JP3200976U - ポーチ - Google Patents
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Abstract
【課題】小物を入れるポーチにおいて、開けやすいうえに、収納物の取出しや口を閉じる作業に不都合が生じることがないようにして、使いやすくする。【解決手段】前面部12と後面部13が収納空間14を挟んで相対向し底面部15で連結一体化され、上面と両側面の三方が開く構造のポーチにおいて、前面部12と後面部13と底面部15の内面に裏地21を備えるとともに、裏地21の外側に、前面部12と底面部15と後面部13に沿ってのび、前面部12と後面部13が離間する方向に付勢する帯状をなす金属製の板ばね22を備える。【選択図】図1
Description
この考案は、たとえば小銭や紙幣、化粧品、筆記具などの各種の小物を入れる容器に関し、より詳しくは、開けやすくて使いやすいポーチに関する。
開けやすいポーチとして下記特許文献1に開示されたものがある。これは、前面部と後面部が収納空間を挟んで相対向し底面部で連結一体化され、上面と両側面の三方が開く構造のポーチにおいて、開口した時に離れる前面部と後面部の内面に樹脂製の板部材を備えた構成である。板部材は前面部と後面部の幅の三分の一以上の幅広で長方形の板状であり、幅方向の両端部が前面部と後面部の上端部に固定されている。このため板状部は、ポーチを閉じた状態において断面略U字状になる。
このポーチでは、開口すると板部材の付勢力で前面部と後面部の上端部が互いに離れて広い開口が自動的に得られる。そのうえ、板状部における底面部に対応する底部分が、開口に伴って上昇するので、収納物の取出しが容易にできるという効果もある。
しかし、板状部はポーチの内面に露出している。特に板状部は底面部から浮く構造であるので、収納物が板状部の下に潜り込んでしまうことがある。この場合には収納物の取出しができない上に、口を閉じる場合に余計な負荷が開口のスライドファスナにかかることになる。
下記特許文献2にも、特許文献1のポーチと同様に開口しやすくしたポーチが開示されている。このポーチは、特許文献1の板状部に相当するプレート部を、取外し可能に備えている。これは、樹脂製のプレート部を長期間使用していると折り曲がり癖がついてしまうからであり、取り外して平らに延ばすようにして復元力を回復できるようにするためである。
理由はともあれ、このようにプレート部が取り外し可能であれば、収納物の取出しができないことはない。
しかしながら、その都度プレート部を外すのは面倒であるばかりか、プレート部の下に収納物がもぐりこんだまま口を閉じた場合の不都合は解消されない。
そこでこの発明は、開けやすいうえに、収納物の取出しや口を閉じる作業に不都合が生じることがなく使いやすくできるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、前面部と後面部が収納空間を挟んで相対向し底面部で連結一体化され、上面と両側面の三方が開く構造のポーチであって、前記前面部と前記後面部と前記底面部の内面に裏地を備えるとともに、該裏地の外側に、前記前面部と前記底面部と前記後面部に沿ってのび、前記前面部と前記後面部が離間する方向に付勢する帯状をなす金属製の板ばねを備えたポーチである。
この構成では、板ばねは、開口前において前面部と底面部と後面部に沿って略U字状に曲がっており、開口すると板ばねが両端部、つまり前面部と後面部を付勢力で離間させる方向に移動させ、収納空間を開いた開口状態を保つ。板ばねは、裏地の外側に備えられている。つまり内部に隠ぺいされており、裏地の外側で裏地と一体に変形する。また金属製の板ばねは弾発性を長期間にわたって維持する。
前記板ばねは、前記前面部と前記後面部と前記底面部に比べてそれらの幅の4分の1よりも狭い細幅であり、該板ばねを前記前面部と前記後面部と前記底面部の幅方向の中間に1本備えてもよい。
この構成では、樹脂に比べて強い弾発性を有する板ばねは、前面部と後面部の幅方向の中間を開方向に付勢する。板ばねの幅は前面部などの幅に比べてかなり狭いので、板ばねは前面部や後面部の外面に表れにくく、金属製でありながらもごつごつした印象が生じるのを防止する。
前記板ばねの両端部の外側に、それぞれ前記前面部と前記後面部の上部に対応する形状で可撓性を有する補助プレートを備えてもよい。
この構成では、補助プレートが板ばねの付勢力を前面部と後面部の上部全体に可撓性をもって伝達する。
前記裏地における前記板ばねが備えられる部位の周囲に、縫い付けられる他の部材との協働で前記板ばねを保持する縫い目を形成してもよい。
