JP3380016B2 - 化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法および該マスクフィルムを用いて製造した化粧板用賦形型 - Google Patents

化粧板用賦形型の製造に使用するマスクフィルムの製造方法および該マスクフィルムを用いて製造した化粧板用賦形型

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JP3380016B2
JP3380016B2 JP28374493A JP28374493A JP3380016B2 JP 3380016 B2 JP3380016 B2 JP 3380016B2 JP 28374493 A JP28374493 A JP 28374493A JP 28374493 A JP28374493 A JP 28374493A JP 3380016 B2 JP3380016 B2 JP 3380016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板用賦形型の製造
に際して使用されるマスクフィルムに関し、詳しくは、
木材の木目が人工的に賦形されかつ紙や合成樹脂等の材
料よりなる化粧板のプレス工程において使用される賦形
型を製造する場合に、その製造工程における露光工程で
使用されるマスクフィルムに関する。また、本発明は上
記マスクフィルムを用いて製造した化粧板用賦形型に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、木目模様を有する化粧板の場合、
木目を形成する導管の模様、すなわち凹状の無数の線模
様が一般に形成される。したがって、このような化粧板
を形成するための賦形型には木目(導管)に対応した無数
の凸状線模様が形成されることになる。従来、このよう
な賦形型を形成する方法として、図1に示したような天
然の木材の木目(導管1)を写真フィルムに撮影し、この
写真フィルムを原版として、基板上に形成した感光性樹
脂膜に焼き付けを行い、その後ケミカルエッチング手法
を用いて導管に対応する部分を凸部として形成する方法
が知られている。
【0003】従来の製造方法は、このように、目的とす
る木目等の模様に対応して凹凸模様を形成するものであ
るが、従来方法によっては、写真階調のごとき階調のあ
る化粧板を作るための賦形型は実現不可能であった。
【0004】このような写真階調のごとき階調のある化
粧板を作るための賦形型は、化粧板に天然の導管とほぼ
同一の凹凸模様を賦形することがもっとも良い解決方法
であることは言うまでもない。すなわち、天然木材の導
管は図2,3に示されるように、浅い部分と深い部分と
を有しており、このような形状に対応した凸型を賦形型
に形成する必要があるのである。
【0005】図2,3について説明すれば、図2は天然
木材を示し、その木材表面に模式的に示した三角状の導
管1が無数に表れている。図においてA−B,C−Dは
各線分を含む平面で切断することを示している。この断
面状態を図3に示している。導管は樹体内の水分の通路
の働きをなすものであり、長いパイプ状のものである。
そして、切断された木材の表面には図2に示したような
導管切断端部が表れるのである。図3(1)では切断線A
−Bにおいては導管1が斜め方向に切断されている状態
が明らかである。また、(II)および(III)に示すよ
うに、断面C−Dにおいては導管1の上部あるいは上半
分程度が切断された状態が示されている。このように、
導管そのものは本来パイプ状のものであるため、木材表
面に表われる導管の切断部は周辺浅部1aとその中心側
の深部1bとで形成されているのである。そしてその深
さは徐々に変化しているのである。すなわち、導管1の
横断方向においては、(II),(III)に示されるよう
に、周辺から中心に向って徐々に深くなり、また導管1
の長手方向においては、(I)に示されるように、基端部
から先細先端部に向って徐々に浅くなる。
【0006】従来の賦形型製造方法において使用される
原版としての写真フィルムにはこのような導管の深さに
対応した階調は到底得られず、導管部全体がフィルムに
同一階調の陰影部として撮影されるため(ポジフィルム
の場合)、そのマスクフィルムを使用して製造した賦形
型の導管対応凸部は単調な凸形状であって、深い浅いの
形状を有する天然木材の導管の形状に正確には対応して
いなかったのである。
【0007】そこで、本件出願人は、写真階調のごとき
階調のある化粧板を製作できる賦形型の製造方法、すな
わち、深い部分と浅い部分とで形成される天然導管にほ
ぼ正確に対応する又は類似する凸版部を有する賦形型を
製造する方法を提案すると共に、その方法における露光
工程において使用されるマスクフィルムを提案している
(特願平3−346160号)。
【0008】このマスクフィルム2の一例を図4に示し
ている。図に示すように、このマスクフィルム2は、前
記した天然導管1の少なくとも横断方向における深度の
浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変化する導
管陰影部2aを有し、かつ、導管陰影部2a以外の地部2
cがほぼ透明に形成されている。図4(I)は導管陰影部
2aの濃淡を視覚的に示したものである。すなわちこの
導管陰影部2aの両側の濃度が高くその中心部に向かう
にしたがって濃度が低くなっている。実際このマスクフ
ィルム2をミクロ的にみれば、ベースフィルムの片面に
感光層が塗布されており、この感光層が露光・現像され
て濃淡を呈している。図4(II)においては、マスクフ
ィルム2の導管陰影部2aを濃淡分布曲線2bで示してい
る。すなわち、天然導管1周辺浅部1aに対応する部分
(1a)の濃度が濃く、一方天然導管1の深部1bを有する
中央部分(1b)は薄くなっている。
【0009】ところで、このようなマスクフィルム2の
製造方法については、前記した特願平3−346160
号においては、導管の深部1bから周辺浅部1aに向かっ
て濃度を次第に濃くした手書き原稿をホジフィルムに撮
影することにより作る原始的方法が開示されている。し
かしながら、この方法は手書き原稿を正確に描くことは
