JP3219331B2 - 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法 - Google Patents
化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板用賦形型の製造
に際して使用されるマスクフィルムに関し、詳しくは、
木材の木目が人工的に賦形されかつ紙や合成樹脂等の材
料よりなる化粧板のプレス工程において使用される賦形
型を製造する場合に、その製造工程における露光工程で
使用されるマスクフィルムに関する。
に際して使用されるマスクフィルムに関し、詳しくは、
木材の木目が人工的に賦形されかつ紙や合成樹脂等の材
料よりなる化粧板のプレス工程において使用される賦形
型を製造する場合に、その製造工程における露光工程で
使用されるマスクフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木目模様を有する化粧板の場合、
木目を形成する導管の模様、すなわち凹状の無数の線模
様が一般に形成される。したがって、このような化粧板
を形成するための賦形型には木目(導管)に対応した無数
の凸状線模様が形成されることになる。従来、このよう
な賦形型を形成する方法として、図1に示したような天
然の木材の木目(導管1)を写真フィルムに撮影し、この
写真フィルムを原版として、基板上に形成した感光性樹
脂膜に焼き付けを行い、その後ケミカルエッチング手法
を用いて導管に対応する部分を凸部として形成する方法
が知られている。
木目を形成する導管の模様、すなわち凹状の無数の線模
様が一般に形成される。したがって、このような化粧板
を形成するための賦形型には木目(導管)に対応した無数
の凸状線模様が形成されることになる。従来、このよう
な賦形型を形成する方法として、図1に示したような天
然の木材の木目(導管1)を写真フィルムに撮影し、この
写真フィルムを原版として、基板上に形成した感光性樹
脂膜に焼き付けを行い、その後ケミカルエッチング手法
を用いて導管に対応する部分を凸部として形成する方法
が知られている。
【0003】従来の製造方法は、このように、目的とす
る木目等の模様に対応して凹凸模様を形成するものであ
るが、従来方法によっては、写真階調のごとき階調のあ
る化粧板を作るための賦形型は実現不可能であった。
る木目等の模様に対応して凹凸模様を形成するものであ
るが、従来方法によっては、写真階調のごとき階調のあ
る化粧板を作るための賦形型は実現不可能であった。
【0004】このような写真階調のごとき階調のある化
粧板を作るための賦形型は、化粧板に天然の導管とほぼ
同一の凹凸模様を賦形することがもっとも良い解決方法
であることは言うまでもない。すなわち、天然木材の導
管は図2,3に示されるように、浅い部分と深い部分と
を有しており、このような形状に対応した凸型を賦形型
に形成する必要があるのである。
粧板を作るための賦形型は、化粧板に天然の導管とほぼ
同一の凹凸模様を賦形することがもっとも良い解決方法
であることは言うまでもない。すなわち、天然木材の導
管は図2,3に示されるように、浅い部分と深い部分と
を有しており、このような形状に対応した凸型を賦形型
に形成する必要があるのである。
【0005】図2,3について説明すれば、図2は天然
木材を示し、その木材表面に模式的に示した三角状の導
管1が無数に表れている。図においてA−B,C−Dは
各線分を含む平面で切断することを示している。この断
面状態を図3に示している。導管は樹体内の水分の通路
の働きをなすものであり、長いパイプ状のものである。
そして、切断された木材の表面には図2に示したような
導管切断端部が表れるのである。図3(1)では切断線A
−Bにおいては導管1が斜め方向に切断されている状態
が明らかである。また、(II)および(III)に示すよ
うに、断面C−Dにおいては導管1の上部あるいは上半
分程度が切断された状態が示されている。このように、
導管そのものは本来パイプ状のものであるため、木材表
面に表われる導管の切断部は周辺浅部1aとその中心側
の深部1bとで形成されているのである。そしてその深
さは徐々に変化しているのである。すなわち、導管1の
横断方向においては、(II),(III)に示されるよう
に、周辺から中心に向って徐々に深くなり、また導管1
の長手方向においては、(I)に示されるように、基端部
から先細先端部に向って徐々に浅くなる。
木材を示し、その木材表面に模式的に示した三角状の導
管1が無数に表れている。図においてA−B,C−Dは
各線分を含む平面で切断することを示している。この断
面状態を図3に示している。導管は樹体内の水分の通路
の働きをなすものであり、長いパイプ状のものである。
そして、切断された木材の表面には図2に示したような
導管切断端部が表れるのである。図3(1)では切断線A
−Bにおいては導管1が斜め方向に切断されている状態
が明らかである。また、(II)および(III)に示すよ
うに、断面C−Dにおいては導管1の上部あるいは上半
分程度が切断された状態が示されている。このように、
導管そのものは本来パイプ状のものであるため、木材表
面に表われる導管の切断部は周辺浅部1aとその中心側
の深部1bとで形成されているのである。そしてその深
さは徐々に変化しているのである。すなわち、導管1の
横断方向においては、(II),(III)に示されるよう
に、周辺から中心に向って徐々に深くなり、また導管1
の長手方向においては、(I)に示されるように、基端部
から先細先端部に向って徐々に浅くなる。
【0006】従来の賦形型製造方法において使用される
原版としての写真フィルムにはこのような導管の深さに
対応した階調は到底得られず、導管部全体がフィルムに
同一階調の陰影部として撮影されるため(ポジフィルム
の場合)、そのマスクフィルムを使用して製造した賦形
型の導管対応凸部は単調な凸形状であって、深い浅いの
形状を有する天然木材の導管の形状に正確には対応して
いなかったのである。
原版としての写真フィルムにはこのような導管の深さに
対応した階調は到底得られず、導管部全体がフィルムに
同一階調の陰影部として撮影されるため(ポジフィルム
の場合)、そのマスクフィルムを使用して製造した賦形
型の導管対応凸部は単調な凸形状であって、深い浅いの
形状を有する天然木材の導管の形状に正確には対応して
いなかったのである。
【0007】そこで、本件出願人は、写真階調のごとき
階調のある化粧板を製作できる賦形型の製造方法、すな
わち、深い部分と浅い部分とで形成される天然導管にほ
ぼ正確に対応する又は類似する凸版部を有する賦形型を
製造する方法を提案すると共に、その方法における露光
工程において使用されるマスクフィルムを提案している
(特願平3−346160号)。
階調のある化粧板を製作できる賦形型の製造方法、すな
わち、深い部分と浅い部分とで形成される天然導管にほ
ぼ正確に対応する又は類似する凸版部を有する賦形型を
製造する方法を提案すると共に、その方法における露光
工程において使用されるマスクフィルムを提案している
(特願平3−346160号)。
【0008】このマスクフィルム2の一例を図4に示し
ている。図に示すように、このマスクフィルム2は、前
記した天然導管1の少なくとも横断方向における深度の
浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変化する導
管陰影部2aを有し、かつ、導管陰影部2a以外の地部2
cがほぼ透明に形成されている。図4(I)は導管陰影部
2aの濃淡を視覚的に示したものである。すなわちこの
導管陰影部2aの両側の濃度が高くその中心部に向かう
にしたがって濃度が低くなっている。実際このマスクフ
ィルム2をミクロ的にみれば、ベースフィルムの片面に
感光層が塗布されており、この感光層が露光・現像され
て濃淡を呈している。図4(II)においては、マスクフ
ィルム2の導管陰影部2aを濃淡分布曲線2bで示してい
る。すなわち、天然導管1周辺浅部1aに対応する部分
(1a)の濃度が濃く、一方天然導管1の深部1bを有する