この構成では、縫い付けられる他の部材と裏地との間の板ばねを縫い目が保持するので、粘着剤で固定した場合に比べて長期間にわたって強力に、保持状態を維持する。
前記前面部または前記後面部のうち少なくとも一方の外面であって前記板ばねに対応する部位に、前記外面にポケットを形成するためのシート状のポケット形成シート部を重ねてもよい。
この構成では、前面部または後面部の外面のポケット形成シート部の内側のポケットに紙片などを差し込むと、板ばねがポケット内の紙片を押圧して、差し込み状態を保持する。
以上のようにこの発明によれば、板ばねが開口方向に付勢力を発揮するので開けやすく、この状態が保持されるので収納物の取出しが容易である。しかも、付勢を行う板ばねは、裏地の外側に設けられており収納空間に露出しない構成であるので、板ばねの下に収納物がもぐりこんだりして、取りだしにくくなったり、口が閉じなくなったりする不都合を発生しないようにすることができる。また板ばねは裏地の外側に存在して裏地と一体に変形するので、前面部と底板部と後面部が完全にひとつになった状態であり、収納空間を板ばねのない構成のポーチと同様に広く使える。しかも、板ばねは金属製であるので、長期間にわたって良好に使用できる。
このため非常に使いやすいポーチとなる。
請求項2の構成を採用すると、前述の効果と併せて、板ばねは前面部と後面部の幅方向の中間部に備えられるので、もっとも開いてほしい部分を良好に開くことができて使いやすい。一方で板ばねは、前面部と後面部の幅に比べてかなり狭いので、金属製でありながらも存在を外観上も感触上も目立たなくすることができ、裏地の外側に設けられたことと相まって、納まりがよい。
請求項3の構成を採用すると、前述の効果と併せて、補助プレートが板ばねの付勢力を前面部と後面部の上部全体に伝えて、前面部と後面部の上部に張りを与えるので、外観美麗であり、可撓性ゆえに感触も良好にすることができる。
請求項4の構成を採用すると、前述の効果と併せて、板ばねが縫い目によって強力に保持されるので、粘着剤のみで固定した場合のような不測の脱落がなく、板ばねを金属製としたことの利点を十分に発揮させることができる。
請求項5の構成を採用すると、前述の効果と併せて、ポケットに収納した紙片等は板ばねで押圧されて保持されるので、不測に脱落したりすることなくすることができる。開口しやすくし開口状態を保持するための板ばねを流用するので別途に特別な構成を採用しなくても、さらに使いやすいポーチとすることができる。
この考案を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1はポーチ11を開いた状態の前面側からの斜視図であり、図2はその閉じた状態を示す斜視図である。
図1はポーチ11を開いた状態の前面側からの斜視図であり、図2はその閉じた状態を示す斜視図である。
これらの図に示すようにポーチ11は、前面部12と後面部13が収納空間14を挟んで相対向し底面部15で連結一体化され、上面と両側面の三方が開く構造である。前面部12と後面部13は同じ形であり、正面視横長の長方形で、上部両側の角が丸くなっている。前面部12と後面部13の間の収納空間14の厚さは適宜設定される。前面部12と後面部13の下端をつなぐ底面部15は、前面部12と後面部13の幅と同じ幅に形成されている。
上面と両側面は、スライドファスナ17を備えたスライドファスナテープ11aで一体に構成されている。これは、収納空間14の幅をスライドファスナテープ11aの幅に設定したからであって、それよりも幅広にする場合には、別の生地を固定して上面と両側面を形成することもできる。
このようにポーチ11は、主に前面部12と後面部13と底面部15を構成する略長方形の本体シート11bと、これの周囲に縫着されるスライドファスナテープ11aで構成されている。このほか、ポーチ11は収納空間14に仕切り11cを備えている。仕切り11cは、収納空間14を厚さ方向に区画するものである。仕切り11cは、口を閉じるとつづら折り状に折りたたまれるマチ布18を両側に有し、マチ布18の両端は前面部12と後面部13の内面に取り付けられる。
前述の本体シート11bは、図3に示したように、内面に裏地21を備えるとともに、この裏地21の外側に、前面部12と後面部13が離間する方向に付勢する帯状をなす金属製の板ばね22を備えている。具体的には本体シート11bは、略長方形の表地23と、これに対応する形状の裏地21を有し、これらの間に板ばね22と、補助プレート24が固定される。