非常に手間のいることであり、製造方法としては決して
効率のよいものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決しようとする技術的課題は、天然木材自体を写真被
写体として利用し写真技術を用いて効率的にこの種のマ
スクフィルムを製造することにある。また、さらなる技
術的課題は、天然木目模様に近似した化粧シートを得ら
れる賦形型を上記マスクフィルムを用いて製造すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するために、本発明によれば以下の構成のマ
スクフィルム製造方法が提供される。すなわち、この製
造方法は、天然導管に対応する導管陰影部を有しかつ導
管陰影部以外の地部がほぼ透明である第1製版写真用フ
ィルムと、乱反射フィルムと、天然導管に対応する導管
透明部を有しかつ導管透明部以外の地部下面が陰影部と
して形成された第2製版写真用フィルムと、未使用の第
3製版写真用フィルムとを、導管陰影部と導管透明部を
対置させて、上下に互いに密着させて上方より露光しか
つ現像して第3製版写真用フィルムに導管陰影部を形成
するマスクフィルムの製造方法にして、上記露光時に、
第1製版写真用フィルムの地部、乱反射フィルム 及び
第2製版写真用フィルムに入射した導管陰影部周辺の光
が乱反射フィルムの乱反射作用により第1製版写真用フ
ィルムの導管陰影部の下方中心方向に拡散されて、第2
製版写真用フィルムの導管透明部を光通過窓として第3
製版写真用フィルムに入射する光の露光量を第3製版写
真用フィルムに形成されるべき導管陰影部の少なくとも
横断方向沿いに周辺から中心方向に向かって漸減するよ
うに分布せしめ、現像後の第3製版写真用フィルムの導
管陰影部の濃度を天然導管の少なくとも横断方向の深度
の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変化する
ようにしたことを特徴としている。また、本発明にかか
る化粧板用賦形型は、上記発明方法で得られたマスクフ
ィルム、すなわち第1マスクフィルム、を通してカーボ
ンティッシュの光硬化層に露光して、地部に対応する部
分を十分光硬化させて周囲硬化部を形成すると共に、導
管陰影部に対応する部分をその濃度に対応したプロフィ
ールの深さで光硬化させて周囲硬化部に囲まれた凸状硬
化部を形成する露光工程と、露光済の光硬化層を金属基
板に貼合せて温湯にて光硬化層の凸状硬化部に隣接する
未硬化部を除去する現像工程と、次いで、光硬化層の上
から腐食液を浸透させるとともに、その下方の金属基板
に光硬化層の厚み形状に対応したプロフィールの深さに
腐食液を浸透させて金属基板の上層を腐食・除去するこ
とにより、光硬化層の凹凸形状に対応する凹凸形状を転
写して、光硬化層の周囲硬化部に対応する周囲凸部と該
周囲凸部に囲まれる凸版部とを形成する第1エッチング
工程と、次いで、第1エッチング工程で作られた金属基
板の周囲凸部に囲まれかつ凸版部上部に位置する空間に
非浸透性詰物を充填した上で、金属基板にその上方より
腐食液を浸透させて周囲凸部を腐食・除去して凸版部よ
り低い平坦部を形成する第2エッチング工程とを含む製
造工程により得られるものである。さらに、本発明にか
かる今一つの化粧板用賦形型は、上記発明方法で得られ
たマスクフィルム、すなわち第1マスクフィルムと、天
然導管に対応して均一な淡濃度の導管陰影部を有し、か
つ導管陰影部以外の地部がほぼ透明である第2マスクフ
ィルムとを、両者の導管陰影部が一致するように、重ね
合わせ、これらのマスクフィルムを通してカーボンティ
ッシュの光硬化層に露光して、地部に対応する部分を十
分光硬化させて周囲硬化部を形成すると共に、導管陰影
部に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの
深さで光硬化させて周囲硬化部に囲まれた凸状硬化部を
形成する露光工程と、露光済の光硬化層を金属基板に貼
合せて温湯にて光硬化層の凸状硬化部に隣接する未硬化
部を除去する現像工程と、次いで、光硬化層の上から腐
食液を浸透させるとともに、その下方の金属基板に光硬
化層の厚み形状に対応したプロフィールの深さに腐食液
を浸透させて金属基板の上層を腐食・除去することによ
り、光硬化層の凹凸形状に対応する凹凸形状を転写し
て、光硬化層の周囲硬化部に対応する周囲凸部と該周囲
凸部に囲まれる凸版部とを形成する第1エッチング工程
と、次いで、第1エッチング工程で作られた金属基板の
周囲凸部に囲まれかつ凸版部上部に位置する空間に非浸
透性詰物を充填した上で、金属基板にその上方より腐食
液を浸透させて周囲凸部を腐食・除去して凸版部より低
い平坦部を形成する第2エッチング工程とを含む製造方
法により得られたものである。
【実施例】以下に、図5〜27に従って、上記技術的課
題を解決するための本発明にかかるマスクフィルムの製
造方法、およびそのマスクフィルムを用いて化粧板用賦
形型を製造する方法、並びにその化粧板用賦形型につい
て詳細に説明する。
【0012】先ず始めに、マスクフィルムの製造方法に
ついて説明する。図5は本発明にかかるマスクフィルム
の基本的製造方法を示している。本発明方法において
は、製版写真用第1フィルム10と、乱反射フィルム1
6と、製版写真用第2フィルム11と製版写真用第3フ
ィルム14とが使用される。ここで製版写真用フィルム
としてはリスフィルムが好ましい。特に第3フィルムに
ついては端縁部(周囲部)のボヤケを回避するために、
プロセスフィルムではなく、リスフィルムが良い。第1
フィルム10は、天然導管1に対応する導管陰影部10
aを上面に有しかつ導管陰影部10a以外の地部10cが
ほぼ透明に形成されている。また、第2フィルム11は
天然導管1に対応する導管透明部11aを有しかつ導管
透明部11a以外の地部11c下面が陰影部として形成さ
れている。また、第3フィルム14は未使用のものであ
って、この第3フィルム14が露光・現像後にマスクフ
ィルム2になる。乱反射フィルム16は、第1フィルム
14に入射した光を第2フィルム11および第3フィル
ム14に拡散するものであって、乳白色の半透明フィル
