JP3228856B2 - 灰皿を備えたドアポケット構造 - Google Patents

灰皿を備えたドアポケット構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアの内
側に設けられる、灰皿を備えたドアポケット構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すように、自動車に開閉
自在に取着されたドア10の内側にはドアライニング1
2が設けられ、該ドアライニング12の一部に灰皿14
が設けられている。この灰皿14は開閉自在且つ着脱自
在であり、タバコの灰、吸殻等を該灰皿14に入れると
きに当該灰皿14を開け、また、当該灰皿14内にある
吸殻等を捨てるときには灰皿14を前記ドアライニング
12から取り外し、前記吸殻等をごみ箱等に捨ててい
る。
【0003】また、前記灰皿14に隣接して図示しない
ドアポケットが前記ドアライニング12に形成されたも
のもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術に係る自動車の灰皿の取付構造では、灰皿14
を開閉、または着脱する際、ドアライニング12に前記
開閉または着脱の際の力が加わり、該ドアライニング1
2が損傷する懸念がある。このため、当該ドアライニン
グ12を相当に強度があるように形成し、あるいは部分
的に補強する必要があり、製造コストが高騰しているの
が現状である。また、灰皿14の上方の空間は利用され
ることがなく、限られた車室内の空間を有効利用するこ
とができないという問題があった。
【0005】本発明は前記の課題を解決すべくなされた
ものであって、ドアライニングの強度をさほどに増強す
ることなく、あるいは補強が不要となり、また、灰皿の
上方の空間を有効に利用することが可能であり且つ小物
を収納して容易に取り出すことが可能な収納部を有す
る、灰皿を備えたドアポケット構造を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、自動車に開閉自在に取着されるドアに
おいて、前記ドアの内側に設けられたドアライニング
と、前記ドアライニングの下部に該ドアライニングと一
体的に形成されたドアポケットと、前記ドアポケットを
構成する壁部に開閉自在且つ着脱自在に設けられた灰皿
と、を備え、前記壁部は前記灰皿の収納時に該灰皿の上
部を閉塞し 前記ドアライニングには前記灰皿の上下お
よび両側部を囲繞する膨出部が形成され、該膨出部によ
り灰皿中の吸殻から発生する煙の車室内への流入を阻止
することを特徴とする。
【0007】本発明によれば、乗員は灰皿を開けてタバ
コの灰や吸殻等を該灰皿に捨てる。灰皿を閉めると該灰
皿はドアポケットに収納され、該灰皿の上部が前記ドア
ポケットを構成する壁部によって閉蓋される。
【0008】この場合、前記ドアライニングには前記灰
皿の上下および両側部を囲繞する膨出部が形成され、該
膨出部により灰皿中の吸殻から発生する煙の車室内への
流入を阻止すると、車室内の空気が汚染される懸念がな
く、好適である。
【0009】また、この場合、前記ドアライニングには
前記灰皿の上方に収納部が設けられると、該収納部に小
銭、ライター等の小さな物品を入れることができ、好適
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る灰皿を備えたドアポ
ケット構造について、好適な実施の形態を挙げ、添付の
図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0011】図1において、参照符号20は、本実施の
形態に係る灰皿を備えたドアポケット構造を示す。この
ドアポケット構造20は、自動車の後部側に開閉自在に
取着されたドア22に設けられる。該ドア22の内側に
はドアライニング24が設けられ、該ドアライニング2
4には自動車の前後方向に沿って延在するアームレスト
26が設けられる。該アームレスト26の下方には板状
部材28が固着され、該板状部材28と前記ドアライニ
ング24とでドアポケット30が形成される。前記板状
部材28は、物品を出し入れする際に損傷しないように
強固に形成されている。
【0012】前記板状部材28には内側へと開口する長
孔32が画成され、前記板状部材28には前記長孔32
の前方(自動車の前方方向)に、図2および図3に示す
