JP3274887B2 - 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法 - Google Patents

化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板用賦形型の製造
に際して使用されるマスクフィルムに関し、詳しくは、
木材の木目が人工的に賦形されかつ紙や合成樹脂等の材
料よりなる化粧板のプレス工程において使用される賦形
型を製造する場合に、その製造工程における露光工程で
使用されるマスクフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木目模様を有する化粧板の場合、
木目を形成する導管の模様、すなわち凹状の無数の線模
様が一般に形成される。したがって、このような化粧板
を形成するための賦形型には木目(導管)に対応した無数
の凸状線模様が形成されることになる。従来、このよう
な賦形型を形成する方法として、図1に示したような天
然木板の木目(導管1)を単に写真フィルムに撮影し、こ
の写真フィルムを原版として、基板上に形成した感光性
樹脂膜に焼き付けを行い、その後ケミカルエッチング手
法を用いて導管に対応する部分を凸部として形成する方
法が知られている。
【0003】従来の製造方法は、このように、目的とす
る木目等の模様に対応して凹凸模様を形成するものであ
るが、従来方法によっては、天然木目のごとき階調のあ
る化粧板を作るための賦形型は実現不可能であった。
【0004】このような天然木目のごとき階調のある化
粧板を作るための賦形型は、化粧板に天然の導管とほぼ
同一の凹凸模様を賦形することがもっとも良い解決方法
であることは言うまでもない。すなわち、天然木板の導
管は図2,3に示されるように、浅い部分と深い部分と
を有しており、このような形状に対応した凸型を賦形型
に形成する必要があるのである。
【0005】図2,3について説明すれば、図2は天然
木板を示し、その木板表面に模式的に示した三角状の導
管1が無数に表れている。図においてA−B,C−Dは
各線分を含む平面で切断することを示している。この断
面状態を図3に示している。導管1は樹体内の水分の通
路の働きをなすものであり、長いパイプ状のものであ
る。そして、切断された木板の表面には図2に示したよ
うな導管切断端部が表れるのである。図3(1)では、切
断線A−Bにおいては導管1が斜め方向に切断されてい
る状態が明らかである。また、(II)および(III)に
示すように、断面C−Dにおいては導管1の上部あるい
は上半分程度が切断された状態が示されている。このよ
うに、導管そのものは本来パイプ状のものであるため、
木板表面に表われる導管1の切断部は周辺浅部1aとそ
の中心側の深部1bとで形成されているのである。そし
てその深さは徐々に変化しているのである。すなわち、
導管1の横断方向においては、(II),(III)に示さ
れるように、周辺から中心に向って徐々に深くなり、ま
た導管1の長手方向においては、(I)に示されるよう
に、基端部から先細先端部に向って徐々に浅くなる。
【0006】従来の賦形型製造方法において使用される
原版としての写真フィルムにはこのような導管の深さに
対応した階調は到底得られず、導管部全体がフィルムに
同一階調の陰影部として撮影されるため、そのマスクフ
ィルムを使用して製造した賦形型の導管対応凸部は単調
な凸形状であって、深い浅いの形状を有する天然木板の
導管の形状に正確には対応していなかったのである。
【0007】そこで、本件出願人は、天然木目のごとき
階調のある化粧板を製作できる賦形型の製造方法、すな
わち、深い部分と浅い部分とで形成される天然導管にほ
ぼ正確に対応する又は類似する凸版部を有する賦形型を
製造する方法を提案すると共に、その方法における露光
工程において使用されるマスクフィルムを提案している
(特願平3−346160号、未公開)。
【0008】このマスクフィルム2の一例を図4に示し
ている。図に示すように、このマスクフィルム2は、前
