JP3191842B2 - 乳酸エステルの製造法 - Google Patents
乳酸エステルの製造法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/18—Preparation of carboxylic acid esters by conversion of a group containing nitrogen into an ester group
- C07C67/20—Preparation of carboxylic acid esters by conversion of a group containing nitrogen into an ester group from amides or lactams
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトアルデヒドとギ
酸エステルを原料とする新規な乳酸エステルの製造法に
関する。乳酸エステルは、塗料や電子産業用の溶剤とし
て、また、医薬品などの有機合成原料として、あるいは
アクリル系樹脂や生分解性ポリマーなど、種々のポリマ
ー原料として大量に使用されており、工業的に極めて重
要な化学品である。
酸エステルを原料とする新規な乳酸エステルの製造法に
関する。乳酸エステルは、塗料や電子産業用の溶剤とし
て、また、医薬品などの有機合成原料として、あるいは
アクリル系樹脂や生分解性ポリマーなど、種々のポリマ
ー原料として大量に使用されており、工業的に極めて重
要な化学品である。
【0002】
【従来の技術】乳酸エステルの工業的な製造法として
は、一般に青酸とアセトアルデヒドを原料としてシアン
ヒドリンを合成した後、加水分解し、次にエステル化す
る方法が採られている。その他、乳酸の製造法として
は、四酸化二窒素を末端オレフィンに作用させた後、加
水分解する方法や貴金属触媒または酸触媒存在下、アセ
トアルデヒドと一酸化炭素、水を反応させる方法、ある
いはカルボン酸のα位をハロゲン化後、加水分解する方
法が知られている。これらの製造法は、収率が充分でな
かったり、原料ソースに制約があったり、反応や分離精
製の操作が煩わしかったり、あるいは高価な触媒を必要
としたり等、大規模な乳酸の工業的な製造法にはなり得
ず、特定の乳酸およびその誘導体の小規模生産にのみ用
いられてるのが現状である。
は、一般に青酸とアセトアルデヒドを原料としてシアン
ヒドリンを合成した後、加水分解し、次にエステル化す
る方法が採られている。その他、乳酸の製造法として
は、四酸化二窒素を末端オレフィンに作用させた後、加
水分解する方法や貴金属触媒または酸触媒存在下、アセ
トアルデヒドと一酸化炭素、水を反応させる方法、ある
いはカルボン酸のα位をハロゲン化後、加水分解する方
法が知られている。これらの製造法は、収率が充分でな
かったり、原料ソースに制約があったり、反応や分離精
製の操作が煩わしかったり、あるいは高価な触媒を必要
としたり等、大規模な乳酸の工業的な製造法にはなり得
ず、特定の乳酸およびその誘導体の小規模生産にのみ用
いられてるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題点】青酸とアセトアルデ
ヒドからのシアンヒドリン合成、その加水分解、エステ
ル化なる現行法は、反応が容易で収率も高く、広く実施
されている。しかしながらこの方法では、大量のアンモ
ニウム塩の副生を伴い、この処理が乳酸エステルの製造
コストを圧迫するという欠点がある。
ヒドからのシアンヒドリン合成、その加水分解、エステ
ル化なる現行法は、反応が容易で収率も高く、広く実施
されている。しかしながらこの方法では、大量のアンモ
ニウム塩の副生を伴い、この処理が乳酸エステルの製造
コストを圧迫するという欠点がある。
【0004】
【課題点を解決するための手段】本発明者等は、先にア
セトンとギ酸メチルを原料とし、アセトンシアンヒドリ
ンを経由するが、アンモニウム塩の副生しないメタクリ
ル酸製造法を見い出ている(特開平4−198152
号)。 この方法において、アセトンを出発原料とする
代わりにアセトアルデヒドを用いることにより、効率的
に乳酸エステルを製造できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。即ち本発明は、(1) 青酸とアセトア