中央部分(1b)は薄くなっている。
ている。図に示すように、このマスクフィルム2は、前
記した天然導管1の少なくとも横断方向における深度の
浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変化する導
管陰影部2aを有し、かつ、導管陰影部2a以外の地部2
cがほぼ透明に形成されている。図4(I)は導管陰影部
2aの濃淡を視覚的に示したものである。すなわちこの
導管陰影部2aの両側の濃度が高くその中心部に向かう
にしたがって濃度が低くなっている。実際このマスクフ
ィルム2をミクロ的にみれば、ベースフィルムの片面に
感光層が塗布されており、この感光層が露光・現像され
て濃淡を呈している。図4(II)においては、マスクフ
ィルム2の導管陰影部2aを濃淡分布曲線2bで示してい
る。すなわち、天然導管1周辺浅部1aに対応する部分
(1a)の濃度が濃く、一方天然導管1の深部1bを有する
中央部分(1b)は薄くなっている。
【0009】ところで、このようなマスクフィルム2の
製造方法については、前記した特願平3−346160
号においては、導管の深部1bから周辺浅部1aに向かっ
て濃度を次第に濃くした手書き原稿をホジフィルムに撮
影することにより作る原始的方法が開示されている。し
かしながら、この方法は手書き原稿を正確に描くことは
非常に手間のいることであり、製造方法としては決して
効率のよいものではない。
製造方法については、前記した特願平3−346160
号においては、導管の深部1bから周辺浅部1aに向かっ
て濃度を次第に濃くした手書き原稿をホジフィルムに撮
影することにより作る原始的方法が開示されている。し
かしながら、この方法は手書き原稿を正確に描くことは
非常に手間のいることであり、製造方法としては決して
効率のよいものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決しようとする技術的課題は、天然木材自体を写真被
写体として利用し写真技術を用いて効率的にこの種のマ
スクフィルムを製造することにある。
解決しようとする技術的課題は、天然木材自体を写真被
写体として利用し写真技術を用いて効率的にこの種のマ
スクフィルムを製造することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段・作用・効果】以下に、図
5〜9に従って、上記技術的課題を解決するための本発
明にかかるマスクフィルムの製造方法について詳細に説
明する。
5〜9に従って、上記技術的課題を解決するための本発
明にかかるマスクフィルムの製造方法について詳細に説
明する。
【0012】図5は本発明にかかるマスクフィルムの基
本的製造方法を示している。本発明方法においては、第
1フィルム10と、第2フィルム11と第3フィルム1
4とが使用される。ここで製版写真用フィルムとは、リ
スフィルム、色分解用フィルム、プロセス用フィルム等
のことをいう。第1フィルム10は、天然導管1に対応
する導管陰影部10aを上面に有しかつ導管陰影部10a
以外の地部10cがほぼ透明に形成されている。また、
第2フィルム11は天然導管1に対応する導管透明部1
1aを有しかつ導管透明部11a以外の地部11c下面が
陰影部として形成されている。また、第3フィルム14
は未使用のものであって、この第3フィルム14が露光
・現像後にマスクフィルム2になる。図5(I)において
は、各フィルム10,11の導管陰影部10a及び陰影部
としての地部11cが、フィルムの上面または下面に形
成される感光層により形成されている状態を示してい
る。
本的製造方法を示している。本発明方法においては、第
1フィルム10と、第2フィルム11と第3フィルム1
4とが使用される。ここで製版写真用フィルムとは、リ
スフィルム、色分解用フィルム、プロセス用フィルム等
のことをいう。第1フィルム10は、天然導管1に対応
する導管陰影部10aを上面に有しかつ導管陰影部10a
以外の地部10cがほぼ透明に形成されている。また、
第2フィルム11は天然導管1に対応する導管透明部1
1aを有しかつ導管透明部11a以外の地部11c下面が
陰影部として形成されている。また、第3フィルム14
は未使用のものであって、この第3フィルム14が露光
・現像後にマスクフィルム2になる。図5(I)において
は、各フィルム10,11の導管陰影部10a及び陰影部
としての地部11cが、フィルムの上面または下面に形
成される感光層により形成されている状態を示してい
る。
【0013】上記3枚のフィルム10,11,14は、図
に示すように、フィルム10−11間は感光層が背中合
わせとなるようにし、フィルム11−14間は感光層同
士が向かい合うように、順次上から下に、フィルム10
とフィルム11をベースフィルムを背中合わせにして互
いに密着した状態で光Lにより露光される。このとき、
各導管陰影部10aと導管透明部11aは互いに対応する
位置に配置される。この配置の仕方は、図7,8に示し
た配置の仕方あるいはその他の仕方もあるが、図5の実
施例においては、導管陰影部10aの形状及び寸法を導
管透明部11aの形状及び寸法と実質的に同一とすると
共に、これらの各導管陰影部10aと各導管透明部11a
とが上下方向に実質的に一致せしめられている。
に示すように、フィルム10−11間は感光層が背中合
わせとなるようにし、フィルム11−14間は感光層同
士が向かい合うように、順次上から下に、フィルム10
とフィルム11をベースフィルムを背中合わせにして互
いに密着した状態で光Lにより露光される。このとき、
各導管陰影部10aと導管透明部11aは互いに対応する
位置に配置される。この配置の仕方は、図7,8に示し
た配置の仕方あるいはその他の仕方もあるが、図5の実
施例においては、導管陰影部10aの形状及び寸法を導
管透明部11aの形状及び寸法と実質的に同一とすると
共に、これらの各導管陰影部10aと各導管透明部11a
とが上下方向に実質的に一致せしめられている。
【0014】図5に示すように、光Lにより密着フィル
ム10,11,14を露光すると光の回折現象により、
(II)に示すように、第3フィルム14(マスクフィル
ム2)には周辺部分濃度が濃く中心部分の濃度が低い濃
度分布を有する導管陰影部2aが形成される。すなわ
ち、フィルム10,11はそれぞれ一定の厚み寸法、た
とえば100μ〜175μの厚み寸法、を有しているの
でフィルム10、11の陰影部間には200μないし3
50μの間隔が形成されている。この故に、第1フィル
ム10の導管陰影部10aの周辺から各フィルム10,1
1に入射する光は回折現象を生じて、導管陰影部10a
の下方中心方向に光が回り込むことになる。すなわち、
この光の回折現象がなければ、つまり上方より入射する
光Lが下方に直進するとすれば、導管陰影部10aの巾
寸法と導管透明部11aの巾寸法は一致しているため、
導管透明部11aを光通過窓として第3フィルム14に
入射する光は理論上零であって第3フィルム14は露光
されないことになる。しかし、本発明においては、この
光の回折現象を利用して、一定の光が導管透明部11a
を光通過窓として第3フィルム14に入射することがで
きるのである。そして、この入射光は第3フィルム14
に対して一様ではなく、その露光量は周辺部において多
く、中心部において少なくなり、濃度分布曲線2bに示
すように、導管陰影部2aの周辺から中心に向かって二
次曲線的に漸減する。したがって、このように露光され
た第3フィルム14を現像すれば、露光量の多い部分の
濃度が高くなり、露光量の少ない部分の濃度が低くなる
のである。すなわち導管陰影部2aの濃度は天然導管1
の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変
化するのである。このようにして、図4(II)に示した
目的とするところのマスクフィルム2を得ることができ
るのである。
ム10,11,14を露光すると光の回折現象により、
(II)に示すように、第3フィルム14(マスクフィル
ム2)には周辺部分濃度が濃く中心部分の濃度が低い濃