ムが好ましい。図5(I)においては、各フィルム10,
11の導管陰影部10a及び陰影部としての地部11c
が、フィルムの上面または下面に形成される感光層によ
り形成されている状態を示している。
【0013】上記3枚のフィルム10,11,14および
乱反射フィルム16は、図に示すように、フィルム10
−11間は、乱反射フィルム16を挟んでそれぞれの感
光層が背中合わせとなるようにし、フィルム11−14
間は感光層同士が向かい合うように、順次上から下に、
フィルム10とフィルム11を、乱反射フィルム16を
介して、各ベースフィルムを背中合わせにして互いに密
着した状態で光Lにより露光される。このとき、各導管
陰影部10aと導管透明部11aは互いに対応する位置に
配置される。この配置の仕方は、図7,8に示した配置
の仕方あるいはその他の仕方もあるが、図5の実施例に
おいては、導管陰影部10aの形状及び寸法を導管透明
部11aの形状及び寸法と実質的に同一とすると共に、
これらの各導管陰影部10aと各導管透明部11aとが上
下方向に実質的に一致せしめられている。
【0014】図5に示すように、光Lにより密着フィル
ム10,16,11,14を露光すると、光がフィルム1
6を透過する際に乱反射が起こり、(II)に示すよう
に、第3フィルム14(マスクフィルム2)には周辺部分
濃度が濃く中心部分の濃度が低い濃度分布を有する導管
陰影部2aが形成される。すなわち、光が乱反射フィル
ム16のところで乱反射を生ずると、第1フィルム10
の導管陰影部10aの周辺から各フィルム10,11に入
射する光の一部は導管陰影部10aの下方中心方向に回
り込むことになる。もし、この光の乱反射がなければ、
つまり上方より入射する光Lが下方に直進するとすれ
ば、導管陰影部10aの巾寸法と導管透明部11aの巾寸
法は一致しているため、導管透明部11aを光通過窓と
して第3フィルム14に入射する光は理論上零であって
第3フィルム14は露光されないことになる。しかし、
本発明においては、この光の乱反射現象を利用して、一
定の光が導管透明部11aを光通過窓として第3フィル
ム14に入射することができるのである。そして、この
入射光は第3フィルム14に対して一様ではなく、その
露光量は周辺部において多く、中心部において少なくな
り、濃度分布曲線2bに示すように、導管陰影部2aの周
辺から中心に向かって二次曲線的に漸減する。したがっ
て、このように露光された第3フィルム14を現像すれ
ば、露光量の多い部分の濃度が高くなり、露光量の少な
い部分の濃度が低くなるのである。すなわち導管陰影部
2aの濃度は天然導管1の深度の浅い部分から深い部分
に対応して濃から淡に変化するのである。このようにし
て、図4(II)に示した目的とするところのマスクフィ
ルム2を得ることができるのである。
【0015】上記した第1及び第2フィルム10,11
自体は、一例として図6に示した写真技術により製造す
ることができる。図6は多数の導管1の木目模様を有す
る天然木材の表面をカメラ12により撮影している状態
を示している。この撮影方式自体公知のものであって、
被写体であるところの木目模様の黒い部分すなわち導管
と他の相対的に明るい背景部分とのコントラストを強調
するための撮影方式である。したがって、このカメラ1
2に使用されるフィルムはその目的に合致するリスフィ
ルムが使用される。そしてまた、撮影時においては、光
Lを天然木材の表面に対して斜め方向から投光して、天
然木材の表面に対して窪んでいるところの各導管1の部
分を暗くする一方背景部を明るくして、つまり明暗を強
調して撮影する。これにより、全面が一様または均一な
濃度を有する地部11cを有するところの第2フィルム
11を得ることができる。この場合、第1フィルム10
は第2フィルム11に対するネガフィルムである。すな
わち、図には示していないが、地部11cを有する第2
フィルム11の下に未使用の第1ネガフィルム(10)
を感光層が密着するようにして露光することにより、第
2フィルム11と陰影部が逆転した第1フィルム10を
得ることができるのである。
【0016】また、コントラストをより強調する方法と
して、天然木材の表面における導管部以外を白色塗装し
て撮影する方法や、逆に(天然木材が濃い色の場合)、
導管部のみを白チョーク等で埋めて白色としてから撮影
する方法等がある。
【0017】本発明は、前記したように、露光時におけ
る光の乱反射叉は拡散の現象を利用して、第3フィルム
14に入射する光の露光量を第3フィルム14に形成さ
れるべき導管陰影部2aの少なくとも横断方向沿いに周
辺から中心方向に向かって漸減するように分布せしめ、
現像後の第3フィルム14の導管陰影部2aの濃度を天
然導管1の少なくとも横断方向の深部の浅い部分から深
い部分に対応して濃から淡に変化させるようにしたこと
を特徴とするものであるが、図7の実施例方法によれ
ば、天然導管1の横断方向のみならず長手方向において
も深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変
化したマスクフィルムを製造することができる。この第
2実施例を次に説明する。
【0018】図7の製造方法において使用している第1
フィルム10、第2フィルム11及び第3フィルム1
4、および乱反射フィルム16は第1実施例のものと同
一構成である。しかしながら、第1フィルム10と第2
フィルム11との位置合せ方式が第1実施例のものと異
なっている。なお図7(I),(II)は天然導管1の長手
方向断面に対応している。
【0019】すなわち、本第2実施例においては、第1
フィルム10と第2フィルム11が、第1フィルム10
が第2フィルム11に対して導管陰影部10aの先細先
端部側の方向にずれた状態で互いに密着せしめられてい
る。この位置関係は図7(III)に良く示されている。
つまり、重ね合わされたフィルムを上方から見た場合、
導管透明部11aの基端部は導管陰影部10aと重なって
おらず、一方導管透明部の基端部以外の部分はすべて導
管陰影部10aと重なっているのである。したがって、
互いに密着せしめられたフィルム10,16,11,14
に対して光Lにより露光したとき、導管透明部11aの
基端部と導管陰影部10aの基端部との間においては光