記した天然導管1の少なくとも横断方向における深度の
浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変化する導
管陰影部2aを有し、かつ、導管陰影部2a以外の地部
(背景部)2cがほぼ透明に形成されている。図4(I)は
導管陰影部2aの濃淡を視覚的に示したものである。す
なわちこの導管陰影部2aの両側の濃度が高くその中心
部に向かうにしたがって濃度が低くなっている。実際こ
のマスクフィルム2をミクロ的にみれば、ベースフィル
ムの片面に感光層が塗布されており、この感光層が露光
・現像されて濃淡を呈している。図4(II)において
は、マスクフィルム2の導管陰影部2aを濃淡分布曲線
2bで示している。すなわち、天然導管1の周辺浅部1a
に対応する部分(1a)の濃度が濃く、一方天然導管1の
深部1bを有する中央部分(1b)は薄くなっている。
【0009】ところで、このようなマスクフィルム2の
製造方法については、前記した特願平3−346160
号においては、導管の深部1bから周辺浅部1aに向かっ
て濃度を次第に濃くした手書き原稿をフィルムに撮影す
ることにより作る原始的方法が開示されている。しかし
ながら、手書き原稿を正確に描くことは非常に手間のい
ることであるので、この方法は製造方法としては決して
効率のよいものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決しようとする技術的課題は、天然木板自体をを写真
被写体として利用し写真技術を用いて効率的にこの種の
マスクフィルムを製造することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するための本発明にかかるマスクフィルムの
製造方法はつぎの如しである。
【0012】すなわち、十分明度の低い導管の模様を表
面に有する天然木板の該表面に、白色顔料を含む溶液を
均等噴霧することにより、地部を白色着色する一方、各
導管の内面を、その深度の浅い部分から深い部分に対応
して、顔料付着量を多から少に変化させて、顔料による
白色化度を漸減させる白色顔料噴霧工程と、白色顔料噴
霧工程終了後の天然木板の表面を被写体として第1軟調
フィルムに写真撮影・現像をして、地部に対応する陰影
地部と、各導管に対応する各導管陰影部とを有し、かつ
各導管陰影部の濃度が、導管の深度の浅い部分から深い
部分に対応した白色化度の漸減に応じて漸減する第1フ
ィルムを作成する第1フィルム作成工程と、第1フィル
ムの下に第2軟調フィルムを密着させて上方より露光
し、第1フィルムの陰影濃度が反転した反転導管陰影部
と透明地部とを有する第2フィルムを作成する第2フィ
ルム作成工程と、白色顔料噴霧工程終了後の天然木板の
表面を被写体として硬調フィルムに写真撮影・現像をし
て、地部に対応する陰影地部と、各導管に対応する各導
管対応透明部とを有する第3フィルムを作成する第3フ
ィルム作成工程と、第2,第3フィルムと軟調フィルム
としての第4フィルムを、その反転導管陰影部と導管対
応透明部を一致させた状態で、互いに密着させて露光
し、第1フィルムと同一階調を有する導管陰影部と透明
地部を有する第4フィルム、すなわちマスクフィルムを
作成する第4フィルム作成工程を含むことを特徴とす
る。
【0013】上記方法においては、第1フィルムを作成
するための写真撮影は単純に天然木板を原版として撮影
するのではなく、その撮影に先立ち天然木板に前処理を
施している。すなわち、天然木板の表面に白色顔料を噴
霧する処理を行なっている。本発明方法において、この
白色顔料噴霧工程はとりわけ重要である。すなわち天然
木板の表面に白色顔料を含む溶液を均等噴霧すると、非
常に都合の良いことには、地部には均等に白色顔料が塗
布される一方、導管の部分については、浅いところは白
色顔料が多目に塗布される一方深いところは少な目に塗
布される。すなわち導管内面の白色顔料塗布量は徐々に
変化して濃度勾配が与えられるのである。つまり、各導
