JP3219544B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造法 - Google Patents

2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造法

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JP3219544B2 JP14302693A JP14302693A JP3219544B2 JP 3219544 B2 JP3219544 B2 JP 3219544B2 JP 14302693 A JP14302693 A JP 14302693A JP 14302693 A JP14302693 A JP 14302693A JP 3219544 B2 JP3219544 B2 JP 3219544B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飼料添加物などとして
有用な2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】2−
ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造法として、
アクロレイン、メタンチオール及びシアン化水素から2
−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを製造
し、この2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリ
ルを過剰の硫酸の存在下で水和することによって得る方
法が知られている。この方法は比較的反応が容易であ
り、収率も高いため、工業的に用いられている。
【0003】しかし、前記方法では、反応工程において
大量の廃硫酸及び硫酸アンモニウムが排出される。その
ため、これらの処理工程が必要となり、多くのエネルギ
ーを要することから、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタン酸の製造コストが高くなる。又、硫酸アンモニウ
ムや他の硫酸塩を多量に自然界に排出するのは、環境保
護の観点からも好ましくない。
【0004】従って、本発明の目的は、大量の廃棄物を
伴わず、効率的で安価な2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタン酸の製造法を提供することにある。
【0005】なお、本発明に関連性のある技術として以
下のものが知られている。すなわち、特公昭46−79
25号公報には、アクロレインシアンヒドリンから2−
ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを製造する
方法が開示されている。特公昭62−28943号公報
には、ギ酸エステルとカルボン酸アミドとを反応させて
カルボン酸エステルを製造する方法が開示されている。
また、特開平1−290653号公報には、アセトンと
ギ酸メチルとを原料とするメタクリル酸メチルを製造す
る方法が開示されている。さらに、特開平2−2358
46号公報には、メタノールを脱水素してギ酸メチルを
製造する方法が開示されている。しかし、これらの文献
には、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
を水和して2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミ
ドとし、次いでギ酸メチルを作用させて2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブタン酸メチルとし、さらにこれを加
水分解することにより2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタン酸を製造する方法については記載されていない。
【0006】
【発明の構成】本発明者は、前記目的を達成するため、
鋭意検討した結果、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
チロニトリルを水和して2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタンアミドとし、次いでギ酸メチルを作用させて2
−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルとし、さ
らにこれを加水分解反応に供すると、副生物を循環使用
できると共に、実質的に硫酸を使用しないため、大量の
廃棄物を伴うことなく、極めて効率的に2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブタン酸が得られることを見出だし、
本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(1) 2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブチロニトリルを水和して2−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブタンアミドを生成させる第1の
工程、(2) 前記第1の工程で得られる2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブタンアミドとギ酸メチルから2−ヒド
ロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルとホルムアミド
を生成させる第2の工程、及び(3) 前記第2の工程で得
られる2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル
を加水分解して2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
酸とメタノールを生成させる第3の工程を含む2−ヒド
ロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造法を提供する。
【0008】本発明の方法における反応工程式は、例え
ば以下のように示される。
【0009】
【化1】 前記反応工程式の第1の工程において原料として用いら
れる2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
は、シアン化水素、アクロレイン及びメタンチオールか
ら慣用の方法によって製造することができる。
【0010】例えば、アクロレインとメタンチオールと
を、触媒の存在下に反応させて3−メチルチオプロピオ
ンアルデヒドとする。前記触媒としては、ナトリウムメ
トキシドなどのアルカリ金属のアルコキシド;酢酸銅、
酢酸コバルトなどの酢酸塩;ピリジン、ピペリジン、ト
リエチルアミンなどの有機塩基等が挙げられる。
【0011】次いで、得られた3−メチルチオプロピオ
ンアルデヒドに、触媒の存在下、シアン化水素を作用さ
せることにより、容易に、高い収率で2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブチロニトリルを得ることができる。触
媒として、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸
化物;炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭
酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;亜
硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属の亜硫酸塩;亜硫酸
水素ナトリウムなどのアルカリ金属の亜硫酸水素塩;ピ
リジン、トリエチルアミン等の有機塩基等が例示され
る。
【0012】又、アクロレインにシアン化水素を反応さ
せてアクロレインシアンヒドリンとした後、メタンチオ
ールを作用させることによって2−ヒドロキシ−4−メ
チルチオブチロニトリルを得ることもできる。さらにま
た、シアン化水素、アクロレイン及びメタンチオールを
炭酸アンモニウムなどの触媒存在下に反応させ、一段で
前記2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを
製造することも可能である。
【0013】前記第1の工程における水和反応は、2−
ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルと水とを触
媒の存在下に反応させることにより行うことができる。
【0014】前記触媒としては、ニトリル類の水和反応
に有効な触媒、例えば、硫酸等の強酸;弱酸のアルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩などの弱塩基性物質;マ
ンガン、銅、ニッケル等の金属又はこれらの金属の酸化
物等が挙げられる。前記弱塩基性物質には、例えば、四
ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、メタホウ酸ナト
リウム、メタホウ酸カリウムなどのホウ酸のアルカリ金
属塩;オルトホウ酸マグネシウムなどのホウ酸のアルカ
リ土類金属塩;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウムなどのリン酸のアルカリ金属塩;リン酸マ
グネシウム、リン酸カルシウムなどのリン酸のアルカリ
土類金属塩;ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸のアルカリ
金属塩;ケイ酸カルシウムなどのケイ酸のアルカリ土類
金属塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウムなどの炭酸のアルカリ金属塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウムなどの炭酸のアルカリ土類金属塩等
が含まれる。これらの中でも、四ホウ酸ナトリウム等の
ホウ酸のアルカリ金属塩などの弱塩基性物質及び酸化マ
ンガンなどの金属酸化物が好適に用いられる。又、硫酸
を使用したとしても、その使用量は極めて少量でよく、
硫酸アンモニウムは実質的に生成しないため、工業的に
極めて有利である。
【0015】前記水和反応において、水の使用量は特に
限定されないが、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ロニトリル1モルに対して、通常0.1〜300モル、
好ましくは1〜150モル程度である。又、反応を円滑
に進行させるため、系内に、アセトン、メタノールなど
の水溶性の有機溶媒を加えることもできる。
【0016】反応温度は、通常20〜150℃、好まし
くは40〜120℃程度である。反応時間は、用いる触
媒や反応温度によって異なるが、通常0.4〜12時間
程度である。反応温度が高すぎたり、反応時間が長すぎ
ると、生成する2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
アミドの一部がさらに水と反応して2−ヒドロキシ−4
−メチルチオブタン酸に変化したり、重合物が副生して
収率が低下し易い。
【0017】反応混合物はそのまま第2の工程に供する
こともでき、又、必要に応じて、通常用いられる分離手
段に供することにより、生成物である2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブタンアミドを分離回収することもでき
る。得られた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンア
ミドは第2の工程に供される。
【0018】第2の工程における2−ヒドロキシ−4−
メチルチオブタンアミドとギ酸メチルとの反応は、無触
媒下に、例えば、100〜300℃程度に加熱して行っ
てもよいが、通常、触媒の存在下に実施される。
【0019】前記触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸など
の鉱酸;水酸化ナトリウムなどのアルカリ;酢酸銅、ナ
フテン酸マンガン、塩化アルミニウム、硝酸鉛、鉄アセ
チルアセトナート等の金属塩;ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、チタン
テトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ア
ルミニウムテトライソプロポキシド等の金属アルコキシ
ド;シリカ、ゼオライト、固体リン酸等の固体酸等が例
示される。これらのうち、酢酸銅などの金属塩、ナトリ
ウムメトキシドなどの金属アルコキシド等が繁用され
る。
【0020】前記2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ンアミドとギ酸メチルとの反応は平衡反応であるため、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルを高収
率で得るには、ギ酸メチルを理論量以上、特に理論量の
1〜20倍、とりわけ理論量の1〜8倍程度用いるのが
好ましい。ギ酸メチルを溶媒として用いてもよい。
【0021】上記の反応は無溶媒で行ってもよいが、反
応を円滑に進行させるため、溶媒の存在下に行うのが好
ましい。前記溶媒としては、反応に不活性なものであれ
ば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水
素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素類;アセトン、メタノール等を用いること
ができる。これらのうち、反応成分を溶解しやすい溶
媒、例えばメタノール、アセトン等、とりわけメタノー
ルなどが繁用される。
【0022】反応温度は、使用する触媒の種類、量など
により異なるが、通常0〜250℃、好ましくは20〜
100℃程度である。又、反応時間も反応速度に応じて
適宜選択できるが、通常0.1〜6時間程度である。
【0023】反応混合物を、必要に応じて、通常用いら
れる分離手段に供することにより、生成物である2−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル、ホルムアミ
ド及び未反応原料を分離回収することができる。通常、
蒸溜などの簡易な分離手段により分離回収が可能であ
る。
【0024】前記2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ン酸メチルは次の第3の工程に供され、未反応のギ酸メ
チル等は前記第2の工程の原料としてリサイクルするこ
とができる。
【0025】本発明の好ましい態様では、第2の工程で
副生するホルムアミドを脱水してシアン化水素に変換
し、第1の工程で用いる2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブチロニトリルの製造原料として利用する。
【0026】前記ホルムアミドの脱水反応は、脱水触
媒、例えばアルミナ、シリカ−アルミナ、鉄−シリカ、
リン酸鉄、リン酸アルミニウム等の慣用の固体触媒の存
在下、気相接触反応により実施することができる。反応
温度は、通常200〜600℃、好ましくは300〜5
50℃程度である。反応は、ほぼ定量的に進行する。
【0027】前記第3の工程における2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブタン酸メチルの加水分解反応は、アル
カリ加水分解法により行うこともできるが、好ましく
は、酸性触媒を用いる酸加水分解法により行う。酸加水
分解法によると、塩などの廃棄物がほとんど排出されな
いだけでなく、重合や脱水反応等の副反応が著しく抑制
される。
【0028】前記酸性触媒として、硫酸、塩酸などの鉱
酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸等のスルホン酸;陽イオン交換樹脂
等が例示される。これらのうち、触媒の分離回収が容易
である陽イオン交換樹脂、特に強酸性陽イオン交換樹
脂、とりわけ多孔性の強酸性陽イオン交換樹脂が好適に
用いられる。前記多孔性の強酸性陽イオン交換樹脂とし
て、アンバーリスト15、アンバーライト200(以
上、ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP
K[三菱化成(株)製]等が挙げられる。
【0029】上記加水分解反応は平衡反応であるため、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を高収率で得
るには、水の使用量を理論量以上、特に理論量の1〜1
00倍程度とするのが好ましい。
【0030】反応温度は、使用する触媒の種類、量によ
り異なるが、通常0〜100℃、好ましくは20〜10
0℃、さらに好ましくは50〜100℃程度である。
又、反応時間も反応速度に応じて適宜選択できるが、通
常0.5〜12時間程度である。反応は、ほぼ定量的に
進行する。
【0031】反応終了後、反応混合物を、必要に応じ
て、通常用いられる分離手段に供することにより、目的
化合物である2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
を分離回収することができる。
【0032】本発明の好ましい態様では、第3の工程で
副生するメタノールを、脱水素反応又は一酸化炭素によ
るカルボニル化反応等によりギ酸メチルに変換し、前記