ルデヒドの反応によりラクトニトリルを製造する工程、
(2) 前記工程で得られるシアンヒドリンを水和してラク
トアミドを製造する工程、(3) 前記工程で得られるラク
トアミドとギ酸エステルより乳酸エステルとホルムアミ
ドを製造する工程、(4) 前記工程で得られた生成物から
分離したホルムアミドを脱水して青酸を製造し循環使用
する工程、よりなる乳酸エステルの製造方法に関するも
のである。本発明の方法は、シアンヒドリンを経由はす
るものではあるが、全プロセスとして見ると、最終的に
はアセトアルデヒドとギ酸エステルを原料として乳酸エ
ステルが製造できるプロセスであり、従来法の如きアン
モニウム塩の副生を全く伴わなと云う特徴がある。
セトンとギ酸メチルを原料とし、アセトンシアンヒドリ
ンを経由するが、アンモニウム塩の副生しないメタクリ
ル酸製造法を見い出ている(特開平4−198152
号)。 この方法において、アセトンを出発原料とする
代わりにアセトアルデヒドを用いることにより、効率的
に乳酸エステルを製造できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。即ち本発明は、(1) 青酸とアセトア
ルデヒドの反応によりラクトニトリルを製造する工程、
(2) 前記工程で得られるシアンヒドリンを水和してラク
トアミドを製造する工程、(3) 前記工程で得られるラク
トアミドとギ酸エステルより乳酸エステルとホルムアミ
ドを製造する工程、(4) 前記工程で得られた生成物から
分離したホルムアミドを脱水して青酸を製造し循環使用
する工程、よりなる乳酸エステルの製造方法に関するも
のである。本発明の方法は、シアンヒドリンを経由はす
るものではあるが、全プロセスとして見ると、最終的に
はアセトアルデヒドとギ酸エステルを原料として乳酸エ
ステルが製造できるプロセスであり、従来法の如きアン
モニウム塩の副生を全く伴わなと云う特徴がある。
【0005】以下に、本発明の方法について詳細に説明
する。アセトアルデヒドは、溶剤用や種々の化学原料と
して、工業的にはエチレンから酸化により大量安価に製
造されている。 一方、ギ酸メチルは、極めて大量安価
に生産されているメタノールを原料として、カルボニル
化法、又は脱水素法により工業的規模で製造されてい
る。また、他のギ酸エステルは、ギ酸メチルとアルコー
ルとのエステル交換により容易に製造することができ
る。本発明において、青酸とアセトアルデヒドの反応に
よるシアンヒドリンの製造は、公知法にて実施されるも
のであり、アルカリ金属水酸化物やアミン類などの塩基
触媒の存在下、10℃前後の低温下において容易に実施
される。
する。アセトアルデヒドは、溶剤用や種々の化学原料と
して、工業的にはエチレンから酸化により大量安価に製
造されている。 一方、ギ酸メチルは、極めて大量安価
に生産されているメタノールを原料として、カルボニル
化法、又は脱水素法により工業的規模で製造されてい
る。また、他のギ酸エステルは、ギ酸メチルとアルコー
ルとのエステル交換により容易に製造することができ
る。本発明において、青酸とアセトアルデヒドの反応に
よるシアンヒドリンの製造は、公知法にて実施されるも
のであり、アルカリ金属水酸化物やアミン類などの塩基
触媒の存在下、10℃前後の低温下において容易に実施
される。
【0006】本発明におけるラクトアミドの製造は、シ
アンヒドリンと水の混合物を触媒存在下において、接触
反応させることにより実施される。触媒としては、ニト
リル類の水和反応に有効な触媒が適用可能であり、硫酸
等の強酸も使用されるが、処理も含めた経済的観点か
ら、金属触媒或いは金属酸化物触媒などの使用が望まし
い。具体的には、マンガン、銅、ニッケル或いはそれら
の酸化物が有効であり、特に酸化マンガンが好ましい。
水に対するシアンヒドリンの仕込重量比は、10対90
乃至90対10が適切な範囲である。又、この系には、
シアンヒドリンの原料であるアセトアルデヒドやアルコ
ール、アセトン等のケトン類などを溶媒として共存させ
ることも可能である。 酸化マンガンを触媒とする場合
には、反応温度は20〜150℃が好ましい範囲であ
り、30〜100℃が特に好ましい。 反応時間は0.