管の最も深いところは天然導管の暗黒色そのものまたは
それに近い暗黒色を呈し、地部に近づくにしたがってそ
の濃度が徐々に低くなるのである。したがって、この白
色顔料噴霧工程を経た天然木板を用いて第1フィルム、
第2フィルムおよび第4フィルムを前記の工程で作成す
れば、これらのフィルムは上記導管の濃度勾配を反映し
た導管陰影部またはこれに反転対応した導管陰影部を得
ることができるのである。したがって、第4フィルムを
使用して賦形型を製作すれば、天然導管にほぼ正確に対
応する凸版部を有する賦形型を製造することができるの
である。
【0014】上記製造方法においては、第3フィルムを
作成し、第2フィルムと協働して第4フィルムを作成す
るようにしている。この第3フィルムを使用することに
より、第4フィルムすなわちマスクフィルムにはその地
部すなわち導管陰影部の周囲の地部は完全な透明地部と
することができる。
【0015】上記製造方法は、天然木板をマスクフィル
ム製作のための原板としているので、当然のことなが
ら、地部と無数の導管との配列関係及び形状に関しては
天然配列天然形状そのものが正確に得られる。また、本
発明方法においては、白色顔料溶液の噴霧工程と、写真
技術を利用した数回の写真撮影・現像の技術により製作
することができるので、この種のマスクフィルムを非常
に効率的に製造することができるのである。
【0016】上記製造方法において、原版としての天然
木板が、その地部が白く、一方各導管の明度が地部に対
して十分低い場合には、白色顔料噴霧工程において、各
導管の内面に明確なな濃度勾配を付与することができ、
この場合は特に問題は生じない。しかしながら、一般
に、そのような理想的な天然木板が得難いのが現実であ
る。したがって、このような場合には、上記白色顔料噴
霧工程の前工程として、上記天然木板の表面全体を暗色
に着色する着色工程を設けることが好ましい。これによ
り、各導管は確実に均一な暗色に着色される。したがっ
て、この着色工程を経た天然木板の表面に上記白色顔料
噴霧を行なえば、天然木板の地部には均等な濃度の顔料
が塗布される一方、各導管は、その変化する深度に応じ
た顔料による濃度勾配が確実に得られる。
【0017】上記方法においては、白色顔料噴霧工程に
おける白色顔料塗布量は多すぎてはいけない。すなわ
ち、各導管の内面に濃度勾配が生ずる程度の塗布量とし
ておく必要がある。したがって、当然のことながら、天
然木板の地部に存在する傷や意匠上好ましくない木目等
は白色顔料によって十分消されないことが生ずる。すな
わち、白色顔料により十分隠蔽されないという事態が生
ずる。このような、天然木板の傷等は当然のことながら
第1フィルム、この第1フィルムをベースとして作成し
た第2フィルムにも悪影響を与える。上記第3フィルム
は、第4フィルム作成工程において、第2フィルムの地
部に生ずる上記傷等の影響を除去する目的を有するもの
であるので、第3フィルムの作成においては、天然木板
の表面をさらに白色顔料により白色化する必要がある。
したがって、上記第3フィルム作成工程における撮影被
写体としての天然木板の表面には、さらに2回目の白色
顔料噴霧を行ない、天然木板の地部の顔料による白色化
度を増大せしめることが好ましい。この場合、当然のこ
とながら、導管の内面の白色化度も進行するが、第3フ
ィルムは導管内面の濃度勾配を得ることが目的ではない
ので支障ない。
【0018】
【実施例】以下に、図5〜12にしたがって、本発明に
かかるマスクフィルムの製造方法を詳細に説明する。
【0019】図5(I),(II)は天然木板Eの表面を暗
色に着色する着色工程を示している。(I)は図3(I)に
対応する天然木板の断面状態を示し、(II)は図3(I
I),(III)に対応する断面を示している。なお図6,
図9における図(I),(II)もこれと同様の図である。
また、図7,8,10,における図(I),(II)も同様の図
法を用いている。
【0020】図5において、Rは暗色染料液を示してい
る。この暗色染料液Rを天然木板Eの表面全体に均一に
