58で拭き取ることができる。また、人工皮革(第1人工皮革)42と人工皮革(第2人工皮革)58との境界に位置する第1境界部分62によって、ヒンジ部16の一部が構成されているので、ヒンジ部16を簡素化して、製造コストを低く抑えることができる。
第1壁部22の外面および第2壁部24の外面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第3人工皮革)36が設けられているので、第1収納空間S1から取り出された御朱印帳Xの表面または裏面に付着した汚れを、人工皮革(第3人工皮革)36で拭き取ることができる。
蓋部14の外表面には、起毛されたスエード状の人工皮革(第4人工皮革)60が、人工皮革(第3人工皮革)36と一体に設けられているので、御朱印帳Xの表面または裏面に付着した汚れを、人工皮革(第4人工皮革)60で拭き取ることができる。また、人工皮革(第3人工皮革)36と人工皮革(第4人工皮革)60との境界に位置する第2境界部分64によって、ヒンジ部16の一部が構成されているので、ヒンジ部16を簡素化して、製造コストを低く抑えることができる。
第1壁部22および第2壁部24のそれぞれにおける人工皮革(第3人工皮革)36の内側には、衝撃吸収性を有するクッション材38が設けられているので、人工皮革(第3人工皮革)36の汚れの拭き取り性能を向上させることができるとともに、ケース本体12を衝撃から保護することができる。
第1固定手段18は、第1対向面70および第2対向面72の一方に埋め込まれた磁石78と、第1対向面70および第2対向面72の他方に埋め込まれて、磁石78に対して磁力で吸着される強磁性体80とを有しているので、蓋部14で第1開口Q1を閉じたときには、蓋部14を磁力で固定することができる。また、当該磁力よりも強い力で蓋部14を回動させることによって、第1開口Q1を簡単に開くことができる。
(変形例)
なお、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、一般的な御朱印帳の大きい方のサイズ「横180mm×縦120mm」に合わせて御朱印帳ケース10の各部分のサイズが定められているが、一般的な御朱印帳の小さい方のサイズ「横160mm×縦110mm」に合わせて御朱印帳ケース10の各部分のサイズが定められてもよい。
なお、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、一般的な御朱印帳の大きい方のサイズ「横180mm×縦120mm」に合わせて御朱印帳ケース10の各部分のサイズが定められているが、一般的な御朱印帳の小さい方のサイズ「横160mm×縦110mm」に合わせて御朱印帳ケース10の各部分のサイズが定められてもよい。
上記実施形態では、第1壁部22、第2壁部24および周壁部26のそれぞれの内面に人工皮革(第1人工皮革)42が設けられているが、人工皮革(第1人工皮革)42は、第1壁部22および第2壁部24の一方の内面にだけ設けられてもよい。また、人工皮革(第3人工皮革)36は、第1壁部22および第2壁部24の一方の外面にだけ設けられてもよい。さらに、人工皮革(第1人工皮革)42および人工皮革(第3人工皮革)36の一方または両方は省略されてもよい。
上記実施形態では、第1境界部分62と第2境界部分64とによってヒンジ部16の全体が構成されているが、ヒンジ部16は、第1境界部分62および第2境界部分64の一方だけで構成されてもよい。また、ヒンジ部16は、金属製の独立した部品として構成されてもよい。
上記実施形態では、第1対向面70および第2対向面72のそれぞれに、互いに接触する突起部74a,74bが設けられているが、突起部は、第1対向面70および第2対向面72の一方だけに設けられてもよい。また、第1対向面70および第2対向面72のそれぞれに設けられる突起部74a,74bは、互いに接触しないように配置されてもよい。さらに、突起部74a,74bは、省略されてもよい。
上記実施形態では、第1壁部22、第2壁部24および周壁部26が二重構造に構成されているが、これらは、単層構造(一重構造)に構成されてもよいし、三重以上の複層構造に構成されてもよい。
Q1…第1開口、Q2…第2開口、S1…第1収納空間、S2…第2収納空間、U…隙間、X…御朱印帳、10…御朱印帳ケース、12…ケース本体、14…蓋部、16…ヒンジ部、18…第1固定手段、20…第2固定手段、22…第1壁部、24…第2壁部、26…周壁部、28…外箱部、30…内箱部、32…外側開口部、36…人工皮革(第3人工皮革)、38…クッション材、42…人工皮革(第1人工皮革)、46…開口部、58…人工皮革(第2人工皮革)、60…人工皮革(第4人工皮革)、62…第1境界部分、64…第2境界部分、70…第1対向面、72…第2対向面、74a,74b…突起部、78…磁石、80…強磁性体。
Claims (8)
- 御朱印帳を収納するための収納空間と前記収納空間に対して御朱印帳を出し入れするための開口とを有するケース本体と、
前記開口を開閉するための蓋部とを備え、
前記ケース本体は、前記御朱印帳の表面および裏面の一方に対向する第1壁部と、前記御朱印帳の表面および裏面の他方に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを繋ぐ周壁部とを有しており、
前記開口は、前記第1壁部と前記第2壁部との間において、前記第1壁部および前記第2壁部のそれぞれに対して平行方向へ開いて設けられており、
前記蓋部は、前記ケース本体における前記開口を構成する開口部にヒンジ部を介して回動可能に取り付けられている、御朱印帳ケース。 - 前記蓋部に対向する前記開口部の第1対向面および前記開口部に対向する前記蓋部の第2対向面の少なくとも一方には、突起部が設けられており、
前記蓋部で前記開口を閉じたとき、前記突起部が前記蓋部または前記開口部に接触することによって、前記第1対向面と前記第2対向面との間に隙間が構成される、請求項1に記載の御朱印帳ケース。 - 前記第1壁部の内面および前記第2壁部の内面の少なくとも一方には、起毛されたスエード状の第1人工皮革が設けられている、請求項1または2に記載の御朱印帳ケース。
- 前記蓋部の内表面には、起毛されたスエード状の第2人工皮革が、前記第1人工皮革と一体に設けられており、
前記第1人工皮革と前記第2人工皮革との境界部分によって、前記ヒンジ部の一部または全部が構成されている、請求項3に記載の御朱印帳ケース。 - 前記第1壁部の外面および前記第2壁部の外面の少なくとも一方には、起毛されたスエード状の第3人工皮革が設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の御朱印帳ケース。
- 前記蓋部の外表面には、起毛されたスエード状の第4人工皮革が、前記第3人工皮革と一体に設けられており、
前記第3人工皮革と前記第4人工皮革との境界部分によって、前記ヒンジ部の一部または全部が構成されている、請求項5に記載の御朱印帳ケース。 - 前記第3人工皮革の内側には、衝撃吸収性を有するクッション材が設けられている、請求項5または6に記載の御朱印帳ケース。
- 前記蓋部で前記開口を閉じたときに前記蓋部を固定する固定手段を備え、
前記固定手段は、前記蓋部に対向する前記開口部の第1対向面および前記開口部に対向する前記蓋部の第2対向面の一方に埋め込まれた磁石と、これらの他方に埋め込まれて、前記磁石に対して磁力で吸着される強磁性体とを有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の御朱印帳ケース。
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JP2020005170U JP3230700U (ja) | 2020-12-01 | 2020-12-01 | 御朱印帳ケース |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2020005170U Active JP3230700U (ja) | 2020-12-01 | 2020-12-01 | 御朱印帳ケース |
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2020
- 2020-12-01 JP JP2020005170U patent/JP3230700U/ja active Active
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