JP2707480B2 - スクータ型自動二輪車の物入れ装置 - Google Patents

スクータ型自動二輪車の物入れ装置

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JP2707480B2
JP2707480B2 JP4296544A JP29654492A JP2707480B2 JP 2707480 B2 JP2707480 B2 JP 2707480B2 JP 4296544 A JP4296544 A JP 4296544A JP 29654492 A JP29654492 A JP 29654492A JP 2707480 B2 JP2707480 B2 JP 2707480B2
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博幸 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、運転シートの下方にヘ
ルメットを収納できる大容量の物入箱を設けたスクータ
自動二輪車における物入れ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】操向バーハンドルと運転シートとの間の
下方に略板状の足置台を備える2輪のスクータ型車両が
従来よりある。この種の車両で運転シートの下方に大容
量の物入れ空間、例えばフルフェイス型ヘルメットが収
容できるような大容量の物入れ空間を形成することが考
えられている。 【0003】例えば実開昭59−26089号には、運
転シートの下に設けたヘルメット収納箱内に燃料タンク
を突出させ、この燃料タンクにヘルメットを被せて保持
するものが示されている。 【0004】 【従来の技術の問題点】しかしこのようにヘルメット収
納箱内に燃料タンクが突出しているものでは、ヘルメッ
ト以外の大型の荷物を収納することが困難である。そこ
でこのように燃料タンクをヘルメット収納箱内に突出さ
せないようにすることが考えられる。しかしこの場合に
は、収納箱内で不安定になり易い。このため二人乗りを
する時のために、同乗者用のヘルメットをこの収納箱に
収納して走行する場合に、ヘルメットが振動して騒音を
発生するだけでなく、ヘルメットも傷付き易いという問
題があった。 【0005】 【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、運転シートの下方に設けた物入箱にフルフ
ェイス型ヘルメットを収納可能とし、この際ヘルメット
を物入箱内で安定させて、内部で振動したり騒音を発生
したりするのを防止でき、ヘルメットを収納しない時に
は大型の荷物を楽に収納できるようにしたスクータ型
動二輪車の物入れ装置を提供することを目的とする。 【0006】 【発明の構成】本発明によればこの目的は、操向バーハ
ンドルと、前部の左右幅が前端に向かって次第に狭くな
るように平面視ほぼ円弧状に形成された前後に長い運転
シートと、前記操向バーハンドルと運転シートとの間の
下方に配設された略板状の足置台と、前記運転シートの
下方に上下揺動自在に配設され後端に一つの後輪を保持
する動力ユニットと、前記運転シートと前記動力ユニッ
トとの間に配設され前記運転シートにより開閉される物
入箱とを備えるスクータ型車両において、前記物入箱の
底部に後上がりの傾斜面を形成し、前記物入箱の前壁お
よびこの前壁から左右に連続する左右側壁を前記運転シ
ートの前部の平面視ほぼ円弧状の形状にほぼ沿わせつつ
下降させて前記物入箱前部の底部に連続させ、この物入
箱の前壁から前方へ突出して設けたヒンジに前記運転シ
ート前部下面を軸着し、前後方向を車体前後方向にした
フルフェイス型ヘルメットを前記前壁および左右側壁に
当接させつつ前記傾斜面に下後方から支持させて収納可
能にすると共に、収納したヘルメットを弾力的に押圧す
る緩衝を前記運転シートの底面に設け、前記ヘルメッ
トを前記前壁と左右側壁と傾斜面と緩衝部とで保持可能
にしたことを特徴とするスクータ型自動二輪車の物入れ
装置により達成される。 【0007】 【実施例】図1は本発明の一実施例の側面図、図2はそ
のII−II線断面を含む平面図、図3は図1における III
−III 線断面図である。 【0008】図中符号10はフレームである。このフレ
ーム10は操向軸筒12と、1本の前部フレーム14
と、この前部フレーム14の下端から斜め上後方へ延び
る左右一対の後部フレーム16(16a,16b)とを
備える。操向軸筒12に左右へ回動自在に保持された操
向軸には、1個の操向前輪18および操向バーハンドル
