JP3223515B2 - 2サイクルエンジンのクランクシャフト - Google Patents

2サイクルエンジンのクランクシャフト

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JP3223515B2
JP3223515B2 JP05693491A JP5693491A JP3223515B2 JP 3223515 B2 JP3223515 B2 JP 3223515B2 JP 05693491 A JP05693491 A JP 05693491A JP 5693491 A JP5693491 A JP 5693491A JP 3223515 B2 JP3223515 B2 JP 3223515B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】この発明は、2サイクルエンジン
のクランクシャフトに係り、特に回転バランスを良好に
するためにクランクホイール部にバランス凹陥部を設け
た2サイクルエンジンのクランクシャフトに関する。
【0003】
【従来の技術】2サイクルエンジンでは、一般に、キャ
ブレタから吸入した混合気をクランク室内で一次圧縮
し、この一次圧縮によってクランク室内の混合気を掃気
口から燃焼室へ素早く掃気させて燃焼室内の残留排気を
追い出し、燃焼室内に新混合気を充填させている。
【0004】クランク室内の一次圧縮における圧縮圧力
は、自動二輪車等の高効率2サイクルエンジンにおい
て、通常、圧縮比1.3以上に設定される。このため、
クランク室内の容積をかなり狭める必要があり、その結
果、クランク室内の容積はクランクシャフトのクランク
ホイール部(以下、クランクホイールと称する)によっ
て大半が占有されることになる。
【0005】また、クランクシャフトのクランクホイー
ルには、クランクシャフトの回転バランスを良好にする
ために、バランス穴や肉抜き部等のバランス凹陥部を設
けたものがある。
【0006】図8に示すクランクシャフト1は、クラン
クホイール2の内側面2aに肉抜き部3を設け、この肉
抜き部3を覆うバランスカバー4をねじ5によって装着
したものである(実公昭58−30020号公報参
照)。
【0007】また、図9に記載したクランクシャフト1
1は、クランクホイール12の外側面12aに肉抜き部
13を設け、クランクホイール12の外側より、板金プ
レス製でドーナツ形状のバランスカバー14を圧入した
ものである(実公昭54−18563号公報参照)。
【0008】また、図示しないが、クランクホイールに
形成された肉抜き部やバランス穴にバランスカバーを装
着しないクランクシャフトもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図8に示すクランクシ
ャフト1では、肉抜き部3がクランクホイール2の中心
部に形成されているので、クランクホイール2の強度、
ひいてはクランクシャフト1全体の強度が低下してしま
うおそれがある。
【0010】また、図9のクランクシャフト11では、
バランスカバー14をクランクホイール12に圧入した
場合、肉抜き部13の側壁とバランスカバー14との間
に隙間ができ易く、クランクシャフト11の気密性を良
好に保てない場合がある。このため、クランクシャフト
11による混合気の一次圧縮が低下してしまうおそれが
ある。
【0011】さらに、クランクシャフトのクランクホイ
ールに肉抜き部やバランス穴を設けただけで、バランス
カバーを装着しないものでも、クランクシャフトによる
混合気の一次圧縮が充分なされているとは言えない。
【0012】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
ものであり、クランクシャフトによる混合気の一次圧縮
およびクランクシャフトの強度を良好に維持しつつ、ク
ランクシャフトの回転バランスを最適化できる2サイク
ルエンジンのクランクシャフトを提供することを目的と
する。
【0013】〔発明の構成〕
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る2サイク
ルエンジンのクランクシャフトは、上述した課題を解決
するために、クランクホイールおよびシャフトを備え、
上記クランクホイールにクランクピン挿通孔とバランス
凹陥部が形成された2サイクルエンジンのクランクシャ
フトにおいて、上記バランス凹陥部は、上記クランクピ
ン挿通孔を挟む左右対称のクランクホイールの外周部
に、側壁部を円弧状にかつ底壁部をクランクホイールの
内側面と平行な面に機械加工によって形成するととも
に、上記バランス凹陥部を覆うバランスカバーを、正面
形状を木の葉形状でクランクシャフト本体より軽量部材
で構成し、前記バランスカバーは、一側外周面を前記バ
ランス凹陥部の側壁部に略合致させた円弧状に、他側外
周面を前記クランクホイールの外周部に略合致させた円
弧状にそれぞれ形成し、上記バランスカバーの内部をク
ランクホイールの底壁部側に向けて開放の肉抜き空間に
形成し、上記バランスカバーの開放面をクランクホイー
ルの底壁部に密着させた状態でバランスカバーを装着し
たものである。
【0015】
【作用】この発明に係る2サイクルエンジンのクランク
シャフトによれば、バランス凹陥部が、クランクホイー
ルの中心部から離れたクランクホイールの外周部に形成
されたので、このバランス凹陥部の形成によっても、ク