度分布を有する導管陰影部2aが形成される。すなわ
ち、フィルム10,11はそれぞれ一定の厚み寸法、た
とえば100μ〜175μの厚み寸法、を有しているの
でフィルム10、11の陰影部間には200μないし3
50μの間隔が形成されている。この故に、第1フィル
ム10の導管陰影部10aの周辺から各フィルム10,1
1に入射する光は回折現象を生じて、導管陰影部10a
の下方中心方向に光が回り込むことになる。すなわち、
この光の回折現象がなければ、つまり上方より入射する
光Lが下方に直進するとすれば、導管陰影部10aの巾
寸法と導管透明部11aの巾寸法は一致しているため、
導管透明部11aを光通過窓として第3フィルム14に
入射する光は理論上零であって第3フィルム14は露光
されないことになる。しかし、本発明においては、この
光の回折現象を利用して、一定の光が導管透明部11a
を光通過窓として第3フィルム14に入射することがで
きるのである。そして、この入射光は第3フィルム14
に対して一様ではなく、その露光量は周辺部において多
く、中心部において少なくなり、濃度分布曲線2bに示
すように、導管陰影部2aの周辺から中心に向かって二
次曲線的に漸減する。したがって、このように露光され
た第3フィルム14を現像すれば、露光量の多い部分の
濃度が高くなり、露光量の少ない部分の濃度が低くなる
のである。すなわち導管陰影部2aの濃度は天然導管1
の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変
化するのである。このようにして、図4(II)に示した
目的とするところのマスクフィルム2を得ることができ
るのである。
【0015】図5においては、導管陰影部10a及び導
管透明部11aの断面方向は特に限定されていない。す
なわち天然導管1の横断方向及び長手方向のいずれの場
合にも適用されるものである。つまり、図5に示した一
実施例によれば、天然導管1の横断方向及び長手方向の
いずれにおいても導管陰影部2aの濃度分布は図5(I
I)に示すようになるのである。したがって、この濃度
分布は、図3(II,III)に示される天然導管1の横
断方向の形状にはよく対応しているが図3(I)に示され
る天然導管1の長手方向の断面形状には正確には対応し
ていないきらいはある。
管透明部11aの断面方向は特に限定されていない。す
なわち天然導管1の横断方向及び長手方向のいずれの場
合にも適用されるものである。つまり、図5に示した一
実施例によれば、天然導管1の横断方向及び長手方向の
いずれにおいても導管陰影部2aの濃度分布は図5(I
I)に示すようになるのである。したがって、この濃度
分布は、図3(II,III)に示される天然導管1の横
断方向の形状にはよく対応しているが図3(I)に示され
る天然導管1の長手方向の断面形状には正確には対応し
ていないきらいはある。
【0016】上記した第1及び第2フィルム10,11
自体は、一例として図6に示した写真技術により製造す
ることができる。図6は多数の導管1の木目模様を有す
る天然木材の表面をカメラ12により撮影している状態
を示している。この撮影方式自体公知のものであって、
被写体であるところの木目模様の黒い部分すなわち導管
と他の相対的に明るい背景部分とのコントラストを強調
するための撮影方式である。したがって、このカメラ1
2に使用されるフィルム、はその目的に合致するリスフ
ィルムが使用される。そしてまた、撮影時においては、
光Lを天然木材の表面に対して斜め方向から投光して、
天然木材の表面に対して窪んでいるところの各導管1の
部分を暗くする一方背景部を明るくして、つまり明暗を
強調して撮影する。これにより、全面が一様または均一
な濃度を有する地部11cを有するところの第2フィル
ム11を得ることができる。この場合、第1フィルム1
0は第2フィルム11に対するネガフィルムである。す
なわち、図には示していないが、地部11cを有する第
2フィルム11の下に未使用の第1ネガフィルム(1
0)を感光層が密着するようにして露光することによ
り、第2フィルム11と陰影部が逆転した第1フィルム
10を得ることができるのである。
自体は、一例として図6に示した写真技術により製造す
ることができる。図6は多数の導管1の木目模様を有す
る天然木材の表面をカメラ12により撮影している状態
を示している。この撮影方式自体公知のものであって、
被写体であるところの木目模様の黒い部分すなわち導管
と他の相対的に明るい背景部分とのコントラストを強調
するための撮影方式である。したがって、このカメラ1
2に使用されるフィルム、はその目的に合致するリスフ
ィルムが使用される。そしてまた、撮影時においては、
光Lを天然木材の表面に対して斜め方向から投光して、
天然木材の表面に対して窪んでいるところの各導管1の
部分を暗くする一方背景部を明るくして、つまり明暗を
強調して撮影する。これにより、全面が一様または均一
な濃度を有する地部11cを有するところの第2フィル
ム11を得ることができる。この場合、第1フィルム1
0は第2フィルム11に対するネガフィルムである。す
なわち、図には示していないが、地部11cを有する第
2フィルム11の下に未使用の第1ネガフィルム(1
0)を感光層が密着するようにして露光することによ
り、第2フィルム11と陰影部が逆転した第1フィルム
10を得ることができるのである。
【0017】また、コントラストをより強調する方法と
して、天然木材の表面における導管部以外を白色塗装し
て撮影する方法や、逆に(天然木材が濃い色の場合)、
導管部のみを白チョーク等で埋めて白色としてから撮影
する方法等がある。
して、天然木材の表面における導管部以外を白色塗装し
て撮影する方法や、逆に(天然木材が濃い色の場合)、
導管部のみを白チョーク等で埋めて白色としてから撮影
する方法等がある。
【0018】本発明は、前記したように、露光時におけ
る光の回折現象を利用して、第3フィルム14に入射す
る光の露光量を第3フィルム14に形成されるべき導管
陰影部2aの少なくとも横断方向沿いに周辺から中心方
向に向かって漸減するように分布せしめ、現像後の第3
フィルム14の導管陰影部2aの濃度を天然導管1の少
なくとも横断方向の深部の浅い部分から深い部分に対応
して濃から淡に変化させるようにしたことを特徴とする
ものであるが、図7の実施例方法によれば、天然導管1
の横断方向のみならず長手方向においても深度の浅い部
分から深い部分に対応して濃から淡に変化したマスクフ
ィルムを製造することができる。この第2実施例を次に
説明する。
る光の回折現象を利用して、第3フィルム14に入射す
る光の露光量を第3フィルム14に形成されるべき導管
陰影部2aの少なくとも横断方向沿いに周辺から中心方
向に向かって漸減するように分布せしめ、現像後の第3
フィルム14の導管陰影部2aの濃度を天然導管1の少
なくとも横断方向の深部の浅い部分から深い部分に対応
して濃から淡に変化させるようにしたことを特徴とする
ものであるが、図7の実施例方法によれば、天然導管1
の横断方向のみならず長手方向においても深度の浅い部
分から深い部分に対応して濃から淡に変化したマスクフ
ィルムを製造することができる。この第2実施例を次に
説明する。
【0019】図7の製造方法において使用している第1
フィルム10、第2フィルム11及び第3フィルム14
は第1実施例のものと同一構成である。しかしながら、
第1フィルム10と第2フィルム11との位置合せ方式
が第1実施例のものと異なっている。なお図7(I),(I
I)は天然導管1の長手方向断面に対応している。
フィルム10、第2フィルム11及び第3フィルム14
は第1実施例のものと同一構成である。しかしながら、
第1フィルム10と第2フィルム11との位置合せ方式
が第1実施例のものと異なっている。なお図7(I),(I
I)は天然導管1の長手方向断面に対応している。
【0020】すなわち、本第2実施例においては、第1
フィルム10と第2フィルム11が、第1フィルム10
が第2フィルム11に対して導管陰影部10aの先細先
端部側の方向にずれた状態で互いに密着せしめられてい