20が取付けられている。 【0009】22は動力ユニットであり、強制空冷式2
サイクル水平置きエンジン24と、伝動ケース26とが
一体に組付けられている。伝動ケース26の前部は、リ
ンク28を介して前記後部フレーム16へ上下揺動可能
に連結されている。伝動ケース26の後部は、緩衝ユニ
ット30によって弾力的に支持されている。32は、こ
の伝動ケース26の後部に取付けられた後輪であり、前
記後部フレーム16の後段部16B下方に位置してい
る。 【0010】前記後部フレーム16は、2段の階段状に
折曲され、その前段部16Aは空車状態における後輪3
2の上縁よりやや低く、またその後段部16Bは空車状
態における後輪32の上縁より高くなっている。左右の
後部フレーム16a、16bの後段部16Bには、上方
へ突出する弧状の後ブラケット34が固着されている。 【0011】36は合成樹脂製の大型の物入箱であり、
この物入箱36は前記ブラケット34の前方でかつ後フ
レーム16の前段部16Aの上方の空間に配設されてい
る。このように後部フレーム16を物入箱36よりも下
方に配置したので、物入箱36の開口部の左右幅が後部
フレーム16の間隔によって制限を受けず、開口部が十
分に大きな物入箱36とすることができる。従って図1
のように、フルフェイス型のヘルメット38も収容可能
な物入箱36とすることが可能になる。 【0012】この物入箱36は平面状の底を有し、この
底はさらに前記両後部フレーム16a,16b間が陥没
している。この物入箱36の前壁36Aとこの前壁36
Aから左右に連続する左右側壁36B、36Dとにかけ
て広がる内壁面は、後記運転シート40の前部の形状
なわち平面視ほぼ円弧状の形状にほぼ沿いつつ下降し、
物入箱36の底部に連続している。また物入箱36の底
部の後部は後上がりの傾斜面36Cに連続している。【0013】 この物入箱36の内壁面には、4個の突部
A、B、C、Dが一体に形成されている。すなわち前壁
36Aに突部Aが、左右の側壁36B、36Dに突部
B、Dが、さらに後壁となる傾斜面36Cには突部Cが
それぞれ設けられている。これら突部A〜Dは内壁面の
内側に段状に隆起した部分の上縁により形成されてい
る。【0014】 これらの突A〜Dは図1に示すように、
ヘルメット38を倒立させて収納した時に、ヘルメット
38の球状の頂部に当接し、ヘルメット38を安定に保
持する。すなわちヘルメット38の前部と後部とが前壁
36Aと傾斜面36Cとに支持されて前後方向の移動が
規制され、左右両側部が側壁36B、36Cに支持され
て左右方向の移動が規制されている。この実施例では、
この時ヘルメット38の頂部が荷物箱36の底にも当接
する(図3)。なお荷物箱36の内面には短い繊維が電
気植毛により付着されている。 【0015】40は前後に長い運転シートであり、その
前部の左右幅前端に向って次第に狭くなって平面視ほ
ぼ円弧状となるように形成されている。この運転シート
40のシート底板40Aの前端部は、物入箱36の前壁
から前方へ突出するように設けたヒンジ42により開閉
自在に取付けられ、その後部は前記ブラケット34上面
に設けたロック装置44にロック可能となっている。 【0016】すなわち運転シート40をロック装置44
にロックすれば、運転シート40の底板により物入箱3
6の上部開口が閉じられ、ロック装置44をロック解除
して運転シート40を図1で反時計方向に回動させれ
ば、物入箱36の上部開口が開かれ、ヘルメット38な
どの出し入れが可能になる。ここに運転シート40を軸
支するヒンジ42は物入箱36の前壁36Aから前方へ
突出して位置するから、運転シート40を上方へ開いた
時に物入箱36の開口が大きく開き、しかも運転シート
40が物入箱36から大きく離れることになる。また物
入箱36の前壁36Aは平面視円弧状であるから、前壁
36Aの左右部分は開いた運転シート40から一層大き
く離れることになる。このためヘルメット38などの大
きな荷物の出し入れが容易になる。 【0017】なおシート底板40Aの下面には複数のス
ポンジ状の緩衝材46が貼着されている。この緩衝材4
6はシート40で物入箱36の開口を閉じた時にヘルメ
ット38の開口縁に当接し、ヘルメット38を荷物箱3
6内に押圧する緩衝機能をシート40の底面に持たせる
ものである。このためヘルメット38の振動は一層少な
くなる。ここにヘルメット38は物入箱36の前壁36
Aの円弧形状に入り込むから、ヘルメット38の位置は
ヒンジ42に近付く。一方緩衝材46の一部は、図1か
ら明らかなように物入箱36の前寄り位置に収容されて