ランクシャフトの強度低下を防止できる。
【0016】また、バランス凹陥部が機械加工によって
形成されたので、バランスカバーをこのバランス凹陥部
に密着状態で装着できる。このため、クランクシャフト
による混合気の一次圧縮時に、この混合気がバランス凹
陥部内へ侵入することがなく、混合気の一次圧縮を良好
に実施できる。
【0017】さらに、バランス凹陥部が形成されたクラ
ンクホイールの外周部は、最も効率的に回転バランスを
設定できる位置である。しかも、バランスカバーがクラ
ンクホイール部よりも軽量な部材により構成されてい
る。これらのことから、クランクシャフトアッセンブリ
の回転バランスを最適化できる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0019】図1はこの発明に係る2サイクルエンジン
のクランクシャフトの一実施例を示す組立斜視図であ
り、図2は図1のクランクシャフトにより構成されたク
ランクシャフトアッセンブリを一部を切り欠いて示す側
面図である。
【0020】図2に示すクランクシャフトアッセンブリ
21は、対称に配置されたR側クランクシャフト22と
L側クランクシャフト23とをクランクピン24によっ
て連結して構成され、このクランクピン24にコンロッ
ド25の大端部25Aが挿通される。コンロッド25の
他端は図示しないピストンに軸支され、このコンロッド
25により、ピストンとクランクシャフトアッセンブリ
21とが連結される。このクランクシャフトアッセンブ
リ21は、図示しないクランクケース内に回転自在に収
容される。
【0021】R側クランクシャフト22およびL側クラ
ンクシャフト23は略同様に構成されるので、以下R側
クランクシャフト22について説明する。
【0022】図1および図3に示すように、R側クラン
クシャフト22は、クランクシャフト本体26とバラン
スカバー27とを有して構成される。このうちクランク
シャフト本体26は鍛造にて成形され、図4および図5
にも示すように、クランクホイール28およびシャフト
29が機械加工により一体成形されたものである。シャ
フト29はクランクホイール28の中心に位置する。
【0023】クランクシャフト本体26には、クランク
ホイール28の中心から偏心したクランクホイール28
の外周部30寄りの位置に、前記クランクピン24を挿
通するクランクピン挿通孔31が穿設される。また、ク
ランクホイール28の内側面32には、クランクピン挿
通孔31と同心円状の座ぐり部33が形成される。この
座ぐり部33は、バランスカバー27の表面まで及ぶ範
囲に亘って形成される。
【0024】さらに、クランクホイール28の内側面3
2側には、クランクピン挿通孔31を挟むクランクホイ
ール28の外周部28aに、バランス凹陥部としてのク
ランク肉抜き部34がクランクピン挿通孔31を挟む左
右対称位置に一対形成される。これらのクランク肉抜き
部34は、クランクシャフト29およびクランクホイー
ル28を機械加工して形成した後、クランクホイール2
8の外周からフライス加工等の機械加工によって切除し
て形成される。
【0025】クランクホイール28の外周部に形成され
るクランク肉抜き部34は、図1および図3に示すよう
に、側壁部34aが円弧状に形成され、底壁部34bが
クランクホイール28の内側面32と平行な面に形成さ
れる。そして、このクランク肉抜き部34の底壁部34
bにねじ孔35が形成される。また、シャフト29の先
端部にスプライン36が刻設される。
【0026】一方、バランス凹陥部であるクランク肉抜
き部34を覆うようにバランスカバー27が配設され
る。このバランスカバー27は、アルミニウム、マグネ
シウムもしくはこれらの合金または耐熱樹脂等のよう
に、クランクシャフト本体26よりも軽量な部材によっ
て構成される。このバランスカバー27は、図6および
図7にも示すように、正面形状が木の葉形状で、クラン
クホイール28のクランク肉抜き部34と適合する形状
に構成される。このバランスカバー27は、クランク肉
抜き部34との合せ面37が、フライス加工等の機械加
工により形成される。
【0027】バランスカバー27は、一側外周面27a
が、図1および図3に示すようにクランクホイール28
のバランス凹陥部34の側壁部34aに略合致する円弧
状に形成され、他側外周面27bがクランクホイール2
8の外周部30に略合致する円弧状に形成される。
【0028】また、バランスカバー27には、複数のボ
ルト孔38が形成され、これらのボルト孔38に囲まれ
た内部位置に肉抜き空間であるカバー肉抜き部39が形
成される。このカバー肉抜き部39は、クランクホイー
ル28の底壁部34b側に向けて開放しており、その開
放側端面がクランク肉抜き部34との合せ面37として
形成される。このように構成されたバランスカバー27
は、ボルト孔38に取付ボルト40を挿入し、この取付
ボルト40の先端をクランク肉抜き部34の底壁部34
bに形成されるねじ孔35に螺合させることにより、ク
ランクホイール28のクランク肉抜き部34に密着状態
で取り付けられる。
【0029】クランクホイール28のバランス凹陥部で
あるクランク肉抜き部34にバランスカバー27を装着
したとき、バランスカバー27の開放側端面に形成され
る合せ面37がクランク肉抜き部34の底壁部34bに
密着固定される一方、バランスカバー27の一側外周面
27aはクランク肉抜き部34の側壁部34aに当接