表地23は、柔軟な適宜の生地などのシート材で構成され、長方形の長手方向の中間部に底面部15を形成する底面部域15aを有し、その長手方向の一方側に前面部12を形成する前面部域12a、他方側に後面部13を形成する後面部域13aが形成されている。図3中、表地23に表した仮想線はこれらの境界である。
裏地21は、表地23と同じ形状であり、反対側を透視させない不透明で柔軟なシート材で構成されている。
板ばね22は細幅帯状である。具体的には板ばね22は、前面部12と後面部13と底面部15に比べてそれらの幅の4分の1よりも狭い幅、好ましくは10分の1から12分の1程度、たとえば前面部12等の幅が120mm程度である場合に、10mm程度などに設定するとよい。
板ばね22の長さは、表地23と裏地21の長手方向の長さよりも短い。これは、図1、図2に示したように、板ばね22の両端位置を前面部12と後面部13の上端から少し下がった位置に設定するためである。図3中、裏地21に表した仮想線は、板ばね22が固定される位置を示す線である。
補助プレート24は、前面部12と後面部13の上部に対応する形状で可撓性を有し、板ばね22の両端部の外側に備えられる。具体的には補助プレート22は、前面部12または後面部13を形成する前面部域12aまたは後面部域13aの形状と上部においては同一に形成されているが、その高さは、前面部域12aまたは後面部域13aよりも低く形成されている。このため、補助プレート24を前面部域12aまたは後面部域13aに重ねると、前面部域12aまたは後面部域13aの下部において、補助プレート24のない部位ができることになる。補助プレート24の下端は直線状であり、補助プレート24は全体として略長方形である。図3中、補助プレート24に表した仮想線は、板ばね22が固定される位置を示す線である。
このような部材で構成される本体シート11bは、表地23の内面に補助プレート24、板ばね22、裏地21と順に重ね合わせて一体にする。このとき、裏地21における板ばね22が備えられる部位の周囲に、縫い付けられる他の部材、つまり補助プレート24(補助プレート24を省略する場合には別途に用いられる他のシート材や表地23)との協働で板ばね22を保持する縫い目25が形成される(図1参照)。縫い目25は、板ばね22の位置が定まるように板ばね22の縁の近くに形成される。縫着に先立って両面テープ等で板ばね22を補助プレート24や裏地21に対して固定しておいてもよい。
また図4に示したように、ポーチ11の前面部または後面部の少なくとも一方にポケット19が形成される。図4は後面部にポケット19を形成した例を示す。このため、本体シート11bにおける後面部13の外面であって板ばね22に対応する部位に、外面にポケット19を形成するためのシート状のポケット形成シート部26が重ねられている。ポケット形成シート部26は、後面部13と同じ幅だが後面部13よりも低く形成される。これはポケットシート部26の上端縁の位置を後面部13の上端よりも下げるためである。ポケット形成シート部26を後面部13に重ねるのに際しては、両側縁のみが本体シート11bに縫着される。ポケット形成シート部26は表地と一体でも別体でもよい。
本体シート11bの内面に前述のマチ布18を縫着するとともに、外面にポケット形成シート部26を縫着し、本体シート11bを折り曲げた状態にして全周にスライドファスナテープ11aを取り付けて縁布27で被覆すればポーチ11は完成する。
以上のように構成されたポーチ11は、スライドファスナ17を閉じた状態では、収納空間14に何も入れていなくても板ばね22と補助プレート24の存在によって一定の張りのある状態になっている。膨らんだ状態であっても、何も入っていない状態であれば、押されることによって小さくなるので、不必要に場所を取ることはない。
そして開口すると板ばね22の付勢力によって、前面部12と後面部13の上部が離れて自動的に口を広げた状態になり、この状態が保たれる。開口状態は、可撓性を有する補助プレート24を備えているため、全体が自然に湾曲するため、美麗である。しかも、補助プレート24は、前面部12や後面部13の高さよりも短くして、前面部12や後面部13の下部に存在しないようにしているので、底面部15近傍の変形でも自然な曲面が得られ、良好な外観が得られる。
十分に開いてしかも美麗な開口状態が得られるので、収納空間14に物を入れたり入れた物を取りだしたりすることが容易に行える。小銭などのように種類がたくさんあるものの場合には、選んで取りだすことが極めて容易であり、体裁もよい。しかも、板ばね22は前面部12と後面部13の幅方向の中間に備えられているので、幅方向の中間が最も広がり、取りだしやすさは格別である。