が直接第3フィルム14に入射される。そして、この第
2実施例においても、導管陰影部10aの周辺からフィ
ルム10に入射する光は乱反射フィルム16を透過する
際に拡散を生じるので、図7(II)に示すように、導管
陰影部2aの基端部から先細の先端部に向かって漸減す
るように露光量が分布することになる。この場合、導管
陰影部10aの先細先端部は地部11cと重なっている
ので、その周辺から拡散してフィルム14に至る光の光
量は非常に少なくなる。したがって、この露光分布を有
する第3フィルム14を現像すれば、天然導管の長手方
向断面に非常によく対応した導管陰影部2aを得ること
ができるのである。もちろん、天然導管1の横断方向に
おいては、露光時の光の拡散現像により、第1実施例と
略同様の露光分布が得られ、導管陰影部の周辺から中心
に向かって露光量が漸減することになる。この場合も、
導管陰影部10aの横断方向周辺は地部11cと重なっ
ているので、その周辺から拡散してフィルム14に至る
光の光量は非常に少なくなる。この第2実施例により得
られるマスクフィルム2の導管陰影部は第1実施例によ
り得られる導管陰影部より一層天然木材の導管に対応し
たものとなり、そのためこのマスクフィルムを利用して
賦形型を製造し、その賦形型により化粧板を製造すれ
ば、その化粧板には天然木材の導管に非常に近い導管を
得ることができるのである。
【0020】図8にさらに今一つの実施例を示してい
る。前記した本件出願人にかかる特願平3−34616
0号では、今一つのマスクフィルムを提案している。こ
のマスクフィルムは一対のマスクフィルムより構成され
るものであるが、図8の実施例は、この一対のマスクフ
ィルムに代わる一枚のマスクフィルムを製造するための
方法である。この第3実施例においては、第2フィルム
11および乱反射フィルム16の構成は第1及び第2実
施例のものと同一であるが、第1フィルム13の構成は
若干異なっている。すなわち、第1フィルム13の導管
陰影部13aは第2フィルム11の導管透明部11aと相
似形を有しているものの、導管陰影部13aの巾寸法W
1は導管透明部11aの巾寸法W2より一回り小さく寸
法構成している。そして、露光時においては第1フィル
ム13と第2フィルム11とを導管陰影部13aを導管
透明部11aに中心合わせした状態でかつ覧反射フィル
ム16を挟んで互いに密着している。したがって、この
状態で光Lにより露光すれば、導管陰影部13aと導管
透明部11aとの各周辺部間においては光Lは直接第3
フィルム14に入射する。また、導管陰影部13aの周
辺部よりフィルム13,16,11に入射する光は第1,
第2の実施例と同様に、フィルム16において拡散現象
を生じて中心方向にも回り込む。したがって、図8(I
I)に示されるように、第3フィルム14に露光される
導管陰影部2aの露光量は、周囲一定巾部分W3におい
て最大となり、かつその部分W3から中心に向かって漸
減するようになり、それに応じて、現像後は、周辺一定
巾部分W3において濃度が最大となり、その周辺一定巾
部分W3から中心に向かって濃度は濃から淡に変化する
ことになる。
【0021】上記第3実施例に示した第1フィルム13
の導管陰影部13aは、たとえば図9に示した方法によ
り得ることができる。図9において、10は第1,第2
の実施例に使用した第1フィルム10と同一のもので巾
寸法W2を有している。但し、このフィルム10は10
0〜200μ程度の厚いリスフィルムを使用している。
一方、15は第1フィルム10の下側に密着せしめられ
る未使用の第1ネガフィルムでかつ明暗のコントラスト
が強調されるリスフィルムである。このように第1フィ
ルム10及び未使用の第1フィルム15を乱反射フィル
ム16を介して重ねあわせて光Lにより露光を行う。そ
うすればフィルム10の導管陰影部10a以外の部分に
入射する光Lはすべてフィルム15に対して露光される
ことになる。一方導管陰影部10aの部分については、
その周辺部分の光はフィルム16において拡散して導管
陰影部10aの下側に回り込むことになる。図9におい
ては、フィルム15の巾寸法W1の範囲を除いてその他
の部分が露光された状態を示している。したがって、こ
のフィルム15を現像すれば、図9(II)に示すような
陰影部としての地部15c及び導管透明部15aを得るこ
とができる。この導管透明部15aは巾寸法W1を有し
ている。そしてつぎに、図示していないが、このフィル
ム15の下に未使用のネガフィルム13を感光層同士が
密着するように重ね合せて露光すれば、図8のフィルム
13を得ることができる。
【0022】つぎに、このようにして製造されたマスク
フィルム2を用いて賦形型を製造する方法の一例及びそ
の方法より得られる賦形型について図10〜15にした
がって説明する。
【0023】この賦形型製造方法においては、まず始め
に上記マスクフィルム2を用いた露光工程が行なわれ
る。この露光工程を図10に示している。図10に示さ
れるように、マスクフィルム2を通して光硬化層3aに
光Lを露光して、地部2cに対応する部分を十分光硬化
させて周囲硬化部3eを形成すると共に、導管陰影部2a
に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの深
さで光硬化させて周囲硬化部3eに囲まれた凸状硬化部
3cを形成する。図示の実施例においては、カーボンテ
ィッシュ3が使用されている。このカーボンティッシュ
3自体は公知のものであって、光硬化層3aとベース紙
3bより形成されている。図10に光Lの光線を矢印で
示している。これより明らかなように、マスクフィルム
2の地部2cはほぼ透明であるから光Lは光硬化層3aに
対して十分深く浸透する一方、マスクフィルム2の導管
陰影部2aの部分については、その濃淡に応じた量だけ
光Lが達する。すなわち導管陰影部2aの周囲部分は濃
い陰影となっているため光Lの透過深さが小さく、一方
導管陰影部2aの中心部分は濃度が薄くなっているので
周辺部分より深く光が達している。したがって、凸状硬
化部3cは天然導管1に対応する断面形状を呈してい
る。なお、図において3dは光Lが達していない部分す
なわち未硬化部を示している。