る。この位置関係は図7(III)に良く示されている。
つまり、重ね合わされたフィルムを上方から見た場合、
導管透明部11aの基端部は導管陰影部10aと重なって
おらず、一方導管透明部の基端部以外の部分はすべて導
管陰影部10aと重なっているのである。したがって、
互いに密着せしめられたフィルム10,11,14に対し
て光Lにより露光したとき、導管透明部の基端部と導管
陰影部10aの基端部との間においては光が直接第3フ
ィルム14に入射される。そして、この第2実施例にお
いても、導管陰影部10aの周辺からフィルム10,11
に入射する光は回折現象を生じるので、図7(II)に示
すように、導管陰影部2aの基端部から先細の先端部に
向かって漸減するように露光量が分布することになる。
この場合、導管陰影部10aの先細先端部は地部11c
と重なっているので、その周辺から回折してフィルム1
4に至る光の光量は非常に少なくなる。したがって、こ
の露光分布を有する第3フィルム14を現像すれば、天
然導管の長手方向断面に非常によく対応した導管陰影部
2aを得ることができるのである。もちろん、天然導管
1の横断方向においては、露光時の光の回折現像によ
り、第1実施例と略同様の露光分布が得られ、導管陰影
部の周辺から中心に向かって露光量が漸減することにな
る。この場合も、導管陰影部10aの横断方向周辺は地
部11cと重なっているので、その周辺から回折してフ
ィルム14に至る光の光量は非常に少なくなる。この第
2実施例により得られるマスクフィルム2の導管陰影部
は第1実施例により得られる導管陰影部より一層天然木
材の導管に対応したものとなり、そのためこのマスクフ
ィルムを利用して賦形型を製造し、その賦形型により化
粧板を製造すれば、その化粧板には天然木材の導管に非
常に近い導管を得ることができるのである。
フィルム10と第2フィルム11が、第1フィルム10
が第2フィルム11に対して導管陰影部10aの先細先
端部側の方向にずれた状態で互いに密着せしめられてい
る。この位置関係は図7(III)に良く示されている。
つまり、重ね合わされたフィルムを上方から見た場合、
導管透明部11aの基端部は導管陰影部10aと重なって
おらず、一方導管透明部の基端部以外の部分はすべて導
管陰影部10aと重なっているのである。したがって、
互いに密着せしめられたフィルム10,11,14に対し
て光Lにより露光したとき、導管透明部の基端部と導管
陰影部10aの基端部との間においては光が直接第3フ
ィルム14に入射される。そして、この第2実施例にお
いても、導管陰影部10aの周辺からフィルム10,11
に入射する光は回折現象を生じるので、図7(II)に示
すように、導管陰影部2aの基端部から先細の先端部に
向かって漸減するように露光量が分布することになる。
この場合、導管陰影部10aの先細先端部は地部11c
と重なっているので、その周辺から回折してフィルム1
4に至る光の光量は非常に少なくなる。したがって、こ
の露光分布を有する第3フィルム14を現像すれば、天
然導管の長手方向断面に非常によく対応した導管陰影部
2aを得ることができるのである。もちろん、天然導管
1の横断方向においては、露光時の光の回折現像によ
り、第1実施例と略同様の露光分布が得られ、導管陰影
部の周辺から中心に向かって露光量が漸減することにな
る。この場合も、導管陰影部10aの横断方向周辺は地
部11cと重なっているので、その周辺から回折してフ
ィルム14に至る光の光量は非常に少なくなる。この第
2実施例により得られるマスクフィルム2の導管陰影部
は第1実施例により得られる導管陰影部より一層天然木
材の導管に対応したものとなり、そのためこのマスクフ
ィルムを利用して賦形型を製造し、その賦形型により化
粧板を製造すれば、その化粧板には天然木材の導管に非
常に近い導管を得ることができるのである。
【0021】図8にさらに今一つの実施例を示してい
る。前記した本件出願人にかかる特願平3−34616
0号では、今一つのマスクフィルムを提案している。こ
のマスクフィルムは一対のマスクフィルムより構成され
るものであるが、図8の実施例は、この一対のマスクフ
ィルムに代わる一枚のマスクフィルムを製造するための
方法である。この第3実施例においては、第2フィルム
11の構成は第1及び第2実施例のものと同一である
が、第1フィルム13の構成は若干異なっている。すな
わち、第1フィルム13の導管陰影部13aは第2フィ
ルム11の導管透明部11aと相似形を有しているもの
の、導管陰影部13aの巾寸法W1は導管透明部11aの
巾寸法W2より一回り小さく寸法構成している。そし
て、露光時においては第1フィルム13と第2フィルム
11とを導管陰影部13aを導管透明部11aに中心合わ
せした状態で互いに密着している。したがって、この状
態で光Lにより露光すれば、導管陰影部13aと導管透
明部11aとの各周辺部間においては光Lは直接第3フ
ィルム14に入射する。また、導管陰影部13aの周辺
部よりフィルム13,11に入射する光は第1,第2の実
施例と同様に回折現象を生じて中心方向に回り込む。し
たがって、図8(II)に示されるように、第3フィルム
14に露光される導管陰影部2aの露光量は、周囲一定
巾部分W3において最大となり、かつその部分W3から
中心に向かって漸減するようになり、それに応じて、現
像後は、周辺一定巾部分W3において濃度が最大とな
り、その周辺一定巾部分W3から中心に向かって濃度は
濃から淡に変化することになる。
る。前記した本件出願人にかかる特願平3−34616
0号では、今一つのマスクフィルムを提案している。こ
のマスクフィルムは一対のマスクフィルムより構成され
るものであるが、図8の実施例は、この一対のマスクフ
ィルムに代わる一枚のマスクフィルムを製造するための
方法である。この第3実施例においては、第2フィルム
11の構成は第1及び第2実施例のものと同一である
が、第1フィルム13の構成は若干異なっている。すな
わち、第1フィルム13の導管陰影部13aは第2フィ
ルム11の導管透明部11aと相似形を有しているもの
の、導管陰影部13aの巾寸法W1は導管透明部11aの
巾寸法W2より一回り小さく寸法構成している。そし
て、露光時においては第1フィルム13と第2フィルム
11とを導管陰影部13aを導管透明部11aに中心合わ
せした状態で互いに密着している。したがって、この状
態で光Lにより露光すれば、導管陰影部13aと導管透
明部11aとの各周辺部間においては光Lは直接第3フ
ィルム14に入射する。また、導管陰影部13aの周辺
部よりフィルム13,11に入射する光は第1,第2の実
施例と同様に回折現象を生じて中心方向に回り込む。し
たがって、図8(II)に示されるように、第3フィルム
14に露光される導管陰影部2aの露光量は、周囲一定
巾部分W3において最大となり、かつその部分W3から
中心に向かって漸減するようになり、それに応じて、現
像後は、周辺一定巾部分W3において濃度が最大とな
り、その周辺一定巾部分W3から中心に向かって濃度は
濃から淡に変化することになる。
【0022】上記第3実施例に示した第1フィルム13
の導管陰影部13aは、たとえば図9に示した方法によ
り得ることができる。図9において、10は第1,第2
の実施例に使用した第1フィルム10と同一のもので巾
寸法W2を有している。但し、このフィルム10は10
0〜200μ程度の厚いリスフィルムを使用している。
一方、15は第1フィルム10の下側に密着せしめられ
る未使用の第1ネガフィルムでかつ明暗のコントラスト
が強調されるリスフィルムである。このように第1フィ
ルム10及び未使用の第1フィルム15を重ねあわせて
光Lにより露光を行う。そうすればフィルム10の導管
陰影部10a以外の部分に入射する光Lはすべてフィル
ム15に対して露光されることになる。一方導管陰影部
10aの部分については、その周辺部分の光は回折現象
を生じて導管陰影部10aの下側に回り込むことにな
る。図9においては、フィルム15の巾寸法W1の範囲
を除いてその他の部分が露光された状態を示している。
したがって、このフィルム15を現像すれば、図9(I