略四角形状の孔部34が画成され、該孔部34には後述
する灰皿36が係合する。該孔部34を構成する上部の
縁部はドアライニング24の方向(図2中、左方)に湾
曲部38が形成され、乗員の指が該湾曲部38に挿入自
在に形成される。当該湾曲部38の端部にはドアライニ
ング24の方向に屈曲した屈曲部40が形成され、該屈
曲部40には灰皿36の蓋を構成するガイド部材42が
ねじ44で締結される。該ガイド部材42には湾曲した
摺動部46と、該摺動部46の端部から下方に屈曲した
ストッパ48a、48bが形成されている。また、前記
孔部34を構成する下部の縁部にはその上端部が湾曲し
た凸部50が形成される。
【0013】前記凸部50には、灰皿36の下部に固着
され、凹部が形成された支持部材52が回動自在且つ着
脱自在に係合する。前記支持部材52は筐体状の収納部
54に一体的に成形され、該収納部54の、車室内部
(図2中、右側)に面する壁部56aは、前記ドアライ
ニング24に面する側の壁部56bより高く形成され、
該壁部56aには比較的厚い蓋部材58が固着される。
なお、該蓋部材58は前記収納部54と一体的に成形し
ても良い。前記壁部56aには板状の弾性部材60が固
着される。該弾性部材60は上方に湾曲し、先端部にロ
ーラ62が回動自在に設けられ、該ローラ62は前記ガ
イド部材42に形成された摺動部46に摺動自在に係合
する。
【0014】前記ドアライニング24には前記灰皿36
の上下および両側部を囲繞する膨出部64a〜64dが
形成され、該膨出部64a〜64dは前記ドアポケット
30を構成する板状部材28に当接する。前記灰皿36
の上方および下方に形成された膨出部64a、64cに
は孔部66a、66bが画成される。前記灰皿36の上
方に形成された前記膨出部64aにより凹部68が画成
され、該凹部68を形成する壁部および底部と前記板状
部材28により収納部70が形成される。この収納部7
0は前記ドアポケット30と比較して浅く形成されてい
ることが図1から諒解されよう。
【0015】本実施の形態に係る灰皿を備えたドアポケ
ット構造20は基本的には以上のように構成されるもの
であり、次にその作用について説明する。
【0016】灰皿36が閉じられているとき、図2の実
線で示すように、ローラ62はガイド部材42の一方の
ストッパ48bに当接している。指を湾曲部38に挿入
して蓋部材58の上端を車室内部に指向して変位させる
と、支持部材52は凸部50を中心に回動し、ローラ6
2はガイド部材42に沿って摺動して他方のストッパ4
8aに当接して停止し、灰皿36が開けられる(図2の
2点鎖線参照)。乗員はこの状態でタバコの灰、吸殻等
を灰皿36の蓋部材58とドアポケット30の壁部との
間隙から収納部54に入れる。
【0017】蓋部材58をドアライニング24の方向に
指向して変位させると、ローラ62がガイド部材42に
沿って摺動して灰皿36が閉められる。このとき、吸殻
に火がついている場合、収納部54の内部に煙が充満
し、該煙は吸殻の火によって発生する上昇気流に乗って
膨出部64aに画成された孔部66aから上方へと向か
う。この煙は前記膨出部64aの上部、すなわち、収納
部70の底部によって車室内部に流入することが阻止さ
れる。一方、上方へ向かわず、灰皿36の側部や下部に
煙が向かった場合でも、膨出部64a〜64dによって
該煙が車室内部に流入することが阻止される。
【0018】また、灰皿36はガイド部材42と膨出部
64a〜64dによって囲繞されているため、該膨出部
64a、64cに孔部66a、66bが画成されている
ものの、空気の流通は阻止され、酸素の供給が阻害され
ている。このため、収納部54内の空気中の酸素は吸殻
に着火されている火によって消費されて減少し、吸殻の
火が消えるに至る。
【0019】灰皿36を開けた状態(図2の2点鎖線参
照)から該灰皿36を上方に変位させると、弾性部材6
0は撓曲し、支持部材52と凸部50との係合状態が解
除され、灰皿36を孔部34から取り外すことができ
る。このため、灰皿36の内部の吸殻、灰等を収納部5
4から取り出してごみ箱等に捨てることができる。
【0020】この灰皿36を再び取り付ける場合、ロー
ラ62をガイド部材42の摺動部46、ストッパ48a
に当接させ、前記灰皿36を上方に変位させると、弾性
部材60が撓曲する。灰皿36をドアライニング24の