いるヘルメット38を押さえるために緩衝剤46とヒン
ジ42に接近する。このため緩衝材46を精度良くヘル
メット38に当接させることができる。 【0018】 操向バーハンドル20と運転シート40と
の間の下方には、前記前部フレーム14の下部と後部フ
レーム16の前部とを包む略板状の足置台48が形成さ
れている。この足置台48の後部は、動力ユニット2
2、後輪32の上側方を覆うリヤカバー50に連なって
いる。また足置台48の前部は、操向軸筒12、前部フ
レーム14を前後から包むレッグシールド52につらな
っている。このレッグシールド52内には燃料タンク5
4および潤滑油タンク56が配設され、このレッグシー
ルド52の後面の蓋板58を開くことによりこれらタン
ク54、56への注油が行われる。【0019】 60は吸気清浄器であり、左右の後部フレ
ーム16a,16b間に位置するよう足置台48内に収
容されている。この吸気清浄器60の吸気口60aは、
前記前部フレーム14の後部開口内に臨んでいる。【0020】 62は気化器であり前記エンジン26と吸
気清浄器60との間の上方付近に配設されている。気化
器62の吸気流出側は吸気管64によってエンジン24
の上面に固定されている。気化器62の吸気流入側は可
撓性のダクト66、すなわちゴム製の蛇腹によって吸気
清浄器60に接続されている。【0021】 この実施例によれば後部フレーム16の前
段部16Aが十分に低くかつ略水平なので、その上方に
大容量かつ底が略水平な物入れ空間が確保でき、フルフ
ェイス型ヘルメット38であっても十分に途裕をもって
収容できる。この際荷物箱36内壁面には複数の突部A
〜Dが設けられ、これらの突部A〜Dを介して内壁面で
ヘルメット38を支持しているので、ヘルメット38を
倒立させて安定に収納できる。【0022】 そして運転シート40を閉じればシート底
板40Aに設けた緩衝材46がヘルメット38を上から
押圧するから、この緩衝材46による緩衝機能によりヘ
ルメット38の上下方向の移動が規制され、ヘルメット
38をしっかりと安定して保持できる。【0023】 すなわちヘルメット38は物入箱36の前
壁36Aと傾斜面36Cとで前後方向の移動が規制さ
れ、左右側壁36B、36Cで左右方向の移動が規制さ
れ、さらにシート底板40Aにより上下方向の移動が規
制される。 このように収納したヘルメット38はその開
口が上向きなので、必要に応じてヘルメット38内にも
小さい荷物を収納できる。【0024】 ヘルメット38の出し入れの際には、ロッ
ク装置44によってシート40をヒンジ42を中心にし
て上方へ開けばよい。この場合、ヘルメット38を倒立
収納したので、ヘルメット38の内側の締め具を握って
容易にヘルメット38の出し入れができる。一方後部フ
レーム16の後段部16Bは前段部16Aよりも高いの
で、後輪32のホイールトラベルを大きく確保できる。
すなわち後輪32のホイールトラベルを犠牲にすること
なく物入れ空間の拡大を図ることが可能になる。【0025】 本実施例では、図1に示すように荷物箱3
6の内壁面突部A〜Dを設け、これらをヘルメット3
8の球状部分を横断する一つの平面上付近に配置した。
一般に球面を切る平面は円形になる。従って図2に示す
ように突部A〜Dをほぼ1つの円上に配置すれば、ヘル
メット38の収納角度が多少変化しても、全ての突部A
〜Dにヘルメット38の頂部がほぼ均等に当たることに
なる。【0026】 このため内壁面にヘルメット38の外面を
直接当てて支持する場合よりもヘルメット38を一層安
定させることができる。 また突部A〜Dはヘルメット3
8の最大径部分より頂部側で当たるようにしたから、荷
物箱36の幅が突部A〜Dの存在により増大することも
ない。【0027】 本実施例では荷物箱36の内面に短繊維を
植毛したので、スポンジやマットなどを内面全体に貼着
する場合に比べて湿りにくく、ヘルメット38がむれに
くいという効果もある。またヘルメット38は開口を上
向きにして収納されるから、ヘルメット38に付いた汗
が発散し易く、むれにくいという効果もある。【0028】 なおこの実施例で設けた突部A〜Dは
物箱36自身に一体成形するものだけでなく、弾性を有
するゴムやスポンジなどの緩衝材を内壁面に貼着するこ
とにより形成してもよい。【0029】 なお本発明では後部フレームの形状は実施
例のものに限定されないのは勿論である。従って前記実
施例のように後部フレームは必ずしも2段の段階状に折
曲する必要はなく、前段部からほぼ同じ高さを保ったま
ま後方へのびるように作られたものや、前段部から後方