I)に示すような陰影部としての地部15c及び導管透明
部15aを得ることができる。この導管透明部15aは巾
寸法W1を有している。そしてつぎに、図示していない
が、このフィルム15の下に未使用のネガフィルム13
を感光層同士が密着するように重ね合せて露光すれば、
図8のフィルム13を得ることができる。
の導管陰影部13aは、たとえば図9に示した方法によ
り得ることができる。図9において、10は第1,第2
の実施例に使用した第1フィルム10と同一のもので巾
寸法W2を有している。但し、このフィルム10は10
0〜200μ程度の厚いリスフィルムを使用している。
一方、15は第1フィルム10の下側に密着せしめられ
る未使用の第1ネガフィルムでかつ明暗のコントラスト
が強調されるリスフィルムである。このように第1フィ
ルム10及び未使用の第1フィルム15を重ねあわせて
光Lにより露光を行う。そうすればフィルム10の導管
陰影部10a以外の部分に入射する光Lはすべてフィル
ム15に対して露光されることになる。一方導管陰影部
10aの部分については、その周辺部分の光は回折現象
を生じて導管陰影部10aの下側に回り込むことにな
る。図9においては、フィルム15の巾寸法W1の範囲
を除いてその他の部分が露光された状態を示している。
したがって、このフィルム15を現像すれば、図9(I
I)に示すような陰影部としての地部15c及び導管透明
部15aを得ることができる。この導管透明部15aは巾
寸法W1を有している。そしてつぎに、図示していない
が、このフィルム15の下に未使用のネガフィルム13
を感光層同士が密着するように重ね合せて露光すれば、
図8のフィルム13を得ることができる。
【0023】つぎに、このようにして製造されたマスク
フィルム2を用いて賦形型を製造する方法の一例及びそ
の方法より得られる賦形型について図10〜15にした
がって説明する。
フィルム2を用いて賦形型を製造する方法の一例及びそ
の方法より得られる賦形型について図10〜15にした
がって説明する。
【0024】この賦形型製造方法においては、まず始め
に上記マスクフィルム2を用いた露光工程が行なわれ
る。この露光工程を図10に示している。図10に示さ
れるように、マスクフィルム2を通して光硬化層3aに
光Lを露光して、地部2cに対応する部分を十分光硬化
させて周囲硬化部3eを形成すると共に、導管陰影部2a
に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの深
さで光硬化させて周囲硬化部3eに囲まれた凸状硬化部
3cを形成する。図示の実施例においては、カーボンテ
ィッシュ3が使用されている。このカーボンティッシュ
3自体は公知のものであって、光硬化層3aとベース紙
3bより形成されている。図10に光Lの光線を矢印で
示している。これより明らかなように、マスクフィルム
2の地部2cはほぼ透明であるから光Lは光硬化層3aに
対して十分深く浸透する一方、マスクフィルム2の導管
陰影部2aの部分については、その濃淡に応じた量だけ
光Lが達する。すなわち導管陰影部2aの周囲部分は濃
い陰影となっているため光Lの透過深さが小さく、一方
導管陰影部2aの中心部分は濃度が薄くなっているので
周辺部分より深く光が達している。したがって、凸状硬
化部3cは天然導管1に対応する断面形状を呈してい
る。なお、図において3dは光Lが達していない部分す
なわち未硬化部を示している。
に上記マスクフィルム2を用いた露光工程が行なわれ
る。この露光工程を図10に示している。図10に示さ
れるように、マスクフィルム2を通して光硬化層3aに
光Lを露光して、地部2cに対応する部分を十分光硬化
させて周囲硬化部3eを形成すると共に、導管陰影部2a
に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの深
さで光硬化させて周囲硬化部3eに囲まれた凸状硬化部
3cを形成する。図示の実施例においては、カーボンテ
ィッシュ3が使用されている。このカーボンティッシュ
3自体は公知のものであって、光硬化層3aとベース紙
3bより形成されている。図10に光Lの光線を矢印で
示している。これより明らかなように、マスクフィルム
2の地部2cはほぼ透明であるから光Lは光硬化層3aに
対して十分深く浸透する一方、マスクフィルム2の導管
陰影部2aの部分については、その濃淡に応じた量だけ
光Lが達する。すなわち導管陰影部2aの周囲部分は濃
い陰影となっているため光Lの透過深さが小さく、一方
導管陰影部2aの中心部分は濃度が薄くなっているので
周辺部分より深く光が達している。したがって、凸状硬
化部3cは天然導管1に対応する断面形状を呈してい
る。なお、図において3dは光Lが達していない部分す
なわち未硬化部を示している。
【0025】次いで、図11に示すように、露光済のカ
ーボンティッシュの光硬化層3aを基板4、例えば銅板
に貼りつけ、温湯にて現像することにより未硬化部3d
を除去しベース紙3bを剥すことにより、基板4の表面
にエッチング用の光硬化膜を形成する。ここで、カーボ
ンティッシュの代わりに、ポリエステルベースのロトフ
ィルムを使用しても同様の効果が得られるものである。
ーボンティッシュの光硬化層3aを基板4、例えば銅板
に貼りつけ、温湯にて現像することにより未硬化部3d
を除去しベース紙3bを剥すことにより、基板4の表面
にエッチング用の光硬化膜を形成する。ここで、カーボ
ンティッシュの代わりに、ポリエステルベースのロトフ
ィルムを使用しても同様の効果が得られるものである。
【0026】図12は上記した第1エッチング工程を示
している。この工程では光硬化層3aの上から腐食液Q
を浸透させる。そしてこれにより、基板4に、光硬化層
3の厚み形状に対応したプロフィールの深さに、腐食液
Qを浸透させて、金属基板4の上層を腐食すると共にそ
の腐食部分を除去する。すなわち、腐食液Qは光硬化層
3の中を上から下に浸透していくわけであるが、その厚
みの厚い部分は浸透に時間がかかる一方その厚みが薄い
部分はその浸透時間が速いことになる。したがって、例
えば図示のように腐食された最深部の深さが一定の値、
例えば60〜70μ、に達したとき、このエッチング工
程を停止して腐食部分を洗浄すると、光硬化層3aの形
状とほぼ同一の形状が金属基板4に転写されることにな
る。すなわち光硬化層3aの周囲硬化部3eに対応して金
属基板4には周囲凸部4dが形成される。一方、光硬化
層3aの凸状硬化部3cと同形状の凸版部4cが形成され
ることになる。これを図13に示している。
している。この工程では光硬化層3aの上から腐食液Q
を浸透させる。そしてこれにより、基板4に、光硬化層
3の厚み形状に対応したプロフィールの深さに、腐食液
Qを浸透させて、金属基板4の上層を腐食すると共にそ
の腐食部分を除去する。すなわち、腐食液Qは光硬化層
3の中を上から下に浸透していくわけであるが、その厚
みの厚い部分は浸透に時間がかかる一方その厚みが薄い
部分はその浸透時間が速いことになる。したがって、例
えば図示のように腐食された最深部の深さが一定の値、
例えば60〜70μ、に達したとき、このエッチング工
程を停止して腐食部分を洗浄すると、光硬化層3aの形
状とほぼ同一の形状が金属基板4に転写されることにな
る。すなわち光硬化層3aの周囲硬化部3eに対応して金
属基板4には周囲凸部4dが形成される。一方、光硬化
層3aの凸状硬化部3cと同形状の凸版部4cが形成され
ることになる。これを図13に示している。
【0027】上記第1エッチング工程において形成され
た金属基板4は、次いで第2エッチング工程が行なわれ
る。この第2エッチング工程を図14に示している。こ
の工程においては、第2エッチングを開始する前に、周
囲凸部4dに囲まれかつ、凸版部4cの上部に位置する空
間4g内に、腐食液Qが浸透しない非浸透性詰物5、例
えばオフセットインキをハンドローラーにて基板表面に
全面に塗布してドクター刃にて余分のインキをかきとっ
た後に、サンドペーパー、砥石等でこすり平坦部のオフ
セットインキを完全に除去して凹部のみにこのオフセッ