方向に変位させると、支持部材52を凸部50に係合さ
せることができ、灰皿36が孔部34に挿入される。
【0021】灰皿36を開閉、または着脱する際、ドア
ポケット30の板状部材28に力が加わるが、該板状部
材28は強固に形成されているため、損傷する懸念がな
い。また、当該板状部材28によって前記の力が分散さ
れるため、ドアライニング24が損傷することもない。
【0022】灰皿36の上部には収納部70が浅く形成
されているため、ドアポケット30に入れると取り出す
ことが困難であった小さい物品、例えば、小銭、ライタ
ー、タバコ等を容易に取り出すことができる。
【0023】また、ドアポケット30に小さな物品が収
納された場合、板状部材28に画成された長孔32から
物品を取り出すことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る灰皿を備えたドアポケット
構造によれば、以下のような効果ならびに利点が得られ
る。
【0025】物品を出し入れするためにドアポケットは
従来から強固に形成されている。このドアポケットに灰
皿を取り付ければよいので、改めて補強する必要がな
く、また、ドアライニングに灰皿を設けないため、該ド
アライニング自体を強度的に増大させ、あるいは補強す
る必要がない。従って、製造コストを低廉化することが
可能となる。
【0026】また、灰皿の上部に比較的浅い収納部が設
けられているため、灰皿の上方の空間を有効に利用する
ことができ、しかも、浅い収納部と深いドアポケットの
両方が備えられるため、物品をその大きさによって収納
部とドアポケットのいずれか一方を選択して収納するこ
とができ、好適である。
【0027】さらに、灰皿に入れられた吸殻に火がつい
ていた場合でも、灰皿を閉めると吸殻から発生する煙が
車室内に入る懸念がなく、車室内の空気が汚染されるこ
とがない。さらにまた、ガイド部材と膨出部によって空
気の流れが阻害され、酸素が灰皿に供給されないため、
吸殻の火も自然に消火される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る灰皿を備えたドアポ
ケット構造が設けられたドアを示す斜視図である。
【図2】図1のドアポケット構造を示す縦断面図であ
る。
【図3】図1のドアポケット構造を構成するドアライニ
ングの一部省略斜視図である。
【図4】従来技術に係る灰皿が設けられたドアを示す正
面図である。
【符号の説明】
20…ドアポケット構造 22…ドア 24…ドアライニング 28…板状部材 30…ドアポケット 36…灰皿 54…収納部 64a〜64d…膨
出部 66a、66b…孔部 70…収納部
フロントページの続き (72)発明者 棚橋 秀行 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 実開 平2−96322(JP,U) 実開 昭60−65140(JP,U) 実開 昭56−60620(JP,U) 実開 昭60−149454(JP,U) 実開 昭63−72138(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 3/08 B60N 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車に開閉自在に取着されるドアにおい
    て、 前記ドアの内側に設けられたドアライニングと、 前記ドアライニングの下部に該ドアライニングと一体的
    に形成されたドアポケットと、 前記ドアポケットを構成する壁部に開閉自在且つ着脱自
    在に設けられた灰皿と、 を備え、前記壁部は前記灰皿の収納時に該灰皿の上部を
    閉塞し 前記ドアライニングには前記灰皿の上下および両側部を
    囲繞する膨出部が形成され、該膨出部により灰皿中の吸
    殻から発生する煙の車室内への流入を阻止する ことを特
    徴とする灰皿を備えたドアポケット構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載のドアポケット構造におい
    て、 前記ドアライニングには前記灰皿の上方に収納部が設け
    られたことを特徴とする灰皿を備えたドアポケット構
    造。
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