3〜6hrが好ましく、特に0.5〜3hrが好適であ
る。 反応は、回分式あるいは連続式の何れの方式にて
も実施し得る。
アンヒドリンと水の混合物を触媒存在下において、接触
反応させることにより実施される。触媒としては、ニト
リル類の水和反応に有効な触媒が適用可能であり、硫酸
等の強酸も使用されるが、処理も含めた経済的観点か
ら、金属触媒或いは金属酸化物触媒などの使用が望まし
い。具体的には、マンガン、銅、ニッケル或いはそれら
の酸化物が有効であり、特に酸化マンガンが好ましい。
水に対するシアンヒドリンの仕込重量比は、10対90
乃至90対10が適切な範囲である。又、この系には、
シアンヒドリンの原料であるアセトアルデヒドやアルコ
ール、アセトン等のケトン類などを溶媒として共存させ
ることも可能である。 酸化マンガンを触媒とする場合
には、反応温度は20〜150℃が好ましい範囲であ
り、30〜100℃が特に好ましい。 反応時間は0.
3〜6hrが好ましく、特に0.5〜3hrが好適であ
る。 反応は、回分式あるいは連続式の何れの方式にて
も実施し得る。
【0007】本発明において、ラクトアミドとギ酸エス
テルとの反応による乳酸エステルとホルムアミドの製造
は、ラクトアミドとギ酸エステルの混合物を無触媒下に
て加熱する方法でも可能であるが、溶媒及び触媒の存在
下にて実施するのが効果的である。 ギ酸エステルとし
てギ酸メチルを用いる場合には、ギ酸メチルに代えてメ
タノールと一酸化炭素を使用できる。この反応は平衡反
応であり、乳酸エステルの収率は、ギ酸エステルに対す
るラクトアミドの仕込みモル比に左右され、仕込みのギ
酸エステル/ラクトアミド(モル比)は1〜10が好ま
しく、特に2〜5が好適である。溶媒の添加は、固体で
あるラクトアミドの溶解性を高め、且反応の選択性を高
める効果がある。使用される溶媒としてはギ酸エステル
に対応するアルコールが最も好ましく、ラクトアミドに
対するアルコールの仕込みモル比は1〜10が好まし
く、特に2〜5が好適である。
テルとの反応による乳酸エステルとホルムアミドの製造
は、ラクトアミドとギ酸エステルの混合物を無触媒下に
て加熱する方法でも可能であるが、溶媒及び触媒の存在
下にて実施するのが効果的である。 ギ酸エステルとし
てギ酸メチルを用いる場合には、ギ酸メチルに代えてメ
タノールと一酸化炭素を使用できる。この反応は平衡反
応であり、乳酸エステルの収率は、ギ酸エステルに対す
るラクトアミドの仕込みモル比に左右され、仕込みのギ
酸エステル/ラクトアミド(モル比)は1〜10が好ま
しく、特に2〜5が好適である。溶媒の添加は、固体で
あるラクトアミドの溶解性を高め、且反応の選択性を高
める効果がある。使用される溶媒としてはギ酸エステル
に対応するアルコールが最も好ましく、ラクトアミドに
対するアルコールの仕込みモル比は1〜10が好まし
く、特に2〜5が好適である。
【0008】本反応に対する触媒としては、アルカリ金
属アルコラート、アルカリ土類金属の酸化物、及び強塩
基性イオン交換樹脂が極めて優れている。アルカリ金属
アルコラートは、リチウム、ナトリウム、及びカリウム
金属と低級アルコールより合成され、具体的には、ナト
リウム及びカリウムのメチラート、エチラート、或いは
ブチラート等が挙げられる。また、アルカリ土類金属の
酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及
び酸化バリウム等が挙げられる。アルカリ金属アルコラ
ート、アルカリ土類金属の酸化物、又は強塩基性イオン
交換樹脂を触媒とする場合の反応条件としては、反応温
度20〜80℃、反応時間0.5〜6hrにおいて、ラ
クトアミド1モルに対する触媒使用量0.001〜0.