【0024】次いで、図11に示すように、露光済のカ
ーボンティッシュの光硬化層3aを基板4、例えば銅板
に貼りつけ、温湯にて現像することにより未硬化部3d
を除去しベース紙3bを剥すことにより、基板4の表面
にエッチング用の光硬化膜を形成する。ここで、カーボ
ンティッシュの代わりに、ポリエステルベースのロトフ
ィルムを使用しても同様の効果が得られるものである。
【0025】図12は上記した第1エッチング工程を示
している。この工程では光硬化層3aの上から腐食液Q
を浸透させる。そしてこれにより、基板4に、光硬化層
3の厚み形状に対応したプロフィールの深さに、腐食液
Qを浸透させて、金属基板4の上層を腐食すると共にそ
の腐食部分を除去する。すなわち、腐食液Qは光硬化層
3の中を上から下に浸透していくわけであるが、その厚
みの厚い部分は浸透に時間がかかる一方その厚みが薄い
部分はその浸透時間が速いことになる。したがって、例
えば図示のように腐食された最深部の深さが一定の値、
例えば60〜70μ、に達したとき、このエッチング工
程を停止して腐食部分を洗浄すると、光硬化層3aの形
状とほぼ同一の形状が金属基板4に転写されることにな
る。すなわち光硬化層3aの周囲硬化部3eに対応して金
属基板4には周囲凸部4dが形成される。一方、光硬化
層3aの凸状硬化部3cと同形状の凸版部4cが形成され
ることになる。これを図13に示している。
【0026】上記第1エッチング工程において形成され
た金属基板4は、次いで第2エッチング工程が行なわれ
る。この第2エッチング工程を図14に示している。こ
の工程においては、第2エッチングを開始する前に、周
囲凸部4dに囲まれかつ、凸版部4cの上部に位置する空
間4g内に、腐食液Qが浸透しない非浸透性詰物5、例
えばオフセットインキをハンドローラーにて基板表面に
全面に塗布してドクター刃にて余分のインキをかきとっ
た後に、サンドペーパー、砥石等でこすり平坦部のオフ
セットインキを完全に除去して凹部のみにこのオフセッ
トインキを充填する。このように詰物5を充填した後に
第2エッチングが開始される。そして、この工程におい
ては、金属基板4にその上方より腐食液Qを浸透させて
周囲凸部4dを腐食・除去して凸版部4cより十分低い平
坦部4hを形成する。この第2エッチングは、凸版部4c
が一定の高さ、例えば約100μ、になるまで行われ
る。このようにして形成された化粧板用賦形型を図15
に示している。上記した凸版部4cがいわゆる導管対応
凸状部4eとして転写形成されている。
【0027】このようにして形成された導管対応凸状部
4eは図3に図解した天然の導管の凹形状に近似してお
り、従ってこの賦形型によりプレス工程で化粧板にエン
ボス加工すれば天然導管に酷似した導管、すなわち深部
と浅部よりなる導管、を形成することが出来るのであ
る。
【0028】ところで、図5の実施例に示したマスクフ
ィルムの製造方法では実際は都合の悪いことがある。す
なわち、天然木材の無数の導管の大きさは実際には不均
一であるため、実質的に全ての導管につき所望の濃淡分
布曲線を得ることが困難である。その理由を以下に説明
する。
【0029】図16は、図5の露光方法において、大き
い導管1'と小さい導管1"に対応する濃淡分布曲線の表
れ方の違いを示している。図16は小さい導管1"に露
光量を合わせた場合の例を示す。すなわち、図16に示
されるように、小さい導管1”の濃淡分布曲線が所望の
形状になり、かつ、中心部の濃度も十分保証されている
場合には、大きい導管1’の濃淡分布曲線はその中心部
の濃度が十分保証されないのみならず、その形状も所望
のものにならない場合が生ずる。これは、露光量を小さ
い導管1"に合わせているため、その露光量は大きい導
管1'を露光するに十分ではなく、そのため、濃淡分布
曲線の中心部がほとんど露光されないためである。上と
は逆に、もし、露光量を大きい導管1'に合わせれば、
小さい導管1”が犠牲となり、つまり、露光量が多すぎ
るため、その濃淡分布曲線は所望の谷形形状を画かず平
滑化するという不具合がある。
【0030】マスクフィルム2が図16の濃淡分布曲線
を持つ場合には、このマスクフィルムを使用して賦形型
を製造するときに以下のような不具合が生じる。
【0031】図17は図14に対応する図であるが、大
きい導管1'に対応する金属基板4の空間4gの深さt、
すなわち凸版部4'cの中心部の上方部分、が非常に浅く
なり、その結果、詰物5の中心部の厚みが極めて薄くな
る。そうすれば、図14に示した第2エッチング工程が
実施されれば、詰物5の中心部からの腐食液の浸透が多
くなり、その結果、図18に示したような導管対応凸状
部4'e,4"eが形成されることになる。すなわち、小さ
い導管1"に対応する凸状部4"eは問題ないが、大きい
導管1'に対応する凸状部4'eの頂部に窪み4iが表れる
のである。この窪み4iは詰物5の中心部を浸透した腐
食液の腐食によるものである。もちろん、この形状は好
ましくない。また、ここでは大きい導管、小さい導管と
いうことで説明しているが、本発明においては、1つの
導管の太い部分と細い部分でも同様のことが言える。
【0032】図19〜23に示した第4実施例は、上記
問題を解決することができる。上記問題は、露光量を小
さい導管1"に合わせたとき、大きい導管1'に対応する
濃淡分布曲線の中心部が極端に淡になることに起因す
る。したがって、この事態を回避すればよい。第4実施
例では、図5における第1フィルム10の導管陰影部1
0aが一定の小量光を透過する濃度に調整されたフィル
ム10'を用いる。このフィルム10'は図19の方法で
製作される。
【0033】すなわち、図5で用いた第2フィルム11
の下にこれと密着して未使用のフィルム10'を重ね合
わせ、この状態で上方より露光する。露光されかつ現像
されたフィルム10'を図20に示している。この場
合、露光量を調整して、第2フィルム11の導管対応透
明部11aより透過する光によりフィルム10'が僅か露
光するようにする。したがって、フィルム10'の導管
陰影部10'aの濃度は低濃度であって、一定量の光の透
過を許容する。
【0034】ところで、マスクフィルムの導管陰影部の
濃度(写真濃度としての透過濃度)は、その周囲部が1.