塗布すれば、染料はその表面に浸透して、その結果その
表面は全体的に均一な暗着色表面1dが形成され、各天
然導管1も均一な暗色に着色されることになる。この暗
着色表面1dを図中格子模様で示している。なお、図中
1は前記した導管であり、1cは傷や意匠上好ましくな
い木目を示している。
【0021】上記着色工程が終了し、かつその天然木板
の表面の染料が乾燥した後に、白色顔料噴霧が行なわれ
る。この工程を図6に示している。図6においてSは白
色顔料溶液であって、粉末状の白色顔料とバインダーと
を溶剤に溶かしたものである。
【0022】暗色染料液Rは、図示しない噴霧装置によ
り、かつ天然木板Eの表面より所定距離離れたノズルか
らこの表面全体にほぼ均一に白色顔料が噴霧される。そ
うすると、図6に示すように、地部E1上には均一な一
定厚みの白色顔料層10が形成される一方、導管1の内
面には、浅い部分から深い部分に行くにしたがってその
白色顔料層10の厚みが徐々に少なくなる。つまり、導
管1の内面においては、白色顔料による白色化の度合が
浅い部分から深い部分に行くにしたがって漸減するので
ある。したがって、導管の最も深い部分は、顔料の塗布
が極めて少なく、その色は図5の着色工程において着色
した暗色染料の色に近い色を呈している。そして、浅い
部分から地部E1に至るにしたがって白色の度合が徐々
に大きくなるのである。なお、図6(II)に示すよう
に、傷や木目1cの部分についても、白色顔料層10の
厚みは地部E1の厚みと異なっている。
【0023】つぎに、白色顔料噴霧工程を得た天然木板
を原版として第1の撮影が行なわれる。この第1撮影工
程及び後工程をしての現像により作成した第1フィルム
11を図7に示している。
【0024】このフィルム11はいわゆるネガフィルム
である。なお以下に述べるすべてのフィルム12,13,
14はすべて白黒撮影に使用されるネガタイプのフィル
ムである。
【0025】図中濃度分布曲線2bに示すように、地部
11cは天然木板Eの地部E1に対応していて均一な陰影
地部を形成している。一方、天然木板の各導管1に対応
する導管陰影部11aは、被写体としての導管の濃度勾
配に対応(逆反応)した濃淡分布曲線2bを有している。
すなわち、導管1の浅い部分に対応する部分の濃度が濃
く、導管1の深い部分に対応する濃度が低くなってい
る。なお、この第1フィルム製作工程において使用れる
フィルム11は階調の出やすいいわゆる軟調フィルムを
使用している。
【0026】次に、図8に示した第2フィルム作成工程
において、第1フィルム11の陰影濃度を反転した第2
フィルム12を作成する。これは、未使用の第2フィル
ムの上に第1フィルムを密着させて上から露光しかつ現
像することによって得られる。図8は陰影濃度が反転し
た状態を示している。すなわち、地部12cは透明地部
になっており、導管陰影部12aの濃淡分布曲線は図7
のものと反転している。
【0027】なお、図7,8において、11b,12bはそ
れぞれ天然導管の傷や木目1cに対応して形成された陰
影を示している。
【0028】さて、第2フィルム12と対で使用される
第3フィルム13、すなわちバックマスク、を作成する
ために、図9に示すように、2回目の白色顔料噴霧が天
然木板に対して行なわれる。図5に示した第1回目の白
色顔料噴霧工程においては、第1フィルムを作成すると
いう目的のために着色工程において着色した暗色を十分
に消すことはできないので、地部E1には前記したよう
に傷や木目1cが十分消去されずに残っている。したが
って、この2回目の白色顔料噴霧工程においては、これ
らの傷や木目1cをほぼ消滅させるべく白色顔料層10
の上に第2白色顔料層10aを形成している。この工程
により、特に地部E1は十分着色度合が増大する。一
方、導管1の内面の白色顔料層の厚みも増加する。しか
しながら、第3フィルムは、導管1の深度に対応した階
調を得ることを目的とするのではなく、導管1の部分と
地部E1の部分とを白黒に区別したコントラストの強い
陰影を得るためのものであるので、支障はない。この第