に向って上昇するようにゆるやかな傾斜を有するように
作られたものであってもよい。【0030】 また実施例では物入箱36の後部が後フレ
ーム16の後段部16B上に位置するよう前後方向に長
く形成されているが、本発明は前段部16A上にのみ物
入箱を配設したものも包含する。【0031】 また後部フレーム16は、前記実施例のよ
うに断面円形のパイプを折曲したものだけでなく、金属
板をプレスしてチャネル状にしたものなどであってもよ
い。 【0032】 【発明の効果】本発明は以上のように、運転シートの前
部下方に設けた物入箱にフルフェイス型ヘルメットをそ
の前後方向を車体の前後方向にして収納した時に、物入
箱の前壁と傾斜面とでヘルメットの前後移動を規制し、
左右側壁で左右移動を規制すると共に、運転シートを閉
じた時には、シートの底面に設けた緩衝によりヘルメ
ットを弾力的に下方へ押圧してヘルメットの上下移動を
規制するようにしたから、ヘルメットをしっかりと保持
することができる。従ってヘルメットが物入箱内で遊動
したり、振動したりすることがなくなり、走行中の騒音
の発生を防止し、ヘルメットが傷付くのを防止できる。 【0033】ここに物入箱の前部は、前壁からこれに連
続する左右側壁の部分を、前端へ向って平面視ほぼ円弧
状に幅が狭くなる運転シートの前部形状にほぼ沿わせる
ようにしたので、ヘルメットの前後の曲面に物入箱の前
部形状を無駄なく沿わせることができる。従って運転シ
ートの前部下方の空間を有効に利用することができる。
運転シートを軸支するヒンジは物入箱の前壁から前方へ
突出して設けたから、運転シートを上方へ開いた時に運
転シートが物入箱から大きく離れる。この時物入箱の前
壁は平面視略円弧状であるから、この前壁の左右部分は
運転シートから一層大きく離れるこのになるこのため荷
物特に大型のヘルメットなどの出し入れがし易くなる。
この場合ヘルメットは前壁の円弧形状に入り込んで物入
箱の前部に位置するから、ヘルメットを押える緩衝部も
ヒンジに近い位置にない、緩衝部は精度良くヘルメット
を押さえて保持できる。 【0034】 また物入箱内にはヘルメットを保持するた
めの部材例えば燃料タンクなどを突出させておく必要も
ないから、物入箱の中を大きく空けてヘルメット以外の
大型の荷物も収納できるようになる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の側面図 【図2】そのII−II線断面を含む平面図 【図3】図1における III−III 線断面図 【符号の説明】 20 操向バーハンドル 22 動力ユニット 32 後輪 36 物入箱36A 前壁 36B、36D 側壁 36C 傾斜面 38 ヘルメット 40 運転シート 40A シート底板 46 緩衝材

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.操向バーハンドルと、前部の左右幅が前端に向かっ
    て次第に狭くなるように平面視ほぼ円弧状に形成された
    前後に長い運転シートと、前記操向バーハンドルと運転
    シートとの間の下方に配設された略板状の足置台と、前
    記運転シートの下方に上下揺動自在に配設され後端に一
    つの後輪を保持する動力ユニットと、前記運転シートと
    前記動力ユニットとの間に配設され前記運転シートによ
    り開閉される物入箱とを備えるスクータ型車両におい
    て、前記物入箱の底部に後上がりの傾斜面を形成し、前
    記物入箱の前壁およびこの前壁から左右に連続する左右
    側壁を前記運転シートの前部の平面視ほぼ円弧状の形状
    にほぼ沿わせつつ下降させて前記物入箱前部の底部に連
    続させ、この物入箱の前壁から前方へ突出して設けたヒ
    ンジに前記運転シート前部下面を軸着し、前後方向を車
    体前後方向にしたフルフェイス型ヘルメットを前記前壁
    および左右側壁に当接させつつ前記傾斜面に下後方から
    支持させて収納可能にすると共に、収納したヘルメット
    を弾力的に押圧する緩衝を前記運転シートの底面に
    、前記ヘルメットを前記前壁と左右側壁と傾斜面と
    衝部とで保持可能にしたことを特徴とするスクータ型自
    動二輪車の物入れ装置。
JP4296544A 1992-10-09 1992-10-09 スクータ型自動二輪車の物入れ装置 Expired - Lifetime JP2707480B2 (ja)

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