30モルが適当である。本工程における反応生成物は、
蒸留などの操作により分離回収し、未反応物は原料系に
戻される。目的物である乳酸エステルと同時に生成する
ホルムアミドについては、脱水反応を適用して青酸を製
造する。生成した青酸は回収し、シアンヒドリン製造工
程へ送り循環使用される。
属アルコラート、アルカリ土類金属の酸化物、及び強塩
基性イオン交換樹脂が極めて優れている。アルカリ金属
アルコラートは、リチウム、ナトリウム、及びカリウム
金属と低級アルコールより合成され、具体的には、ナト
リウム及びカリウムのメチラート、エチラート、或いは
ブチラート等が挙げられる。また、アルカリ土類金属の
酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及
び酸化バリウム等が挙げられる。アルカリ金属アルコラ
ート、アルカリ土類金属の酸化物、又は強塩基性イオン
交換樹脂を触媒とする場合の反応条件としては、反応温
度20〜80℃、反応時間0.5〜6hrにおいて、ラ
クトアミド1モルに対する触媒使用量0.001〜0.
30モルが適当である。本工程における反応生成物は、
蒸留などの操作により分離回収し、未反応物は原料系に
戻される。目的物である乳酸エステルと同時に生成する
ホルムアミドについては、脱水反応を適用して青酸を製
造する。生成した青酸は回収し、シアンヒドリン製造工
程へ送り循環使用される。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、各工程とも極めて高い
選択率で進行し、最終的にアセトアルデヒドとギ酸エス
テルとを原料として高収率で乳酸エステルが製造できる
ものであり、又従来法でのアンモニウム塩のごとき不都
合な副生成物は全くなく、工業的に極めて高い価値を持
つ。
選択率で進行し、最終的にアセトアルデヒドとギ酸エス
テルとを原料として高収率で乳酸エステルが製造できる
ものであり、又従来法でのアンモニウム塩のごとき不都
合な副生成物は全くなく、工業的に極めて高い価値を持
つ。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。実施例1(乳酸メチルの合成) (1) 工程(青酸とアセトアルデヒドからのラクトニトリ
ルの合成) 撹拌機、温度計、還流冷却器、および滴下ロートを備え
た内容積500mLのフラスコに、アセトアルデヒド8
8.1gと1規定の水酸化ナトリウム水溶液1mLを仕
込み、フラスコ内の温度を10℃に保ちながら青酸5
9.4gを滴下した。青酸滴下終了後、20℃にて2h
r保ち反応を完結させた。次に、50%硫酸を加えて生
成液のpHを3とした。フラスコを減圧系に接続し、未
反応の青酸を系外に除去し、ラクトニトリル142gを
得た。ラクトニトリルの純度は98.8%、アセトアル
デヒド基準のラクトニトリル収率は98.7%であっ
た。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。実施例1(乳酸メチルの合成) (1) 工程(青酸とアセトアルデヒドからのラクトニトリ
ルの合成) 撹拌機、温度計、還流冷却器、および滴下ロートを備え
た内容積500mLのフラスコに、アセトアルデヒド8
8.1gと1規定の水酸化ナトリウム水溶液1mLを仕
込み、フラスコ内の温度を10℃に保ちながら青酸5
9.4gを滴下した。青酸滴下終了後、20℃にて2h
r保ち反応を完結させた。次に、50%硫酸を加えて生
成液のpHを3とした。フラスコを減圧系に接続し、未
反応の青酸を系外に除去し、ラクトニトリル142gを
得た。ラクトニトリルの純度は98.8%、アセトアル
デヒド基準のラクトニトリル収率は98.7%であっ
た。
【0011】(2) 工程(ラクトニトリルの水和によるラ
クトアミドの合成) 触媒調製:撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容積
1Lのフラスコに、過マンガン酸カリウム63.2gと
水500gを70℃に加熱撹拌した。これに硫酸マンガ
ン96.2gを溶解した水溶液240g,及び15%硫
酸40gを添加し、70℃で3hr反応させた。内容物
を冷却した後、沈殿物を吸引濾過し、2.4Lの水で洗
浄した。沈殿物ケーキを60℃で一昼夜乾燥し、74g
の活性二酸化マンガンを取得し、下記の触媒として使用
した。 水和反応:撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容積
1Lのフラスコに、順次、(1) 工程で得られたラクトニ
トリル121g、水350g、及び二酸化マンガン60
gを仕込み、60℃にて5hr加熱撹拌して反応させ
た。生成液を氷冷したのち、吸引濾過して触媒を分離し
た。濾液をガスクロマト分析した結果、ラクトニトリル
の反応率は99.5%であり、ラクトアミドの収率は9
7.5%であった。この濾液を減圧下に濃縮乾固し、主
成分としての純度99.5%以上のラクトアミド148
gを得た。