2回目の白色顔料噴霧工程を経た天然木板を写真撮影す
るに当たっては、図9(II)に示したように、光Lを天
然木板Eの表面に対して斜め方向から照射して撮影を行
なう。この撮影方法自体は公知の写真技術である。この
ような方法で撮影すれば地部1cは白く光る一方、導管
1の部分は影となり、図10(I),(II)に示したコン
トラストの強い第3フィルムが得られる。
【0029】なお、この撮影工程で用いられるフィルム
はいわゆる硬調フィルムすなわちリソフィルムである。
【0030】図10に示すように、上記撮影方法により
撮影されたリソフィルムとしての第3フィルム13を現
像すれば、天然木板の地部E1に対応する地部13cは均
一濃度の陰影部となり、一方導管1に対応する部分13
aはほぼ完全な導管対応陰影部となる。
【0031】次に、図11,12に示すように、それぞ
れ現像済みの第2フィルム12と第3フィルム13を用
いて第4フィルム14すなわち目的とするマスクフィル
ム2を形成する。なお、図11は図3(I)に対応するフ
ィルム断面であり、図12は図3(II),(III)の断
面に対応している。図11,12に示すように、第2フ
ィルム12と、第3フィルム13と未使用の軟調フィル
ムとしての第4フィルム14とを上下方向に密着せしめ
て露光を行なう。この場合、第2フィルム12の反転導
管陰影部12aと導管対応透明部13aを一致させてお
く。そうすれば、図11(II),図12(II)に示すよ
うに、第4フィルム14、したがってマスクフィルム2
は、その地部2cは透明地部となる一方、導管陰影部は
第1フィルム11の導管陰影部11aと同様の濃淡分布
曲線12bを有する導管陰影部2aを得ることができる。
このようにして目的とする図4に示したマスクフィルム
2を得ることができるのである。
【0032】つぎに、このようにして製造されたマスク
フィルム2を用いて賦形型を製造する方法の一例及びそ
の方法より得られる賦形型について図13〜17にした
がって説明する。
【0033】この賦形型製造方法においては、まず始め
に上記マスクフィルム2を用いた露光工程が行なわれ
る。この露光工程を図13に示している。図13に示さ
れるように、マスクフィルム2を通して光硬化層3aに
光Lを露光して、地部2cに対応する部分を十分光硬化
させて周囲硬化部3eを形成すると共に、導管陰影部2a
に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの深
さで光硬化させて周囲硬化部3eに囲まれた凸状硬化部
3cを形成する。図示の実施例においては、カーボンテ
ィッシュ3が使用されている。このカーボンティッシュ
3自体は公知のものであって、光硬化層3aとベース紙
3bより形成されている。図13に光Lの光線を矢印で
示している。これより明らかなように、マスクフィルム
2の地部2cはほぼ透明であるから光Lは光硬化層3aに
対して十分深く浸透する一方、マスクフィルム2の導管
陰影部2aの部分については、その濃淡に応じた量だけ
光Lが達する。すなわち導管陰影部2aの周囲部分は濃
い陰影となっているため光Lの透過深さが小さく、一方
導管陰影部2aの中心部分は濃度が薄くなっているので
周辺部分より深く光が達している。したがって、凸状硬
化部3cは天然導管1に対応する断面形状を呈してい
る。なお、図において3dは光Lが達していない部分す
なわち未硬化部を示している。
【0034】次いで、図14に示すように、露光済のカ
ーボンティッシュの光硬化層3aを基板4、例えば銅板
に貼りつけ、温湯にて現像することにより未硬化部3d
を除去しベース紙3bを剥すことにより、基板4の表面
にエッチング用の光硬化膜を形成する。
【0035】図15は上記した第1エッチング工程を示
している。この工程では光硬化層3aの上から腐食液Q
を浸透させる。そしてこれにより、基板4に、光硬化層
3の厚み形状に対応したプロフィールの深さに、腐食液
Qを浸透させて、金属基板4の上層を腐食すると共にそ