トインキを充填する。このように詰物5を充填した後に
第2エッチングが開始される。そして、この工程におい
ては、金属基板4にその上方より腐食液Qを浸透させて
周囲凸部4dを腐食・除去して凸版部4cより十分低い平
坦部4hを形成する。この第2エッチングは、凸版部4c
が一定の高さ、例えば約100μ、になるまで行われ
る。このようにして形成された化粧板用賦形型を図15
に示している。上記した凸版部4cがいわゆる導管対応
凸状部4eとして転写形成されている。
た金属基板4は、次いで第2エッチング工程が行なわれ
る。この第2エッチング工程を図14に示している。こ
の工程においては、第2エッチングを開始する前に、周
囲凸部4dに囲まれかつ、凸版部4cの上部に位置する空
間4g内に、腐食液Qが浸透しない非浸透性詰物5、例
えばオフセットインキをハンドローラーにて基板表面に
全面に塗布してドクター刃にて余分のインキをかきとっ
た後に、サンドペーパー、砥石等でこすり平坦部のオフ
セットインキを完全に除去して凹部のみにこのオフセッ
トインキを充填する。このように詰物5を充填した後に
第2エッチングが開始される。そして、この工程におい
ては、金属基板4にその上方より腐食液Qを浸透させて
周囲凸部4dを腐食・除去して凸版部4cより十分低い平
坦部4hを形成する。この第2エッチングは、凸版部4c
が一定の高さ、例えば約100μ、になるまで行われ
る。このようにして形成された化粧板用賦形型を図15
に示している。上記した凸版部4cがいわゆる導管対応
凸状部4eとして転写形成されている。
【0028】このようにして形成された導管対応凸状部
4eは図3に図解した天然の導管の凹形状に近似してお
り、従ってこの賦形型によりプレス工程で化粧板にエン
ボス加工すれば天然導管に酷似した導管、すなわち深部
と浅部よりなる導管、を形成することが出来るのであ
る。
4eは図3に図解した天然の導管の凹形状に近似してお
り、従ってこの賦形型によりプレス工程で化粧板にエン
ボス加工すれば天然導管に酷似した導管、すなわち深部
と浅部よりなる導管、を形成することが出来るのであ
る。
【0029】ところで、図5の実施例に示した方法では
実際は都合の悪いことがある。すなわち、天然木材の無
数の導管の大きさは実際には不均一であるため、実質的
に全ての導管につき所望の濃淡分布曲線を得ることが困
難である。その理由を以下に説明する。
実際は都合の悪いことがある。すなわち、天然木材の無
数の導管の大きさは実際には不均一であるため、実質的
に全ての導管につき所望の濃淡分布曲線を得ることが困
難である。その理由を以下に説明する。
【0030】図16は、図5の露光方法において、大き
い導管1'と小さい導管1"に対応する濃淡分布曲線の表
れ方の違いを示している。図16は小さい導管1"に露
光量を合わせた場合の例を示す。すなわち、図16に示
されるように、小さい導管1”の濃淡分布曲線が所望の
形状になり、かつ、中心部の濃度も十分保証されている
場合には、大きい導管1’の濃淡分布曲線はその中心部
の濃度が十分保証されないのみならず、その形状も所望
のものにならない場合が生ずる。これは、露光量を小さ
い導管1"に合わせているため、その露光量は大きい導
管1'を露光するに十分ではなく、そのため、濃淡分布
曲線の中心部がほとんど露光されないためである。上と
は逆に、もし、露光量を大きい導管1'に合わせれば、
小さい導管1”が犠牲となり、つまり、露光量が多すぎ
るため、その濃淡分布曲線は所望の谷形形状を画かず平
滑化するという不具合がある。
い導管1'と小さい導管1"に対応する濃淡分布曲線の表
れ方の違いを示している。図16は小さい導管1"に露
光量を合わせた場合の例を示す。すなわち、図16に示
されるように、小さい導管1”の濃淡分布曲線が所望の
形状になり、かつ、中心部の濃度も十分保証されている
場合には、大きい導管1’の濃淡分布曲線はその中心部
の濃度が十分保証されないのみならず、その形状も所望
のものにならない場合が生ずる。これは、露光量を小さ
い導管1"に合わせているため、その露光量は大きい導
管1'を露光するに十分ではなく、そのため、濃淡分布
曲線の中心部がほとんど露光されないためである。上と
は逆に、もし、露光量を大きい導管1'に合わせれば、
小さい導管1”が犠牲となり、つまり、露光量が多すぎ
るため、その濃淡分布曲線は所望の谷形形状を画かず平
滑化するという不具合がある。
【0031】マスクフィルム2が図16の濃淡分布曲線
を持つ場合には、このマスクフィルムを使用して賦形型
を製造するときに以下のような不具合が生じる。
を持つ場合には、このマスクフィルムを使用して賦形型
を製造するときに以下のような不具合が生じる。
【0032】図17は図14に対応する図であるが、大
きい導管1'に対応する金属基板4の空間4gの深さt、
すなわち凸版部4'cの中心部の上方部分、が非常に浅く
なり、その結果、詰物5の中心部の厚みが極めて薄くな
る。そうすれば、図14に示した第2エッチング工程が
実施されれば、詰物5の中心部からの腐食液の浸透が多
くなり、その結果、図18に示したような導管対応凸状
部4'e,4"eが形成されることになる。すなわち、小さ
い導管1"に対応する凸状部4"eは問題ないが、大きい
導管1'に対応する凸状部4'eの頂部に窪み4iが表れる
のである。この窪み4iは詰物5の中心部を浸透した腐
食液の腐食によるものである。もちろん、この形状は好
ましくない。
きい導管1'に対応する金属基板4の空間4gの深さt、
すなわち凸版部4'cの中心部の上方部分、が非常に浅く
なり、その結果、詰物5の中心部の厚みが極めて薄くな
る。そうすれば、図14に示した第2エッチング工程が
実施されれば、詰物5の中心部からの腐食液の浸透が多
くなり、その結果、図18に示したような導管対応凸状
部4'e,4"eが形成されることになる。すなわち、小さ
い導管1"に対応する凸状部4"eは問題ないが、大きい
導管1'に対応する凸状部4'eの頂部に窪み4iが表れる
のである。この窪み4iは詰物5の中心部を浸透した腐
食液の腐食によるものである。もちろん、この形状は好
ましくない。
【0033】図19〜23に示した第4実施例は、上記
問題を解決することができる。上記問題は、露光量を小
さい導管1"に合わせたとき、大きい導管1'に対応する
濃淡分布曲線の中心部が極端に淡になることに起因す
る。したがって、この事態を回避すればよい。第4実施
例では、図5における第1フィルム10の導管陰影部1
0aが一定の小量光を透過する濃度に調整されたフィル
ム10'を用いる。このフィルム10'は図19の方法で
製作される。
問題を解決することができる。上記問題は、露光量を小
さい導管1"に合わせたとき、大きい導管1'に対応する
濃淡分布曲線の中心部が極端に淡になることに起因す
る。したがって、この事態を回避すればよい。第4実施
例では、図5における第1フィルム10の導管陰影部1
0aが一定の小量光を透過する濃度に調整されたフィル
ム10'を用いる。このフィルム10'は図19の方法で
製作される。
【0034】すなわち、図5で用いた第2フィルム11
の下にこれと密着して未使用のフィルム10'を重ね合
わせ、この状態で上方より露光する。露光されかつ現像
されたフィルム10'を図20に示している。この場
合、露光量を調整して、第2フィルム11の導管対応透
明部11aより透過する光によりフィルム10'が僅か露
光するようにする。したがって、フィルム10'の導管
陰影部10'aの濃度は低濃度であって、一定量の光の透
過を許容する。
の下にこれと密着して未使用のフィルム10'を重ね合
わせ、この状態で上方より露光する。露光されかつ現像
されたフィルム10'を図20に示している。この場
合、露光量を調整して、第2フィルム11の導管対応透
明部11aより透過する光によりフィルム10'が僅か露
光するようにする。したがって、フィルム10'の導管
陰影部10'aの濃度は低濃度であって、一定量の光の透
過を許容する。
【0035】ところで、マスクフィルムの導管陰影部の
濃度(写真濃度としての透過濃度)は、その周囲部が1.