第2の工程の原料成分として利用する。
【0033】前記メタノールの脱水素反応は、脱水素触
媒、例えば、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム、銅
クロマイト等の固体触媒の存在下、気相接触反応によっ
て実施することができる。反応温度は、通常100〜5
00℃、好ましくは100〜400℃程度である。
【0034】又、前記メタノールのカルボニル化反応
は、例えば、金属アルコキシド等の触媒の存在下で好適
に行われる。
【0035】このように、本発明の方法では、反応成分
として硫酸を用いないため、多量の廃硫酸や硫酸アンモ
ニウムが排出されず、これらの処理工程が不要である。
又、本発明の第2の工程で副生するホルムアミドは、第
1の工程で用いられる2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブチロニトリルの製造原料として、又、第3の工程で副
生するメタノールは、第2の工程で用いられるギ酸メチ
ルの製造原料として利用できるため、炭素及び窒素収率
が高く、極めて効率よく目的化合物である2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸を製造することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、反応成分として
硫酸を使用しないため、多量の硫酸アンモニウムが副生
しない。又、各工程で生じる副生物は、反応原料として
利用できるため、極めて効率的に目的化合物である2−
ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を製造することが
できる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0038】実施例 [2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの製
造]撹拌機、温度計を備えた内容積2リットルのフラス
コに、アクロレイン280g、ハイドロキノン1g及び
酢酸銅2.2gを仕込み、反応温度を20℃に保ちなが
ら、攪拌下、メタンチオール280gを1時間かけて滴
下した。さらに1時間攪拌を続けた後、未反応のメタン
チオールを減圧下に系外に留去させ、3−メチルチオプ
ロピオンアルデヒド464gを得た(収率88.5
%)。
【0039】次いで、撹拌機、温度計、滴下ロートを備
えた内容積2リットルのフラスコに、上記反応で得られ
た3−メチルチオプロピオンアルデヒド208g、メタ
ノール800gおよび水酸化ナトリウム0.05gを仕
込み、反応温度を20℃に保ちながら、攪拌下、シアン
化水素59.5gを20分かけて滴下した。さらに、2
0℃で2時間攪拌を続けた後、反応混合液に50%硫酸
水溶液を加えてpHを3とした。未反応のシアン化水素
を減圧下に留去し、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
チロニトリル255gを得た(収率96.1%)。
【0040】[2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
アミドの製造(第1の工程)(1)]撹拌機、温度計、
還流冷却器を備えた内容積2リットルのフラスコに、前
記の工程で得られた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
チロニトリル197g、水450g、アセトン150g
及び二酸化マンガン65gを仕込み、60℃で6時間、
攪拌下に反応させた。
【0041】反応混合物を冷却した後、吸引濾過により
触媒を分離除去した。濾液を減圧下に濃縮し、アセトン
から再結晶することにより2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブタンアミド199gを得た(収率89.0%)。
融点:98℃。
【0042】[2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
アミドの製造(第1の工程)(2)]撹拌機、温度計、
還流冷却器を備えた内容積2リットルのフラスコに、上
記の工程で得られた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
チロニトリル49.3g、水750g及び四ホウ酸ナト
リウム15gを仕込み、75℃で2時間、攪拌下に反応
させた。反応混合液を減圧下に濃縮し、アセトンから再
結晶することにより2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
タンアミド44.2gを得た(収率79.2%)。融
点:98.5℃。
【0043】[2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
酸メチルの製造(第2の工程)]撹拌機付きのオートク
レーブに、前工程で得られた2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブタンアミド224g、ギ酸メチル450g、メ
タノール240g及びナトリウムメトキシド1.2gを
仕込み、60℃で2時間、攪拌下に反応させた。
【0044】反応混合液を分析した結果、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンアミドの転化率は64%であ
り、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミド基準
の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルの選
択率は91.5%、ホルムアミドの選択率は86.4%
であった。
【0045】反応混合物中のナトリウムメトキシドを塩