8〜2.0、その中心部が0.6〜0.7程度になることが
好ましい。導管の幅寸法は、実際的には、大きいもので
0.8〜1.0mm、小さいもので0.3〜0.5mm程度
である。この導管寸法を考慮し、かつ、小さい導管を基
準とし、かつ、図21に示す露光工程においてフィルム
10'と11とを併用することを考慮したとき、フィル
ム10'の導管陰影部10'aの濃度は図5に示すマスク
フィルムの製造時の露光量との関係で、マスクフィルム
の導管陰影部の中心部濃度が0.6〜0.7となるように
0.3〜1.2の範囲の値に設定して、図19における露
光をするのがよい。
【0035】さて、本実施例では、図21に示すよう
に、第1フィルム10'と、乱反射フィルム16、第2
フィルム11および第3フィルム14'とを、図5の場
合と同様に、重ね合わせて再び露光する。そうすれば、
この場合には、第1フィルム10'の導管陰影部10'a
は一定量の光を透過させるので、第3フィルム14'に
形成される濃淡分布曲線は嵩上げされた状態となる。す
なわち、導管陰影部10'aを透過する光により露光され
る陰影部2a-2と、光の拡散により露光される陰影部2
a-1が重畳した濃淡分布となる。この第3フィルム1
4'に形成される大きい導管陰影部2'aと小さい導管陰
影部2"aは図22 に示すとおりとなる。つまり、大き
い導管に対応する導管陰影部2'aの中心部も十分露光さ
れている。したがって、この第3フィルム14'をマス
クフィルムとして図11〜15の処理を行えば、凸版部
4'c,4"cを有する金属基板4'を得ることができる。す
なわち、大きい導管1'に対応する凸版部4'cの上方の
空間4gの深さtも十分確保されているのである。したが
って、この空間4gに詰めた詰物5の中心部の厚みも十
分保証されることになり、第2エッチング工程を実施し
たとしても、図18に示したような不具合は生じない。
また、図21の方法に代えて図24の改良方法(第5実
施例)によってもよい。この改良方法においては、第1
のマスクフィルム2に加えて、第2のマスクフィルム6
を併用するようにしている。この第2マスクフィルム6
では、その導管陰影部6aが一定の小量光を均一に透過
する濃度に調整されている。この改良方法では、図21
に示すように、第1フィルム2と第2フィルム6をカー
ボンティシュ3の光硬化層3a上に重ね合わせて光Lを
露光する。この場合、各導管陰影部2a,6a同志及び地
部2c,6c同志はそれぞれ一致している。そうすれば、
この場合には、第1および第2のマスクフィルム2,6
を全体として見れば、導管陰影部全体としては、第1フ
ィルム2の濃度分布2bが第2フィルム6の濃度分布6b
により嵩上げされた状態となる。その嵩上げ状態の、大
きい導管陰影部(2b+6b)と小さい導管陰影部(2'b
+6'b)は図25に示すとおりである。図に明らかなよ
うに、大きい導管1'に対応する導管陰影部(2b+6
b)の中心部も十分な濃度を有している。さて、マスク
フィルム2等を用いて賦形型を製造する方法を上に説明
し、その結果形成される賦形型の導管対応凸版部の形状
を図15に示した。しかし、図15の形状は理想形状で
あって、現実には全ての導管対応凸状部をこのような理
想形状に形成することはできない。その例の一例を既に
図18に示した。また、マスクフィルム2が導管対応凸
版部の形状に影響を与えることは言うまでもないが、実
際には、地部2cと導管陰影部2aとの境界をなす濃淡分
布曲線2bのエッヂは図5に示すほどにはシャープでは
ないことも多い。すなわち、図26(I)に示すように、
濃淡分布曲線2bのエッヂも若干滑らかな曲線を描く場
合も多い。この場合には、このマスクフィルム2を用い
て製造した賦形型の導管対応凸版部4cは、そのエッヂ
にコブ4jが生じる。さらに、マスクフィルム2の濃淡
分布曲線2bが図2(II)に示すように理想型になったと
しても、第2エッチング工程における腐食液Qの腐食作
用が必ずしも正確に垂直下方に進行せず、斜め下方に進
行するので、この場合のも、賦形型の導管対応凸版部4
cのエッヂに小さな突起4kが発生することが多い。この
コブ4j又は突起4kが発生する原因を図27(I)〜(IV)
に基づいてより詳しく説明する。図において左側は太い
導管に対応し、右側は細い導管に対応している。まずマ
スクフィルム2は導管の太さにより、多少露光のされ方
が違い、細い導管は太い導管に比べ、光が逆サイドから
も届く可能性が高くなることにより、太い導管よりも全
体的に濃く、特に中央付近もかなり露光される(図27
(I))。したがって、1次エッチング後、詰物5は(II)
の状態となる。図27(II)中の破線は2次エッチングの
進行度合を示している。その実際の進行は、詰物周辺部
エッチングがその両サイドより少し遅れる。そこで、そ
のエッチングを細い導管に合わせた場合(図27(II
I))は、特に太い導管側に中央突起の両側にもコブが生
じることとなる。このコブを無くすために、さらにエッ
チングを進めると(図27(IV))、今度は細い方の導管
の側壁部がえぐられることとなる。このようになると、
この賦形型でシートにエンボス加工を行うと、シートが
抜けなくなり、(又は、シートの導管対応部のエッジ部
にかえりが生じる)化粧板としては使用不能となる。よ
って、このような形状になる手前でエッチングを終了す
ることになり、その結果図26に示すようなコブ4jや
突起4kが形成されることになる。このように本発明の
マスクフィルム2を用いて賦形型を製造すると、賦形型
に形成される各導管対応凸版部は、天然導管に大略対応
する形状となるが、そのエッヂ部は種々変形することに
なる。しかし、この変形形状は、天然導管と完全一致は
しないものの、変化のある導管、つまり画一的でない導
管、を化粧シートに賦形することができ、見た目には、
かえって化粧シート全体として自然な導管に見える。こ
の変化ある導管対応凸版部は上記本発明の製造方法によ
り初めて実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 導管模様を有する天然木材の表面を示す平面
図である。
【図2】 図1の天然木材の導管を模式的に示す図であ
る。
【図3】 図1,2の天然導管の断面を示す説明図であ
る。
【図4】 本発明にかかるマスクフィルムの側面図であ
る。
【図5】 本発明の第1実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
【図6】 図5における第1フィルム10の製造方法を
示す図である。
【図7】 本発明の第2実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
【図8】 本発明の第3実施例にかかるマスクフィルム
の製造方法を示す図である。
【図9】 図8における第1フィルム13の製造方法を
示す図である。