そのうえ、板ばね22は裏地21よりも外側、つまり本体シート11bの内層に備えられているので、板ばね22が収納物と直接接することはなく、収納物を取りだしにくくなったり、口を閉じにくくなったり、板ばね22の機能を阻害したりすることがなく、使いやすい。裏地21は板ばね22の視認を防ぐので見た目もよい。
また板ばね22は金属製であるので耐久性がよく、長期間にわたって良好に使用できる。このような板ばね22ではあるが、細幅に形成するとともに、その長さを前面部12と底面部15と後面部15の長さよりも短くして、板ばね22の両端に対応する部位に前面部12または後面部13と同じ幅の補助プレート24を備えているので、補助プレート24の可撓性との協働で、全体として柔軟性のある張を付与することができ、外観も、触ったときの感触も良好なポーチ11となる。
板ばね22の耐久性の良さは、板ばね22の保持を縫着によって行うことからも得られる。すなわち、粘着剤に頼ると経年変化や変形に伴ってかかる負荷で粘着部分が外れやすくなるが、縫着であるので縫い目25が外れない限り保持状態を維持できる。
さらに、後面部13における板ばね22に対応する部位にポケット形成シート部26を備えてポケット19を形成したので、図4に示したように、このポケット19に例えば紙片31を差し込んで保持したときに板ばね22が紙片31を押しつけることになるので、押圧力を発揮させて強力な保持を実現することができる。このため、単に差し込んだだけでも、不測に脱落したりすることない保持ができ、前述のように非常に使いやすいポーチに付加価値を付けることができる。
以上の構成はこの発明を実施するための一形態の構成であって、その他の構成を採用することもできる。
たとえば開口部分にスライドファスナに代えてがまぐちの口金など、その他の開閉手段を備えてもよい。
11…ポーチ
12…前面部
13…後面部
14…収納空間
15…底面部
19…ポケット
21…裏地
22…板ばね
24…補助プレート
25…縫い目
26…ポケット形成シート部
12…前面部
13…後面部
14…収納空間
15…底面部
19…ポケット
21…裏地
22…板ばね
24…補助プレート
25…縫い目
26…ポケット形成シート部
Claims (5)
- 前面部と後面部が収納空間を挟んで相対向し底面部で連結一体化され、上面と両側面の三方が開く構造のポーチであって、
前記前面部と前記後面部と前記底面部の内面に裏地を備えるとともに、
該裏地の外側に、前記前面部と前記底面部と前記後面部に沿ってのび、前記前面部と前記後面部が離間する方向に付勢する帯状をなす金属製の板ばねを備えた
ポーチ。 - 前記板ばねが、前記前面部と前記後面部と前記底面部に比べてそれらの幅の4分の1よりも狭い細幅であり、
該板ばねを前記前面部と前記後面部と前記底面部の幅方向の中間に1本備えた
請求項1に記載のポーチ。 - 前記板ばねの両端部の外側に、それぞれ前記前面部と前記後面部の上部に対応する形状で可撓性を有する補助プレートを備えた
請求項1または請求項2に記載のポーチ。 - 前記裏地における前記板ばねが備えられる部位の周囲に、縫い付けられる他の部材との協働で前記板ばねを保持する縫い目が形成された
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のポーチ。 - 前記前面部または前記後面部のうち少なくとも一方の外面であって前記板ばねに対応する部位に、前記外面にポケットを形成するためのシート状のポケット形成シート部が重ねられた
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のポーチ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017189273A (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | コクヨ株式会社 | 棒状小物類収納ケース |
JP2020110263A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | 株式会社イオンライフ | 物品入れ |
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- 2015-09-03 JP JP2015004478U patent/JP3200976U/ja not_active Expired - Fee Related
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