クトアミドの合成) 触媒調製:撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容積
1Lのフラスコに、過マンガン酸カリウム63.2gと
水500gを70℃に加熱撹拌した。これに硫酸マンガ
ン96.2gを溶解した水溶液240g,及び15%硫
酸40gを添加し、70℃で3hr反応させた。内容物
を冷却した後、沈殿物を吸引濾過し、2.4Lの水で洗
浄した。沈殿物ケーキを60℃で一昼夜乾燥し、74g
の活性二酸化マンガンを取得し、下記の触媒として使用
した。 水和反応:撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容積
1Lのフラスコに、順次、(1) 工程で得られたラクトニ
トリル121g、水350g、及び二酸化マンガン60
gを仕込み、60℃にて5hr加熱撹拌して反応させ
た。生成液を氷冷したのち、吸引濾過して触媒を分離し
た。濾液をガスクロマト分析した結果、ラクトニトリル
の反応率は99.5%であり、ラクトアミドの収率は9
7.5%であった。この濾液を減圧下に濃縮乾固し、主
成分としての純度99.5%以上のラクトアミド148
gを得た。
【0012】(3) 工程(ラクトアミドとギ酸メチルから
の乳酸メチルとホルムアミドの合成) 撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブ
に(2) で得られたラクトアミド44.5g、ギ酸メチル
180g、メタノール96g、及びナトリウムメチラー
ト1.1gを仕込み、60℃にて2hr加熱撹拌して反
応させた。生成物を冷却後、ガスクロマト分析した結
果、ラクトアミドの反応率は86.1%であり、ラクト
アミド基準の乳酸メチルの選択率は99.8%、及びホ
ルムアミドの選択率は98.4%であった。生成液中の
ナトリウムメチラートを硫酸で中和したのち、常法によ
り蒸留してギ酸メチル、メタノールを回収すると共に、
純度99%以上の乳酸メチル40g及び純度99%のホ
ルムアミド14gを得た。中間留分を含めた回収率は定
量的であった。
の乳酸メチルとホルムアミドの合成) 撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブ
に(2) で得られたラクトアミド44.5g、ギ酸メチル
180g、メタノール96g、及びナトリウムメチラー
ト1.1gを仕込み、60℃にて2hr加熱撹拌して反
応させた。生成物を冷却後、ガスクロマト分析した結
果、ラクトアミドの反応率は86.1%であり、ラクト
アミド基準の乳酸メチルの選択率は99.8%、及びホ
ルムアミドの選択率は98.4%であった。生成液中の
ナトリウムメチラートを硫酸で中和したのち、常法によ
り蒸留してギ酸メチル、メタノールを回収すると共に、
純度99%以上の乳酸メチル40g及び純度99%のホ
ルムアミド14gを得た。中間留分を含めた回収率は定
量的であった。
【0013】(4) 工程(ホルムアミドの脱水による青酸
の製造) 触媒調製:炭酸マンガン51.5gに、水30gに溶解
した炭酸ナトリウム0.88gを加え、1時間混練し
た。その後、110℃で15時間乾燥し、10%水素−
窒素気流中450℃で5時間焼成してから、破砕して1
0〜20メッシュに揃えたものを30g得た。 反応:上記の方法で得た酸化マンガン3.0gを、温度
計鞘管を備えた内径10φ×300mm石英製反応管に
充填し、触媒層下部の温度を400℃に維持するように
加熱した。また、触媒層の上部15cmには3φ×3m
m石英ラシヒリングを充填し、100〜400℃に加熱
してホルムアミドの蒸発部とした。反応管内を100m
mHgの真空度に保ちながら、(3) で得たホルムアミド
を10g/時間、空気を240ml/時間の割合で反応
管頭頂部から系内に導入した。
の製造) 触媒調製:炭酸マンガン51.5gに、水30gに溶解
した炭酸ナトリウム0.88gを加え、1時間混練し
た。その後、110℃で15時間乾燥し、10%水素−
窒素気流中450℃で5時間焼成してから、破砕して1
0〜20メッシュに揃えたものを30g得た。 反応:上記の方法で得た酸化マンガン3.0gを、温度
計鞘管を備えた内径10φ×300mm石英製反応管に
充填し、触媒層下部の温度を400℃に維持するように
加熱した。また、触媒層の上部15cmには3φ×3m
m石英ラシヒリングを充填し、100〜400℃に加熱
してホルムアミドの蒸発部とした。反応管内を100m
mHgの真空度に保ちながら、(3) で得たホルムアミド
を10g/時間、空気を240ml/時間の割合で反応
管頭頂部から系内に導入した。
【0014】反応開始後5時間目から反応ガスを1時間
サンプリングした。 水、およびNaOH水溶液に吸
収させることにより捕集した青酸は硝酸銀滴定で定量し
た。また、水に溶解したアンモニアはイオンクロマトグ
ラフで、未反応ホルムアミドはガスクロマトグラフでそ
れぞれ定量した。その結果、ホルムアミド反応率99.