し、密着せしめられる。また、バランスカバー27の他
側外周面27bはクランクホイール28の外周部30に
面一に形成され、さらに、バランスカバー27の合せ面
37の反対側に形成される閉塞側端面27cは、クラン
クホイール28の内側面32とほぼ面一に形成される。
【0030】上記実施例によれば、クランクシャフト本
体26のクランクホイール28には、クランク肉抜き部
34が、クランクホイール28の中心部から離れたクラ
ンクホイール28の外周部30に形成されたので、この
クランク肉抜き部34の存在によっても、クランク肉抜
き部34以外のクランクホイール28の薄肉化が不要と
なり、クランクシャフト本体26ひいてはR側クランク
シャフト22、L側クランクシャフト23の強度低下を
防止できる。
【0031】また、クランク肉抜き部34はフライス加
工等の機械加工によって簡単に形成され、かつバランス
カバー27の合せ面37も同様にフライス加工等の機械
加工により形成されるので、バランスカバー27をクラ
ンク肉抜き部34に密着状態で精度よく装着できる。こ
のため、クランクシャフト22,23による混合気の一
次圧縮時に、この混合気がクランク肉抜き部34内、つ
まりバランスカバー27のカバー肉抜き部39内へ侵入
することがなく、混合気の一次圧縮の低下を防止でき
る。
【0032】さらに、クランク肉抜き部34が形成され
たクランクホイール28の外周部30は、最も効率的に
遠心力作用による回転バランスを設定できる箇所であ
る。しかも、バランスカバー27がクランクシャフト本
体26よりも軽量な部材により構成され、さらにバラン
スカバー27にカバー肉抜き部39が形成されたので、
バランスカバー27の軽量化を図ることができる。これ
らのことから、クランクシャフト22,23の回転バラ
ンスの設計がし易く、クランクシャフト22,23の回
転バランスの最適化を達成できる。
【0033】また、クランクシャフト本体26のクラン
ク肉抜き部34は、クランクホイール28の外周部30
からフライス加工等の機械加工によって形成されるの
で、このクランク肉抜き部34を簡単に加工でき、加工
性がよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る2サイク
ルエンジンのクランクシャフトによれば、クランクホイ
ールおよびシャフトが一体成形され、上記クランクホイ
ールにバランス凹陥部が形成された2サイクルエンジン
のクランクシャフトにおいて、上記バランス凹陥部が、
クランクホイールの外周部に機械加工によって簡単かつ
容易に形成され、このバランス凹陥部を上記クランクホ
イールよりも軽量なバランスカバーが密着状態で覆うこ
とにより構成されたので、クランクシャフトによる混合
気の一次圧縮およびクランクシャフトの強度を良好に維
持しつつ、クランクシャフトの回転バランスを最適化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る2サイクルエンジンのクランク
シャフトの一実施例を示す組立斜視図。
【図2】図1のクランクシャフトにより構成されたクラ
ンクシャフトアッセンブリを、一部を切り欠いて示す側
面図。
【図3】図2のIII矢視図。
【図4】図1のクランクシャフト本体を示す正面図。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図。
【図6】図1のバランスカバーを示す正面図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】2サイクルエンジンの従来のクランクシャフト
を示す組立斜視図。
【図9】2サイクルエンジンの従来の他のクランクシャ
フトアッセンブリを示す組立斜視図。
【符号の説明】
22 R側クランクシャフト 23 L側クランクシャフト 26 クランクシャフト本体 27 バランスカバー 28 クランクホイール 29 シャフト 30 外周部 34 クランク肉抜き部(バランス凹陥部) 39 カバー肉抜き部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクホイールおよびシャフトを備
    え、上記クランクホイールにクランクピン挿通孔とバラ
    ンス凹陥部が形成された2サイクルエンジンのクランク
    シャフトにおいて、上記バランス凹陥部は、上記クラン
    クピン挿通孔を挟む左右対称のクランクホイールの外周
    部に、側壁部を円弧状にかつ底壁部をクランクホイール
    の内側面と平行な面に機械加工によって形成するととも
    に、上記バランス凹陥部を覆うバランスカバーを、正面
    形状を木の葉形状でクランクシャフト本体より軽量部材
    で構成し、前記バランスカバーは、一側外周面を前記バ
    ランス凹陥部の側壁部に略合致させた円弧状に、他側外
    周面を前記クランクホイールの外周部に略合致させた円
    弧状にそれぞれ形成し、上記バランスカバーの内部をク
    ランクホイールの底壁部側に向けて開放の肉抜き空間に
    形成し、上記バランスカバーの開放面をクランクホイー
    ルの底壁部に密着させた状態でバランスカバーを装着し
    たことを特徴とする2サイクルエンジンのクランクシャ
    フト。
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