の腐食部分を除去する。すなわち、腐食液Qは光硬化層
3の中を上から下に浸透していくわけであるが、その厚
みの厚い部分は浸透に時間がかかる一方その厚みが薄い
部分はその浸透時間が速いことになる。したがって、例
えば図示のように腐食された最深部の深さが一定の値、
例えば60〜70μ、に達したとき、このエッチング工
程を停止して腐食部分を洗浄すると、光硬化層3aの形
状とほぼ同一の形状が金属基板4に転写されることにな
る。すなわち光硬化層3aの周囲硬化部3eに対応して金
属基板4には周囲凸部4dが形成される。一方、光硬化
層3aの凸状硬化部3cと同形状の凸版部4cが形成され
ることになる。
【0036】上記第1エッチング工程において形成され
た金属基板4は、次いで第2エッチング工程が行なわれ
る。この第2エッチング工程を図17に示している。こ
の工程においては、第2エッチングを開始する前に、周
囲凸部4dに囲まれかつ、凸版部4cの上部に位置する空
間4g内に、腐食液Qが浸透しない非浸透性詰物5、例
えばオフセットインキをハンドローラーにて基板表面に
全面に塗布してドクター刃にて余分のインキをかきとっ
た後に、サンドペーパー、砥石等でこすり平坦部のオフ
セットインキを完全に除去して凹部のみにこのオフセッ
トインキを充填する。このように詰物5を充填した後に
第2エッチングが開始される。そして、この工程におい
ては、金属基板4にその上方より腐食液Qを浸透させて
周囲凸部4dを腐食・除去して凸版部4cより十分低い平
坦部4hを形成する。この第2エッチングは、凸版部4c
が一定の高さ、例えば約100μ、になるまで行われ
る。このようにして形成された化粧板用賦形型を図14
に示している。上記した凸版部4cがいわゆる導管対応
凸状部4eとして転写形成されている。
【0037】このようにして形成された導管対応凸状部
4eは図3に図解した天然の導管の凹形状に近似してお
り、従っての賦形型によりプレス工程で化粧板にエンボ
ス加工すれば天然導管に酷似した導管、すなわち深部と
浅部よりなる導管、を形成することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 導管模様を有する天然木板の表面を示す平面
図である。
【図2】 図1の天然木板の導管を模式的に示す図であ
る。
【図3】 図1,2の天然導管の断面を示す説明図であ
る。
【図4】 本発明にかかるマスクフィルムの側面図であ
る。
【図5】 本発明の実施例にかかるマスクフィルムの製
造方法における着色工程を示す図である。
【図6】 マスクフィルムの製造方法における白色顔料
噴霧工程を示す図である。
【図7】 マスクフィルムの製造方法における第1フィ
ルムを示す図である。
【図8】 マスクフィルムの製造方法における第2フィ
ルムを示す図である。
【図9】 マスクフィルムの製造方法における2回目白
色顔料噴霧工程を示す図である。
【図10】 マスクフィルムの製造方法における第3フ
ィルムを示す図である。
【図11】 マスクフィルムの製造方法における第4フ
ィルム、すなわちマスクフィルムの作成工程を示す、導
管長手方向沿いのフィルム断面の図である。
【図12】 マスクフィルムの製造方法における第4フ
ィルム、すなわちマスクフィルムの作成工程を示す、導
管横断方向沿いのフィルムの図である。
【図13】 本発明にかかるマスクフィルムを使用し
て賦形型を製造する製造方法における露光工程を示す断
面図である。
【図14】 賦形型の製造方法において光硬化層と金属
基板とを積層した状態を示す断面図である。
【図15】 賦形型製造方法における第1エッチング工
程を示す図である。
【図16】 賦形型製造方法における第2エッチング工
程を示す図である。
【図17】 図13〜16の製造工程により形成された
賦形型を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導管 1a 周辺浅部 1b 深部 1c 傷や木目 1d 暗着色表面 2 マスクフィ
ルム 2a 導管陰影部 2b 濃淡分布曲