8〜2.0、その中心部が0.6〜0.7程度になることが
好ましい。導管の幅寸法は、実際的には、大きいもので
0.8〜1.0mm、小さいもので0.3〜0.5mm程度
である。この導管寸法を考慮し、かつ、小さい導管を基
準とし、かつ、図21に示す露光工程においてフィルム
10'と11とを併用することを考慮したとき、フィル
ム10'の導管陰影部10'aの濃度は図5に示すマスク
フィルムの製造時の露光量との関係で、マスクフィルム
の導管陰影部の中心部濃度が0.6〜0.7となるように
0.3〜1.2の範囲の値に設定して、図19における露
光をするのがよい。
濃度(写真濃度としての透過濃度)は、その周囲部が1.
8〜2.0、その中心部が0.6〜0.7程度になることが
好ましい。導管の幅寸法は、実際的には、大きいもので
0.8〜1.0mm、小さいもので0.3〜0.5mm程度
である。この導管寸法を考慮し、かつ、小さい導管を基
準とし、かつ、図21に示す露光工程においてフィルム
10'と11とを併用することを考慮したとき、フィル
ム10'の導管陰影部10'aの濃度は図5に示すマスク
フィルムの製造時の露光量との関係で、マスクフィルム
の導管陰影部の中心部濃度が0.6〜0.7となるように
0.3〜1.2の範囲の値に設定して、図19における露
光をするのがよい。
【0036】さて、本実施例では、図21に示すよう
に、第1フィルム10'と第2フィルム11および第3
フィルム14'とを、図5の場合と同様に、重ね合わせ
て再び露光する。そうすれば、この場合には、第1フィ
ルム10'の導管陰影部10'aは一定量の光を透過させ
るので、第3フィルム14'に形成される濃淡分布曲線
は嵩上げされた状態となる。すなわち、導管陰影部1
0'aを透過する光により露光される陰影部2a-2と、光
の回折により露光される陰影部2a-1が重畳した濃淡分
布となる。この第3フィルム14'に形成される大きい
導管陰影部2'aと小さい導管陰影部2"aは図22 に示
すとおりとなる。つまり、大きい導管に対応する導管陰
影部2'aの中心部も十分露光されている。したがって、
この第3フィルム14'をマスクフィルムとして図10
〜14の処理を行えば、凸版部4'c,4"cを有する金属
基板4'を得ることができる。すなわち、大きい導管1'
に対応する凸版部4'cの上方の空間4gの深さtも十分確
保されているのである。したがって、この空間4gに詰
めた詰物5の中心部の厚みも十分保証されることにな
り、第2エッチング工程を実施したとしても、図18に
示したような不具合は生じない。
に、第1フィルム10'と第2フィルム11および第3
フィルム14'とを、図5の場合と同様に、重ね合わせ
て再び露光する。そうすれば、この場合には、第1フィ
ルム10'の導管陰影部10'aは一定量の光を透過させ
るので、第3フィルム14'に形成される濃淡分布曲線
は嵩上げされた状態となる。すなわち、導管陰影部1
0'aを透過する光により露光される陰影部2a-2と、光
の回折により露光される陰影部2a-1が重畳した濃淡分
布となる。この第3フィルム14'に形成される大きい
導管陰影部2'aと小さい導管陰影部2"aは図22 に示
すとおりとなる。つまり、大きい導管に対応する導管陰
影部2'aの中心部も十分露光されている。したがって、
この第3フィルム14'をマスクフィルムとして図10
〜14の処理を行えば、凸版部4'c,4"cを有する金属
基板4'を得ることができる。すなわち、大きい導管1'
に対応する凸版部4'cの上方の空間4gの深さtも十分確
保されているのである。したがって、この空間4gに詰
めた詰物5の中心部の厚みも十分保証されることにな
り、第2エッチング工程を実施したとしても、図18に
示したような不具合は生じない。
【図1】 導管模様を有する天然木材の表面を示す平面
図である。
図である。
【図2】 図1の天然木材の導管を模式的に示す図であ
る。
る。
【図3】 図1,2の天然導管の断面を示す説明図であ
る。
る。
【図4】 本発明にかかるマスクフィルムの側面図であ
る。
る。
【図5】 本発明の第1実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
の製造方法を示す図である。
【図6】 図5における第1フィルム10の製造方法を
示す図である。
示す図である。
【図7】 本発明の第2実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
の製造方法を示す図である。
【図8】 本発明の第3実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
の製造方法を示す図である。
【図9】 図8における第1フィルム13の製造方法を
示す図である。
示す図である。
【図10】 本発明にかかるマスクフィルムを使用して
賦形型を製造する製造方法における露光工程を示す断面
図である。
賦形型を製造する製造方法における露光工程を示す断面
図である。
【図11】 賦形型の製造方法において光硬化層と金属
基板とを積層した状態を示す断面図である。
基板とを積層した状態を示す断面図である。
【図12】 賦形型製造方法における第1エッチング工
程を示す図である。
程を示す図である。
【図13】 第1エッチング工程により作られた金属基
板を示す図である。
板を示す図である。
【図14】 賦形型製造方法における第2エッチング工
程を示す図である。
程を示す図である。
【図15】 図10〜14の製造工程により形成された
賦形型を示す断面図である。
賦形型を示す断面図である。
【図16】 図5の第1実施例によりマスクフィルムを
製作したときに生ずる大きい導管陰影部と小さい導管陰
影部の各濃淡分布曲線を示す図である。
製作したときに生ずる大きい導管陰影部と小さい導管陰
影部の各濃淡分布曲線を示す図である。
【図17】 図16のマスクフィルムを使用して製作し
た金属基板を示す図である。
た金属基板を示す図である。
【図18】 図17の金属基板から製作される賦形型を
示す図である。
示す図である。
【図19】 本発明の第4実施例にかかるマスクフィル
ムの製造方法において、第1フィルム10'をつくる方
法を示す図である。
ムの製造方法において、第1フィルム10'をつくる方
法を示す図である。
【図20】 第1フィルム10'の導管陰影部および濃
淡分布曲線を示す図である。
淡分布曲線を示す図である。
【図21】 本発明の第4実施例にかかるマスクフィル
ムの製造方法を示す図である。
ムの製造方法を示す図である。
【図22】 図21の方法で製造したマスクフィルムの
大きい導管および小さい導管に対応する各導管陰影部を
示す図である。
大きい導管および小さい導管に対応する各導管陰影部を
示す図である。
【図23】 図22のマスクフィルム14'を使用して
製作した金属基板を示す図である。
製作した金属基板を示す図である。
1 導管 1’ 大きい導
管 1” 小さい導管 1a 周辺浅部 1b 深部 2 マスクフ
ィルム 2a,2'a,2"a 導管陰影部 2b 濃淡分布
曲線 2c 地部 3 カーボン
ティッシュ 3a 光硬化層 3b ベース紙 3c 凸状硬化部 3d 未硬化部 3e 周囲硬化部 4,4' 金属
基板 4c,4'c,4"c 凸版部 4d 周囲凸部 4e,4'e,4"e 導管対応凸状部 4g 空間 4h 平坦部 4i 窪み 5 詰物 10,10' 第
1フィルム 10a,10'a 導管陰影部 10c,10'c
地部 11 第2フィルム 11a 導管対応
透明部 11c 地部 12 カメラ 13 第1フィルム 13a 導管対応
透明部 13c 地部 14,14' 第
3フィルム 15 ネガフィルム 15a 導管透明
部 15c 地部 L 光 Q 腐食液
管 1” 小さい導管 1a 周辺浅部 1b 深部 2 マスクフ
ィルム 2a,2'a,2"a 導管陰影部 2b 濃淡分布
曲線 2c 地部 3 カーボン
ティッシュ 3a 光硬化層 3b ベース紙 3c 凸状硬化部 3d 未硬化部 3e 周囲硬化部 4,4' 金属