【図10】 本発明にかかるマスクフィルムを使用して
賦形型を製造する製造方法における露光工程を示す断面
図である。
【図11】 本発明の賦形型の製造方法において光硬化
層と金属基板とを積層した状態を示す断面図である。
【図12】 賦形型製造方法における第1エッチング工
程を示す図である。
【図13】 第1エッチング工程により作られた金属基
板を示す図である。
【図14】 賦形型製造方法における第2エッチング工
程を示す図である。
【図15】 図10〜14の製造工程により形成された
賦形型を示す断面図である。
【図16】 図5の第1実施例によりマスクフィルムを
製作したときに生ずる大きい導管陰影部と小さい導管陰
影部の各濃淡分布曲線を示す図である。
【図17】 図16のマスクフィルムを使用して製作し
た金属基板を示す図である。
【図18】 図17の金属基板から製作される賦形型を
示す図である。
【図19】 本発明の第4実施例にかかるマスクフィル
ムの製造方法において、第1フィルム10'をつくる方
法を示す図である。
【図20】 第1フィルム10'の導管陰影部および濃
淡分布曲線を示す図である。
【図21】 本発明の第4実施例にかかるマスクフィル
ムの製造方法を示す図である。
【図22】 図21の方法で製造したマスクフィルムの
大きい導管および小さい導管に対応する各導管陰影部を
示す図である。
【図23】 図22のマスクフィルム14'を使用して
製作した金属基板を示す図である。
【図24】 本発明の第5実施例にかかるマスクフィル
ムの製造方法を示す図である。
【図25】 図24の方法で製造したマスクフィルムの
大きい導管および小さい導管に対応する各導管陰影部を
示す図である。
【図26】 本発明の各実施例で製造したマスクフィル
ム2の変形形状と、そのマスクフィルム2を用いて製造
した賦形型の導管対応凸版部の変形形状を示す図であ
る。
【図27】 図26の詳細を示す図である。
【符号の説明】
1 導管 1’ 大き
い導管 1” 小さい導管 1a 周辺
浅部 1b 深部 2 マス
クフィルム 2a,2'a,2"a 導管陰影部 2b 濃淡
分布曲線 2c 地部 3 カー
ボンティッシュ 3a 光硬化層 3b ベー
ス紙 3c 凸状硬化部 3d 未硬
化部 3e 周囲硬化部 4,4' 金属
基板 4c,4'c,4"c 凸版部 4d 周囲
凸部 4e,4'e,4"e 導管対応凸状部 4g 空間 4h 平坦部 4i 窪み 4j コブ 4k 突起 5 詰物 6 第2
マスクフィルム 6a 導管陰影部 6c 地部 10,10' 第1フィルム 10a,10'
a 導管 10c,10'c 地部 11 第2
フィルム 11a 導管対応透明部 11c 地部 14,14' 第3フィルム 15 ネガ
フィルム 15a 導管透明部 15c 地部 16 乱反射フィルム L 光 Q 腐食液
フロントページの続き (72)発明者 小島 広起 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 朴井 俊治 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 青田 良明 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 羽場 幸子 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−297560(JP,A) 特開 昭61−180246(JP,A) 特開 平4−140750(JP,A) 実開 昭57−108236(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16 B41M 3/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然導管(1)に対応する導管陰影部(1
    0a,10'a)を有しかつ導管陰影部(10a,10'a)以外
    の地部(10c,10'c)がほぼ透明である第1製版写真用
    フィルム(10,10')と、乱反射フィルム(16)と、天
    然導管(1)に対応する導管透明部(11a)を有しかつ導
    管透明部(11a)以外の地部(11c)下面が陰影部として
    形成された第2製版写真用フィルム(11)と、未使用の
    第3製版写真用フィルム(14)とを、導管陰影部(10
    a,10'a)と導管透明部(11a)を対置させて、上下に互
    いに密着させて上方より露光しかつ現像して第3製版写
    真用フィルム(14)に導管陰影部(2a)を形成するマス
    クフィルム(2)の製造方法にして、 上記露光時に、第1製版写真用フィルム(10,10')の
    地部(10c,10'c)、乱反射フィルム(16) 及び第2
    製版写真用フィルム(11)に入射した導管陰影部(1
    0a,10'a)周辺の光(L)が乱反射フィルム(16)の乱
    反射作用により第1製版写真用フィルム(10,10')の
    導管陰影部(10a,10'a)の下方中心方向に拡散され
    て、第2製版写真用フィルム(11)の導管透明部(11
    a)を光通過窓として第3製版写真用フィルム(14)に入
    射する光の露光量を第3製版写真用フィルム(14)に形
    成されるべき導管陰影部(2a)の少なくとも横断方向沿
    いに周辺から中心方向に向かって漸減するように分布せ
    しめ、現像後の第3製版写真用フィルム(14)の導管陰
    影部(2a)の濃度を天然導管(1)の少なくとも横断方向
    の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から淡に変
    化するようにしたことを特徴とするマスクフィルム(2)
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第1製版写真用フィルム(10,1
    0')の導管陰影部(10a,10'a)の形状及び寸法が上記
    第2製版写真用フィルム(11)の導管透明部(11a)の
    形状及び寸法と実質的に同一である請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記第1製版写真用フィルム(10,1
    0')と上記第2製版写真用フィルム(11)は、上記導管
    陰影部(10a,10'a)と上記導管透明部(11a)とが上
    下方向に実質的に一致した状態かつ上記乱反射フィルム
    (16)を介して互いに密着される請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記第1製版写真用フィルム(10')の
    導管陰影部(10'a)は、一定の小量光を透過する濃度に