線 2c 地部 3 カーボンテ
ィッシュ 3a 光硬化層 3b ベース紙 3c 凸状硬化部 3d 未硬化部 3e 周囲硬化部 4 金属基板 4c 凸版部 4d 周囲凸部 4e 導管対応凸状部 4g 空間 4h 平坦部 5 詰物 10 白色顔料層 10a 第2白色顔
料層 11 第1フィルム 11a 導管陰影部 11b 傷対応陰影 11c 陰影地部 12 第2フィルム 12a 反転導管陰
影部 12b 反転傷対応陰影 12c 透明地部 13 第3フィルム 13a 導管対応透
明部 13c 陰影地部 14 第4フィル
ム E 天然木板 E1 地部 L 光 Q 腐食液 R 暗色染料液 S 白色顔料溶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 広起 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 朴井 俊治 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 青田 良明 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 十分明度の低い導管(1)の模様を表面に
    有する天然木板(E)の該表面に、白色顔料を含む溶液を
    均等噴霧することにより、地部(E1)を白色着色する一
    方、各導管(1)の内面を、その深度の浅い部分から深い
    部分に対応して、顔料付着量を多から少に変化させて、
    顔料による白色化度を漸減させる白色顔料噴霧工程と、 白色顔料噴霧工程終了後の天然木板(E)の表面を被写体
    として第1軟調フィルムに写真撮影・現像をして、地部
    (E1)に対応する陰影地部(11c)と、各導管(1)に対応
    する各導管陰影部(11a)とを有し、かつ各導管陰影部
    (11a)の濃度が、導管(1)の深度の浅い部分から深い
    部分に対応した白色化度の漸減に応じて漸減する第1フ
    ィルム(11)を作成する第1フィルム作成工程と、 第1フィルム(11)の下に第2軟調フィルム(12)を密
    着させて上方より露光し、第1フィルム(11)の陰影濃
    度が反転した反転導管陰影部(12a)と透明地部(12c)
    とを有する第2フィルム(12)を作成する第2フィルム
    作成工程と、 白色顔料噴霧工程終了後の天然木板(E)の表面を被写体
    として硬調フィルムに写真撮影・現像をして、地部
    (E1)に対応する陰影地部(13c)と、各導管(1)に対応
    する各導管対応透明部(13a)とを有する第3フィルム
    (13)を作成する第3フィルム作成工程と、 第2,第3フィルム(12,13)と軟調フィルムとしての
    第4フィルム(14)を、その反転導管陰影部(12a)と
    導管対応透明部(13a)を一致させた状態で、互いに密
    着させて露光し、第1フィルム(11)と同一階調を有す
    る導管陰影部(2a)と透明地部(2c)を有する第4フィル
    ム(14)、すなわちマスクフィルム(2)、を作成する第
    4フィルム作成工程を含むことを特徴とするマスクフィ
    ルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記白色顔料噴霧工程の前工程として、
    上記天然木板(E)の表面全体を暗色に着色する着色工程
    を含むことを特徴とする請求項1記載のマスクフィルム
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第3フィルム作成工程における撮影
    被写体としての天然木板(E)の表面には、さらに、2回
    目の白色顔料噴霧をなし、地部(E1)の顔料による白色
    化度を増大することを特徴とする請求項1記載のマスク
    フィルムの製造方法。
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