酸で中和した後、常法により蒸溜し、2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブタン酸メチル141g、ホルムアミド
35.3gを得た。
【0046】[2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
酸の製造(第3の工程)]撹拌機、温度計、留出管を備
えた2リットルのフラスコに、前工程で得られた2−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル131g、水
432g及びアンバーリスト15(ローム・アンド・ハ
ース社製)8gを仕込み、反応温度95℃で、副生する
メタノールを留出させながら、5時間反応させた。留出
したメタノールの量は30.2gであった。
【0047】反応混合液および留出液を分析した結果、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルの転化
率は98.8%であり、2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタン酸及びメタノールの選択率はそれぞれ97.1
%、98.8%であった。
【0048】反応混合液から触媒を濾別した後、濾液を
減圧下に濃縮し、88重量%2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブタン酸(112g)水溶液127gを得た。
【0049】[ホルムアミドの脱水によるシアン化水素
の製造]ステンレス製の反応管(内径28mm、長さ3
0cm)に、アルミナ触媒(N−612、日揮化学製)
50gを充填し、反応温度500℃で、前記2−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブタン酸メチルの製造工程で副生
したホルムアミド及び希釈用の窒素をそれぞれ0.67
g/分、50ml/分の速度で供給した。反応生成ガス
を水にバブリングさせ、シアン化水素を吸収させた。
【0050】吸収液を分析した結果、ホルムアミドの転
化率は97.4%、シアン化水素の選択率は93.3%
であった。
【0051】この吸収液から、常法によりシアン化水素
を分離回収して、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ロニトリルの製造に利用した。
【0052】[メタノールからギ酸メチルの製造]硝酸
銅210gを水400gに溶解し70℃に加熱した。別
にクロム酸アンモニウム23gを水100gに溶解し7
0℃に加熱し、攪拌しながら前記の硝酸銅水溶液を添加
した。さらに、この混合液にアンモニア水溶液を加え、
pH9.5に調整した。生成した沈澱物を濾過し、水で
十分洗浄した後、90℃で一昼夜乾燥し、次いで450
℃で焼成した。得られた粉末を直径3mm×長さ3mm
の円柱状に成形して触媒を調製した。
【0053】上記触媒50mlをステンレス製の反応管
(内径28mm、長さ30cm)に充填し、温度200
℃で、水素ガスを空間速度5000/時で供給し、8時
間還元処理した。
【0054】触媒を還元処理した後、前記2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸の製造工程で得られたメタ
ノールを、温度180℃、空間速度2500/時で供給
した。
【0055】反応生成ガスを分析した結果、メタノール
の転化率は36.4%、ギ酸メチルの選択率は91.0
%であった。
【0056】常法によりギ酸メチルを分離回収し、2−
ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチルの製造原料
として利用した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 B01J 23/74 321

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
    チロニトリルを水和して2−ヒドロキシ−4−メチルチ
    オブタンアミドを生成させる第1の工程、(2) 前記第1
    の工程で得られる2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
    ンアミドとギ酸メチルから2−ヒドロキシ−4−メチル
    チオブタン酸メチルとホルムアミドを生成させる第2の
    工程、および(3) 前記第2の工程で得られる2−ヒドロ
    キシ−4−メチルチオブタン酸メチルを加水分解して2
    −ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸とメタノールを
    生成させる第3の工程を含む2−ヒドロキシ−4−メチ
    ルチオブタン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 シアン化水素、アクロレインおよびメタ
    ンチオールから第1の工程の反応成分として用いる2−
    ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを生成させ
    る工程を含み、前記シアン化水素として、第2の工程で
    得られたホルムアミドの脱水反応により生成するシアン
    化水素を利用する請求項1記載の2−ヒドロキシ−4−
    メチルチオブタン酸の製造法。
  3. 【請求項3】 第3の工程で得られたメタノールをギ酸
    メチルに変換し、得られたギ酸メチルを第2の工程で利
    用する請求項1記載の2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
    ブタン酸の製造法。
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