    調整された請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第1製版写真用フィルム(10)と上
    記第2製版写真用フィルム(11)は、第1製版写真用フ
    ィルム(10)が第2製版写真用フィルム(11)に対して
    上記導管陰影部(10a)の長手方向先細先端側の方向に
    ずれた状態でかつ上記乱反射フィルム(16)を介して互
    いに密着せしめられ、上記露光時の上記第3製版写真用
    フィルム(14)に対する露光量が、第3製版写真用フィ
    ルム(14)に形成されるべき上記導管陰影部(2a)の基
    端部から先細先端部に向う方向にも漸減するように、分
    布せしめ、現像後の第3製版写真用フィルム(14)の導
    管陰影部(2a)の濃度を天然導管(1)の横断方向及び長
    手方向の深度の浅い部分から深い部分に対応して濃から
    淡に変化するようにした請求項2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1製版写真用フィルム(10)の導
    管陰影部(10a)と上記第2製版写真用フィルム(11)
    の導管透明部(11a)は、互いに実質的に相似形である
    一方前者が後者より一回り小さく寸法構成され、第1製
    版写真用フィルム(10)と第2製版写真用フィルム(1
    1)は、導管陰影部(10a)と導管透明部(11a)を実質
    的に中心合せした状態でかつ上記乱反射フィルム(16)
    を介して互いに密着せしめられ、上記露光時の上記第3
    製版写真用フィルム(14)に対する露光量が、第3製版
    写真用フィルム(14)に形成されるべき導管陰影部(2
    a)の周辺から中心方向に向かって漸減するように分布
    し、かつ第3製版写真用フィルム(14)の導管陰影部
    (2a)の周囲一定巾部分(W3)が実質的に最大露光量と
    なり、現像後の第3製版写真用フィルム(14)の導管陰
    影部(2a)の濃度が、その周囲一定巾部分(W3)におい
    て最大であり、その周囲一定巾部分(W3)から中心に向
    かって濃から淡に変化する請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの製造方法で得
    られたマスクフィルム、すなわち第1マスクフィルム
    (2)、を通してカーボンティッシュの光硬化層(3a)に
    露光して、地部(2c)に対応する部分を十分光硬化させ
    て周囲硬化部(3e)を形成すると共に、導管陰影部(2a)
    に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの深
    さで光硬化させて周囲硬化部(3e)に囲まれた凸状硬化
    部(3c)を形成する露光工程と、 露光済の光硬化層(3a)を金属基板(4)に貼合せて
    温湯にて光硬化層(3a)の凸状硬化部(3c)に隣接する
    未硬化部(3d)を除去する現像工程と、 次いで、光硬化層(3a)の上から腐食液(Q)を浸透させ
    るとともに、その下方の金属基板(4)に光硬化層の厚み
    形状に対応したプロフィールの深さに腐食液(Q)を浸透
    させて金属基板(4)の上層を腐食・除去することによ
    り、光硬化層(3a)の凹凸形状に対応する凹凸形状を転
    写して、光硬化層(3a)の周囲硬化部(3e)に対応する
    周囲凸部(4d)と該周囲凸部(4d)に囲まれる凸版部(4
    c)とを形成する第1エッチング工程と、 次いで、第1エッチング工程で作られた金属基板(4)の
    周囲凸部(4d)に囲まれかつ凸版部(4c)上部に位置す
    る空間(4g)に非浸透性詰物(5)を充填した上で、金属
    基板(4)にその上方より腐食液(Q)を浸透させて周囲凸
    部(4d)を腐食・除去して凸版部(4c)より低い平坦部
    (4h)を形成する第2エッチング工程とを含む製造工程
    により得られる化粧板用賦形型。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの製造方法で得
    られたマスクフィルム、すなわち第1マスクフィルム
    (2)と、天然導管(1)に対応して均一な淡濃度の導管
    陰影部(6a)を有し、かつ導管陰影部(6a)以外の地
    部(6c)がほぼ透明である第2マスクフィルム(6)
    とを、両者の導管陰影部(2a,6a)が一致するよう
    に、重ね合わせ、これらのマスクフィルム(2,6)を
    通してカーボンティッシュの光硬化層(3a)に露光し
    て、地部(2c,6c)に対応する部分を十分光硬化させて
    周囲硬化部(3e)を形成すると共に、導管陰影部(2a,6
    a)に対応する部分をその濃度に対応したプロフィールの
    深さで光硬化させて周囲硬化部(3e)に囲まれた凸状硬
    化部(3c)を形成する露光工程と、 露光済の光硬化層(3a)を金属基板(4)に貼合せて
    温湯にて光硬化層(3a)の凸状硬化部(3c)に隣接する未
    硬化部(3d)を除去する現像工程と、 次いで、光硬化層(3a)の上から腐食液(Q)を浸透させ
    るとともに、その下方の金属基板(4)に光硬化層の厚み
    形状に対応したプロフィールの深さに腐食液(Q)を浸透
    させて金属基板(4)の上層を腐食・除去することによ
    り、光硬化層(3a)の凹凸形状に対応する凹凸形状を転
    写して、光硬化層(3a)の周囲硬化部(3e)に対応する
    周囲凸部(4d)と該周囲凸部(4d)に囲まれる凸版部(4
    c)とを形成する第1エッチング工程と、 次いで、第1エッチング工程で作られた金属基板(4)の
    周囲凸部(4d)に囲まれかつ凸版部(4c)上部に位置す
    る空間(4g)に非浸透性詰物(5)を充填した上で、金属
    基板(4)にその上方より腐食液(Q)を浸透させて周囲凸
    部(4d)を腐食・除去して凸版部(4c)より低い平坦部
    (4h)を形成する第2エッチング工程とを含む製造方法
    により得られた化粧板用賦形型。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかの製造方法で得
    られたマスクフィルム、すなわち第1マスクフィルム
    (2)と、天然導管(1)に対応して均一な淡濃度の導管
    陰影部(6a)を有し、かつ導管陰影部(6a)以外の地
    部(6c)がほぼ透明である第2マスクフィルム(6)
    との組み合わせよりなるマスクフィルム。
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