5%、青酸収率95.2%、アンモニア収率4.3%で
あった。
サンプリングした。 水、およびNaOH水溶液に吸
収させることにより捕集した青酸は硝酸銀滴定で定量し
た。また、水に溶解したアンモニアはイオンクロマトグ
ラフで、未反応ホルムアミドはガスクロマトグラフでそ
れぞれ定量した。その結果、ホルムアミド反応率99.
5%、青酸収率95.2%、アンモニア収率4.3%で
あった。
【0015】実施例2 原料のギ酸メチルをギ酸エチル代えた以外は、実施例1
と同様に反応させた。その結果、ラクトアミドの反応率
は86.1%であり、ラクトアミド基準の乳酸エチルの
選択率は99.8%、ホルムアミドの選択率は98.4
%であった。
と同様に反応させた。その結果、ラクトアミドの反応率
は86.1%であり、ラクトアミド基準の乳酸エチルの
選択率は99.8%、ホルムアミドの選択率は98.4
%であった。
【0016】実施例3 実施例1の(3) 工程で、ギ酸メチル180g、メタノー
ル96gの代わりにメタノール200gを仕込み、さら
に一酸化化炭素40atmを圧入し加熱撹拌して反応さ
せた。 オートクレーブ内の温度が60℃に達したら、
反応圧力を40atmに維持するように一酸化炭素を供
給し、3時間反応を続けた。その後、オートクレーブ内
の温度を10℃まで冷却し、内圧を徐々に下げて常圧に
戻した後、生成物を取出してガスクロマト分析した結
果、ラクトアミドの反応率は81.7%、ラクトアミド
基準の乳酸メチルの選択率は95.9%、及びホルムア
ミドの選択率は94.8%であった。
ル96gの代わりにメタノール200gを仕込み、さら
に一酸化化炭素40atmを圧入し加熱撹拌して反応さ
せた。 オートクレーブ内の温度が60℃に達したら、
反応圧力を40atmに維持するように一酸化炭素を供
給し、3時間反応を続けた。その後、オートクレーブ内
の温度を10℃まで冷却し、内圧を徐々に下げて常圧に
戻した後、生成物を取出してガスクロマト分析した結
果、ラクトアミドの反応率は81.7%、ラクトアミド
基準の乳酸メチルの選択率は95.9%、及びホルムア
ミドの選択率は94.8%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平5−178792(JP,A) 特開 平4−198152(JP,A) 特開 昭58−55444(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 1/00 - 409/44 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】(1) 青酸とアセトアルデヒドからラクトニ
トリルを製造する工程、(2) 前記工程で得られるラクト
ニトリルを水和してラクトアミドを製造する工程、(3)
前記工程で得られるラクトアミドとギ酸エステルより乳
酸エステルとホルムアミドを製造する工程、及び(4) 前
記工程で得られた生成物から分離したホルムアミドを脱
水して青酸を製造し循環使用する工程、とからなる一般
式CH3 CH(OH)COOR(R:炭素数1〜8のア
ルキル基)で表される乳酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】(3) 工程で用いるギ酸エステルが、ギ酸メ
チルである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】(3) 工程で、ギ酸メチルの代わりにメタノ
ールと一酸化炭素を用いることを特徴とする請求項2項
記載の方法。
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