基板 4c,4'c,4"c 凸版部 4d 周囲凸部 4e,4'e,4"e 導管対応凸状部 4g 空間 4h 平坦部 4i 窪み 5 詰物 10,10' 第
1フィルム 10a,10'a 導管陰影部 10c,10'c
地部 11 第2フィルム 11a 導管対応
透明部 11c 地部 12 カメラ 13 第1フィルム 13a 導管対応
透明部 13c 地部 14,14' 第
3フィルム 15 ネガフィルム 15a 導管透明
部 15c 地部 L 光 Q 腐食液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 広起 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 朴井 俊治 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 青田 良明 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00
Claims (6)
- 【請求項1】 天然導管(1)に対応する導管陰影部(1
0a,10'a)を上面に有しかつ導管陰影部(10a,10'
a)以外の地部(10c,10'c)がほぼ透明である第1製版
写真用フィルム(10,10')と、天然導管(1)に対応す
る導管透明部(11a)を有しかつ導管透明部(11a)以外
の地部(11c)下面が陰影部として形成された第2製版
写真用フィルム(11)と、未使用の第3製版写真用フィ
ルム(14)とを、導管陰影部(10a,10'a)と導管透明
部(11a)を対置させて、上下に互いに密着させて上方
より露光しかつ現像して第3製版写真用フィルム(14)
に導管陰影部(2a)を形成するマスクフィルム(2)の製
造方法にして、 上記露光時に、第1製版写真用フィルム(10,10')の
地部(10c,10'c)及び第2製版写真用フィルム(1
1)に入射した導管陰影部(10a,10'a)周辺の光(L)
が第1製版写真用フィルム(10,10')の導管陰影部
(10a,10'a)の下方中心方向に回折させることによ
り、第2製版写真用フィルム(11)の導管透明部(11
a)を光通過窓として第3製版写真用フィルム(14)に入
射する光の露光量を第3製版写真用フィルム(14)に形
成されるべき導管陰影部(2a)の少なくとも横断方向沿
いに周辺から中心方向に向かって漸減するように分布せ
しめ、現像後の第3製版写真用フィルム(14)の導管陰
影部(2a)の濃度を天然導管(1)の少なくとも横断方向
の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変
化するようにしたことを特徴とするマスクフィルム(2)
の製造方法。 - 【請求項2】 上記第1製版写真用フィルム(10,1
0')の導管陰影部(10a,10'a)の形状及び寸法が上記
第2製版写真用フィルム(11)の導管透明部(11a)の
形状及び寸法と実質的に同一である請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項3】 上記第1製版写真用フィルム(10,1
0')と上記第2製版写真用フィルム(11)は、上記導管
陰影部(10a,10'a)と上記導管透明部(11a)とが上
下方向に実質的に一致した状態で互いに密着される請求
項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 上記第1製版用フィルム(10')の導管
陰影部(10'a)は、一定の小量光を透過する濃度に調整
された請求項3記載の製造方法。 - 【請求項5】 上記第1製版写真用フィルム(10)と上
記第2製版写真用フィルム(11)は、第1製版写真用フ
ィルム(10)が第2製版写真用フィルム(11)に対して
上記導管陰影部(10a)の長手方向先細先端側の方向に
ずれた状態で互いに密着せしめられ、上記露光時の上記
第3製版写真用フィルム(14)に対する露光量が、第3
製版写真用フィルム(14)に形成されるべき上記導管陰
影部(2a)の基端部から先細先端部に向う方向にも漸減
するように、分布せしめ、現像後の第3製版写真用フィ
ルム(14)の導管陰影部(2a)の濃度を天然導管(1)の
横断方向及び長手方向の深度の浅い部分から深い部分に
対応して濃から淡に変化するようにした請求項2記載の
製造方法。 - 【請求項6】 上記第1製版写真用フィルム(10)の導
管陰影部(10a)と上記第2製版写真用フィルム(11)
の導管透明部(11a)は、互いに実質的に相似形である
一方前者が後者より一回り小さく寸法構成され、第1製
版写真用フィルム(10)と第2製版写真用フィルム(1
1)は、導管陰影部(10a)と導管透明部(11a)を実質
的に中心合せした状態で互いに密着せしめられ、上記露
光時の上記第3製版写真用フィルム(14)に対する露光
量が、第3製版写真用フィルム(14)に形成されるべき
導管陰影部(2a)の周辺から中心方向に向かって漸減す
るように分布し、かつ第3製版写真用フィルム(14)の
導管陰影部(2a)の周囲一定巾部分(W3)が実質的に最
大露光量となり、現像後の第3製版写真用フィルム(1
4)の導管陰影部(2a)の濃度が、その周囲一定巾部分
(W3)において最大であり、その周囲一定巾部分(W3)
から中心に向かって濃から淡に変化する請求項1記載の
製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3191993A JP3219331B2 (ja) | 1992-02-21 | 1993-02-22 | 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法 |
TW82109755A TW304989B (en) | 1991-12-27 | 1993-11-19 | Method of making a mask film used to produce a mold for shaping decorative sheets and decorative sheet shaping mold produced from the mask film |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3484692 | 1992-02-21 | ||
JP4-34846 | 1992-02-21 | ||
JP3191993A JP3219331B2 (ja) | 1992-02-21 | 1993-02-22 | 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05297560A JPH05297560A (ja) | 1993-11-12 |
JP3219331B2 true JP3219331B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=26370436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3191993A Expired - Fee Related JP3219331B2 (ja) | 1991-12-27 | 1993-02-22 | 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3219331B2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP3191993A patent/JP3219331B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH05297560A (ja) | 1993-11-12 |
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